JP2002333801A - クリーニングブレード及びその製造方法並びにクリーニングブレードの固定方法 - Google Patents

クリーニングブレード及びその製造方法並びにクリーニングブレードの固定方法

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JP2002333801A
JP2002333801A JP2001138403A JP2001138403A JP2002333801A JP 2002333801 A JP2002333801 A JP 2002333801A JP 2001138403 A JP2001138403 A JP 2001138403A JP 2001138403 A JP2001138403 A JP 2001138403A JP 2002333801 A JP2002333801 A JP 2002333801A
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tan
thermoplastic elastomer
hole
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Sachiko Nakajima
佐知子 中島
Yukinobu Okaura
幸伸 岡裏
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Toyo Tire Corp
Original Assignee
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便かつ低コストにて製造可能であり、しかも
安定した当接圧を実現できるクリーニングブレード、取
付部材との位置合わせの容易なクリーニングブレード、
該クリーニングブレードを取付部材等に簡便かつ精度よ
く固定する固定方法を提供する。 【解決手段】 高剛性樹脂にて形成された支持体層の片
面全面に、(a)tanδのピーク温度が0℃以下、
(b)0℃におけるtan δ値と50℃におけるta
n δ値の差が0.3以下の少なくとも一つをみたす熱
可塑性エラストマー層を備えた複層構造を有するクリー
ニングブレードとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、普通紙複写機、普
通紙ファクシミリ、レーザービームプリンター等の静電
方式の画像形成装置において、感光体や転写ベルト等の
表面の残存トナーを除去するクリーニングブレード及び
その製造方法、並びにクリーニングブレードの固定方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】静電方式の画像形成装置においてトナー
画像を用紙等に転写した後の感光体、転写ベルト等の表
面に残存するトナーを拭き取り、除去するために、従来
から、周知のように厚さが約1〜3mm程度のポリウレ
タン系の弾性体のシートから裁断して形成されるクリー
ニングブレードが使用されていた。
【0003】かかる弾性体クリーニングブレードは、そ
の幅方向の曲げ弾性を利用して感光体に弾接することで
クリーニングを行うものであり、十分なクリーニング能
力を発揮させるためには、感光体に対する所定の当接圧
を必要とする。一方、弾性体クリーニングブレードはク
リーニングを行っても感光体や転写ベルトの表面等を傷
つけるものであってはならないため、通常はショアA硬
度が60〜90の比較的低剛性の弾性体が使用される。
【0004】従って、クリーニングブレードとして必要
な曲げ弾性を付与するにはある程度以上の厚みが必要で
あり、ブレードの薄肉化には限界がある。また弾性体材
料は圧縮永久歪が大きく、長期の使用により感光体との
当接圧が低下するという問題をも有している。これらの
問題を解決するために、高剛性の支持体と、弾性体層と
からなる2層構造のクリーニングブレードとする技術が
知られている(特開平11−219082号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載のクリーニングブレードは、金属板と弾性体が積層さ
れたものであり、支持体である金属板を作製する工程と
弾性体層を作製してこれを接着する工程もしくは支持体
の上に反応硬化して弾性体を形成する反応組成物を適用
して反応硬化させる弾性体層形成工程の2つの工程が必
