JP2002332186A - エスカレータ用台車 - Google Patents

エスカレータ用台車

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JP2002332186A
JP2002332186A JP2002119924A JP2002119924A JP2002332186A JP 2002332186 A JP2002332186 A JP 2002332186A JP 2002119924 A JP2002119924 A JP 2002119924A JP 2002119924 A JP2002119924 A JP 2002119924A JP 2002332186 A JP2002332186 A JP 2002332186A
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bogie
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Satoshi Iwamoto
敏 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な機構により、常に水平状態を維持した
状態で、安全かつスムースに車椅子に乗った人、乳母車
に乗せた乳幼児等の運搬対象を普通に使用されているエ
スカレータを改良することなく、安全に搬送することが
出来るエスカレータ用台車の提供。 【解決手段】 底板の下面に前輪及び後輪を有し、エス
カレータの可動段上に乗せて運搬対象を搬送するための
エスカレータ用台車であって、前記前輪近傍及び後輪近
傍にそれぞれまたはいずれかに伸縮機構を取り付け、エ
スカレータの可動段の昇降に合わせて該伸縮機構を伸縮
させ、もって前記運搬対象の水平状態を維持しながらエ
スカレータで搬送可能に構成したことを特徴とするエス
カレータ用台車である。エスカレータ、車椅子共に既存
の製品を使用できるという利点を持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エスカレータ用台
車に関し、特に、簡単かつ確実な操作により、車椅子に
乗った人、乳母車に乗った乳幼児、傾いたら困る荷物等
の運搬対象を安全にエスカレータで搬送することができ
るエスカレータ用台車に関する。
【0002】
【従来の技術】エスカレータは、階段がつながって連続
的に移動し、常に動いているので待ち時間が不要であり
大量輸送に向いているため、駅、空港、学校、市役所、
図書館、デパート等において幅広く用いられている。
【0003】このエスカレータを車椅子を利用している
人などが使用する場合、多数の補助者が車椅子を担いで
運んだり、また、車椅子専用に設計されたエスカレータ
を設置することが試みられているが、数が少なくコスト
的に問題がある。また、階段の側面にレールを設け、そ
れに沿って動く車椅子用のリフトを設ける例もあるが、
工事中および工事後には階段が狭くなり、歩行者に不便
をもたらしている。更に、エスカレータの各可動段に車
椅子を載置する載置板を出入可能な機構を具備したもの
が提案されているが、既存のエスカレータを改造しなけ
ればならず、多大な設備がかかり、実用化されていない
のが現状である。
【0004】一方、車椅子を載置する昇降可能な運搬台
車についても種々の提案がなされている。例えば、特開
平9−30768号公報には、車椅子等を載置した運搬
台車をエスカレータの可動段上に載置し、この運搬台車
に設けた把持具でエスカレータのハンドレールを把持さ
せることにより、エスカレータの移動によりその傾斜面
効果で回動桿を回動させて昇降脚を昇降させ、載置台を
常に水平状態にして可動段で支持し、エスカレータと共
に、昇降させるように構成したものが提案されている。
【0005】しかしながら、上記提案では、把持具によ
りハンドレールを把持させているため、ハンドレールを
傷付けてしまうおそれがあったり、ハンドレールに大き
な負荷がかかってしまうことでステップの速度より遅く
なり、運搬台車がステップから外れたり、転倒する危険
