JP2002337520A - タイヤ異常判定装置 - Google Patents

タイヤ異常判定装置

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JP2002337520A
JP2002337520A JP2001148301A JP2001148301A JP2002337520A JP 2002337520 A JP2002337520 A JP 2002337520A JP 2001148301 A JP2001148301 A JP 2001148301A JP 2001148301 A JP2001148301 A JP 2001148301A JP 2002337520 A JP2002337520 A JP 2002337520A
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tire
wheels
wheel
abnormal
abnormality
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JP2001148301A
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English (en)
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Hiroyoshi Kojima
弘義 小島
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両における複数の車輪間に車輪速度差が存在
すればそれら車輪のいずれかにタイヤ異常が発生してい
る可能性があるという事実に従い、タイヤ異常の有無を
判定する動荷重半径方式のタイヤ異常判定装置におい
て、その判定の精度を向上させる。 【解決手段】車両における複数の車輪についてそれぞれ
検出された複数の車輪速度V**(S1)に基づき、それ
ら車輪を代表する1つの総合タイヤ異常値VGAを計算
し(S3)、その総合タイヤ異常値がしきい値から外れ
た場合に、タイヤ異常が発生していると判定する(S9
〜S11)。さらに、複数の車輪のうち、タイヤが異常
である可能性がある車輪を異常可能性保有車輪として特
定するとともに(S4)、その結果に基づき、しきい値
を変化させる(S5〜S8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のタイヤの異
常を判定する技術に関するものであり、特に、その判定
の精度を向上させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両におけるタイヤ圧の異常等、タイヤ
の異常を判定する技術が既に存在する。この技術の一方
式に、タイヤの動荷重半径がタイヤ圧に応じて変化する
現象を利用してタイヤ異常を判定する動荷重半径方式が
存在する。
【0003】この動荷重半径方式によれば、一般に、車
両における複数の車輪間に車輪の角速度である車輪速度
の差が存在すればいずれかの車輪にタイヤ異常が発生し
ている可能性があるという事実に従い、それら複数の車
輪についてそれぞれ検出された複数の車輪速度に基づい
て総合的に、少なくとも1個の車輪にタイヤ異常が発生
しているか否かが判定される。すなわち、この動荷重半
径方式は、一般に、複数の車輪間における車輪速度の相
対的な関係に基づき、少なくとも1個の車輪にタイヤ異
常が発生しているか否かを判定する方式なのである。
【0004】タイヤ異常を判定する技術の別の方式とし
て、車輪速度を表す車輪速度信号、すなわち、タイヤの
回転運動または振動を表す信号がタイヤ圧またはタイヤ
表面状態に応じて変化する現象を利用してタイヤ異常を
判定するタイヤ振動方式が存在する。
【0005】このタイヤ振動方式によれば、一般に、車
両における各車輪ごとに互いに独立してタイヤ異常が発
生しているか否かが判定される。さらに、このタイヤ振
動方式によれば、各車輪ごとに個々に、タイヤ異常の程
度を表すタイヤ異常値(例えば、タイヤ圧)を推定する
ことが可能である。例えば、各車輪ごとに、タイヤ圧の
実際値が基準値から変化した量を推定することが可能で
ある。
【0006】したがって、このタイヤ振動方式には、例
えば、車両における複数の車輪すべてにおいてタイヤか
ら空気が自然に洩れるいわゆる自然洩れと称される現象
が起こる場合など、車両における複数の車輪において一
斉にタイヤ異常値が同じ向きに変化した場合であって
も、そのような一斉変化を検出することが可能であると
いう利点がある。
【0007】しかし、このタイヤ振動方式は、タイヤの
振動を利用してタイヤ異常の有無を判定する方式である
ため、その判定を良好に行うことができないほどに小さ
な振動しかタイヤに発生しない場合、例えば、車輪速度
が非常に小さい場合や非常に大きい場合には、そのタイ
ヤ異常判定を精度よく行うことが困難である。
【0008】これに対して、前述の動荷重半径方式によ
れば、タイヤの振動を利用しないため、基本的には、車
輪速度の如何により、タイヤ異常の有無を判定する精度
が左右されることはない。
【0009】しかし、この動荷重半径方式は、前述のよ
うに、車両における複数の車輪間における車輪速度の相
対的な関係に基づいて少なくとも1個の車輪にタイヤ異
常が発生しているか否かを判定する方式であるため、こ
の動荷重半径方式による場合には、基本的に、前述
の自然洩れの如き、車両における複数の車輪において一
斉にタイヤ異常値が同じ向きに変化する一斉変化を検出
することができない。
【0010】以上の説明から明らかなように、それら動
荷重半径方式とタイヤ振動方式とはいずれも、単独で理
想的なタイヤ異常判定を行い得る技術であるとは言い難
い。
【0011】このような事情のもと、タイヤ振動方式に
よりタイヤ異常判定を精度よく行い得る車輪速度領域ま
たは車速領域においては、タイヤ振動方式のみを選択し
てそれを用いてタイヤ異常判定を行い、一方、タイヤ振
動方式によりタイヤ異常判定を精度よく行い得ない車輪
速度領域または車速領域においては、動荷重半径方式の
みを選択してそれを用いてタイヤ異常判定を行う技術が
既に提案されている。その技術の一例は特開平9−20
31号公報に、別の例は特開平9−249009号公報
にそれぞれ開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前述の動荷重半径方式
においては、一般に、車両における複数の車輪について
それぞれ検出された複数の車輪速度に基づいて総合的に
1つの総合タイヤ異常値が計算され、その計算された総
合タイヤ異常値が予め定められたしきい値から予め定め
られた向きに外れた場合に、少なくとも1個の車輪にタ
イヤ異常が発生していると判定される。
【0013】本発明者はこの種の動荷重半径方式につい
て研究を行い、その結果、次のような知見を得た。すな
わち、車両における複数の車輪(左右の前輪と左右の後
輪とを含む。)のいずれかのみに実際にタイヤ異常が発
生している場合には、そのタイヤ異常車輪が、左右の前
輪のいずれかに該当する状況と、左右の後輪のいずれか
に該当する状況とでは、発生しているタイヤ異常の程度
が同じであっても、上述の総合タイヤ異常値が異なって
しまうという性質があるという知見を得たのである。
【0014】本発明者は、さらに、その動荷重半径方式
