JP2002331585A - 円筒状印刷部材の製造方法 - Google Patents

円筒状印刷部材の製造方法

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JP2002331585A
JP2002331585A JP2001142261A JP2001142261A JP2002331585A JP 2002331585 A JP2002331585 A JP 2002331585A JP 2001142261 A JP2001142261 A JP 2001142261A JP 2001142261 A JP2001142261 A JP 2001142261A JP 2002331585 A JP2002331585 A JP 2002331585A
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photosensitive resin
heating
resin
cylindrical printing
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Tadashi Kawamoto
忠志 川本
Hitoshi Kosugi
仁司 小杉
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Asahi Kasei Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】継ぎ目のない、印刷品質の良好な円筒状印刷版
材の形成において、作業時間が短く、加熱斑が少なく、
かつ温度管理等の作業性も容易である、感光性樹脂から
なる円筒状印刷版材の継ぎ目の熱融着法を提供する。 【解決手段】高周波を用いた、誘電加熱、あるいは誘導
加熱法により、接合しようとする樹脂継ぎ部分を選択的
に非接触で感光性樹脂層の加熱を行い、円筒状印刷版材
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、フレキソ印刷に用いら
れる継ぎ目の無い円筒状、いわゆるスリーブ状印刷版を
製造する方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】通常のフレキソ印刷は特開昭55−48
744号公報や特開平5−134410号公報などに記
載されている様に、感光性エラストマー組成物を用い、
それにネガフィルムを通して画像露光し、未露光部を現
像液で洗い出すことにより製造されている。そこで得ら
れた印刷版は印刷機のシリンダーに貼り付けられ印刷に
用いられるが、印刷版上の画像を精度良く位置決めして
貼り付ける作業に長時間要しており、この作業を簡略
化、できれば省略する方法が望まれている。
【0003】また、連続的で切れ目の無い図柄、いわゆ
るシームレス図柄を印刷する場合は、シリンダーに貼り
付けられた印刷版の継ぎ目部分で図柄の連続性が損なわ
れないことが必要であるが、このため従来から板状の感
光性樹脂を印刷機の版胴や印刷機に装着するスリーブな
どに巻き付けた後、この感光性樹脂と化学的に類似の液
状樹脂或いは感光性エラストマー組成物を溶剤に溶かし
た溶液などを版の継ぎ目部分に注入し、その際に継ぎ目
に生じる接着剤の隆起を削り取るなどしてシームレス図
柄の状態にする方法がとられてきた。しかし、このよう
な作業は熟練と長時間の作業が必要な上、これらの方法
では完全に継ぎ目を無くすことが難しく、簡単に完璧な
シームレス図柄を有する円筒状印刷版を得る方法が望ま
れていたのである。
【0004】「シームレス」という語句は、印刷部材の
感光性エラストマー層が境界または継ぎ目などの線が認
められない連続体を形成し、印刷品質に影響する欠陥が
印刷面に顕れないことを意味する。完全に継ぎ目のない
スリーブ状印刷版を作製する方法としては、シーメック
ス(Seamex)プロセスに代表されるように板状感
光性樹脂をスリーブに巻き付けた後、該感光性樹脂の軟
化温度以上に加温して継ぎ目を熱融着させ、ついでグラ
