JP2002335111A - 共振器の製造方法 - Google Patents
共振器の製造方法Info
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Abstract
るための金属膜が誘電体基板に構成されており、挿入損
失が小さい共振器の製造方法を提供する。 【解決手段】 第1〜第3のセラミックグリーンシート
24,26,30を少なくとも積層してなり、各セラミ
ックグリーンシート24,26,30上に、それぞれ、
共振器を構成するための金属膜23、入出力結合回路を
構成する電極27,28及びグラウンド電極33が合成
樹脂からなる支持フィルムに形成された転写材から各セ
ラミックグリーンシート24,26,30上に転写する
ことにより形成されており、セラミックグリーンシート
24,26,30を含む積層体を得た後、該積層体を焼
成することにより誘電体基板が構成される、共振器の製
造方法。
Description
ンドパスフィルタなどに用いられる共振器の製造方法及
び共振器に関し、より詳細には、誘電体基板内に共振器
を構成するための金属膜が形成されている構造を有する
共振器の製造方法及び該共振器に関する。
ップラインなどの金属膜を形成してなる共振器やバンド
パスフィルタが知られている。この種の共振器の製造に
際しては、セラミックグリーンシート上に導電ペースト
をスクリーン印刷することにより、ストリップラインな
どが形成される。しかる後、導電ペーストが印刷された
セラミックグリーンシートと、他のセラミックグリーン
シートとが積層され、積層体が得られる。得られた積層
体を焼成することにより、セラミック焼結体が得られ
る。このセラミック焼結体の外表面にストリップライン
に接続もしくは結合される外部電極が形成され、それに
よって上記共振器が得られている。
法では、ストリップラインなどがセラミックグリーンシ
ート上に導電ペーストをスクリーン印刷することにより
形成されていた。しかしながら、このような方法で形成
されたストリップラインでは、スクリーンマスクのメッ
シュの影響により、端縁部分に凹凸が生じていた。この
凹凸は、スクリーンマスクの凹凸に応じて現われるもの
である。従って、スクリーン印刷によりストリップライ
ンを形成した場合、端縁の凹凸をなくすことはできなか
った。
振器を構成する場合にはあまり問題とはならなかった。
しかしながら、ミリ波帯のような高周波領域で用いられ
る共振器では、表皮効果により電流がストリップライン
などの金属膜の外表面に集中的に流れることになる。従
って、端縁に凹凸が存在すると、損失が大きくなる。そ
のため、従来のスクリーン印刷法を用いて構成された共
振器やフィルタでは、挿入損失が大きくならざるを得な
かった。
を解消し、共振器を構成するための金属膜端縁における
凹凸を抑制することができ、従って低損失の共振器を得
ることを可能とする共振器の製造方法及び該共振器を提
供することにある。
電体基板と、前記誘電体基板面または誘電体基板内のあ
る高さ位置に作成されており、共振器を構成するための
金属膜と、前記金属膜と誘電体基板層を介して対向する
ように配置された少なくとも1枚のグラウンド電極と、
前記金属膜に容量結合された一対の入出力結合回路とを
備える共振器の製造方法であって、前記金属膜が第1の
支持フィルム上に形成された第1の転写材と、前記入出
力結合回路を構成する電極が第2の支持フィルム上に形
成された第2の転写材と、前記グラウンド電極が第3の
支持フィルム上に形成された第3の転写材とを用意する
工程と、第1のセラミックグリーンシート上に前記第1
の転写材から金属膜を転写する工程と、第2のセラミッ
クグリーンシート上に、前記入出力結合回路を構成する
電極が形成されている第2の転写材から該電極を転写す
る工程と、第3のセラミックグリーンシート上に、前記
第3の転写材からグラウンド電極を転写する工程と、前
記金属膜、電極及びグラウンド電極がそれぞれ転写され
た前記第1〜第3のセラミックグリーンシートを少なく
とも備えるセラミックグリーンシート積層体を得る工程
と、前記セラミックグリーンシート積層体を焼成して前
記誘電体基板を形成する工程とを備えることを特徴とす
る。
前記金属膜の端縁部の長さが、該端縁に凹凸が全く存在
