JP2002338397A - Iii族窒化物結晶成長装置およびiii族窒化物結晶成長方法 - Google Patents

Iii族窒化物結晶成長装置およびiii族窒化物結晶成長方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ金属を用いてIII族窒化物結晶を成
長させるときに、直接反応生成物を形成しないアルカリ
金属をアルコールや酸等の薬液を用いずに、置換やエッ
チングすることなく、III族窒化物結晶を取り出すこと
の可能なIII族窒化物結晶成長装置を提供する。 【解決手段】 第1の混合融液保持容器102の上部と
第2の混合融液保持容器112の上部は、各々開口して
おり、連結管108によって連通している。この連結管
108を加熱制御可能なように連結管加熱装置107が
設置されている。ここで、連結管108は、第1,第2
の温度制御領域のうちの一の温度制御領域から他の温度
制御領域にアルカリ金属を輸送するためのアルカリ金属
輸送領域として機能するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、III族窒化物結晶
を成長させるIII族窒化物結晶成長装置およびIII族窒化
物結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、紫〜青〜緑色光源として用いられ
ているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、
その殆どがサファイア基板あるいはSiC基板上に、M
O−CVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法
(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製さ
れている。サファイアやSiCを基板として用いる場合
には、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大
きいことに起因する結晶欠陥が多くなる。このために、
デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長く
することが困難であったり、動作電力が大きくなったり
するという問題がある。
【0003】更に、サファイア基板の場合には絶縁性で
あるために、従来の発光デバイスのように基板側からの
電極取り出しが不可能であり、結晶成長したIII族窒化
物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その
結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながる
という問題がある。また、サファイア基板上に作製した
III族窒化物半導体デバイスは、劈開によるチップ分離
が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされ
る共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このた
め、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、
あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研
磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行って
いるが、この場合にも、従来のLDのような共振器端面
とチップ分離を単一工程で容易に行うことが不可能であ
り、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
【0004】これらの問題を解決するために、サファイ
ア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やそ
の他の工夫を行うことで、結晶欠陥を低減させることが
提案されている。
【0005】例えば文献「Japanese Journal of Applie
d Physics Vol.36(1997) Part 2, No.12A, L1568-157
1」(以下、第1の従来技術という)には、図10に示
すようなレーザダイオード(LD)が示されている。図
10のレーザダイオードは、MO−VPE(有機金属気
相成長)装置にてサファイア基板1上にGaN低温バッ
ファ層2とGaN層3を順次成長した後に、選択成長用
のSiO2マスク4を形成する。このSiO2マスク4
は、別のCVD(化学気相堆積)装置にて、SiO2
を堆積した後に、フォトリソグラフィ,エッチング工程
を経て形成される。次に、このSiO2マスク4上に再
度、MO−VPE装置にて20μmの厚さのGaN膜
3’を成長することで、横方向にGaNが選択成長し、
選択横方向成長を行わない場合に比較して結晶欠陥を低
減させている。更に、その上層に形成されている変調ド
ープ歪み超格子層(MD−SLS)5を導入すること
で、活性層6へ結晶欠陥が延びることを防いでいる。こ
の結果、選択横方向成長及び変調ドープ歪み超格子層を
用いない場合に比較して、デバイス寿命を長くすること
が可能となる。
【0006】この第1の従来技術の場合には、サファイ
ア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比べ
て、結晶欠陥を低減させることが可能となるが、サファ
イア基板を用いることによる、絶縁性と劈開に関する前
述の問題は依然として残っている。更には、SiO2
スク形成工程を挟んで、MO−VPE装置による結晶成
長が2回必要となり、工程が複雑化するという問題が新
たに生じる。
【0007】また、別の方法として、例えば文献「Appl
ied Physics Letters, Vol.73, No.6, p.832-834(199
8)」(以下、第2の従来技術という)には、GaN厚膜
基板を応用することが提案されている。この第2の従来
技術では、前述の第1の従来技術での20μmの選択横
方向成長後に、H−VPE(ハイドライド気相成長)装
置にて200μmのGaN厚膜を成長し、その後に、こ
の厚膜成長したGaN膜を150μmの厚さになるよう
に、サファイア基板側から研磨することにより、GaN
基板を作製する。このGaN基板上に、MO−VPE装
置を用いて、LDデバイスとして必要な結晶成長を順次
行ない、LDデバイスを作製することで、結晶欠陥を低
減させることが可能になるとともに、サファイア基板を
用いることによる絶縁性と劈開に関する前述の問題点を
解決することが可能となる。なお、この第2の従来技術
と同様のものとして、特開平11−4048号が提案さ
れており、図11には特開平11−4048号の半導体
レーザが示されている。
【0008】しかしながら、この第2の従来技術は、第
1の従来技術よりも更に工程が複雑になっており、より
一層のコスト高になる。また、この第2の従来技術の方
法で200μm程度の厚さのGaN厚膜を成長する場合
には、基板であるサファイアとの格子定数差及び熱膨張
係数差に伴う応力が大きくなり、基板の反りやクラック
が生じるという問題が新たに発生する。
【0009】この問題を回避するために、特開平10−
256662号には、厚膜成長する元の基板(サファイ
アとスピネル)の厚さを1mm以上とすることが提案さ
れている。このように、厚さ1mm以上の基板を用いる
ことにより、200μmの厚膜のGaN膜を成長させて
も、基板の反りやクラックを生じさせないようにしてい
る。しかしながら、このように厚い基板は、基板自体の
コストが高く、また研磨に多くの時間を費やす必要があ
り、研磨工程のコストアップにつながる。すなわち、厚
い基板を用いる場合には、薄い基板を用いる場合に比べ
て、コストが高くなる。また、厚い基板を用いる場合に
は、厚膜のGaN膜を成長した後には基板の反りやクラ
ックが生じないが、研磨の工程で応力緩和し、研磨途中
で反りやクラックが発生する。このため、厚い基板を用
いても、容易に、結晶品質の高いGaN基板を大面積化
で作製することはできない。
【0010】一方、文献「Journal of Crystal Growth,
Vol.189/190, p.153-158(1998)」(以下、第3の従来
技術という)には、GaNのバルク結晶を成長させ、そ
れをホモエピタキシャル基板として用いることが提案さ
れている。この第3の従来技術は、1400〜1700
℃の高温、及び数10kbarもの超高圧の窒素圧力中
で、液体GaからGaNを結晶成長させる手法となって
いる。この場合には、このバルク成長したGaN基板を
用いて、デバイスに必要なIII族窒化物半導体膜を成長
することが可能となる。従って、第1及び第2の従来技
術のように工程を複雑化させることなく、GaN基板を
提供できる。
【0011】しかしながら、第3の従来技術では、高
温,高圧中での結晶成長が必要となり、それに耐えうる
反応容器が極めて高価になるという問題がある。加え
て、このような成長方法をもってしても、得られる結晶
の大きさは高々1cm程度であり、デバイスを実用化す
るには小さ過ぎるという問題がある。
【0012】この高温,高圧中でのGaN結晶成長の問
題点を解決する手法として、文献「Chemistry of Mater
ials Vol.9 (1997) p.413-416」(以下、第4の従来技
術という)には、Naをフラックスとして用いたGaN
結晶成長方法が提案されている。この方法はアジ化ナト
