JP2002336891A - 難分解性物質の分解システム - Google Patents

難分解性物質の分解システム

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JP2002336891A
JP2002336891A JP2001147899A JP2001147899A JP2002336891A JP 2002336891 A JP2002336891 A JP 2002336891A JP 2001147899 A JP2001147899 A JP 2001147899A JP 2001147899 A JP2001147899 A JP 2001147899A JP 2002336891 A JP2002336891 A JP 2002336891A
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hardly decomposable
ultraviolet
decomposable substance
anaerobic
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JP2001147899A
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Hitoshi Sugimura
仁 杉村
Norio Maki
教雄 牧
Takeshi Kawashima
武 川島
Hirokuni Arakawa
博邦 荒川
Shigeaki Hirao
滋章 平尾
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Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
Original Assignee
Kurabo Industries Ltd
Kurashiki Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 嫌気性排水処理装置では分解困難な物質をよ
り確実に且つより安価に分解する方法および装置を提供
する。 【解決手段】 難分解性物質を含む嫌気性排水処理装置
出口排水に紫外線を照射して難分解性物質を可食性物質
とした後、好気性排水処理装置、または、嫌気性排水処
理装置とその後段に設置した好気性排水処理装置により
処理する難分解性物質の処理方法。a)嫌気性排水処理
装置、b)難分解性物質を含む前記嫌気性排水処理装置
a)からの出口排水に紫外線を照射する紫外線塔、およ
びc)紫外線塔後段に設置した好気性排水処理装置、ま
たは紫外線塔後段に設置した嫌気性排水処理装置とさら
にその後段に設置した好気性排水処理装置、を含む難分
解性物質の処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、嫌気性排水処理装
置では分解困難な物質を分解する方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】嫌気性排水処理装置は高負荷で運転費が
安く、スペースも有効に使える事から近年、好気性排水
処理装置に替わって採用されることが多くなってきてい
る。しかしながら、嫌気性排水処理装置では分解されな
い難分解性物質も存在する。それらの難分解性物質とし
て、ポリビニルアルコールやアゾ染料やアントラキノン
染料等が知られている。
【0003】ポリビニルアルコールを含む排水は、嫌気
性排水処理装置で処理しても、ポリビニルアルコールは
重合度が高いため鎖長が長く、その主鎖であるC−C結
合は分解されにくい。そのためこれまでは、嫌気性排水
処理装置の後段に大容量の好気性排水処理装置を設置し
て分解していた。アゾ染料(R−N=N−R’)の分解
は、嫌気性排水処理装置内ではアミン化合物(R−NH
、R’−NH)にしか分解されない。従って、Rや
R’に存在する芳香族環は分解されていない。アントラ
キノン染料は、嫌気性排水処理装置内において、染料の
アントラキノンのケトン基が水素化され水酸基になるこ
