JP2002331259A - パネル基材へのパターン形成方法および装置 - Google Patents

パネル基材へのパターン形成方法および装置

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JP2002331259A
JP2002331259A JP2001194876A JP2001194876A JP2002331259A JP 2002331259 A JP2002331259 A JP 2002331259A JP 2001194876 A JP2001194876 A JP 2001194876A JP 2001194876 A JP2001194876 A JP 2001194876A JP 2002331259 A JP2002331259 A JP 2002331259A
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pattern forming
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particles
forming material
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JP2001194876A
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Daido Komyoji
大道 光明寺
Naoko Matsuda
直子 松田
Akira Fukano
明 深野
Katsutoshi Ogawa
勝敏 小川
Akira Kumon
明 九門
Hiroyuki Naka
裕之 中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程が簡単で、しかも微細パターン形成の精
度も良い、パネル基材へのパターン形成方法および装置
並びにパターン形成方法および装置に用いるパターン形
成材粒子を提供することである。 【解決手段】 パネル基材3の表面にパターンを形成す
る方法であって、パターン形成材粒子1を帯電させ、帯
電したパターン形成材粒子に静電力を作用させてノズル
4から噴出させ、噴出させた粒子でパターンを形成して
パネル基材上に定着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PDP(プラズマ
ディスプレイパネル)や液晶パネルや有機ELパネルや
回路基板などの大型パネルを構成する基材に所望のパタ
ーンを安価に形成することができ、しかも、微細なパタ
ーンを精度良く形成できる、パネル基材へのパターン形
成方法および装置並びにパターン形成方法および装置に
用いるパターン形成材粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは、ブラウン管式の画像表示装置
に比べて、はるかに薄型になり、画像表示面が平坦であ
ることなどから、いわゆる壁掛け型の大型画像表示装置
などに有用であるとされている。
【0003】PDPの画像表示機構は、一対の透明なガ
ラス板の間に微細なセル構造を作り込み、このセル構造
でプラズマ放電を発生させてセル構造内に形成された蛍
光体層を発光させ、この発光を透明なガラス板を透過さ
せて外部に放射する。上記一対のガラス板には、互いに
交差する多数の透明な線状電極が形成されており、これ
らの線状電極の交差点でプラズマ発光させることで、任
意のパターンを有する発光画像を形成することができ
る。RGBの3原色に対応する蛍光体層を配置しておく
ことで、カラー画像を表示することができる。
【0004】ここで、PDPについて説明する。
【0005】図85に示すように、プラズマディスプレ
イパネル(PDP)は、対向する2枚の基板すなわち表
面板ガラス80と背面板ガラス89との間に局部的に放
電を発生させ、基板上に区画形成された蛍光体層85を
励起・発光させるようにしたものである。
【0006】表面板ガラス80の内面には、基板面に沿
った面放電を生じさせるための透明電極81が、ライン
毎に一対ずつ配列される。透明電極81は、それぞれが
ITO薄膜からなる幅の広い直線帯状の透明電極と金属
薄膜からなる幅の狭い直線帯状のAgのバス電極82と
から構成される。バス電極82は、適正な導電性を確保
するための補助電極である。透明電極81を被覆するよ
うに誘電体層83が設けられ、誘電体層83の表面には
MgOの保護膜84が蒸着される。誘電体層83及び保
護膜84はともに透光性を有している。
【0007】次に、背面板ガラス89の内面に、透明電
極81と直交するようにアドレス電極(データ電極)8
8が配列される。各アドレス電極88の間に、直線状の
リブつまりリブ86が1つずつ設けられる。リブ86は
低融点ガラスからなり、紫外線に対して不透明である。
これらのリブ86によって放電空間がライン方向にサブ
ピクセル(単位発光領域)毎に区画され、且つ放電空間
の間隙寸法が規定される。
【0008】そして、アドレス電極88の上部及びリブ
86の側面を含めて背面側の壁面を被覆するように、カ
ラー表示のためのR、G、Bの3色の蛍光体層85が設
けられる。マトリクス表示の1ラインには透明電極81
が対応し、1列には1本のアドレス電極88が対応す
る。そして、3列が1ピクセル(画素)に対応する。つ
まり、1ピクセルはライン方向に並ぶR、G、Bの3つ
のサブピクセルからなる。
【0009】アドレス電極88と透明電極81との間の
対向放電によって、誘電体層83における壁電荷の蓄積
状態が制御される。透明電極81に交互にサステインパ
ルスを印加すると、所定量の壁電荷が存在するサブピク
セルで面放電(主放電)が生じる。この面放電で生じた
紫外線によって、蛍光体層85は局部的に励起されて所
定色の可視光を放つ。この可視光の内、表面板ガラス8
0を透過する光が表示光となる。リブ86の配置パター
ンがいわゆるストライプパターンであることから、放電
空間の内の各列に対応した部分は、全てのラインに跨が
って列方向に連続している。各列内のサブピクセルの発
光色は同一である。
【0010】PDPを構成するガラス板表面への上記線
状電極の形成は、パネル基材が大寸法であるため、これ
まで、スクリーン印刷法やフォトエッチング法や薄膜法
により行っていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スクリーン印
刷法は微細パターンの精度が十分でなく、フォトエッチ
ング法や薄膜法は工程が多くてパターン形成が高価とな
ると言う問題があった。このような問題は、有機ELパ
ネルや液晶パネルを作る際のセル周壁形成や回路基板へ
の導体回路形成など、他の大型パネル基材へのパターン
形成でも同様であった。
【0012】特に、露光・現像を伴う工法の場合、その
廃液は、環境問題の観点から、採用できない。また、露
光機、現像機は大きく、敷地面積が大きく、設備費用が
かかる。
【0013】したがって、本発明の目的は、工程が簡単
で、しかも微細パターン形成の精度も良い、パネル基材
へのパターン形成方法および装置並びにパターン形成方
法および装置に用いるパターン形成材粒子を提供するこ
とである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下のように構成する。
【0015】本発明の第1態様によれば、パネル基材の
表面にパターンを形成する方法であって、パターン形成
材粒子を帯電させ、上記帯電したパターン形成材粒子に
静電力を作用させてノズルから噴出させてパターンを形
成し、上記パターンを上記パネル基材上に定着させるよ
うにした、パネル基材へのパターン形成方法を提供す
る。
【0016】本発明の第2態様によれば、上記帯電は、
コロナ帯電方式で行なう、第1の態様に記載のパネル基
材へのパターン形成方法を提供する。
【0017】本発明の第3態様によれば、上記パターン
を形成するとき、上記噴出するパターン形成材粒子で、
一旦、中間部材の表面にパターンを形成した後、この中
間部材上のパターンを上記パネル基材の表面に転写する
ことにより、上記パターンを上記パネル基材上に形成す
る、第1または2の態様に記載のパネル基材へのパター
ン形成方法を提供する。
【0018】本発明の第4態様によれば、上記形成した
パターンに露光現像処理を施すことをさらに含む、第1
又は2の態様に記載のパネル基材へのパターン形成方法
を提供する。
【0019】本発明の第5態様によれば、上記ノズルか
ら上記パターン形成材粒子を噴出させる前の上記パネル
基材の表面に、粘性層を形成することをさらに含む、第
1又は2の態様に記載のパネル基材へのパターン形成方
法を提供する。
【0020】本発明の第6態様によれば、上記パターン
形成材粒子が粒子本体とその表面に付着させた硬質無機
微粒子を含み、上記粒子本体が、金属、金属酸化物、セ
ラミックスおよびガラスからなる群から選ばれる1種以
上の無機材料とバインダー樹脂とを含み、上記無機材料
と上記バインダー樹脂との合計量に対する上記無機材料
の割合が30〜99重量%である配合材料から形成され
た粒径0.5〜15μmの粒子である、第1又は2の態
様に記載のパネル基材へのパターン形成方法を提供す
る。
【0021】本発明の第7態様によれば、帯電したパタ
ーン形成材粒子を供給する粒子供給部材と、上記粒子供
給部材とパネル基材の間に配置されるノズルと、上記粒
子供給部材から供給される上記パターン形成材粒子に静
電力を作用させて上記パターン形成材粒子を上記ノズル
から噴出させる噴出装置とを備えるようにした、パネル
基材へのパターン形成装置を提供する。
【0022】本発明の第8態様によれば、上記パネル基
材を保持する平坦な面を有するパネル基材保持部材を備
え、このパネル基材保持部材の平坦な面が上記パネル基
材を真空吸着するようになっている、第7の態様に記載
のパネル基材へのパターン形成装置を提供する。
【0023】本発明の第9態様によれば、上記ノズルと
上記パネル基材の間隔を検知する検知装置と、この検知
装置から得る検知情報に基づき上記ノズルと上記パネル
基材の間隔を調整する間隔調整装置と、をさらに備え
る、第7又は8の態様に記載のパネル基材へのパターン
形成装置を提供する。
【0024】本発明の第10態様によれば、上記ノズル
の開口周囲に、この開口を通過する上記パターン形成材
粒子に静電力を印加してパターン形成材粒子噴出流を集
中させる電極をも備える、第7又は8の態様に記載のパ
ネル基材へのパターン形成装置を提供する。
【0025】本発明の第11態様によれば、パターン形
成材粒子が、焼成により蒸発される樹脂材料と、この樹
脂材料内に均一に分布されて配置されてパターンを形成
する単数種類の構成材粒子から構成される、パターン形
成装置に用いるパターン形成材粒子を提供する。
【0026】本発明の第12態様によれば、複数種類の
構成材粒子が上記樹脂材料中に均一に分布された第11
の態様に記載のパターン形成装置に用いるパターン形成
材粒子を提供する。
【0027】本発明の第13態様によれば、上記構成材
粒子の直径が上記パターン形成材粒子の直径の1/5以
下である第11または12のいずれか1つの態様に記載
のパターン形成装置に用いるパターン形成材粒子を提供
する。
【0028】本発明の第14態様によれば、上記パター
ン形成材粒子の中央部に、上記構成材粒子が配置されて
周囲が上記樹脂材料で覆われた第11の態様に記載のパ
ターン形成装置に用いるパターン形成材粒子を提供す
る。
【0029】本発明の第15態様によれば、中央の構成
材粒子の外周部の上記樹脂材料中に、別種類の構成材粒
子が分散配置された第14の態様に記載のパターン形成
装置に用いるパターン形成材粒子を提供する。
【0030】本発明の第16態様によれば、構成材粒子
の外周面に、上記構成材粒子より小径の樹脂材粒子が多
数付着された第14の態様に記載のパターン形成装置に
用いるパターン形成材粒子を提供する。
【0031】本発明の第17態様によれば、上記構成材
粒子が導電材料からなり、焼成により上記パターンの電
極を形成する第11、12、14のいずれか1つの態様
に記載のパターン形成装置に用いるパターン形成材粒子
を提供する。
【0032】本発明の第18態様によれば、第11又は
14の態様に記載の上記パターン形成材粒子を帯電した
後、静電力により噴出させて上記パネル基材の表面に付
着させパターンを形成するに際して、異なる種類の構成
材粒子を含む上記パターン形成材粒子を同一部位に付着
させて焼成し、異なる構成材を混合するパターン形成材
粒子によるパターン形成方法を提供する。
【0033】本発明の第19態様によれば、第11又は
14の態様に記載のパターン形成材粒子を帯電した後、
静電力により噴出させてパネル基材の表面に付着させパ
ターンを形成するに際して、パネル基材上にパターン形
成材粒子を複数層積層し、積層する層ごとにパターン形
成材粒子に含まれる構成材粒子の種類を変えるパターン
形成材粒子によるパターン形成方法を提供する。
【0034】本発明の第20態様によれば、第11又は
14の態様に記載パターン形成材粒子を帯電した後、静
電力により噴出させてパネル基材の表面に付着させパタ
ーンを形成するに際して、パネル基材上にパターン形成
材粒子を複数層積層し、パネル基材に近い下層ほど幅が
広い裾広がりに付着させるパターン形成方法を提供す
る。
【0035】本発明の第21態様によれば、パネル基材
の表面にパターンを形成するに際して、パターン形成材
粒子を帯電させ、中間体に静電パターンを形成し、上記
形成された中間体の上記静電パターンに上記パターン形
成材粒子を付着させ、上記中間体に付着した上記パター
ン形成材粒子を上記パネル基材へ転写させ、上記転写さ
れたパターン形成材粒子を上記パネル基材上に定着さ
せ、上記転写後の上記中間体をクリーニングして、残存
したパターン形成材粒子を除去するパネル基材へのパタ
ーン形成方法を提供する。
【0036】本発明の第22態様によれば、上記パター
ン形成材粒子の帯電から上記中間体に残存したパターン
形成材粒子を除去するまでの動作を複数回繰り返して複
数のパターン形成材粒子を定着させ、上記パネル基材を
焼成して上記パネル基材上に上記パターンを形成するこ
とにより複数のパターンを一度に形成する第21の態様
に記載のパネル基材へのパターン形成方法を提供する。
【0037】本発明の第23態様によれば、上記中間体
として、板状の基材内に、パターンに沿って導電物が埋
設されたものを使用し、上記中間体に上記静電パターン
を形成するとき、上記導電物に電位を印加して上記中間
体としての上記基材の表面に上記静電パターンを形成す
る第21又は22の態様に記載のパネル基材へのパター
ン形成方法を提供する。
【0038】本発明の第24態様によれば、上記中間体
として、板状の基材の表面に、パターン化されたマスク
を有するものを使用する第21又は22の態様に記載の
パネル基材へのパターン形成方法を提供する。
【0039】本発明の第25態様によれば、上記パター
ン形成材粒子を帯電させるとき、上記パターン形成材粒
子を帯電器にて帯電させる第1の態様に記載のパネル基
材へのパターン形成方法を提供する。
【0040】本発明の第26態様によれば、上記帯電し
たパターン形成材粒子に静電力を作用させてノズルから
噴出させるとき、上記パターン形成材粒子と帯電しやす
い粒子との混合物を噴出させる第1の態様に記載のパネ
ル基材へのパターン形成方法を提供する。
【0041】本発明の第27態様によれば、上記パター
ン形成材粒子を帯電させるとき、上記パターン形成材粒
子を帯電しやすい粒子と混合し帯電させる第1の態様に
記載のパネル基材へのパターン形成方法を提供する。
【0042】本発明の第28態様によれば、上記パター
ン形成材粒子を帯電させるとき、ブレードと上記パター
ン形成材粒子の間の摩擦で、粒子を帯電させる第1の態
様に記載のパネル基材へのパターン形成方法を提供す
る。
【0043】本発明の第29態様によれば、パターン形
成材粒子を帯電させ、帯電したパターン形成材粒子に静
電力を作用させて塗布し、パネル表面に存在する導電性
の層に電圧を印加し、上記パターンをパネル基材上に定
着させること、を含む静電気を利用したパターン形成方
法を提供する。
【0044】本発明の第30態様によれば、パターン形
成材粒子を帯電させ、帯電したパターン形成材粒子に静
電力を作用させて塗布し、パネル裏面の導電性部材に電
圧を印加し、上記パターンをパネル基材上に定着させる
こと、を含む静電気を利用したパターン形成方法を提供
する。
【0045】本発明の第31態様によれば、パターン形
成材粒子を帯電させ、帯電したパターン形成材粒子に静
電力を作用させて塗布し、パネル裏面の導電性部材に電
圧を印加する印加し、パネル表面に導電性膜を形成し、
その膜に電圧を印加し、上記パターンをパネル基材上に
定着させること、を含む静電気を利用したパターン形成
方法を提供する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかる実施の形
態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0047】(第1実施形態)図1、図2は、本発明の
第1実施形態にかかる、パネル基材へのパターン形成装
置を表している。
【0048】このパターン形成装置は、パターン形成材
粒子1を担持搬送する粒子供給部材2を備えるととも
に、粒子供給部材2とパネル基材3の間に配置されるノ
ズル4をも備えている。なお、図2にはローラ形状の粒
子供給部材2を図示しているが、粒子供給部材2は、こ
れに限るものではなく、例えば、ベルト形状のものを用
いてもよい。パネル基材3はガラス板などである。ノズ
ル4は、ケース4a内に収納されていて、パターン形成
材粒子1を通過させる孔4bを持つFPC(フレキシブ
ルプリント回路基板)4cで構成されている。パターン
形成材粒子1を収納するホッパー5内には粒子供給ロー
ラ6が設けられていて、回転することによりホッパー5
内のパターン形成材粒子1を粒子供給部材2の方に送
る。担持されたパターン形成材粒子1は、粒子供給部材
2の周面上に重なって載っているが、ブレード7で擦ら
れてマイナスに帯電し、かつ、1〜3層に厚み規制され
る。ノズル4の位置に達したパターン形成材粒子1は、
粒子供給部材2側に配置された制御電極4dによる電圧
制御により、粒子供給部材2からパネル基材3の表面へ
噴出される。
【0049】ノズル4は、5層構造で構成されており、
中心層は100μm厚みのポリイミドシートであり、そ
の上下に電極の層があり、その表面を絶縁層で覆い、表
面に半導電性の膜で覆われている。半導電性言い換えれ
ば半絶縁性の膜で覆っている理由は、静電気の発生によ
りノズル4が帯電するのを防ぐことである。
【0050】孔4bは、図11に示すように、円形状で
あるが、長方形であってよい。孔4bは、寸法的には7
0から150μm程度の直径又は幅に設定されており、
エキシマレーザやプレス加工、YAGレーザ、CO
ーザ等で孔加工できる。
【0051】パネル基材3は、粒子供給部材2に対して
その表面が約+1000Vに電位がかけられている。制
御電極4dは非噴出時は、粒子供給部材2に対して−1
00〜−200Vに電位がかけられている。噴出時は、
+300Vに設定され、マイナスのパターン形成材粒子
1は、静電気力により、パネル基材3へ噴出される。パ
ターン形成材粒子1をプラスに帯電させて、印加する電
位を逆の極性に設定してもよい。
【0052】パネル基材3を帯電させるための帯電器2
1としては、例えば、コロナ帯電器や接触帯電器のよう
なパネル基材3の表面側から帯電させる方式があるほ
か、パネル基材3の裏面側から電圧を掛ける電圧発生器
20のような裏面側帯電方式もある。
【0053】ノズル孔4bの周囲には、パターン形成材