しない場合の1.02倍以下の長さとされており、それ
によって表皮効果による損失をより一層低減することが
できる。
は、前記第1〜第3の転写材において、支持フィルム上
に前記金属膜、入出力結合回路を構成する電極及びグラ
ウンド電極をそれぞれ形成する工程が、フォトリソグラ
フィ法により行われ、従って、上記金属膜、入出力結合
回路を構成する電極及びグラウンド電極の端縁を確実に
平滑化することができる。
に従って得られるものであり、誘電体基板と、誘電体基
板面または誘電体基板内のある高さ位置に形成された金
属膜と、前記金属膜と誘電体基板層を介して対向される
ように、かつ前記金属膜に容量結合された一対の入出力
結合回路と、前記金属パターンに対して誘電体基板層を
介して対向するように配置された少なくとも1層のグラ
ウンド電極とを備える共振器であって、前記金属膜の端
縁の長さが、該端縁が凹凸を全く有しない場合の長さの
1.2倍以下とされていることを特徴とする。
の具体的な実施例を説明することにより、本発明を明ら
かにする。
・バンドパスフィルタ1が製造される。図5にフローチ
ャートで示すように、まず、第1〜第3の転写材が用意
される。図6(a)に示すように、第1の転写材21
は、第1の支持フィルム22と、第1の支持フィルム2
2上に形成された金属膜23とを有する。金属膜23
は、デュアルモード・バンドパスフィルタ1(図2参
照)に内蔵されており、かつ共振器を構成するための金
属膜に相当する。この金属膜の具体的な形状について
は、後ほど詳述するが、図6(a)では、略図的に金属
膜23が示されている。
テレフタレートフィルムなどの、保形性に優れた適宜の
合成樹脂フィルムを用いることができる。支持フィルム
22上に金属膜23を形成するにあたっては、本実施例
では、先ず、支持フィルム22の上面の全面に金属膜が
形成される。すなわち、感光性ペーストを塗布した後、
金属膜23の形状に応じて、感光・現像することによ
り、すなわちフォトリソグラフィ法により、所望のパタ
ーン形状の金属膜23が形成される。また、この金属膜
の形成方法に蒸着もしくはスパッタなどを用いた場合に
は、金属膜23の形状に応じてフォトレジストを付与し
た後、感光性ペーストの場合と同様に、感光・現像する
ことにより、所望のパターン形状の金属膜23が形成さ
れる。
グラフィ法により形成されるので、導電ペーストの印刷
により形成された金属膜に比べて、端縁における凹凸が
非常に少ない。
ては、Cuなどの適宜の金属もしくは合金を用いること
ができる。次に、図5に転写材を用意する工程の右側に
示されているように、別途セラミックグリーンシートを
用意する。セラミックグリーンシートは、バンドパスフ
ィルタ1の誘電体基板2を構成する誘電体セラミックス
を主成分とするセラミックスラリーをシート成形するこ
とにより得られる。
用意された第1のセラミックグリーンシート24上に、
第1の転写材21が金属膜23側から被せられる。しか
る後、第1の転写材21がセラミックグリーンシート2
4に加圧され、金属膜23がセラミックグリーンシート
24に圧着される。次に、金属膜23から支持フィルム
22が剥離される。このようにして、図6(c)に示す
ように、第1のセラミックグリーンシート24に、第1
の転写材21から金属膜23が転写される。
23は、第1のセラミックグリーンシート24に下方部
分が埋まるようにして、第1のセラミックグリーンシー
ト24に圧着されている。
クグリーンシート24上に、金属膜23が第1の転写材
21から転写されていたが、後述の入出力結合回路を構
成する電極及びグラウンド電極も、同様にして転写され
る。すなわち、第2,第3の支持フィルム上に上記金属
膜23と同様にフォトリソグラフィにより入出力結合回
路を構成する電極及びグラウンド電極が形成され、第
2,第3の転写材が用意される。次に、第2,第3の転
写材から、第2,第3のセラミックグリーンシートに、
それぞれ、転写法により入出力結合回路を構成する電極
及びグラウンド電極が転写される。
トを図1を参照して説明する。図1は、図2に示したバ
ンドパスフィルタ1を得るのに用いられるセラミックグ
リーンシートと、その上に形成される電極パターンの形
状を説明するための分解斜視図である。