につき、次のような知見も得た。すなわち、車両におけ
る複数の車輪のうちの2個に同時に実際にタイヤ異常が
発生している場合には、それら2個のタイヤ異常車輪
が、車両において対角位置にそれぞれ位置するものであ
ると、各タイヤ異常車輪に発生しているタイヤ異常の程
度が、各タイヤ異常車輪単独では、タイヤ異常が発生し
ていると判定する程度には至っていないにもかかわら
ず、上述の総合タイヤ異常値がしきい値から外れてしま
い、その結果、少なくとも1個の車輪にタイヤ異常が発
生しているとの誤った判定がなされてしまう可能性があ
るという知見も得たのである。
【0015】
【課題を解決するための手段および発明の効果】それら
の知見に基づき、本発明は、動荷重半径方式によるタイ
ヤ異常判定の精度を向上させることを課題としてなされ
たものであり、本発明によって下記各態様が得られる。
各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を
付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載
する。これは、本明細書に記載の技術的特徴のいくつか
およびそれらの組合せのいくつかの理解を容易にするた
めであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合
せが以下の態様に限定されると解釈されるべきではな
い。 (1) ホイールに装着されたタイヤの内部に空気が圧
力下に封入されて構成された車輪を複数備えた車両に設
けられ、前記タイヤが異常であるか否かを判定する装置
であって、前記複数の車輪のうち、前記タイヤが異常で
ある可能性がある車輪を異常可能性保有車輪として特定
する車輪特定手段と、前記複数の車輪にそれぞれ設けら
れ、車輪の角速度である車輪速度を検出する複数の車輪
速度センサと、それら複数の車輪速度センサにより前記
複数の車輪についてそれぞれ検出された複数の車輪速度
に基づき、それら複数の車輪間に車輪速度差が存在すれ
ばそれら複数の車輪のいずれかにタイヤ異常が発生して
いる可能性があるという事実に従い、それら複数の車輪
を代表する1つの総合タイヤ異常値であって前記複数の
車輪についての複数のタイヤのうち異常である少なくと
も1個のタイヤの異常の程度を表すものを計算し、その
計算された総合タイヤ異常値が予め定められたしきい値
から予め定められた向きに外れた場合に、少なくとも1
個の車輪にタイヤ異常が発生していると判定するタイヤ
異常判定手段であって、前記しきい値が、前記車輪特定
手段により特定された異常可能性保有車輪の位置に基づ
いて変化させられるものとを含むタイヤ異常判定装置。
【0016】この装置によれば、総合タイヤ異常値と比
較されるしきい値が固定値とされるのではなく、可変値
とされ、しかも、そのしきい値が、複数の車輪のうちい
ずれがタイヤに関する異常可能性を保有する異常可能性
保有車輪であるかに基づいて変化させられる。
【0017】したがって、この装置によれば、そのしき
い値を、複数の車輪のうち異常可能性保有車輪であるも
のの位置に適合するように変化させ、それにより、異常
可能性保有車輪の位置の変化にもかかわらず、総合タイ
ヤ異常値に基づくタイヤ異常判定を正常化することが容
易となる。
【0018】本項および他の各項において「タイヤの異
常」は、例えば、タイヤの空気圧であるタイヤ圧が異常
に低いかまたは異常に高い状態を含むように解釈した
り、タイヤに素早い変形が生じている状態を含むように
解釈することが可能である。ここに、「素早い変形」
は、例えば、物理的な復元が困難または不可能な変形を
意味するものと解釈したり、不可逆的な変形を意味する
ものと解釈することが可能である。 (2) 前記タイヤの異常が、そのタイヤの空気圧であ
るタイヤ圧に関して発生するものである(1)項に記載
のタイヤ異常判定装置。 (3) 前記複数の車輪が、前記車両に前後左右にそれ
ぞれ配置された左右前輪および左右後輪を含むように構
成されており、前記総合タイヤ異常値が、前記左右前輪
のいずれかのみに関して前記タイヤが異常である場合
と、前記左右後輪のいずれかのみに関して前記タイヤが
異常である場合とにおいて、そのタイヤが実際に異常で
ある程度が同じであっても、互いに異なるという特性を
有するものであり、前記車輪特定手段が、前記異常可能
性保有車輪が前記左右前輪のいずれかのみである場合
と、前記左右後輪のいずれかのみである場合とを判別す
る手段を含み、前記しきい値が、その判別結果に基づい
て変化させられるものである(1)または(2)項に記
載のタイヤ異常判定装置。
【0019】この装置によれば、総合タイヤ異常値が、
左右前輪のいずれかのみに関してタイヤが異常である場
合と、左右後輪のいずれかのみに関してタイヤが異常で
ある場合とにおいて、そのタイヤが実際に異常である程
度が同じであっても、互いに異なるという特性を有する
場合であるにもかかわらず、その総合タイヤ異常値に基
づくタイヤ異常判定を正常化することが容易となる。 (4) 前記左右前輪と左右後輪との一方である左右車
輪が、各車輪に上下方向に作用する車輪荷重が相対的に
大きい大荷重左右車輪であり、他方である左右車輪が、
それの車輪荷重が相対的に小さい小荷重左右車輪であ
り、前記総合タイヤ異常値が、前記大荷重左右車輪のい
ずれかのみに関して前記タイヤが異常である場合におい
て、前記小荷重左右車輪のいずれかのみに関して前記タ
イヤが異常である場合におけるより、そのタイヤが実際
に異常である程度が同じでも前記しきい値が固定値であ
る状況においては前記タイヤが異常であると判定される
傾向が強いという特性を有するものであり、前記しきい
値が、前記車輪特定手段により特定された異常可能性保
有車輪の位置に基づき、前記タイヤ異常判定手段による
判定が正常化されるように変化させられるものである
(3)項に記載のタイヤ異常判定装置。
【0020】前述の動荷重半径方式を採用する場合にお
いては、複数の車輪についての複数のタイヤのうち異常
である少なくとも1個のタイヤが実際に異常である程度
と、総合タイヤ異常値との関係が、各車輪に上下方向に
作用する車輪荷重によって変化する。なぜなら、例え
ば、タイヤの異常がタイヤ圧に関するものを含む場合に
は、各車輪につき、タイヤ圧の高さが同じであっても、
車輪荷重が大きい場合と小さい場合とで、動荷重半径が
互いに異なり、その結果、総合タイヤ異常値も互いに異
なってしまうからである。
【0021】これに対して、本項に係る装置において
は、総合タイヤ異常値が、大荷重左右車輪のいずれかの
みに関してタイヤが異常である場合において、小荷重左
右車輪のいずれかのみに関してタイヤが異常である場合
におけるより、そのタイヤが実際に異常である程度が同
じでもしきい値が固定値である状況においてはタイヤが
異常であると判定される傾向が強いという特性を有する
場合に、そのしきい値が、異常可能性保有車輪の位置に
基づき、総合タイヤ異常値に基づくタイヤ異常判定が正
常化されるように変化させられる。
【0022】したがって、この装置によれば、総合タイ
ヤ異常値が上述の特性を有するにもかかわらず、総合タ
イヤ異常値に基づくタイヤ異常判定を正常化することが
容易となる。 (5) 前記総合タイヤ異常値が、前記タイヤに発生し
ている異常の程度が増加するにつれて増加するととも
に、前記大荷重左右車輪のいずれかのみに関して前記タ