がある。また、車椅子を搭載する載置台を水平状態に保
つために昇降脚を昇降させる装置が設けられているが、
この装置は、エスカレータの移動によりその傾斜面効果
で回動桿を回動させて昇降脚を昇降させるため、構造が
複雑で故障が多く、故障を予め防止するために定期的に
潤滑油を与えたり、チェーンの伸びを点検する等の性能
維持のための保全作業が必要になるという問題がある。
【0006】また、特開平11−91584号公報に
は、無端状に配設されて移動するステップと、このステ
ップと同期して移動するハンドレールとを備えたエスカ
レータに、前記ステップの少なくとも2個以上の踏み面
の奥行き寸法を有する運搬台車を乗せ、この運搬台車に
車椅子及び車椅子利用者を搭載して昇降させるようにし
たエスカレータ用車椅子運搬台車において、前記運搬台
車のフレームに回動自在に軸支される車椅子搭載部と、
前記運搬台車の底面に断面略三角形状の支持体とを備え
たエスカレータ用車椅子運搬台車が提案されている。
【0007】しかしながら、上記提案は、複雑な構造に
より車椅子を吊り上げる方式であり、このため、車椅子
の重心が高くなり、安定性に劣り、車椅子の利用者に恐
怖感を与えてしまうという問題がある。
【0008】このように、従来から提案されている車椅
子を載置する昇降可能な運搬台車は、未だ充分満足でき
るものではなく、車椅子を利用する高齢者や身体障害者
に優しいバリヤフリー社会を実現するために、更なる改
善が望まれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、既存のエス
カレータを改良することなく、常に水平状態を維持した
状態で、安全かつスムーズに車椅子に乗った人、乳母車
に乗せた乳幼児、傾いたら困る荷物等の運搬対象を安全
に搬送することができるエスカレータ用台車を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、下記のエスカレータ用台車を提供する。
【0011】請求項1の発明は、底板の下面に前輪及び
後輪を有し、エスカレータの可動段上に乗せて運搬対象
を搬送するためのエスカレータ用台車であって、前記前
輪近傍及び後輪近傍にそれぞれ、または前輪近傍ないし
後輪近傍のいずれかに伸縮機構を取り付け、該伸縮機構
の働きにより前記運搬対象の水平状態を維持しながらエ
スカレータで搬送可能に構成したことを特徴とするエス
カレータ用台車である。
【0012】請求項2の発明は、上りのエスカレータで
は後輪近傍に取り付けた伸縮機構を作動させて台車の後
輪側を上昇させる一方、下りのエスカレータでは前輪近
傍に取り付けた伸縮機構を作動させて台車の前輪側を上
昇させるように構成した請求項1に記載のエスカレータ
用台車。である。
【0013】請求項3の発明は、上りのエスカレータで
は後輪近傍に取り付けた伸縮機構を作動させて台車の後
輪側を上昇させる一方、下りのエスカレータでは台車の
進行方向を逆にし、後輪近傍に取り付けた伸縮機構を作
動させて台車の後輪側(進行方向前側)を上昇させるよ
うに構成した請求項1に記載のエスカレータ用台車であ
る。
【0014】請求項4の発明は、前記伸縮機構の伸縮速
度が、使用されるエスカレータの昇降速度に合わせて調
節することが可能な制御装置を有した請求項1、2又は
3に記載のエスカレータ用台車である。
【0015】請求項5の発明は、前記伸縮機構が、電動
テーブルリフター、電動油圧多段シリンダ式ジャッキ、
空圧多段シリンダ式ジャッキ及び電動パンタグラフ式ジ
ャッキから選ばれるいずれかである請求項1乃至4のい
ずれか1項に記載のエスカレータ用台車である。
【0016】請求項6の発明は、運搬対象が、車椅子に
乗った人、乳母車に乗った乳幼児、又は傾いたら困る荷
物である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のエスカ
レータ用台車である。
【0017】本発明によれば、底板の下面に前輪及び後
輪を有し、エスカレータの可動段上に乗せて運搬対象を
搬送するためのエスカレータ用台車の前輪近傍及び後輪