粒子1の噴出をオン・オフさせるための制御電極4dの
ほかに、偏向電極4eもパネル基材3側に埋め込まれて
おり、パターン形成材粒子1は偏向電極4eの働きで噴
出角度を調節される。このような働きをする偏向電極4
eは、通常、ノズル孔4bの周囲において制御電極4d
と対向する位置に設置されて、パターン形成材粒子1の
噴出流を前後方向や左右方向の一方向に偏向させる。一
例として、図8に示すように、パネル基材3としてPD
Pを使用してPDP用電極を上記パターン形成装置で形
成するとき、パネル端部の電極の集向部分は、ノズル4
の集向電極言い換えれば偏向電極4eにより、パターン
形成材粒子1を曲げて集向部分を作ることができる。し
かし、このような偏向制御電極4eのほかに、パターン
形成材粒子1の噴出流を集中し絞るためのリング状の偏
向電極であっても良い。
【0054】また、図9に示すように、ノズル4の孔4
bの間隔は形成すべきパターンである電極の間隔に合わ
せる。
【0055】パネル基材3は、パネル基材保持部材の一
例としてのXYステージ又はXYテーブル8上に載せら
れていて、その設置位置がXYテーブル8のX方向及び
Y方向のそれぞれへの移動可能な機能により前後左右に
変更されるようになっている。XYテーブル8のような
パネル基材3の保持部材は、パネル基材3の端部コーナ
ー部分等に、前工程に設けられたマーカー等により、そ
の位置をCCD等のカメラにて検出させ、保持位置から
ずれている場合には位置がずらされて位置合わせられ
る。
【0056】(中間シート)パターン形成材粒子1の噴
出角度の調節とパネル基材3の位置の変更を適宜に組み
合わせることにより、ノズル4から噴出するパターン形
成材粒子1は所望のパターン(図示省略)を形成するこ
とができる。このようなパターンは通常、パネル基材3
の表面上に、直接、形成されるが、後述のように、一
旦、中間体又は中間部材12に形成させておき、これを
中間部材12からパネル基材3上に転写する場合もあ
る。このような中間部材12を用いる場合は、この中間
部材12を帯電させてパターン形成材粒子1の噴出流を
作ることもできるし、その中間体の厚みが薄い場合には
裏面に電圧を印加してパターン形成材粒子1を引き出し
てもよい。
【0057】このようにして、パネル基材3の表面に直
接形成するか、中間部材12から転写させたパターン
は、パターン形成材粒子1の噴出流がパネル基材3の表
面に衝突するときのエネルギーや転写時の押圧力で、そ
のままでも、パネル基材3上に安定的に仮止めされる
(定着する)が、この仮止力を強めるために、別に押圧
力を加えてもよく、パターン形成材粒子1の樹脂分を溶
融させる等して密着力を高めるようにしても良い。
【0058】パネル基材3や中間部材12の表面に衝突
するパターン形成材粒子1は、それ自体に強い粘着力や
密着力を持っていない場合は、図86に示すように、衝
突の反動で、パターン形成領域外に斑点状に飛び散る。
これを防ぐためには、その他の攪乱力により、パネル基
材3や中間部材12のパターン形成面にオイルや粘着
剤、溶剤を塗布する等して粘性層78を図87に示すよ
うに形成して、パターン形成材粒子1の衝突エネルギー
を吸収する、もしくは、パネル基材3への付着力を高め
ることで、パターン形成材粒子1の飛散を防止するのが
良い。
【0059】(後処理)パネル基材3や中間部材12の
表面に形成されたパターンは、そのままでも、精度が良
いが、その精度をより高めることが必要な場合は、所望
のパターンに合わせた開口パターンを持つスクリーン7
9をパネル基材3や中間部材12の表面に形成されたパ
ターン77の上に置き(図88参照)、露光して固め
て、それ以外の部分のパターン形成材粒子1を洗い流す
現像処理するようにしても良い(図89参照)。このた
めには、パターン形成材粒子1を構成する樹脂は露光現
像できるような光硬化性にしておくと良い。例えば、セ
ルロース系樹脂やアクリル樹脂を用いることができる。
なお、この現像露光処理は定着の後に限らず、定着の前
に行うようにしてもよい。
【0060】(パターン形成装置)図1において、9a
はパネル基材3の位置(例えば、パネル基材3の対向す
る端部に存在する一対のマーカー)を認識するようにパ
ネル基材3の対向する端部に対向して一対配置された位
置認識ユニット、9bはパネル基材3の厚みを測定する
レーザ変位計、9cは制御盤である。認識ユニット9a
及びレーザ変位計9bは、レーザダイオードの光の反射
を利用する公知の光学センサーでもよい。これらの計測
測定装置はレーザ方式等を利用する。ノズル4とパネル
基材3の間隔は、描画させる像の精度に非常に影響が大
きく、間隔が広いと、描画されたラインの幅が大きくな
る。ライン等を描画するときは、上記間隔は0.1mm
以下とすることが好ましい。パターン精度が求められる
場合、上記間隔の距離は0.050mm以下にする必要
がある。パターンを形成せずに、スプレー状に均一に塗
布する場合は、逆に上記間隔の間隔をあける。パネル基
材3の対角に一対配置された位置認識検出ユニット9
a、9aにより、パネル基材3の対向する端部に存在す
る一対のマーカーが均等に見えるように、パネル基材3
をXYテーブル8にセットさせることができる。
【0061】(ノズル)粒子供給部材2と粒子供給ロー
ラ6を収納したノズルケース4aは、垂直レール10a
を介して水平レール10bに取り付けられているため、
左右上下に移動可能となっており、この動きを加味する
ことにより、ノズル4から噴出するパターン形成材粒子
1によるパターン形成はより一層、きめ細かくなる。パ
ネル基材3全体にパターン形成できる。3軸ロボットや
3軸マニピュレーターを用いてもよい。また、各レール
10a、10bを移動させる動力は、ノズル4に備えら
れるステッピングモータやサーボモーターなどの上下駆
動装置及び左右駆動装置を使用するが、これらの代わり
に、エアシリンダー、油圧シリンダーなども用いること
ができる。XYテーブル8は、図15及び図16にも示
されるように、パターン形成装置の機台に内蔵されるモ
ータなどの駆動によりバネル基材移動用ボールネジ8A
が回転させられて、ボールネジ8Aに螺合したナット部
材8Cに連結されたXYテーブル8が両側一対のレール
8Bに沿って移動することによりガラスパネル3を移動
させる。なお、図15及び図16において、54は水平
レール10bを支持する柱、55は垂直レール10aと
ノズル4との間に配置された回転ステージであって、回
転ステージ55の回転軸回りにノズル4を回転可能とし
ている。
【0062】(制御)ノズル4の移動の制御、パネル基
材3の移動の制御、パターン形成材粒子1のON、OF
Fの制御はすべて、各駆動装置の制御部に連結された、
制御盤の一例としての、パーソナルコンピュータ9cに
より制御させる。パーソナルコンピュータ9cは、CP
U、ROM、RAMおよびI/Oポートなどから構成さ
れ、パーソナルコンピュータ9cから各駆動装置の制御
部例えば各モーターを駆動するドライバー回路又は電気
回路へ信号が送られて各モーターを駆動制御する。
【0063】このパターン形成装置を用いて、パネル基
材3の表面上に所望のパターンを形成するのであるが、
この方法は、下記(a)〜(d)の4つの工程を含む。
通常はさらに下記の焼成工程(e)をも含む。
【0064】工程(a):パターン形成材粒子1を粒子
供給部材2のブレード7で帯電させる工程。
【0065】工程(b):帯電したパターン形成材粒子
1に、粒子1−パネル基材3間に発生する静電力を作用
させて帯電したパターン形成材粒子1をノズル4の孔4
bから噴出させる工程。
【0066】工程(c):噴出するパターン形成材粒子
1により所望のパターンを形成する工程。
【0067】工程(d):上記パターンをパネル基材3
上に定着させる工程。なお、このとき、上記パターン
は、パネル基材3上に直接に形成し定着させても良い
が、前述のように、一旦、中間部材に形成しておいて、
これをパネル基材3上に転写し定着させても良い。
【0068】工程(e):焼成炉11を用いて、上記定
着パターンを有するパネル基材3を焼成する工程。この
工程では、焼成により、樹脂成分を蒸発させ、金属やガ
ラス成分を主成分とするパターンが形成される。
【0069】本発明の第1実施形態に用いるパターン形
成材粒子1の材料や構造は、定着や焼成によりパネル基
材3上に固定されるものであれば良く、要するに、PD
P、液晶パネル、回路基板などのパネル基材3すなわち
パターン形成対象物の種類によって決まるが、例えば、
粒子本体とその表面に付着させた硬質無機微粒子を含
み、上記粒子本体が、金属、金属酸化物、セラミックス
およびガラスからなる群から選ばれる1種以上の無機材
料とバインダー樹脂とを含み、無機材料とバインダー樹
脂との合計量に対する無機材料の割合が30〜99重量
%である配合材料から形成された粒径0.5〜15μm
の粒子である。上記無機材料の割合が30重量%未満ま
たは99重量%を超える場合は、粒子の電荷量を調節で
きない。また、上記粒径が0.5μm未満または15μ
mを超える場合は、体積当たりの電荷量が調節できな
い。ここで、99重量%は、パターン形成材粒子の表面
を樹脂材料で覆った場合、樹脂は少なくとも10体積%
は必要であり、これを重量%に換算すると99重量%と
なる。また、30重量%は各種特性を得るための最低量
となる。また、上記粒径が0.5μm未満の粒子は小さ
すぎて制御ができないとともに、15μmを超えると粒
子が大きすぎて制御ができない。
【0070】上記粒子本体を得るための金属としては、
銀、金、銅、又は、銀パラジウム等の電極材を用いるこ
とができる。金属酸化物としては、アルミナ、チタン酸
化物、ガラスフリット等の障壁材、固着剤、又は、蛍光
体を用いることができる。バインダー樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、スチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、ポ
リスチレン、メチルセルロース、エチルセルロース、ニ
トロセルロース、セルロースアセテート、セルロースプ
ロピオネート、セルロースブチレート等のセルロース系
樹脂、又は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ノルマルブチルメタクリレート、イソブチルメタ
クリレート、イソプロピルメタクリレート等のメタクリ
ル系樹脂等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0071】上記パターン形成材粒子1は、例えば、上
記材料を溶融混練し、圧延冷却し、ハンマミルやカッタ
ーミルで数mm角に砕き、さらに粉砕機械ミルで5〜1
5μmに砕き、粒径20μm以上の粗粉と粒径5μm以
下の微粉を除く分級を行って、粒子本体を得て、高速流
動化混合機を用いて、粒子本体の表面にコロイダルシリ
カ、酸化チタン、又は、アルミナ等の微粒子を付着させ
ることができる。さらに、高温熱気流中で噴霧状にして
球状化処理を行ってもよい。
【0072】パターン形成材粒子1は、また、マイクロ
カプセル法や重合方法、スプレードライ法等でも得るこ
ともできる。
【0073】パターン形成材粒子1は、金属粒子やセラ
ミックス粒子を樹脂で被覆した粒径0.5〜20μmの
粒子であっても良い。また、金属粒子とセラミックまた
はガラスとを、それぞれ、別粒子として樹脂被覆し、各
々の粒子に対応したノズルにてパターン形成してもよ
い。
【0074】本発明のの第1実施形態にかかるパターン
形成方法では、上記工程(a)〜(c)を繰り返してパ
ネル基材3の表面上に複数のパターンを形成した後に定
着工程(d)を行うか、または工程(a)〜(d)を繰
り返してパネル基材3の表面上に複数のパターンを形成
した後、焼成工程(e)を行い、定着工程や焼成工程を
1度で済ませることもできる。上記複数のパターンと
は、例えば、パネル基材3に銀のパターンを形成したの
ち、酸化物のパターンを形成し、セラミックスのパター
ンを形成するなどである。この例とは異なり、厚みのあ
るパターンを一度に形成できない場合に何回かのパター
ン形成を行って厚みを得ることもある。パターン形成が
複数回ある場合は上記のような一括焼付けが便利であ
る。
【0075】(エンドレスシート)本発明の第1実施形
態のパターン形成方法において、上記工程(c)では、
図3に見るように、回転するエンドレスシートからなる
中間部材12の表面に、噴出するパターン形成材粒子1
によりパターンを一旦形成した後、この中間部材12上
のパターンをパネル基材3の表面に転写することもでき
る。この中間部材12は、エンドレスシートでなく、1
枚もののシートであっても良い。この中間部材12は、
樹脂中に導電性フィラーを分散させたフィルムで構成さ
れており、その抵抗が約10Ωcmである。この中間
部材12への塗布は、上記のように、中間部材12の裏
に電圧を印加することで行なわれる。また、シート以外
にドラム形状など用いてもよい。中間部材(例えば中間
体)12からパネル基材3へは圧力的に押さえることで
転写される。
【0076】中間部材12は、パターン転写後にクリー
ニングされて、繰り返し使用されるようにする方が良
い。中間部材12の厚みは、特に限定する訳ではない
が、0.3mm以下であることが好ましい。
【0077】(クリーニング)本発明の第1実施形態に
おいては、ノズル4に詰まったり、ノズル4の内側周辺
に付着したパターン形成材粒子1を除去する工程(f)
をさらに含むことができる。これは例えば、図4に見る
ように、真空吸引ノズル13でパターン形成材粒子1を
吸引することによって行うことができる。除去は、この
ような気流を利用した方式のほか、超音波等を利用した
振動を利用した方式もあり、これらを併せて行っても良
い。この粒子除去操作は、パターン形成時以外のときに
定期的に行うと良い。
【0078】本発明の第1実施形態において、粒子供給
部材2は、図5に見るように、ノズル4の内側上方に配
置されていて、その下方周面に沿う傾斜面2aを備え、
この傾斜面2aの下端がノズル4の孔4bに臨むように
構成することもできる。このようにしてノズル孔4bの
周辺に平坦部分を無くしておくと、ノズル孔詰まりが起
きにくくなる。
【0079】(真空吸着)本発明の第1実施形態におい
ては、パネル基材3をXYテーブル8の平坦な面で保持
し、この平坦面がパネル基材3を真空吸着するようにな
っていると、仮に、パネル基材3が薄くて、うねりや反
りが生じやすくても、これらを真空吸着で解消し、パネ
ル基材3とノズル4の間隔を一定にさせることができ
る。
【0080】図1に示したレーザ変位計9bでパネル基
材3の厚みを絶えず測定するようにすれば、これから得
る検知情報に基づき、ノズルケース4aの上下動を行わ
せて、ノズル4とパネル基材3の間隔を調整することが
できるため、パネル基材3の多少のうねりや反りは真空
吸着で解消することができる。
【0081】(環境)本発明の第1実施形態の実施にあ
たっては、ホッパー5内、粒子供給部材2周囲、ノズル
孔4b付近などの雰囲気温度や湿度を一定に保っておく
ことにより、パターン形成材粒子の帯電状態や噴出状態
を一定に保つようにすることが好ましい。
【0082】パターン形成後は、パネル基材3や中間部
材12のパターン形成面から電荷をできるだけ早く除い
ておくことが好ましいので、パターン形成処理を行う部
分を、例えば図1に見るように、ケース4aで覆ってお
き、静電気流や空気流を、その流れがケース4a内から
ケース4a外に向かうようにして、パネル基材3や中間
部材12のパターン形成面に当てるようにするのが良
い。用いる器具として、除電器等も用いることができ
る。
【0083】(孔形状)本発明の第1実施形態におい
て、ノズル孔4bは、図6に見るように、粒子供給部材
2側が広くパネル基材3側が狭いテーパー孔であること
ができる。このようにすることで、孔4bを無理に小径
化しなくても、無理なく孔径を小さくすることができ
る。
【0084】本発明の第1実施形態において、精度よく
パターニングするには、ノズル4とパネル基材3の間隔
は0.150±0.025μm程度に抑えておくのが好
ましいが、これを容易に実現するためには、パターン形
成材粒子1の通過孔4bを有するFPC4cを緊張状態
で支持するようにすると良い。なお、間隔を0.050
±0.025μmに近づけると、さらに精度よくパター
ニングできる。
【0085】斜線状のパターンは、噴出するパターン形
成材粒子1がパネル基材3に当たる位置を少しずつずら
せることで不連続性を解消することができる。このと
き、ノズル孔4bを図7に見るように複数並設し、互い
間隔を狭めておくと、ドット線が生じにくくなる。ノズ
ル孔4bの周囲に設けた制御電極4dの働きでパターン
形成材粒子1のパネル基材3への衝突面積を増すように
しても良い。ノズル4を複数並設しておいて、図7に見
るように回転できるようにしても良い。図中、14はパ
ターンである。
【0086】(表面処理)パネル基材3の表面におけ
る、パターン形成材粒子1の飛散は、パネル基材3の表
面にポリビニルアルコールやテレピン油等の粘着性溶剤
を塗布しておくことで防ぐことができる。塗布方法はス
プレー法やディッピング法を用いることができる。
【0087】上記方法をPDPの電極形成に用いる具体
的な実施例を示す。記述していない部分は上記の記述と
同じである。
【0088】パネル基材3の一例としてのガラスパネル
は、厚み2.8mmで、42インチ、700mm×50
0mmの大きさである。ガラスの厚みむらは、±5μm
である。その表面に透明導電性膜約1000オングスト
ロームが蒸着させ、レーザにてパターニングされてい
る。ガラスの表面凹凸は、XYテーブル8にセットされ
たとき、真空吸着にて密着してセットされ、その凹凸
は、±5μm以下となった。
【0089】パターン形成材粒子は、銀粒子0.2μm
径粒子、70重量%、ポリエチレン樹脂28重量%と電
荷調整剤1重量%、外添加剤1重量%から作製した。
【0090】特性調整材は、粒子をマイナス電荷を持つ
ように調整するもので、モノアゾ系染料やそのクロム錯
体、サリチル酸金属塩等を用いることができる。
【0091】パターン形成材粒子の表面に、外添加材の
コロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の約0.1
μm径の微粒子を付着させる。これら粒子を用いる理由
は、パターン形成材粒子の流動性を向上させ、かつ、パ
ターン形成材粒子の帯電量を向上させるためである。銀
粒子は伝導性が非常に高く、金属の中でも、金に次いで
高い。そのため、作製されたパターン形成材粒子の帯電
量が高くできない。そのため、供給ローラに強制的に帯
電させるもの、コロナ放電を利用するものを設置すると
よい。コロナ帯電器は、通常、感光体表面を帯電させる
ものを用いることができる。直径50μmのタングステ
ンのワイヤー線が張られていて、その周り3方向が金属
でシールドされている。1方向は、網目状のシートが張
られている。ワイヤーに5kV程度の電圧を印加するこ
とで、コロナ放電が発生し、網を越えて放電がパターン
形成材粒子に伝えられ、帯電される。この場合、マイナ
スに帯電させるので、ワイヤーにはマイナスの電圧が印
加される。ただし、帯電器をパターン形成材粒子に近づ
け過ぎると、パターン形成材粒子が放電により溶融し、
塗布できなくなる。その距離は5mm程度離すとよい、
好ましくは10mm以上離すとよい。
【0092】パターン形成材粒子の平均粒子径は6μm
とした。作製方法は、ポリエチレン樹脂を300℃に加
温して、溶融して銀粒子、電荷調整材を混入させ、十分
プロペラ状の攪拌具で攪拌し、均一に分散させる。冷凍
庫で急速冷凍し固める。その固まりをハンマミルとカッ
ターミルで数mm角に砕き、さらに粉砕機械ミルで0.
