JP5698025B2 - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アンモニア性窒素及び有機性窒素を含む排水を生物学的に酸化処理する排水処理装置及び排水処理方法に関する。
アンモニア性窒素を含む排水を生物学的に処理する方法として、硝化菌によってアンモニア性窒素を硝酸性窒素、亜硝酸性窒素に酸化する処理が、一般的に行われている。硝化反応には、酸素が必要であり、酸素源として空気が用いられている(例えば、特許文献1)。
アンモニア性窒素及び有機性窒素の硝化反応において、1kgの窒素を硝化するには、約4.6kgもの酸素が必要であるため、空気を酸素源とした従来の排水処理方法においては、硝化槽に大量の空気を供給しなければならない。さらに、硝化を効率的に進めるには、有機物の酸化分解処理に比べて混合液のDOを高めに維持する必要があり、酸素濃度が21%の空気を用いた場合は、設備の小型化や空気供給設備等の動力コストの低減には限界があった。このような問題点を解決する方法として、空気よりも酸素濃度を高めた酸素富化空気を硝化反応に必要な酸素源として用いる酸素活性汚泥法が採用されている(例えば、特許文献2)。
高負荷条件で硝化処理を行うためには、酸素の供給能力を上げると共に、硝化槽内に多量の硝化菌を保持しなければならない。そのためには、DOを高く維持して汚泥中の硝化菌の活性を高めると共に、混合液の汚泥濃度(MLSS濃度)を高くしなければならない。酸素活性汚泥法の場合、DOを高く設定できるメリットはあるものの、MLSS濃度をむやみに上げると、標準的な活性汚泥法と同様に、沈殿池で汚泥と処理水を分離しにくくなるといった問題が生じる。この固液分離に膜を用いても良いが、高額な膜分離システムが必要になると共に、膜のつまりなど解決・改良すべき課題も多い。さらに、MLSS濃度を上げることで曝気槽や沈殿池でのスカム発生を助長し、運転管理が煩雑になるといった問題点もある。これらの問題を解決するために、微生物を固定した担体を用いる方法が、硝化処理では広く普及しているのである。
酸素供給能力に優れた酸素活性汚泥法と、硝化能力が優れた担体硝化法を組み合わせることによって、コンパクトな設備で硝化処理を進めることができ、装置構造や方法が種々検討されている(例えば、特許文献2)。
酸素活性汚泥では、硝化槽の曝気方法として表面曝気法が採用されている。しかし、特許文献2にも記載があるとおり、曝気用の攪拌によって、硝化担体が磨耗したり、崩壊するといった問題が生じる場合があった。
担体の損耗の問題を解決するために、表面曝気法のかわりに循環ブロワを介して高濃度酸素ガスを曝気槽内で循環散記する方法(ガス循環散気法)があり、この方法で硝化を行っている例もある(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、ブロワを用いて循環散気する方法は、表面曝気法に比べて実用例も少なく、運転を安定化させたり、効率的に運用するための実施条件の検討が十分なされてこなかった。特に、酸素活性汚泥法では、使用する酸素富化空気や純酸素などの空気よりも酸素濃度が高いガス(以下、高酸素ガス)は、生成するために多大のコストがかかる。そして、酸素活性汚泥法の特徴である小さな曝気槽、すなわち、水理学的滞留時間(hydraulic retention time、HRT)の短い条件で効率良く硝化反応を進めるための処理装置、処理方法も十分確立できていない。
特開2000−312898号公報 特開平8−173983号公報
住山ら、第30回下水道研究発表会講演集,p524(1993)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、硝化槽を高負荷、小型にすること及び省エネルギー化が可能な窒素含有排水を生物学的に酸化処理する排水処理装置と方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明では、硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽と、該硝化槽の気相部に高濃度酸素ガスを供給する酸素ガス供給ラインと、前記硝化槽の気相部からの排気ガスを排出する排出ラインと、前記硝化槽内の気相部の気体を液相中に導いて曝気させるブロワと散気装置を有する循環散気手段とを備えた、排水中のアンモニア性窒素及び/又は有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素に酸化処理する排水処理装置であって、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、該溶存酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段とを備えると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出する酸素検出手段と、該酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように前記酸素ガス供給ラインの酸素ガス供給量を制御する手段とを備えることを特徴とする排水処理装置としたものである。
また、本発明では、硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽と、該硝化槽の気相部に高濃度酸素ガスを供給する酸素ガス供給ラインと、前記硝化槽の気相部からの排気ガスを排出する排出ラインと、前記硝化槽内の気相部の気体を液相中に導いて曝気させるブロワと散気装置を有する循環散気手段とを備えると共に、前記硝化槽の前段に脱窒槽を設け、該脱窒槽に前記硝化槽の液相及び/又は汚泥を返送する返送ラインを設けた、排水中のアンモニア性窒素及び/又は有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素に酸化処理して、脱窒処理する排水処理装置であって、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、該溶存酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段とを備えると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出する酸素検出手段と、該酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように前記酸素ガス供給ラインの酸素ガス供給量を制御する手段とを備えることを特徴とする排水処理装置としたものである。