リウム(NaN3)と金属Gaを原料として、ステンレ
ス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ
=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を
600〜800℃の温度で24〜100時間保持するこ
とにより、GaN結晶を成長させるものである。この第
4の従来技術の場合には、600〜800℃程度の比較
的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々1
00kg/cm2程度と第3の従来技術に比較して圧力
を低くできる点が特徴である。しかし、この第4の従来
技術の問題点としては、得られる結晶の大きさが1mm
に満たない程度に小さい点である。この程度の大きさで
はデバイスを実用化するには第3の従来技術と同様に小
さすぎる。
【0013】また、この第4の従来技術の場合には、N
aN3から分解したNaは結晶成長終了後に、反応生成
物とはならず、金属Naとして、あるいは、NaとGa
の金属間化合物として、反応容器内に残留する。結晶成
長終了後、GaN結晶を取り出す際にはアルコールによ
る置換により金属Naを除去したり、王水によりNaと
Gaの金属間化合物を除去したりする。この場合に、N
aが反応生成物として消費されないにもかかわらず、N
aを除去してしまうという問題がある。これは、工業的
に量産化する際にNaの消費量が増大することにつなが
り、コスト高の要因となる。さらに、Naのアルコール
置換による除去や、NaとGaの金属間化合物の王水に
よる除去では、その廃液を処理するという問題が残り、
環境汚染やあるいは廃液処理コストの増大につながる。
【0014】また、特開2000−327495号(以
下、第5の従来技術という)には、上述の第4の従来技
術と基板を用いたエピタキシャル法を組み合わせた技術
が提案されている。この第5の従来技術では、予め基板
表面にGaNあるいはAlNを成長させたものを基板と
して用い、この上に第4の従来技術を用いてGaN膜を
エピタキシャル成長させる。しかし、この第5の従来技
術は基本的にエピタキシャル成長であり、第1や第2の
従来技術と同様に結晶欠陥の問題解決には至らない。更
に、予めGaN膜あるいはAlN膜を基板上に成長させ
るため、工程が複雑となり高コストにつながる。
【0015】また、最近、特開2000−12900号
及び特開2000−22212号(以下、第6の従来技
術という)には、GaAs基板を用いてGaN厚膜基板
を作製する方法が提案されている。図12,図13に
は、この第6の従来技術によるGaN厚膜基板の作製方
法が示されている。先ず、図12を参照すると、(11
1)GaAs基板60上に第1の従来技術と同様にSi
2膜やSiN膜をマスク61として、GaN膜63を
70μm〜1mmの厚さに選択成長する(図12(1)
〜(3))。この結晶成長はH−VPEにより行う。そ
の後、王水によりGaAs基板60をエッチング,除去
し、GaN自立基板63を作製する(図12(4))。
このGaN自立基板63を元に、更に再度H−VPEに
より、数10mmの厚さのGaN結晶64を気相成長さ
せる(図13(1))。この数10mmの厚さのGaN
結晶64をスライサーによりウェハ状に切り出し、Ga
Nウェハを作製する(図13(2),(3))。
【0016】この第6の従来技術では、GaN自立基板
63が得られ、更に数10mmの厚さのGaN結晶64
を得ることができる。しかしながら、第6の従来技術に
は次のような問題点がある。すなわち、SiN膜やSi
2膜を選択成長用マスクとして用いるため、その作製
工程が複雑になり、コスト高につながる。また、H−V
PEにより数10mmの厚さのGaN結晶を成長させる
際に、反応容器内にも同様の厚さのGaN結晶(単結晶
や多結晶)やアモルファス状のGaNが付着し、このた
め、量産性に問題がある。また、GaAs基板が犠牲基
板として一回の成長毎にエッチング,除去されるため、
コスト高につながる。また、結晶品質に関しても、基本
的にはGaAsという異種基板上の結晶成長からくる、
格子不整、熱膨張係数の違いによる、欠陥密度が高いと
いう問題も残る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、第1,第
2,第5あるいは第6の従来技術の問題点である工程を
複雑化させることなく、また、第3の従来技術の問題点
である高価な反応容器を用いることも無く、かつ、第
3,第4の従来技術の問題点である結晶の大きさが小さ
くなることなく、高性能の発光ダイオードやLD等のデ
バイスを作製するために実用的な大きさで、かつ、低コ
スト,高品質のIII族窒化物結晶を成長させることの可
能なIII族窒化物結晶成長方法およびIII族窒化物結晶成
長装置を提供することを目的としている。
【0018】さらに、本発明は、第4の従来技術のよう
にNaの処理に伴う問題を解決することを目的としてい
る。すなわち、Naなどのアルカリ金属を用いてIII族
窒化物結晶を成長させるときに、直接反応生成物を形成
しないアルカリ金属(例えばNa)をアルコールや酸等
の薬液を用いずに、置換やエッチングすることなく、II
I族窒化物結晶を取り出すことの可能なIII族窒化物結晶
成長装置およびIII族窒化物結晶成長方法を提供するこ
とを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、反応容器内で、アルカリ金
属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形
成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、
III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成
長させるIII族窒化物結晶成長装置であって、1つの反
応容器内に、温度を独立に制御可能な複数の異なる温度
制御領域を有していることを特徴としている。
【0020】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記複数の温
度制御領域は、一の温度制御領域にあるアルカリ金属を
他の温度制御領域に輸送するためのアルカリ金属輸送領
域によって連通していることを特徴としている。
【0021】また、請求項3記載の発明は、請求項2記
載のIII族窒化物結晶成長装置において、アルカリ金属
を一の温度制御領域から他の温度制御領域に輸送する際
にアルカリ金属輸送領域を減圧状態にするための減圧手
段が設けられていることを特徴としている。
【0022】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載のIII族窒化物結晶成長装置において、温度を独立に
制御可能な複数の異なる温度制御領域の雰囲気を分離あ
るいは一体化するための仕切り手段が設けられているこ
とを特徴としている。
【0023】また、請求項5記載の発明は、請求項4記
載のIII族窒化物結晶成長装置において、前記仕切り手
段によって複数の異なる温度制御領域の雰囲気を分離し
ている状態で、複数の異なる温度制御領域の雰囲気を独
立に制御することが可能に構成されていることを特徴と
している。
【0024】また、請求項6記載の発明は、請求項4ま
たは請求項5記載のIII族窒化物結晶成長装置におい
て、複数の異なる温度制御領域の雰囲気を一体化してア
ルカリ金属を一の温度制御領域から他の温度制御領域に
輸送する際にアルカリ金属輸送領域を減圧状態にするた
めの減圧手段が設けられていることを特徴としている。
【0025】また、請求項7記載の発明は、反応容器内
で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質と
が混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含
む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族
窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長方法であ
って、1つの反応容器内に、温度を独立に制御可能な複
数の異なる温度制御領域を設け、一の温度制御領域でII
I族窒化物を成長させた後、他の温度制御領域にアルカ
リ金属を輸送させて、他の温度制御領域でIII族窒化物
を結晶成長させることを特徴としている。
【0026】また、請求項8記載の発明は、請求項7記
載のIII族窒化物結晶成長方法において、一の温度制御
領域と他の温度制御領域とを分離した雰囲気下で、一の
温度制御領域においてIII族窒化物結晶を成長させた
後、一の温度制御領域の雰囲気を他の温度制御領域の雰
囲気と一体化して、アルカリ金属を一の温度制御領域か
ら他の温度制御領域に輸送し、その後、一の温度制御領
域と他の温度制御領域との雰囲気を分離し、他の温度制
御領域においてIII族窒化物結晶を成長させることを特
徴としている。
【0027】また、請求項9記載の発明は、反応容器内
で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質と
が混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含
む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII族
窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長方法であ