5〜15μmに砕き、粒径20μm以上の粗粉と粒径5
μm以下の微粉を除く分級を行って、粒子本体を得て、
高速流動化混合機を用いて、粒子本体の表面にコロイダ
ルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の微粒子を付着させ
た。
【0093】ノズルFPC4cは、ポリイミドシート1
00μm厚みのものの上下に、銅の電極、偏向、引出電
極を、フォト形成方法でパターン形成し、その表面に導
電性膜を形成した。この膜は、ノズルFPC4cに静電
気が溜まらないないように設けている。孔径は80μm
Φで、孔数は、10孔のものを作製した。
【0094】規制ブレードは、金属シートに、硬度40
〜80(JIS K6301、A)からなるウレタン等
の弾力性のあるものを貼り付けて用いた。このブレード
と現像ローラ間で、パターン形成材粒子を摩擦帯電さ
せ、パターン形成材粒子をマイナスに帯電させる。本発
明の第1実施形態では、マイナスにパターン形成材粒子
を帯電させたが、プラスに帯電させるように、パターン
形成材粒子および、摩擦帯電の材料を選択してもよい。
【0095】ブレードにより、ローラ上で、パターン形
成材粒子の層は1層から3層である。規制ブレードは、
通常はアースに接地されているが、パターン形成材粒子
を強く帯電させるには、直流または交流の電圧を印加し
て用いられる。
【0096】現像ローラはステンレスやアルミや鉄材や
その合金で作製させ、研磨されていて、16mm直径で
凹凸は2μm以内である。
【0097】供給ローラは金属棒に発泡性ウレタンや合
成ゴムを2から6mm厚みで覆ったものを用いた。現像
ローラへの食い込み0.1から2mm程度に設定した。
【0098】塗布制御は、引出電極に、+300Vをパ
ーソナルコンピュータからの指示により印加し、ガラス
パネルに塗布する。塗布しないときは、−100Vを印
加しておき、不要なパターン形成材粒子がガラスパネル
に落ちるのを防ぐ。
【0099】偏向電極には、塗布時マイナスの電圧−1
00Vを印加して塗布幅を集向させて、70μmの電極
線を描画した。−100Vを印加せずに描画すると、描
画パターンのライン幅が広がったり、周囲に点在してパ
ターン形成材粒子が散乱する。2回重ねて塗布すること
で、厚み20μmを確保した。塗布速度は、10cm/
秒であった。
【0100】上記ガラスパネルには、その下部のXYテ
ーブル8に1200Vの電圧を印加することで、電圧を
かけた。
【0101】まず、ガラスパネルがXYテーブル8に、
粗くセットされる。位置認識検出ユニット9aにより、
ガラスパネルの対向する端部に存在する一対のマーカー
が均等に見えるようにセットさせる。ガラスパネルはX
Yテーブル8に真空吸着される。XYテーブル8は、そ
の表面凹凸が、±5μm以下に抑えられている。
【0102】ガラスパネル表面の凹凸は±10μm以下
である。ガラスパネル3がセットされると、XYテーブ
ル8は内蔵するモータなどの駆動によりレール8Aに沿
ってノズル4の方へ移動する。そのとき、レーザ変位計
9bにて、パネル表面の位置、厚みが検出され、制御シ
ステム8に情報が伝えられ、上下駆動装置の駆動により
垂直レール10aに沿ってノズル4の位置が上下させら
れる。ガラスパネル3の移動が進み、ノズル4の下部に
きたとき、パターン形成材粒子1が塗布されるように、
パーソナルコンピュータ9cから引出電極に電圧がかか
り、パターン形成材粒子1がガラスパネル3へ塗布させ
る。ノズル4は、左右駆動装置の駆動によりレール10
bに沿ってガラスパネル3の一方の端部から他方の端部
に向けて移動させられ、ガラスパネル3の他方の端部に
きたときに、電圧が+300Vから−100Vに変わ
り、塗布が止められる。その後、ノズル4は、左右駆動
装置の駆動によりレール10bに沿ってガラスパネル3
の他方の端部から一方の端部に向けて逆方向に移動させ
られ、同様に、描画する。この塗布時又は塗布停止時
に、必要に応じて、XYテーブル8は、先に述べたよう
に、モータなどの駆動によりバネル基材移動用ボールネ
ジ8Aが回転させられて、ボールネジ8Aに螺合したナ
ット部材8Cに連結されたXYテーブル8が両側一対の
レール8Bに沿って移動することによりガラスパネル3
を移動させる。
【0103】この繰り返しで、ガラスパネル全体に電極
パターンを形成する。
【0104】パターン形成材粒子1で描画した後、ガラ
スパネル3を180℃、10分間、ホットプレート上で
熱処理することで、パターン形成材粒子1をガラスパネ
ル3に定着させた。その後、600℃の熱処理で、樹脂
を蒸発させて焼成し、銀の電極を作製した。作製された
電極の幅は、80μm、厚み6μm、抵抗値は2.5μ
Ωcmであった。この後工程は、絶縁性の膜をこの電極
の上、パネル前面に、ダイコート等により作製される。
表面板の場合、MgO膜が蒸着により形成され完成す
る。背面板の場合、その絶縁膜の上に隔壁を形成させ、
その隔壁に蛍光体膜が形成され完成する。2つのパネル
を封着、排気、ガスの導入により、PDPが完成させ
る。その後、回路等の付属部材とパネルが組み合わさ
れ、テレビが完成する。
【0105】なお、上記パターン形成装置において、図
2よりも細い線を描く場合を図10に示す。図10に示
すような細い線を描く場合の具体的な例として、図11
に示すように、ノズル4のFPC4cの90個の制御電
極4dが周囲に配置される円形の孔4bの各内径は60
μm、孔4bのピッチ間隔は125μmであり、図12
に示すように、隣接間隔が非常に小さくなっているPD
Pの端子部98を含む電極97を形成することができ
る。図12において、端子部98以外の電極97間の間
隔は200μm、電極97の幅は30μm、厚みは3μ
mとなっている。
【0106】より具体的にPDPの前面ガラス板3A
(750mm×600mm)に電極をパターン形成装置
で形成した例を図13に示す。ここでは、端子部98A
で電極の隣接間隔が小さくなっており、端子部以外の電
極98A間の間隔は400μm、電極の厚みは3μmと
なっている。また、PDPの背面ガラス板3B(750
mm×600mm)に電極をパターン形成装置で形成し
た例を図14に示す。ここでは、端子部98Bで電極の
隣接間隔が小さくなっており、端子部以外の電極98B
間の間隔は360μm、電極の厚みは3μmとなってい
る。
【0107】次に、背面電圧、引出電圧、FPC4cと
パネル基材3との距離LI、偏向電極4e用の集向電
圧、ノズルの塗布スピード、塗布回数のそれぞれと、電
極のライン厚さ及び幅とのパラメーターの相互関係につ
いては、以下の通りである。
【0108】図17及び図18に示すように、背面電圧
とライン厚さ又は幅との関係では、背面電圧が800V
〜1200Vと変化してもライン厚さ又は幅ほとんど変
わらず、背面電圧と、ライン厚さ又は幅とは関係が無
い。
【0109】これに対して、図19に示すように、引出
電圧とライン厚さとの関係では、引出電圧が350V〜
500Vと変化すると、ライン厚さは3.5μm〜5μ
mと増加して正比例関係が成立する。また、図20に示
すように、引出電圧とライン幅との関係では、引出電圧
が350V〜500Vと変化すると、ライン幅は83μ
m〜165μmと増加して正比例関係が成立する。
【0110】また、図21に示すように、FPC4cと
パネル基材3との距離LIとライン幅との関係では、距
離LIが50μm〜300μmと変化すると、ライン幅
は155μm〜225μmまで増加して正比例関係が成
立する。これに対して、図22に示すように、距離LI
とライン厚さとの関係では、距離LIが50μm〜30
0μmと変化しても、ライン厚さは5μmと変化せず一
定であり、距離LIとライン厚さとは関係がない。
【0111】また、図23に示すように、集向電圧とラ
イン厚さとの関係では、集向電圧が0V〜200Vと変
化すると、ライン厚さは5.8μm〜3.8μmと減少
して反比例関係が成立する。また、図24に示すよう
に、集向電圧とライン幅との関係では、集向電圧が0V
〜200Vと変化すると、ライン幅は135μm〜40
μmと減少して反比例関係が成立する。
【0112】また、図25に示すように、スピード(c
m/秒)とライン厚さとの関係では、スピードが10〜
20(cm/秒)と変化すると、ライン厚さは9.5μ
m〜3μmと減少して反比例関係が成立する。また、図
26に示すように、スピードとライン幅との関係では、
スピードが10〜20(cm/秒)と変化すると、ライ
ン幅は158μm〜45μmと減少して反比例関係が成
立する。
【0113】また、図27に示すように、塗布回数とラ
イン厚さとの関係では、塗布回数が1〜4回と変化する
と、ライン厚さは7μm〜15.2μmと増加して正比
例関係が成立する。また、図28に示すように、塗布回
数とライン幅との関係では、塗布回数が1〜4回と変化
すると、ライン幅は50μm〜80μmと増加して正比
例関係が成立する。
【0114】一例として、PDPの電極として形成する
ための条件は、以下のようなものである。パターン形成
材粒子1でパターンをパネル基材3上に形成した後、1
20℃で定着し、600℃で焼成することで、PDP用
としての電極を完成させるとができる。ここで、PDP
用電極として形成するためには、まず、600℃の焼成
によりパターン形成材粒子1内の樹脂分がパネル基材3
上に残らないことが必要である。もし、樹脂分が残る
と、電極の抵抗値が上がり、電極として用いることがで
きないためである。また、電極の抵抗率はPDP用電極
として4μΩ/cm以下とすることが必要である。ま
た、電極表面には凹凸があってはいけない。なぜなら、
凹凸により、放電をさせるために電圧がかかり、凸部分
に電圧が集中して絶縁破壊が起こるためである。樹脂分
が残らず、電極の抵抗率は4μΩ/cm以下とし、電極
表面には凹凸がないといったPDP用電極としての条件
を達成するためには、パターン形成材粒子1の成分とし
て分子量の低い樹脂を用いて定着及び溶融する温度を下
げるようにれば、パターンの形状が丸くなり、かつ、焼
成により、樹脂分が飛び易くなる。
【0115】上記第1実施形態のダイレクトパターニン
グによるパターン形成方法は、基本的に塗布工程と焼成
工程の2工程で完成するのに対して、従来のインクジェ
ットパターニング方法では、塗布工程、乾燥工程、焼成
工程の3工程で完成し、ダイコートフォト方法では、ダ
イコートノズルによる塗布工程、乾燥工程、露光工程、
現像工程、乾燥工程、焼成工程の6工程が必要となり、
印刷フォト方法では、スキージによる塗布工程、乾燥工
程、露光工程、現像工程、乾燥工程、焼成工程の6工程
が必要となる。よって、他の従来の方法と比較して上記
第1実施形態のパターン形成方法は工程が少なくと済
む。
【0116】本発明の第1実施形態にかかるパネル基材
へのパターン形成方法および装置によれば、PDP(プ
ラズマディスプレイパネル)や液晶パネルや回路基板な
どの大型パネルを構成する基材に所望のパターンを形成
する際における工程が簡単となるため、パターン形成し
たパネルを安価に製造することができ、しかも、パネル
基材に精度の良い微細パターンを形成することができ
る。
【0117】なお、以下の説明において、第1実施形態
のパターン形成装置及び方法と同様な部材若しくは装置
又は同様な機能若しくは動作については、同一名称又は
参照符号を付して相互に参照しやすくしている。
【0118】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態は、PDP(プラズマディスプレイパネル)や液晶
パネルや回路基板などの大型パネルを構成するパネル基
材に所望のパターンを形成するためのパターン形成装置
に用いるパターン形成材粒子およびそのパターン形成材
粒子によるパターン形成方法に関するものである。
【0119】上記第1実施形態にかかる方法にはパター
ン形成材粒子に関する下記のような課題が生じる可能性
がある。
【0120】.静電気力を利用してパターン形成材粒
子をパネル基材の表面に付着させるため、パターン形成
材粒子を帯電させる絶縁性粒子とする必要があり、パネ
ル基材によっては、導電性の電極材の粒子を直接パネル
基材に付着させることが困難となることがある。
【0121】導電性の粒子を絶縁性の材料でコートして
荷電粒子を作製する場合、材料によっては、完全には導
電粒子を樹脂で覆うことができないことがある。その結
果、パターン形成材粒子の絶縁性が低下し、帯電量が小
さくなって静電気力により塗布することができなくなる
ことがある。
【0122】.材料によっては、パターンに必要な膜
厚を得るのが困難となることがある。
【0123】荷電されるパターン形成材粒子中に含有さ
せる導電粒子の含有量を、例えば約20体積%とする
と、必要とされるパターン膜厚の5倍の絶縁物膜厚を塗
布し、焼成により絶縁物を蒸発させて、必要なパターン
の膜厚になる。通常のパターン形成材粒子の直径は約1
0μmであり、パターン形成材粒子1個を並べた1層で
パターンを形成すると、焼成後に膜厚が2μmとなる。
パターン精度を上げる目的でパターン形成材粒子の直径
を6μmとすると、焼成後の膜厚が1.2μmとなる。
目的の膜厚が、5μmなら、パターン形成材粒子を4層
積層する必要がある。積層数が増すと、パターンから粒
子がはみ出てパターンの精度が悪くなる可能性がある。
【0124】本発明の第2実施形態の目的は、上記問題
点を解決して、上記第1実施形態又は他の実施形態に使
用できるものであって、十分な絶縁性が得られて静電気
力により塗布することができるパターン形成装置に用い
るパターン形成材粒子、および複数層にパターン形成材
粒子を積層してもパターンに十分な精度が得られるパタ
ーン形成材粒子によるパターン形成方法を提供する。
【0125】上記課題を解決するために、本発明の第2
実施形態では、パターン形成装置に用いるパターン形成
材粒子は、帯電された後、静電気力により噴出されて直
接または中間体を介してパネル基材の表面に付着されて
パターンを形成するパターン形成装置に用いるパターン
形成材粒子であって、パターン形成材粒子が、焼成によ
り蒸発される樹脂材料と、この樹脂材料内に配置されて
パターンを形成する構成材粒子から構成されたものであ
る。
【0126】上記構成によれば、焼成により蒸発される
樹脂材料により、電極形成用の導電性材料や安定した静
電気量を安定して保持できない材料からなる構成材粒子
を被覆することにより、良好な絶縁性のパターン形成材
粒子が安定して得られ、静電気力を利用してバネル基材
に安定してパターニングできる。この結果、PDP(プ
ラズマディスプレイパネル)や液晶パネルや回路基板な
どの大型パネルを構成する基材に所望のパターンを良好
にかつ精度良く行うことができ、パターンを形成する工
程が簡単となるため、パターン形成したパネル基材を安
価に製造することができる。
【0127】また、パターン形成材粒子によるパターン
形成方法において、上記パターン形成材粒子を帯電した
後、静電力により噴出させてパネル基材の表面に付着さ
せパターンを形成するに際して、パネル基材上にパター
ン形成材粒子を複数層積層し、パネル基材に近い下層ほ
ど幅が広い裾広がりに付着させるようにしてもよい。
【0128】上記構成によれば、パターン形成材粒子を
パターニングして複数層に付着させたときに、パターン
形成材粒子が裾広がり状に積層されるので、エッジ部分
で上層のパターン形成材粒子が下方に落下しにくくな
り、落下したパターン形成材粒子が非パターン部分に付
着するのを防止することができる。これによりパターン
の精度が低下するのを未然に防止することができる。
【0129】以下、本発明の第2実施形態に係るパター
ン形成装置に用いるパターン形成材粒子およびそのパタ
ーン形成材粒子によるパターン形成方法を図面に基づい
て詳細に説明する。
【0130】まず、パターン形成装置を説明する。
【0131】パターン形成装置は、図29に示すよう
に、機台102上に、ガラス板などのパネル基材3を保
持して前後左右方向に移動自在な可動ステージ104
と、可動ステージ104の移動空間にわたって掛け渡さ
れた支持フレーム105と、この支持フレーム105に
水平レール106bと垂直レール106aを有する移動
装置106を介して支持され粒子タンク107から供給
されたパターン形成材粒子1をパネル基材3の表面に供
給する粒子供給装置108とが配設されている。
【0132】上記粒子供給装置108は、図30に示す
ように、パターン形成材粒子1を担持搬送する例えばロ
ーラ形状の粒子供給部材111と、粒子供給部材111
とパネル基材3の間に配置されるノズル112を備え、
ノズル112はケース112a内に収納されている。ま
たパターン形成材粒子1を収納するホッパー113内に
は、回転することによりホッパー113内のパターン形
成材粒子1を粒子供給部材111に送る粒子供給ローラ
114が設けられ、粒子供給ローラ114から粒子供給
部材111の外周面に担持されたパターン形成材粒子1
は、外周面上に複数層に重なって移送されるが、途中で
ブレード115に擦られてマイナスに帯電されると同時
に1〜3層の厚みに規制される。そしてFPC(フレキ
シブルプリント回路)112cにパターン形成材粒子1
を通過させるノズル孔112bが形成されたノズル11
2に達すると、ノズル112の位置に達したパターン形
成材粒子1が、FPC112cに設けられた制御電極1
12dによる電圧制御により、粒子供給部材111から
ノズル孔112bを介してパネル基材3の表面へ噴出さ
れる。
【0133】パネル基材3は、粒子供給部材111に対
して、表面が+1000Vになるように電位がかけられ
ており、また制御電極112dは非噴出時は、粒子供給
部材111に対して−100〜−200Vに電位がかけ
られている。そして噴出時に、制御電極112dの電位
が0Vとすることにより、マイナスに帯電されたパター
ン形成材粒子1が、静電気力によりパネル基材3の表面
へ噴出される。
【0134】ノズル孔112bの周囲には、パターン形
成材粒子1の噴出をオン・オフさせるための制御電極1
12dのほかに、偏向電極112eが埋め込まれてお
り、パターン形成材粒子1は、偏向電極112eの働き
で噴出角度を調節される。このような働きをする偏向電
極112eは通常、ノズル孔112bを挟んで対向する
四方位置に設置され、パターン形成材粒子1の噴出流を
前後方向や左右方向の一方向に偏向させることができ
る。したがって、可動ステージ104と移動装置106
とによりノズル112とパネル基材3は相対的に移動
し、パターン形成材粒子1の噴出角度の調節とパネル基
材3の位置の変更を適宜に組み合わせることにより、ノ
ズル112から噴出されるパターン形成材粒子1により
所望のパターン(図示省略)を形成することができる。
上記移動とパターン形成のON、OFF動作は、制御盤
116により制御される。
【0135】なお、上記パターン形成装置では、粒子タ
ンク107のノズル112から直接パネル基材3の表面
にパターン形成材粒子1を付着させるように構成した
が、図36、図37、図38に示すように、ノズルを有
する現像機(粒子供給現像装置)124とパネル基材3
との間に、感光体や静電パターン形成部材を有して静電
パターンが形成可能な円柱状や板状或いは無端帯状の中
間体125、128、129を配置し、中間体125、
128、129からパネル基材3の表面に静電気力によ
り転写するように構成してもよい。なお、図中の基本ユ
ニット114には、除電器(除電装置)120、クリー
ナ(清掃装置)121、帯電器(静電パターン形成装
置)122、露光器(静電パターン形成装置)123、
現像器124、中間体125が配置され、機台102に
は、電圧発生器(転写装置)126および定着器(定着
装置)127が設けられている。また現像器124に
は、金属ローラ124a、収納部124b、粒子供給ロ
ーラ124c、ブレード124d、ノズル口124eが
それぞれ設けられている。
【0136】上記パターン形成装置に用いられるパター
ン形成材粒子1には、静電気を保持するための樹脂材料
とパターンを構成する構成材料が含まれており、樹脂は
パターン形成後に焼成されて蒸発される。
【0137】次に、図31〜図34を参照してPDPの
電極形成用のパターン形成材粒子1の構造と製造方法を
説明する。
【0138】図31(a)は樹脂材料32中に1種類の
電極構成材粒子である例えば小径の銀粒子31を複数個
均一に分散配置するしたパターン形成材粒子1Aを示
す。
【0139】パターン形成材粒子1Aは直径が6μm
で、絶縁材である樹脂材料32中にパターンの構成材粒
子でパターンの電極を形成する銀粒子31が均一に分散
されている。その製造方法は、まず、ポリエチレン樹脂
を250℃に加温して溶融して、その中に、構成材粒子
である銀粒子を所定量混入させ、混練して圧延冷却す
る。できた塊をハンマミルやカッタミルで数mm角に砕
き、さらに粉砕機械ミルで0.5〜15μmに砕く。さ
らに粒径20μm以上の粒子を除く分級を行って、粒子
本体を得て、高速流動化混合機を用いて、粒子本体の表
面にコロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の約
0.1μm径の微粒子を付着させる。これら粒子を用い
る理由は、パターン形成材粒子1Aの流動性をアップさ
せ、移動しやすくするためである。
【0140】この方法の場合、樹脂材料32に銀粒子3
1を均一に分散させた後に、砕くため、砕いた樹脂表面
に銀粒子31が現れ、その結果、パターン形成材粒子1
Aの絶縁性が低くなる。混入する銀粒子31の直径と、
製造したパターン形成材粒子1Aの抵抗値を表1に示
す。
【0141】
【表1】
【0142】静電気力で、パターン形成材粒子1Aを制
御するには最低でも抵抗値が1.0×10Ωcm以上
である必要がある。銀粒子31の径が1.2μmより大
きくなると、抵抗値が小さくなりすぎて用いることがで
きない。したがって、銀粒子31の直径とパターン形成