前記排水処理装置において、前記硝化槽が、隔壁によって仕切られた複数の槽からなり、該複数の槽の槽毎に、液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、ブロワと散気装置を有する循環散気手段と、前記溶存酸素濃度が槽毎に設定値に維持されるように、前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段とを備えたこととするか、又は、前記硝化槽が、隔壁によって仕切られた複数の槽からなり、該複数の槽の槽毎に、液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、散気装置と該散気装置の少なくとも1つに接続している流量調節弁とを有する循環散気手段とを備え、該槽毎の循環散気手段に接続する1個のインバータ制御されるブロワを有し、該ブロワの風量及び/又は前記散気装置に接続する流量調節弁の開度により前記溶存酸素濃度が槽毎に設定値に維持されるように、前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段を備えたこととすることができる。
さらに、本発明では、硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽の気相中に、高濃度酸素ガスを供給し、前記硝化槽の気相中から排気ガスを排出させると共に、前記硝化槽内の気相中の気体をブロワと散気装置を介して液相中に循環散気させる、排水中のアンモニア性窒素及び有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に酸化処理する排水処理方法において、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように、前記液相中に循環散気させる曝気風量を制御すると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように、前記硝化槽の気相部に供給する酸素ガス供給量を制御することを特徴とする排水処理方法としたものである。
また、本発明では、硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽の気相中に、高濃度酸素ガスを供給し、前記硝化槽の気相中から排気ガスを排出させ、前記硝化槽内の気相中の気体をブロワと散気装置を介して液相中に循環散気させると共に、前記硝化槽の前段に設けた脱窒槽に、前記硝化槽の液相及び/又は汚泥を返送して、排水中のアンモニア性窒素及び有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に酸化処理して、脱窒処理する排水処理方法において、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように、前記液相中に循環散気させる曝気風量を制御すると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように、前記硝化槽の気相部に供給する酸素ガス供給量を制御することを特徴とする排水処理方法としたものである。
前記排水処理装置及び方法において、前記液相中の溶存酸素濃度の設定値は、2〜12mg/Lであり、また、前記気相部又は排気ガス中の酸素濃度の所定範囲は、30〜70%(容量)とするのがよい。





本発明の排水処理装置及び排水処理方法によれば、純酸素又は酸素富化ガスを硝化反応による排水処理に用いることができるので、排水処理の効率化、すなわち硝化槽の高負荷化ないしは小型化が可能である。しかも、必要量のみの純酸素又は酸素富化ガスを供給されるので、ランニングコストも低く抑えることができ、総コストを低減することが可能となる。
本発明の排水処理装置の一例を示すフロー構成図。 本発明の排水処理装置の他の例を示すフロー構成図。 本発明の排水処理装置の他の例を示すフロー構成図。 本発明の排水処理装置の他の例を示すフロー構成図。 本発明者の制御動作の一例を示すフローチャート。 DOと硝化性能の関係を示すグラフ。 従来の排水処理装置の一例を示すフロー構成図。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、まず、従来から実績のある表面曝気法の問題点を明らかにするため、磨耗しにくい形状、材質の担体を用いて、表面曝気法とガス循環散気法の比較実験を行った。その結果、表面曝気法では、担体自体の損耗はない場合でも、曝気用の攪拌による硝化菌の担体表面への付着阻害が原因と推定される硝化性能不良が生じることをつきとめた。一方、これと同じ条件で曝気方式のみガス循環散気法にして行った実験では、良好な硝化性能が得られ、さらに、図5に示すとおり、硝化性能が硝化槽混合液のDOに依存することも判明した。これらの知見をもとに、HRTの短い条件で効率良く硝化反応を進めるためには、曝気をガス循環散気で行うと共に、必要な硝化速度に対応したDO値に調整することが必須であること、さらに、この方式を実用化するためには、従来の表面曝気方式と同等以上の高濃度酸素ガスの利用効率(酸素利用効率)を発揮できる処理装置、処理方法の確立が必要不可欠であるという考えに至った。
混合液のDOを調整する手法として、標準活性汚泥法等で広く用いられているDO値による散気量の制御方法に着目し、これを酸素活性汚泥法に適用することを考えた。しかしながら、標準活性汚泥法のように単純な制御ではうまくいかなかった。すなわち、DOを安定させるために必要な散気量は、空気を一過性で散気する場合には、排水の負荷変動や水温によって変化するのみであるのに対して、酸素活性汚泥法では、供給する高濃度酸素ガス量によって散気するガスの酸素濃度が変化する。この濃度変化によって必要な散気量が大きく変化する上、ガスを繰り返し循環散気するので、排水の負荷条件、水質条件による変化は一過性の散気とは比べ物にならないほど大きいことが判明した。さらに、密閉可能な硝化槽を用いた酸素活性汚泥法では、最下流の硝化槽の気相部の酸素濃度が変動したり、濃度が上昇すると、排ガスの酸素濃度も安定せず、未使用の酸素を系外に多く排出することにつながり、目的とする酸素利用効率を得ることができなかった。
そこで、硝化槽気相部の酸素濃度を安定させることと、混合液のDOを安定させることの両方が必須と考えて、循環散気方式の場合は、硝化槽気相部及び排ガスの酸素濃度で高濃度酸素ガスを制御供給することが好適であることを見出した。
本発明には、図1に示すような装置が使用できる。この装置は、硝化菌を表面に固定した硝化担体を投入した密閉型の硝化槽からなり、硝化槽には、酸素供給ライン、排ガスラインが接続されている。硝化槽の曝気は、循環ブロワと散気装置を用いたガス循環方式で行われ、散気量は硝化槽DOで制御供給される。また、高濃度酸素ガス供給量は、硝化槽の気相部もしくは排ガスの酸素濃度で制御供給される。
担体の硝化性能は、硝化槽のDOに大きく依存し、硝化性能を高く維持するのに2mg/L以上のDOが必要であった。一方、DOが高いほど硝化性能は上昇するため、なるべく高めのDOに設定した方が良いのであるが、DOが12mg/Lを超えると硝化性能は頭打ちになる(図6参照)ことから、好ましい硝化槽液相部の混合液のDO条件は、2〜12mg/Lである。また、DOの依存性が高いということは、負荷条件や必要とする処理性能に合わせて最適なDO値に設定することで、硝化性能を任意に調整できることを意味する。特に、負荷変動がある場合には、負荷が低い時間帯にはDO値を低く設定し、逆に、負荷が高い時間帯にはDO値を高く設定することで、低い動力コストで安定した硝化性能を発揮することができる。