イヤが異常である場合において、前記小荷重左右車輪の
いずれかのみに関して前記タイヤが異常である場合にお
けるより、そのタイヤが実際に異常である程度が同じで
も、大きいという特性を有するものであり、前記しきい
値が、前記大荷重左右車輪のいずれかのみに関して前記
タイヤが異常である場合において、前記小荷重左右車輪
のいずれかのみに関して前記タイヤが異常である場合に
おけるより大きくなるように変化させられるものである
(4)項に記載のタイヤ異常判定装置。 (6) 前記左右前輪と左右後輪との一方である左右車
輪が、前記車両の動力源により駆動される左右駆動輪で
あり、他方である左右車輪が、その動力源により駆動さ
れずに転動する左右転動輪であり、前記総合タイヤ異常
値が、前記左右駆動輪のいずれかのみに関して前記タイ
ヤが異常である場合において、前記左右転動輪のいずれ
かのみに関して前記タイヤが異常である場合におけるよ
り、そのタイヤが実際に異常である程度が同じでも前記
しきい値が固定値である状況においては前記タイヤが異
常であると判定される傾向が強いという特性を有するも
のであり、前記しきい値が、前記車輪特定手段により特
定された異常可能性保有車輪の位置に基づき、前記タイ
ヤ異常判定手段による判定が正常化されるように変化さ
せられるものである(5)項に記載のタイヤ異常判定装
置。
【0023】前述の動荷重半径方式を採用する場合にお
いては、複数の車輪についての複数のタイヤのうち異常
である少なくとも1個のタイヤが実際に異常である程度
と、総合タイヤ異常値との関係が、各車輪が、車両の動
力源によって駆動される駆動輪であるか、その動力
源によって駆動されずに転動する転動輪であるかによ
って変化する。以下に、その理由を説明する。
【0024】この動荷重半径方式においては、各車輪に
つき、それの周速度を車輪速度(角速度)で割り算する
と動荷重半径が求められるという前提が採用される。こ
こに、周速度は、厳密には、車両の走行速度である車速
と一致せず、現実には(特に車輪に駆動力または制動力
が発生する状況においては)、その車速に車輪のスリッ
プ率を見込んで求められ得る。このスリップ率は、一般
には、駆動輪において転動輪におけるより大きい。この
ような違いにもかかわらず、この動荷重半径方式におい
ては、一般に、駆動輪であるか転動輪であるかを問わ
ず、スリップ率が同じであると仮定される。そのため、
動荷重半径が実際には同じであっても、駆動輪において
転動輪におけるより、スリップ率が大きい分、車輪速度
が大きくなってしまう。車輪速度が大きいことは、この
動荷重半径方式においては、動荷重半径が大きいことと
して取り扱われてしまう。
【0025】それらの理由から、この動荷重半径方式に
おいては、少なくとも1個のタイヤが実際に異常である
程度と、総合タイヤ異常値との関係が、各車輪が駆動輪
であるか転動輪であるかによって変化してしまうのであ
る。
【0026】これに対して、本項に係る装置において
は、総合タイヤ異常値が、左右駆動輪のいずれかのみに
関してタイヤが異常である場合において、左右転動輪の
いずれかのみに関してタイヤが異常である場合における
より、そのタイヤが実際に異常である程度が同じでもし
きい値が固定値である状況においてはタイヤが異常であ
ると判定される傾向が強いという特性を有する場合に、
そのしきい値が、異常可能性保有車輪の位置に基づき、
総合タイヤ異常値に基づくタイヤ異常判定が正常化され
るように変化させられる。
【0027】したがって、この装置によれば、総合タイ
ヤ異常値が上述の特性を有するにもかかわらず、総合タ
イヤ異常値に基づくタイヤ異常判定を正常化することが
容易となる。 (7) 前記総合タイヤ異常値が、前記タイヤに発生し
ている異常の程度が増加するにつれて増加するととも
に、前記左右駆動輪のいずれかのみに関して前記タイヤ
が異常である場合において、前記左右転動輪のいずれか
のみに関して前記タイヤが異常である場合におけるよ
り、そのタイヤが実際に異常である程度が同じでも、大
きいという特性を有するものであり、前記しきい値が、
前記左右駆動輪のいずれかのみに関して前記タイヤが異
常である場合において、前記左右転動輪のいずれかのみ
に関して前記タイヤが異常である場合におけるより大き
くなるように変化させられるものである(6)項に記載
のタイヤ異常判定装置。 (8) 前記左右前輪が、前記大荷重左右車輪であると
同時に前記左右駆動輪であり、かつ、前記左右後輪が、
前記小荷重左右車輪であると同時に前記左右転動輪であ
る(4)ないし(7)項のいずれかに記載のタイヤ異常
判定装置。
【0028】前記(4)ないし(7)項のいずれかに記
載のタイヤ異常判定装置においては、左右前輪が、大荷
重左右車輪であると同時に左右駆動輪であり、かつ、左
右後輪が、小荷重左右車輪であると同時に左右転動輪で
ある場合には、そうでない場合と比較し、タイヤ異常の
程度が実際には同じである状況において総合タイヤ異常
値が左右前輪において左右後輪におけるより大きくなる
程度が高くなる。
【0029】これに対して、本項に係る装置において
は、左右前輪が、大荷重左右車輪であると同時に左右駆
動輪であり、かつ、左右後輪が、小荷重左右車輪である
と同時に左右転動輪である場合において、総合タイヤ異
常値と比較されるしきい値が、異常可能性保有車輪の位
置に基づき、総合タイヤ異常値に基づくタイヤ異常判定
が正常化されるように変化させられる。
【0030】したがって、この装置によれば、タイヤ異
常の程度が実際には同じであっても総合タイヤ異常値が
左右前輪において左右後輪におけるより大きくなる程度
が高い場合であっても、総合タイヤ異常値に基づくタイ
ヤ異常判定を正常化することが容易となる。 (9) 前記複数の車輪が、前記車両に前後左右にそれ
ぞれ配置された左右前輪および左右後輪を含むように構
成されており、前記総合タイヤ異常値が、前記複数の車
輪のうち前記車両において2対の対角位置にそれぞれ位
置する2組の対角車輪対のいずれかに属する2個の車輪
の双方に関して前記タイヤが異常である場合において、
それら複数の車輪のいずれか1個のみに関して前記タイ
ヤが異常である場合におけるより、そのタイヤが実際に
異常である程度が同じでも前記しきい値が固定された状
況においては前記タイヤが異常であると判定される傾向
が強いという特性を有するものであり、前記車輪特定手
段が、前記いずれかの対角車輪対に属する2個の車輪の
双方が前記異常可能性保有車輪である場合と、そうでな
い場合とを判別する手段を含み、前記しきい値が、その
判別結果に基づき、前記タイヤ異常判定手段による判定
が正常化されるように変化させられるものである(1)
ないし(8)項のいずれかに記載のタイヤ異常判定装
置。
【0031】この装置によれば、総合タイヤ異常値が、
車両における2組の対角車輪対のいずれかに属する2個
の車輪の双方に関してタイヤが異常である場合におい
て、それら複数の車輪のいずれか1個のみに関してタイ
ヤが異常である場合におけるより、そのタイヤが実際に
異常である程度が同じでもしきい値が固定された状況に
おいてはタイヤが異常であると判定される傾向が強いと
いう特性を有する場合であっても、異常可能性保有車輪
の位置に基づき、総合タイヤ異常値に基づくタイヤ異常
判定を正常化することが容易となる。 (10) 前記総合タイヤ異常値が、前記タイヤに発生
している異常の程度が増加するにつれて増加するととも