ーンシート24上に、上述した転写工程により金属膜2
3が転写されている。本実施例では、金属膜23は、菱
形の形状を有する。金属膜23の中央には一方の対角線
方向に延びる貫通孔23aが形成されている。貫通孔2
3aは長方形の形状を有し、その長手方向が、第1のセ
ラミックグリーンシート24の長手方向と平行となるよ
うに配置されている。
ィルタ1では、後述の入出力結合回路から入力が加えら
れると、金属膜23の貫通孔23aの長さ方向と平行な
方向、並びに該長さ方向と直交する方向に伝搬する共振
が生じる。貫通孔23aは、この2つの共振を結合さ
せ、デュアルモード・バンドパスフィルタとしての特性
を得るために設けられている。
ラミックグリーンシート24及び金属膜23の形成工程
を略図的に示したが、図1に示すように、第1のセラミ
ックグリーンシート24には、4つのコーナー部分近傍
にビアホール24aが形成されており、各ビアホール2
4aに、ビアホール電極25が形成されている。ビアホ
ール電極25は、セラミックグリーンシート24にビア
ホール24aを打ち抜き等により形成した後、例えば導
電ペーストを充填することにより形成される。
いるセラミックグリーンシート24を用意した後、金属
膜23を転写する工程において、ビアホール電極25を
同様に転写法によりビアホール24a内に充填してもよ
い。
ーンシート24の上方には、第2のセラミックグリーン
シート26が積層される。第2のセラミックグリーンシ
ート26には、入出力結合回路を構成する電極27,2
8が形成されている。電極27,28は、最終的に、誘
電体層を介して金属膜23に対して容量結合され得るよ
うに構成されている。
の一端の接合部27a,28aは、金属膜23に対して
容量結合される部分であり、他方側の端部27b,28
bは、第3のセラミックグリーンシートに形成される後
述のビアホール電極に電気的に接続される。
6上に形成されている上記電極27,28は、図6
(a)〜(c)に示した第1のセラミックグリーンシー
ト24上に金属膜23を転写する方法と同様にして得ら
れる。すなわち、金属膜27,28が形成された第2の
支持フィルムを、第2のセラミックグリーンシート26
に電極27,28側から被せ、圧着した後、第2の支持
フィルムを剥離することにより、電極27,28がセラ
ミックグリーンシート26に転写される。
いても、4つのコーナー部分近傍に、ビアホール26a
が形成されており、該ビアホール26aに、それぞれ、
ビアホール電極29が形成されている。ビアホール電極
29は、第1のセラミックグリーンシート24に形成さ
れたビアホール電極25と電気的に接続されるように構
成されている。
は、ほぼ全面に、ただし、接続電極31,32が形成さ
れている部分を除いて、グラウンド電極33が形成され
ている。接続電極31,32は、外部と接続するための
電極であり、該接続電極31,32はグラウンド電極3
3と電気的に分離されている。すなわち、グラウンド電
極33の切欠33a,33b内に接続電極31,32が
配置されている。接続電極31,32の下面には、破線
で示すように、ビアホール電極34a,34bが形成さ
れている。ビアホール電極34a,34bは、その下端
が第2のセラミックグリーンシート26上に形成されて
いる入出力電極27,28に電気的に接続されている。
0においても、4つのコーナー近傍に、ビアホール電極
35が形成されており、ビアホール電極35は、第2の
セラミックグリーンシート26に形成されたビアホール
電極29に電気的に接続されている。
0上に形成されているグラウンド電極33及び接続電極
31,32は、第3の支持フィルム上に薄膜形成法によ
り形成された後、第3のセラミックグリーンシート30
上に転写することにより構成されている。
グリーンシート36が積層される。セラミックグリーン
シート36は、4つのコーナー部分近傍に、ビアホール
電極37を有する。また、図1では図示されていない
が、セラミックグリーンシート36の下面には、全面に
グラウンド電極が形成されている。
ト24,26,30,36を積層し、厚み方向に加圧す
ることにより、積層体が得られる。この積層体を焼成す
ることにより、図2に示すバンドパスフィルタ1が得ら
れる。