近傍にそれぞれ、または前輪近傍ないし後輪近傍のいず
れかに伸縮機構を取り付け、該伸縮機構の働きにより前
記運搬対象の水平状態を維持しながらエスカレータで搬
送可能に構成したことにより、既存のエスカレータを何
ら改造することなく、一般の人と一緒にエスカレータに
乗れ、車椅子の使用者の活動範囲が広がり、バリヤフリ
ー社会の実現に貢献できるものである。
【0018】また、本発明のエスカレータ用台車は、好
適には、上りのエスカレータでは後輪近傍に取り付けた
伸縮機構を作動させて台車の後輪側を上昇させる一方、
下りのエスカレータでは前輪近傍に取り付けた伸縮機構
を作動させて台車の前輪側を上昇させるように構成する
ことにより、上りエスカレータ及び下りエスカレータの
いずれにも制限なく使用できるものである。
【0019】一方、費用の低減化、機材重量の低下の観
点からは、台車の前輪近傍及び後輪近傍にそれぞれ伸縮
機構を取り付ける代わりに、前輪近傍ないし後輪近傍の
いずれかに伸縮機構を取り付けることも可能である。こ
の場合、上りのエスカレータでは後輪近傍に取り付けた
伸縮機構を作動させて台車の後輪側を上昇させる一方、
下りのエスカレータでは台車の進行方向を逆にし、後輪
近傍に取り付けた伸縮機構を作動させて台車の後輪側
(進行方向前側)を上昇させることで目的が達せられ
る。なお、下りのエスカレータでは前輪近傍に取り付け
た伸縮機構を作動させて台車の前輪側を上昇させる一
方、上りのエスカレータでは台車の進行方向を逆にし、
前輪近傍に取り付けた伸縮機構を作動させて台車の前輪
側(進行方向前側)を上昇させることも実質的には変わ
りがないため、以降の文中では、「前輪近傍ないし後輪
近傍のいずれかに伸縮機構を取り付ける」場合において
は、「後輪近傍に伸縮機構を取り付ける」ことで説明を
代表させる。
【0020】また、好ましくは、エスカレータ用台車の
伸縮機構として、電動テーブルリフター、電動油圧多段
シリンダ式ジャッキ、空圧多段シリンダ式ジャッキ及び
電動パンタグラフ式ジャッキから選ばれるいずれかを採
用し、更に必要に応じて伸縮機構の伸縮速度が、使用さ
れるエスカレータの昇降速度に合わせて調節することが
可能な制御装置をするように構成することにより、操作
性及び利便性が向上し、安全性がより高まるものであ
る。
【0021】従って、本発明によれば、常に水平状態を
維持した状態で、車椅子に乗った人、乳母車に乗った乳
幼児、又は傾いたら困る荷物等の運搬対象を既存のエス
カレータを改良することなく安全かつスムーズに搬送す
ることができ、車椅子の使用者は駅、空港、学校、市役
所、図書館、デパート等において一般の人と一緒にエス
カレータに乗れ、高齢者や身体障害者に優しいバリヤフ
リー社会の実現に寄与し得るものである。
【0022】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、本発明について
図面を参照して更に詳しく説明する。図1は、本発明の
一実施態様に係るエスカレータ用台車10を用いて人間
が乗車した車椅子を上りのエスカレータ(下階フロアか
ら上階フロアに移動するエスカレータ)で搬送する状態
を示す概略側面図、図2は、同エスカレータ用台車10
に人間が乗車した車椅子を下りのエスカレータ(上階フ
ロアから下階フロアに移動するエスカレータ)で搬送す
る状態を示す概略側面図である。
【0023】前記エスカレータ用台車10は、図1,2
に示したように、底板3の下面に前輪4及び後輪5を有
し、エスカレータの可動段7上に乗せて運搬対象8を搬
送可能なものであり、前記前輪4近傍及び後輪5近傍に
それぞれ伸縮機構1,1を取り付け、該伸縮機構1の働
きにより前記運搬対象8の水平状態を維持しながらエス
カレータで搬送可能に構成したものである。なお、前輪
4、4は各々回動自在に底板に取り付けられている。
【0024】なお、前記エスカレータ用台車の底板3の
幅は、エスカレータの横幅に合わせて適宜調整される。
また、底板の長さはエスカレータの可動段の少なくとも
3個分を有するように形成されている。更に、伸縮機構
1は、エスカレータの可動段から外れないように、エス