このように、アンモニア性窒素あるいは有機性窒素負荷の時間経過に伴う変動パターンに基づいて、予め硝化槽混合液の溶存酸素濃度の上下限設定値を変更すれば良い。負荷は、排水流入量と排水濃度の積、(排水流入量)×(排水の濃度)で計算されるので、排水流入量と排水濃度の双方を指標とするのであるが、排水流入量の変動が小さい場合は排水濃度を指標とすれば良いし、逆に、排水濃度の変動が小さい場合は排水流入量を指標とすれば良い。ここで、指標とする液相は排水に限らない。すなわち、負荷変動に追随して、硝化槽の混合液や沈殿池の水、処理水といった液相のアンモニア性窒素濃度も変化するので、これらの液相の水質の時間経過に伴う変動パターンに基づいて予め硝化槽混合液の溶存酸素濃度の上下限設定値を変更しても良い。
指標とする液相については、アンモニア性窒素濃度変化が把握できるものであれば制限はないが、負荷変動パターンとの追随をよくするため、流入してくる処理対象の排水や、硝化反応が進行している硝化槽が好ましい。さらには、アンモニア性窒素あるいは有機性窒素負荷、もしくは、液相のアンモニア性窒素濃度を測定する検出結果に基づいて、硝化槽混合液の溶存酸素濃度の上下限設定値を変更する機能を有した制御装置を用いて自動制御しても良い。これらの検出器の例としては、アンモニア濃度計、窒素濃度計などが用いられる。また、負荷変動については、濃度と共に水量の変化が影響するので、これらの濃度計と共に水量計を併用すれば良いし、濃度と水量を各々測定して負荷を計算して示す負荷計などを用いても良い。もちろん、アンモニア性窒素あるいは有機性窒素負荷、もしくは、液相のアンモニア性窒素濃度を把握・予測できる検出手段であれば、これらの検出器に限定されない。
酸素活性汚泥法で循環散気を行う場合、硝化槽混合液のDOを調整する手法として主に二つの方法がある。一つは、混合液のDO値で散気量を制御する方法、もう一つは、硝化槽気相部への酸素の供給量を制御する方法である。前者は、単純にDOが低下すると散気量が増え、逆に、DOが上昇すると散気量が減ることによって、DOを調整・安定化する。後者は、酸素の供給量によって硝化槽気相部、すなわち、散気するガスの酸素濃度を変化させることによって、硝化槽DOを調整する。どちらの方法でも、混合液のDOを目的とする値に調整することは可能なのであるが、前者では、酸素濃度低下時に多量の散気が必要となることから、これを見込んで過大なブロワを必要とし、動力コストもかさむ。後者は、必要酸素量が多くなると散気の酸素濃度が上がるため、排ガスの酸素濃度もこれに追随して上昇し、酸素利用効率が低下する。両者ともそれぞれの課題があり、かつ、単独での制御では、ブロワ動力の増加、あるいは、酸素利用効率の低下により、いずれもランニングコストの増加を招いた。これらすべての問題を解決するために、硝化槽気相部の酸素濃度を安定させ、かつ、前者の混合液のDO値で散気量を制御するという方法を編み出し、本発明の方法に至った。
ブロワの散気量を制御するための、硝化槽の混合液のDO濃度の測定場所は、ブロワの運転や硝化槽DOの安定化が可能であれば制限はないが、硝化槽が多段の場合は、各々の硝化槽にDO計とブロワを設け、個別に、DOでブロワを制御させることが好ましい。これは、硝化を効率よく進めるためには、すべての硝化槽で適切なDOに維持する必要があるためである。ブロワの制御は、DO値の検出結果を基にブロワの回転数をインバータで増減したり、風量調節弁の開度調整によって行われる。
本発明に用いるDO計は、混合液や排水の成分によって測定に影響を受けず、長期間の使用に耐えうるものであれば制限はないが、維持管理性が良い事から蛍光式溶存酸素計が好適である。
硝化槽気相部の酸素濃度を安定させるために従来から採用されている一般的な方法は、硝化槽気相部の圧力変化や排ガスの流量変化を基にして、高濃度酸素ガスを供給制御する方法である。これは、硝化槽に供給された酸素は、微生物反応あるいは呼吸によって硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素となって液相に移行したり、酸素に比較して水に溶けやすい二酸化炭素となって一部が水に吸収されるために、微生物の作用を受けることによって供給するガスの容積よりも、排出されるガスの容積が減ることを利用したものである。これらの方法は、表面曝気法の装置では一般に適用され、安定して運転されているケースもあるが、水量の変動等、圧力変化に影響する他の因子によって運転が不安定になる場合がある。さらに、循環散気法にこの方法を適用すると、ガスの動きと圧力変化が表面曝気法よりも顕著なために安定した運転ができない。
そこで、本発明の方法では、硝化槽気相部もしくは排ガスの酸素濃度の測定結果を基に、高濃度酸素ガスを制御供給している。具体的には、例えば、気相部の酸素濃度が下限値を下回ったら、酸素ガス供給管(図1の10)に設置した流量調節弁(図1の17)を開けるか、または、開度を大きくすることで供給酸素量を増やすことができる。逆に、酸素濃度が上限値を上回ったら、酸素ガス供給管に設置した流量調節弁を閉じるか、又は、開度を小さくすることで供給酸素量を減らすことができる。この方法では、硝化槽気相部の圧力変動の影響を受けないばかりか、気相部の酸素濃度を任意に設定できるため、ブロワの運転や硝化槽DOの安定化に寄与するだけでなく、酸素利用効率も任意に調整し、安定的・効率的な運転ができる。
高濃度酸素ガス供給量を制御するための酸素濃度の測定場所は、ブロワの運転や硝化槽DOの安定化と、酸素利用効率の調整が可能であれば制限はないが、酸素利用効率を調整し易いことから、最下流の硝化槽の気相部もしくは排ガスの酸素濃度で制御するのが好ましい。
硝化槽気相部ガスもしくは排ガスの酸素濃度を設定することによって、目標とする酸素利用効率を容易に得ることができるが、一般的に酸素活性汚泥法では80〜90%程度の酸素利用効率を要求されるので、最下流の硝化槽気相部ガスもしくは排ガスの酸素濃度を30%〜70%程度、望ましくは40%〜60%程度に制御することで、80%以上の酸素利用効率を得られることが示された。この条件は使用する高濃度酸素ガスの濃度にもよるが、30%以下の場合、少ない散気量で高いDOを維持するという酸素法の利点を発揮することができず、逆に、70%以上の場合、排ガスの酸素濃度が高くなりすぎて酸素利用効率が低下した。
本発明に用いる酸素濃度計は、循環散気するガスや排ガスの成分によって測定に影響を受けることなく、長期間の使用に耐えうるものであれば制限はないが、対象ガスに高濃度で含まれる二酸化炭素の影響を受けにくいジルコニア酸素濃度計、磁気式酸素濃度計、赤外線式酸素濃度計が好適である。
本発明の方法に使用する高濃度酸素ガスは、空気よりも酸素濃度を高めた任意の酸素濃度のガスを用いることができる。このようなガスの例としては、酸素富化装置を用いて酸素ガス濃度を高めた酸素富化空気や、酸素濃度が100%に近い純酸素ガスが挙げられる。このような高濃度酸素ガスを硝化槽の気相部や、循環散気配管に直接供給することができる。循環散気配管に供給した場合は、硝化槽気相部の酸素濃度及び混合液のDOの応答性が若干速くなる効果が見られた。