とで発色性が失われる。しかし、後段の好気性排水処理
装置では脱水素反応が起こるため、ケトン基が再生し、
再度発色するようになる。
【0004】嫌気性排水処理装置では難分解性物質であ
る、例えばポリビニルアルコールが含まれた排水の分解
においては、ポリビニルアルコールの骨格であるC−C
結合の分解の為に、嫌気性排水処理装置の後段に好気性
排水処理装置が必要となり、その好気性排水処理装置の
設置に広大なスペースが必要となり、またその好気性排
水処理装置の運転に膨大な費用がかかる。同様に嫌気性
排水処理装置では難分解性物質である、アゾ染料の分解
においては、アゾ染料の分解後に生成するアミン化合物
中のRやR’に存在する芳香族環は分解されず、またア
ミン化合物には毒性がある為、十分な処理とはいえな
い。また、アントラキノン染料は、嫌気性排水処理装置
や好気性排水処理装置において分解されず、かつ、発色
団を分解してその発色を抑えることは困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、嫌気性排水
処理装置では分解困難な物質をより確実に且つより安価
に分解する方法および装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明らは、嫌気性排水
処理装置において分解困難であった長鎖炭素結合を含む
ビニルポリマー類やアゾ染料のような芳香族環を含む化
合物等の難分解性物質に紫外線を照射することにより、
特に空気、酸素またはオゾンの存在下で紫外線を照射す
ることにより、その難分解性物質を可食性物質とできる
ことを発見し、さらにこれを好気性排水処理装置、また
は嫌気性排水処理装置とその後段に設置した好気性排水
処理装置を通すことによって上記難分解性物質を含む排
水を十分に分解処理できることを見出したことに基づい
て本発明を完成した。即ち、本発明は、難分解性物質を
含む嫌気性排水処理装置出口排水に紫外線を照射して難
分解性物質を可食性物質とした後、好気性排水処理装
置、または、嫌気性排水処理装置とその後段に設置した
好気性排水処理装置により処理することを特徴とする難
分解性物質の処理方法に関する。更に、本発明は、紫外
線を照射して難分解性物質を可食性物質とするに当た
り、紫外線照射に先だって、および/または紫外線照射
を行いながら、難分解性物質を含む前記嫌気性排水処理
装置出口排水に空気、酸素またはオゾンを吹き込む上記
難分解性物質の処理方法に関する。加えて、本発明は、
紫外線を照射して難分解性物質を可食性物質とするに当
たり、紫外線照射に先だって、および/または紫外線照
射を行いながら、難分解性物質を含む前記嫌気性排水処
理装置出口排水に空気、酸素またはオゾンを吹き込むと
ともにさらに過酸化水素を注入する上記難分解性物質の
処理方法に関する。
【0007】また、本発明は、a)嫌気性排水処理装
置、 b)難分解性物質を含む前記嫌気性排水処理装置a)か
らの出口排水に紫外線を照射する紫外線塔、および c)紫外線塔後段に設置した好気性排水処理装置、また
は紫外線塔後段に設置した嫌気性排水処理装置とさらに
その後段に設置した好気性排水処理装置、を含む難分解
性物質の処理装置に関する。詳しくは、本発明は、紫外
線塔が、紫外線ランプの外周に被処理排水を通す外管を
ランプの外側に備え、外管内に導水板を備えた構造を有
する上記難分解性物質の処理装置に関する。また詳しく
は、本発明は、導水板が、被処理排水が紫外線ランプに
対して、垂直方向、水平方向または旋回方向に層流、乱
流、旋回流を作って流動するように形成されている上記
難分解性物質の処理装置に関する。更にまた、本発明
は、導水板および外管内面のいずれかまたは両方を鏡面
仕上げした上記いずれかに記載の難分解性物質の処理装
置に関する。加えてまた、本発明は、導水板および外管
内面のいずれかまたは両方に光触媒を担持させた上記い
ずれかに記載の難分解性物質の処理装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】まず、本発明の思想は、難分解性
物質を含む排水を嫌気性排水処理装置にて処理し、難分
解性物質のみが残った状態とし、これにより、紫外線照