インダーで表面を研磨することで精度のよい継ぎ目のな
い感光性樹脂層を得る方法が提案されている。一般的に
はスリーブ上に、粘着性テープまたは接着剤を介し板状
感光性樹脂層をプラスチックまたはシュリンクフィルム
と共に巻き付けた後、ヒーターなどにより加熱すること
により、感光性樹脂層の端部同志を接合させる。
【0005】この後、特開平8−305030号公報や
特開平9−166875号公報などに記載されている、
感光性樹脂表面に赤外線レーザーによる切除が可能で、
非赤外線を遮蔽する性質を有する赤外線感受性層を感光
性樹脂層上に設け、赤外線レーザーで描画することで画
像マスクを形成し、ついでこのマスクを通して画像露光
する。画像露光の後、該感光性樹脂層は活性光線により
光重合し、それにより感光性樹脂の露光された領域で光
重合による樹脂の不溶化が生じる。感光性樹脂の未露光
領域は、溶媒で現像することにより除去され、表面にレ
リーフ画像を有するスリーブ状印刷版が完成する。
【0006】しかしながら、この方法では、感光性樹脂
層の熱融着過程における加熱操作が煩雑で作業性に劣る
という問題があった。すなわち、加熱は、該樹脂層が軟
化するに充分な程度まで行う必要があるが、加熱しすぎ
ると樹脂が流れ出したり、樹脂層内部に気泡が発生し
て、グラインダーで樹脂表面を研磨する際、研磨代を多
く必要としたり目標の樹脂厚みが得られなくなるという
問題が発生する。一方、加熱が不足した場合は、接合部
が融着せず継ぎ目が残る。
【0007】更にスリーブがニッケルなどの金属製の場
合、該樹脂層を融着させる加熱に耐えることができる
が、高分子フィルムやガラス繊維強化プラスチックなど
で構成されるスリーブの中には、熱に弱く変形なしに加
熱に耐えることが難しいものがある。このように、加熱
工程の確実性と安定化は、継ぎ目のないスリーブ状印刷
版の生産性を左右する極めて重要な要因であると言え
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題を解決し、感光性樹脂層または熱可塑性エラ
ストマー層からなる印刷用部材の端部同士の接合を、樹
脂層全体の変形、スリーブの熱変形を防止しつつ、しか
も短時間に行うことができる、生産性の高い円筒状印刷
版材の製造方法及び装置を提供することを課題とするも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は継ぎ目のない円
筒状印刷版材製造工程において、感光性樹脂層または熱
可塑性エラストマー層を使用した印刷用部材の端部同士
の接合を、従来の抵抗加熱ヒーターを用いたオーブンな
どによるスリーブ及び印刷部材の全体加熱でなく、高周
波を用いて、接合しようとする部分及び/又は樹脂のみ
を選択的に加熱することにより該課題を解決できること
を見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明はス
リーブ上に感光性樹脂層を積層し、次いで感光性樹脂の
軟化温度以上に加熱することによって継ぎ目を融着し、
必要に応じグラインダーで感光性樹脂表面を印刷に必要
な厚みになるまで研磨した後、画像露光、未露光部の現
像により継ぎ目の無い印刷版を得る方法において、継ぎ
目を融着する際に高周波電磁界に基づく発熱作用を利用
することを特徴とする継ぎ目のない感光性樹脂スリーブ
印刷版の製造方法を提供するものである。
【0010】
【発明実施の形態】本発明で用いられるスリーブは、フ
レキソ印刷用スリーブとして一般に使用されているもの
であればよく、例えばニッケルスリーブ、プラスチック
スリーブ、グラスファイバースリーブや高分子フィルム
スリーブなどを用いることができる。また必要に応じて
スリーブ上にウレタンフォームなどのクッション層を設
け、感光性樹脂層または熱可塑性エラストマー層を積層
して用いることができる。またスリーブ、クッション
材、感光性樹脂層または熱可塑性エラストマー層などの
間には公開特許公報59−114099に記載されてい
る通気機構を有したプラスチック繊維のマルチフィラメ