って、1つの反応容器内に、温度を独立に制御可能な複
数の異なる温度制御領域を設け、一の温度制御領域でII
I族窒化物を成長させた後、他の温度制御領域にアルカ
リ金属を輸送させて、他の温度制御領域でIII族窒化物
を結晶成長させる工程を、複数の温度制御領域で順次に
行ない、アルカリ金属を複数の温度制御領域間で順次に
輸送することを特徴としている。
【0028】また、請求項10記載の発明は、反応容器
内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む物質
とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒素を
含む物質とから、III族金属と窒素とから構成されるIII
族窒化物を結晶成長させるIII族窒化物結晶成長方法で
あって、1つの反応容器内に、温度を独立に制御可能な
複数の異なる温度制御領域を設け、一の温度制御領域で
III族窒化物を成長させた後、他の温度制御領域にアル
カリ金属を輸送させて、他の温度制御領域でIII族窒化
物を結晶成長させる工程を、一の温度制御領域と他の温
度制御領域との間で交互に繰り返し行なうことを特徴と
している。
【0029】また、請求項11記載の発明は、請求項1
0記載のIII族窒化物結晶成長方法において、一の温度
制御領域と他の温度制御領域とを分離した雰囲気下で、
一の温度制御領域においてIII族窒化物結晶を成長させ
た後、一の温度制御領域の雰囲気を他の温度制御領域の
雰囲気と一体化して、アルカリ金属を一の温度制御領域
から他の温度制御領域に輸送し、その後、一の温度制御
領域と他の温度制御領域との雰囲気を分離し、他の温度
制御領域においてIII族窒化物結晶を成長させる工程
を、一の温度制御領域と他の温度制御領域との間で交互
に繰り返し行なうことを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0031】本発明は、反応容器内で、アルカリ金属と
少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成
し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、II
I族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長
させるときに、1つの反応容器内に、温度を独立に制御
可能な複数の異なる温度制御領域を有していることを特
徴としている。
【0032】ここで、III族窒化物結晶を成長させるの
に、反応容器内には、アルカリ金属と少なくともIII族
金属を含む物質、及び、少なくとも窒素を含む物質が存
在している。これらの物質は、外部から供給されても良
いし、あるいは、最初から反応容器内に存在していても
良い。
【0033】また、この反応容器には温度制御機能が具
備されており、結晶成長可能な温度に上げること、及
び、結晶成長が停止する温度に下げること、及び、それ
らの温度に任意の時間保持することが可能となってい
る。反応容器内の温度および実効窒素分圧をIII族窒化
物結晶が結晶成長する条件に設定することにより、III
族窒化物の結晶成長を開始させることができる。
【0034】また、温度制御領域とは、結晶成長可能な
温度に上げること、及び、結晶成長が停止する温度に下
げること、及び、それらの温度に任意の時間保持するこ
とが可能な領域であり、本発明では、この温度制御領域
が複数あり、それらが独立に温度制御可能となってい
る。
【0035】また、本発明において、窒素とは、窒素分
子あるいは窒素を含む化合物から生成された窒素分子や
原子状窒素、および窒素を含む原子団および分子団のこ
とである。
【0036】第1の実施形態 図1は本発明の第1の実施形態のIII族窒化物結晶成長
装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、反応
容器101内には、第1の混合融液保持容器102と、
第2の混合融液保持容器112とが設置されている。ま
た、第1の混合融液保持容器102を任意の温度に加熱
制御可能なように第1の加熱装置106が設置され、ま
た、第2の混合融液保持容器112を任意の温度に加熱
制御可能なように第2の加熱装置116が設置されてい
る。この第1の加熱装置106と第2の加熱装置116
とは、各々独立に、混合融液保持容器102,112を
温度制御できるものである。
【0037】換言すれば、混合融液保持容器102およ
び第1の加熱装置106が、第1の温度制御領域として
機能し、また、混合融液保持容器112および第2の加
熱装置116が、第2の温度制御領域として機能するよ
うになっている。
【0038】また、第1の混合融液保持容器102の上
部と第2の混合融液保持容器112の上部は、各々開口
しており、連結管108によって連通している。この連
結管108を加熱制御可能なように連結管加熱装置10
7が設置されている。ここで、連結管108は、第1,
第2の温度制御領域のうちの一の温度制御領域から他の
温度制御領域にアルカリ金属を輸送するためのアルカリ
金属輸送領域として機能するようになっている。換言す
れば、第1,第2の温度制御領域は、一の温度制御領域
にあるアルカリ金属を他の温度制御領域に輸送するため
のアルカリ金属輸送領域によって連通している。
【0039】また、反応容器101内に窒素を含む物質
(この例では、窒素ガスとする)を供給するために、窒
素供給管104が設けられており、また、反応容器10
1内に供給される窒素圧力を調整するために、圧力調整
機構105が設けられている。なお、この圧力調整機構
105は圧力センサー及び圧力調整弁等により構成され
ている。また、連結管108と混合融液保持容器10
2,112の上部との間には、窒素ガスが出入可能な程
度の隙間は設けられている。
【0040】また、反応容器101の材質は、例えばス
テンレスからなっており、混合融液保持容器102,1
12,連結管108の材質は、例えば、BN(窒化ホウ
素)あるいはパイロリティックBNなどからなってい
る。
【0041】このような構成のIII族窒化物結晶成長装
置におけるIII族窒化物結晶成長方法を図2を用いて説
明する。なお、図2において、図2(a)乃至(d)は
第1の混合融液保持容器102の状態を示す図であり、
図2(e)乃至(h)は第2の混合融液保持容器112
の状態を示す図である。図2を参照すると、先ず、図2
(a),(e)に示すように、第1の混合融液保持容器
102内には、III族金属としてのGaとアルカリ金属
としてのNaとの混合融液103を準備しておく。この
とき、第2の混合融液保持容器112内には、III族金
属としてのGa114のみが入っている。
【0042】このような状況下で、反応容器101内の
窒素圧力を例えば50気圧にし、また、第1の混合融液
保持容器102の温度を結晶成長が開始する温度750
℃まで第1の加熱装置106を用いて昇温する。このと
き、第2の混合融液保持容器112内の温度も同様に、
750℃になるように第2の加熱装置116を用いて昇
温されており、連結管108の温度も同様に、750℃
となるように連結管加熱装置107によって加熱されて
いる。この成長条件を一定時間保持することで、III族
窒化物であるGaN結晶109が第1の混合融液保持容
器102内に成長する。このとき、2つの混合融液保持
容器102,112間にはNaの輸送は起こらず、第2
の混合融液保持容器112内にはアルカリ金属としての
Naが無いために、GaN結晶は成長しない。
【0043】所望形状のIII族窒化物結晶(GaN結
晶)が第1の混合融液保持容器102内で成長するま
で、上記の温度,窒素圧力条件を継続する。このとき、
図2(b)に示すように、第1の混合融液保持容器10
2内では、全てのGaはGaN結晶として消費されて、
GaN結晶109とNa111のみが存在する状態とな
る。なお、このとき、第2の混合融液保持容器112内
は、図2(f)に示すように、図2(e)と同じ状態で
ある。
【0044】次に、窒素圧力を常圧まで下げた後、第1
の混合融液保持容器102と連結管108の温度を90
0℃に上げ、第2の混合融液保持容器112の温度を室
温まで下げる。この状態を一定時間保つことで、第1の
混合融液保持容器102から第2の混合融液保持容器1
12へアルカリ金属としてのNa111が移動する。す
なわち、第1の混合融液保持容器102内に存在してい
たNa111が蒸発し、Na111は温度の低い第2の
混合融液保持容器112内に移動する。このとき、図2
(c)に示すように、第1の混合融液保持容器102内
にはGaN結晶109のみが残る。そして、第2の混合
融液保持容器112内の温度を100℃程度に上げるこ
とで、第2の混合融液保持容器112内では、図2
(g)に示すように、NaとGaが混合融液113を形
成する。
【0045】次に、反応容器101内の窒素圧力を再度
50気圧に昇圧し、第1の混合融液保持容器102及び
連結管108の温度を750℃に保ったまま、第2の混
合融液保持容器112の温度を750℃に昇温する。こ
の状態を一定時間保持することで、GaN結晶117が
第2の混合融液保持容器112内に成長する。すなわ
ち、第2の混合融液保持容器112内に当初準備してい
たGa114が全てGaN結晶として反応することで、
第2の混合融液保持容器112内には、図2(h)に示
すように、所望のGaN結晶117とNa115のみが
残る。なお、このとき、第1の混合融液保持容器102
