JP2002336893A - オキシデーションディッチの運転制御方法 - Google Patents
オキシデーションディッチの運転制御方法Info
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Abstract
することが可能なオキシデーションディッチの運転制御
方法を提供する。 【解決手段】 水中式の水流発生手段4と、散気装置5
と、溶存酸素計7と、を備える無終端状に形成された循
環水路1に、好気性水域3aと嫌気性水域3bとを形成
して硝化脱窒素処理を行うオキシデーションディッチの
運転制御方法であって、溶存酸素計7の測定値を基にし
て、散気装置5による散気量を制御するとともに、散気
量を所定量以下に制御しても溶存酸素計7の測定値が目
標値を上回る場合には、水流発生手段4を制御して循環
流の流速を低下させる制御を行う。
Description
除去するオキシデーションディッチの運転制御方法に関
し、特に、その溶存酸素量の制御に関する。
デーションディッチ(Oxidation Ditch :OD)法が知
られている。ODはレーストラック形状の無終端式の循
環水路からなり、少なくとも一カ所に曝気装置を有する
構成を採る。
常、曝気装置から近いその下流側の領域の溶存酸素量を
比較的高く維持することで好気性ゾーンとし、さらにそ
の下流側で曝気装置に戻るまでの領域の溶存酸素量を低
く維持することで嫌気性ゾーンとして、好気性ゾーンで
は有機物の分解と硝化反応、嫌気性ゾーンでは脱窒反応
を行うことにより窒素分の浄化を行う連続式の運転方法
が知られている。
気性ゾーンと嫌気性ゾーンとを適切な比率で形成するこ
とが必要となるため、所定の位置で溶存酸素量(DO
値)を測定し、DO値に応じて曝気装置の運転を制御す
る技術が知られている。
ーターなどの循環流形成と曝気とを同一の装置で行って
いる場合には、循環流形成のために必要な最小限度の回
転数でエアレーターを稼働させても過曝気となる場合が
あり、過曝気を抑制しようとすると循環流の形成が困難
になるという問題がある。
場合であっても、曝気装置による曝気量には下限があ
り、この下限量では過曝気となる場合でも、曝気装置を
停止させると曝気不足となる場合があり、好気性ゾーン
と嫌気性ゾーンとを適正に形成することは困難であっ
た。
ーンとを適正に形成することが可能なオキシデーション
ディッチの運転制御方法を提供することを課題とする。
め、本発明に係るODの運転制御方法は、無終端状に形
成された循環水路と、循環水路内の少なくとも1カ所に
設置された水中式の水流発生手段と、循環水路内の液相
内に散気することで曝気を行う散気装置と、循環水路内
の所定の位置に配置されて溶存酸素量を検出する溶存酸
素計と、を備え、循環水路内に好気性水域と嫌気性水域
とを形成して汚水中の窒素分を硝化脱窒素処理するOD
の運転制御方法であって、溶存酸素計の測定値を基にし
て、散気装置による散気量と水流発生手段により形成さ
れる循環流の流速のそれぞれを制御することを特徴とす
る。
ることにより、好気性ゾーンと嫌気性ゾーンとを適正な
状態で形成することが可能である。
溶存酸素計の測定値が目標値を上回る場合には、水流発
生手段を制御して循環流の流速を低下させる制御を行う
ことが好ましい。
も過曝気状態となる場合には、循環流の流速を低下させ
ることで、散気される空気の曝気効果を減少せしめて有
効曝気量を減らし、溶存する酸素量を低減させることが
可能である。これにより、有効曝気量の調整範囲を下限
側に拡大することが可能となり、好気性ゾーンと嫌気性
ゾーンとを適正に形成することができる。
置による散気量を所定値以下に制御しても溶存酸素計の
測定値が目標値を上回る状態が所定時間経過した場合に
行うとともに、流速低下制御中に溶存酸素計の測定値が
目標値を下回る状態が所定時間経過した場合には低下制
御を停止することが好ましい。
が低下するまでにはタイムラグがあり、また、溶存酸素
計の測定位置と散気装置との位置の違いによる偏差もあ
る。制御にオフセットを設けることで、頻繁に制御を繰
り返すことにより溶存酸素量のぶれを抑制する。
の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理
解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に