カレータの種類に合わせて位置を調整して底板前輪近傍
及び後輪近傍、または底板前輪近傍ないし後輪近傍に取
り付けられている。
【0025】図1,2中、9は底板の四隅に取り付けら
れた支柱であり、この支柱9には補助者が掴むことがで
きる取手(図示せず)を設けても構わない。更に、図示
を省略しているが、支柱9に略半円リング状の固定バー
(図示せず)を上下動可能に取り付けて車椅子に乗った
人を固定できるように構成することもできる。
【0026】前記伸縮機構1としては、伸縮機構の最大
縮小時に前後輪が地上に接地することを妨げず、またエ
スカレータの各可動段の昇降速度以上の速さで伸縮可能
であれば、特に制限されるものではないが、電動テーブ
ルリフター、電動油圧多段シリンダ式ジャッキ、空圧多
段シリンダ式ジャッキ及び電動パンタグラフ式ジャッキ
から選ばれるいずれかを用いることが好ましい。
【0027】本発明のエスカレータ用台車は、上りのエ
スカレータでは後輪近傍に取り付けた伸縮機構を作動さ
せて台車の後輪側を上昇させる一方、下りのエスカレー
タでは前輪近傍に取り付けた伸縮機構を作動させて台車
の前輪側を上昇させるように構成することにより、図
1,2に示したように、上りのエスカレータ及び下りの
エスカレータのいずれにも対応することができる。
【0028】また、前記伸縮機構1は、使用されるエス
カレータの昇降速度に合わせてその伸縮速度を調節する
ことが可能な制御装置(図示せず)を底板3等に取り付
け、この制御装置を働かせることにより自動制御で運搬
対象の水平状態を維持しつつ運搬することが可能とな
る。なお、伸縮機構の作動は制御装置による方法に限ら
れず、車椅子の背後の補助者が手動操作で調整するもの
であっても構わない。
【0029】前記伸縮機構1の配置は、特に制限される
ものではないが、図5に示したように、台車の底板3の
前輪4近傍及び後輪5近傍に示した位置に取り付けるこ
とが好ましい。このように伸縮機構1を2個並べて取り
付けると、エスカレータの一可動段上に伸縮機構底部が
2点で支持されることにより左右方向の安定性が向上す
るものである。
【0030】前記電動テーブルリフターとしては、特に
制限されないが、図8(A)、(B)に示すような構造
のものが一般的である。図9のようにリンクの段数を増
やすことでリフターの幅に比べて伸縮高さを長く取るこ
とも出来る。
【0031】前記電動テーブルリフターの作動原理とし
ては、特に制限されないが、図9におけるシリンダ20
に収容されている基部がボール螺子構造をなしたピスト
ンロッド21が電動モーター(図示せず)により遥動
し、アーム19を押し上げ、あるいは引き下げる。ある
いは、電動ポンプ(図示せず)により作動油を送り、図
9におけるシリンダ20に収容されているピストンロッ
ド21が伝達された油圧力により遥動し、アーム19を
押し上げ、あるいは引き下げる。前記電動モーター(図
示せず)ないし電動ポンプ(図示せず)は、底板の上に
取り付けられたバッテリー(図示せず)により駆動可能
とされ、受部18が取り付けられたエスカレータ用台車
の底板が昇降可能となる。なお、リフターの基台17の
底面はエスカレータ可動段7に密着するように溝付き硬
質ゴムを貼り付けておくことが好ましい。
【0032】 なお、前記電動テーブルリフターとして
は、特開平7−101684にある、カム板及び牽引帯
を備えて、昇降速度が一定となるような機構とした昇降
装置が好適である。
【0033】 前記電動油圧多段シリンダ式ジャッキと
しては、特に制限されないが、電動ポンプの作動により
油を出し入れすることによりシリンダが伸縮する油圧シ
リンダ式ジャッキを適宜調整して用いることができる。
【0034】 前記空圧多段シリンダ式ジャッキとして
は、特に制限されないが、ハンドル操作でエアーコンプ
レッサーから空気を出し入れすることによりシリンダが
伸縮する空圧多段シリンダ式ジャッキを適宜調整して用
いることができる。
【0035】 前記電動パンタグラフ式ジャッキとして
は、特に制限されないが、図3(A),(B)に示した
ように、基台17を介して連結された一対の下アーム1