内は、図2(d)に示すように、図2(c)と同じ状態
である。そして、このとき、第1の混合融液保持容器1
02からGaN結晶109を取り出すことができる。
【0046】このIII族窒化物結晶成長装置におけるIII
族窒化物結晶成長方法では、アルカリ金属であるNaを
2回のIII族窒化物結晶(GaN結晶)の成長に用いて
いる。第4の従来技術で述べたように一度のIII族窒化
物結晶成長でアルカリ金属を消費する場合と比較する
と、アルカリ金属の消費量が半分で済み、低コスト,低
環境負荷につながる。
【0047】また、アルカリ金属であるNaを気相状態
を介して液相状態に戻すことで不純物を低減させる、す
なわちNaの精製効果もある。従って、不純物が少ない
高品質なIII族窒化物結晶(GaN結晶)を成長させる
ことが可能となる。
【0048】このように、図1のIII族窒化物結晶成長
装置およびIII族窒化物結晶成長方法では、第1の温度
制御領域でIII族窒化物結晶を結晶成長させた後、第2
の温度制御領域にアルカリ金属(Na)を輸送させて、
第2の温度制御領域でIII族窒化物結晶を結晶成長させ
るようになっている。
【0049】すなわち、最初に、反応容器101内にあ
る、複数の独立制御可能な温度制御領域のうちの一の温
度制御領域(第1の温度制御領域)でIII族窒化物結晶
を成長させる。次に、他の温度制御領域(第2の温度制
御領域)にアルカリ金属(Na)を輸送させる。ここ
で、アルカリ金属(Na)を輸送する方法は、第1の温
度制御領域の温度をアルカリ金属(Na)が蒸発する温
度以上に上昇させ、第2の温度制御領域の温度をアルカ
リ金属(Na)が蒸発しない温度より低く設定する。こ
の状態を継続することで、アルカリ金属(Na)を第1
の温度制御領域から第2の温度制御領域に輸送させるこ
とが可能となる。この後、第2の温度制御領域で第1の
温度制御領域で行ったと同様にIII族窒化物結晶を成長
させる。
【0050】第1の温度制御領域から第2の温度制御領
域までアルカリ金属(Na)を輸送させる場合に、第1
の温度制御領域の温度と第2の温度制御領域の温度が最
も重要であり、特に規定するものではないが、それ以外
の領域の温度は、望ましくは、第1の温度制御領域の温
度と同様に、アルカリ金属が蒸発する温度である方が良
い。これは第2の温度制御領域に、効率的にアルカリ金
属を輸送するためである。
【0051】なお、図1の構成例では、温度を独立に制
御可能な複数の異なる温度制御領域として、2つの温度
制御領域(第1の混合融液保持容器102および第1の
加熱装置106の第1の温度制御領域と、第2の混合融
液保持容器112および第2の加熱装置116の第2の
温度制御領域との2つの温度制御領域)が設けられてい
るが、3つ以上の温度制御領域を設けるようにしても良
い。すなわち、混合融液保持容器およびその加熱装置を
3つ以上、1つの反応容器内に設置しても良い。
【0052】図3は1つの反応容器101内に3つ以上
の温度制御領域(第1,第2,第3,…,第n,第n+
1,…の温度制御領域)が設けられている構成例を示す
図である。なお、図3において、互いに隣接する温度制
御領域間は、アルカリ金属を異なる温度制御領域に輸送
するためのアルカリ金属輸送領域によって連通してい
る。
【0053】図3の構成では、先ず、第1の温度制御領
域でIII族窒化物を結晶成長した後に、第1の温度制御
領域から第2の温度制御領域にアルカリ金属を輸送し、
第2の温度制御領域でIII族窒化物を結晶成長する。次
に、第2の温度制御領域から第3の温度制御領域にアル
カリ金属を輸送し、第3の温度制御領域でIII族窒化物
を結晶成長する。このように、第1,第2,第3,…,
第n,第n+1,…の各温度制御領域にアルカリ金属を
順次に輸送し、第1,第2,第3,…,第n,第n+
1,…の各温度制御領域においてIII族窒化物を順次に
結晶成長させることができる。
【0054】このとき、アルカリ金属を輸送する際に、
アルカリ金属が存在する(第nの)温度制御領域の温度
はアルカリ金属が蒸発する温度以上になっており、アル
カリ金属が輸送される(第n+1の)温度制御領域の温
度は、アルカリ金属が蒸発する温度より低い。それ以外
(第nと第n+1以外)の温度制御領域の温度はアルカ
リ金属が蒸発する温度に設定されており、アルカリ金属
が輸送されることは無い。
【0055】このように、図3の構成では、III族窒化
物の結晶成長とNa輸送を3回以上行なうことで、図1
の構成よりもさらにアルカリ金属(Na)の消費量を低
減することができ、低コスト,低環境負荷を実現でき
る。また、図1の構成において述べたNaの精製効果が
Na輸送回数をさらに重ねることで、より効果的にな
り、Naのより一層の高純度化を図ることが可能とな
り、高品質のIII族窒化物を結晶成長させることが可能
になる。
【0056】また、図4は、図1のIII族窒化物結晶成
長装置の変形例を示す図である。図4のIII族窒化物結
晶成長装置は、図1のIII族窒化物結晶成長装置におい
て、反応容器101に真空ポンプ403が付加されたも
のとなっている。すなわち、真空ポンプ403は、排気
配管401により、反応容器101に接続されている。
そして、反応容器101と真空ポンプ403との間の排
気配管401の途中には、排気バルブ402が設置され
ている。
【0057】このような構成では、真空ポンプ403お
よび排気配管401により、反応容器101内の雰囲気
を減圧にすることが可能となっており、また、排気バル
ブ402により、真空ポンプ403と反応容器101内
の雰囲気とを分離したり一体化したりすることが可能と
なっている。すなわち、真空ポンプ403を動作させ、
排気バルブ402を開けることで、反応容器101内の
雰囲気を減圧することが可能となっている。
【0058】すなわち、このような真空ポンブ403,
排気配管401,排気バルブ402は、アルカリ金属を
一の温度制御領域から他の温度制御領域に輸送する際に
アルカリ金属輸送領域を減圧状態にするための減圧手段
として設けられている。
【0059】図4のIII族窒化物結晶成長装置では、一
の温度制御領域にあるアルカリ金属を他の温度制御領域
に輸送する前に、真空ポンプ403によって反応容器1
01内を減圧にし、反応容器101内を減圧にした状態
で、上述したような仕方でNaの輸送を行う。この場
合、反応容器101内が減圧されているので、反応容器
101内を常圧にした状態でNaを輸送する場合に比べ
て、Naを高速に輸送することが可能となる。従って、
より低コストでのGaN結晶の成長が可能となる。
【0060】以上のように、第1の実施形態では、反応
容器内で、アルカリ金属と少なくともIII族金属を含む
物質とが混合融液を形成し、該混合融液と少なくとも窒
素を含む物質とから、III族金属と窒素とから構成され
るIII族窒化物を結晶成長させる場合に、1つの反応容
器内に、温度を独立に制御可能な複数の異なる温度制御
領域を設け、一の温度制御領域でIII族窒化物を成長さ
せた後、他の温度制御領域にアルカリ金属を輸送させ
て、他の温度制御領域でIII族窒化物を結晶成長させる
ようになっている。
【0061】より詳細に、1つの反応容器内に、温度を
独立に制御可能な複数の異なる温度制御領域を設け、一
の温度制御領域でIII族窒化物を成長させた後、他の温
度制御領域にアルカリ金属を輸送させて、他の温度制御
領域でIII族窒化物を結晶成長させる工程を、複数の温
度制御領域で順次に行ない、アルカリ金属を複数の温度
制御領域間で順次に輸送するようになっている。
【0062】第2の実施形態 図5は本発明の第2の実施形態のIII族窒化物結晶成長
装置の構成例を示す図である。図5を参照すると、反応
容器201内には、第1の混合融液保持容器202と、
第2の混合融液保持容器212とが設置されている。ま
た、第1の混合融液保持容器202を任意の温度に加熱
制御可能なように第1の加熱装置206が設置され、ま
た、第2の混合融液保持容器212を任意の温度に加熱
制御可能なように第2の加熱装置216が設置されてい
る。この第1の加熱装置206と第2の加熱装置216
とは、各々独立に、混合融液保持容器202,212を
温度制御できるものである。
【0063】換言すれば、第1の混合融液保持容器20
2および第1の加熱装置206が、第1の温度制御領域
として機能し、また、第2の混合融液保持容器212お
よび第2の加熱装置216が、第2の温度制御領域とし
て機能するようになっている。
【0064】また、反応容器201全体の温度を混合融
液とは独立に加熱制御可能なように、反応容器加熱装置
207が設置されている。なお、この反応容器加熱装置
207は反応容器201の外側に配置されている。
【0065】また、図5のIII族窒化物結晶成長装置で
は、第1の混合融液保持容器202の周辺雰囲気220
と第2の混合融液保持容器212の周辺雰囲気221と
の分離あるいは一体化の制御が可能なように、仕切り手
段としてゲートバルブ208が設置されている。換言す
れば、図5のIII族窒化物結晶成長装置では、温度を独
立に制御可能な複数の異なる温度制御領域の雰囲気を分
離あるいは一体化するための仕切り手段が設けられてい
る。
【0066】ここで、複数の異なる温度制御領域の雰囲
気を分離するということは、異なる温度制御領域の雰囲
気を全く独立のままに保持することが可能であるという
ことであり、それらの領域の雰囲気が混じらないように
することである。また、複数の異なる温度制御領域の雰
囲気を一体化するということは、これらの領域を同じ雰
囲気にすることが可能であるということである。これら