対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説
明は省略する。
を実施するOD処理施設100を示す概略構成図であ
り、図2はそのII−II線断面図である。
には、仕切壁2が設けられ、無終端状の長円形循環水路
を形成している。この長円形循環水路の各直線部の上流
側には、水中式の水流発生装置4a、4bがそれぞれ配
置されている。これらの水流発生装置4a、4bは、水
中プロペラや水中スクリュー等の循環水路内に循環流を
生起させるだけの機能を有し、曝気機能を有しない水流
発生手段である。
1で下側にあたる直線部上流側に配置される水流発生装
置4aの下流側底部には散気装置5が配置されている。
この散気装置5としては、微細気泡を水中に散気するこ
とが可能な散気板や散気筒であり、例えば、オーストリ
アのAquaconsult社製のエアレーションパネルAQUASTRIP
(同社PCT出願が国際公開公報WO95/35156
号公報として開示されている)を好適に用いることがで
きる。この装置は、ベースプレート上に微細な孔が設け
られた膜シートを配置した構成を採り、膜シートとベー
スプレートの間に空気を供給して空気圧が所定以上とな
ると膜シートに開けられた孔が開いて空気を微細な気泡
として水中に散気する構成を有している。このため、高
い酸素移動効率を得ることができる。
して送風機6が接続されている。そして、水流発生装置
4aが設けられた直線部の下流端には、処理水出口21
が設けられ、その下流側の半円状水路の下流端に溶存酸
素計(DO計)7が配置されている。そして、他方の水
流発生装置4bの上流側には汚水と活性汚泥の混合液を
導入する流入水入口20が設けられている。
送られている。制御装置8は、DO計7の出力を基にし
てインバーター9を介して送風機6の風量と水流発生装
置4aの回転数を制御するとともに、風量調整弁6aの
開度を制御する機能を有する。
流発生装置4a、4bを回転駆動することで、OD槽1
内には通常、流速0.2〜0.4m/s程度の循環流が
形成されている。汚水と活性汚泥の混合液は流入水入口
20から導入され、18〜32時間程度OD槽1内を循
環滞留して処理された後に処理水出口21から排出さ
れ、図示していない次工程の沈殿槽等に導かれて滅菌処
理された後に河川等に放流される。
aを介して空気が送られ、OD槽1内の液相の曝気が行
われる。曝気された空気中の酸素は、汚水と活性汚泥の
混合液に溶け込むが、液中に存在するアンモニア性窒素
を硝化菌により硝酸性窒素や亜硝酸性窒素に硝化する硝
化反応や微生物による有機物の分解に使用されるため、
下流側へと流れるに連れて徐々にOD値は低下してい
き、DO計7を越えた付近でDO値はほぼ0ppmにな
る。以下、この水流発生装置4aからDO計7付近まで
のDO値が0ppmより大きい領域を好気性ゾーン3a
と呼ぶ。
装置4a上流までの領域はDO値がほぼ0ppmの嫌気
性状態に維持される。以下、この領域を嫌気性ゾーン3
bと呼ぶ。この嫌気性ゾーン3bにおいては、硝酸性窒
素、亜硝酸性窒素を脱窒菌により窒素ガスに還元する脱
窒反応が行われ、還元された窒素ガスは大気中に放出さ
れることで、脱窒素処理が行われる。
3b間で循環を繰り返すことで、汚水中の有機物は活性
汚泥処理により分解され、硝化反応、脱窒反応によって
窒素分は脱窒素処理される。両者が組み合わされること
で、酸の生成によるpHの低下を防ぎ、活性汚泥処理を
行う微生物を阻害することなく効率の良い処理が行え
る。
がDO計7の測定値を基に散気装置5による曝気量を制
御するDO制御を行うことにより、好気性ゾーン3aと
嫌気性ゾーン3bとの比率を適正な比率に維持して効率
良い汚水処理を行っている。以下、本発明に係る運転制
御方法であるこのOD制御について具体的に説明する。
ー図である。この制御は、制御装置8により行われるも
のであり、所定の時間サイクルで繰り返し実行されるも
のである。以下、DO計7の測定DO値を変数DO、散
気装置5に供給する供給空気量の設定値を変数A、水流
発生装置4aの設定流速を変数Vで表すこととする。
が設定上限閾値DOUth(例えば、0.11ppm)を
越えているか否かを判定する。越えていた場合には、ス
テップS2へと移行してカウンタmを0にリセットし、