本発明では、混合液に酸素濃度が高いガスを散気するのであるが、散気されて水面から出てきた排ガスも大気に比べて酸素濃度は高いので、この排ガスを大気放出するのではなく、ブロワを介して繰り返して液相に散気することによって酸素の利用効率を上げることができた。したがって、一旦散気されたガスを槽外にそのまま排出するのではなく、排ガスとして排出する分以外の大部分を、再度ブロワに供給して繰り返し散気できるような密閉可能な構造であれば良く、槽の形状、数、配置などに制限はない。槽構造を簡単にする場合は単槽でも良く、また、担体の流動性などを考慮して槽を複槽に分けても良い。槽の分割は原水の流入に対して、並行にしても直列にしても良いが、特に酸素の利用効率を上げる場合は、図2に示すような直列多段の構造とし、原水の流入側の槽の気相部もしくは循環散気のライン(15)に高濃度酸素(10)を供給し、気相の連通部を介して順次上流側の槽から下流側の槽にガスが流れるように配置し、最下流の水槽から排ガス(11)を系外に排出する方法が最も効率的である。
本発明に用いる散気装置は、硝化担体の磨耗・破損、硝化菌の付着阻害を生じないもの、そして、硝化槽の水面から出てくるガスを吸引して繰り返し散気することから、汚泥ミストや粉塵等による目詰まりを生じにくいものであれば制限はなく、多孔管、ディスクディフューザ、スパージャなどが用いられる。また、循環ガス中の汚泥ミストや、ほこり、微細なごみなどを除去するためのミストセパレータ、ガスろ過気などをブロワの吸い込み側に設置することによって、より酸素移動効率の高い微細気泡性の散気装置を用いることもできる。このような散気装置の例としては、セラミック製又は合成樹脂製の散気板及び散気筒、メンブレン式の散気装置などが挙げられる。
また、ブロワは、密閉性と長時間の連続運転に支障がないものであれば制限はないが、ルーツブロワが好適である。
本発明に用いる担体は、担体の表面に硝化菌を付着させる結合固定化担体が適している。また、硝化菌の付着性が好く、また、処理に十分な量の硝化菌を保持することができ、流動性、耐久性が良ければ、形状、材質、物性に制限はないが、形状は表面積が大きいこと、耐摩耗性が良いことから、粒状、さらには、球状が好ましい。また、大きさは、直径1〜10mmの粒状が好く、材質はポリエチレングリコール(PEG)又はポリエチレングリコールを含むものが好適である。また、比重は0.90〜1.1の範囲であることが流動性の面で好ましい。
結合固定化担体が適しているのは、硝化槽内で自然発生的に硝化菌が担体に付着し生物膜を形成するものであり、本発明者らの研究によって、pH6以下、場合によっては5.5程度以下といった極めて低い条件にも、徐々に条件に順応して高い硝化性能を発揮できることが判明したためである。このことによって、pHが低下しやすい酸素活性汚泥法でも中和処理を全くしないか、あるいは、少量のアルカリ剤によるpH調整のみで硝化を進めることが可能となる。
本発明の対象排水は、下水や産業排水に限らず、アンモニア性窒素及び/又は有機性窒素を含む水であれば良く、含有濃度についても制限はない。例えば、硝化に必要なアルカリ度や、その他、硝化反応に必要なリンや鉄といった成分が不足している水の場合は、これらを添加すればよく、また、硝化反応を阻害する銅や硫化水素などが含まれる水については、除害処置を行うことで対象排水とすることができる。
循環散気はDOの供給だけでなく、担体を流動させる役割も持つのであるが、必要に応じて担体の流動性を維持するために攪拌機を併用しても良い。使用する攪拌機は、硝化担体の磨耗・破損、硝化菌の付着阻害を生じずに、硝化担体を流動させられるものであれば良い。
さらに、本発明者らが明らかにした低pH条件における硝化反応についての詳細な条件は、アルカリ度が重要であって、具体的には硝化槽のpHが5〜6であって、アルカリ度は最低限、硝化に必要な量、好ましくは、硝化槽のアルカリ度10mg/L以上、さらに好ましくは硝化槽のアルカリ度30mg/L以上となる条件であった。このような範囲に設定できれば、脱炭酸処理やpH調整剤を使用する必要はなく、pHがさらに低下したり、アルカリ度が不足する場合は、不足分に見合うだけのアルカリ剤を注入したり、必要な分の脱炭酸処理をすればよい。このほか、図2に示すとおり硝化槽の前段に脱窒工程を設けて、硝化槽の液相及び/又は汚泥を返送し脱窒反応によるアルカリ度の上昇を利用しても良い。
我々の研究では、下水やその他産業排水等種々の排水で、硝化槽の前段に脱窒槽を設け、返送汚泥分に相当する程度の循環式硝化脱窒を行うだけでも、薬品を用いずに、硝化槽のアルカリ度は十分好適範囲に保つことが可能であった。もちろん、硝化槽と脱窒槽に循環ラインを設けて循環させても良い。返送汚泥量を含んだ循環率は、原水量の0.3倍以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。このように、脱窒工程を組み込むことによって、窒素除去の目的を達成するだけでなく、アルカリ度を好適に保つことによって硝化性能を安定させることを、薬品を用いずに実現できるのである。硝化槽の前段に脱窒槽を設置すること自体は、硝化脱窒方式として一般的な方法であるが、本発明の硝化担体を用いた酸素活性汚泥法の条件に対しては、アルカリ度を供給することで、低コストで性能を安定化させるという大きな役割を持つ。
硝化槽混合液の浮遊汚泥は、排水に共存するBODの除去や硝化性能を有している場合もあるので、担体と共に硝化槽に共存させる方が有利である。ただし、担体による硝化のみで処理を満足できる場合は、浮遊汚泥を用いなくても良い。このような場合は、返送汚泥ラインも不要であり、また、循環式硝化脱窒運転を行わない場合は、当然循環ラインも不要である。
本発明の方法によれば、高い硝化性能を発揮することができるため、硝化槽容量のコンパクト化が可能であり、HRT1.4〜2hr程度の極めて短い滞留時間で処理性能を満足することができた。
硝化槽に設置する担体分離用のスクリーンは、担体を分離できる形状で担体を破損、磨耗するものでなければ制限はないが、酸素活性汚泥法では、硝化槽が密閉構造であるためにメンテナンス性の良い仕様のものが適している。本発明者らの研究の結果、特に洗浄用のノズルを設置し、回転することのできる円筒形の機械式スクリーンがもっとも好ましい仕様であることが判明した。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の排水処理装置の一例を示すフロー構成図である。図1に示すように排水処理装置は、硝化菌を付着させた硝化担体5が貯留されている密閉可能な硝化槽2と、沈殿池3、酸素ガス供給ライン10、排ガスライン11と、原水供給ライン1、処理水流出ライン4を備えている。そして、酸素ガス供給ライン10には流量調節弁17が、排ガスライン11には酸素濃度計14がそれぞれ設置されている。
硝化槽2には、液面と硝化槽の天井部との間の硝化槽気相部ガス12をブロワ9を介して循環散気するためのガス循環ライン15と、溶存酸素濃度計13を備えている。