射による次工程の可食化の対象物を絞り込むことによ
り、可食化に要する設備費と運転費を抑えることができ
る点にある。
【0009】即ち、本発明の難分解性物質の分解方法
は、嫌気性排水処理によって分解されなかった難分解性
物質を含む嫌気性排水処理装置(図1の1)からの排水
に紫外線を照射することにより、難分解性物質を可食化
し、これを好気性排水処理装置(図1の3)、または嫌
気性排水処理装置(図2の4)と好気性排水処理装置
(図2の3)にかけることにより分解を行うものであ
る。前者、即ち難分解性物質を可食化したのち好気性排
水処理装置にかける処理フローを図1に、また後者、即
ち難分解性物質を可食化したのち嫌気性排水処理装置次
いで好気性排水処理装置にかける処理フローを図2に示
す。
【0010】本発明において、難分解性物質とは、通常
の嫌気性排水処理によっては分解されない物質をいい、
例えば、ポリビニルアルコールのような長鎖炭素骨格を
有するビニルポリマー類、アゾ染料のようなその他の部
分は分解されたのちにも分解されずに残存する芳香族環
を含む化合物類、アントラキノン化合物のように嫌気性
排水処理では一見発色団が破壊されても好気性排水処理
のようなある種の条件下で容易に発色団を再生する染料
類等をいう。
【0011】本発明において、可食化とは、微生物によ
って通常は分解されがたい物質を微生物に分解され得る
状態に変換することをいい、可食性物質とは微生物によ
り分解され得る物質のことをいう。本発明では、排水に
紫外線照射することにより、排水中に溶けている酸素に
紫外線が当たることによって生成するオゾンや、そのオ
ゾンに紫外線が当たり生成するヒドロキシラジカルの作
用によって、難分解性物質を可食性物質とすることがで
きる。可食化されたのちは、これを好気性排水処理装置
に通すことによって分解することができる。好気性排水
処理にかけるに先だって嫌気性排水処理装置にかけるこ
とによって嫌気性排水処理装置にてメタンガスを回収す
ることができるため、その後段の好気性排水処理装置を
コンパクトにできる。
【0012】本発明において使用する嫌気性排水処理装
置とは、嫌気性微生物を含む菌体を組み込んだ有機物処
理装置一般をいう。また、好気性排水処理装置とは、酸
素の存在で有機物を分解する好気性微生物を含む活性汚
泥を組み込んだ有機物処理装置一般をいう。
【0013】上記、図1および図2に示す本発明の基本
処理システムに加えて、本発明のひとつの態様では、嫌
気性排水処理装置1の出口排水を紫外線塔2に通すに当
たり、紫外線塔の前段にて、または紫外線塔にて(例え
ば紫外線塔下部に散気管を設けて)、または前記の両ポ
イントにて、排水中に空気、酸素またはオゾンを吹き込
む。これにより紫外線塔にて排水中に生成するオゾンや
ヒドロキシラジカルの量が増し、難分解性物質の可食性
物質への分解効率が増す。その効果は空気、酸素、オゾ
ンの順に高まり、注入点を増やすことでも効果は増大す
る。図3、図4、図5にそれぞれのフローを示す。
【0014】本発明のもうひとつの態様では、嫌気性排
水処理装置1の出口排水を紫外線塔2に通すに当たり、
紫外線塔の前段にて、または紫外線塔にて(例えば紫外
線塔下部に散気管を設けて)、または前記の両ポイント
にて、排水中に空気若しくは酸素若しくはオゾンを吹き
込み、同時に紫外線塔の前段にて、または紫外線塔に
て、または前記の両ポイントにて、排水中にオゾンをヒ
ドロキシラジカルに変換する促進剤である過酸化水素を
注入する。これにより紫外線塔にて排水中に生成するオ
ゾンやヒドロキシラジカルの量が更に増し、難分解性物
質の可食性物質への分解効率が更に増す。過酸化水素の
注入点を増やすことでも効果は増大する。図6、図7、
図8、図9、図10、図11、図12、図13、図14
にそれぞれのフローを示す。
【0015】本発明の紫外線照射装置である紫外線塔2
は、紫外線ランプ5および紫外線ランプの周りに排水を
通すための外管6を必須成分として構成されている。ま
た、外管内の排水の流れを規制するために導水板7を外
管内に取り付けることが好ましい。紫外線塔の構造の代
表例を図17に示す。