材粒子1Aの直径との比は、1:5以上が必要である。
【0143】図31(b)は、樹脂材料32中に構成材
粒子である銀粒子31と共に、構成材粒子である接着材
粒子33例えばガラスフリット粉末粒子を複数個均一に
分散配置したパターン形成材粒子1Bを示す。
【0144】ところで、PDPの電極形成の場合は、パ
ターン形成後に焼成工程600℃にて、樹脂9をすべて
蒸発させるため、銀粒子31をガラス基板3に固着させ
るために、パターン形成材粒子1A中に接着材料が入っ
ていることが必要である。そのため、接着材料としてガ
ラスフリットの0.5μm径の粉末を使用した。ガラス
フリットの粉末は590℃で溶けてガラスとなりパネル
基材3の表面に銀粒子31を接着する。
【0145】その製造方法は、はじめに、銀粒子31と
ガラスフリットからなる接着材粒子33を混合してお
き、その後、上記と同様にして、溶融状態の樹脂材料3
2中に投入されて分散粉砕され、パターン形成材粒子1
Bが製造される。なお、接着材粒子33以外に第3の成
分を混入するときも、同様に始めに混合しておけばよ
い。樹脂材料32に別々に混合して製造することも可能
であるが、均一に分散することが困難であり、均質なパ
ターン形成材粒子1Bが得られない。また接着材料とは
別に、パターン形成材粒子1Bの帯電性を上げるため、
特性調整材が添加される。これは、パターン形成材粒子
1Bの材質をマイナス電荷を持ちやすいように調整する
もので、モノアゾ系染料やそのクロム錯体、サリチル金
属塩等を用いることができる。その含有量は3重量%以
下である。
【0146】図31(c)は、同一のパターン形成材粒
子1に複数種類の構成材粒子を存在させるのではなく、
異なる種類の構成材粒子を含む複数のパターン形成材粒
子1A、1Cを同じ部位に付着させてパターンを形成す
るものである。
【0147】すなわち、接着材粒子33のみを含むパタ
ーン形成材粒子1Cを上記と同様にして製造し、別に銀
粒子31を含むパターン形成材粒子1Aを製造し、これ
らの2種類のパターン形成材粒子1A、1Cを別々にパ
ターニングして同じ場所に塗布し焼成する。これによ
り、パターン形成材粒子1Cの接着材が溶けてパターン
形成材粒子1Aの銀粒子31と混合することで、銀粒子
31がパネル基材3の表面に接着されてパターンを形成
することができる。
【0148】図32(a)は、樹脂材料32の層の中央
部に1個の大径の構成材粒子である銀粒子41を配置
し、銀粒子41の周囲が樹脂材料32の層に覆われたパ
ターン形成材粒子1Dである。
【0149】この構造の場合、パターン形成材粒子1D
の表面に、銀粒子41が現れることがなく、安定して抵
抗値を高くできるため、静電気量を十分溜めることがで
き、静電気力で制御しやすい。また、上記した銀粒子の
大きさと抵抗との関係は無くなり、高抵抗の粒子が得ら
れる。その第1の製造方法は、溶剤乾燥方法が利用され
る。すなわち、溶剤のトリクロロエチレンに高分子樹脂
のポリエチレンを溶かし、その中に、銀粒子11を分散
させる。その後、溶剤を蒸発させると、銀粒子11の表
面が樹脂材料32の層で覆われる。溶剤の蒸発中に、溶
液を静止させておくと、樹脂材料32の層が不均一な粒
子が得られるので、攪拌させながら乾燥させるか、また
は超音波振動を与えながら乾燥させると、樹脂材料32
の層厚みが均一なパターン形成材粒子1Dとなる。この
膜厚は、溶剤中の樹脂濃度や蒸発速度などにより決ま
る。
【0150】図32(b)は、樹脂材料の中央部に1個
の大径の構成材粒子である銀粒子41を配置し、この銀
粒子41の外周部の樹脂材料32の層中に、異なる種類
の小径の構成材粒子である接着材粒子33を均一に分散
配置したパターン形成材粒子1Eである。
【0151】このようにパターン形成材粒子1Dに接着
材粒子33を含んだ構造にするには、樹脂材料32を溶
かした溶液に、銀粒子41と共に接着粒子33を分散さ
せればよく、中心にくるのは大径の銀粒子41の方であ
る。
【0152】図32(c)は樹脂材料32の中央部に1
個の大径の構成材粒子である銀粒子41を配置し、この
銀粒子41の外周面に接するように異なる種類の小径の
構成材粒子である接着材粒子33を付着したパターン形
成材粒子1Fである。
【0153】このパターン形成材粒子1Fは、銀粒子4
1と接着材粒子33をハイブリザー混合機で、乾式にて
混合させ、その後、上記と同様な方法によりその周りに
樹脂材料32の層を形成することにより製造することが
できる。
【0154】図32(d)は、上記パターン形成材粒子
1Dと、銀粒子41に代えて種類の異なる1個の大径の
構成材粒子、例えば接着材粒子42を樹脂材料32の中
央部に配置して周囲を覆ったパターン形成材粒子1Gな
ど、複数種類のパターン形成材粒子1D、1Gを同じ部
位に付着させて焼成し、パターンを形成するものであ
る。
【0155】図32(a)〜図32(d)のパターン形
成材粒子1D〜1Gを製造する第2の製造方法として、
樹脂ポリエチレンを塩化メチレンに溶かし、銀粒子41
を分散させる。これをポリビニルアルコール水溶液に乳
化分散させ、攪拌を行いながら40℃に加温して、塩化
メチレンを蒸発させ、ろ過乾燥で粒子を作製することが
できる。
【0156】第3の製造方法として、スプレードライの
装置を用いることができる。これは、構成材粒子と、そ
のまわりに覆いたい樹脂材料32であるポリエチレンを
溶かした溶剤トリクロロエチレンを同時に空気中にスプ
レー状に吐出させて、粒子のまわりを樹脂で覆う方法で
ある。均質な粒子を得るには、スプレーする溶液は絶え
ず攪拌しておき、均一性を保つ必要がある。溶剤中の樹
脂濃度や、噴射する空気中の温度(約50℃)や湿度、
溶剤蒸気圧、スプレーノズルの径、吐出圧力で、覆う膜
厚を制御できる。
【0157】第4の製造方法として、ジクロロジフェニ
ル中に、モノマーとしてスチレン−ジビニルベンゼンモ
ノマーの10:1混合物を0.5g、触媒として過酸化
ベンゾイルを0.5g、銀粒子41を20gを加える。
この液を0.5gの過硫酸カリと5.5gのアラビアゴ
ムを溶解した水溶液500ml中に乳化分散する。この
分散系を攪拌しながら、80℃に約6時間加熱を続け
る。重合した高分子はジクロロジフェニルに不溶とな
り、液滴表面に析出する。重合が完了する時点ではシー
ムレスな皮膜となり、銀粒子41が分散した含ジクロロ
ジフェニルポリスチレン粒子となる。
【0158】第5の製造方法として、銀粒子41に、9
%のエチルセルロースジクロロメタン5mlを加わえ、
これを20mlのn−ヘキサンを加えて、温度25℃
で、1時間攪拌し続ける。その後、4℃で24時間放
置、上澄みを除去し、n−ヘキサンで、この溶液を洗浄
し、膜を硬化、減圧乾燥で、粉末化して完成する。エチ
ルセルロースの濃度と、膜厚が比例する。8重量%で6
μm、4重量%で3μmとなる。
【0159】図33(a)は樹脂材料32の中央部に、
同一種類の構成材粒子である複数個の小径の銀粒子31
が固まった集合体31bmが配置されたパターン形成材
粒子1Hである。これは中心部に多数の銀粒子31が存
在し、その周りが樹脂材料32の層に覆われている。こ
の構造の場合には、パターン形成材粒子1Hの表面に、
銀粒子31が現れることがなく、抵抗値が低くなること
がない。
【0160】その製造方法は、小径の銀粒子31を乾式
によりある大きさになるまで混合し、フィルターにより
必要な大きさの集合体31bmを選別する。その後、上
記に示すような方法で、銀粒子の集合体31bmを樹脂
材料32で覆う。
【0161】図33(b)は樹脂材料32の中央部に、
複数種類の複数個の小径構成材粒子、例えば銀粒子31
と接着材粒子33の集合体31bm、33bmが配置さ
れ、その周囲が樹脂材料32により覆われたパターン形
成材粒子1Iである。この製造方法は、上記と同様に、
接着材粒子33と銀粒子31とを乾式で混合し、ある大
きさの固まった集合体31bm、33bmとして、上記
製法と同様に樹脂材料32で覆って製造する。
【0162】図33(c)は、同一種類の複数個の構成
材粒子の集合体が樹脂材料32の中央部に配置されたパ
ターン形成材粒子1Hの異なる種類を同じ部位に付着さ
せて焼成しパターンを形成するものである。
【0163】すなわち、中心部に接着材粒子33の集合
体33bmを内在したパターン形成材粒子1Jと、中心
部に銀粒子31の集合体31bmを内在したパターン形
成材粒子1Hを製造し、これら2種類またはそれ以上の
パターン形成材粒子1Hをパネル基材3の同一部位に別
々にパターニングして焼成し、パターンを形成する。
【0164】図34(a)は、大径の構成材粒子の外周
面に多数の小径の樹脂材粒子を付着して形成されたパタ
ーン形成材粒子1Kである。このパターン形成材粒子1
Kの製造方法は、小径の樹脂材粒子34と大径の銀粒子
41とを遠心回転ボールミル中で混合することにより、
パターン形成材粒子1Jとなる。
【0165】図34(b)は、構成材粒子である大径の
銀粒子41の外周面に、種類の異なる多数の小径の構成
材粒子例えば接着材粒子33と、多数の小径の樹脂材粒
子34とを付着させたパターン形成材粒子1Lである。
このパターン形成材粒子1Lは、大径の銀粒子41と、
小径の樹脂材粒子34と小径の接着粒子33とを遠心回
転ボールミル中で混合することにより製造できる。
【0166】図34(c)は、異なる種類の大径の構成
材粒子である例えば接着材粒子42の外周面に、それぞ
れ多数の小径の樹脂材粒子34を付着させたパターン形
成材粒子1Mであり、パターン形成材粒子1Mとパター
ン形成材粒子1Kとを同一部位に別々にパターニングし
て焼成し、パターンを形成することができる。
【0167】パターン形成材粒子1Lは、小径の樹脂材
粒子34と大径の接着材粒子43とを混合し、遠心回転
ボールミル中で混合することにより、大きな接着材粒子
43が中心に位置し、そのまわりに別の小径の樹脂材粒
子34が存在する。
【0168】上記すべてのパターン形成材粒子1A〜1
Mの製造方法において、条件設定にて、必要な粒子径が
得られるが、条件が合わず、粒子径が大きくなった場
合、粉砕機にて必要な粒子径にすることもできる。ま
た、すべての粒子の表面に、離形材を付着させることが
必要である。また、特性調整材も必要である。
【0169】パターン形成材粒子1A〜1Lの直径は、
10μm以下で製造した。パターン形成材粒子1A〜1
L中の構成粒子である銀粒子31、41と接着材粒子3
3、42の割合は、30体積%以下(80重量%以下)
とした。図31の場合、粒子表面に銀粒子が出る可能性
がある。また、図32の粒子の場合、完全に粒子が樹脂
で覆われるので、銀の割合は70体積%、99重量%に
できる。ここで割合を増加させると、粒子の直径が不均
一になりやすい。離形材、特性調整材は、数体積%以下
である。ただし、密度が樹脂と近いものの場合、さら
に、割合を増加させることができる。
【0170】次に、パターン形成材粒子1A〜1L(以
下符号は1で示す)によるパターンの形成方法を図3
5、図36などを参照して説明する。なお、パターン形
成材粒子1をパターニングする前に、図45に示すよう
にレーザ変位計9bにて、パネル表面の位置、厚みが検
出されて、パネル基材3及びノズル112の動作制御の
準備が第1実施形態と同様にされるとともに、図46に
示すように帯電器122で第1実施形態と同様にコロナ
帯電される。
【0171】図35(a)に示す形成方法は、図29、
図30や図37〜図38に示すパターン形成装置により
パターン形成材粒子1をパターニングするときに、エッ
ジ部で1層目のパターン形成材粒子1−1が幅広く、
2、3層目のパターン形成材粒子1−2、1−3と狭く
なる裾広がり状に制御してパターン形成材粒子1を付着
させてパターニングし、粒子層を重ねていく。このよう
にすると、エッジ部分で上層のパターン形成材粒子1−
2〜1−4が落下して、非パターン部分に広がることが
なく、精度良くパターン形成することができる。なお、
パターン形成材粒子1が略同一直径の場合、この粒子層
の横断面で、1番下の層1−1が、その上層1−2〜1
−4のどれよりも2個以上、パターン形成材粒子1の数
を減らさないと、その効果がでない。
【0172】図35(b)のパターン形成方法は、パタ
ーン形成材粒子1をパターニングするときに、1層目に
構成材料に接着材粒子33、42を有するパターン形成
材粒子1−1を全面に塗布し、その上層部に、銀粒子3
1、41を含むパターン形成材粒子1−2〜1−4を積
層付着させてパターンを形成していく。この場合には、
上層のパターン形成材粒子1−2〜 1−4がはみ出し
た場合に、1層目の接着材粒子33、42を含むパター
ン形成材粒子1−1により固定されるので、パターンの
精度が上がる。
【0173】このようにしてパターン形成材粒子1で描
画した後(図47及び図50参照)、ガラスパネル3を
180℃、10分間、ホットプレート上で熱処理するこ
とで、パターン形成材粒子1をガラスパネル3に定着さ
せた(図48及び図51参照)。その後、600℃の熱
処理で、樹脂を蒸発させて焼成し、銀の電極を作製した
(図49及び図52参照)。
【0174】上記第2実施形態では、電極のパターン形
成について述べたが、本発明の第2実施形態に用いるパ
ターン形成材粒子1の材料は、PDP、液晶パネル、回
路基板などのパターン形成対象物の種類によって異なる
が、電極用の金属としては、銀、金、銅、銀パラジウム
等の電極材を用いることができる。また、接着材として
は、樹脂、アルミナ、チタン酸化物、ガラスフリット等
の微粒子、接着材を用いることができる。また、構成材
料を覆う樹脂材料32としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、スチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリエステル、ポリスチレン、メチル
セルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、セ
ルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セル
ロースブチレート等のセルロース系樹脂、メチルメタク
リレート、エチルメタクリレート、ノルマルブチルメタ
クリレート、イソブチルメタクリレート、イソプロピル
メタクリレート等のメタクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂
を挙げることができる。
【0175】以上に述べたごとく、本発明の第2実施形
態のパターン形成材粒子によれば、焼成により蒸発され
る樹脂材料を多くして構成材粒子を被覆することによ
り、良好な絶縁性のパターン形成材粒子が得られ、静電
気力を利用してバネル基材に安定してパターニングでき
る。この結果、PDP(プラズマディスプレイパネル)
や液晶パネルや回路基板などの大型パネルを構成する基
材に所望のパターンを良好にかつ精度良く行うことがで
き、パターンを形成する工程が簡単となるため、パター
ン形成したパネル基材を安価に製造することができる。
【0176】また、本発明の第2実施形態のパターン形
成材粒子によるパターン形成方法によれば、パターン形
成材粒子をパターニングして複数層に付着させたとき
に、パターン形成材粒子が裾広がり状に積層されるの
で、エッジ部分で上層のパターン形成材粒子が下方に落
下しにくくなり、落下したパターン形成材粒子が非パタ
ーン部分に付着するのを防止することができる。これに
よりパターンの精度が低下するのを未然に防止すること
ができる。
【0177】ここで、従来の一般のトナーと上記第2実
施形態のパターン形成材粒子との比較について説明す
る。
【0178】従来の一般のトナー71は、図39に示す
ように、樹脂71a(80〜90%)中に、電荷調整剤
71b(1〜5%)と離型剤71c(〜5%)と色素7
1d(顔料や染料5〜15%)とが20〜10%程度含
まれて粒径7.5±2.5μmとなっているのに対し
て、第2実施形態のパターン形成材粒子1では、図40
に示すように、樹脂材料32内に銀粒子31とガラスフ
リット粉末粒子33が20%程度含有された粒径3.0
±1.0μmの電極材例えば銀トナーとなっている。
【0179】一般のトナーの粒径は5〜10μm、主成
分は樹脂、抵抗値は1012〜10 18Ωcmである。
これに対して、第2実施形態のパターン形成材粒子の一
例である銀トナーの粒径は2〜4μm、主成分は樹脂、
抵抗値は1012〜1018Ωcmである。この銀トナ
ーの導電体の白い銀の粒径は0.2〜2.0μm、主成
分は銀、抵抗値は2×10−6Ωcm、上記銀トナーの
導電体の黒い銀の粒径は0.5〜1.0μm、主成分は
酸化ルテニウム、抵抗値は10Ωcmである。また、
銀トナーの絶縁体のBSの粒径は0.01〜0.1μ
m、主成分はCoCrCuO、抵抗値は1010Ωc
m、上記絶縁体の蛍光体の粒径は2〜3μm、主成分は
金属酸化物、抵抗値は1013Ωcmとなっている。銀
トナーの白い銀の特性としては抵抗値が4μΩcmであ
り、焼成温度は593℃であり、銀トナーの黒い銀の特
性としてはL値<10、反射<10%であり、焼成温度
は593℃であり、BSの特性としてはL値<10、反
射<10%であり、焼成温度は593℃である。ここ
で、L値とは、反射率で、当たった可視光(比率1)に
対して反射する光の割合を示すものである。
【0180】また、従来のスクリーン印刷工程と上記第
2実施形態でのパターン形成方法との相違についても説
明する。従来のスクリーン印刷工程では、図41に示す
ように、溶剤72a内に銀粒子72bとガラスフリット
粒子72cが混在しており、溶剤72aを蒸発させて乾
燥させると多数の銀粒子72bがガラスフリット粒子7
2cの回りにくっついている状態となったのち、焼成す
ると、ガラスフリット粒子72cがガラスフリット層7
2dを構成し、そのガラスフリット層72d内に銀粒子
72bが含まれた状態となる。
【0181】これに対して、上記第2実施形態でのパタ
ーン形成方法では、図42に示すように、パターン形成
材粒子1が10μmの層内に配置されてパターンが形成
された状態で、定着動作により、樹脂材料32が溶けて
樹脂層73aとなる。この状態では、パターン形成材粒
子1での銀粒子31とガラスフリット粉末粒子33と同
様な配置関係となっている。上記定着動作の後、焼成動
作を行うと、樹脂材料が飛ばされて除去されるととも
に、ガラスフリット粉末粒子33がガラスフリット層7
3bを構成し、そのガラスフリット層73b内に銀粒子
31が含まれた状態となる。従来の印刷工程に対する第
2実施形態との間での印刷方法の違いは、別の実施形態
と同じく、溶剤を使用せず、取り扱いが簡単、環境に
やさしい、印刷の場合、版やスクリーンの清掃をしな
いといけない、製造現場で作業が煩雑である、必要な
部分のみに付けるため材料使用量が少なくてよい、溶
剤が無いので乾燥工程が不要、乾燥むら等プロセスの問
題が無い、乾燥工程が無いので次の工程へ直ぐに渡せ
る、待機用の空間が不要、精度が長期間にわたって保
てる(印刷の版やスクリーンは伸びるため、精度を保つ
ためにはすぐに交換する必要があり、結果として、コス
トが嵩むことになる。)。
【0182】また、パターン形成材粒子製造方法とし
て、上記方法のうちの粉砕法とマイクロカプセル法とを
比較してみる。
【0183】図43に示すように、粉砕法で製造される
パターン形成材粒子の銀粒子31は直径0.2μm、ガ
ラスフリット粉末粒子33は直径0.6μmである。粉
砕法の製法は、粉体を樹脂溶液に分散させて固形化し、
粉砕する。
【0184】図44に示すように、マイクロカプセル法
で製造されるパターン形成材粒子の銀粒子31は直径
0.6〜5μm、ガラスフリット粉末粒子33は直径
0.6〜5μmである。マイクロカプセル法の製法は、
核となる粉末を溶媒と混合し、噴霧させて、急速乾燥す
る。粒径の調整方法については、粉砕法では粉砕度合い
により調整可能であるのに対して、マイクロカプセル法
では核の粒子径と樹脂膜厚の調整可能である。抵抗値の
制御方法については、粉砕法では銀粒子31の量の調整
及び樹脂材料の種類の変更により行うことができるのに
対して、マイクロカプセル法では樹脂膜厚の調整及び樹
脂の種類の変更により行うことができる。
【0185】上記第2実施形態でのパターン形成方法に
より形成されたパターンの具体例としてのPDP用電極
は、従来の方法で形成される電極の線幅は80±10μ
mであるのに対して、上記第2実施形態では、ノズルヘ
ッドの小径化、トナーの小径化、及び、ノズルとパネル
間の近接化を図るとともに、偏向電極4eを配置させる
結果、線幅は30±10μmと細くすることができる。
また、ノズルの幅は約20cmで、パネルの大きさは約
80cm×60cmであるとき、背面板用パネルに対し
ては4回パネル上を移動することで全面塗布するととも
に、前面板用パネルに対しては3回パネル上を移動する
ことで全面塗布する。この結果、ノズル速度を10cm
/秒とすると、30秒以内で塗布でき、パネルのセッ
ト、調整、取出しを入れても、全工程を1分で行うこと
ができる。定着は次の工程とする。なお、図12に示す
端子部98の形成は、ノズルヘッドの回転移動やON/
OFF制御で動作制御するとともに、偏向電極4eの制
御動作により、1本のラインを複数ノズルで形成するこ
とができる。より具体的には、図53に従来の方法で形
成されパネル基材上にトナー粒子が積層されたPDP用
電極の詳細断面図を示し、図54に上記第2実施形態の
パターン形成方法により形成された電極の詳細断面図を
示すように、上記第2実施形態によれば、7μmから3
μmにトナーの小径化を図るとともに、幅60μmを4
0μmにノズルの小径化を図ることにより、銀電極の線
幅を30±10μmまで細くすることができるととも
に、スクライブ又はレーザ、レジストによる電極の端部
処理を併用することにより30±2μmまで細くするこ
とができる。また、抵抗率は、従来の方法では4μΩc
m以下であったのが、上記第2実施形態によれば、2.