に、前記いずれかの対角車輪対に属する2個の車輪の双
方に関して前記タイヤが異常である場合において、前記
複数の車輪のいずれか1個のみに関して前記タイヤが異
常である場合におけるより、そのタイヤが実際に異常で
ある程度が同じでも、大きいという特性を有するもので
あり、前記しきい値が、前記いずれかの対角車輪対に属
する2個の車輪の双方に関して前記タイヤが異常である
場合において、前記複数の車輪のいずれか1個のみに関
して前記タイヤが異常である場合におけるより大きくな
るように変化させられるものである(9)項に記載のタ
イヤ異常判定装置。 (11) 前記車輪特定手段が、(a)前記各車輪速度
センサの出力信号に基づき、前記各車輪ごとにタイヤが
異常である程度を表す個別タイヤ異常値を推定する推定
手段と、(b)各車輪ごとに、それについて推定された
個別タイヤ異常値に基づき、他の車輪についての個別タ
イヤ異常値とは無関係に、その各車輪が前記異常可能性
保有車輪であるか否かを判定する第1判定手段とを含む
(1)ないし(10)項のいずれかに記載のタイヤ異常
判定装置。 (12) 前記車輪特定手段が、(a)前記各車輪速度
センサの出力信号に基づき、前記各車輪ごとにタイヤが
異常である程度を表す個別タイヤ異常値を推定する推定
手段と、(b)各車輪ごとに、それについて推定された
個別タイヤ異常値と、その各車輪に隣接する車輪につい
ての個別タイヤ異常値との相対的な関係に基づき、その
各車輪が前記異常可能性保有車輪であるか否かを判定す
る第2判定手段とを含む(1)ないし(11)項のいず
れかに記載のタイヤ異常判定装置。 (13) 前記推定手段が、前記各車輪の振動を利用す
ることにより、その各車輪ごとに前記個別タイヤ異常値
を推定するものである(11)または(12)項に記載
のタイヤ異常判定装置。 (14) 前記推定手段が、外乱オブザーバであって、
前記各車輪に対して、相対回転可能なリム側部とベルト
側部とが少なくともねじりばねにより互いに連結された
タイヤモデルが想定され、そのタイヤモデルに基づき、
前記各車輪の回転運動を記述する運動システムが想定さ
れ、その運動システムにおいて、前記タイヤ圧の変化に
伴う前記ねじりばねのばね定数の変化を前記車輪に対す
る外乱とみなし、前記各車輪速度センサから出力される
信号を前記リム側部の角速度を表す信号として用いるこ
とにより、前記外乱を前記運動システムの状態変数の1
つとして推定し、それにより、前記個別タイヤ異常値を
推定するものを含む(13)項に記載のタイヤ異常判定
装置。 (15) 前記推定手段が、前記各車輪速度センサの出
力信号の複数の周波数成分のうち設定周波数範囲内にお
いて強度が実質的に最大となるものの周波数を前記各車
輪の共振周波数として取得し、その取得された共振周波
数に基づいて各車輪ごとに前記個別タイヤ異常値を推定
するものである(13)項に記載のタイヤ異常判定装
置。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な一
実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0033】図1には、本実施形態に従うタイヤ異常判
定装置のハードウエア構成がブロック図で示されてい
る。このタイヤ異常判定装置は車両に搭載されている。
【0034】図2に示すように、その車両は、それの前
後左右にそれぞれに車輪を備えている。同図において
「FL」は左前輪、「FR」は右前輪、「RL」は左後
輪、「RR」は右後輪をそれぞれ意味している。車輪の
総数は4つである。各車輪は、よく知られているよう
に、金属製のホイールに装着されたゴム製のタイヤの内
部に空気が圧力下に封入されて構成されている。
【0035】その車両は、前輪駆動式であり、左右前輪
において左右後輪におけるより車輪荷重が大きいととも
に、左右前輪が駆動輪、左右後輪が転動輪とされてい
る。すなわち、本実施形態においては、左右前輪が、前
記大荷重左右車輪であると同時に前記左右駆動輪であ
り、また、左右後輪が、前記小荷重左右車輪であると同
時に前記左右転動輪であるのである。
【0036】図1に示すように、このタイヤ異常判定装
置は、各車輪ごとに車輪速度センサ10を備えている。
各車輪速度センサ10は、よく知られているように、各
車輪の角速度を検出し、それに応じた車輪速度信号を出
力するセンサである。具体的には、車輪速度センサ10
は、電磁ピックアップであり、車輪と共に回転するロー
タの外周に形成された多数の歯の通過に応じて周期的に
変化する電圧を発生する。
【0037】それら4個の車輪速度センサ10は、図1
に示すように、判定器20に電気的に接続されている。
この判定器20は、コンピュータ22を主体とし、それ
ら4個の車輪速度センサ10の出力信号に基づき、複数
の車輪の中に、タイヤ圧が異常に低い車輪が存在してい
るか否かを判定する装置である。
【0038】なお付言すれば、以下の説明においては、
タイヤの異常という用語を、タイヤ圧が異常に低いこと
を意味する用語として使用する。ただし、このことは本
発明における「タイヤの異常」の解釈の範囲を限定する
ことを意味しない。
【0039】図3には、コンピュータ22のハードウエ
ア構成がブロック図で概念的に示されている。コンピュ
ータ22は、よく知られているように、CPU30(プ
ロセッサの一例)とROM32(メモリの一例)とRA
M34(メモリの一例)とがバス36により互いに接続
されるように構成されている。
【0040】ROM32には、図3に示すように、タイ
ヤ異常判定プログラムおよび車速推定プログラムを始め
とし、各種プログラムが予め記憶されている。車速推定
プログラムは、よく知られているように、複数の車輪速
度センサ10によりそれぞれ検出された複数の車輪速度
に基づいて車速Vを推定するプログラムである。その推
定された車速VはRAM34にストアされる。タイヤ異
常判定プログラムについては後に詳述する。
【0041】図1に示すように、判定器20には、さら
に、警報器40も接続されている。警報器40は、複数
の車輪の中に、タイヤ圧が異常に低い車輪が存在してい
ることを運転者に視覚的にまたは聴覚的に告知するため
に作動させられる。この警報器40は、情報を視覚
的に告知する形式として構成する場合、専用のランプ
として構成したり、同じ表示位置において複数の異なる
情報を選択的に表示するマルチディスプレイとして構成
することが可能である。
【0042】図4には、前記タイヤ異常判定プログラム
の内容が概念的にフローチャートで表されている。以
下、このタイヤ異常判定プログラムを説明するが、ま
ず、概略的に説明する。
【0043】このタイヤ異常判定プログラムにおいて
は、基本的には、前述の動荷重半径方式により、4個の
車輪FL,FR,RL,RRの中にタイヤ圧が異常に低
いタイヤ異常車輪が存在するか否かが判定される。
【0044】具体的には、前記4個の車輪速度センサ1
0により4個の車輪についてそれぞれ検出された4つの
車輪速度に基づき、それら4個の車輪間に車輪速度差が
存在すればそれら4個の車輪のいずれかにタイヤ異常が
発生している可能性があるという事実に従い、それら4
個の車輪を代表する1つの総合タイヤ異常値VGAが計
算される。その総合タイヤ異常値VGAは、それら4個
の車輪についての4個のタイヤのうち異常である少なく
とも1個のタイヤの異常の程度を表す値である。その計