【0016】導水板7の構造は例えば螺旋回路、上下流
回路、水平流回路等を形成するように設計されたもので
あることが好ましい。これにより、循環液には乱流が形
成され、あるいは紫外線源に対して水平方向もしくは垂
直方向もしくは旋回方向の水流が形成され、排水中の酸
素に万遍なく紫外線を照射して効率良くオゾンが生成さ
れ、更にオゾンに紫外線が当たることでヒドロキシラジ
カルが生成される。形成されたオゾンおよび/またはヒ
ドロキシラジカルにより難分解性物質(例えばポリビニ
ルアルコール、アゾ染料またはアントラキノン染料等)
を可食性物質に変換することができる。加えて同時に排
水に回転を与えることによって、紫外線を排水の全領域
に照射することができ、オゾンやヒドロキシラジカルを
更に効率的に生成して可食性物質に変換することができ
る。導水板7は、紫外線が十分透過するように、紫外線
透過性の材料、例えば、石英ガラス等の材質で形成され
てもよい。
【0017】外管6の内面および導水板7はそのいずれ
かまたは両方を鏡面仕上げすることが好ましい。これに
より紫外線が多重反射して、紫外線がより効率的に排水
を照射することができ、排水中の酸素およびオゾンによ
り効率的に且つ万遍なく紫外線が照射される。
【0018】外管6の内面および導水板7はそのいずれ
かまたは両方に光触媒を担持させることが好ましい。こ
うすることにより、紫外線が光触媒の担持面に照射さ
れ、そこでオゾンがより効率的に生成されて、更にヒド
ロキシラジカルの生成もより効率的に行われる。この目
的で使用することのできる光触媒としては、例えば、二
酸化チタン、五酸化バナジウム等が例示できる。
【0019】更に好ましくは、外管6の内面および導水
板7の一方を鏡面仕上げし、もう一方に光触媒を担持さ
せることである。これにより紫外線を反射させることで
紫外線の使用効率を増し、光触媒の担持面に紫外線が照
射されることで一層効率的にオゾンが生成される。以上
のような、より効率的なオゾンの生成およびヒドロキシ
ラジカルの生成によって、難分解性物質の可食性物質へ
の変換がより効率的に促進される。
【0020】紫外線ランプは、特に400nm以下の波
長の紫外線を豊富に放射するものが好ましく、例えば高
圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌ランプ等を使用す
ることができる。紫外線ランプのエネルギーとしては必
要とする処理量に応じて任意に選択すればよく、例えば
消費電力110Wの棒状ランプ等が使用できる。
【0021】次に、本発明の難分解性物質の処理方法を
図1を用いて説明する。原水を嫌気性排水処理装置1に
導入する。ここでは難分解性物質、例えば、ポリビニル
アルコールはほとんど分解されない。また、アゾ染料は
アミン化合物に分解されるが、これだけでは処理は十分
ではない。次に紫外線塔2において排水に紫外線が照射
されることにより、水中の酸素によりヒドロキシラジカ
ルを生成させ、それを用いて、先の難分解性物質を、そ
の直鎖を切断したり、芳香族環を開裂させることにより
可食性物質に変換する。こうして得られた可食性物質
を、さらに後段の好気性排水処理装置3にて処理する。
可食性であるため紫外線照射のない場合に較べて好気性
排水処理装置3の大きさを小さいものとすることができ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例によって本発明を
より詳細且つ具体的に説明する。比較例 1 図15は嫌気性排水処理装置1のみを用いて原水を処理
する従来の排水処理フローを示している。この試験で用
いた嫌気性排水処理装置は縦型円筒形状であり、原水を
装置下部より上部に向け流通させて処理する。この原水
中には2.1g/Lのポリビニルアルコールおよび0.0
5g/Lのアゾ染料(住友化学工業(株)製;品名「Sf.
Black B」)が含まれていた。嫌気性排水処理装置によ
る処理は、装置内滞留時間8時間で運転した。得られた
嫌気性排水処理装置出口での処理水について、まず、ポ
リビニルアルコールの分解状態について調べた。嫌気性
排水処理装置出口でのポリビニルアルコールの量は2.