の雰囲気を分離あるいは一体化の制御が可能な仕切り手
段は、雰囲気の分離,一体化を任意に繰り返すことが可
能となっている。
【0067】図5のIII族窒化物結晶成長装置では、ゲ
ートバルブ208を開放することで、第1の混合融液保
持容器202の周辺雰囲気220と第2の混合融液保持
容器212の周辺雰囲気221とを一体化することがで
きる。また、ゲートバルブ208を閉じることで、第1
の混合融液保持容器202の周辺雰囲気220と第2の
混合融液保持容器212の周辺雰囲気221とを分離す
ることができる。
【0068】また、この第2の実施形態のIII族窒化物
結晶成長装置では、上記仕切り手段によって複数の異な
る温度制御領域の雰囲気を分離している状態で、複数の
異なる温度制御領域の雰囲気を独立に制御することが可
能に構成されている。
【0069】すなわち、図5のIII族窒化物結晶成長装
置では、第1の温度制御領域あるいは第2の温度制御領
域のいずれかでIII族窒化物結晶を成長する際には、第
1の温度制御領域と第2の温度制御領域の雰囲気を仕切
り手段208により分離するようになっている。また、
アルカリ金属(Na)を輸送する際には、仕切り手段2
08を開放し、第1の温度制御領域と第2の温度制御領
域の雰囲気とを一体化する。
【0070】なお、このアルカリ金属(Na)を輸送す
る仕方は、第1の実施形態における場合と同様である。
すなわち、第1の温度制御領域から第2の温度制御領域
にアルカリ金属を輸送する場合には、この2つの領域の
雰囲気を一体化しておき、第1の温度制御領域をアルカ
リ金属が蒸発する温度以上に保持した上で、第2の温度
制御領域の温度をアルカリ金属が蒸発する温度より低く
しておく。そうすることで、アルカリ金属は第1の温度
制御領域から第2の温度制御領域に輸送される。
【0071】また、図5のIII族窒化物結晶成長装置で
は、第1の混合融液保持容器202の周辺雰囲気220
(以下、第1の雰囲気220と称す)に窒素を含む物質
(この例では、窒素ガス)を供給するために、第1の窒
素供給管204が設けられており、また、第2の混合融
液保持容器212の周辺雰囲気221(以下、第2の雰
囲気221と称す)に窒素を含む物質(この例では、窒
素ガス)を供給するために、第2の窒素供給管224が
設けられている。また、第1の雰囲気220内に供給さ
れる窒素圧力を調整するために、第1の圧力調整機構2
05が設けられ、第2の雰囲気221内に供給される窒
素圧力を調整するために、第2の圧力調整機構225が
設けられている。なお、これらの圧力調整機構205,
225は圧力センサー及び圧力調整弁等から構成されて
いる。
【0072】また、反応容器201の材質は、例えばス
テンレスからなっており、第1,第2の混合融液保持容
器202,212の材質は、例えば、BN(窒化ホウ
素)あるいはパイロリティックBNなどからなってい
る。
【0073】このような構成のIII族窒化物結晶成長装
置におけるIII族窒化物結晶成長方法を図6を用いて説
明する。なお、図6において、図6(a)乃至(d)は
第1の混合融液保持容器202の状態を示す図であり、
図6(e)乃至(h)は第2の混合融液保持容器212
の状態を示す図である。図6を参照すると、先ず、図6
(a),(e)に示すように、第1の混合融液保持容器
202内には、III族金属としてのGaとアルカリ金属
としてのNaとの混合融液203を準備しておき、第2
の混合融液保持容器212内には、III族金属としての
Ga214を準備しておく。このとき、反応容器201
内の2つの雰囲気220,221は、分離していても、
あるいは一体化していてもどちらでも良い。すなわち、
ゲートバルブ208は、閉じた状態でも、開放の状態で
もどちらでも良い。
【0074】次に、ゲートバルブ208を閉じ、第1の
雰囲気220の窒素圧力を例えば50気圧にし、第1の
混合融液保持容器202の温度を結晶成長が開始する温
度750℃まで第1の加熱装置206を用いて昇温す
る。このとき、第2の混合融液保持容器212内の温度
は室温のままである。この成長条件を一定時間保持する
ことで、III族窒化物であるGaN結晶209が第1の
混合融液保持容器202内に成長する。所望形状のGa
N結晶が第1の混合融液保持容器202内で成長するま
で、上記の温度,窒素圧力条件を継続する。このとき、
第1の混合融液保持容器202内では、全てのGaはG
aN結晶として消費されて、図6(b)に示すように、
GaN結晶209とNa211のみが存在する状態とな
る。また、このとき、ゲートバルブ208が閉じている
ことで、第1の雰囲気220と第2の雰囲気221とは
分離されたままであることから、2つの混合融液保持容
器201,212間にはNaの輸送は起こらず、第2の
混合融液保持容器212内には、図6(f)に示すよう
に、図6(e)と同様に、Ga214が存在するのみで
ある。
【0075】次に、第1の雰囲気220の窒素圧力を常
圧まで下げた後に、ゲートバルブ208を開放し、第1
の雰囲気220と第2の雰囲気221とを一体化する。
この状態で、第1の混合融液保持容器202の温度を9
00℃に上げ、第2の混合融液保持容器212の温度は
室温のままとする。この状態を一定時間保つことで、第
1の混合融液保持容器202から第2の混合融液保持容
器212へNa211が移動する。すなわち、第1の混
合融液保持容器202内に存在していたNa211が蒸
発し、Na211は温度の低い第2の混合融液保持容器
212内に移動する。このとき、図6(c)に示すよう
に、第1の混合融液保持容器202内にはGaN結晶2
09のみが残る。また、このとき、反応容器201の内
壁にNaが付着しない程度に、反応容器加熱装置207
を用いて、反応容器201の温度を800℃程度に上げ
ておく。そして、第2の混合融液保持容器212内の温
度を100℃程度に上げることで、図6(g)に示すよ
うに、第2の混合融液保持容器212内には、NaとG
aとの混合融液213が形成される。このように、第1
の混合融液保持容器202から第2の混合融液保持容器
212にNaの輸送が完了した後に、第1の混合融液保
持容器202及び反応容器201全体の温度を室温に戻
す。
【0076】次に、ゲートバルブ208を閉じ、第1の
雰囲気220と第2の雰囲気221とを分離し、第2の
雰囲気221の窒素圧力を50気圧に昇圧する。そし
て、第1の混合融液保持容器202の温度を室温のま
ま、第2の混合融液保持容器212の温度を750℃に
昇温する。この状態を一定時間保持することで、第2の
混合融液保持容器212内には、GaN結晶217が成
長する。当初準備していたGaが全てGaN結晶として
反応することで、第2の混合融液保持容器212内に
は、図6(h)に示すように、所望のGaN結晶217
とNa215のみが残る。なお、このとき、第1の混合
融液保持容器102内は、図2(d)に示すように、図
2(c)と同じ状態である。
【0077】図6の例では、アルカリ金属であるNaを
2回のIII族窒化物結晶(GaN結晶)の成長に用いて
いる。第4の従来技術で述べたように一度のIII族窒化
物結晶成長でアルカリ金属を消費する場合と比較する
と、アルカリ金属の消費量が半分で済み、低コスト,低
環境負荷につながる。
【0078】また、アルカリ金属であるNaを気相状態
を介して液相状態に戻すことで不純物を低減させる、す
なわちNaの精製効果もある。従って、不純物が少ない
高品質なIII族窒化物結晶(GaN結晶)を成長させる
ことが可能となる。
【0079】なお、図6の例では、第1の混合融液保持
容器202においてIII族窒化物を結晶成長させた後、
Naを第1の混合融液保持容器202から第2の混合融
液保持容器212に移動させ、第2の混合融液保持容器
212においてIII族窒化物を結晶成長させるようにし
ているが、この後、さらに、Naを第2の混合融液保持
容器212から第1の混合融液保持容器202に移動さ
せて第1の混合融液保持容器202においてIII族窒化
物を結晶成長させるというように、第1の混合融液保持
容器202と第2の混合融液保持容器212との間でN
aを交互に繰り返し移動させて、第1の混合融液保持容
器202と第2の混合融液保持容器212とで交互にII
I族窒化物を複数回繰り返すことができる。
【0080】図7には、図6の最後の状態の後(すなわ
ち、図6(d),図6(h)の状態の後)、同じNaを
用いたまま、第1の混合融液保持容器202と第2の混
合融液保持容器212との間で、さらに複数回結晶成長
を繰り返す例が示されている。なお、図7において、図
7(a)乃至(d)は第1の混合融液保持容器202の
状態を示す図であり、図7(e)乃至(h)は第2の混
合融液保持容器212の状態を示す図である。
【0081】図7を参照すると、図6の例において、第
2の混合融液保持容器212でIII族窒化物の結晶成長
が終わった後(図6(d),(h)の状態において)、
第2の混合融液保持容器212の温度を室温に戻す。こ
のときNa215は第2の混合融液保持容器212内に
ある。そして、ゲートバルブ208を閉じたまま、図6
(d)の状態の第1の混合融液保持容器202からGa
N209を取り出し、図7(a)に示すように、金属G
a301を第1の混合融液保持容器202内に新たに収
容する。このとき、第1の混合融液保持容器202から
GaN結晶209のみを取り出し、Ga301と入れ替
えても良いし、あるいは、混合融液保持容器202ごと
入れ替えても良い。また、このとき、第2の混合融液保
持容器212内は、図7(e)に示すように、図6
(h)と同様の状態、すなわち、GaN結晶217とN
a215とが存在しているままである。