おいては、図3に略図的平面図で示すように、上記金属
膜23の上方に、すなわち誘電体基板層を介して重なり
合うように入出力電極27,28が配置されている。ま
た、入出力電極27,28の端部27b,28bが、ビ
アホール電極34a,34bにより接続電極31,32
に接続される。
誘電体基板2の上面及び下面に形成されているグラウン
ド電極33,38が、ビアホール電極3により電気的に
接続されている。ビアホール電極3は、前述した各セラ
ミックグリーンシート24,26,30,36において
コーナー部分に形成されているビアホール電極25,2
9,35,37が積層されて構成されている。
バンドパスフィルタ1は、上記のように、共振器を構成
するための金属膜23、入出力結合回路を構成する電極
27,28及びグラウンド電極33,38が転写法によ
り形成されていることにより、それによって、これらの
端縁における凹凸が非常に少なくされており、特に、上
記金属膜23においては、金属膜の端縁の長さが、該端
縁に凹凸が全く存在しない場合の1.02倍以下とされ
ている。従って、表皮効果による端縁近傍への電流集中
が生じたとしても、挿入損失を低減することができる。
これを具体的な実験例に基づき説明する。
ックスとして、比誘電率6.27のBa、Al、Siの
酸化物を主成分とするセラミックスを用いた。また、金
属膜23などの各種電極はCuにより構成した。上記実
施例の製造方法に従って、外形が3.6×3.6×高さ
0.6mmのトリプレート構造を有するデュアルモード
・バンドパスフィルタ1を作製した。なお、金属膜23
は、中間高さ位置に配置した。金属膜23の形状は、長
さ方向が2800μm、長さ方向と直交する方向の寸法
が2000μmの菱形形状である。貫通孔23aは20
0×1400μmの長方形の形状を有し、金属膜23の
中央に配置された。
ド・バンドパスフィルタ1において、入出力結合回路を
構成するための電極27,28の一部を、誘電体基板2
を電極27,28が形成されている高さで切断し、電極
27の一部を観察した。結果を図7(a)に示す。図7
(a)は、電極27の一部を示す走査型電子顕微鏡写真
による図である。
り各電極が形成されたことを除いては上記実施例と同様
に構成されたデュアルモード・バンドパスフィルタを用
意した。この比較のために用意したデュアルモード・バ
ンドパスフィルタの電極27の一部の走査型電子顕微鏡
写真を図7(b)に示す。
本実施例によれば、転写法により電極が形成されている
ため、端縁が平滑であり、電極の線幅及び膜厚のばらつ
きの小さいことがわかる。
のデュアルモード・バンドパスフィルタの反射特性と通
過特性とを、図8に一点鎖線A及び実線Bでそれぞれ示
す。また、比較のために用意したデュアルモード・バン
ドパスフィルタの反射特性を破線Cで、通過特性を破線
Dで示す。
示す。図9において、実線B及び破線Dは、それぞれ、
図8に示した実施例及び比較例の通過特性を拡大して示
す。図8,図9から明らかなように、本実施例によれ
ば、比較例に比べて、通過帯域における挿入損失を約
0.6dB低減し得ることがわかる。
ドパスフィルタ1では、電極、特に金属膜3が上記転写
法により形成されているので、挿入損失を効果的に低減
し得ることがわかる。
入損失は消費電力に関連する。従って、挿入損失が小さ
いほど、消費電力を小さくすることができる。図10
は、本発明の第2の実施例に係るデュアルモード・バン
ドパスフィルタの要部を説明するための略図的斜視図で
ある。デュアルモード・バンドパスフィルタ51では、
誘電体基板52の中間高さ位置に、金属膜53が形成さ
れている。金属膜53の上方には、誘電体基板層が第1
の実施例のデュアルモード・バンドパスフィルタと同様
に形成されており、かつ入出力結合回路を構成するため
の電極27,28(図1参照)及びグラウンド電極33
(図1参照)などが同様に形成されている。デュアルモ
ード・バンドパスフィルタ51は、金属膜53の形状
が、第1の実施例の金属膜23と異なることを除いて
は、同様に構成されている。
うに、外形がランダムな形状とされている。金属膜53
には、貫通孔53aが形成されている。貫通孔53a
は、入出力結合回路54,55の金属膜53との結合点
を結ぶ方向に伝搬する共振と、該共振と直交する方向に