ント層や粘着テープまたは接着剤を介して巻き付ける方
法は、上記各層の接合強度を向上させるためには好まし
い方法である。本発明において用いる感光性組成物は、
フレキソ印刷版用として公知のものが使用できる。一般
的にはバインダーポリマーと可塑剤、すくなくとも一種
のエチレン性不飽和モノマーと光開始剤を構成成分とす
る組成物が用いられる。更に、この感光性樹脂層に要求
される特性に応じて増感剤、熱重合禁止剤、可塑剤、着
色剤などの添加剤を含むことができる。
【0011】バインダーポリマーとしては、例えばモノ
ビニル置換芳香族炭化水素モノマーと共役ジエンモノマ
ーを重合して得られる熱可塑性エラストマーが用いられ
る。モノビニル置換芳香族炭化水素モノマーとしては、
スチレン、α―メチルスチレン、p―メチルスチレン、
p―メトキシスチレン等が、また共役ジエンモノマーと
してはブタジエン、イソプレン等があげられる。具体例
としてはスチレンーブタジエンースチレンブロック共重
合体や、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重
合体などをあげることができる。
【0012】可塑剤はバインダーポリマーに可塑性すな
わち軟粘性を与えて、他の配合剤の分散性を改善すると
共に、成型流動性や皮膜形成特性を調節するのに用いら
れる。好適な可塑剤としては、脂肪族炭化水素油(例え
ばナフテン酸及びパラフィン油)、液状ポリブタジェ
ン、同ポリイソプレン、ポリテルペン樹脂などが上げら
れる。少なくとも一種のエチレン性不飽和モノマーとし
ては、バインダーポリマーと相溶性のあるもので、例え
ばt−ブチルアルコールやラウリルアルコールなどのア
ルコールとアクリル酸、メタクリル酸とのエステル、或
いはラウリルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、
ベンジルマレイミドなどのマレイミド誘導体、又はジオ
クチルフマレートなどのアルコールとフマール酸のエス
テル、さらにはヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ナノジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの多価アル
コールとアクリル酸、メタアクリル酸とのエステルなど
を挙げることができる。
【0013】光開始剤としては、ベンゾフェノンのよう
な芳香族ケトン類やベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、α―メチロールベンゾインメチルエーテル、α―メ
トキシベンゾインメチルエーテル、2、2―ジエトキシ
フェニルアセトフェノン等のベンゾインエーテル類など
公知の光重合開始剤の中から選択し、また組み合わせて
使用される。感光性樹脂層はさまざまな方法で調製する
ことができる。例えば配合される原料を適当な溶媒、例
えばクロロホルム、テトラクロルエチレン、メチルエチ
ルケトン、トルエン等溶剤に溶解させて混合し、型枠の
中に流し込み溶剤を蒸発させ、そのまま板状にすること
ができる。また溶剤を用いず、ニーダー或いはロールミ
ルで混練し、押し出し機、射出成型機、プレスなどによ
り所望の厚さの板に成型することができる。
【0014】本発明において用いる印刷部材としての樹
脂組成物は、感光性を有しない熱可塑性エラストマーを
含有するものであってもよい。本発明の熱可塑性エラス
トマー材料としては天然ゴム、フルオロエラストマー、
SBR(スチレンブタジェンゴム)、SIS(スチレン
−イソプレン−スチレンゴム)、ブチルゴム、ネオプレ
ン、ニトリルゴム、ポリウレタン、クロロプレンなど、
またはそれらの混合物を主成分として構成されるもの
で、可塑剤や不飽和モノマー、加硫剤などと組み合わせ
て使用される。本発明では硬化前の熱可塑性を有する状
態で使用されるものである。感光性樹脂シートや熱可塑
性エラストマーのシートをスリーブに巻き付けるにあた
っては、該シートの端部同士に隙間ができないよう、正
確にシートを切断して用いることが好ましい。また、ス