要であり、工程数が多くて生産効率が悪く、コスト的に
高いものであるという問題を有している。また、クリー
ニングブレードは取付部材に固着してクリーニング部材
として供給されるが、かかる固着に際しては、感光体と
クリーニングブレードの適切な弾接を実現するために適
用装置、使用するクリーニングブレードの材質等に応じ
て設定される突き出し長さ(自由端長さ)を満足するよ
うに取付部材とクリーニングブレードの位置合わせをす
る工程も要求され、コスト低減の要求に対応するには限
界がある。
【0006】本発明の目的は、簡便かつ低コストにて製
造可能であり、しかも安定した当接圧を実現できるクリ
ーニングブレードを提供することにある。
【0007】また本発明は、取付部材との位置合わせの
容易なクリーニングブレードを提供することにも有る。
【0008】さらに本発明は、該クリーニングブレード
を取付部材等に簡便かつ精度よく固定する固定方法を提
供することにも有る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、静電転写プロ
セスを利用した画像形成装置に使用するクリーニングブ
レードであって、高剛性樹脂にて形成された支持体層の
片面全面に熱可塑性エラストマー層を備えた複層構造を
有し、前記熱可塑性エラストマーは、(a)tan δ
のピーク温度が0℃以下(b)0℃におけるtan δ
値と50℃におけるtan δ値の差が0.3以下の少
なくとも一つを満足することを特徴とする。
【0010】かかる構成を有するクリーニングブレード
は、簡便かつ低コストにて製造可能であり、しかも安定
した当接圧を実現できる。
【0011】複層構造とは、基本的には支持体層と熱可
塑性エラストマー層とからなる2層構造であるが、熱可
塑性エラストマー層と支持体層との間にプライマー層な
いし接着剤層の存在を許容する意味である。
【0012】熱可塑性エラストマーは、tan δのピ
ーク温度が0℃以下であり、かつ0℃におけるtan
δ値と50℃におけるtan δ値の差が0.3以下で
あることがより好ましい。
【0013】上述のクリーニングブレードは、長さ方向
に複数の貫通孔が設けられたものであることが好まし
い。
【0014】クリーニングブレードを取付部材に固着す
る場合、ないしは画像形成装置に直接装着する場合、自
由端長さを設定値にするための位置決め作業を容易に行
うことができる。即ち、金属あるいは高剛性樹脂にて作
成される取付部材に突起を形成しておき、この取付部材
の突起とクリーニングブレードに設けられた貫通孔を嵌
合させることにより、位置決め操作が極めて容易かつ確
実に行うことができる。
【0015】本発明は、高剛性樹脂にて形成された支持
体層の片面全面に熱可塑性エラストマー層を備えた複層
構造を有し、静電転写プロセスを利用した画像形成装置
に使用するクリーニングブレードの製造方法であって、
前記支持体層の一方の表面に熱可塑性エラストマーを流
動状態にて積層してクリーニングブレード原反を作製す
る積層工程、及び前記クリーニングブレード原反を裁断
してクリーニングブレードを作製する裁断工程を有し、
前記積層工程が、前記熱可塑性エラストマーを溶融状態
にてニート状で積層を行うか、又は溶液にて被覆して乾
燥することにより行うものであり、前記熱可塑性エラス
トマーは、(a)tan δのピーク温度が0℃以下
(b)0℃におけるtan δ値と50℃におけるta
n δ値の差が0.3以下の少なくとも一つを満たすも
のであることを特徴とする。
【0016】かかる製造方法により、クリーニングブレ
ードを多数作成可能な程度に十分な大きさのクリーニン
グブレード原反を連続的に製造し、これを所定寸法に裁
断することによって安定した当接圧を実現できるクリー
ニングブレードを高能率、低コストにて製造することが
可能となる。
【0017】上述のクリーニングブレードの製造方法に
おいては、tan δのピーク温度が0℃以下であり、
かつ0℃におけるtan δ値と50℃におけるtan
δ値の差が0.3以下であることがより好ましい。
【0018】上述のクリーニングブレードの製造方法に
おいては、さらに所定位置に所定サイズの貫通孔を形成
する貫通孔形成工程を設けることが好ましい態様であ
る。
【0019】貫通孔形成工程は原反を製造する積層工程
の後に設けてもよく、裁断工程の後に設けてもよい。本
発明のクリーニングブレードは、高剛性樹脂にて形成さ
れた支持体層を有するために、貫通孔が位置、大きさ共