【0082】次に、第1の雰囲気220を窒素雰囲気に
置換し、圧力を常圧にした状態で、ゲートバルブ208
を開放し、第1の雰囲気220と第2の雰囲気221と
を一体化する。そして、今度は第2の混合融液保持容器
212から第1の混合融液保持容器202にNa215
を輸送する。すなわち、第1の雰囲気220と第2の雰
囲気221とを一体化した状態で、第2の混合融液保持
容器212の温度を900℃に上げ、第1の混合融液保
持容器202の温度は室温のままとする。この状態を一
定時間保つことで、第2の混合融液保持容器212から
第1の混合融液保持容器202へNa215が移動す
る。すなわち、第2の混合融液保持容器212内に存在
していたNa215が蒸発し、温度の低い第1の混合融
液保持容器202内に移動する。このとき、図7(f)
に示すように、第2の混合融液保持容器212内にはG
aN結晶217のみが残る。また、このとき、反応容器
201の内壁にNaが付着しない程度に、反応容器加熱
装置207を用いて温度を800℃程度に上げておく。
そして、Na215の輸送が完了した後に、第2の混合
融液保持容器212及び反応容器201全体の温度を室
温に戻す。次いで、第1の混合融液保持容器202内の
温度を100℃程度に上げることで、図7(b)に示す
ように、第1の混合融液保持容器202内では、Naと
Gaが混合融液302を形成する。
【0083】次に、ゲートバルブ208を閉じ、第1の
雰囲気220と第2の雰囲気221とを分離し、第1の
雰囲気220の窒素圧力を50気圧に昇圧する。そし
て、第2の混合融液保持容器212の温度を室温のまま
の状態にし、第1の混合融液保持容器202の温度を7
50℃に昇温する。この状態を一定時間保持すること
で、GaN結晶303が第1の混合融液保持容器202
内に成長する。当初準備していたGaが全てGaN結晶
として反応することで、第1の混合融液保持容器202
内には、図7(c)に示すように、所望のGaN結晶3
03とNa304のみが残る。
【0084】第1の混合融液保持容器202内でのGa
N結晶成長が完了した後に、第1の混合融液保持容器2
02の温度を室温に戻す。このとき、Na304は第1
の混合融液保持容器202内にある。次に、ゲートバル
ブを閉じたまま、第2の混合融液保持容器212からG
aN結晶217を取り出し、図7(g)に示すように金
属Ga305を第2の混合融液保持容器212内に設置
する。このとき、第2の混合融液保持容器212からG
aN結晶217のみを取り出し、Ga305と入れ替え
ても良いし、あるいは、混合融液保持容器212ごと入
れ替えても良い。また、このとき、第1の混合融液保持
容器202内は、GaN結晶303とNa304が存在
しているままである。
【0085】次に第2の雰囲気221を窒素雰囲気に置
換し、圧力を常圧にした状態で、ゲートバルブ208を
開放し、第1の雰囲気220と第2の雰囲気221を一
体化する。前述したように、今度は第1の混合融液保持
容器202から第2の混合融液保持容器212にNa3
04を輸送する。すなわち、第1の雰囲気220と第2
の雰囲気221を一体化した状態で、第1の混合融液保
持容器202の温度を900℃に上げ、第2の混合融液
保持容器212の温度は室温のままとする。この状態を
一定時間保つことで、第1の混合融液保持容器202か
ら第2の混合融液保持容器212へNa304が移動す
る。すなわち、第1の混合融液保持容器202内に存在
していたNa304が蒸発し、温度の低い第2の混合融
液保持容器212内に移動する。このとき、図7(d)
に示すように、第1の混合融液保持容器202内にはG
aN結晶303のみが残る。また、このとき、反応容器
201の内壁にNaが付着しない程度に、反応容器加熱
装置207を用いて温度を800℃程度に上げておく。
次いで、第2の混合融液保持容器212内の温度を10
0℃程度に上げることで、図7(h)に示すように、N
aとGaとが混合融液306を形成する。このようにし
て、第1の混合融液保持容器202から第2の混合融液
保持容器212内にNaの輸送が完了した後に、第1の
混合融液保持容器202及び反応容器201全体の温度
を室温に戻す。
【0086】この状態は、図6(c),(g)の状態と
同じであり、それ以後、同様の処理を繰り返し行なうこ
とで、Naを交換することなく、Gaを交換すること
で、何度でもGaN結晶の成長が可能となる。従って、
第1の実施形態以上にアルカリ金属であるNaの消費量
を低減させることができ、低コスト,低環境負荷につな
がる。
【0087】また、この第2の実施形態においても、N
a輸送回数を重ねることで、Naの精製効果が得られ、
Naの一層の高純度化を図ることが可能となる。
【0088】なお、この第2の実施形態の上述の例で
は、2回目以降のGaN結晶の取り出しを、もう一方の
混合融液保持容器での結晶成長が完了した後に行ってい
るが、アルカリ金属を輸送した後に、次の結晶成長が開
始する前に行なっても良い。
【0089】このように、第2の実施形態においても、
第1の実施形態と同様に、反応容器内で、アルカリ金属
と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成
し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、II
I族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長
させる場合に、1つの反応容器内に、温度を独立に制御
可能な複数の異なる温度制御領域を設け、一の温度制御
領域でIII族窒化物を成長させた後、他の温度制御領域
にアルカリ金属を輸送させて、他の温度制御領域でIII
族窒化物を結晶成長させるようになっている。ただし、
第2の実施形態では、一の温度制御領域と他の温度制御
領域とを分離した雰囲気下で、一の温度制御領域におい
てIII族窒化物結晶を成長させた後、一の温度制御領域
の雰囲気を他の温度制御領域の雰囲気と一体化して、ア
ルカリ金属を一の温度制御領域から他の温度制御領域に
輸送し、その後、一の温度制御領域と他の温度制御領域
との雰囲気を分離し、他の温度制御領域においてIII族
窒化物結晶を成長させる。
【0090】また、第2の実施形態では、1つの反応容
器内に、温度を独立に制御可能な複数の異なる温度制御
領域を設け、一の温度制御領域でIII族窒化物を成長さ
せた後、他の温度制御領域にアルカリ金属を輸送させ
て、他の温度制御領域でIII族窒化物を結晶成長させる
工程を、一の温度制御領域と他の温度制御領域との間で
交互に繰り返し行なうようになっている。
【0091】より詳細に、一の温度制御領域と他の温度
制御領域とを分離した雰囲気下で、一の温度制御領域に
おいてIII族窒化物結晶を成長させた後、一の温度制御
領域の雰囲気を他の温度制御領域の雰囲気と一体化し
て、アルカリ金属を一の温度制御領域から他の温度制御
領域に輸送し、その後、一の温度制御領域と他の温度制
御領域との雰囲気を分離し、他の温度制御領域において
III族窒化物結晶を成長させる工程を、一の温度制御領
域と他の温度制御領域との間で交互に繰り返し行なうよ
うになっている。
【0092】なお、ここで、交互に繰り返し行なうとい
うことは、III族窒化物の結晶成長,アルカリ金属の輸
送を、第1の温度制御領域と第2の温度制御領域とで交
互に繰り返し行なうということである。
【0093】また、図8は、図5のIII族窒化物結晶成
長装置の変形例を示す図である。図8のIII族窒化物結
晶成長装置は、図5のIII族窒化物結晶成長装置におい
て、反応容器201に真空ポンプ413が付加されたも
のとなっている。すなわち、真空ポンプ413は、排気
配管411により、反応容器201に接続されている。
そして、反応容器201と真空ポンプ413との間の排
気配管411の途中には、排気バルブ412が設置され
ている。
【0094】このような構成では、真空ポンプ413お
よび排気配管411により、反応容器201内の雰囲気
を減圧にすることが可能となっており、また、排気バル
ブ412により、真空ポンプ413と反応容器201の
雰囲気とを分離したり一体化したりすることが可能とな
っている。すなわち、真空ポンプ413を動作させ、排
気バルブ412を開けることで、反応容器201内の雰
囲気を減圧することが可能となっている。
【0095】すなわち、このような真空ポンブ413,
排気配管411,排気バルブ412は、アルカリ金属を
一の温度制御領域から他の温度制御領域に輸送する際に
アルカリ金属輸送領域を減圧状態にするための減圧手段
として設けられている。
【0096】図8のIII族窒化物結晶成長装置では、一
の温度制御領域にあるアルカリ金属を他の温度制御領域
に輸送する前に、真空ポンプ413によって反応容器2
01内を減圧にし、反応容器201内を減圧にした状態
で、上述したような仕方でNaの輸送を行う。この場
合、反応容器201内が減圧されているので、反応容器
201内を常圧にした状態でNaを輸送する場合に比べ
て、Naを高速に輸送することが可能となる。従って、
より低コストでのGaN結晶の成長が可能となる。
【0097】このように、本発明によれば、高性能の発
光ダイオードやLD等のデバイスを作製するために実用
的な大きさで、かつ、低コスト,高品質のIII族窒化物
結晶(例えば、GaN結晶)を作製し、提供することが
できる。
【0098】従って、このようにして得られた実用的な
大きさの高品質のIII族窒化物結晶を用いて、高品質,
高性能のIII族窒化物半導体デバイスを作製することが