7μΩcm以下と小さくすることができる。さらに、耐
電圧は、従来は2.5keV以上であるのに対して、上
記第2実施形態によれば、0〜2.5keVとすること
ができ、低い抵抗値で高い耐電圧を確保することができ
る。
【0186】さらに、従来の電子写真法と上記第2実施
形態でのパターン形成方法とを比較すると、上記第2実
施形態では、直接、対象物にトナーを転写しているのに
対して、従来の電子写真法では、感光体ドラムに、一
度、像を形成した後、転写することが大きく異なってい
る。このように感光体ドラムに、一度、像を形成するた
め、従来の電子写真法では転写によるトナーのロスが発
生する。また、濃さ(言い換えれば厚み)については、
上記第2実施形態によれば、電気的に濃くできるのに対
して、従来の方法では、感光体に付着するレベルとして
10μmまでしか行なうことができない。また、精度に
ついても、上記第2実施形態によれば30±10μmで
あるが、従来の電子写真法では、レーザ及び光の集光度
合いにより30±10μmに制御可能であるが、不安定
なものとなる。
【0187】(第3実施形態)さらに、上記第1実施形
態の方法を実際に利用するには、いくつかの課題があ
る。
【0188】電子写真では、一旦、感光体にパターン
像を作り、パネルに転写するが、この場合、感光体とパ
ネルの距離が変化すると、転写するとき、像がにじん
で、パターン精度が悪くなる可能性がある。
【0189】感光体表面が傷つき、安定性に欠ける可
能性がある。
【0190】感光体表面を完全にクリーニングするこ
とは困難であり、パターンの一部が残り、像がにじむ可
能性がある。
【0191】感光体は、高価で、面精度が出にくい可
能性がある。
【0192】パターン形成材料を含むトナーを作製す
ることが困難であることがある。
【0193】湿度、温度の影響を受けて、帯電性が変
化して、像がにじむ可能性がある。
【0194】したがって、本発明の第3実施形態の目的
は、上記課題を解決して、工程が簡単で、しかも微細パ
ターン形成の精度も良い、パネル基材へのパターン形成
方法および装置を提供することである。
【0195】上記課題を解決するために、本発明の第3
実施形態は、パネル基材の表面にパターンを形成するに
際して、パターン形成材粒子を帯電させる工程(a)
と、中間体に静電パターンを形成する工程(b)と、工
程(b)により形成された中間体の静電パターンにパタ
ーン形成材粒子を付着させる工程(c)と、中間体に付
着したパターン形成材粒子をパネル基材へ転写させる工
程(d)と、工程(d)で転写されたパターン形成材粒
子をパネル基材上に定着させる工程(e)と、転写後の
中間体をクリーニングして、残存パターン形成材粒子を
除去する工程(f)とを行うものである。
【0196】また、第3実施形態は、パネル基材の表面
にパターンを形成するパネル基材へのパターン形成装置
であって、パネル基材を支持するパネル保持部材と、パ
ネル基材の表面に対向して配置された基本ユニットとを
具備して、上記パネル保持部材と基本ユニットの少なく
とも一方を水平面内で移動自在でかつ昇降自在に構成
し、上記基本ユニットに、パターン形成材粒子をパネル
基材に転写する中間体と、上記中間体に静電パターンを
形成する静電パターン形成装置と、パターン形成材粒子
を帯電させる粒子帯電装置と、上記帯電されたパターン
形成材粒子を中間体の静電パターン上に付着させる現像
装置とを設け、パネル基材に静電力を作用させて中間体
の表面にパターン形成材粒子を転写する転写装置とを設
けたものである。
【0197】上記各構成によれば、PDP(プラズマデ
ィスプレイパネル)や液晶パネルや回路基板などの大型
パネルを構成する基材に所望のパターンを形成する際に
おける工程が簡単となるなり、また、パターン形成材粒
子を直接パネル基材上に付着させるのではなく、一旦、
中間体の静電パターン上に付着させた後、パネル基材に
転写するので、パターン形成材粒子の付着、転写供給を
スムーズに行うことができ、パネル基材上に安定してパ
ターンを精度良く形成することができる。これにより、
パターン形成したパネルを安価に製造することができ、
しかも、パネル基材に精度の良い微細パターンを形成す
ることができる。
【0198】本発明の第3実施形態に係るパネル基材へ
のパターン形成装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0199】図55はパネル基材3にパターンを描画す
るパターン形成装置を示しており、パネル基材3は、機
台301上に配置されたXYステージ装置(パネル保持
部材)305の平坦なステージ305aに、真空吸着す
る吸着保持装置(図示せず)により固定され、内蔵され
たパネル移動装置により前後左右に移動可能に保持され
ている。また、ステージ305a上のパネル基材3は、
位置を検出する位置検出ユニット(例えばCCDカメ
ラ)306により位置が検出されるとともに、厚みを測
定する間隔検出装置であるレーザ式変位計307により
厚みが検出され、検出信号が制御盤(転写間隔制御装
置)308に出力されている。
【0200】また、機台301上でXYステージ装置3
05の両側にわたって掛け渡されたガイドフレーム30
2には、移動装置311により水平レール311bを介
して左右方向に移動自在に支持されるとともに、垂直レ
ール311aを介して昇降自在に支持された基本ユニッ
ト304がユニットカバー304aに覆われて配置され
ている。そして、制御盤308の動作信号に基づいて、
移動装置311により基本ユニット304が横行移動お
よび昇降移動され、また、レーザ式変位計307の検出
信号に基づいて制御盤308から操作信号が移動装置3
11に送られ、基本ユニット304(中間体)とパネル
基材3の間隔が制御される。さらに、パネル基材3の決
められた位置にきたときに、粒子タンク309から基本
ユニット304を介して形成材料を含む帯電したパター
ン形成材粒子1がパネル基材3上に吐出され、パターン
がパネル基材3の表面に描画される。また、このパター
ン形成装置はカバー312により全体が覆われて、図示
しない温度調整装置や空調装置などの雰囲気調整装置に
より、転写に適正な一定の温度や湿度に保持されてい
る。
【0201】次に、ケース304a内に収容された基本
ユニット304の構成を図56と図57を参照して説明
する。図56(a)、(b)は、パターン形成材粒子1
をパネル基材3に転写する中間体325を円柱状感光体
で形成したもの、図57(a)、図57(b)は中間体
325を板状感光体で形成したものを示し、両者とも除
電器(除電装置)320、クリーナ321、帯電器(静
電パターン形成装置)322、露光器(静電パターン形
成装置)323、現像器(現像装置)324、中間体3
25を具備している。また、機台301には、電圧発生
器326および定着器327が設けられている。
【0202】すなわち、クリーナ321は、中間体32
5の表面に残ったパターン形成材粒子1を取り除くもの
で、物理的にブラシで取り除くのが簡単である。ナイロ
ン製の細い毛のはけや、ウレタンからなるスポンジ状の
もので、定期的に交換可能なものが用いられる。また、
帯電を除電してからクリーナ321により物理的に行う
と効率がよい。
【0203】帯電器322は、例えばコロナ放電を利用
したもので、中間体325はパターン形成材粒子1の極
性と逆の極性に帯電される。または、パターン形成材粒
子1と同極性に中間体325を帯電させ、後述の現像器
324内に配備された金属ローラ324aにパターン形
成材粒子1と同極性のバイアス電圧を印加してもよい。
【0204】露光器323は、デジタル的にレーザ光を
照射することにより、パターンに従ってパターンに不必
要の部分の帯電を除去するもので、中間体325の表面
の感光体に部分的に電気を発生させて帯電を除去し静電
パターンを形成する。
【0205】現像器324は、パターン形成材粒子1を
帯電させて中間体325の表面に供給するもので、図5
6(b)に示すように、内部にアルミニウム製20mm
φの金属ローラ324aがあり、パターン形成材粒子4
を収納する収納部324bの出口にスポンジ状の粒子供
給ローラ324cが設けられており、これが回転するこ
とにより現像器324内のパターン形成材粒子1を金属
ローラ324aの方に送る。担持されたパターン形成材
粒子1は、金属ローラ324aの周面上に重なって載っ
ているが、ブレード324dで擦られてマイナスに帯電
され、かつ1〜3層に厚み規制され、さらに金属ローラ
324aから中間体325の静電パターンの部分に静電
気的に転写される。上記ブレード324dは、弾性を有
する金属シート材の先端部にシリコンゴムを装着したも
ので、このシリコンゴムにパターン形成材粒子1が摩擦
接触されることにより帯電される。
【0206】なお、マイナスに帯電するパターン形成材
粒子1を用いたが、プラスに帯電するものでもよく、こ
の場合には、中間体325にプラスの電圧、電位をかけ
る必要がある。
【0207】上記構成において、まず、除電器320に
より中間体325の表面全面が除電され、次いで、クリ
ーナ321により中間体325の表面が清掃されて残っ
たパターン形成材粒子1が取り除かれた後、帯電器32
2により中間体325の全面が帯電される。さらに、露
光器323にて、中間体325表面の非パターン部分の
帯電が除去され、必要なパターン部分に静電パターンが
形成される。さらに、現像器324から帯電されたパタ
ーン形成材粒子1が中間体325表面のパターン上に付
着される。その後、中間体325表面とパネル基材3と
が非接触状態で対峙され、電圧発生器326によりパネ
ル基材3に印加されて電位による静電力により、中間体
325表面のパターン形成材粒子1がパネル基材3に転
写される。その後、パネル基材3上のパターン形成材粒
子1を定着器327により熱や光等で定着させ、パター
ンが完成する。必要に応じて、パターン形成材粒子1の
転写が複数回繰り返された後、パネル基材3が焼成処理
される。
【0208】中間体325からパネル基材3へのパター
ン形成材粒子の転写は、パネル基材3の裏面からの電圧
発生器326により電気的にパネル基材3に転写するも
ので、パネル基材3の裏面に10000Vの電位が印加
され、これにより、パネル基材3の表面に約1000V
の電位が発生する。
【0209】しかし、裏面側電圧を印加する場合には、
パネル基材3のコンデンサ成分で分圧されてしまい、粒
子供給部材とパネル基材間の電位差は小さくなってしま
う。また、パネル基材3の厚みが変動すると、中間体3
25とパネル基材3間の電位差も変動してしまい、両者
間の電界が不安定となる。このため、パネル基材3の表
面を直接帯電して、一定の電界を形成することが好まし
い。したがって、パネル基材3の表面に直接1000V
をかけて、中間体325からパターン形成材粒子1を転
写するほうがよい。パネル基材3の表面を直接帯電させ
るための帯電器322としては、例えばコロナ帯電器や
接触帯電器がある。
【0210】また、中間体325に板状感光体を用いた
場合は、図57(a)、図57(b)に示すように、上
面にパターン形成材粒子1が付着された中間体325を
移動して、その上面にパネル基材3を非接触状態で配置
し、パネル基材3の下面にパターン形成材粒子1を転写
することになる。
【0211】上記中間体325を構成する感光体は、例
えば基材であるアルミ板上に感光体層を形成した有機感
光体が使用されるが、感光体の種類は、アモルファス感
光体でも、セレン系の感光体でもよい。
【0212】パネル基材3は、XYステージ装置305
のステージ面305aに載せられていて、その設置位置
が前後左右に変更されるようになっている。XYステー
ジ装置305には、ステージ面305aにパネル基材3
を保持する吸着保持装置には、パターン形成における基
点となる位置決め装置(図示省略)を有している。
【0213】このようにして、パネル基材3の表面に、
中間体325から転写させたパターンは、パターン形成
材粒子の噴出流がパネル基材3の表面に衝突するときの
エネルギーや転写時の押圧力で、そのままでもパネル基
材3上に安定的に仮止めされる(定着される)が、この
仮止力を強めるために、定着器327により、別に押圧
力を加えたり、また、パターン形成材粒子1の樹脂分を
溶融させる等して密着力を高めるようにしても良い。
【0214】また、パネル基材3や中間体325の表面
に衝突するパターン形成材粒子1は、それ自体に強い粘
着力や密着力を持っていない場合、衝突の反動でパター
ン形成領域外に斑点状に飛び散ることがある。これを防
ぐためには、パネル基材3や中間体325のパターン形
成面にオイルや粘着剤、溶剤を塗布する等して、パター
ン形成材粒子1の衝突エネルギーを吸収したり、パネル
基材3への付着力を高めることで、パターン形成材粒子
1の飛散を防止するのが良い。
【0215】さらに、パネル基材3や中間体325の表
面に形成されたパターンは、そのままでも精度が良い
が、その精度をより高めることが必要な場合は、所望の
パターンに合わせた開口パターンを持つスクリーン(図
示省略)をパネル基材3に形成されたパターンの上に置
き、露光、現像処理する露光現像処理を行う工程(h)
を設けてもよい。このためには、パターン形成材粒子1
を構成する樹脂を露光現像できるような光硬化性にして
おくと良い。
【0216】また、図55において、位置検出ユニット
306によりパネル基材3の位置が検出されるととも
に、レーザ変位計307によりパネル基材3の厚みが検
出されて、パネル基材3と中間体325との間隔が検知
されている。また基本ユニット304は、移動装置31
1により垂直レール311aおよび水平レール311b
を介して左右上下に移動可能に構成されている。したが
って、制御盤308により移動装置311を駆動して中
間体325とパネル基材3の間隔が0.3mm以下とな
るように制御し、この動きを加味することにより、中間
体325からパネル基材3に転写させるパターン形成材
粒子1によるパターン形成をより一層、きめ細かく高精
度にすることができる。
【0217】次に、このパターン形成装置を用いて、パ
ネル基材3の表面上に所望のパターンを形成するパター
ン形成方法を整理して説明する。
【0218】この方法は、下記(a)〜(g)の7つの
工程、すなわち、パターン形成材粒子1を帯電させる工
程(a)と、中間体325に静電パターンを形成する工
程(b)と、工程(b)で形成された中間体325の静
電パターンに、パターン形成材粒子1を付着させる工程
(c)と、工程(c)で中間体325に付着したパター
ン形成材粒子1を、パネル基材3に転写する工程(d)
と、工程(d)によりパターン上に転写されたパターン
形成材粒子1を、パネル基材3上に定着させる工程
(e)と、工程(e)で転写後の中間体325をクリー
ニングする工程(f)と、パターン形成材粒子1が定着
されたパネル基材3を焼成しパターンを形成する工程
(g)とにより、パネル基材3の表面にパターンが形成
される。
【0219】なお、工程(g)は、工程(a)から
(f)を複数回繰り返してパネル基材3上に複数のパタ
ーンを形成した後に、一括して焼成してもよく、この場
合に工程(d)の定着も一括して行ってもよい。上記複
数のパターンとは、例えば、パネル基材3に銀のパター
ンを形成したのち、酸化物のパターンを形成し、セラミ
ックスのパターンを形成する等である。この例とは異な
り、厚みのあるパターンを一度に形成できない場合に何
回かのパターン形成を行って厚みを得ることもある。パ
ターン形成が複数回ある場合は上記のような一括焼付け
が便利となる。
【0220】工程(a)は現像器324のブレード32
4dによりパターン形成材粒子1を帯電させる工程で、
このブレード324dは、ばね性の金属シート部材の先
にシリコンゴムが装着されており、シリコンゴムをパタ
ーン形成材粒子1に摩擦接触させることで帯電させる。
【0221】工程(b)は、中間体325に静電パター
ンを形成する工程で、いろいろな方式がある。例えば、
帯電器322により中間体325を全面にわたって帯電
させ、その後、露光器323により、不必要な非パター
ン部分にレーザ光を照射して感光体に電気を発生させ、
非パターン部分の電荷を除去する方法が採用される。
【0222】工程(c)は、上記工程で形成された中間
体325の静電パターンに、パターン形成材粒子1を付
着させる工程で、工程(a)で帯電されたパターン形成
材粒子1を静電パターンに降りかけるか、または現像器
324から中間体325に転写する方法がある。
【0223】工程(d)は、中間体325に付着したパ
ターン形成材粒子1を、パネル基材3に転写する工程
で、電圧発生装置326によりパネル基材3の裏面から
電圧をかけ、表面にパターンのまま転写させる。
【0224】工程(e)は、上記パターンをガラスに定
着する工程で、定着器327により熱、光等を照射し
て、パターン形成材粒子1中に含まれる樹脂成分の一部
を溶かし、パネル基材3の表面に固着させる。
【0225】工程(f)は、クリーナ321により中間
体325に残ったパターン形成材粒子を取り除く工程で
ある。中間体325に感光体で構成される場合には、パ
ターンが同じ位置に描画されないので、パターン形成材
粒子1をクリーナ321にて完全に除去しないと、不必
要な場所に描画してしまうことになる。感光体の場合
は、最初に物理的にクリーニングを実施すると、表面が
傷ついてパターンニングの精度が悪くなるため、まず、
除電器320により除電を行った後、柔らかいナイロン
製の細い毛のはけや、ウレタンからなるスポンジ状のク
リーナ321を用いてクリーニングする。また、クリー
ナ321は定期的に交換する。または、パターニングで
使用する電圧以上の電圧により、残ったパターン形成材
粒子を除去するとさらに効果的である。
【0226】板状の中間体325の場合(および後述す
る第1、第2の変形例も含めて)、真空吸引ノズル等を
使用して中間体325からパターン形成材粒子1を吸引
することによってクリーニングすることもできる。残っ
たパターン形成材粒子1の除去は、このような気流を利
用した方式のほか、超音波振動を利用した方式もあり、
これらを併せて行っても良い。このパターン形成材粒子
1の除去操作は、パターン形成時以外のときにも定期的
に行うと良い。
【0227】さらに、工程(g)はパターンを有するパ
ネル基材3を焼成する工程で、焼成により、パターン形
成材粒子1の樹脂成分を蒸発させ、金属やガラス成分を
主成分とするパターンが形成される。
【0228】上記パターン形成材粒子1は帯電するもの
であればよい。そのため、導電物は、絶縁物にするため
に樹脂中に埋め込む、または絶縁物粒子で覆うことが必
要となる。パターン形成材粒子1の材料や構造は、定着
や焼成によりパネル基材3上に固定されるものであれば
良く、PDP、液晶パネル、回路基板などのパターン形
成対象物の種類によって決まるが、例えば、粒子本体と
その表面に付着させた硬質無機微粒子を含み、上記粒子
本体が、金属、金属酸化物、セラミックスおよびガラス
からなる群から選ばれる1種以上の無機材料とバインダ
ー樹脂とを含み、無機材料とバインダー樹脂との合計量
に対する無機材料の割合が30〜99重量%である配合
材料から形成された粒径0.5〜15μmの粒子であ
る。上記無機材料の割合が30重量%未満または99重
量%を超える場合は、粒子の電荷量を調節できないため
であり、また、上記粒径が0.5μm未満または15μ
mを超える場合は、体積当たりの電荷量が調節できない
ためである。
【0229】上記粒子本体を得るための金属としては、
銀、金、銅、銀パラジウム等の電極材を用いることがで
きる。金属酸化物としては、アルミナ、チタン酸化物、
ガラスフリット等の障壁材、固着剤を用いることができ
る。バインダー樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、スチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエスチル、ポリスチレン、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、セル
ロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロ
ースブチレート等のセルロース系樹脂、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、ノルマルブチルメタク
リレート、イソブチルメタクリレート、イソプロピルメ
タクリレート等のメタクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を
挙げることができる。
【0230】上記パターン形成材粒子1の製造方法は、
例えば上記材料を溶融混練し、圧延冷却してハンマミル
やカッタミルで数mm角に砕き、さらに粉砕機械ミルで
0.5〜15μmに砕いた後、分級して粒径20μm以
上の粗粉と粒径5μm以下の微粉を除き、粒子本体を得
る。さらに高速流動化混合機を用いて、粒子本体の表面
にコロイダルシリカ、酸化チタン、アルミナ等の微粒子
を付着させることができる。さらに、高温熱気流中で噴
霧状にして球状化処理を行ってもよい。
【0231】また、パターン形成材粒子1は、マイクロ
カプセル法や重合方法、スプレードライ法等でも得るこ
ともできる。
【0232】パターン形成材粒子1は、金属粒子やセラ
ミックス粒子を樹脂で被覆した粒径0.5〜20μmの
粒子であっても良い。また、金属粒子とセラミックまた
はガラスとを、それぞれ別粒子として樹脂被覆し、各々
の粒子をパターン上に供給させて定着、焼成しパターン
形成してもよい。
【0233】上記第3実施形態における課題は、中間体
325とパネル基材3の間隔の制御である。距離が変化
すると、パターンがにじむ。また、温度と湿度が変化し
ても、粒子の帯電量が変化して、パターンがにじむ。
【0234】上記第3実施形態では、パネル基材3を平
坦なXYステージ装置308のステージ面308aで保
持し、この平坦なステージ面308a上に吸着保持装置
によりパネル基材3を真空吸着するようになっているた
め、仮にパネル基材3が薄くてうねりや反りが生じやす
くても、これらを真空吸着してステージ面308aの面
に沿わせることで解消し、パネル基材3と中間体325
の間隔を一定に保持することが可能となる。
【0235】この第3実施形態では、レーザ変位計30
7でパネル基材3の厚みを絶えず測定し、これから得る
検出信号に基づき、移動装置311により基本ユニット
304の上下動を行わせて、中間体325とパネル基材
3との間隔を調整することができるため、パネル基材3
の多少のうねりや反りは解消することができる。また、
レーザ変位計307を基本ユニット304の左右2箇所
に取り付け、その検出データーに基づいて基本ユニット
304を微変動させ、中間体325とパネル基材3の間
隔を調整することにより、精度をさらに向上させること
ができる。
【0236】上記パターン形成方法の実施にあたって
は、カバー312内で、温度調整装置や空調装置などの
雰囲気調整装置により、基本ユニット304内、特に現
像器324の周囲や転写部付近などの雰囲気温度や湿度
を一定に保っておくことにより、パターン形成材粒子1
の帯電状態や転写状態を一定に保つようにすることが必
要である。
【0237】また、パターン形成後は、パネル基材3や
中間体325のパターン形成面から電荷をできるだけ早
く除いておくことが好ましいので、パターン形成処理を
行う部分を、例えば図55に示すように、カバー312
で覆っておき、静電気流や空気流を、その流れがカバー
312内からカバー312外側に向かうようにして、静
電気流や空気流をパネル基材3や中間体325のパター
ン形成面に当てて除電するのが良い。
【0238】さらに、上記第3実施形態において、精度
良くパターニングするには、中間体325とパネル基材
3の間隔、および中間体325と現像器324の間の間
隔は、0.3mm以下が適正範囲であるが、好ましくは
0.150±0.025mmに抑えておくのがよい。こ
れを容易に実現するためには、面精度を向上させ、中間
体325を高精度で保持するように構成すると良い。な
お、間隔を小さくするとさらに精度良くパターニングで
きる。また中間体325の幅を小さくすればするほど、
間隔を小さくすることができる。この中間体325の幅
は、200mm以下が好ましく、さらには100mm以
下がさらに好適である。
【0239】パネル基材3の表面における、パターン形
成材粒子1の飛散は、パネル基材3の表面にポリビニル