に正確に形成可能である。
【0020】本発明のクリーニングブレードの固定方法
は、請求項3に記載のクリーニングブレードを使用し、
2個以上の位置合わせ突起が設けられている取付部材に
前記クリーニングブレードの貫通孔に取付部材の突起に
クリーニングブレードを嵌合し、さらに前記クリーニン
グブレードの貫通孔に対応した位置に貫通孔を有する高
剛性挟持部材を嵌合した後に他の貫通孔を使用してビス
止めすることを特徴とする。
【0021】また本発明の別のクリーニングブレードの
固定方法は、請求項2に記載のクリーニングブレードを
使用し、前記クリーニングブレードを固定する取付部材
を熱可塑性樹脂で形成すると共に前記クリーニングブレ
ードの貫通孔に対応する位置に突起を設け、前記取付部
材の突起にクリーニングブレードを嵌合し、さらに高剛
性挟持部材を嵌合した後に前記突起の先端部を溶融して
かしめることを特徴とする。
【0022】いずれの固定方法によっても、位置合わせ
の工数が必要なく、簡便かつ低コストにて取付部材に固
定することができる。またクリーニングブレードが高剛
性挟持部材により、長さ方向に均一な力で保持され、当
接面にうねりが発生しにくい。
【0023】特に本発明のクリーニングブレードは、高
剛性樹脂にて形成された支持体層を有するために、貫通
孔を設けた場合にその位置精度が高く、従って取付部材
に突起を2個以上形成してクリーニングブレードの貫通
孔に嵌合させることにより、高精度の位置合わせが簡便
に行える。
【0024】ここにいう取付部材は、このクリーニング
ブレードを装着する部材をいい、従来のクリーニング部
材においてクリーニングブレードを固定する、いわゆる
金具、ホルダー等と称される部材でもよいが、装置のハ
ウジングであってもよく、また現像部のケースやフレー
ムの一部であってもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明のクリーニングブレードの
各層の構成材料として好適な材料は以下の通りである。
支持体層構成材料は、裁断が容易であり、薄くしても感
光体との十分な当接圧が得られるため、高剛性の樹脂材
料は限定なく使用可能である。具体的には、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリ
エステル系樹脂、ナイロン−6等のポリアミド系樹脂、
ポリカーボネート、アクリル系樹脂、アラミド樹脂、そ
の他ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンサルフ
ァイド等のエンジニアリングプラスチックないしスーパ
ーエンジニアリングプラスチック材のシート、フィルム
等が例示される。支持体層の厚さは、使用する素材によ
り、また要求される特性により異なるが、一般的には5
0μm〜500μm程度である。厚過ぎると剛性が高く
なり過ぎ、薄過ぎると所定の当接圧を得ることが困難に
なる。
【0026】上記の支持体層構成材料は、複層構造であ
ってもよく、例えば接着性、耐クリープ性の一方又は双
方を有する樹脂層を介して2枚のフィルムを貼合した3
層構造を有する支持体層としてもよい。かかる複層構造
フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムを耐クリープ性と接着性とを有する樹脂層を介して積
層したダイアラミー(三菱樹脂製)が市販されており、
使用可能である。
【0027】支持体には、熱可塑性エラストマー形成原
料との接着性を高めるための表面処理をほどこすことは
好適な態様である。かかる表面処理としては、コロナ放
電処理、化学物質によるエッチング処理、プライマー処
理等が好適な表面処理として例示される。特に易接着性
樹脂を0.5〜100μmの厚さに塗布することが好ま
しい態様である。
【0028】弾性体層を構成する熱可塑性エラストマー
としては、公知の熱可塑性エラストマーは限定なく使用
可能であり、具体的にはポリエステル系エラストマー、
ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタンエラスト
マー、ポリアミドエラストマー等が例示されるが、耐久
性の点で熱可塑性ポリウレタンエラストマーの使用が最
も好ましい。熱可塑性エラストマーは、ショアA硬度で
60〜95であることが好ましい。また熱可塑性エラス
トマー層の厚さは、10〜800μmであることが好ま