さらに、本発明の排水処理装置には、制御装置が設けられている。制御装置16は、溶存酸素濃度計13の検出結果に基づいて、ブロワ9の散気量を制御する制御手段として機能する。ブロワ9の制御は、DO値の検出結果を基にブロワの回転数を増減したり、風量調節弁の開度調整によって行われる。一方、制御装置18は、酸素濃度計14の検出結果に基づいて、高濃度酸素ガスの流量調節弁17の開閉操作もしくは開度を調整する制御手段として機能する。
次に、上述したような構成の排水処理装置を用いた排水処理方法について説明する。
まず、ライン1を経て、処理対象排水を硝化槽2に導入する。硝化槽2に導入された排水は、硝化槽2内の硝化菌が固定した担体と混合される。
次いで、ライン10を経て高濃度酸素ガスが硝化槽2内に供給され、気相部12を高濃度酸素で満たした状態とする。そして、ブロワ9を作動させることにより、気相部12内のガスを一旦吸引し、このガスを硝化槽2内の散気管8に送り込んで、硝化槽2の混合液中に散気する。
このようにして、ライン10から密閉可能な硝化槽2内へ供給された酸素は、空気に比してより効率的に硝化槽2内の混合液中に溶解する。
次いで、制御装置18を稼動させ、酸素濃度計14の指示値を基に流量調節弁17が制御され、常に必要な量の酸素が供給されて、硝化槽気相部ガス12の酸素濃度が安定する。さらに、制御装置16を稼動させ、溶存酸素濃度計13の指示値を基にブロワ9の散気量が制御され、常に必要な量の散気が行われ混合液の溶存酸素濃度が安定する。
次に、本発明の排水処理装置及び排水処理方法の別の例について、図2のフロー構成図をもとに説明する。なお、図2において、図1と同一又は相当部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図2は、硝化槽を隔壁で仕切って原水流入に対して直列の2段構造とし、硝化槽の前段に脱窒槽20を備えている。硝化槽は隔壁によって液相、気相とも仕切られているが、液相は担体分離用のスクリーン24を介して連通しており、一方気相にもガスの連通部25がある。また、硝化槽には各々ガス循環ラインが備えられ、酸素供給ライン10は第一硝化槽に接続されている。
脱窒槽20は、導入された処理対象排水を、脱窒菌を主体とする活性汚泥を用いて生物処理するものであり、例えば、浮遊する活性汚泥を脱窒槽20内に収容し、槽20内の排水を攪拌する攪拌装置21を備えている。
次に、図2の排水処理装置を用いた排水処理方法について説明する。
まず、ライン1を通して処理対象排水を脱窒槽20に導入する。脱窒槽20内に導入された排水は、活性汚泥と混合され、攪拌されることにより、原水から供給された有機物を水素供与体として、返送汚泥6から供給された硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を窒素ガスに分解する。
脱窒後の排水は、第一硝化槽2、第二硝化槽2’の順に送られ、硝化菌が付着した担体と混合されて硝化が進行する。
硝化後の排水は、沈殿池3に送られ、硝化後の排水から活性汚泥を沈殿分離する。活性汚泥を分離された上澄み排水は、処理水4として排出される。一方、沈殿分離された分離汚泥は、返送汚泥6ラインにより脱窒槽に返送される。また、余剰分の分離汚泥は、余剰汚泥ライン7から系外に排出される。
高濃度酸素ガスは、ライン10から第一硝化槽2の気相部12に供給され、気相部12を高濃度酸素で満たされた状態とする。そして、ブロワ10を作動させることにより、気相部12内のガスを一旦吸引し、このガスを硝化槽2内の散気管8に送り込んで、硝化槽2内の排水中に曝気する。
次いで、第一硝化槽2から排出される残りの酸素ガスは、第二硝化槽2’の気相部12’に供給され、気相部12’を高濃度酸素で満たされた状態とする。そして、ブロワ10’を作動させることにより、気相部12’内のガスを一旦吸引し、このガスを硝化槽2’内の散気管8’に送り込んで、硝化槽2’内の排水中に曝気する。
次いで、制御装置18を稼動させ、酸素濃度計14の指示値を基に流量調節弁17が制御され、常に必要な量の酸素が供給されて、硝化槽気相部ガス12、12’の酸素濃度が安定する。さらに、制御装置16、16’を稼動させ、溶存酸素濃度計13、13’の指示値を基に、ブロワ10、10’の散気量がそれぞれ制御され、常に必要な量の散気が行われ、硝化槽混合液の溶存酸素濃度が安定する。
このようにして、ライン10から密閉可能な硝化槽2、2’内へ供給された酸素は、空気に比してより効率的に硝化槽2、2’内の排水中に溶解する。さらに、硝化槽を直列多段とし、上流側の槽に酸素を供給することで、上流側から効率よく酸素が利用されて、下流側に向かって酸素濃度は低くなり、排ガスとして系外に排出される酸素量を低く抑え、効率的に酸素を利用することができる。
高濃度酸素ガスを、ライン10から第一硝化槽2の気相部12に供給するというのは、効率良く酸素を利用することが目的であるから、この目的が達成できれば、高濃度酸素ガスの注入点やガスの流れは、第一硝化槽2に限定されるものではない。例えば、第二硝化槽2’の気相部でも、第一硝化槽2の気相部との境界付近に注入すれば、高濃度酸素ガスは、一部が第二硝化槽2’から第一硝化槽2にも供給され、効率的な運転は可能であった。
次に、図3の排水処理装置を用いた排水処理方法について説明する。水の流れは先述の図2の説明と同じである。
図2と異なる箇所を以下に説明する。図3においては、1台としたブロワ9を作動させることにより、第2硝化槽の気相部12’内のガスを一旦吸引し、このガスを第一硝化槽2と第二硝化槽2’の排水中に曝気する。第一硝化槽2と第二硝化槽2’の各々の散気装置8及び8’に通じる配管には、各々流量調節弁26及び26’が付いている。第1硝化槽2には、溶存酸素濃度計13、第2硝化槽2’には、溶存酸素濃度計13’が設置してあり、各々の溶存酸素濃度計13及び13’の指示値により制御装置16が稼動して、ブロワ9のインバータ周波数及び流量調節弁26及び26’の開度を調節することで各硝化槽の曝気風量を調節して、常に必要な量の散気が行われ硝化槽混合液の溶存酸素濃度が安定する。
このようにして、図2に示したフローと同等の制御を行いながら、ブロワ9を1台にしてブロワを複数槽で共有することで、機器の必要台数が削減されイニシャルコスト、メンテナンスコストの削減につながる。
次に、図4の排水処理装置を用いた排水処理方法について説明する。水の流れは先述の図2及び図3の説明と同じである。
図3と異なる箇所を以下に説明する。図4においては、風量調節弁26を設置するのは、第一硝化槽と第二硝化槽どちらか一方の散気装置8もしくは8’に通じる配管にとする。すなわち、一方の硝化槽への曝気風量は、流量調節弁26の開度を調節することで制御を行い、もう一方の硝化槽への曝気風量は、ブロワ9のインバータ周波数を調節することで制御を行う。各々の制御は、各槽に設置された溶存酸素濃度計13及び13’の指示値に基づく。