伝搬する共振とが結合されて、デュアルモード・バンド
パスフィルタとしての特性が得られるように構成されて
いる。
属膜の形状は、第1の実施例のように菱形に限定される
ものではなく、三角形、長方形、図10に示したランダ
ムな形状のように適宜に変形することができる。
さが、凹凸が全く存在しない場合の1.02倍以下のと
きに、挿入損失を効果的に低減し得ることを具体的な実
験例に基づき説明する。実験はシミュレーション解析を
用いて行った。
ように構成された誘電体セラミックスを用いて、4.0
×1.0×厚み0.2mmのセラミックグリーンシート
を用意した。このセラミックグリーンシート上に、中央
に、0.5mm×1.0mm×厚み5μmの矩形のCu
膜を第1の実施例と同様に転写法により形成し、Cu膜
からなるマイクロストリップラインを形成した。
たセラミックグリーンシートを焼成し、該マイクロスト
リップラインの伝送特性を測定した。この場合、上記マ
イクロストリップラインの端縁に故意に種々の大きさの
凹凸(端縁に沿う長さが100μm、山と谷との距離が
xμm)を形成し、該凹凸の大きさxを変化させ、種々
のマイクロストリップラインを形成した。これらのマイ
クロストリップラインの伝送特性を測定した。結果を図
11に示す。
様に、ただしマイクロストリップラインを構成する金属
材料を変化させ、様々な抵抗率の金属からなるマイクロ
ストリップラインを構成した。これらの様々な金属から
なるマイクロストリップラインを構成した場合の伝送特
性を図12に示す。
ラインの端縁の凹凸が±5μmであり、凹凸が全く存在
しない場合に比べて端縁の長さが1.02倍であるよう
に構成されたCuからなるマイクロストリップラインの
伝送特性と、凹凸が存在しないが、Alによりマイクロ
ストリップラインを構成した場合の伝送特性の比較を示
す図である。なお、Alは、Cuの抵抗率の1.64倍
である。
存在する場合、凹凸が存在しない場合に比べて端縁の長
さが長くなる。図11〜図13から明らかなように、C
uを用いて、端縁の長さが凹凸が存在しない場合の端縁
の長さの1.02倍となるような凹凸が存在する場合の
損失は、Alを用いかつ凹凸が存在しないマイクロスト
リップラインを構成した場合とほぼ同じであることがわ
かる。すなわち、電極材料としてCuを用いた場合であ
っても、端縁の凹凸が、凹凸が存在しない場合の1.0
2倍を越えると、抵抗率が大きなAlを電極材料として
用いた場合と損失が同じ程度に拡大してしまうことがわ
かる。このような損失は、周波数が高くなるほど大きく
なる。
各種金属の抵抗率は下記の表1に示す通りである。
uを電極材料を用いたにもかかわらず、金属膜の端縁の
長さが、凹凸が存在しない場合の1.02倍を越える場
合には、Alを用いかつ凹凸が存在しない場合と同等の
特性しか得られなくなることがわかる。よって、好まし
くは、金属膜の端縁の長さが、凹凸が存在しない場合の
端縁の長さの1.02倍以下であることが望ましい。
アルモード・バンドパスフィルタの製造方法につき説明
したが、本発明は、デュアルモード・バンドパスフィル
タに限らず、誘電体基板内に共振器を構成するための金
属膜が形成されている共振器の製造方法一般に適用する
ことができる。
属膜、入出力結合回路を構成する電極及びグラウンド電
極が、セラミックグリーンシートに第1〜第3の転写材
から転写され、これらが転写された第1〜第3のセラミ
ックグリーンシートが積層されてセラミックグリーンシ
ート積層体が得られ、該積層体を焼成することにより誘
電体基板が構成される。従って、これらの電極、特に共
振器を構成する金属膜の端縁における凹凸を効果的に低
減することができる。よって、損失の小さい共振器やデ
ュアルモード・バンドパスフィルタを提供することがで
き、共振器やデュアルモード・バンドパスフィルタの消
費電力を低減することが可能となる。
凹凸が全く存在しない場合の1.02倍以下の長さとさ
れている場合には、損失をより一層低減することがで
き、低い抵抗率の金属材料、例えばCuやAgを金属膜
材料として用いた場合の効果を確実に期待することがで
きる。
ム上に金属膜、入出力結合回路を構成する電極及びグラ
ウンド電極をそれぞれ形成する工程がフォトリソグラフ