しく、20〜500μmであることがより好ましい。薄
過ぎるとクリーニングブレードとしての寿命が短くな
り、厚過ぎると熱可塑性エラストマーの圧縮永久歪の影
響が表れる。
【0029】熱可塑性ポリウレタンエラストマーとして
は、公知の熱可塑性ポリウレタンエラストマーは限定な
く使用可能であり、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリ
エステル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレ
タン等の他にポリエーテルポリオールとポリエステルポ
リオールを併用したポリウレタンや共重合ポリオールを
使用したポリウレタン等が例示される。ポリエーテル系
ポリウレタンの構成成分であるポリエーテルポリオール
としては、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキ
シテトラメチレンポリオール等が使用される。またポリ
エステルポリオールとしては、アジピン酸、アゼライン
酸等の脂肪族ジないしポリカルボン酸とエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、スピログリコール、
1,4−シクロヘキサンジオール、等の多価アルコール
類とのポリエステルやε−カプロラクトンの開環重合体
ポリエステル(プラクセル210、220、220N
等、ダイセル化学工業製)等が例示される(岩田、ポリ
ウレタン樹脂ハンドブック、(日刊工業新聞))。
【0030】熱可塑性ポリウレタンエラストマーとして
は、製造に際してイソシアネート基と水酸基の当量比を
1以上、好ましくは1.05〜1.20程度のイソシア
ネート過剰にて重合し、重合体中にイソシアネーと基が
残存したいわゆる不完全熱可塑タイプのポリウレタンエ
ラストマー、ないしイソシアネート基と水酸基の当量比
を0.95〜1.0程度で重合した後、ポリイソシアネ
ート化合物を添加した未反応イソシアネート基を含有さ
せたものを使用することが好ましい。
【0031】かかる熱可塑性ポリウレタンエラストマー
は、重合体中に残存する低分子量成分が少なく、また加
工中の低分子量成分の発生を抑制することができ、感光
体等への低分子量成分の付着による問題の発生等が防止
される。
【0032】熱可塑性エラストマー、とりわけ熱可塑性
ポリウレタンエラストマーを溶液で積層する場合には、
該熱可塑性エラストマーを溶解する適宜の有機溶剤を使
用する。かかる有機溶剤としては、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケト
ン類、酢酸n−ブチル等のエステル類、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素が例示される。これらに加えて
貧溶媒であるアルコール類、脂肪族ないし脂環式炭化水
素類を併用することも好適な態様である。
【0033】溶液状態の原料を使用して熱可塑性エラス
トマー層を形成する方法としては、公知のコーターを使
用することが可能であり、ロールコーター、ドクターブ
レード、コンマコーター等が好適な被覆装置として例示
される。またスプレー塗装法、ディッピング法、スピン
コート法等による塗装によって形成してもよい。
【0034】熱可塑性エラストマー層を構成する材料に
は必要に応じて充填剤を添加することは好適な態様であ
る。添加剤は用途・目的に応じて適宜選択されるが、下
記の添加剤が例示される。 導電性材料:カーボンブラック(ケッチェンブラック、
アセチレンブラック、HAFカーボン等)、導電性酸化
チタン、ITO、グラファイト、過塩素酸リチウム、チ
オシアン酸アンモニウム等 潤滑性材料:ポリ四フッ化エチレン、窒化ホウ素、グラ
ファイト、二硫化モリブデン、ポリジメチルシロキサン
等のシリコン化合物等 その他:酸化防止剤、着色剤等 上記の添加剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0035】図1には、本発明のクリーニングブレード
を取付部材に固着したクリーニング部材の例を示した。
図1(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)
におけるX−X断面図である。クリーニング部材3はク
リーニングブレード1、取付部材5が自由端長さLを形
成するように接着剤層14を介して固着されており、ク