アルコールやテレピン油等の粘着性溶剤を塗布しておく
ことで防ぐことができる。
【0240】上記第3実施形態によれば、PDP(プラ
ズマディスプレイパネル)や液晶パネルや回路基板など
の大型パネルを構成する基材に所望のパターンを形成す
る際における工程や設備が簡単となり、またパターン形
成材粒子1を直接パネル基材3上に付着させるのではな
く、一旦、中間体325の静電パターン上に付着させた
後、パネル基材3に転写するので、パターン形成材粒子
1の付着、転写供給をスムーズに行うことができ、ま
た、パネル基材3上に安定してパターンを高精度で形成
することができる。これにより、パターン形成したパネ
ル基材3を安価に製造することができる。
【0241】ところで、上記第3実施の形態では、中間
体325に感光体を用いたが、感光体は表面の劣化や、
平面性等により、パターン精度が長時間保てない場合が
あり、また感光体表面に、転写されず残る形成材からな
るトナーにより、パターン精度が落ちることがあり、さ
らに感光体が高価であるという問題がある。
【0242】図58はそれらを解決する第3実施形態の
第1変形例を示し、感光体を用いない中間体を提案して
いる。
【0243】すなわち、ドラム状または板状の中間体3
35の表面の非パターン部分に、絶縁性層332を介し
て導電性層331を積層して形成し、中間体335をプ
ラスの電位とすれば、導電性層331にマイナスの電位
を帯電させることにより、マイナスの電荷に帯電させら
れたパターン形成材粒子1が、静電気の引力と反発力に
より、層331、332の間のパターンすべき場所に付
着する。その後、パネル基材3の裏面からの電圧発生器
326により電気的にパネル基材3に転写すればよい。
上記導電性層331は例えば銅のパターンが用いられ
る。なお、中間体335と絶縁性層332の界面や絶縁
性層332と導電性層331の界面に定着剤などの層を
形成して3つ以上の層とすることもある。
【0244】図59にさらに長期間安定する中間体の第
2の変形例を提案する。
【0245】すなわち、ガラスや、セラミックス等の絶
縁物からなる基材341中に、パターン部分に沿って金
属の導電物342を埋め込んてドラム状または板状の中
間体345としたものである。現像器324にてパター
ン形成材粒子1を中間体345に付着させるときに、導
電物342に電位約800Vをかけて付着させ、これら
付着したパターン形成材粒子1を、パネル基材3の裏面
から電圧発生器326により高い電圧をかけて電気的に
パネル基材3に転写する。なお、この転写時には、パタ
ーン形成材粒子1を付着させるより、高い電圧1500
Vで転写させる。したがって、この方法では、帯電器3
22、露光器323が不要となり、パターン形成装置が
中間体325に埋め込まれた導電物333とこれを帯電
させる印加装置(図示せず)により構成される。
【0246】また、第1、第2の変形例とも、帯電した
パターン形成材粒子1を中間体335、345の表面に
振りまき、不要部分を回収してもよい。また、導電性層
331の上部や導電物342が埋め込まれていない上面
の非パターン部分に、非粘着性材料、フッ素コートやシ
リコンをコートしておくとよい。また中間体335、3
45をクリーニングする工程(f)において、残存した
パターン形成材粒子1の除去操作は、パターン形成時以
外のときにも定期的に行っても、中間体335、345
に感光体を使用した場合に比較して劣化がすくない。
【0247】図60は中間体325を無端帯状に形成し
た第3の変形例を示し、先の実施の形態又は変形例と同
一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0248】この中間体355は、例えばシリコンシー
ト上に感光体を形成したものであり、その厚みが2mm
で、柔軟で可撓性を有する無端帯状に形成され、水平方
向に所定間隔をあけて配置された2つのガイドローラ3
51、352に巻張されて矢印方向に移動される。除電
器320は、中間体355の表面に残った静電気を除去
するもので、除電のファンを用いることもできる。
【0249】ここで、シート状の中間体355を感光体
で構成したが、第1、第2の変形例の中間体335、3
45を用いると感光体を利用しなくてもよい。
【0250】本発明の第3実施形態に係るパネル基材へ
のパターン形成方法および装置によれば、PDP(プラ
ズマディスプレイパネル)や液晶パネルや回路基板など
の大型パネルを構成する基材に所望のパターンを形成す
る際における工程が簡単となるなり、またパターン形成
材粒子を直接パネル基材上に付着させるのではなく、一
旦中間体の静電パターン上に付着させた後、パネル基材
に転写するので、パターン形成材粒子の付着、転写供給
をスムーズに行うことができ、パネル基材上に安定して
パターンを精度良く形成することができる。これによ
り、パターン形成したパネルを安価に製造することがで
き、しかも、パネル基材に精度の良い微細パターンを形
成することができる。
【0251】(第4実施形態)上記第1実施形態のよう
に静電力を利用した方法では、下記のような課題があ
る。
【0252】静電気力にてパターニングするため、粒子
を絶縁性粒子とする必要がある。しかし、電極のパター
ンを作製するには、導電性粒子を粒子中に含める必要が
ある。導電性粒子を含めると、粒子の抵抗値が落ち、帯
電量が落ちる可能性がある。その結果、制御ができずパ
ターニングができない可能性がある。
【0253】また、材料によっては、摩擦等の簡単な方
法では帯電しない、または、不均一にしか帯電しない可
能性がある。または、粒子が不均一なため、帯電量が不
均一でパターンされやすい粒子のみ、パターン形成に使
用され、組成が不均一となる可能性がある。または、帯
電の維持時間が、不均一で、時間とともにパターン性が
変化する可能性がある。
【0254】本発明の第4実施形態においては、上記課
題を解決するものであって、工程が簡単で、しかも微細
パターン形成の精度も良い、パネル基材へのパターン形
成方法を提供する。
【0255】上記課題を解決するため、本発明の第4実
施形態は、パターン形成材粒子を帯電された後、静電気
力により噴出されて直接または中間体を介してパネル基
材の表面に付着されてパターンを形成するパターン形成
装置において、パターン形成材粒子を直接、帯電器にて
帯電させる方法を用いる。
【0256】帯電器として、コロナ放電現象を用いるも
のを用いる。
【0257】帯電の方法が、パターン形成材粒子をロー
ラにて帯電させる方法を用いる。
【0258】パターン形成材粒子の帯電量を測定し、そ
の値に基づいて、帯電量を調整する方法を用いる。
【0259】別の方法として、パターン形成材粒子を帯
電された後、静電気力により噴出されて直接または中間
体を介してパネル基材の表面に付着されてパターンを形
成するパターン形成装置において、パターン形成材粒子
と帯電しやすい粒子との混合物を噴出させる方法を用い
る。
【0260】混合する帯電しやすい粒子が、樹脂80〜
100%からなる粒子を用いる。ここで、質量当たりの
電荷量(Q/A)が8以上の粒子、好ましくは、10以
上の粒子を使用する。
【0261】別の方法として、パターン形成材粒子を帯
電された後、静電気力により噴出されて直接または中間
体を介してパネル基材の表面に付着されてパターンを形
成するパターン形成装置において、パターン形成材粒子
を帯電しやすい粒子と混合し帯電させ、パターン形成材
粒子を噴出させる方法を用いる。
【0262】パターン形成材粒子と混合する帯電しやす
い粒子として、フェライト粒子、マグネタイト粒子、ガ
ラスビーズ、酸化鉄粒子、樹脂粒子のいずれかを用い
る。
【0263】パターン形成材粒子と混合する帯電しやす
い粒子の粒子径として、5μmから100μmであるも
のを用いる。
【0264】別の方法として、帯電された後、静電気力
により噴出されて直接または中間体を介してパネル基材
の表面に付着されてパターンを形成するパターン形成装
置において、中間体を帯電させ、その中間体表面で、パ
ターン形成材粒子を帯電させる方法を用いる。
【0265】別の方法として、パターン形成材粒子を帯
電された後、静電気力により噴出されて直接または中間
体を介してパネル基材の表面に付着されてパターンを形
成するパターン形成装置において、ブレードとパターン
形成材粒子の間の摩擦で、粒子を帯電させるするパネル
基材へのパターン形成方法を用いる。
【0266】上記ブレードの表面に、帯電しやすい材料
をコートする方法を用いる。
【0267】上記ブレードに電位をかける方法を用い
る。
【0268】別の方法として、パターン形成材粒子を帯
電された後、静電気力により噴出されて直接または中間
体を介してパネル基材の表面に付着されてパターンを形
成するパターン形成装置において、パターン形成材粒子
をローラにて、帯電させる場合に、ローラの回転数を制
御する方法を用いる。
【0269】別の方法として、パターン形成材粒子を帯
電された後、静電気力により噴出されて直接または中間
体を介してパネル基材の表面に付着されてパターンを形
成するパターン形成装置において、パターン形成材粒子
をプラズマ中に入れて処理したものを用いる。
【0270】プラズマ中に入れて処理する場合、プラズ
マ処理は真空中に不活性ガスまたは酸素を導入する方法
を用いる。
【0271】以下、本発明の第4実施形態に係わるパタ
ーン形成装置およびその付属機構を図面を用いて詳細に
説明する。
【0272】まず、パターン形成装置を説明する。
【0273】図61、図62は、本発明の第4実施形態
にかかる、パネル基材へのパターン形成装置を表してい
る。
【0274】このパターン形成装置は、パターン形成材
粒子1を担持搬送する粒子供給部材402を備えるとと
もに、粒子供給部材402とパネル基材3の間に配置さ
れるノズル404をも備えている。なお、図61、図6
2にはローラ形状の粒子供給部材402を図示している
が、粒子供給部材402は、これに限るものではなく、
例えば、ベルト形状のものを用いてもよい。パネル基材
3はガラス板などである。ノズル404は、ノズルケー
ス404a内に収納されていて、パターン形成材粒子1
を通過させる孔404bを持つFPC(フレキシブルプ
リント回路基板)404cで構成されている。パターン
形成材粒子1を収納するホッパー405内には粒子供給
ローラ406が設けられていて、回転することによりホ
ッパー405内のパターン形成材粒子1を粒子供給部材
402の方に送る。担持されたパターン形成材粒子1
は、粒子供給部材402の周面上に重なって載っている
が、ブレード407で擦られてマイナスに帯電し、か
つ、1〜3層に厚み規制される。ノズル404の位置に
達したパターン形成材粒子1は、制御電極404dによ
る電圧制御により、粒子供給部材402からパネル基材
3の表面へ噴出される。
【0275】パネル基材3は、粒子供給部材402に対
して+1000Vに電位がかけられている。制御電極は
非噴出時は、粒子供給部材402に対して−100〜−
200Vに電位がかけられている。噴出時は、0Vに設
定され、マイナスのパターン形成材粒子1は、静電気力
により、パネル基材3へ噴出される。
【0276】パネル基材3を帯電させるための帯電器4
35としては、例えば、コロナ帯電器や接触帯電器のよ
うなパネル基材3の表面側から帯電させる方式があるほ
か、パネル基材3の裏面側から電圧を掛ける電圧発生器
420のような裏面側帯電方式もある。しかしながら、
裏面側から電圧を印加する場合、パネル基材3のコンデ
ンサ成分で分圧されてしまい、粒子供給部材402とパ
ネル基材3間の電位差は小さくなってしまう。また、パ
ネル基材3の厚みが変動すると、粒子供給部材402と
パネル基材3間の電位差も変動してしまい、両者間の電
界が不安定となる。よって、パネル基材表面を直接帯電
して、一定の電界を形成することが好ましい。
【0277】ノズル孔404bの周囲には、パターン形
成材粒子1の噴出をオン・オフさせるための制御電極4
04dのほかに、偏向電極404eもパネル基材3側に
埋め込まれており、パターン形成材粒子1は偏向電極4
04eの働きで噴出角度を調節される。このような働き
をする偏向電極404eは通常、ノズル孔404bの周
囲において制御電極404dと対向する位置に設置され
て、パターン形成材粒子1の噴出流を前後方向や左右方
向の一方向に偏向させる。しかし、このような偏向制御
電極のほかに、パターン形成材粒子1の噴出流を集中し
絞るためのリング状の偏向電極であっても良い。
【0278】パネル基材3は、XYテーブル408上に
載せられていて、その設置位置がXYテーブル408の
X方向及びY方向のそれぞれへの移動可能な機能により
前後左右に変更されるようになっている。XYテーブル
408のようなパネル基材3の保持部材は、パターン形
成における基点となる位置決め装置(図示省略)を有し
ている。
【0279】パターン形成材粒子1の噴出角度の調節と
パネル基材3の位置の変更を適宜に組み合わせることに
より、ノズル404から噴出するパターン形成材粒子1
は所望のパターン(図示省略)を形成することができ
る。このようなパターンは通常、パネル基材3の表面上
に直接に形成されるが、後述のように、一旦、中間体4
25、428、429に形成させておき、これを中間体
425、428、429からパネル基材3上に転写する
場合もある。このような中間体425、428、429
を用いる場合は、この中間体425、428、429を
帯電させてパターン形成材粒子1の噴出流を作ることは
言うまでもない。
【0280】このようにして、パネル基材3の表面に直
接形成するか、中間部材又は中間体425、428、4
29から転写させたパターンは、パターン形成材粒子1
の噴出流がパネル基材3の表面に衝突するときのエネル
ギーや転写時の押圧力で、そのままでも、パネル基材3
上に安定的に仮止めされる(定着する)が、この仮止力
を強めるために、別に押圧力を加えてもよく、パターン
形成材粒子1の樹脂分を溶融させる等して密着力を高め
るようにしても良い。
【0281】粒子供給部材402と粒子供給ローラ40
6を収納したノズルケース404aは、垂直レール41
0aを介して水平レール410bに取り付けられている
ため、左右上下に移動可能となっており、この動きを加
味することにより、ノズル404から噴出するパターン
形成材粒子1によるパターン形成はより一層、きめ細か
くなる。
【0282】このパターン形成装置を用いて、パネル基
材3の表面上に所望のパターンを形成するのであるが、
この方法は、下記(a)〜(d)の4つの工程を含む。
通常はさらに下記の焼成工程(e)をも含む。
【0283】工程(a):パターン形成材粒子1を粒子
供給部材402のブレード407で帯電させる工程。
【0284】工程(b):帯電したパターン形成材粒子
1に、粒子1−パネル基材3間に発生する静電力を作用
させて帯電したパターン形成材粒子1ノズル404の孔
404bから噴出させる工程。
【0285】工程(c):噴出するパターン形成材粒子
1により所望のパターンを形成する工程。
【0286】工程(d):上記パターンをパネル基材3
上に定着させる工程。なお、このとき、上記パターン
は、パネル基材3上に直接に形成し定着させても良い
が、前述のように、一旦、中間部材425、428、4
29に形成しておいて、これをパネル基材3上に転写し
定着させても良い。
【0287】工程(e):焼成炉411を用いて、上記
定着パターンを有するパネル基材3を焼成する工程。こ
の工程では、焼成により、樹脂成分を蒸発させ、金属や
ガラス成分を主成分とするパターンが形成される。
【0288】本発明の第4実施形態に用いるパターン形
成材粒子の材料や構造は、定着や焼成によりパネル基材
上に固定されるものであれば良く、要するに、PDP、
液晶パネル、回路基板などのパターン形成対象物の種類
によって決まるが、例えば、粒子本体とその表面に付着
させた硬質無機微粒子を含み、上記粒子本体が、金属、
金属酸化物、セラミックスおよびガラスからなる群から
選ばれる1種以上の無機材料とバインダー樹脂とを含
み、無機材料とバインダー樹脂との合計量に対する無機
材料の割合が30〜99重量%である配合材料から形成
された粒径0.5〜15μmの粒子である。上記無機材
料の割合が30重量%未満または99重量%を超える場
合は、粒子の電荷量を調節できない。また、上記粒径が
0.5μm未満または15μmを超える場合は、体積当
たりの電荷量が調節できず、粒子の制御が不可能であ
る。
【0289】上記粒子本体を得るための金属としては、
銀、金、銅、銀パラジウム等の電極材を用いることがで
きる。金属酸化物としては、アルミナ、チタン酸化物、
ガラスフリット等の障壁材、固着剤を用いることができ
る。バインダー樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、スチレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエステル、ポリスチレン、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、ニトロセルロース、セル
ロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロ
ースブチレート等のセルロース系樹脂、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、ノルマルブチルメタク
リレート、イソブチルメタクリレート、イソプロピルメ
タクリレート等のメタクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂を
挙げることができる。
【0290】上記パターン形成材粒子1は、例えば、上
記材料を溶融混練し、圧延冷却し、ハンマミルやカッタ
ミルで数mm角に砕き、さらに粉砕機械ミルで0.5〜
15μmに砕き、粒径20μm以上の粗粉と粒径5μm
以下の微粉を除く分級を行って、粒子本体を得て、高速
流動化混合機を用いて、粒子本体の表面にコロイダルシ
リカ、酸化チタン、アルミナ等の微粒子を付着させるこ
とができる。さらに、高温熱気流中で噴霧状にして球状
化処理を行ってもよい。
【0291】パターン形成材粒子1は、また、マイクロ
カプセル法や重合方法、スプレードライ法等でも得るこ
ともできる。
【0292】パターン形成材粒子1は、金属粒子やセラ
ミックス粒子を樹脂で被覆した粒径0.5〜20μmの
粒子であっても良い。また、金属粒子とセラミックまた
はガラスとを、それぞれ、別粒子として樹脂被覆し、各
々の粒子に対応したノズルにてパターン形成してもよ
い。
【0293】本発明の第4実施形態にかかるパターン形
成方法では、上記工程(a)〜(c)を繰り返してパネ
ル基材の表面上に複数のパターンを形成した後、定着工
程(d)を行うか、または工程(a)〜(d)を繰り返
してパネル基材の表面上に複数のパターンを形成した
後、焼成工程(e)を行い、定着工程や焼成工程を1度
で済ませることもできる。上記複数のパターンとは、例
えば、パネル基材3に銀のパターンを形成したのち、酸
化物のパターンを形成し、セラミックスのパターンを形
成するなどである。この例とは異なり、厚みのあるパタ
ーンを一度に形成できない場合に何回かのパターン形成
を行って厚みを得ることもある。パターン形成が複数回
ある場合は上記のような一括焼付けが便利である。
【0294】本発明の第4実施形態においては、パネル
基材3を平坦な面で保持し、この平坦面がパネル基材3
を真空吸着するようになっていると、仮に、パネル基材
3が薄くて、うねりや反りが生じやすくても、これらを
真空吸着で解消し、パネル基材3とノズル404の間隔
を一定にさせることができる。
【0295】図61に示したレーザ変位計409bでパ
ネル基材3の厚みを絶えず測定するようにすれば、これ
から得る検知情報に基づき、ノズルケース404aの上
下動を行わせて、ノズル404とパネル基材3の間隔を
調整することができるため、パネル基材3の多少のうね
りや反りは解消することができる。
【0296】なお、上記形成装置では、粒子供給装置の
ノズル404から直接又は間接にパネル基材3の表面に
パターンを形成するものであるが、図73、図74、図
75に示すように、現像器424とパネル基材3の間
に、感光体及び静電パターン形成部材を有して静電パタ
ーンが形成可能な円柱状や板状或いは無端帯状の中間体
425、428、429からパネル基材3の表面に静電
気により転写するように構成してもよい。なお、この場
合、これらはユニットとして、図61のノズルケース4
04aに収納させていてもよい。そのユニットであるノ
ズル404、除電器(除電装置)420、クリーナー
(清掃機構)421、露光器(静電パターン形成機構)
422、現像器423は、それぞれ、中間体425に対
向するように配置される一方、機台402には、電圧発
生器(転写装置)426および、定着器(定着装置)4
27が設けられている。
【0297】上記パターン形成装置において、パターン
形成材粒子1をパネル基材3等に静電気力によりパター
ニングするのであるが、パターン形成材粒子1が、十分
に制御できるだけの帯電量を保持できない場合、以下の
方法が必要となる。
【0298】パターン形成材粒子1を制御するには、電
磁気学の式より、静電気力=電荷×電界=粒子質量×粒
子加速度が知られている。式の変形をすると、加速度=
(電荷/粒子質量)×電界となる。
【0299】粒子をパターニングするために制御をする
には、(電荷/粒子質量)の値が重要である。
【0300】そこで、帯電量を上げ、粒子の電荷を上げ
る必要がある。電界を高くすると制御ができず、すべて
が塗布されたり、不必要なところへ塗布され、かぶりが
発生する。
【0301】パターン形成材粒子1の帯電量を上げ、か
つ、均一に帯電させる本発明の第4実施形態の変形例を
以下に示す。
【0302】第4実施形態の第1変形例を示す。図62
において、用いるパターン形成材粒子1とともに、帯電
しやすい粒子431の混合物をホッパー405に導入
し、粒子供給部材402、そして、粒子供給ローラ40
6に、ともに移動させ、ノズル404より、制御して噴
出さ、パネル基材3上でパターニングを行う。パターン
形成材粒子1が帯電しにくいものであっても、帯電が不
均一であっても、混合する帯電しやすい粒子431が帯
電することで、パターン形成材粒子1が均一に帯電さ
れ、かつ、帯電量が高くなる。その結果、安定化したパ
ターニングができる。
【0303】帯電しやすい粒子431とは、主成分が樹
脂材料からなり、帯電を制御する成分、離形性を上げる
成分を含んだ粒子である。例えば、ポリエチレン樹脂9
8重量%に、クロム錯体等の帯電量が高い帯電量調整材
1重量%、シリカ等帯電しやすい外添加材1重量%から
なる粒子である。
【0304】粒子供給部材402の拡大図を図63に示
す。帯電しやすい粒子431が、パターン形成材粒子1
を帯電させるので、均一に混ざっている必要がある。パ
ターン形成材粒子1と帯電しやすい粒子431との混合
は、混合が悪いと、帯電が不均一になる。混合は、ミキ
サー等にて目視にて均一になるまで行う必要がある。ま
た、図62には無いが、ホッパー405内には、混合用
の羽根や超音波振動等の機構が付いている。粒子径は、
混合が均一になるように、パターン形成材粒子1に帯電
しやすい粒子431の粒子径を合わせるとよい。
【0305】第4実施形態の第2変形例を、図64に示
す。混合する粒子として、パターン形成材粒子1に必要
な極性と逆極に帯電しやすい粒子432を用いて、パタ
ーン形成材粒子1と混合し、ホッパー405から導入す
る。この逆極に帯電しやすい粒子432により、パター
ン形成材粒子1は、その本来の極に帯電させられる。た
だし、この粒子432は、ノズル404から吐出され
ず、粒子供給部材402に付着し、次のパターン形成材
粒子1と結びつく。帯電の極性は、材料で決まる。ポリ
エチレン樹脂はマイナスにガラスやナイロンはプラスに
帯電する。帯電しやすい粒子432として、酸化鉄のフ
ェライト粒子、マグネタイト粒子やガラスビーズ、酸化
鉄粒子、樹脂粒子を用いることができる。パターン形成
材粒子1の粒子径より大きいが、大きくとも数100μ
mまでである。帯電量を増すため、樹脂をコートしてお
くとさらによい。
【0306】第4実施形態の第3変形例を図65
(a)、図65(b)に示す、粒子供給部材402に帯
電しやすい粒子432を接着して層433を作製する。
または、図65(b)では、粒子供給部材402に帯電
しやすい材料をコートして層434を作製する。それら