算された総合タイヤ異常値VGAは、予め定められたし
きい値と比較される。その総合タイヤ異常値VGAがそ
のしきい値から予め定められた向きに外れている場合に
は、少なくとも1個の車輪にタイヤ異常が発生している
と判定される。
【0045】本実施形態においては、その総合タイヤ異
常値VGAが、車両における2組の対角車輪対の一方に
関する車輪速度の和と、他方の対角車輪対に関する車輪
速度の和との差を反映するように計算される。具体的に
は、 ((VFL+VRR)−(VFR+VRL))/Γ なる式を用いて計算される。ここに、「VFL」,
「VRR」,「VFR」および「V RL」は、車輪速度を左前
輪,右後輪,右前輪および左後輪に関してそれぞれ表し
ている。また、「Γ」は、予め定められた係数を表して
いる。
【0046】なお付言すれば、上記式は、形式的には、
一方の対角車輪対に関する車輪速度の和と、他方の対角
車輪対に関する車輪速度の和との差を反映する式である
と把握されるが、実質的には、左右前輪間における車輪
速度の差と、左右後輪間における車輪速度の差との差を
反映する式であると把握したり、左側の前後車輪間にお
ける車輪速度の差と、右側の前後車輪間における車輪速
度の差との差を反映する式であると把握することが可能
である。
【0047】上記式においては、各車輪の動荷重半径を
直接に表す変数が存在しない。以下、この理由を説明す
る。
【0048】本実施形態においては、各車輪につき、そ
れの周速度を車輪速度(角速度)で割り算すると動荷重
半径が求められるという前提が採用される。ここに、周
速度は、厳密には、車両の走行速度である車速と一致せ
ず、現実には、その車速に車輪のスリップ率を見込んで
求められ得る。本実施形態においては、このスリップ率
が、4個の車輪のうちの左右前輪と左右後輪とについて
それぞれ、左右車輪間で互いに共通すると仮定されてい
る。一方、上記車速は、もちろん、それら4個の車輪に
ついて互いに共通する。したがって、それら4個の車輪
間において動荷重半径を互いに比較するために、スリッ
プ率と車速とを使用して車輪速度を動荷重半径に換算す
ることは不可欠ではない。そこで、本実施形態において
は、それら4個の車輪間における動荷重半径の関係が、
スリップ率も車速も使用せずに、単に、それら4個の車
輪間における車輪速度の関係として計算されるようにな
っているのである。
【0049】総合タイヤ異常値VGAは、複数の車輪間
における車輪速度の大小関係の如何により、符号が正に
なったり負になったりするため、本実施形態において
は、後述するように、それの絶対値が前記しきい値と比
較されるようになっている。そこで、説明の便宜上、こ
の総合タイヤ異常値VGAはそれの絶対値を意味する用
語として使用することとすると、本実施形態において
は、その総合タイヤ異常値VGAが、タイヤに発生して
いる異常の程度が増加するにつれて増加する傾向を示す
こととなる。
【0050】前述のように、このタイヤ異常判定装置が
搭載される車両は前輪駆動式であり、よって、左右前輪
において左右後輪におけるより車輪荷重が大きい上に、
左右前輪は駆動輪であるのに対して左右後輪が転動輪で
あるために、左右前輪において左右後輪におけるよりス
リップ率が大きい傾向がある。そのため、左右前輪にお
いて左右後輪におけるより、同じ高さのタイヤ圧に対す
る車輪速度が大きくなる。車輪速度が大きいことは、動
荷重半径方式においては、タイヤ圧が低いこととして取
り扱われる。そのため、左右前輪において左右後輪にお
けるより、同じ高さのタイヤ圧に対する総合タイヤ異常
値VGAが大きいという特性を有することとなる。
【0051】この特性が図5にグラフで表されている。
ただし、そのグラフは、横軸にタイヤ圧の低下量ΔPが
取られる一方、縦軸には総合タイヤ異常値VGAが取ら
れている。また、同図には、低下量ΔPと総合タイヤ異
常値VGAとの関係が、左右前輪のいずれかのタイヤが
異常である場合と、左右後輪のいずれかのタイヤが異常
である場合とについてそれぞれ示されている。同図か
ら、同じ低下量ΔPにつき、前者の場合には総合タイヤ
異常値VGAが前輪用値VGA−Fを取るのに対し、後
者の場合には総合タイヤ異常値VGAが後輪用値VGA
−Rであって前輪用値VGA−Fより小さいものを取る
ことが分かる。
【0052】このような特性が存在するにもかかわら
ず、その総合タイヤ異常値VGAに基づいてタイヤ異常
判定を正常に行うために、本実施形態においては、その
総合タイヤ異常値VGAと比較されるべきしきい値が可
変値とされるとともに、そのしきい値が、タイヤ異常車
輪が左右前輪のいずれかである可能性がある場合と、左
右後輪のいずれかである可能性がある場合とで、互いに
異なるように変化させられる。
【0053】この様子が図6に表形式で表されている。
タイヤが異常である可能性を有する異常可能性保有車輪
が左右前輪のいずれかである場合には、最上欄に示すよ
うに、しきい値が値Cとされる。この値Cは、例えば、
前述の前輪用値VGA−Fと等しく設定することが可能
である。これに対して、異常可能性保有車輪が左右後輪
のいずれかである場合には、2番目の欄に示すように、
しきい値が、値Cより小さい値Bとされる。この値B
は、例えば、前述の後輪用値VGA−Rと等しく設定す
ることが可能である。図7には、それら値Cと値Bとの
大小関係がグラフで示されている。その結果、本実施形
態においては、しきい値が、異常可能性保有車輪が左右
前輪のいずれかである場合において、異常可能性保有車
輪が左右後輪のいずれかである場合におけるより大きく
なるように変化させられることとなる。
【0054】このようにしきい値を変化させるため、本
実施形態においては、4個の車輪のいずれが異常可能性
保有車輪であるかを特定することが必要になる。本実施
形態においては、その異常可能性保有車輪の特定のた
め、各車輪速度センサ10の出力信号に基づき、各車輪
ごとにタイヤが異常である程度を表す個別タイヤ異常値
VIAが推定され、各車輪ごとに、それについて推定さ
れた個別タイヤ異常値VIAと、その各車輪に隣接する
車輪についての個別タイヤ異常値VIAとの相対的な関
係に基づき、その各車輪が異常可能性保有車輪であるか
否かが判定される。
【0055】さらに、本実施形態においては、各車輪の
振動を利用することにより、その各車輪ごとに個別タイ
ヤ異常値VIAが推定される。具体的には、車輪速度の
検出値と外乱オブザーバとを利用することにより、車輪
ごとに個別タイヤ異常値VIAが推定される。
【0056】外乱オブザーバにより個別タイヤ異常値V
IA(例えば、タイヤ圧P、タイヤ圧Pの低下量ΔP、
ねじりばね定数Kの低下量ΔK)を推定する技術は、例
えば、特開2000−238516号公報に開示されて
いる。
【0057】その技術を概念的に説明すれば、外乱オブ
ザーバにおいては、車輪に対して、相対回転可能なリム
側部とベルト側部とが少なくともねじりばねにより互い
に連結されたタイヤモデルが想定されている。外乱オブ
ザーバにおいては、さらに、そのタイヤモデルに基づ
き、車輪の回転運動を記述する運動システムが想定され
ている。その運動システムにおいては、タイヤ圧Pの変
化に伴うねじりばねのばね定数の変化が車輪に対する外
乱とみなされる。外乱オブザーバにおいては、車輪速度
センサ10から出力される車輪速度信号がリム側部の角
速度を表す信号として用いられる。それにより、外乱オ