0g/Lであり、その分解率は5%であった。また、ア
ゾ染料の分解について調べたところ、嫌気性排水処理装
置出口でのアゾ染料の量は0.01g/Lであり、その
分解率は80%とかなり高かったが、UVスペクトルを
調べると、多量の芳香族アミン化合物の生成が認められ
た。
【0023】実施例 1 図1に示す装置を用いて、比較例1で用いたと同じ原水
を処理した。嫌気性排水処理装置1は比較例1と同じも
のを用いた。また好気性排水処理装置3は水槽下部より
散気管により空気を吹き込むものを用いた。なお、好気
性排水処理装置内滞留時間が24時間となる条件で運転
した。また、紫外線塔2は図17に示す構造のものを用
いた。紫外線塔に用いた紫外線ランプは110W出力の
ものを1本用いた。紫外線塔内の外管内面および導水板
は鏡面仕上げしたものを用いた。また導水管の形状は旋
回流を起すものとした。まず、ポリビニルアルコールの
分解について調べた。嫌気性排水処理装置出口において
2.0g/Lであったポリビニルアルコールの紫外線塔
出口での分解率は50%であった。また、アゾ染料の分
解については、嫌気性排水処理装置出口において0.0
1g/Lであったアゾ染料の紫外線塔出口での分解率は
88%であり、UVスペクトルを調べると、芳香族環の
吸収ピーク高さが減少したことから、アミン化合物も存
在するが、その芳香族環は分解していたことが認められ
た。
【0024】実施例 2 実施例1で使用したと同じ原水を、図3に示すように嫌
気性排水処理装置1からの出口排水を紫外線塔2で処理
したあと、好気性排水処理装置で処理した。なお、嫌気
性排水処理装置1からの出口排水には紫外線塔に入る前
に空気を注入した。嫌気性排水処理装置1および紫外線
塔2は実施例1で使用したものと同じである。好気性排
水処理装置は水槽下部より散気管により空気を吹き込む
ものを用いた。なお、好気性排水処理装置内滞留時間が
24時間となる条件で運転した。空気の注入量は0.1
g/L-HOとした。まず、ポリビニルアルコールの
分解について調べた。嫌気性排水処理装置1出口におい
て2.0g/Lであったポリビニルアルコールの紫外線
塔出口での分解率は55%であった。続いて、アゾ染料
の分解について調べた。嫌気性排水処理装置出口におい
て0.01g/Lであったアゾ染料の紫外線塔出口での
分解率は92%であり、UVスペクトルを調べると、芳
香族環の吸収ピーク高さが減少したことから、アミン化
合物も存在するが、その芳香族環は分解していたことが
確認された。空気を注入することにより、実施例1より
も良好な分解結果を得ることができることが確認され
た。
【0025】実施例 3 嫌気性排水処理装置1からの出口排水に空気を注入する
代わりに50mg/Lの注入量でオゾンを注入した以外
は実施例2と同様にして原水の処理を行った。まず、ポ
リビニルアルコールの分解について調べた。嫌気性排水
処理装置出口において2.0g/Lであったポリビニル
アルコールの紫外線塔出口での分解率は60%であっ
た。また、アゾ染料の分解について調べた。嫌気性排水
処理装置出口において0.01g/Lであったアゾ染料
の紫外線塔での分解率は95%であり、UVスペクトル
を調べると、芳香族環の吸収ピーク高さが減少したこと
から、アミン化合物も存在するが、その芳香族環は分解
していたことが確認された。オゾンを注入することによ
り、空気の注入よりも良好な分解結果を得ることができ
た。
【0026】実施例 4 実施例3において、更に紫外線塔にも直接オゾンを注入
量10mg/Lで注入した。即ち、図5に示すフローに
よって分解試験を行った。まず、ポリビニルアルコール
の分解について調べた。嫌気性排水処理装置出口におい
て2.0g/Lであったポリビニルアルコールの紫外線
塔出口での分解率は65%であった。また、アゾ染料の
分解について調べた。嫌気性排水処理装置出口において
0.01g/Lであったアゾ染料の紫外線塔出口での分
解率は97%であり、UVスペクトルを調べると、ベン
ゼン環の吸収ピーク高さが減少したことから、アミン化
合物も存在するが、そのベンゼン環は分解していたこと
が判った。これにより、オゾンを多点注入する事で、実
施例3よりも良好な分解結果を得ることができた。
【0027】実施例 5 図14のフローに示すように、実施例4の方法に加え
て、更に過酸化水素を嫌気性排水処理装置1出口排水お