次に、図5を参照して、硝化槽混合液のDOと排ガスのO濃度を調整する制御動作を具体的に説明する。図5において、まず、自動運転の開始により、ステップS1では、循環ブロワのインバータ制御及び/又は風量調節弁の開度調節による自動風量調整運転を行う。次いで、ステップS2に進行し、ここで、硝化槽DO値が適正でなければS1にもどり、循環ブロワの回転数をインバータで増減したり、風量調節弁の開度調整によって風量が増減して硝化槽DO値を適正にする。硝化槽DO値が適正であれば、ステップS3に進行し、ここで酸素ガス流入弁の自動開度調整運転を行う。次いで、ステップS4に進行し、ここで、排ガスO濃度が適正でなければS3にもどり、酸素ガス流入弁の開閉操作もしくは開度調整により排ガスO濃度を適正にする。そして、排ガスO濃度が適正であればS1に戻る。このように、ステップS1〜S4を繰り返すことで、硝化槽混合液のDOと排ガスのO濃度が安定維持することが可能となる。
さらに、ステップS2の判定の基となる適正DO値は、図6に示すようなDOと硝化速度の関係に基づき、アンモニア性窒素あるいは有機性窒素負荷、もしくは、液相のアンモニア性窒素濃度の時間経過に伴う変動パターンに対応した硝化速度が得られるようなDOになるように、予めDOのプログラムを設定しておいたり、アンモニア性窒素あるいは有機性窒素負荷、もしくは、液相のアンモニア性窒素濃度を測定する検出結果に基づいて、対応した硝化速度が得られるDOになるように硝化槽混合液の溶存酸素濃度の上下限設定値を変更する機能を有した制御装置を用いて自動制御することで、さらに動力コストを下げ、硝化性能をより安定化することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明し、実験で得られた結果を表2、表3に示す。
実施例1
図1に示したフローに基づく循環散気方式の実験装置(処理量165m/日、硝化槽容量10m、HRT 1.5hr、返送汚泥量82.5m/日)に硝化担体を投入して、表1に示すアンモニア性窒素(NH−N)濃度16〜25mg/L、有機性窒素(Org−N)濃度3〜11mg/Lの下水一次処理水(以下、原水)を対象に、処理実験を行った。
実験装置の仕様は次のとおりである。
酸素ガス発生装置 :PSA(pressure swing adsorption)方式の装置
DO計 :蛍光式溶存酸素計
酸素濃度計 :ジルコニア式酸素濃度
ブロワ :ルーツブロワ
散気装置 :多孔管
担体 :球状PEG担体
担体の充填率 :20%(硝化槽容積あたりの見かけ体積)
また、実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度:80〜90%
高濃度酸素ガス供給量 :28〜55L/min
設定DO :7.5mg/L
設定排ガスO濃度 :46%
曝気量 :41〜86m/h
結果は、徐々に担体に付着した硝化菌が馴養されて、処理水のNH−N濃度は徐々に低下し、処理開始20日目には、0.2〜0.9mg/Lとなった。さらに、排ガスの酸素濃度によって高濃度酸素ガスの供給量を制御したため、水量変動、負荷変動、散気量によらずに、排ガスの酸素濃度46%程度で一定となり、その結果、85%という高い酸素利用効率を達成できた。なお、この間の硝化槽のpHは5.0〜5.2と低い値であったが、これは、少量の高濃度酸素ガスを注入させる密閉式であるため、硝化液の二酸化炭素分圧が高く、かつ、硝化の進行によってアルカリ度が消費されたためである(硝化槽のアルカリ度は10〜25mg/L)。また、硝化槽のDOは水量変動、負荷変動の影響を受けずに7.4〜7.7mg/Lで安定していた。これは、DO値による曝気量制御が上手く行われたためである。以上のとおり、低pH条件でも、DOを安定維持させることによって良好な処理性能を発揮させることができた。
実施例2
図2に示したフローに基づく循環散気方式の実験装置(処理量165m/日、硝化槽容量10m、HRT 1.5hr、脱窒槽容量0.5m、返送汚泥量82.5m/日)に硝化担体を投入して、表1に示すアンモニア性窒素(NH−N)濃度16〜25mg/L、有機性窒素(Org−N)濃度3〜11mg/Lの下水一次処理水(以下、原水)を対象に、処理実験を行った。
実験装置の仕様は実施例1と同じであり、実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :25〜50L/min
設定DO :7.5mg/L
設定排ガスO濃度 :46%
曝気量 :56〜77m/h
徐々に担体に付着した硝化菌が馴養されて、処理水のNH−N濃度は徐々に低下し、処理開始20日目には、0.2〜0.4mg/Lであり、実施例1よりもさらに良好な硝化性能であった。これは、脱窒反応によるアルカリ度の上昇により硝化槽のアルカリ度を常に30mg/L以上に維持することができたためである。なお、本実施例においても85%という高い酸素利用効率を達成した。
実施例3
水量計とアンモニア濃度計を用いてアンモニア性窒素の負荷量を算出し、この値をもとにして硝化槽混合液のDO設定値を調整したこと以外は、実施例2と同じ条件で処理実験を行った。
水量計は電磁流量計、アンモニア濃度計はイオン電極方式の装置を用い、その他の仕様は実施例1と同じである。また、実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :17〜50L/min
設定DO :アンモニア性窒素負荷で設定DOを調整
設定排ガスO濃度 :46%
曝気量 :26〜77m/h
本実施例では、高負荷時間帯に高DOに維持されることで硝化性能が実施例2よりもさらに向上し、処理水のNH−N濃度は0.1〜0.2mg/Lとなった。一方、低負荷時間帯は、低DOに維持されることで散気の動力を抑えられ、動力コストは実施例2よりも1割程度削減された。なお、本実施例においても酸素利用効率は85%という高い酸素利用効率を達成した。
実施例4
図3に示したフローに基づく処理実験を行った。ブロワを1台とし、各硝化槽の散気装置入り口に流量調節弁を各々設けた。実験装置の仕様は実施例1と同じであり、実施例2と同じ条件で処理実験を行った。流量調節弁の仕様は以下の通りである。
流量調節弁:空気作動式グローブ弁
本実施例では、ブロワ台数を1台にしても、実施例1及び2と遜色なく、徐々に担体に付着した硝化菌が馴養されて、処理水のNH−N濃度は徐々に低下し、処理開始20日目には、0.2〜0.5mg/Lであり、良好な硝化性能であった。本実施例においても、流量調節弁の開度及びブロワのインバータを制御することで安定して設定DO値7.5mg/Lを維持することができ、酸素利用効率も85%を達成した。
ブロワを1台にした分、動力コストが減った。
実施例5
図4に示したフローに基づく処理実験を行った。実施例4と同じくブロワを1台として、更に流量調節弁を1個とした。実験装置の仕様は実施例1と同じであり、流量調節弁の仕様は実施例4と同じである。
本実施例では、ブロワを1台、流量調節弁を1個としたが、他の実施例と遜色なく安定した制御が可能であり、処理水のNH−N濃度は徐々に低下し、処理開始20日目には、0.2〜0.4mg/Lであり、良好な硝化性能であった。本実施例においても、流量調節弁の開度及びブロワのインバータを制御することで安定して設定DO値7.5mg/Lを維持することができ、酸素利用効率も85%を達成した。
ブロワを1台にした分と風量調節弁が1台になった分、動力コストが減った。