リーブ表面に粘着テープや接着剤を予め塗布しておくこ
とは、スリーブと該シートの接合強度を向上するために
は好ましい方法である。
【0015】スリーブに巻き付けた後、感光性樹脂また
は熱可塑性エラストマーの軟化温度以上に加熱して、該
シートの端部同士を融着接着させる。加熱は、高周波加
熱方式を用いる。高周波電磁界に基づく発熱作用を利用
して物体を加熱する高周波加熱には、誘電加熱と、誘導
加熱の2通りの方式があり、誘電加熱では、被加熱物体
である誘電体に高周波電磁界を与え、その際に生じる誘
電体損失により熱が発生する。誘導加熱においては、被
加熱物体である導電体近くに高周波電流を流すことによ
り形成された誘電磁界が、電磁誘導により導電体内に電
圧を誘起し、さらにこの誘起電圧により導電体中に誘起
された渦電流に起因するジュール熱により導電体自身が
加熱される。ここで言う高周波電磁界とは周波数1Kヘ
ルツから3Gヘルツの周波数帯を指すが、実用的には前
者の誘電加熱では1Mヘルツから40Mヘルツが、後者
の誘導加熱では50Kヘルツから500Kヘルツが一般
的に使用される。また高周波出力としては50Wから2
0KWのものが用いられている。
【0016】これらの高周波電磁界を用いた加熱法は、
抵抗ヒーターや赤外・遠赤外線などの熱源と比べ熱効率
が良く、急速加熱が可能で、且つ均一加熱や局部加熱が
非接触でできるばかりでなく、コンピューター制御を導
入しやすく制御性に優れるなどの特徴がある。更に誘電
加熱では誘電体内部が一様に発熱するため、加熱が均一
に行える。本発明で使用される感光性樹脂や熱可塑性エ
ラストマーのような熱伝導性の低い材料でも内部発熱で
あるため、外部加熱のように外部がこげる程熱くなって
も内部の温度がそれ程上がらないような問題は解消で
き、本発明のような厚みのある当該材料の継ぎ目部分を
融着させるには極めて有用な加熱方式と言える。
【0017】本発明の高周波加熱における加熱用電極と
しては、被加熱材料に対し対抗又は並行に配置した電極
が望ましく、スリーブに巻き付けられた感光性樹脂層ま
たは熱可塑性エラストマー層の接合部に沿って選択的に
加熱するのに都合がよい。加熱時間は、通常数十秒から
5分程度で、感光性樹脂または熱可塑性エラストマーの
軟化状態に応じ、端部同士が融着することを目安に決め
られる。次いででカレンダーロールまたはグラインダー
で樹脂表面を研磨して継ぎ目を完全に無くすと同時に印
刷に要求される所定の厚みと精度に仕上げる。
【0018】感光性樹脂の画像露光は、予め所望の画像
を有するネガフィルムを樹脂表面に密着させ、活性光線
で露光する。もっとも好ましい活性光線は紫外線であ
る。この工程で使用される紫外線光源としては、高圧水
銀灯、紫外線蛍光灯、カーボンアーク灯、キセノンラン
プ、太陽光などがあるが、最も好適な光源は、350〜
370ナノメートルの発光中央波長を有する紫外線蛍光
灯である。紫外線を画像面から露光することにより所望
のレリーフ像を得ることができる。
【0019】また、本発明では、上記工程におけるネガ
フィルムを用いる代わりに、特開平11−073017
に記載されているように、グラインダー研磨終了後の感
光性樹脂表面に赤外線感受層を設け、赤外線レーザー描
画により当該感受層の一部を焼き飛ばして画像マスクを
形成し、さらに焼き飛ばされた当該感受層部を通しての
画像露光を行う方法を応用することもできる。この工程
で使用される赤外線レーザーとしては波長が750〜2
000ナノメートルのものを用いることができる。この
タイプの赤外線レーザーとしては750〜880ナノメ
ートルの半導体レーザーや1064ナノメートルのNd
―YAGレーザーが一般的である。
【0020】感光性樹脂層に紫外線を照射して画像を形
成させた後、感光性樹脂層の未露光部を洗い出すのに用
いられる現像溶剤としては、感光性樹脂層を溶解する性
質を持つものであればいずれも可能であるが、例えばへ
プチルアセテート、3―メトキシブチルアセテート等の
エステル類、石油留分、トルエン、デカリン等の炭化水