よび紫外線塔2のそれぞれのところで、それぞれ20m
g/Lおよび4mg/Lの注入量で添加した。まず、ポ
リビニルアルコールの分解について調べた。嫌気性排水
処理装置1出口において2.0g/Lであったポリビニ
ルアルコールの紫外線塔出口での分解率は70%であっ
た。続いて、アゾ染料の分解について調べた。嫌気性排
水処理装置出口において0.01g/Lであったアゾ染
料の紫外線塔出口での分解率は98%であり、UVスペ
クトルを調べると、ベンゼン環の吸収ピーク高さが減少
したことから、アミン化合物も存在するが、そのベンゼ
ン環は分解していたことが確認された。これにより、オ
ゾンを多点注入し、且つ過酸化水素を多点注入すること
で、実施例4よりも更に良好な分解結果を得ることがで
きた。
【0028】実施例 6 紫外線塔の外管内面および導水板に光触媒として二酸化
チタンを担持させたものをもちいた以外は実施例5と同
様にして原水処理を行った。ポリビニルアルコールの分
解について調べた。嫌気性排水処理装置1出口において
2.0g/Lであったポリビニルアルコールの紫外線塔
出口での分解率は75%であった。また、アゾ染料の分
解について調べた。嫌気性排水処理装置出口において
0.01g/Lであったアゾ染料の紫外線塔出口での分
解率は99%であり、UVスペクトルを調べると、ベン
ゼン環の吸収ピーク高さが減少したことから、アミン化
合物も存在するが、そのベンゼン環は分解していたこと
が確認された。光触媒を利用することで、実施例5よ
り、一層良好な分解結果を得ることができた。
【0029】比較例 2 紫外線塔1を使用しない以外は実施例1と同様にして、
即ち嫌気性排水処理装置1と好気性排水処理装置3だけ
を用いて原水を処理した(図16参照)。アントラキノ
ン染料(住友化学工業(株)製;品名「Brill. Blue R sp
ecial」)の分解について調べた。原水中、即ち嫌気性
排水処理装置1の入口において0.01g/Lであった
アントラキノン染料の好気性排水処理装置出口での分解
率は5%であり、染料による排水の着色は残った状態で
あった。好気性排水処理装置出口にてUVスペクトルを
調べると、芳香族環の存在が認めらた。
【0030】実施例 7 実施例1で処理した原水について、アントラキノン染料
の分解について調べた。嫌気性排水処理装置入口におい
て0.01g/Lであったアントラキノン染料の好気性
排水処理装置出口での分解率は80%であり、染料によ
る排水の着色は認められない状態であった。紫外線塔出
口にてUVスペクトルを調べると、ベンゼン環の吸収ピ
ーク高さが減少したことから芳香族環は分解していたこ
とが判った。
【0031】
【発明の効果】好気性排水処理装置に替えて、スペース
を取らず高負荷と安価な運転費の利点を生かして嫌気性
排水処理装置が多用されつつあるが、嫌気性排水処理装
置では、ポリビニルアルコールやアゾ染料やアントラキ
ノン染料等分解されない難分解性物質も存在する。本発
明の方法および装置を使用することによりこれらの難分
解性物質の分解も可能となり、産業排水等の効果的な処
理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の処理システムを説明するフロー図。
【図2】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図3】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図4】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図5】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図6】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図7】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図8】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図9】 本発明の処理システムの別の態様を説明する
フロー図。
【図10】 本発明の処理システムの別の態様を説明す
るフロー図。
【図11】 本発明の処理システムの別の態様を説明す