1,11と、該各下アーム11の上端に、連結軸13を
介して下端が回転自在に支持され、かつ上端相互がピン
14を介して回転自在に結合された一対の上アーム1
2,12と、これら上アーム12の上端に取り付けられ
た受部18と、前記連結軸13相互を結合し、軸心回り
の回転によって連結軸13相互を接近、離反させるネジ
軸15とを備え、該ネジ軸15に正逆可能な電動モータ
ー16を取り付けたものを好適に用いることができる。
なお、モーター16は、回転時の反動によりモーター自
体が回転しないように電動パンタグラフ式ジャッキの一
端にしっかりと固定されている。
【0036】前記電動モーター16は、底板の上に取り
付けられたバッテリー(図示せず)により駆動可能とさ
れ、受部18が取り付けられたエスカレータ用台車の底
板が昇降可能となる。なお、ジャッキの基台17の底面
はエスカレータ可動段7に密着するように溝付き硬質ゴ
ムを貼り付けておくことが好ましい。
【0037】前記電動パンタグラフ式ジャッキは、図3
(A),(B)に示したように、底板3の前輪近傍及び
後輪近傍にそれぞれ1個づつ取り付けてもよく、また、
図4(A),(B)に示したように、底板3の前輪近傍
及び後輪近傍にそれぞれ2個並べて取り付けても構わな
い。
【0038】また、モーターをジャッキに固定しない場
合には、図6(A),(B)に示したように、2個のモ
ーター16aと16bとを結合し、これらモーターを作
動させてネジ軸15a,15bを互いに逆方向に回転さ
せることにより、モーターにかかる反作用を打ち消しつ
つ、ネジ軸を回転させて、ジャッキアップさせることが
できる。
【0039】図7は、別の伸縮機構1に係るパンタグラ
フ式ジャッキを示す正面図である。この電動パンタグラ
フ式ジャッキは、基台17を介して連結された一対の下
側アーム11,11からなる下部リンク機構と、上記基
台17と対向配置し、エスカレータ用台車の底板に取り
付けられる受け座18を介して連結された一対の上側ア
ーム12,12からなる上部リンク機構とを、対向配置
した二つの連結部13,13を介してパンタグラフ状に
連結し、上記二つの連結部における一方の連結部13に
対し、内径面に雌ネジが形成された筒部材15aを設け
ると共に、他方の連結部13に対し、軸回転自由且つ軸
方向への移動を拘束した状態でネジ棒15bの一端部側
を支持させ、このネジ棒15bの他端部側を上記筒部材
15aに螺合してネジ部15を構成する。前記ネジ部1
5をモーター16を作動させて回転させることにより、
上記二つの連結部間が接近・離隔し、エスカレータ用台
車が昇降可能に構成したものである。なお、モーター1
6は、回転時の反動によりモーター自体が回転しないよ
うに電動パンタグラフ式ジャッキにしっかりと固定され
ている。
【0040】この図7に示した電動パンタグラフ式ジャ
ッキは、ネジ部15を設けることにより、筒部材が一方
の連結部に案内されて相対移動可能となっているため、
ネジ棒15bの長さを短くすることができ、ジャッキア
ップ側にストロークした状態としても、ネジ棒が一方の
連結部から外方に張り出すことが回避され、邪魔になら
ず、余分な場所をとらないものである。
【0041】また、前記電動パンタグラフ式ジャッキに
おいて、ジャッキアップした時の高さが足りない場合に
は、前記電動パンタグラフ式ジャッキを複数段に組み立
てることにより、必要とするジャッキアップ時の高さを
得ることも可能である。
【0042】次に、本発明のエスカレータ用台車を用い
て車椅子に乗った人をエスカレータで搬送する方法につ
いて説明する。まず、上りのエスカレータ(下階フロア
から上階フロアに移動するエスカレータ)では、補助者
は、図示を省略しているが、床に台車を停止させ、車椅
子搭載部の搭載面と床間に渡し板を渡して車椅子を後ろ
向きにして車椅子搭載部に乗せて台車をエスカレータの
図示しない下階フロアの乗り口へ移動させる。そして、
図1に示したように、エスカレータの可動段上にエスカ
レータ用台車を乗せて、可動段が階段状に上昇するに伴
って、この可動段の上昇に合わせて台車の後輪近傍に取