素類、テトラクロルエチレンなどの塩素系溶剤等が用い
られる。またこれらの溶剤にプロパノール、ブタノー
ル、ペンタノール等のアルコール類を混合したものも用
いることも可能である。未露光部の洗い出しはノズルか
らの現像液噴射によって、またはブラシによるブラッシ
ングで実施される。得られた印刷版はリンス洗浄し、乾
燥後に後露光や粘着性除去のための表面処理を実施して
仕上げを行う。
【0021】尚、本発明において、熱可塑性エラストマ
ー組成物を含有する感光性樹脂組成物からなる板状印刷
版を用いた場合、前述の方法により、板状印刷版を製版
装置上のスリーブ上で、高周波融着を用いて継ぎ目のな
い円筒状印刷版材に加工した後、レーザー、例えば炭酸
ガスレーザー照射により、非画像部を熱分解・除去し画
像を彫刻することで継ぎ目のないスリーブ状印刷版材を
得ることもできる。レーザーによる画像形成工程の後、
必要に応じて熱可塑性エラストマーの表面に付着した焼
成物を除去するためのリンス洗浄や熱や活性光線による
後硬化処理を実施して仕上げを行う。以下に本発明の実
施の形態を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0022】
【実施例1】外周461.15mm、長さ1250mm
のニッケルスリーブ外面に接着剤メガム3370(商品
名、ケンタール社(独)製)をウエットの塗工量100
g/m2で均一にスプレー塗布し、60℃で15分間乾
燥した。その後、その上からメガム11658(商品
名、ケンタール社(独)製)をウエットの塗工量100
g/m2で均一にスプレー塗布による重ね塗りして60
℃で15分間乾燥させた。これにTGIストッキング
(商品名、アンダーソン・アンド・ブリーランド社(和
蘭)製)を繊維の重なりがないように引き伸ばしながら
被せた。
【0023】フレキソ印刷用感光性樹脂固体版AFP/
HD―11(商品名、旭化成(株)製、版厚3.18m
m、サイズ762mmX1016mm)の短い辺を切っ
て、461.15mmX1016mmの大きさとした。
次に、このシートのスリップ層のある面とは反対側にあ
る支持体フィルムを剥がしてから、バック露光機(アン
ダーソン・アンド・ブリーランド(和蘭)製)にてバッ
ク露光を35秒実施した。バック露光を終えた後、先に
剥がした支持体フィルムをゴミが付かないように再貼付
した。
【0024】ニッケルスリーブ表面に接着剤及びTGI
ストッキングが配置されたスリーブに、ウレタン樹脂系
接着剤KU822S(商品名、コニシ株式会社)をウエ
ットの塗工量200g/m2で前述のスリーブ上に均一
にスプレーで塗布した。その後、次の感光性樹脂シート
の巻付けを行うためにニッケルスリーブの両端にアルミ
フランジをセットし、圧気をかけた。バック露光工程を
終えた前記樹脂シートに再貼付された支持体フィルムを
再度剥離除去し、前述のスリーブ上にフィルムを除去し
た面を下にして、461.15mmに切断した辺を円周
方向として弛みなく巻き付けたところ、スリーブ上で樹
脂シートの両端部間にわずかな間隙を生じた。この間隙
の上から、50mm幅の片面粘着テープを、間隙(スリ
ーブ幅)方向に沿ってほぼ等間隔に5カ所、樹脂シート
両端部を互いに引き寄せるようにしながら樹脂シートに
貼り付けることにより、上記、間隙部をなくして樹脂シ
ートをスリーブに固定した。
【0025】その後、感光性樹脂シートの表面に配置さ
れているフィルムを、そのスリーブ両端部に対応する位
置からそれぞれ約10mm幅でスリーブ円周方向にカッタ
ーで切り剥ぎ取った。先に剥がした支持体フィルムと同
じ材質のフィルムを130mm幅、480mmの長さで
2枚予め準備し、スリーブ上に固定した樹脂版シートの
前記フィルムカットにより露出した樹脂部を持ち上げ、
先の2枚のフィルムを、スリーブ端部から、樹脂シート
面とスリーブ面の接着剤塗布面間に生じた間隙に差し込
むようにしながらスリーブ上に巻き付けた。
【0026】次いで、樹脂シートのスリーブ端部に位置
する個所で、片面粘着テープを用いて、樹脂シートが貼
り付けられたスリーブ、フィルム、及び真空ラインの一