カウンタnに1を加える。ステップS3では、カウンタ
nの値が閾値nthに達しているか否かを判定する。達し
ていた場合には、ステップS4へと移行してカウンタn
を0にリセットし、以下に説明するDOの減少制御に入
る。カウンタnが閾値nthに達するのは、nthサイクル
連続してDO計7の測定DO値が設定上限閾値DOUth
を上回った場合であり、一時的にDO計7の測定DO値
が設定上限閾値DOUthを上回った場合、つまりステッ
プS3でNOと判定された場合には、その後の処理をス
キップして、DOの減少制御を行わないことで、過剰な
減少制御によってDO値が不用意に減少するのを防止す
ることができ、安定したDO制御を行うことが可能とな
る。
定供給空気量Aが下限値Amin以下となっていないか
を判定する。下限値Amin以下でない場合には、ステ
ップS6へと移行して、設定供給空気量AをΔAだけ減
少させる。具体的には、インバーター9で制御するブロ
ワー6の回転数および流量調整弁6aの開度を制御する
ことにより、散気装置5へ供給される空気量が設定供給
空気量Aとなるよう制御して処理を終了する。このよう
に供給空気量を減少させることで液相中へ新たに溶け込
む酸素量を減らし、DO値を減少させる。
は、ステップS7へと移行し、設定流速Vが活性汚泥の
沈降分離を引き起こさない下限値であるVmin(例え
ば0.1m/s)以下となっていないかを判定する。ス
テップS7でNOと判定された場合には、ステップS8
へと移行して設定流速VをΔVだけ減少させる。つま
り、インバーター9で制御する水流発生装置4aの回転
数を減少させることで、OD槽1内の循環流速を設定流
速になるよう制御する。こうして循環流の流速を下げる
と、散気装置5から放出されてから水面に至るまでの気
泡の軌跡を短くすることにより、酸素移動効率を低下さ
せ、同一の曝気量であっても液相中へ新たに溶け込む酸
素量を減少させて、DO値を減少させることができる。
に低下している場合には、これ以上流速を低下させるこ
とはできないと判定し、ステップS9へと移行して送風
機6を停止させる。これにより、曝気を停止させること
でDO値を減少させることができる。
DOUth以下であると判定された場合には、ステップS
10へと移行してDO値が下限閾値DOLth(例えば、
0.10ppm)未満でないかを判定する。下限閾値以
上であった場合は、DO値が目標値である下限閾値DO
Lth以上上限閾値DOUth以下であることを意味するか
ら、供給空気量、水流制御は現在の設定のままとしてそ
の後の処理をスキップして処理を終了する。このように
上限閾値と下限閾値との間に差を設けてオフセットを採
ると、頻繁に供給空気量を切り換える必要がなく、過度
の制御によるDO値の発振を抑制することができ、好適
である。
値DOLth未満であると判定された場合には、ステップ
S11へと移行してカウンタnを0にリセットし、カウ
ンタmに1を加える。ステップS12では、カウンタm
の値が閾値mthに達しているか否かを判定する。達して
いた場合には、ステップS13へと移行してカウンタm
を0にリセットし、以下に説明するDOの増大制御に入
る。カウンタmが閾値mthに達するのは、mthサイクル
連続してDO計7の測定DO値が設定下限閾値DOUth
を下回った場合であり、一時的にDO計7の測定DO値
が設定下限閾値DOLthを下回った場合にすぎない場
合、つまりステップS12でNOと判定された場合に
は、その後の処理をスキップして、DOの増大制御を行
わないことで、過剰な増大制御によってDO値が不用意
に減少するのを防止することができ、安定したDO制御
を行うことが可能となる。
準流速Vst未満であるか否かを判定する。設定流速V
が標準流速Vst未満である場合には、前述のDO値減
少制御における水流制御が継続中であると判定してステ
ップS15へと移行する。
否かを判定する。送風機6が停止中の場合には、ステッ
プS9の送風機停止処理が継続中であると判定し、ステ
ップS16へと移行して、DO値を増大させるために曝
気を再開する。このときの供給空気量Aは下限値Ami
nである。
17へと移行して設定流速VをΔVだけ増大させる。具
体的には、インバーター9の制御により水流発生装置4
aの回転数を増大させる。こうして循環流の流速を上げ
ることにより、散気装置5から放出されて水面へと至る