ブザーバは、外乱を運動システムの状態変数の1つとし
て推定し、それにより、個別タイヤ異常値VIAを推定
する。
【0058】図2には、左前輪、右前輪、左後輪および
右後輪に関する個別タイヤ異常値VIAがそれぞれ、
「VIAFL」,「VIAFR」,「VIARL」および「V
IARR」として表されている。
【0059】そして、本実施形態においては、図6に表
形式で示すように、左右前輪間における個別タイヤ異常
値VIAの差が定数m以上であり、かつ、左右後輪間に
おける個別タイヤ異常値VIAの差が定数nより小さい
という条件が成立した場合には、左右前輪のいずれかの
みが異常可能性保有車輪であると判定される。これに対
して、左右前輪間における個別タイヤ異常値VIAの差
が定数mより小さく、かつ、左右後輪間における個別タ
イヤ異常値VIAの差が定数n以上であるという条件が
成立した場合には、左右後輪のいずれかのみが異常可能
性保有車輪であると判定される。
【0060】本実施形態においては、前記総合タイヤ異
常値VGAが、次のような特性も有している。すなわ
ち、4個の車輪のうち車両において2対の対角位置にそ
れぞれ位置する2組の対角車輪対のいずれかに属する2
個の車輪の双方に関してタイヤが異常である場合におい
て、それら4個の車輪のいずれか1個のみに関してタイ
ヤが異常である場合におけるより、そのタイヤが実際に
異常である程度が同じでも前記しきい値が固定された状
況においてはタイヤが異常であると判定される傾向が強
いという特性も有するのである。
【0061】このような特性が存在するにもかかわら
ず、その総合タイヤ異常値VGAに基づいてタイヤ異常
判定を正常に行うために、本実施形態においては、その
総合タイヤ異常値VGAと比較されるべきしきい値が、
いずれかの対角車輪対に属する2個の車輪の双方(以
下、単に「いずれかの対角車輪対」という。)が前記異
常可能性保有車輪である場合と、そうでない場合とで、
互いに異なるように変化させられる。
【0062】この様子が図6に表形式で表されている。
異常可能性保有車輪がいずれかの対角車輪対である場合
には、3番目の欄に示すように、しきい値が、値Cより
大きい値Dとされる。この値Dは、例えば、前述の前輪
用値VGA−Fと定数aとの和として設定することが可
能である。図7には、その値Dと前述の値Cおよび値B
との大小関係がグラフで示されている。
【0063】したがって、本実施形態においては、いず
れかの前後車輪に属する2個の車輪の双方が異常可能性
保有車輪である場合には、しきい値が最大の値Dに設定
され、それにより、複数の車輪の中に、タイヤ圧が異常
に低い車輪が存在していると判定され難い判定条件が設
定されることになる。
【0064】そして、本実施形態においては、図6に表
形式で示すように、左右前輪間における個別タイヤ異常
値VIAの差が定数m以上であり、かつ、左右後輪間に
おける個別タイヤ異常値VIAの差が定数n以上である
という条件が成立した場合には、いずれかの対角車輪対
が異常可能性保有車輪であると判定される。
【0065】なお付言すれば、左右前輪間における個別
タイヤ異常値VIAの差が定数m以上であり、かつ、左
右後輪間における個別タイヤ異常値VIAの差が定数n
以上であるという条件の成立と、いずれかの対角車輪対
が異常可能性保有車輪であるという事象の成立とは、必
ずしも1対1に対応しない。その条件は、車両における
左側の前後車輪と右側の前後車輪とのいずれか(以下、
単に「いずれかの前後車輪」という。)に属する2個の
車輪の双方が異常可能性保有車輪である場合であって、
いずれかの対角車輪対が異常可能性保有車輪ではないと
いう場合にも成立してしまうからである。
【0066】そのため、本実施形態においては、事実
上、いずれかの対角車輪対が異常可能性保有車輪である
場合のみならず、いずれかの前後車輪に属する2個の車
輪の双方が異常可能性保有車輪である場合にも、しきい
値が値Dに設定される。
【0067】これに対し、いずれかの前後車輪に属する
2個の車輪の双方が異常可能性保有車輪である場合を、
いずれかの対角車輪対が異常可能性保有車輪である場合
から分離することは可能である。例えば、上記の条件が
成立し、かつ、左側の前後車輪間における個別タイヤ異
常値VIAの差が定数p以上であり、かつ、右側の前後
車輪間における個別タイヤ異常値VIAの差が定数q以
上であるという条件が成立した場合には、いずれかの対
角車輪対が異常可能性保有車輪である場合であると判定
するようにすればよいのである。
【0068】図6には、さらに、異常可能性保有車輪
が、左右前輪のいずれかである場合でも、左右後輪のい
ずれかである場合でも、左右前輪間における個別タイヤ
異常値VIAの差が定数m以上であり、かつ、左右後輪
間における個別タイヤ異常値VIAの差が定数n以上で
ある場合でもない場合(同図においては「いずれでもな
い」で示されている。)には、4番目の欄に示すよう
に、しきい値が、前記値Bより小さい値Aとされる。こ
の値Aは、例えば、前述の後輪用値VGA−Rから定数
bを差し引いた値として設定することが可能である。図
7には、その値Aと前述の値C、値Bおよび値Dと
の大小関係がグラフで示されている。
【0069】その「いずれでもない」場合とは、複数の
車輪のいずれも異常可能性保有車輪ではない場合である
と把握したり、いずれの車輪も異常可能性保有車輪であ
る場合であると把握することが可能である。本実施形態
においては、その「いずれでもない」場合には、しきい
値が最小の値Aに設定され、それにより、複数の車輪の
中に、タイヤ圧が異常に低い車輪が存在していると判定
され易い判定条件が設定されることになる。
【0070】以上、このタイヤ異常判定プログラムを概
略的に説明したが、以下、図4のフローチャートを参照
しつつ具体的に説明する。
【0071】このタイヤ異常判定プログラムはCPU3
0により繰り返し実行される。
【0072】このタイヤ異常判定プログラムの各回の実
行時には、まず、ステップS1(以下、単に「S1」で
表す。他のステップについても同じとする。)におい
て、各車輪ごとに、車輪速度センサ10から車輪速度信
号が取り込まれるとともにその取り込まれた車輪速度信
号に基づいて車輪速度V**(**:FL,FR,RL,
RR)が演算される。
【0073】次に、S2において、その演算された車輪
速度V**に基づき、前記外乱オブザーバにより、各車輪
ごとに、前記個別タイヤ異常値VIA**(**:FL,
FR,RL,RR)が推定される。
【0074】続いて、S3において、前記演算された車
輪速度V**に基づき、動荷重半径方式により、前記総合
タイヤ異常値VGAが推定される。具体的には、4個の
車輪についてそれぞれ演算された4個の車輪速度VFL
FR,VRL,VRRが前記式に代入されることにより、総
合タイヤ異常値VGAが計算される。
【0075】その後、S4において、S2において4個
の車輪についてそれぞれ推定された4個の個別タイヤ異
常値VIAFL,VIAFR,VIARL,VIARR相互の関
係に基づき、異常可能性保有車輪の位置が判定される。
前述の4つの場合(図6参照)のうちのいずれに該当す
るのかが判定されるのである。異常可能性保有車輪が左
右前輪のいずれかであると判定された場合には、S5に
おいて、しきい値が値Cに設定される。異常可能性保有
車輪が左右後輪のいずれかであると判定された場合に
は、S6において、しきい値が値Bに設定される。異常