リーニングブレード1は、支持体層9とその片面全面に
形成された熱可塑性エラストマー層12とから構成され
ている。
【0036】クリーニングブレード1には、長さ方向に
4個の貫通孔7が設けられており、一方取付部材には円
柱状の突起11が形成されている。突起11と貫通孔7
を嵌合させることにより、自由端長さLが容易に設定可
能である。この例では貫通孔7は、クリーニングブレー
ド1の長さ方向に直線的に等間隔で配置されているが、
これに限定されるものではない。少なくとも長さ方向に
複数設けられていれば、等間隔でなくてもよく、さらに
幅方向に並ぶよう配設された貫通孔があってもよい。
【0037】取付部材5のクリーニングブレード1装着
面には突起11が設けられており、クリーニングブレー
ド1の前記貫通孔に嵌合している。かかる嵌合により、
クリーニングブレード1と取付部材5の固着時における
自由端長さLを容易に設定値とすることができ、しかも
クリーニングブレード1と取付部材5のずり応力による
位置ズレを防止する効果も得られる。
【0038】図2には、図1とは異なった断面形状を有
する取付部材6を使用したクリーニング部材を示した。
このクリーニング部材の特徴は取付部材6に設けられた
突起はクリーニングブレード1の厚さよりも高く形成さ
れ、貫通孔7に挿通した後、突起先端をかしめることに
より係止部15を形成した点にある。
【0039】かかるかしめによりクリーニングブレード
1と取付部材6とが、より強固に固着される。取付部材
6は、この場合においても金属であってもよいが、かし
めが容易に行え、係止部15が一定形状に形成可能であ
ることから、熱可塑性樹脂製であることがより好まし
い。即ち、金型に突起を形成するキャビティーを設け、
例えば射出成形により取付部材を成形すれば、かかる突
起を有する取付部材が容易に製造できる。
【0040】本発明のクリーニングブレードの製造方法
を、熱可塑性エラストマーを溶融状態で高剛性樹脂支持
体層に積層して製造する方法を例として説明する。
【0041】図3には、Tダイを使用したクリーニング
ブレード原反の製造方法の例を示した。熱可塑性エラス
トマーを押し出す押出機31にはTダイ33が装着され
ている。支持体9はロール35によりTダイ33の溶融
樹脂吐出孔近傍に供給され、押出機31にて溶融された
熱可塑性エラストマーがTダイ33より支持体9上に吐
出・積層され、熱可塑性エラストマー層14が形成され
て2層のクリーニングブレード原反36が製造される。
【0042】上述の工程により、クリーニングブレード
原反が製造され、これを所定サイズに裁断することによ
ってクリーニングブレードが得られる。裁断方法は特に
限定されるものではなく、回転ないしは非回転の切断刃
による切断、トムソン刃等を使用した打ち抜き裁断、レ
ーザー光による裁断等が例示される。感光体や転写ベル
トに当接し、高精度が要求されるエッジ部を形成するた
めの裁断装置とその他の部分を形成する裁断装置とを異
なるものとしてもよい。
【0043】裁断工程はクリーニングブレード原反製造
工程とは別個に設けてもよいが、原反製造工程に続けて
スリッターを設け、クリーニングブレードの所定幅のリ
ボン状の製品とし、これを所定長さに切断する工程とし
てもよい。スリッターによる裁断を行うと、カウンター
方式に使用するに適したエッジ精度が得られ、好適であ
る。
【0044】図4には、複数の貫通孔を有するクリーニ
ングブレードを、取付部材の1例である熱可塑性樹脂製
のハウジングに高剛性挟持部材を使用して固定する方法
を例示した。ハウジング51の取付部には、突起11が
形成されている。高剛性挟持部材53もクリーニングブ
レード1と同様に突起11に対応した貫通孔55を有し
ている。クリーニングブレード1は、複数形成された貫
通孔7をハウジング51の突起11に嵌合させ、さらに
高剛性挟持部材53を嵌合した後に前記突起11の先端
部を溶融してかしめることにより固定される(図4
(b))。
【0045】図5には、複数の貫通孔を有するクリーニ
ングブレードを、取付部材の1例であるハウジング51
に高剛性挟持部材53を使用して固定する別の態様を例
示した。ハウジング51の取付部には、位置合わせ用突
起11aが2個形成されている。高剛性挟持部材53も
クリーニングブレード1と同様に突起11に対応した貫
通孔55を有している。クリーニングブレード1と高剛
性挟持部材53とには、位置合わせ用の貫通孔7aとビ