気泡の軌跡を長く採ることができるので、その酸素移動
効率を増大させ、同一の曝気量であっても液相中へと新
たに溶け込む酸素量を増大させて、DO値を増大させる
ことができる。
達していた場合には、ステップS18へと移行して設定
供給空気量Aが最大空気量Amaxに達していないか否
かを判定する。設定供給空気量Aが最大空気量Amax
に達している場合には、これ以上の曝気量増大制御は不
可能であるため、現在の曝気量を維持してその後の処理
をスキップして処理を終了する。
axに達していない場合には、設定空気量AをΔAだけ
増大させる。具体的には、インバーター9で制御するブ
ロワー6の回転数および流量調整弁6aの開度を制御す
ることにより、散気装置5へ供給される空気量が設定供
給空気量Aとなるよう制御して処理を終了する。このよ
うに供給空気量を増大させることで液相中へ新たに溶け
込む酸素量を増やし、DO値を増大させる。
る場合と比較して広い範囲で実効的な曝気量を制御する
ことができるので、好気性ゾーンと嫌気性ゾーンの区分
けを維持することができ、安定した処理を行うことがで
きる。以上の説明では、散気装置の散気量が最低の場合
のみに循環流の流速制御を行う例を説明してきたが、そ
れ以外の場合でも、DO値に応じて流速を制御すること
が好ましい。具体的には、測定DO値が目標DO値との
差が負でその絶対値が所定値以上に大きい場合、つまり
DO値が低すぎる場合には、散気量を増やすだけでな
く、循環流の流速を上げることで速やかにDO値を増大
させ、測定DO値と目標DO値との差が正でその絶対値
が所定値以上に大きい場合、つまりDO値が高すぎる場
合には、散気量を減らすだけでなく、循環流の流速を下
げることで速やかにDO値を減少させる。このようにす
ることで、好気性ゾーンと嫌気性ゾーンのそれぞれをよ
り適正に維持することが可能となる。
することでその増大、減少を切り換える制御を説明して
きたが、PID制御や他の既知の様々な制御手法を応用
することが可能である。
このように散気装置5へ供給する供給空気量と循環流の
流速を組み合わせて制御することにより、散気装置5の
構造上困難であった下限値以下の曝気量に相当する曝気
量を実現することが可能になり、好気性ゾーンと嫌気性
ゾーンとの比率を維持することができ、安定した処理を
行うことができる。
D施設の概略構成図である。
ローチャートである。
5…散気装置、6…送風機、6a…風量調整弁、7…D
O計、8…制御装置、9…インバーター、20…流入水
入口、21…処理水出口。
Claims (3)
- 【請求項1】 無終端状に形成された循環水路と、前記
循環水路内の少なくとも1カ所に設置された水中式の水
流発生手段と、前記循環水路内の液相内に散気すること
で曝気を行う散気装置と、前記循環水路内の所定の位置
に配置されて溶存酸素量を検出する溶存酸素計と、を備
え、循環水路内に好気性水域と嫌気性水域とを形成して
汚水中の窒素分を硝化脱窒素処理するオキシデーション
ディッチの運転制御方法であって、 前記溶存酸素計の測定値を基にして、前記散気装置によ
る散気量と前記水流発生手段により形成される循環流の
流速のそれぞれを制御することを特徴とするオキシデー
ションディッチの運転制御方法。 - 【請求項2】 前記散気装置による散気量を所定量以下
に制御しても前記溶存酸素計の測定値が目標値を上回る
場合に前記水流発生手段を制御して循環流の流速を低下
させる制御を行うことを特徴とする請求項1記載のオキ
シデーションディッチの運転制御方法。 - 【請求項3】 前記循環流の流速低下制御は、前記散気
装置による散気量を所定値以下に制御しても前記溶存酸
素計の測定値が目標値を上回る状態が所定時間経過した
場合に行うとともに、流速低下制御中に前記溶存酸素計
の測定値が目標値を下回る状態が所定時間経過した場合
には、低下制御を停止することを特徴とする請求項2に
記載のオキシデーションディッチの運転制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2001149472A JP4579450B2 (ja) | 2001-05-18 | 2001-05-18 | オキシデーションディッチの運転制御方法 |
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