の層433、434に送られてきたパターン形成材粒子
1が、粒子供給部材402で帯電させられ、ノズル40
4より吐出される。これらの極性は、パターン形成材粒
子1が必要な極性と逆の極性になる材料および、粒子を
選択する必要がある。
【0307】第4実施形態の第4変形例を、図62で説
明する。粒子供給部材402の回転数自身を上げると、
ブレード407との摩擦によりパターン形成材粒子1の
帯電量が上がる。または、粒子供給ローラ406と粒子
供給部材402の回転数を変えることでも、摩擦によ
り、パターン形成材粒子1の帯電量は上がる。ブレード
407の材質として、帯電させやすいもの、例えば、シ
リコン、テフロン(登録商標)ブレード407と粒子供
給部材402の間の圧力を上げると、帯電量は増加する
が、供給される粒子数が減り、パターニングできない。
【0308】第4実施形態の第5変形例を図62で説明
する。ブレード407とノズル404の間に帯電器43
5を設ける。ブレード407で帯電させられた粒子をさ
らに帯電器435で帯電させて、パターン形成材粒子1
の帯電が均一に、高帯電させられ、上記と同様に、ノズ
ル404より、噴出させ、パネル基材3上でパターニン
グを行う。パターン形成材粒子1が帯電しにくいもので
あっても、帯電が不均一であっても、帯電しやい粒子に
より、帯電が均一で、帯電量が高い。
【0309】第4実施形態の第6変形例にかかる帯電器
435として、図66と図67に示すものを用いること
ができる。数十μm直径のタングステン線441の回り
に、粒子供給部材402に対向してシールド電極440
を設け、4kVから10keVの高電圧を上記タングス
テン線441に印加することで、コロナ放電を起こして
粒子供給部材402を帯電するものである。図67で
は、タングステン441に定電流を流し電圧を起こし、
コロナ帯電を起こす。また、グリッド電極442を配置
したもので、グリッド442にかけた電圧より粒子供給
部材402の電圧が低いと、コロナ放電が粒子供給部材
402にあたり、同じ電圧になるまでかかる。どちらの
方法でも、パターン形成材粒子1による付着により、タ
ングステン線441が汚れる。このため、定期的にパタ
ーニングしないときに、超音波振動やエアーによるクリ
ーニングを設けている。
【0310】また、第4実施形態の第7変形例として、
図68に示す粒子供給部材402に対向する固体放電素
子を用いてもよい。誘電体を介して、1対の帯状の電極
を設けたもので、AC電極445とDC電極444から
なり、AC電極445で正負両イオンを発生させ、DC
印加電界によってイオン放出する。この方式の利点は、
省スペースかつ形成材粒子1が付着しない、取り扱いが
容易である。
【0311】また、第4実施形態の第8変形例として、
図69に示す針状の電極443に電圧を印加して、コロ
ナ放電を発生させてもよい。100V程度の低電圧で放
電が発生できる。20から30mm程度離すと均一な帯
電させる。針状の電極443をたくさん並べ、全体の粒
子供給部材402を均一に帯電させる。
【0312】また、第4実施形態の第9変形例におい
て、図70に示すように、粒子供給部材402と粒子供
給ローラ406との中間に互いに接触している中間ロー
ラ451が配置され、ブラシ450で中間ローラ451
を帯電させ、その中間ローラ451にパターン形成材粒
子1を粒子供給ローラ406で供給し、その中間ローラ
451を介して、粒子供給部材402にパターン形成材
粒子1を供給する。これにより、パターン形成材粒子1
を帯電させる。ブラシ450は、導電性繊維をはけのよ
うに束ねたものやレーヨンやポリエステルなどの繊維状
にしたものを用いて、中間ローラ451に接触させて、
中間ローラ451を帯電させる。
【0313】また、第4実施形態の第10変形例におい
て図71に示すように、鉄や銅の芯に電圧をかけ、導電
性のゴムが被覆されている帯電するローラ460を用い
て、粒子供給部材402を帯電させてもよい。
【0314】第4実施形態の第11変形例において、図
72に示すように、粒子供給部材402に非接触で、ロ
ーラ451を配置して、帯電を誘引して、パターン形成
材粒子1を帯電させてもよい。ローラ451と粒子供給
部材402の距離は、50μm以内とする必要がある。
【0315】上記すべてにおいて、パターン形成材粒子
1の帯電量をモニターリングし、その値を認識し、帯電
器の出力を制御することで、帯電量を一定に保つことが
できる。その結果で、安定したパターニングができる。
【0316】第4実施形態の第12変形例においてとし
て、パターン形成材粒子1をプラズマ中に入れて処理す
ると、帯電性がアップする。その理由は、処理によるO
H基などの導入による。アルゴンや酸素中で処理すれば
よい。処理無しの場合と比較して、2から10倍の帯電
量が上がる。プラズマ処理は真空中にアルゴンや酸素を
入れて0.1〜10Paとし、高電圧をかけるとプラズ
マ状態ができる。その中でパターン形成材粒子1を処理
すればよい。
【0317】第4実施形態の第13変形例においてとし
て、図62において、ブレード407と粒子供給部材4
02の間に電界を与えると接触帯電量が増す。これは、
接触帯電が接触する物体の電子レベルの差によって起こ
ると考えられる。外部から与えた電界が接触している物
体表面間に電位差を作り、これによって双方の電子レベ
ルの位置が強制的に動かされて電子の移動量が変化す
る。実験的にも外部電界に比例して接触帯電の電荷発生
量が変化する。ブレード407にかける電圧として、1
kV程度が必要である。電圧を上げれば、さらに、帯電
量が増加する。ブレード407の材質として、負のパタ
ーン形成材粒子1用には、金属板上面に、シリコーン系
樹脂、又は、スチレン・アクリル系樹脂をコートすると
さらに帯電量が上がる。正のパターン形成材粒子1用に
は、金属板上面に、フッ素系、シリコーン系、又は、ス
チレン・アクリル系樹脂をコートする。
【0318】第4実施形態の第14変形例として、帯電
量を上げるために、粒子径を小さくしてもよい。以下に
その理由を示す。電磁気学の式より、静電気力=電荷×
電界=粒子質量×粒子加速度である。
【0319】式を変形すると加速度=(電荷/粒子質
量)×電界となる。
【0320】粒子をパターニングするための制御を行な
うためには、電荷/粒子質量の値が重要である。電荷/
粒子質量の値が大きいほど、パターニング性が良くな
る。電荷がアップできない場合は、質量を小さくすれば
よい。質量を小さくするには、粒子径を小さくすること
になる。粒子径が小さくなると、質量は径の3乗で減少
する。表面積が径の2乗で減少するため、帯電量は表面
積と比例し、2乗で減少する。その結果、電荷/質量
は、増加する。
【0321】例えば、以下の表2に示すように、実際に
測定した結果を示す。電荷量の測定は、図62の粒子供
給ローラ406上のパターン形成材粒子1をフラデーゲ
ージにて集めて、測定器で帯電量と質量を測定して求め
た。パターニングするには、7μc/g以上必要であ
る。用いたパターン形成材粒子は、40体積%の導電粒
子と60体積%の樹脂からなるものである。粒子径は1
5μm以下が最低必要で、10μm以下がさらによい。
【0322】
【表2】粒子径と電荷量/質量の関係
【0323】本発明の第4実施形態にかかるパネル基材
へのパターン形成方法および装置によれば、PDP(プ
ラズマディスプレイパネル)や液晶パネルや回路基板な
どの大型パネルを構成する基材に所望のパターンを形成
する際における工程が簡単となるため、パターン形成し
たパネルを安価に製造することができ、しかも、パネル
基材に精度の良い微細パターンを形成することができ
る。
【0324】(第5実施形態)先の第1実施形態にかか
るパターン形成方法には以下の課題がある。
【0325】パネル基材3がガラス等で、厚みが2から
3mmの場合、パネル基材3の裏面より電圧をかけるな
ら、パネル基材3の表面に約1000V発生させるため
には、約10000〜5000Vの高電圧が必要とな
り、危険である。また、高電圧を印加しても、パネル基
材3全体が均一に帯電しにくい。かつ、パネル基材3の
裏面の電源と接触が悪い箇所の電圧が低くなり、パネル
基材3の表面の電位が不均一になる。
【0326】パネル基材3を帯電させる方法として、表
面をコロナ放電器を用いると、パネル基材3の水分等の
表面状態によりパネル基材3全体が均一に帯電させるこ
とが困難である。また、パネル基材3自身が移動するた
め、表面電圧の均一性、安定性にかける。また、その安
定性は、温度、湿度、パネル基材3であるガラスの表面
の状態に依存し、安定して製造できない。
【0327】そこで、本発明の第5実施形態の目的は、
簡単に安定してパネル基材に各種パターニングができる
パターン形成方法を提供することである。
【0328】すなわち、第5実施形態のパターン形成方
法では、パネル基材の表面にパターンを形成する方法で
あって、パターン形成材粒子を帯電させる工程(a)
と、帯電したパターン形成材粒子に静電力を作用させて
塗布する工程(b)と、塗布させたパターン形成材粒子
で所望のパターンを形成する工程(c)と、上記パター
ンをパネル基材上に定着させる工程(d)と、を含む、
パネル基材へのパターン形成方法において、 パネル基材表面に存在する別の層に電圧を印加し、
パターン形成材粒子を塗布する静電気を利用したパター
ン形成方法を用いる。
【0329】 パネル基材裏面の凹凸のない導電性部
材に電圧を印加し、パターン形成材粒子を塗布するパタ
ーン形成方法を用いる。または、その裏面の導電性部材
の形状をパターン形状と同型にするパターン形成方法を
用いる。
【0330】新たに、パネル基材表面に導電層を形成
し、その層に電圧を印加し、パターン形成材粒子を塗布
するパターン形成方法を用いる。
【0331】以下、第5実施形態にかかるPDPの電極
形成のパターニングについて図76(a)、図76
(b)と図77などに基いて詳細に説明する。
【0332】図76(a)では、パネル基材3を載せて
いるテーブル508にケーブル519にて電圧をかけて
いる。テーブル508は、電気を通すものとして金属、
例えば、アルミニウム、SUS系金属等が用いられる。
パネル基材3の大きさは、800mm×600mmで、
テーブル508は、1000mm×800mmで、厚み
は30mmである。電圧を印加するのは、テーブル50
8のどの位置でもよい。テーブル508とパネル基材3
の密着性が悪いと、パネル基材3の表面電位が均一でな
くなり、パターン精度に影響がでる。テーブル508の
表面凹凸を±15μm以下、さらには、±10μm以下
に抑えるのがよい。テーブル508には、パネル基材3
を密着させるための真空吸引するための穴があいてあ
り、パネル基材3を密着性よく吸着する。穴を大きくし
すぎると、その部分の電位がかかり方が悪く、電界がゆ
がんだり、弱くなったりして、うまくパターニングでき
ない。
【0333】図76(b)に、第5実施形態の第1変形
例を示す。図77に示すようにパネル基材3の表面に存
在する導電性膜520にケーブル519にて電圧をかけ
る。このようにすれば、下部のパネル基材3がどのよう
な厚みでも、パターニングができる。図77に、この方
法を具体的に用いる場合の例を示す。図77はPDPの
構成の断面図である。導電性膜520の一例としてのI
TO膜520上に銀電極521がある。銀電極521を
パターニングするときに、導電性のインジウム錫酸化膜
であるITO膜520に電圧をかける。ITO膜は導電
性があり、電圧が均一にかかる。
【0334】ただし、パネル基材3が導電性のものな
ら、パネル基材3自身に1000Vの電圧を、そのまま
かけることができるので、上記導電性膜520を形成す
る必要がない。また、導電性のパネル基材3の表面に薄
い膜0.5mm程度以下の膜厚の膜があっても、問題な
く、テーブル508に電圧をかけるだけでよい。
【0335】パネル基材3の表面に導電性膜がない場
合、および、導電性膜以外の箇所にパターニングすると
きを、第5実施形態の第2変形例として図78に示す。
図78の参照符号25は、ガラスパネルの下に、パター
ンに対応するところに金属製のものを置き、そのものに
電圧を印加することで、そのガラス上部にパターン形成
材粒子を付着させる。電極のパターンに応じた凹凸を持
つ導電性ステージ508を作製し、その上にパネル基材
3を置いて、ステージ508に電圧をかけると、パター
ンするべき場所のみ電圧が発生し、パターン形成材粒子
1がノズルより塗布されやすい。所望のパターンの凸部
を持つステージ508の上に、パネル基材3(この場
合、一例として2.8mm厚みのガラスパネル)が存在
し、ステージ508に電圧をかけることで、パネル基材
3の一例であるガラスパネル3上のパターンに応じた箇
所のみに電圧が発生する。その箇所に、ノズル504よ
りパターン形成材粒子1を塗布し、静電気力で、パター
ニングする。ノズル504を用いずに、簡易的に帯電さ
せたパターン形成材粒子1をパネル基材3上にふりまい
てもよい。
【0336】第5実施形態の第3変形例にかかる方法と
して、あらかじめパネル基材3上に薄い導電性樹脂膜を
作製し、その膜に電圧をかけて、パターン形成をするこ
とができる。導電性膜として、炭素とアクリル樹脂を溶
かした溶剤であるターピネオールをパネル基材3にコー
トし作製する。コートは、ディッピングでもスプレーで
もダイコートでもよいが平面性が必要で、±10μm以
内でないと、パターニングの精度に影響がでる。さら
に、±5μm以内ならよい。導電性コート材は、焼成に
より蒸発する必要がある。残存すると、色調上、電気特
性上よくない。例えば、静電気防止対策用のコート材が
使用できる。
【0337】用いたパターン形成材粒子1は、溶かした
樹脂に銀を混入させ、粉砕することで作製した。銀粒子
は、1μm粒子径以下のものを用いた。樹脂は、ポリエ
チレンを用いたが、熱可塑性樹脂なら別のものでもよ
い。組成は、銀含有量が50〜90重量%で、残りは樹
脂である。内部に電荷調整材、外部に離形材を数%以下
混入させている。パターン形成材粒子径は、5〜10μ
mとした。
【0338】第5実施形態の第4変形例をパネル基材3
の別の例としてのPDPの蛍光体形成に用いる実施例と
して説明する。
【0339】まず、蛍光体形成プロセスを図79
(a)、図79(b)、図79(c)を用いて説明す
る。粒子供給ローラ502上で帯電したパターン形成材
粒子1を静電気力にて、図79(a)のように隔壁53
1内に容積の100%程度挿入する。その後、一旦、パ
ネル基材3を130℃の加熱することで、パターン形成
材粒子1の樹脂材料を溶かし、定着、平坦化し、図79
(b)となる。その後、焼成600℃で、樹脂材料を蒸
発させて、蛍光体膜539を形成を完成させ、図79
(c)となる。蛍光体膜539は、隔壁531内に均質
な膜厚で作製される必要がある。
【0340】先の実施形態においても説明したように、
PDP用のパネル基材3を帯電させるための帯電器とし
ては、例えば、コロナ帯電器や接触帯電器のようなパネ
ル基材3の表面側から帯電させる方式があるほか、パネ
ル基材3の裏面側から電圧を掛ける電圧発生器のような
裏面側帯電方式もある。しかしながら、パネル基材3の
裏面側から電圧を印加する場合、パネル基材3のコンデ
ンサ成分で分圧されてしまい、粒子供給部材502とパ
ネル基材3間の電位差は小さくなってしまう。パネル基
材3の厚みは、2.8mmあり、パネル基材3の表面に
1000Vを印加させるには、パネル基材3の裏面に5
000Vから10000Vを印加する必要があり、危険
である。また、印加できても、パネル基材3の厚みが変
動すると、粒子供給部材502とパネル基材3間の電位
差も変動してしまい、両者間の電界が不安定となる。
【0341】本発明の第5実施形態の第5変形例にかか
る電圧印加方法として、パネルの隔壁下部の電極に電圧
をかける方法を考えた。図80に示すものは、パネル基
材3の一例としてのPDPの背面板基板3を使用し、蛍
光体膜を隔壁531内に形成させようとしているパネル
基材3の断面とパターン形成材粒子1の塗布状態を示す
ものである。各隔壁531の中央の下層には、電極53
2が存在する。この電極532は、プラズマ放電を起こ
すために必要不可欠のものの構成要素である。この電極
532に電圧を印加して、パターン形成材粒子1を、隔
壁531内に静電気力によりパターニングすると、その
静電気力により、パターン形成材粒子1は必ずその電極
532の属する隔壁531に挿入させる。上記電極53
2に電圧を印加するためには、電源に接続された端子
を、パネル基材3の端部の電極532に接触させるよう
にすればよい。ノズル504は、その孔径が隔壁531
の幅の8割以内にし、その間隔は隔壁531の間隔に合
わせる。この場合は、一例として、孔径は0.150m
mで、間隔は1.08mmである。蛍光体の赤、緑、青
をそれぞれ順番に挿入し、一括して定着(130℃、1
0分間)し、焼成(600℃、10分保持)することで
蛍光体膜539の形成が完成する。蛍光体の挿入に関し
て、隔壁531の頂部に蛍光体が付着すると、混色の原
因となるので、パターン形成材粒子1に用いる樹脂とし
て、紫外硬化型樹脂、又は、アクリル樹脂を用いて、蛍
光体の挿入後、マスクを通して露光を行ない、隔壁53
1内のみ固めて、現像でそれ以外に付着した蛍光体を取
り除く方法を用いてもよい。
【0342】本発明の第5実施形態の第6変形例とし
て、図81に示すように、ノズル孔504bの周囲に
は、先の実施形態と同様に、パターン形成材粒子1の噴
出をオン・オフさせるための制御電極504dのほか
に、偏向電極504eも埋め込まれており、パターン形
成材粒子1は偏向電極504eの働きで噴出角度を調節
される。このような働きをする偏向電極504eは通
常、ノズル孔504bの対位置に設置されて、パターン
形成材粒子1の噴出流を前後方向や左右方向の一方向に
偏向させる。しかし、このような偏向制御電極のほか
に、パターン形成材粒子1の噴出流を集中し絞るための
リング状の偏向電極を利用することもできる。
【0343】これらの電極を用いて、隔壁531にパタ
ーン形成材粒子1を挿入するときの状態を図81で説明
する。ローラ502と、パネル基材3の間に電圧を常
時、印加する。パネル基材3の下のステージ508に電
圧を印加する。パターン形成材粒子1をマイナスに帯電
させ、制御電極504dのマイナスの電圧を解除してパ
ターン形成材粒子1の吐出をスタートさせ、同時に、偏
向電極504eにプラスの電圧をかけることで、パター
ン形成材粒子1の吐出軌道を広げ、隔壁531内に均一
にパターン形成材粒子1を挿入する。偏向電極504e
に印加する電圧が高すぎると、隣の隔壁531にパター
ン形成材粒子1が挿入され、混色する。偏向電極504
eに印加する電圧が低いと、隔壁531内に偏ってパタ
ーン形成材粒子1が挿入される。ノズル孔径504bを
大きくして、偏向電極504eにマイナスの電圧をかけ
て、パターン形成材粒子1を絞って隔壁531に挿入し
てもよい。
【0344】本発明の第5実施形態の第7変形例とし
て、図82に偏向電極504eを用いない場合の方法を
示す。これは、ノズル504とパネル基材3の距離Dを
離すことで、パターン形成材粒子1の吐出軌道を広げ
て、均一に隔壁531内に均一に挿入する方法である。
その離す距離Dは、吐出孔径と隔壁531の内径の関係
で決定される。つまり、一例として、ノズル孔径を10
0μm広げるには距離Dを200μm離す必要がある。
今回の例では、ノズル孔径0.100mmで、隔壁内径
0.300mmで、ノズル504と隔壁頂部との間の距
離は、0.200mmで行った。
【0345】本発明の第5実施形態の第8変形例とし
て、図83では、逆に、ノズル504とパネル基材3の
距離Dを近づけることで、パターン形成材粒子1を隔壁
531内に挿入する。パターン形成材粒子1の挿入は、
隔壁531の中央に、粒子速度をゆっくりにしてパター
ン形成材粒子1を挿入する。このためには、帯電したパ
ターン形成材粒子1を引き出す電圧を小さくする。つま
り、パネル基材3にかける電圧を表面1000Vから5
00Vに下げるとよい。引き出す電圧が高いと、パター
ン形成材粒子1が隔壁531の内壁でパターン形成材粒
子1が跳ね返って、隔壁531の頂部や隣の隔壁へパタ
ーン形成材粒子1が挿入され、混色の原因となる。
【0346】本発明の第5実施形態の第9変形例とし
て、図84では、偏向電極504e、制御電極504d
のない場合で、吐出のスタート、エンドは、ノズル50
4が隔壁531の端部に相対的にきたときに、パネル基
材3に電圧を印加することで、スタートし、反対の端部
に到着したときに、電圧を切って、エンドとなるよう
に、センサー等で電圧制御する。塗布速度は、毎秒25
cmであり、スタート、エンドのばらつきがあっても、
非表示部分3mm以内で十分収まる。
【0347】用いたパターン形成材粒子1は、樹脂に蛍
光体粒子3μm粒子径のものを含めたものを用いた。樹
脂は、ポリエチレンを用いたが、熱可塑性樹脂なら別の
ものでもよい。作製方法は、溶融した樹脂に蛍光体粒子
を混入させ、よく拡散して、冷やして粉砕することで作
製した。組成は、蛍光体含有量が50〜90重量%で、
残りは樹脂である。内部に電荷調整材、外部に離形材を
数%以下混入させている。パターン形成材粒子1の粒子
径は約15μmである。
【0348】さらに、隔壁531内に均一に蛍光体膜を
形成させるには、パターン形成材粒子1を挿入する前に
隔壁531内にオイルや粘着剤、溶剤を塗布しておくと
よい。オイルは、シリコン系のオイルがよい。溶剤は、
ターピネオール等の蒸発温度が高いものが安定して使用
される。
【0349】本発明の上記第5実施形態によれば、パネ
ル基材へ静電気力にてパターン形成する方法を用いれ
ば、簡単に安定してパネル基材に各種パターニングがで
きる。この結果、PDP(プラズマディスプレイパネ
ル)や液晶パネルや回路基板などの大型パネルを構成す
る基材に所望のパターンを形成する際における工程が簡
単となるため、パターン形成したパネルを安価に製造す
ることができ、しかも、パネル基材に精度の良い微細パ
ターンを形成することができる。
【0350】なお、上記様々な実施形態及び変形例のう
ちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせること
により、それぞれの有する効果を奏するようにすること
ができる。
【0351】
【発明の効果】本発明にかかるパネル基材へのパターン
形成方法および装置によれば、PDP(プラズマディス
プレイパネル)や液晶パネルや回路基板などの大型パネ
ルを構成する基材に所望のパターンを形成する際におけ
る工程が簡単となるため、パターン形成したパネルを安
価に製造することができ、しかも、パネル基材に精度の
良い微細パターンを形成することができる。
【0352】以上に述べたごとく本発明のパターン形成
材粒子によれば、焼成により蒸発される樹脂材料を多く
して構成材粒子を被覆することにより、良好な絶縁性の
パターン形成材粒子が得られ、静電気力を利用してバネ
ル基材に安定してパターニングできる。この結果、PD
P(プラズマディスプレイパネル)や液晶パネルや回路
基板などの大型パネルを構成する基材に所望のパターン
を良好にかつ精度良く行うことができ、パターンを形成
する工程が簡単となるため、パターン形成したパネル基
材を安価に製造することができる。
【0353】また、パターン形成材粒子によるパターン
形成方法によれば、パターン形成材粒子をパターニング
して複数層に付着させたときに、パターン形成材粒子が
裾広がり状に積層されるので、エッジ部分で上層のパタ
ーン形成材粒子が下方に落下しにくくなり、落下したパ
ターン形成材粒子が非パターン部分に付着するのを防止
することができる。これによりパターンの精度が低下す
るのを未然に防止することができる。
【0354】本発明に係るパネル基材へのパターン形成
方法および装置によれば、PDP(プラズマディスプレ
イパネル)や液晶パネルや回路基板などの大型パネルを
構成する基材に所望のパターンを形成する際における工
程が簡単となるなり、またパターン形成材粒子を直接パ
ネル基材上に付着させるのではなく、一旦中間体の静電
パターン上に付着させた後、パネル基材に転写するの
で、パターン形成材粒子の付着、転写供給をスムーズに
行うことができ、パネル基材上に安定してパターンを精
度良く形成することができる。これにより、パターン形
成したパネルを安価に製造することができ、しかも、パ
ネル基材に精度の良い微細パターンを形成することがで
きる。
【0355】本発明にかかるパネル基材へのパターン形
成方法および装置によれば、PDP(プラズマディスプ