り付けた伸縮機構が作動して台車の後輪側が上昇し、車
椅子の水平状態を保った状態で一定のスピードでスムー
ズに搬送される。
【0043】また、エスカレータが上昇し上階フロアに
近づくにつれて、エスカレータの可動段は徐々に降下し
て水平になっていくので、この動きに合わせて伸縮機構
が作動して台車の後輪側が降下し、車椅子の水平状態を
保った状態で上階フロアまで車椅子に乗った人を搬送す
ることができる。この場合、伸縮機構としては、上記電
動テーブルリフター、電動油圧多段シリンダ式ジャッ
キ、空圧多段シリンダ式ジャッキ及び電動パンタグラフ
式ジャッキから選ばれるいずれかを用いることが好まし
い。
【0044】一方、下りのエスカレータ(上階フロアか
ら下階フロアに移動するエスカレータ)では、図2に示
したように、可動段の降下に合わせてエスカレータ用台
車の前輪近傍に取り付けた伸縮機構が作動して台車の前
輪側が上昇し、車椅子の水平状態を保った状態で一定の
スピードでスムーズに搬送される。エスカレータが降下
し下階フロアに近づくにつれて、エスカレータの可動段
は徐々に上昇して水平になっていくので、この動きに合
わせて伸縮機構が作動して台車の前輪側が降下し、車椅
子の水平状態を保った状態で下階フロアまで車椅子に乗
った人を搬送することができる。
【0045】なお、台車の伸縮機構の作動は、補助者の
手動操作で行ってもよく、また、台車に取り付けた伸縮
速度制御装置による自動制御方法であっても構わない。
【0046】また、伸縮機構を前輪近傍ないし後輪近傍
のいずれかに取り付けた場合に本発明のエスカレータ用
台車を用いて車椅子に乗った人をエスカレータで搬送す
る方法について説明する。ここでは後輪近傍に伸縮機構
を取り付けた場合で説明を代表させる。
【0047】上りのエスカレータでは、台車の前輪近傍
及び後輪近傍にそれぞれ伸縮機構を取り付ける場合と同
じであるため、説明は省略する。
【0048】一方、下りのエスカレータ(上階フロアか
ら下階フロアに移動するエスカレータ)では、台車の進
行方向を逆にし、可動段の降下に合わせてエスカレータ
用台車の後輪近傍に取り付けた伸縮機構が作動して台車
の後輪側(進行方向前側)が上昇し、車椅子の水平状態
を保った状態で一定のスピードでスムーズに搬送され
る。エスカレータが降下し下階フロアに近づくにつれ
て、エスカレータの可動段は徐々に上昇して水平になっ
ていくので、この動きに合わせて伸縮機構が作動して台
車の後輪側(進行方向前側)が降下し、車椅子の水平状
態を保った状態で下階フロアまで車椅子に乗った人を搬
送することができる。
【0049】本発明のエスカレータ用台車は、駅、空
港、学校、市役所、図書館、デパート等に設置されたエ
スカレータで、車椅子に乗った人、乳母車に乗せた乳幼
児、エスカレータで搬送する際に傾いたり、倒れると商
品価値が損なわれてしまうような傾いたら困る荷物など
を搬送するのに好適に用いることができるものである
が、特に制限されず、通常の荷物の搬送に用いることも
勿論可能である。
【0050】以上、本発明のエスカレータ用台車の一実
施形態について詳細に説明したが、本発明は、前記実施
の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々変更しても差し支えない。例えば、台車の底板の前
輪近傍及び後輪近傍にそれぞれ取り付けた伸縮機構を同
時に作動させれば、トラックの高い荷台などへの重い荷
物の積み下ろし・積み込み用の昇降用台車とすることも
可能である。同様に、車椅子使用者を車椅子ごと自動車
に乗り込ませるのには従来リフター付きの特殊な仕様の
自動車が用いられてきたが、本発明を用いればリフター
無しの普通の自動車に乗り込ませることが可能になる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
伸縮機構として、電動テーブルリフター、電動油圧多段
シリンダ式ジャッキ、空圧多段シリンダ式ジャッキ及び
電動パンタグラフ式ジャッキから選ばれるいずれかを採
用したエスカレータ用台車により、常に水平状態を維持
した状態で、安全かつスムーズに車椅子に乗った人、乳