できる。なお、ここで言う高性能とは、例えば半導体レ
ーザや発光ダイオードの場合には、従来実現できていな
い高出力かつ長寿命なものであり、電子デバイスの場合
には、低消費電力、低雑音、高速動作、高温動作可能な
ものであり、受光デバイスの場合には、低雑音、長寿命
等のものである。
【0099】例えば、III族窒化物半導体デバイスとし
て、400nmより短い波長で発光する半導体発光デバ
イスを作製することができる。すなわち、従来技術で
は、GaN膜の発光スペクトルが深い順位からの発光が
支配的となり、400nmより短い波長ではデバイス特
性が悪いという問題があったが、本発明では、紫外領域
でも良好な特性を有する発光デバイスを提供することが
できる。すなわち、本発明により得られた高品質のIII
族窒化物結晶を基板に用いることで、結晶欠陥,不純物
の少ないIII族窒化物半導体デバイスが実現可能とな
り、その結果、深い順位からの発光が抑制された、高効
率な発光特性を実現することが可能となる。
【0100】図9は本発明により得られたIII族窒化物
結晶を用いて作製されたIII族窒化物半導体デバイスの
一例を示す図であり、図9の例では、III族窒化物半導
体デバイスは半導体レーザとして構成されている。図9
を参照すると、このIII族窒化物半導体デバイスは、本
発明により得られたIII族窒化物結晶(GaN)を用い
て作製したn型GaN基板501上に、n型AlGaN
クラッド層502、n型GaNガイド層503、InG
aN MQW(多重量子井戸)活性層504、p型Ga
Nガイド層505、p型AlGaNクラッド層506、
p型GaNコンタクト層507が順次に結晶成長されて
積層構造として構成されている。なお、この結晶成長方
法としては、MO−VPE(有機金属気相成長)法やM
BE(分子線エピタキシー)法等の薄膜結晶成長方法を
用いることができる。
【0101】そして、上記積層構造にはリッジ構造が形
成され、SiO2絶縁膜508がコンタクト層507の
領域のみ取り除かれた状態で形成され、コンタクト層5
07上にはp側オーミック電極Au/Ni509が形成
されている。また、基板501の裏面にはn側オーミッ
ク電極Al/Ti510が形成されている。
【0102】この半導体レーザでは、p側オーミック電
極Au/Ni509及びn側オーミック電極Al/Ti
510から電流を注入することで、レーザ発振し、図の
矢印方向にレーザ光が出射される。
【0103】この半導体レーザは、本発明により得られ
たGaN結晶を基板501として用いているため、半導
体レーザデバイス中の結晶欠陥が少なく、大出力動作か
つ長寿命のものとなる。また、GaN基板501はn型
であることから、基板501に直接電極を形成すること
ができ、第1の従来技術(図10)のようにp側とn側
の2つの電極を表面からのみ取り出すことが必要なく、
低コスト化を図ることが可能となる。更に、光出射端面
を劈開で形成することが可能となり、チップの分離と併
せて、低コストで高品質のデバイスを実現することがで
きる。
【0104】なお、図9の例では、InGaN MQW
を活性層504としたが、AlGaN MQWを活性層
504として、発光波長の短波長化を図ることも可能で
ある。いずれにしても、図9の例では、GaN基板50
1の欠陥及び不純物が少ないことによって、深い順位か
らの発光が少なくなり、短波長化しても高効率な発光デ
バイスが可能となる。すなわち、より発光波長の短い発
光デバイスの作製が容易となる。
【0105】また、上述の例では、本発明により得られ
たIII族窒化物結晶の光デバイスへの適用について述べ
たが、本発明により得られたIII族窒化物結晶を電子デ
バイスに適用することもできる。すなわち、欠陥の少な
いGaN基板を用いることで、その上にエピタキシャル
成長したGaN系薄膜も結晶欠陥が少なく、その結果、
リーク電流を抑制できたり、量子構造にした場合のキャ
リア閉じ込め効果を高めたり、高性能なデバイスが実現
可能となる。
【0106】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1乃至請
求項11記載の発明によれば、反応容器内で、アルカリ
金属と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を
形成し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とか
ら、III族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結
晶成長させるので、第1,第2の従来技術で記述したよ
うな、複雑な工程を必要とせず、低コストで高品質なII
I族窒化物結晶及びそれを用いたデバイスを実現するこ
とが可能となる。さらに、1000℃以下と成長温度が
低く、100気圧程度以下と圧力も低い条件下でIII族
窒化物の結晶成長が可能となることから、第3の従来技
術のように超高圧,超高温に耐えうる高価な反応容器を
用いる必要がなく、その結果、低コストでのIII族窒化
物結晶及びそれを用いたデバイスを実現することが可能
となる。
【0107】すなわち、請求項1乃至請求項11記載の
発明によれば、第1,第2,第5あるいは第6の従来技
術の問題点である工程を複雑化させることなく、また、
第3の従来技術の問題点である高価な反応容器を用いる
ことも無く、かつ、第3,第4の従来技術の問題点であ
る結晶の大きさが小さくなることなく、高性能の発光ダ
イオードやLD等のデバイスを作製するために実用的な
大きさで、かつ、低コスト,高品質のIII族窒化物結晶
を成長させることが可能となる。
【0108】特に、請求項1乃至請求項3,請求項7,
請求項9記載の発明では、反応容器内で、アルカリ金属
と少なくともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成
し、該混合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、II
I族金属と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長
させる場合に、1つの反応容器内に、温度を独立に制御
可能な複数の異なる温度制御領域を設け、一の温度制御
領域でIII族窒化物を成長させた後、他の温度制御領域
にアルカリ金属を輸送させて、他の温度制御領域でIII
族窒化物を結晶成長させるようになっており、アルカリ
金属を異なる温度制御領域間で輸送することが可能とな
っているので、一回の結晶成長に必要なアルカリ金属量
で、複数回のIII族窒化物の結晶成長を行うことができ
る。これは低コスト化及び環境負荷の低減につながる。
さらに、アルカリ金属を気相状態を介して輸送すること
で、アルカリ金属の高純度化(精製)が可能となり、高
純度なIII族窒化物結晶の成長を行うことが可能とな
る。
【0109】さらに、請求項3記載の発明では、アルカ
リ金属を一の温度制御領域から他の温度制御領域に輸送
する際にアルカリ金属輸送領域を減圧状態にするための
減圧手段が設けられており、アルカリ金属を異なる温度
制御領域に輸送する際に、アルカリ金属輸送領域を減圧
状態にすることで、より効率的にアルカリ金属の輸送が
可能となる。すなわち、減圧状態でアルカリ金属を輸送
することで、常圧状態に比較して、高速にアルカリ金属
を輸送することができる。その結果、低コストでIII族
窒化物結晶を成長することが可能となる。
【0110】また、請求項4乃至請求項6,請求項8,
請求項10,請求項11記載の発明では、一の温度制御
領域と他の温度制御領域とを分離した雰囲気下で、一の
温度制御領域においてIII族窒化物結晶を成長させた
後、一の温度制御領域の雰囲気を他の温度制御領域と一
体化して、アルカリ金属を一の温度制御領域から他の温
度制御領域に輸送し、その後、一の温度制御領域と他の
温度制御領域との雰囲気を分離し、他の温度制御領域に
おいてIII族窒化物結晶を成長させるようになっている
ので、アルカリ金属を異なる温度制御領域間で輸送する
ことが可能となることに加えて、アルカリ金属を反応容
器内に留めたままで、所望のIII族窒化物結晶のみを取
り出すことが可能となる。
【0111】この結果、一回の結晶成長に必要なアルカ
リ金属量で、III族窒化物結晶の成長を複数回行なうこ
とができ、しかも、メンテナンス等の特別な装置補修す
ること以外に、継続的にIII族窒化物結晶の成長を行う
ことができる。これは、より一層の低コスト化及び環境
負荷の低減につながる。さらに、アルカリ金属を気相状
態を介して輸送することを繰り返すことで、アルカリ金
属の高純度化(精製)がより一層可能となり、より高純
度なIII族窒化物結晶の成長を行うことができる。
【0112】さらに、請求項6記載の発明では、アルカ
リ金属を異なる温度制御領域に輸送する際に、アルカリ
金属輸送領域を減圧状態にすることで、より効率的にア
ルカリ金属の輸送が可能となる。すなわち、減圧状態で
アルカリ金属を輸送することで、常圧状態に比較して、
高速にアルカリ金属を輸送することができる。その結
果、低コストでIII族窒化物結晶を成長することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のIII族窒化物結晶成
長装置の構成例を示す図である。
【図2】図1のIII族窒化物結晶成長装置におけるIII族
窒化物結晶成長方法を説明するための図である。
【図3】図1のIII族窒化物結晶成長装置の変形例を示
す図である。
【図4】図1のIII族窒化物結晶成長装置の変形例を示