部であるアルミフランジ部が一体となるように、前記巻
き付けたフィルム端部及びスリーブ円周方向をシールし
た。次に樹脂シートとスリーブ面間に差し込んだフィル
ムとスリーブ間より−0.8バールの真空圧になるよう
にアルミフランジの真空ラインから真空引きし、感光性
樹脂シートとスリーブの間を密着させた状態にした。こ
のあと、スリーブ内の圧力を抜き、真空ラインを閉じ
て、室温下一夜放置した。
【0027】翌日、当該スリーブの継ぎ部の高周波誘導
加熱法による融着処理を行った。高周波誘導加熱法で
は、高周波発信器には型式UH−5K(精電舎電子工業
製)を用い周波数400Kヘルツ、出力5KWで行っ
た。加熱コイルは銅パイプで作られており、銅パイプに
は冷却水を6L/分の量で流した。特殊な磁性体で作ら
れたステンレス鋼のブロックを加熱コイルで挟み、本実
施例の発熱体として使用した。この加熱部となる発熱体
ブロックの先端表面は、平坦で奥行き30mm、幅50
mmの大きさを持ち、表面温度が500℃になるよう予
め電流量を調整した。
【0028】この加熱用発熱体表面と前述の感光性樹脂
シートの継ぎ面との間隔は2mmになるように配置し、
発熱体ブロックを、その中心が接合面になるように幅方
向に沿ってゆっくり移動させながら融着した。約470
mmの継ぎ長に対し処理時間が2分、3分、4分となる
よう、それぞれの処理速度を変化させながら処理したと
ころ、処理時間3分以上の場合は、感光性樹脂シートの
継ぎ目が殆ど見えなくなった。また、処理時間3分のも
のの加熱融着処理後の感光性樹脂スリーブの内面温度は
手で触れるには熱い程度で、プラスチック製スリーブ上
でも問題なく使用できた。
【0029】上記、加熱処理時間を変えて作った前述の
感光性樹脂スリーブは、一夜放置後グラインダー型式S
A6/2UX200(シュライフ・マシーネンベルク社
(独)製)にセットし、感光性樹脂の外周長が480m
mになるまで研磨した。次いで、グラビアシリンダーへ
の感光液塗工法としてよく知られた手法に準じて、研磨
後の各スリーブ表面に、リングコーターを使って赤外線
感受性層を塗工した。赤外線感受性層には合成ゴムとカ
ーボンブラックからなる溶液XBL−960(商品名、
旭化成製)を使用した。感光性樹脂スリーブの表面には
均一な赤外線感受性層を得ることができ、その状態で5
時間室温下乾燥させた。
【0030】赤外線感受性層をコーティングした前述の
それぞれの感光性樹脂スリーブを用い、YAGレーザー
を光源とするレーザーセッターで150線/インチ網点
を含む画像データを描画したところ、当該画像データを
忠実に再現した赤外線感受性層のマスクを形成すること
ができた。この感光性樹脂スリーブ表面に370nmに
主波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、UV強度12m
w/cm2、8,000mJの露光量下で、紫外線照射
した後、ソルベッソ150(商品名、エクソン化学社
製、芳香族炭化水素/ベンジルアルコール=4:1(体
積)の混合溶剤を用いてブラシによる洗い出しを行っ
た。その後、60℃で2時間乾燥した後、感光性樹脂ス
リーブ面の粘着を除去するため版表面全体に前記露光光
源と254nmを主波長とする殺菌線ランプを交互に配
置した露光装置内で、15分間後露光を行った。
【0031】仕上がった感光性樹脂スリーブ版の継ぎ部
の網点150線/インチのハイライト形成状態及び樹脂
シート(ベタ)継ぎ部の状態を評価した結果を表1に示
す。従来の、ヒータを用いた加熱法により得られた印刷
版と遜色ない印刷品質が達成された。
【0032】
【比較例】感光材樹脂シートを巻き付けたスリーブを、
感光性樹脂の軟化温度と同等以上で且つプラスチック製
スリーブの熱変形が小さい、130〜150℃の温度雰
囲気下で、抵抗加熱ヒーターによる熱風オーブン内で、
15分、20分、30分間加熱すること以外は、全て実
施例1の方法に準じて、印刷版材の作成及びそれを用い
た印刷を実施した。結果を表1に示す。実施例1の印刷
版材と同程度の印刷品質を有していたが、継ぎ目の融着