母車に乗せた乳幼児、傾いたら困る荷物等の運搬対象を
既存のエスカレータを改良することなく安全かつスムー
ズに搬送することができるという効果がある。
【0052】また、本発明のエスカレータ用台車は、上
りエスカレータ及び下りエスカレータのいずれにも対応
することができ、車椅子の使用者が駅、空港、学校、市
役所、図書館、デパート等において一般の人と一緒にエ
スカレータに乗ることが可能となり、高齢者や身体障害
者に優しいバリヤフリー社会の実現に寄与することがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施態様に係るエスカレー
タ用台車を示す概略側面図である。
【図2】図2は、同エスカレータ用台車を示す概略側面
図である。
【図3】図3(A),(B)は、本発明の伸縮機構の一
例に係る電動パンタグラフ式ジャッキを示す側面図であ
る。
【図4】図4(A),(B)は、同電動パンタグラフ式
ジャッキを示す側面図である。
【図5】図5は、台車の底板に伸縮機構を2個並べて取
り付けた状態を示す底面図である。
【図6】図6は、電動パンタグラフ式ジャッキを2個取
り付ける場合を示す側面図である。
【図7】図7は、別の電動パンタグラフ式ジャッキを示
す側面図である。
【図8】図8は、本発明の伸縮機構の一例に係る電動テ
ーブルリフターの動作原理を示す説明図である。
【図9】図9は、同電動テーブルリフターを示す側面図
である。
【符号の説明】
1 伸縮機構 3 底板 4 前輪 5 後輪 6 車椅子 7 エスカレータ可動段 8 運搬対象 9 支柱 10 エスカレータ用台車 11 下アーム 12 上アーム 13 連結軸 14 ピン 15 ネジ棒 15a ネジ棒 15b ネジ棒 15c 筒部材 15d ネジ棒 16 モーター 16a モーター 16b モーター 17 基台 18 受部 19 アーム 20 シリンダ 21 ピストンロッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底板の下面に前輪及び後輪を有し、エス
    カレータの可動段上に乗せて運搬対象を搬送するための
    エスカレータ用台車であって、 前記前輪近傍及び後輪近傍にそれぞれ、または前輪近傍
    ないし後輪近傍のいずれかに伸縮機構を取り付け、該伸
    縮機構の働きにより前記運搬対象の水平状態を維持しな
    がらエスカレータで搬送可能に構成したことを特徴とす
    るエスカレータ用台車。
  2. 【請求項2】 上りのエスカレータでは後輪近傍に取り
    付けた伸縮機構を作動させて台車の後輪側を上昇させる
    一方、下りのエスカレータでは前輪近傍に取り付けた伸
    縮機構を作動させて台車の前輪側を上昇させるように構
    成した請求項1に記載のエスカレータ用台車。
  3. 【請求項3】 上りのエスカレータでは後輪近傍に取り
    付けた伸縮機構を作動させて台車の後輪側を上昇させる
    一方、下りのエスカレータでは台車の進行方向を逆に
    し、後輪近傍に取り付けた伸縮機構を作動させて台車の
    後輪側(進行方向前側)を上昇させるように構成した請
    求項1に記載のエスカレータ用台車。
  4. 【請求項4】 前記伸縮機構の伸縮速度が、使用される
    エスカレータの昇降速度に合わせて調節することが可能
    な制御装置を有した請求項1、2又は3に記載のエスカ
    レータ用台車。
  5. 【請求項5】 前記伸縮機構が、電動テーブルリフタ
    ー、電動油圧多段シリンダ式ジャッキ、空圧多段シリン
    ダ式ジャッキ及び電動パンタグラフ式ジャッキから選ば
    れるいずれかである請求項1乃至4のいずれか1項に記
    載のエスカレータ用台車。
  6. 【請求項6】 運搬対象が、車椅子に乗った人、乳母車
    に乗った乳幼児、又は傾いたら困る荷物である請求項1
    乃至5のいずれか1項に記載のエスカレータ用台車。
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