比較例1
高濃度酸素ガスの供給量を硝化槽気相部の圧力変化によって制御したこと以外は、実施例2と同じ条件で処理実験を行った。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :22〜66L/min
設定DO :7.5mg/L
設定排ガスO濃度 :成り行き
曝気量 :28〜120m/h
本比較例では、酸素が反応に利用されて硝化槽気相部の圧力が減少することを利用して高濃度酸素ガスの供給量を制御するものであるが、実際は水量変動と循環ブロワによる気相部の圧力変化の影響により制御がうまく働かず、排ガス酸素濃度が42〜60%と安定せず、酸素利用効率は67〜76%と低かった。ここで、酸素利用効率が99%以上と見かけ上高い値を示す場合があったが、反応に必要な量の酸素が供給されなかった時間帯に相当し、制御が上手く機能しなかったことを示すものである。また、硝化液のDOによって散気量を制御したものの、気相部の酸素濃度が不安定であったことから制御しきれず、硝化槽のDOも安定させられなかった。その結果、処理水にNH−Nが0.2〜7mg/L残留し、処理性能が不十分であった。
比較例2
硝化液DOによる散気量制御は行わず、かつ、高濃度酸素ガスの供給量を硝化槽の混合液のDOで制御したこと以外は、実施例2と同じ条件で実験を行った。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :44〜83L/min
設定DO :7.5mg/L
設定排ガスO濃度 :成り行き
曝気量 :53m/h
本比較例では、水量変動、負荷変動によらずDOは、設定値7.5mg/Lに対して、7.0〜8.1mg/Lの間で維持されたため、硝化性能も高く維持され、処理水NH−Nは実施例2と同様に0.2〜0.4mg/L程度であった。しかし、DOを安定させる代わりに気相部の酸素濃度及び排ガスの酸素濃度が56〜65%と安定せず、酸素利用効率は57〜71%と低く不安定であった。
比較例3
図7に示したフローに基づく表面曝気方式の実験装置(処理量165m/日、硝化槽容量10m、HRT1.5hr、返送汚泥量82.5m/日)に硝化担体を投入して、表1に示した性状の原水を対象に処理実験を行った。実施例2との違いは、曝気を表面曝気方式で行っていることと、硝化槽気相部の圧力によって高濃度酸素ガスの供給量を制御している点である。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :15〜21L/min
設定DO :成り行き
設定排ガスO濃度 :成り行き
本比較例の制御方法は、曝気方式が異なる比較例2でも採用したが、本比較例のほうが制御は安定していた。これは、表面曝気方式の方が、硝化槽気相部の圧力変化が小さいためと推察される。ただし、表面曝気方式でも、水量変動に起因する圧力変化の影響は避けられず、排ガスの酸素濃度は43〜52%とやや安定しなかった。その結果、酸素利用効率は75〜82%とやや低く不安定であった。また、硝化槽のDOが1.2〜8.3mg/Lと大きく変動したため、処理水にNH−Nが6〜13mg/L程度残留し、処理性能が不十分であった。
比較例4
高濃度酸素ガスの供給量を硝化槽混合液のDOで制御したこと以外は、比較例3と同じ条件で処理実験を行った。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :15〜38L/min
設定DO :7.5mg/L
設定排ガスO濃度 :成り行き
本比較例では、気相部の酸素濃度及び排ガスの酸素濃度は43〜57%であり、酸素利用効率は69〜82%とやや低く不安定であった。さらに、硝化槽のDOは、7.2〜7.8mg/L程度と硝化に有利なDO条件に維持できたものの、表面曝気の攪拌によって硝化菌の担体への付着が阻害され、処理水にNH−Nが2〜4mg/L程度残留する結果となった。なお、比較例3の性能不良についても、このような付着阻害が一因として影響していたものと推察された。
比較例5
硝化槽混合液の設定DOを、1.5mg/Lと低めに設定したこと以外は、実施例2と同じ条件で処理実験を行った。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :10〜19L/min
設定DO :1.5mg/L
設定排ガスO濃度 :46%
曝気量 :26〜41m/h
本比較例では、実際のDOは1.3〜1.8mg/Lであり、DO不足の影響で処理水にNH−Nが12〜16mg/L残留し、処理性能が不十分であった。
比較例6
硝化槽混合液の設定DOを、13mg/Lと高く設定したこと以外は、実施例2と同じ条件で処理実験を行った。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度:80〜90%
高濃度ガス供給量 :19〜40L/min
設定DO :13mg/L
設定排ガスO濃度 :46%
曝気量 :110〜215m/h
本比較例では、実際のDOは13mg/Lであり、処理水のNH−Nは0.2〜0.4mg/Lであり、処理性能は良好であったが、DOを高く維持するためにブロワの動力がかかり、動力コストは実施例2の2倍になった。
比較例7
排ガス酸素濃度を25%と低く設定したこと以外は、実施例2と同じ条件で処理実験を行った。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :12〜19L/min
設定DO :7.5mg/L
設定排ガスO濃度 :25%
曝気量 :250m/h
本比較例では、酸素利用効率は93%以上ときわめて高い値を示した。しかし、排ガス酸素濃度を25%と低く設定したために、硝化槽気相部の酸素濃度も低く、適性なDO値に維持するために大風量で曝気する必要があった。ブロワの最大風量250m/hでも足りず、硝化槽混合液のDOを7.5mg/Lに維持できなかった。その結果、処理水にNH−Nが12〜19mg/L残留し、処理性能が不十分であった。また、多量の曝気を行ったため、硝化槽でスカムが大量に発生し、これが循環ブロワに吸引されて度々ブロワが停止するトラブルが生じた。
比較例8
排ガス酸素濃度を78%と高く設定したこと以外は、実施例2と同じ条件で処理実験を行った。
実験条件は次のとおりである。
供給した高濃度酸素ガスのO濃度 :80〜90%
高濃度ガス供給量 :97〜212L/min
設定DO :7.5mg/L
設定排ガスO濃度 :78%
曝気量 :21〜43m/h
本比較例では、硝化槽混合液のDOは、7.4〜7.7mg/Lと適正に維持できたため、処理水のNH−Nは0.2〜0.4mg/Lであり処理性能も良好であった。また、排ガス酸素濃度を78%と高く設定したために、硝化槽気相部の酸素濃度も高く、適性なDO値に維持するための風量は少なくて済み、動力コストは実施例2の6割程度であった。しかし、排ガスの酸素濃度が高いことから、酸素利用効率は23%ときわめて低い値であった。処理試験の高濃度酸素ガスは、PSA方式の装置で発生したガスを用いたが、比較例8の酸素利用効率が低かったことにより供給ガス量不足となり、並列で運転していた試験装置を停止せざるを得なかった。