す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のIII族窒化物結晶成
長装置の構成例を示す図である。
【図6】図5のIII族窒化物結晶成長装置におけるIII族
窒化物結晶成長方法を説明するための図である。
【図7】図5のIII族窒化物結晶成長装置におけるIII族
窒化物結晶成長方法を説明するための図である。
【図8】図5のIII族窒化物結晶成長装置の変形例を示
す図である。
【図9】本発明により得られたIII族窒化物結晶を用い
て作製されたIII族窒化物半導体デバイスの一例を示す
図である。
【図10】従来のレーザダイオードを示す図である。
【図11】従来の半導体レーザを示す図である。
【図12】第6の従来技術によるGaN厚膜基板の作製
方法を示す図である。
【図13】第6の従来技術によるGaN厚膜基板の作製
方法を示す図である。
【符号の説明】
101,201 反応容器 102,202 第1の混合融液保
持容器 112,212 第2の混合融液保
持容器 103,113,203,213,302,306
混合融液 104,204,224 窒素供給管 105,205,225 圧力調整機構 106,116,206,216 加熱装置 107 連結管加熱装置 108 連結管 109,117,209,217,303 III
族窒化物(GaN)結晶 111,115,211,215,304 アル
カリ金属(Na) 114,214,301,305 III
族金属(Ga) 401,411 排気配管 402,412 排気バルブ 403,413 真空ポンプ 501 n型GaN基板 502 n型AlGaNクラッド層 503 n型GaNガイド層 504 InGaN MQW活性層 505 p型GaNガイド層 506 p型AlGaNクラッド層 507 p型GaNコンタクト層 508 SiO2絶縁膜 509 p側オーミック電極 510 n側オーミック電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01S 5/323 610 H01S 5/323 610 Fターム(参考) 4G077 AA02 BE15 CC04 CC06 EG25 EH06 5F041 AA43 CA40 CA63 5F053 AA50 BB01 BB12 BB21 BB22 BB32 BB58 BB60 DD20 FF04 GG01 JJ03 LL03 RR03 RR05 RR11 RR13 RR14 5F073 CA01 CB03 DA02 EA28

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内で、アルカリ金属と少なくと
    もIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合
    融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と
    窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII
    族窒化物結晶成長装置であって、1つの反応容器内に、
    温度を独立に制御可能な複数の異なる温度制御領域を有
    していることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のIII族窒化物結晶成長装
    置において、前記複数の温度制御領域は、一の温度制御
    領域にあるアルカリ金属を他の温度制御領域に輸送する
    ためのアルカリ金属輸送領域によって連通していること
    を特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のIII族窒化物結晶成長装
    置において、アルカリ金属を一の温度制御領域から他の
    温度制御領域に輸送する際にアルカリ金属輸送領域を減
    圧状態にするための減圧手段が設けられていることを特
    徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のIII族窒化物結晶成長装
    置において、温度を独立に制御可能な複数の異なる温度
    制御領域の雰囲気を分離あるいは一体化するための仕切
    り手段が設けられていることを特徴とするIII族窒化物
    結晶成長装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のIII族窒化物結晶成長装
    置において、前記仕切り手段によって複数の異なる温度
    制御領域の雰囲気を分離している状態で、複数の異なる
    温度制御領域の雰囲気を独立に制御することが可能に構
    成されていることを特徴とするIII族窒化物結晶成長装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5記載のIII族窒
    化物結晶成長装置において、複数の異なる温度制御領域
    の雰囲気を一体化してアルカリ金属を一の温度制御領域
    から他の温度制御領域に輸送する際にアルカリ金属輸送
    領域を減圧状態にするための減圧手段が設けられている
    ことを特徴とするIII族窒化物結晶成長装置。
  7. 【請求項7】 反応容器内で、アルカリ金属と少なくと
    もIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合
    融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と
    窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII
    族窒化物結晶成長方法であって、1つの反応容器内に、
    温度を独立に制御可能な複数の異なる温度制御領域を設
    け、一の温度制御領域でIII族窒化物を成長させた後、
    他の温度制御領域にアルカリ金属を輸送させて、他の温
    度制御領域でIII族窒化物を結晶成長させることを特徴
    とするIII族窒化物結晶成長方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のIII族窒化物結晶成長方
    法において、一の温度制御領域と他の温度制御領域とを
    分離した雰囲気下で、一の温度制御領域においてIII族
    窒化物結晶を成長させた後、一の温度制御領域の雰囲気
    を他の温度制御領域の雰囲気と一体化して、アルカリ金
    属を一の温度制御領域から他の温度制御領域に輸送し、
    その後、一の温度制御領域と他の温度制御領域との雰囲
    気を分離し、他の温度制御領域においてIII族窒化物結
    晶を成長させることを特徴とするIII族窒化物結晶成長
    方法。
  9. 【請求項9】 反応容器内で、アルカリ金属と少なくと
    もIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混合
    融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属と
    窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるIII
    族窒化物結晶成長方法であって、1つの反応容器内に、
    温度を独立に制御可能な複数の異なる温度制御領域を設
    け、一の温度制御領域でIII族窒化物を成長させた後、
    他の温度制御領域にアルカリ金属を輸送させて、他の温
    度制御領域でIII族窒化物を結晶成長させる工程を、複
    数の温度制御領域で順次に行ない、アルカリ金属を複数
    の温度制御領域間で順次に輸送することを特徴とするII
    I族窒化物結晶成長方法。
  10. 【請求項10】 反応容器内で、アルカリ金属と少なく
    ともIII族金属を含む物質とが混合融液を形成し、該混
    合融液と少なくとも窒素を含む物質とから、III族金属
    と窒素とから構成されるIII族窒化物を結晶成長させるI
    II族窒化物結晶成長方法であって、1つの反応容器内
    に、温度を独立に制御可能な複数の異なる温度制御領域
    を設け、一の温度制御領域でIII族窒化物を成長させた
    後、他の温度制御領域にアルカリ金属を輸送させて、他
    の温度制御領域でIII族窒化物を結晶成長させる工程
    を、一の温度制御領域と他の温度制御領域との間で交互
    に繰り返し行なうことを特徴とするIII族窒化物結晶成
    長方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のIII族窒化物結晶成
    長方法において、一の温度制御領域と他の温度制御領域
    とを分離した雰囲気下で、一の温度制御領域においてII
    I族窒化物結晶を成長させた後、一の温度制御領域の雰
    囲気を他の温度制御領域の雰囲気と一体化して、アルカ
    リ金属を一の温度制御領域から他の温度制御領域に輸送
    し、その後、一の温度制御領域と他の温度制御領域との
    雰囲気を分離し、他の温度制御領域においてIII族窒化
    物結晶を成長させる工程を、一の温度制御領域と他の温
    度制御領域との間で交互に繰り返し行なうことを特徴と
    するIII族窒化物結晶成長方法。
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