には実施例1に比べ、長時間を要した。
【0033】
【表1】
【0034】
【実施例2】ニッケルスリーブ材の外面に実施例1と同
じ手順、同じ塗布方法で接着剤メガム3770及びメガ
ム11658を塗工した。次いでTGIストッキングを
その上に引き延ばしながら被せた。実施例1と同様にバ
ック露光を終えたフレキソ印刷用感光性樹脂固体版AF
P/HD−11の端面が正確に直線切りされたものを2
枚準備し、前記ストッキングが被せられたニッケルスリ
ーブ材の表面に、そのうちの一枚を感光性樹脂版シート
のスリップ層と反対側のフィルムを剥がしながら正確に
直線切りされた面をスリーブ中央に配置し、樹脂板シー
トとスリーブ面間に空気が入らないようにしながら、ス
リーブ円周方向に沿って貼り付けた。次いでもう一枚に
ついても同様にフィルムを剥がしながら直線切りされた
面が先に貼り付けた面に対抗するように貼り付けた。そ
の後、実施例1と同様に片面粘着テープでその隙間がな
くなるように引き寄せて固定した。
【0035】次いで、発振周波数40Mヘルツ、出力は
3KWの高周波ウエルダーKW−3000T(商品名:
精電舎電子工業(株)製)を用いて、高周波ウェルダー
の陽極電流値を変化させながら高周波誘電加熱による樹
脂接合を行った。樹脂の接合方法は、準備した前記樹脂
板シートの下に薄いベークライト板を配し、樹脂板シー
ト、ベークライト板を共に電極間に挟むようにして、当
該接合部が正確に上下電極間に位置するように配置し
た。通電時、上部電極は当該サンプルの表面に触れない
程度に、サンプル表面から約1mmの間隙を隔てた位置
に保持され、この状態で陽極電流値、その時の繋ぎ部の
外観状態の観察、及び処理後の樹脂表面温度、を測定し
た。この時、通電処理時間は10秒と一定にして行っ
た。
【0036】その結果は表2の通りで、陽極電流値3.
0Aでは通電時間10秒で樹脂接合部が解消する共に、
処理部分の変形も極めて小さい良好な結果が得られた。
この時、同じ電極下で樹脂のないニッケルスリーブ面の
温度は樹脂温度に比べ著しく低く、高周波誘電加熱によ
り樹脂部が選択的に加熱を行うことができると同時に、
樹脂継ぎ部の融着が極めて短時間で且つ容易に行えるこ
とが判った。
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】本発明の方法により、継ぎ目のない、高
印刷品質の円筒状感光性樹脂印刷版材を高い生産性のも
とに提供することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA02 BA05 BA20 EA02 GA03 4F211 AA13 AA45 AA47 AD05 AD08 AG07 TA01 TC09 TD07 TH02 TH06 TH18 TJ14 TJ22 TJ30 TN16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波を使った加熱融着工程を含むこと
    を特徴とする継ぎ目のない円筒状印刷部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 円筒状印刷部材が、熱可塑性エラストマ
    ー組成物からなることを特徴とする請求項1の円筒状印
    刷部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 高周波誘導加熱により加熱された金属ブ
    ロックを熱源として用いることを特徴とする円筒状印刷
    部材製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011148246A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Asahi Kasei E-Materials Corp 印刷基材、印刷原版及び印刷版の製造方法、並びに印刷基材の製造装置

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