レイパネル)や液晶パネルや回路基板などの大型パネル
を構成する基材に所望のパターンを形成する際における
工程が簡単となるため、パターン形成したパネルを安価
に製造することができ、しかも、パネル基材に精度の良
い微細パターンを形成することができる。
【0356】本発明にかかるパネル基材へ静電気力にて
パターン形成する方法を用いれば、簡単に安定してパネ
ル基材に各種パターニングができる。この結果、PDP
(プラズマディスプレイパネル)や液晶パネルや回路基
板などの大形パネルを構成する基材に所望のパターンを
形成する際における工程が簡単となるため、パターン形
成したパネルを安価に製造することができ、しかも、パ
ネル基材に精度の良い微細パターンを形成することがで
きる。
【0357】本発明は、添付図面を参照しながら好まし
い実施形態に関連して充分に記載されているが、この技
術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白で
ある。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲に
よる本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に
含まれると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかるパターン形成
装置を表す斜視図である。
【図2】 上記パターン形成装置の一部を表す拡大側断
面図である。
【図3】 中間部材を用いる転写法を説明する図であ
る。
【図4】 粒子クリーニング法を説明する図である。
【図5】 ノズル孔詰まりの防止方法を説明する図であ
る。
【図6】 ノズル孔の変形例を説明する図である。
【図7】 複数個のノズル孔を回転させている状態を説
明する図である。
【図8】 パターン形成材粒子の噴出流を前後方向や左
右方向の一方向に偏向させる状態の説明図である。
【図9】 ノズルの孔の間隔は形成すべきパターンであ
る電極の間隔に合わせる状態の説明図である。
【図10】 細い線を描く場合の説明図である。
【図11】 ノズルのFPCの90個の制御電極が周囲
に配置される円形の孔の各内径と、孔のピッチ間隔の説
明図である。
【図12】 隣接間隔が非常に小さくなっているPDP
の端子部を含む電極を形成する状態の説明図である。
【図13】 上記パターン形成装置で形成されたPDP
の前面ガラス板の図である。
【図14】 上記パターン形成装置で形成されたPDP
の背面ガラス板の図である。
【図15】 上記第1実施形態にかかるパターン形成装
置の概略側面図である。
【図16】 上記第1実施形態にかかるパターン形成装
置の概略正面図である。
【図17】 背面電圧とライン厚さとの関係を示す図で
ある。
【図18】 背面電圧と幅との関係を示す図である。
【図19】 引出電圧とライン厚さとの関係を示す図で
ある。
【図20】 引出電圧とライン幅との関係を示す図であ
る。
【図21】 FPCとパネル基材との距離LIとライン
幅との関係を示す図である。
【図22】 距離LIとライン厚さとの関係を示す図で
ある。
【図23】 集向電圧とライン厚さとの関係を示す図で
ある。
【図24】 集向電圧とライン幅との関係を示す図であ
る。
【図25】 ノズルの塗布スピードとライン厚さとの関
係を示す図である。
【図26】 ノズルの塗布スピードとライン幅との関係
を示す図である。
【図27】 塗布回数とライン厚さとの関係を示す図で
ある。
【図28】 塗布回数とライン幅との関係を示す図であ
る。
【図29】 本発明の第2実施形態に係るパターン形成
材粒子の実施の形態を示し、このパターン形成材粒子を
使用するパターン形成装置の斜視図である。
【図30】 上記第2実施形態に係るパターン形成装置
の一部を表す拡大側断面図である。
【図31】 (a)〜(c)はそれぞれ上記第2実施形
態に係るパターン形成材粒子の構造を説明する断面図で
ある。
【図32】 (a)〜(d)はそれぞれ上記第2実施形
態に係るパターン形成材粒子の他の構造を説明する断面
図である。
【図33】 (a)〜(c)はそれぞれ上記第2実施形
態に係るパターン形成材粒子の他の構造を説明する断面
図である。
【図34】 (a)〜(c)はそれぞれ上記第2実施形
態に係るパターン形成材粒子の他の構造を説明する断面
図である。
【図35】 (a)および(b)はそれぞれ本発明の第
2実施形態に係るパターン形成材粒子によるパターン形
成方法を示す断面図である。
【図36】 (a)は上記第2実施形態に係る他のパタ
ーン形成装置の基本ユニットを示す構成図、(b)は同
基本ユニットの現像器を示す拡大断面図である。
【図37】 (a)および(b)はそれぞれ上記第2実
施形態に係るさらに他のパターン形成装置の基本ユニッ
トを示す構成図である。
【図38】 上記第2実施形態に係るさらに他のパター
ン形成装置の基本ユニットを示す構成図である。
【図39】 従来の一般のトナーの断面図である。
【図40】 第2実施形態のパターン形成材粒子の断面
図である。
【図41】 従来の印刷工程の説明図である。
【図42】 第2実施形態のパターン形成方法の説明図
である。
【図43】 第2実施形態のパターン形成方法のうちの
粉砕法で製造されるパターン形成材粒子の断面図であ
る。
【図44】 第2実施形態のパターン形成方法のうちの
マイクロカプセル法で製造されるパターン形成材粒子の
断面図である。
【図45】 レーザ変位計にてパネル表面の位置、厚み
を検出する状態を説明する図である。
【図46】 帯電器でコロナ帯電される状態を説明する
図である。
【図47】 パターン形成材粒子で描画する状態を説明
する図である。
【図48】 パターン形成材粒子をガラスパネルに定着
させる状態を説明する図である。
【図49】 600℃の熱処理で樹脂を蒸発させて焼成
し、銀の電極を作製する状態を説明する図である。
【図50】 パターン形成材粒子で描画したときのパタ
ーン形成材粒子の状態を説明する拡大模式図である。
【図51】 パターン形成材粒子をガラスパネルに定着
させたときのパターン形成材粒子の状態を説明する図で
ある。
【図52】 600℃の熱処理で樹脂を蒸発させて焼成
し、銀の電極を作製したときのパターン形成材粒子の状
態を説明する図である。
【図53】 従来の方法で形成されたPDP用電極の詳
細断面図である。
【図54】 第2実施形態のパターン形成方法により形
成された電極の詳細断面図である。
【図55】 本発明の第3実施形態に係るパターン形成
装置を示し、パターン形成装置の斜視図である。
【図56】 (a)は円柱状中間体を有するパターン形
成装置の基本ユニットの構成図、(b)は上記パターン
形成装置の現像器の拡大断面図である。
【図57】 (a)は板状中間体を有するパターン形成
装置の基本ユニットの構成図、(b)は上記パターン形
成装置の転写部の説明図である。
【図58】 本発明の第3実施形態に係るパターン形成
装置の第1の変形例を示す部分拡大断面図である。
【図59】 本発明の第3実施形態に係るパターン形成
装置の第2の変形例を示す部分拡大断面図である。
【図60】 本発明の第3実施形態に係るパターン形成
装置の第3の変形例においてシート状中間体を有するパ
ターン形成装置の基本ユニットを示す構成図である。
【図61】 本発明の第4実施形態にかかるパターン形
成装置を表す斜視図である。
【図62】 第4実施形態の上記パターン形成装置の一
部を表す拡大側断面図である。
【図63】 第4実施形態の第1変形例にかかる帯電し
やすい粒子とパターン形成材粒子の混合を説明する図で
ある。
【図64】 第4実施形態の第2変形例にかかる逆極に
帯電しやすい粒子とパターン形成材粒子との混合を説明
する図である。
【図65】 (a)は第4実施形態の第3変形例にかか
る帯電しやすい粒子の付着での帯電方法を説明する図で
ある。(b)は第4実施形態の第3変形例にかかる帯電
しやすい材料での帯電方法を説明する図である。
【図66】 第4実施形態の第6変形例にかかるコロナ
放電を用いる帯電器での帯電を説明する図である。
【図67】 第4実施形態の第6変形例にかかるコロナ
放電を用いる帯電器での帯電を説明する図である。
【図68】 第4実施形態の第7変形例にかかる固体帯
電器での帯電を説明する図である。
【図69】 第4実施形態の第8変形例にかかる針状の
電極での帯電を説明する図である。
【図70】 第4実施形態の第9変形例において中間部
材をブラシで帯電させることにより帯電させる方法を説
明する図である。
【図71】 第4実施形態の第10変形例において帯電
ローラでの帯電を説明する図である。
【図72】 第4実施形態の第11変形例において中間
部材をブラシで帯電させることにより帯電させる方法を
説明する図である。
【図73】 (a)は本発明の第4実施形態にかかるパ
ターン形成装置を表す構成図及び(b)は図73(a)
のパターン形成装置の一部拡大図である。
【図74】 (a)は本発明の第4実施形態にかかるパ
ターン形成装置を表す構成図及び(b)は図74(a)
のパターン形成装置の転写部の説明図である。
【図75】 本発明の第4実施形態にかかるパターン形
成装置を表す斜視図である。
【図76】 (a)、(b)はそれぞれ本発明の第5実
施形態及びその第1変形例にかかるパターン形成装置の
電圧印加構造を説明する図である。
【図77】 本発明の第5実施形態の第1変形例にかか
るパターン形成装置の電圧印加構造を説明する図であ
る。
【図78】 本発明の第5実施形態の第2変形例にかか
るパターン形成装置の電圧印加構造の詳細を説明する図
である。
【図79】 (a)〜(c)は本発明の第5実施形態の
第4変形例にかかるパターン形成方法のプロセスを説明
する図である。
【図80】 本発明の第5実施形態の第5変形例におい
て電圧の印加場所を説明する図である。
【図81】 本発明の第5実施形態の第6変形例におい
て偏向電極を用いる場合の隔壁へ粒子の挿入を説明する
図である。
【図82】 本発明の第5実施形態の第7変形例におい
て隔壁へ粒子の挿入場合のノズルと隔壁の距離を説明す
る図である。
【図83】 本発明の第5実施形態の第8変形例におい
てノズルと隔壁の距離による隔壁へ粒子の挿入を説明す
る図である。
【図84】 本発明の第5実施形態の第9変形例におい
て電極を用いない場合の隔壁へ粒子の挿入を説明する図
である。
【図85】 プラズマディスプレイパネル(PDP)の
一部切欠かれた状態での斜視図である。
【図86】 パネル基材や中間部材のパターン形成面に
粘着層が形成されていない場合の不具合を示す説明図で
ある。
【図87】 パネル基材や中間部材のパターン形成面に
粘着層が形成された例を示す説明図である。
【図88】 スクリーンをパネル基材や中間部材の表面
に形成されたパターンの上に置いた状態を示す説明図で
ある。
【図89】 図88の後に露光、現像、定着したのちの
状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 パターン形成材粒子 2 粒子供給部材 3 パネル基材 4 ノズル 4a ノズルケース 4b ノズル孔 4d 制御電極 4e 偏向電極 5 ホッパー 6 粒子供給ローラ 8 XYテーブル 11 焼成炉 77 パターン 78 粘性層 79 スクリーン 1A〜1L、1−1〜1−4 パターン形成材粒子 104 ノズル 106 粒子供給ローラ 108 粒子供給装置 125、128、129 中間体 31 小径の銀粒子 32 樹脂材料 33 接着料粒子 34 樹脂材粒子 41 大径の銀粒子 42 大径の接着材粒子 31bm 銀粒子の集合体 33bm 接着材粒子の集合体 301 機台 304 基本ユニット 305 XYステージ装置 306 位置検出ユニット 307 レーザ変位計 308 制御盤 311 移動装置 312 カバー 320 除電器 321 クリーナ 322 帯電器 323 露光器 324 現像器 324d ブレード 325、335、345、355 中間体 326 電圧発生器 327 定着器 331 導電性層 332 絶縁性層 342 導電物 351、352 ガイドローラ 402 粒子供給部材 404 ノズル 404a ノズルケース 405 ホッパー 406 粒子供給ローラ 408 XYテーブル 411 焼成炉 420 除電器 421 クリーナー 422 帯電器 423 露光器 424 現像器 425 中間体 426 電圧発生 427 定着器 429 シート状中間体 431 帯電しやすい粒子 432 逆極に帯電しやすい粒子 435 帯電器 441 ワイヤー 442 グリッド電極 443 針電極 444 直流電極 445 交流電極 450 はけ、ブラシ 451 中間ローラ 460 帯電ローラ 502 粒子供給部材 504 ノズル 504a ノズルケース 504b ノズル孔 504d 制御電極 504e 偏向電極 505 ホッパー 506 粒子供給ローラ 508 XYテーブル 509 樹脂材料 519 電圧ケーブル 520 ITO導電性膜 521 銀電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/05 H01J 9/02 F 5C027 15/22 105 9/227 E 5C028 H01J 9/02 11/02 B 5C040 9/227 B41J 3/16 D 11/02 G03G 15/00 115 (72)発明者 深野 明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 小川 勝敏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 九門 明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中 裕之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C162 AE25 AE66 AE72 AE73 AE79 AE82 AE90 CA02 CA03 CA14 CA23 CA40 2H029 DB04 DB11 2H078 BB10 FF60 4D075 AA09 AC41 BB46Z CB40 DA06 DB13 DC21 EA02 EB01 EB13 EB19 4F034 AA03 BA01 BB12 5C027 AA01 AA02 AA05 AA06 AA09 5C028 FF01 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GC19 GD09 GE09 GF19 GG09

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル基材の表面にパターンを形成する
    方法であって、 パターン形成材粒子を帯電させ、 上記帯電したパターン形成材粒子に静電力を作用させて
    ノズルから噴出させてパターンを形成し、 上記パターンを上記パネル基材上に定着させるようにし
    た、パネル基材へのパターン形成方法。
  2. 【請求項2】 上記帯電は、コロナ帯電方式で行なう、
    請求項1に記載のパネル基材へのパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 上記パターンを形成するとき、上記噴出
    するパターン形成材粒子で、一旦、中間部材の表面にパ
    ターンを形成した後、この中間部材上のパターンを上記
    パネル基材の表面に転写することにより、上記パターン
    を上記パネル基材上に形成する、請求項1または2に記
    載のパネル基材へのパターン形成方法。
  4. 【請求項4】 上記形成したパターンに露光現像処理を
    施すことをさらに含む、請求項1又は2に記載のパネル
    基材へのパターン形成方法。
  5. 【請求項5】 上記ノズルから上記パターン形成材粒子
    を噴出させる前の上記パネル基材の表面に、粘性層を形
    成することをさらに含む、請求項1又は2に記載のパネ
    ル基材へのパターン形成方法。
  6. 【請求項6】 上記パターン形成材粒子が粒子本体とそ
    の表面に付着させた硬質無機微粒子を含み、上記粒子本
    体が、金属、金属酸化物、セラミックスおよびガラスか
    らなる群から選ばれる1種以上の無機材料とバインダー
    樹脂とを含み、上記無機材料と上記バインダー樹脂との
    合計量に対する上記無機材料の割合が30〜99重量%
    である配合材料から形成された粒径0.5〜15μmの
    粒子である、請求項1又は2に記載のパネル基材へのパ
    ターン形成方法。
  7. 【請求項7】 帯電したパターン形成材粒子を供給する
    粒子供給部材と、 上記粒子供給部材とパネル基材の間に配置されるノズル
    と、 上記粒子供給部材から供給される上記パターン形成材粒
    子に静電力を作用させて上記パターン形成材粒子を上記
    ノズルから噴出させる噴出装置とを備えるようにした、
    パネル基材へのパターン形成装置。
  8. 【請求項8】 上記パネル基材を保持する平坦な面を有
    するパネル基材保持部材を備え、このパネル基材保持部
    材の平坦な面が上記パネル基材を真空吸着するようにな
    っている、請求項7に記載のパネル基材へのパターン形
    成装置。
  9. 【請求項9】 上記ノズルと上記パネル基材の間隔を検
    知する検知装置と、この検知装置から得る検知情報に基
    づき上記ノズルと上記パネル基材の間隔を調整する間隔
    調整装置と、をさらに備える、請求項7又は8に記載の
    パネル基材へのパターン形成装置。
  10. 【請求項10】 上記ノズルの開口周囲に、この開口を
    通過する上記パターン形成材粒子に静電力を印加してパ
    ターン形成材粒子噴出流を集中させる電極をも備える、
    請求項7又は8に記載のパネル基材へのパターン形成装
    置。
  11. 【請求項11】 パターン形成材粒子が、焼成により蒸
    発される樹脂材料と、この樹脂材料内に均一に分布され
    て配置されてパターンを形成する単数種類の構成材粒子
    から構成される、パターン形成装置に用いるパターン形
    成材粒子。
  12. 【請求項12】 複数種類の構成材粒子が上記樹脂材料
    中に均一に分布された請求項11に記載のパターン形成
    装置に用いるパターン形成材粒子。
  13. 【請求項13】 上記構成材粒子の直径が上記パターン
    形成材粒子の直径の1/5以下である請求項11または
    12のいずれか1つに記載のパターン形成装置に用いる
    パターン形成材粒子。
  14. 【請求項14】 上記パターン形成材粒子の中央部に、
    上記構成材粒子が配置されて周囲が上記樹脂材料で覆わ
    れた請求項11に記載のパターン形成装置に用いるパタ
    ーン形成材粒子。
  15. 【請求項15】 中央の構成材粒子の外周部の上記樹脂
    材料中に、別種類の構成材粒子が分散配置された請求項
    14に記載のパターン形成装置に用いるパターン形成材
    粒子。
  16. 【請求項16】 構成材粒子の外周面に、上記構成材粒
    子より小径の樹脂材粒子が多数付着された請求項14に
    記載のパターン形成装置に用いるパターン形成材粒子。
  17. 【請求項17】 上記構成材粒子が導電材料からなり、
    焼成により上記パターンの電極を形成する請求項11、
    12、14のいずれか1つに記載のパターン形成装置に
    用いるパターン形成材粒子。
  18. 【請求項18】 請求項11又は14に記載の上記パタ
    ーン形成材粒子を帯電した後、静電力により噴出させて
    上記パネル基材の表面に付着させパターンを形成するに
    際して、 異なる種類の構成材粒子を含む上記パターン形成材粒子
    を同一部位に付着させて焼成し、異なる構成材を混合す
    るパターン形成材粒子によるパターン形成方法。
  19. 【請求項19】 請求項11又は14に記載のパターン
    形成材粒子を帯電した後、静電力により噴出させてパネ
    ル基材の表面に付着させパターンを形成するに際して、 パネル基材上にパターン形成材粒子を複数層積層し、 積層する層ごとにパターン形成材粒子に含まれる構成材
    粒子の種類を変えるパターン形成材粒子によるパターン
    形成方法。
  20. 【請求項20】 請求項11又は14に記載パターン形
    成材粒子を帯電した後、静電力により噴出させてパネル
    基材の表面に付着させパターンを形成するに際して、 パネル基材上にパターン形成材粒子を複数層積層し、 パネル基材に近い下層ほど幅が広い裾広がりに付着させ
    るパターン形成方法。
  21. 【請求項21】 パネル基材の表面にパターンを形成す
    るに際して、 パターン形成材粒子を帯電させ、 中間体に静電パターンを形成し、 上記形成された中間体の上記静電パターンに上記パター
    ン形成材粒子を付着させ、 上記中間体に付着した上記パターン形成材粒子を上記パ
    ネル基材へ転写させ、 上記転写されたパターン形成材粒子を上記パネル基材上
    に定着させ、 上記転写後の上記中間体をクリーニングして、残存した
    パターン形成材粒子を除去するパネル基材へのパターン
    形成方法。
  22. 【請求項22】 上記パターン形成材粒子の帯電から上
    記中間体に残存したパターン形成材粒子を除去するまで
    の動作を複数回繰り返して複数のパターン形成材粒子を
    定着させ、 上記パネル基材を焼成して上記パネル基材上に上記パタ
    ーンを形成することにより複数のパターンを一度に形成
    する請求項21に記載のパネル基材へのパターン形成方
    法。
  23. 【請求項23】 上記中間体として、板状の基材内に、
    パターンに沿って導電物が埋設されたものを使用し、 上記中間体に上記静電パターンを形成するとき、上記導
    電物に電位を印加して上記中間体としての上記基材の表
    面に上記静電パターンを形成する請求項21又は22に
    記載のパネル基材へのパターン形成方法。
  24. 【請求項24】 上記中間体として、板状の基材の表面
    に、パターン化されたマスクを有するものを使用する請
    求項21又は22に記載のパネル基材へのパターン形成
    方法。
  25. 【請求項25】 上記パターン形成材粒子を帯電させる
    とき、上記パターン形成材粒子を帯電器にて帯電させる
    請求項1に記載のパネル基材へのパターン形成方法。
  26. 【請求項26】 上記帯電したパターン形成材粒子に静
    電力を作用させてノズルから噴出させるとき、上記パタ
    ーン形成材粒子と帯電しやすい粒子との混合物を噴出さ
    せる請求項1に記載のパネル基材へのパターン形成方
    法。
  27. 【請求項27】 上記パターン形成材粒子を帯電させる
    とき、上記パターン形成材粒子を帯電しやすい粒子と混
    合し帯電させる請求項1に記載のパネル基材へのパター
    ン形成方法。
  28. 【請求項28】 上記パターン形成材粒子を帯電させる
    とき、ブレードと上記パターン形成材粒子の間の摩擦
    で、粒子を帯電させる請求項1に記載のパネル基材への
    パターン形成方法。
  29. 【請求項29】 パターン形成材粒子を帯電させ、 帯電したパターン形成材粒子に静電力を作用させて塗布
    し、 パネル表面に存在する導電性の層に電圧を印加し、 上記パターンをパネル基材上に定着させること、を含む
    静電気を利用したパターン形成方法。
  30. 【請求項30】 パターン形成材粒子を帯電させ、 帯電したパターン形成材粒子に静電力を作用させて塗布
    し、 パネル裏面の導電性部材に電圧を印加し、 上記パターンをパネル基材上に定着させること、を含む
    静電気を利用したパターン形成方法。
  31. 【請求項31】 パターン形成材粒子を帯電させ、 帯電したパターン形成材粒子に静電力を作用させて塗布
    し、 パネル裏面の導電性部材に電圧を印加する印加し、 パネル表面に導電性膜を形成し、 その膜に電圧を印加し、 上記パターンをパネル基材上に定着させること、を含む
    静電気を利用したパターン形成方法。
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