ス止め用の貫通孔7がそれぞれ設けられている。
【0046】ハウジング51の位置合わせ用突起11に
クリーニングブレード1を嵌合させ、さらに高剛性挟持
部材53を嵌合した後に残りの貫通孔7を使用してビス
止めすることにより、クリーニングブレード1がハウジ
ング51に固定される(図5(b))。ビスは、ハウジ
ングに直接形成したビス孔に固定してもよく、またナッ
トを使用して固定してもよい。
【0047】ハウジングに直接固定することにより、図
2に示した場合と比較して、ホルダーと称される取付部
材が不要となり、部材数が低減されると共に組み付け工
数も低減可能となって、装置全体として低コスト化が図
れる。また高剛性挟持部材の使用により、図2に示した
場合より、固定後のクリーニングブレードの取付寸法精
度が向上する。
【0048】クリーニングブレードの貫通孔7のうち、
位置合わせ用突起に嵌合する位置合わせ用の貫通孔7a
は、ビス止め用貫通孔7より寸法精度を高くし、位置合
わせ用の突起とのクリアランスを小さく形成することが
好ましい。また位置合わせ用の貫通孔7aの1個は、ク
リーニングブレードの自由端長さを決定する方向(幅方
向)に寸法精度が高く、長さ方向に長い長円形であるこ
とも好ましい態様であり、かかる構成とすることによ
り、温度変化によりクリーニングブレードが熱膨張ない
し熱収縮した場合でも、精度よく固定可能である。な
お、ビス止め用貫通孔7は、長さ方向に長い楕円形ない
し長円形であってもよい。
【0049】高剛性挟持部材53は、鉄、アルミニウ
ム、ステンレス、真鍮等の金属、支持体層構成材料とし
て例示した高剛性の熱可塑製樹脂にて形成される。また
高剛性挟持部材53には、取付部材の突起11に対応し
た孔、溝などが設けられる。
【0050】
〔クリーニングブレードの作製〕
(実施例1)Tダイを備えた押出機を使用し、易接着性
樹脂層を有する幅1m、厚さ250μmのポリエステル
フィルム(コスモシャインA4300,東洋紡績製)を
供給しつつその表面に熱可塑性ポリウレタンエラストマ
ー エラストラン270R(武田バーディッシュウレタ
ン社製)を該Tダイより溶融状態で押し出しつつ圧着・
積層し、厚さ300μmの熱可塑性エラストマー層を形
成し、巻き取り、クリーニングブレード原反を得た。こ
のクリーニングブレード原反の連続生産における製造速
度は、ライン速度にて1800m2 /hであり、効率的
な生産が可能であった。
【0051】(実施例2)実施例1と同様にして、易接
着性樹脂層を有する幅1m、厚さ188μmのポリエス
テルフィルム(コスモシャインA4100,東洋紡績
製)を供給しつつその表面にシリコン変性熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマー(ショアA硬度65)を溶融状態
で押し出しつつ圧着・積層して厚さ200μmの熱可塑
性エラストマー層を形成し、巻き取ってクリーニングブ
レード原反を得た。このクリーニングブレード原反の連
続生産における製造速度も、ライン速度にて1800m
2 /hであり、実施例1と同様に効率的な生産が可能で
あった。
【0052】〔tan δの測定〕上記実施例1のクリ
ーニングブレードの作製に使用した熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマー エラストラン270Rの厚さが300
μmのシートを作製し、このシートから幅5mm、長さ
30mmの短冊状の測定サンプルを切り出し、測定に使
用した。tan δの測定は、DVEレオスペクトラー
(レオロジー社製)を使用し、上記の測定サンプルをつ
かみ幅20mmにてチャッキングして、振幅±10μ
m、周波数10Hz、昇温速度2.5℃/分にて行っ
た。比較のために、現在レーザービームプリンターに使
用されているウレタンゴム製のクリーニングブレードと
同材料のシート、及びPETフィルムのtan δの測
定も行った。
【0053】〔評価〕tan δの測定結果は図6に示
した。熱可塑性ポリウレタンエラストマーはTPU、ウ
レタンゴムはPUR、PETはPETにて示した。この
グラフから明らかなように、TPUのtan δのピー
クは−40℃以下であり、tan δ(0℃)とtan
δ(50℃)との差は0.3以下である。これに対し
て従来のウレタンゴムはtan δのピークが0℃を越
えており、tan δ(0℃)とtan δ(50℃)
の差は0.3を越えている。一方PETのtan δ