これらの結果をまとめて表2と表3に示す。
1:排水、2、2’:硝化槽、3:沈殿池、4:処理水、5:硝化担体、6:返送汚泥、7:余剰汚泥、8、8’:散気管、9、9’:ブロワ、10:高濃度酸素ガス、11:排ガス、12、12’:硝化槽気相部ガス、13、13’:溶存酸素濃度計、14:酸素濃度計、15、15’:ガス循環ライン、16、16’:制御装置、17:流量調節弁、18:制御装置、19:攪拌機、20:脱窒槽、22:表面曝気機、23:圧力計、24、24’:スクリーン、25:気相連通部、26:流量調節弁

Claims (8)

  1. 硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽と、該硝化槽の気相部に高濃度酸素ガスを供給する酸素ガス供給ラインと、前記硝化槽の気相部からの排気ガスを排出する排出ラインと、前記硝化槽内の気相部の気体を液相中に導いて曝気させるブロワと散気装置を有する循環散気手段とを備えた、排水中のアンモニア性窒素及び/又は有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素に酸化処理する排水処理装置であって、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、該溶存酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段とを備えると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出する酸素検出手段と、該酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように前記酸素ガス供給ラインの酸素ガス供給量を制御する手段とを備えることを特徴とする排水処理装置。
  2. 硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽と、該硝化槽の気相部に高濃度酸素ガスを供給する酸素ガス供給ラインと、前記硝化槽の気相部からの排気ガスを排出する排出ラインと、前記硝化槽内の気相部の気体を液相中に導いて曝気させるブロワと散気装置を有する循環散気手段とを備えると共に、前記硝化槽の前段に脱窒槽を設け、該脱窒槽に前記硝化槽の液相及び/又は汚泥を返送する返送ラインを設けた、排水中のアンモニア性窒素及び/又は有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び/又は亜硝酸性窒素に酸化処理して、脱窒処理する排水処理装置であって、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、該溶存酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段とを備えると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出する酸素検出手段と、該酸素検出手段による検出結果に基づいて、前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように前記酸素ガス供給ラインの酸素ガス供給量を制御する手段とを備えることを特徴とする排水処理装置。
  3. 前記硝化槽が、隔壁によって仕切られた複数の槽からなり、該複数の槽の槽毎に、液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、ブロワと散気装置を有する循環散気手段と、前記溶存酸素濃度が槽毎に設定値に維持されるように、前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理装置。
  4. 前記硝化槽が、隔壁によって仕切られた複数の槽からなり、該複数の槽の槽毎に、液相中の溶存酸素濃度を検出する溶存酸素検出手段と、散気装置と該散気装置の少なくとも1つに接続している流量調節弁とを有する循環散気手段とを備え、該槽毎の循環散気手段に接続する1個のインバータ制御されるブロワを有し、該ブロワの風量及び/又は前記散気装置に接続する流量調節弁の開度により前記溶存酸素濃度が槽毎に設定値に維持されるように、前記循環散気手段の曝気風量を制御する手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の排水処理装置。
  5. 前記液相中の溶存酸素濃度の設定値は、2〜12mg/Lであり、また、前記気相部又は排気ガスの酸素濃度の所定範囲は、30〜70%(容量)であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排水処理装置。
  6. 硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽の気相中に、高濃度酸素ガスを供給し、前記硝化槽の気相中から排気ガスを排出させると共に、前記硝化槽内の気相中の気体をブロワと散気装置を介して液相中に循環散気させる、排水中のアンモニア性窒素及び有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に酸化処理する排水処理方法において、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように、前記液相中に循環散気させる曝気風量を制御すると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように、前記硝化槽の気相部に供給する酸素ガス供給量を制御することを特徴とする排水処理方法。
  7. 硝化菌を付着させた担体を充填した密閉可能な硝化槽の気相中に、高濃度酸素ガスを供給し、前記硝化槽の気相中から排気ガスを排出させ、前記硝化槽内の気相中の気体をブロワと散気装置を介して液相中に循環散気させると共に、前記硝化槽の前段に設けた脱窒槽に、前記硝化槽の液相及び/又は汚泥を返送して、排水中のアンモニア性窒素及び有機性窒素を生物学的に硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素に酸化処理して、脱窒処理する排水処理方法において、前記硝化槽内の液相中の溶存酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記溶存酸素濃度が設定値に維持されるように、前記液相中に循環散気させる曝気風量を制御すると共に、前記硝化槽内の気相部の気体又は前記排気ガスの酸素濃度を検出し、該検出結果に基づいて前記酸素濃度が所定範囲に維持されるように、前記硝化槽の気相部に供給する酸素ガス供給量を制御することを特徴とする排水処理方法。
  8. 前記液相中の溶存酸素濃度の設定値は、2〜12mg/Lであり、また、前記気相部又は排気ガス中の酸素濃度の所定範囲は、30〜70%(容量)であることを特徴とする請求項6又は7に記載の排水処理方法。
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