るフロー図。
【図12】 本発明の処理システムの別の態様を説明す
るフロー図。
【図13】 本発明の処理システムの別の態様を説明す
るフロー図。
【図14】 本発明の処理システムの別の態様を説明す
るフロー図。
【図15】 嫌気性排水処理装置のみからなる従来のシ
ステムのフロー図。
【図16】 嫌気性排水処理装置と好気性排水処理装置
のみからなる従来のシステムのフロー図。
【図17】 本発明で使用する紫外線塔の構造を示す断
面図。
【符号の説明】
1:嫌気性排水処理装置 2:紫外線塔 3:好気性排水処理装置 4:嫌気性排水処理装置 5:紫外線ランプ 6:外管 7:導水板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 武 大阪府寝屋川市下木田町14番41号 倉敷紡 績株式会社エンジニアリング部内 (72)発明者 荒川 博邦 大阪府寝屋川市下木田町14番41号 倉敷紡 績株式会社エンジニアリング部内 (72)発明者 平尾 滋章 大阪府寝屋川市下木田町14番5号 倉敷紡 績株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D037 AA13 AB12 AB16 AB17 BA18 CA07 CA12 4D040 BB01 BB22 4D050 AA13 AB17 AB27 BB01 BB02 BB09 BC06 BC09 BD06 CA07 CA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 難分解性物質を含む嫌気性排水処理装置
    出口排水に紫外線を照射して難分解性物質を可食性物質
    とした後、好気性排水処理装置、または、嫌気性排水処
    理装置とその後段に設置した好気性排水処理装置により
    処理することを特徴とする難分解性物質の処理方法。
  2. 【請求項2】 紫外線を照射して難分解性物質を可食性
    物質とするに当たり、紫外線照射に先だって、および/
    または紫外線照射を行いながら、難分解性物質を含む前
    記嫌気性排水処理装置出口排水に空気、酸素またはオゾ
    ンを吹き込む請求項1に記載の難分解性物質の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 紫外線を照射して難分解性物質を可食性
    物質とするに当たり、紫外線照射に先だって、および/
    または紫外線照射を行いながら、難分解性物質を含む前
    記嫌気性排水処理装置出口排水に空気、酸素またはオゾ
    ンを吹き込むとともにさらに過酸化水素を注入する請求
    項1に記載の難分解性物質の処理方法。
  4. 【請求項4】 a)嫌気性排水処理装置、 b)難分解性物質を含む前記嫌気性排水処理装置a)か
    らの出口排水に紫外線を照射する紫外線塔、および c)紫外線塔後段に設置した好気性排水処理装置、また
    は紫外線塔後段に設置した嫌気性排水処理装置とさらに
    その後段に設置した好気性排水処理装置、を含む難分解
    性物質の処理装置。
  5. 【請求項5】 紫外線塔が、紫外線ランプの外周に被処
    理排水を通す外管をランプの外側に備え、外管内に導水
    板を備えた構造を有する請求項4に記載の難分解性物質
    の処理装置。
  6. 【請求項6】 導水板が、被処理排水が紫外線ランプに
    対して、垂直方向、水平方向または旋回方向に流れを作
    るように形成されている請求項5に記載の難分解性物質
    の処理装置。
  7. 【請求項7】 導水板が、被処理排水が紫外線ランプに
    対して、垂直方向、水平方向または旋回方向に、層流、
    乱流、旋回流を作って流動するように形成されている請
    求項5に記載の難分解性物質の処理装置
  8. 【請求項8】 導水板および外管内面のいずれかまたは
    両方を鏡面仕上げした請求項4〜7のいずれかに記載の
    難分解性物質の処理装置。
  9. 【請求項9】 導水板および外管内面のいずれかまたは
    両方に光触媒を担持させた請求項4〜8のいずれかに記
    載の難分解性物質の処理装置。
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