(0℃)とtan δ(50℃)の差もほとんどなく、
PETフィルムに熱可塑性ポリウレタンエラストマーを
積層したクリーニングブレードは、少なくとも0℃〜5
0℃の範囲で安定した当接圧を発揮するものであること
が分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニングブレードを使用したトナ
ー規制部材の例を示した図
【図2】取付部材の形状が異なるトナー規制部材の例を
示した図
【図3】クリーニングブレード原反の製造工程の例を示
した図
【図4】クリーニングブレードの取付部材(ハウジン
グ)への固定方法を例示した図
【図5】クリーニングブレードの取付部材(ハウジン
グ)への固定方法の別の態様を例示した図
【図6】熱可塑性エラストマーのtan δの測定結果
を示したグラフ
【符号の説明】
1 クリーニングブレード 9 支持体層 12 熱可塑性エラストマー層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H134 GA01 GA10 GB02 HD01 HD04 HD19 HD20 KD04 KD16 KE02 KE03 KE07 KE09 KH01 KH10 KH15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電転写プロセスを利用した画像形成装
    置に使用するクリーニングブレードであって、 高剛性樹脂にて形成された支持体層の片面全面に熱可塑
    性エラストマー層を備えた複層構造を有し、前記熱可塑
    性エラストマーは、(a)tan δのピーク温度が0
    ℃以下(b)0℃におけるtan δ値と50℃におけ
    るtan δ値の差が0.3以下の少なくとも一つを満
    たすものであるクリーニングブレード。
  2. 【請求項2】 長さ方向に複数の貫通孔が設けられた請
    求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 【請求項3】 高剛性樹脂にて形成された支持体層の片
    面全面に熱可塑性エラストマー層を備えた複層構造を有
    し、静電転写プロセスを利用した画像形成装置に使用す
    るクリーニングブレードの製造方法であって、 前記支持体層の一方の表面に熱可塑性エラストマーを流
    動状態にて積層してクリーニングブレード原反を作製す
    る積層工程、及び前記クリーニングブレード原反を裁断
    してクリーニングブレードを作製する裁断工程を有し、
    前記積層工程が、前記熱可塑性エラストマーを溶融状態
    にてニート状で積層を行うか、又は溶液にて被覆して乾
    燥することにより行うものであり、 前記熱可塑性エラストマーは、(a)tan δのピー
    ク温度が0℃以下(b)0℃におけるtan δ値と5
    0℃におけるtan δ値の差が0.3以下の少なくと
    も一つを満たすものであるクリーニングブレードの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載のクリーニングブレード
    を使用し、2個以上の位置合わせ突起が設けられている
    取付部材に前記クリーニングブレードの貫通孔に取付部
    材の突起にクリーニングブレードを嵌合し、さらに前記
    クリーニングブレードの貫通孔に対応した位置に貫通孔
    を有する高剛性挟持部材を嵌合した後に他の貫通孔を使
    用してビス止めすることを特徴とするクリーニングブレ
    ードの固定方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載のクリーニングブレード
    を使用し、前記クリーニングブレードを固定する取付部
    材を熱可塑性樹脂で形成すると共に前記クリーニングブ
    レードの貫通孔に対応する位置に突起を設け、前記取付
    部材の突起にクリーニングブレードを嵌合し、さらに高
    剛性挟持部材を嵌合した後に前記突起の先端部を溶融し
    てかしめることを特徴とするクリーニングブレードの固
    定方法。
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Cited By (4)

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