可能性保有車輪がいずれかの対角車輪対であると判定さ
れた場合には、S7において、しきい値が値Dに設定さ
れる。いずれの場合でもないと判定された場合には、S
8において、しきい値が値Aに設定される。
【0076】いずれの場合にも、その後、S9におい
て、前記推定された総合タイヤ異常値VGAの絶対値
が、その設定されたしきい値以上であるか否かが判定さ
れる。しきい値以上である場合には、判定がYESとな
り、今回は、複数の車輪の中に、タイヤ圧が異常に低い
車輪が存在していると判定され、続いて、S10におい
て、その旨を運転者に告知すべく、警報器40がON状
態にされる。
【0077】これに対して、総合タイヤ異常値VGAの
絶対値がしきい値以上ではない場合には、S9の判定が
NOとなり、今回は、複数の車輪の中に、タイヤ圧が異
常に低い車輪が存在しないと判定され、続いて、S11
において、警報器40をOFF状態にするための信号が
その警報器40に対して出力される。
【0078】いずれの場合にも、以上でこのタイヤ異常
判定プログラムの一回の実行が終了する。
【0079】以上の説明から明らかなように、本実施形
態においては、コンピュータ22のうち図4におけるS
2とS4とを実行する部分が前記(1)項における「車
輪特定手段」の一例を構成し、同図におけるS1、S3
およびS5ないしS11を実行する部分が同項における
「タイヤ異常判定手段」の一例を構成しているのであ
る。
【0080】さらに、本実施形態においては、コンピュ
ータ22のうち図4におけるS2を実行する部分が前記
(12)項における「推定手段」の一例を構成し、同図
におけるS4を実行する部分が同項における「第2判定
手段」の一例を構成しているのである。
【0081】なお付言すれば、本実施形態におけるよう
に、動荷重半径方式によりタイヤ異常判定を行う場合に
は、その原理上、左右前輪間にも左右後輪間にも車輪速
度差が存在しないが、車両において左側の前後車輪間に
も右側の前後車輪間にも車輪速度差が存在する状況にお
いては、実際のタイヤ異常を検出できずに運転者に警報
できない。この問題を解決することが必要である場合に
は、本実施形態においては、例えば、外乱オブザーバに
より推定された個別タイヤ異常値VIAの左側の前後車
輪間における差としきい値との比較と、右側の前後車輪
間における差としきい値との比較とを行い、左側の前後
車輪間における差がしきい値を超えており、かつ、右側
の前後車輪間における差がしきい値を超えている場合に
は、左右前輪の双方または左右後輪の双方にタイヤ異常
があると判定することが可能である。
【0082】さらに付言すれば、本実施形態において
は、4個の車輪が装着された車両(例えば、乗用車)に
対してタイヤ異常の有無の判定が行われるようになって
いるが、それより多い数の車輪が装着された車両(例え
ば、大型車両)に対してタイヤ異常の有無の判定が行わ
れるようにして本発明を実施することが可能である。
【0083】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、これは例示であり、前記[課題を
解決するための手段および発明の効果]の欄に記載の態
様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、
改良を施した形態で本発明を実施することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に従うタイヤ異常判定装置
のハードウエア構成を概念的に示すブロック図である。
【図2】図1におけるタイヤ異常判定装置が搭載される
車両における4個の車輪の配置を概念的に示す平面図で
ある。
【図3】図1における判定器20におけるコンピュータ
22のハードウエア構成を概念的に示すブロック図であ
る。
【図4】図3におけるタイヤ異常判定プログラムの内容
を概念的に表すフローチャートである。
【図5】図1におけるタイヤ異常判定装置が採用する動
荷重半径方式の問題点を説明するためのグラフである。
【図6】図4におけるS4ないしS8の実行内容を表形
式で説明するための図である。
【図7】図6における値AないしDの大小関係を説明す
るためのグラフである。
【符号の説明】
10 車輪速度センサ 20 判定器 22 コンピュータ 40 警報器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホイールに装着されたタイヤの内部に空
    気が圧力下に封入されて構成された車輪を複数備えた車
    両に設けられ、前記タイヤが異常であるか否かを判定す
    る装置であって、 前記複数の車輪のうち、前記タイヤが異常である可能性
    がある車輪を異常可能性保有車輪として特定する車輪特
    定手段と、 前記複数の車輪にそれぞれ設けられ、車輪の角速度であ
    る車輪速度を検出する複数の車輪速度センサと、 それら複数の車輪速度センサにより前記複数の車輪につ
    いてそれぞれ検出された複数の車輪速度に基づき、それ
    ら複数の車輪間に車輪速度差が存在すればそれら複数の
    車輪のいずれかにタイヤ異常が発生している可能性があ
    るという事実に従い、それら複数の車輪を代表する1つ
    の総合タイヤ異常値であって前記複数の車輪についての
    複数のタイヤのうち異常である少なくとも1個のタイヤ
    の異常の程度を表すものを計算し、その計算された総合
    タイヤ異常値が予め定められたしきい値から予め定めら
    れた向きに外れた場合に、少なくとも1個の車輪にタイ
    ヤ異常が発生していると判定するタイヤ異常判定手段で
    あって、前記しきい値が、前記車輪特定手段により特定
    された異常可能性保有車輪の位置に基づいて変化させら
    れるものとを含むタイヤ異常判定装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の車輪が、前記車両に前後左右
    にそれぞれ配置された左右前輪および左右後輪を含むよ
    うに構成されており、 前記総合タイヤ異常値が、前記左右前輪のいずれかのみ
    に関して前記タイヤが異常である場合と、前記左右後輪
    のいずれかのみに関して前記タイヤが異常である場合と
    において、そのタイヤが実際に異常である程度が同じで
    あっても、互いに異なるという特性を有するものであ
    り、 前記車輪特定手段が、前記異常可能性保有車輪が前記左
    右前輪のいずれかのみである場合と、前記左右後輪のい
    ずれかのみである場合とを判別する手段を含み、 前記しきい値が、その判別結果に基づいて変化させられ
    るものである請求項1に記載のタイヤ異常判定装置。
  3. 【請求項3】 前記左右前輪と左右後輪との一方である
    左右車輪が、各車輪に上下方向に作用する車輪荷重が相
    対的に大きい大荷重左右車輪であり、他方である左右車
    輪が、それの車輪荷重が相対的に小さい小荷重左右車輪
    であり、 前記総合タイヤ異常値が、前記大荷重左右車輪のいずれ
    かのみに関して前記タイヤが異常である場合において、
    前記小荷重左右車輪のいずれかのみに関して前記タイヤ
    が異常である場合におけるより、そのタイヤが実際に異
    常である程度が同じでも前記しきい値が固定値である状