ィ法により行われる場合には、端縁に凹凸の少ない金属
膜などの電極を確実に形成することができる。
の長さが、該端縁が凹凸を全く有しない場合の長さの
1.02倍以下とされているので、挿入損失が低減さ
れ、それによって共振器の消費電力の低減を図ることが
できる。
モード・バンドパスフィルタの製造に際して用意される
セラミックグリーンシート及びその上に形成される電極
パターンを説明するための分解斜視図。
モード・バンドパスフィルタの外観を示す斜視図。
ルタの平面図。
ド・バンドパスフィルタの正面断面図であり、図3のX
−X線、Y−Y線及びZ−Z線に沿う各断面図。
めのフロー図。
シート上に第1の転写材から金属膜を転写する工程を説
明するための各正面断面図。
された電極形状を示す走査型電子顕微鏡写真であり、
(b)は、比較のために用意したデュアルモード・バン
ドパスフィルタの電極形状を説明するための走査型電子
顕微鏡写真である。
スフィルタの反射特性及び通過特性を示す図。
・バンドパスフィルタの要部を示す略図的斜視図。
インの端縁の凹凸を変化させた場合の伝送特性の変化を
示す図。
いマイクロストリップラインにおいて、マイクロストリ
ップラインを構成する電極材料を変化させた場合の伝送
特性の変化を示す図。
の長さに比べて1.02倍の長さとなるように凹凸が付
与されているマイクロストリップラインの伝送特性と、
凹凸が存在せず、Alからなるマイクロストリップライ
ンの伝送特性を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 誘電体基板と、 前記誘電体基板面または誘電体基板内のある高さ位置に
作成されており、共振器を構成するための金属膜と、 前記金属膜と誘電体基板層を介して対向するように配置
された少なくとも1枚のグラウンド電極と、 前記金属膜に容量結合された一対の入出力結合回路とを
備える共振器の製造方法であって、 前記金属膜が第1の支持フィルム上に形成された第1の
転写材と、前記入出力結合回路を構成する電極が第2の
支持フィルム上に形成された第2の転写材と、前記グラ
ウンド電極が第3の支持フィルム上に形成された第3の
転写材とを用意する工程と、 第1のセラミックグリーンシート上に前記第1の転写材
から金属膜を転写する工程と、 第2のセラミックグリーンシート上に、前記入出力結合
回路を構成する電極が形成されている第2の転写材から
該電極を転写する工程と、 第3のセラミックグリーンシート上に、前記第3の転写
材からグラウンド電極を転写する工程と、 前記金属膜、電極及びグラウンド電極がそれぞれ転写さ
れた前記第1〜第3のセラミックグリーンシートを少な
くとも備えるセラミックグリーンシート積層体を得る工
程と、 前記セラミックグリーンシート積層体を焼成して前記誘
電体基板を形成する工程とを備える、共振器の製造方
法。 - 【請求項2】 前記金属膜の端縁部の長さが、該端縁に
凹凸が全く存在しない場合の1.02倍以下の長さとさ
れている、請求1に記載の共振器の製造方法。 - 【請求項3】 前記第1〜第3の転写材において、支持
フィルム上に前記金属膜、入出力結合回路を構成する電
極及びグラウンド電極をそれぞれ形成する工程が、フォ
トリソグラフィ法により行われる、請求項1に記載の共
振器の製造方法。 - 【請求項4】 誘電体基板と、誘電体基板面または誘電
体基板内のある高さ位置に形成された金属膜と、 前記金属膜と誘電体基板層を介して対向されるように、
かつ前記金属膜に容量結合された一対の入出力結合回路
と、 前記金属パターンに対して誘電体基板層を介して対向す
るように配置された少なくとも1層のグラウンド電極と
を備える共振器であって、 前記金属膜の端縁の長さが、該端縁が凹凸を全く有しな
い場合の長さの1.2倍以下とされていることを特徴と
する、請求項1に記載の共振器の製造方法により得られ
る共振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001138984A JP2002335111A (ja) | 2001-05-09 | 2001-05-09 | 共振器の製造方法 |
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