    況においては前記タイヤが異常であると判定される傾向
    が強いという特性を有するものであり、 前記しきい値が、前記車輪特定手段により特定された異
    常可能性保有車輪の位置に基づき、前記タイヤ異常判定
    手段による判定が正常化されるように変化させられるも
    のである請求項2に記載のタイヤ異常判定装置。
  4. 【請求項4】 前記総合タイヤ異常値が、前記タイヤに
    発生している異常の程度が増加するにつれて増加すると
    ともに、前記大荷重左右車輪のいずれかのみに関して前
    記タイヤが異常である場合において、前記小荷重左右車
    輪のいずれかのみに関して前記タイヤが異常である場合
    におけるより、そのタイヤが実際に異常である程度が同
    じでも、大きいという特性を有するものであり、 前記しきい値が、前記大荷重左右車輪のいずれかのみに
    関して前記タイヤが異常である場合において、前記小荷
    重左右車輪のいずれかのみに関して前記タイヤが異常で
    ある場合におけるより大きくなるように変化させられる
    ものである請求項3に記載のタイヤ異常判定装置。
  5. 【請求項5】 前記左右前輪と左右後輪との一方である
    左右車輪が、前記車両の動力源により駆動される左右駆
    動輪であり、他方である左右車輪が、その動力源により
    駆動されずに転動する左右転動輪であり、 前記総合タイヤ異常値が、前記左右駆動輪のいずれかの
    みに関して前記タイヤが異常である場合において、前記
    左右転動輪のいずれかのみに関して前記タイヤが異常で
    ある場合におけるより、そのタイヤが実際に異常である
    程度が同じでも前記しきい値が固定値である状況におい
    ては前記タイヤが異常であると判定される傾向が強いと
    いう特性を有するものであり、 前記しきい値が、前記車輪特定手段により特定された異
    常可能性保有車輪の位置に基づき、前記タイヤ異常判定
    手段による判定が正常化されるように変化させられるも
    のである請求項4に記載のタイヤ異常判定装置。
  6. 【請求項6】 前記総合タイヤ異常値が、前記タイヤに
    発生している異常の程度が増加するにつれて増加すると
    ともに、前記左右駆動輪のいずれかのみに関して前記タ
    イヤが異常である場合において、前記左右転動輪のいず
    れかのみに関して前記タイヤが異常である場合における
    より、そのタイヤが実際に異常である程度が同じでも、
    大きいという特性を有するものであり、 前記しきい値が、前記左右駆動輪のいずれかのみに関し
    て前記タイヤが異常である場合において、前記左右転動
    輪のいずれかのみに関して前記タイヤが異常である場合
    におけるより大きくなるように変化させられるものであ
    る請求項5に記載のタイヤ異常判定装置。
  7. 【請求項7】 前記左右前輪が、前記大荷重左右車輪で
    あると同時に前記左右駆動輪であり、かつ、前記左右後
    輪が、前記小荷重左右車輪であると同時に前記左右転動
    輪である請求項3ないし6のいずれかに記載のタイヤ異
    常判定装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の車輪が、前記車両に前後左右
    にそれぞれ配置された左右前輪および左右後輪を含むよ
    うに構成されており、 前記総合タイヤ異常値が、前記複数の車輪のうち前記車
    両において2対の対角位置にそれぞれ位置する2組の対
    角車輪対のいずれかに属する2個の車輪の双方に関して
    前記タイヤが異常である場合において、それら複数の車
    輪のいずれか1個のみに関して前記タイヤが異常である
    場合におけるより、そのタイヤが実際に異常である程度
    が同じでも前記しきい値が固定された状況においては前
    記タイヤが異常であると判定される傾向が強いという特
    性を有するものであり、 前記車輪特定手段が、前記いずれかの対角車輪対に属す
    る2個の車輪の双方が前記異常可能性保有車輪である場
    合と、そうでない場合とを判別する手段を含み、 前記しきい値が、その判別結果に基づき、前記タイヤ異
    常判定手段による判定が正常化されるように変化させら
    れるものである請求項1ないし7のいずれかに記載のタ
    イヤ異常判定装置。
  9. 【請求項9】 前記総合タイヤ異常値が、前記タイヤに
    発生している異常の程度が増加するにつれて増加すると
    ともに、前記いずれかの対角車輪対に属する2個の車輪
    の双方に関して前記タイヤが異常である場合において、
    前記複数の車輪のいずれか1個のみに関して前記タイヤ
    が異常である場合におけるより、そのタイヤが実際に異
    常である程度が同じでも、大きいという特性を有するも
    のであり、 前記しきい値が、前記いずれかの対角車輪対に属する2
    個の車輪の双方に関して前記タイヤが異常である場合に
    おいて、前記複数の車輪のいずれか1個のみに関して前
    記タイヤが異常である場合におけるより大きくなるよう
    に変化させられるものである請求項8に記載のタイヤ異
    常判定装置。
  10. 【請求項10】 前記車輪特定手段が、 (a)前記各車輪速度センサの出力信号に基づき、前記
    各車輪ごとにタイヤが異常である程度を表す個別タイヤ
    異常値を推定する推定手段と、 (b)各車輪ごとに、それについて推定された個別タイ
    ヤ異常値と、その各車輪に隣接する車輪についての個別
    タイヤ異常値との相対的な関係に基づき、その各車輪が
    前記異常可能性保有車輪であるか否かを判定する判定手
    段とを含む請求項1ないし9のいずれかに記載のタイヤ
    異常判定装置。
  11. 【請求項11】 前記推定手段が、前記各車輪の振動を
    利用することにより、その各車輪ごとに前記個別タイヤ
    異常値を推定するものである請求項10に記載のタイヤ
    異常判定装置。
  12. 【請求項12】 前記推定手段が、外乱オブザーバであ
    って、前記各車輪に対して、相対回転可能なリム側部と
    ベルト側部とが少なくともねじりばねにより互いに連結
    されたタイヤモデルが想定され、そのタイヤモデルに基
    づき、前記各車輪の回転運動を記述する運動システムが
    想定され、その運動システムにおいて、前記タイヤ圧の
    変化に伴う前記ねじりばねのばね定数の変化を前記車輪
    に対する外乱とみなし、前記各車輪速度センサから出力
    される信号を前記リム側部の角速度を表す信号として用
    いることにより、前記外乱を前記運動システムの状態変
    数の1つとして推定し、それにより、前記個別タイヤ異
    常値を推定するものを含む請求項11に記載のタイヤ異
    常判定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112428753A (zh) * 2020-10-21 2021-03-02 浙江吉利控股集团有限公司 一种车辆轮胎异常识别方法、装置、电子设备及存储介质

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