JP4372880B2 - プラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法に関し、特に、1000cps〜1000000cpsの高粘度物質からなる蛍光体用組成物を吐出し、これを背面板の所定位置の障壁間に埋め込み、必要に応じ、乾燥熱処理を施して蛍光体層を障壁間、障壁側面に形成する蛍光体層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイパネル(以下PDPとも記す)は、その奥行きの薄いこと、軽量であること、更に鮮明な表示と液晶パネルに比べ視野角が広いことにより、種々の表示装置に利用されつつある。
一般に、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、2枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、その間にネオン、キセノン等を主体とするガスを封入した構造となっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を行うようにしている。特に情報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に放電発光させている。
【0003】
ここで、PDPの構成を、図16に示すAC型PDPの1例を挙げて説明しておく。
図16はPDP構成斜視図であるが、分かり易くするため前面板(ガラス基板610)、背面板(ガラス基板620)とを実際より離して示してある。
図16に示すように、2枚のガラス基板610、620が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基板620上に互いに平行に設けられた障壁(セル障壁とも言う)630により、一定の間隔に保持されている。
前面板となるガラス基板610の背面側には、放電維持電極である透明電極640とバス電極である金属電極650とで構成される複合電極が互いに平行に形成され、これを覆って、誘電体層660が形成されており、更にその上に保護層(MgO層)670が形成されている。
また、背面板となるガラス基板620の前面側には前記複合電極と直交するように障壁630間に位置してアドレス電極680が互いに平行に形成されており、更に障壁630の壁面とセル底面を覆うように螢光面690が設けられている。
障壁630は放電空間を区画するためのもので、区画された各放電空間をセルないし単位発光領域と言う。
このAC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧を印加し、で放電させる構造である。この場合、交流をかけているために電界の向きは周波数に対応して変化する。そして、この放電により生じる紫外線により螢光体690を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認できるものである。
なお、DC型PDPにあっては、電極は誘電体層で被膜されていない構造を有する点でAC型と相違するが、その放電効果は同じである。
また、図16に示すものは、ガラス基板620の一面に下地層667を設けその上に誘電体層665を設けた構造となっているが、下地層667、誘電体層665は必ずしも必要としない。
【0004】
そして、AC型のプラズマディスプレイパネル(PDP)は、例えば、図15に示すようにして、作製されていた。
図15はAC型のPDP作製工程を示したもので、背面板、前面板をそれぞれ別個の工程で作製し、両者を用いてPDPをアセンブリするものである。
先ず、背面板の作製工程を説明する。
尚、S51〜S74は処理ステップを表す。
はじめに、ガラス基板を用意し(S51)、ガラス基板上に電極配線用ペーストを一面に塗布、乾燥し、これを製版処理を経て、所定形状に加工して、あるいは、ガラス基板に厚膜印刷法により電極配線用ペーストを所定形状に印刷した後、これを乾燥、焼成し、電極配線を形成する。(S52)
次いで、形成された電極上にガラス基板面を覆うように全面に誘電体層を形成する。(S53)
次いで、このガラス基板の誘電体層上に障壁(バリアリブとも言う)を、印刷法ないしサンドブラスト法により形成する。(S54)
印刷法の場合、ガラス基板に厚膜印刷法により障壁(バリアリブ)形成用ペーストを所定のパターンに印刷し、これを乾燥する。障壁の層厚は厚く(例えば100〜200μmの厚さ)1回の厚膜印刷ではこの膜厚が得られないため、障壁形成用ペーストの印刷および乾燥は複数回行う。所定の膜厚が得られた後、ペーストの焼成がなされる。
サンドブラスト法の場合は、障壁形成材料をガラス基板上に塗布し、更にこの上に所定のレジストパターンを形成した後、研磨砂を吹きかけレジストパターンに対応した形状に障壁形成材料を加工して、これを焼成して障壁を形成する。
更に、障壁が形成された基板に厚膜印刷法により蛍光体用ペースト(例えば、酸化インジウム含有の螢光体用ペースト)を所定パターンに印刷し、次いでその乾燥及び焼成を行い(S55)、蛍光体層を形成して背面板を作製する。(S56)
【0005】
次に、前面板の作製工程を説明する。
先ず、ガラス基板を用意し(S61)、ガラス基板に例えばITO(Indium Tin Oxide)の蒸着層をパターニングする。(S62)
パターニングは通常のフォトリソ工程(リゾグラフィー技術)により行う。
次いで、Cr−Cu−Cr(クロム、銅、クロム)の3層を蒸着やスパッタリングにより成膜し、同様にフォトリソ工程(リゾグラフィー技術)によりパターニングして、パターニングされたITO膜とともに、放電用の電極配線を形成する。(S63)
次いで、ペースト状にした低融点ガラスのベタ印刷により、透明誘電体層を形成して(S64)、更に保護層(MgO)を蒸着して(S65)、前面板が得られる。(S66)
【0006】
次いで、このようにして得られた、背面板、前面板を用い、以下のようにしてPDPを作製する。
先ず、前面板及び背面板の位置合わせを行い、その状態で両基板の縁部分にシール用鉛ガラスを塗布し、次いでシールが行われる。(S71)
次に、両基板(背面板と前面板)及びシール部で囲われる空隙内が排気管を介して排気された後、この排気管を介して上述の空隙に放電ガスが封入される。(S72)
その後、排気管の焼きちぎり(チップオフ)を行い、ドライバIC取付けを行い(S73)、PDPが得られる。(S74)
【0007】
上記のように、PDPの作製に際し、これに使用する背面板、前面板は、それぞれ、各種工程を経て、電極配線部、障壁部、螢光体部、誘電体層部等が形成され、併せてPDPとなる。
【0008】
このようなPDPの作製における蛍光体部(以降蛍光体パターンとも言う)の形成には、障壁形成後、光硬化型の感光性の蛍光体パターン形成用組成物を、背面板の障壁形成面側全面に塗布した後、これをフォトマスクを用い、露光、現像等を行うフォトリソ工程(製版工程)により行い、その形状を決めるフォトリソ法が採られる場合がある。
この方法においては、背面板の障壁の頂部は、前面板の電極位置にあたる為、現像後、障壁の頂部に蛍光体層が残らないことが必要で、蛍光体層の形成の際、背面板自体の(焼成等の)処理による伸縮や、フォトマスクとのアライメントによる位置ズレの発生もあり、通常、フォトマスクの露光幅は障壁間隔よりも若干小さめに作成したものが使用されている。
しかし、このような従来のフォトリソ法を用いた蛍光体パターンの形成方法においては、障壁の側面全部、障壁間の底部全部に確実に蛍光体パターンを、障壁の側面部、障壁間の底部に密着性良く、形成することは困難であった。
図12に示すように、現像処理後、障壁313間の底部315Aの障壁側の隅に、空間351が発生したり、また、障壁313の側面313Aに沿うように隙間352が発生することがあった。
尚、図12中、311はガラス基板、312は電極、313は障壁、313Aは側面、314RはR(赤)色蛍光体パターン、314GはG(緑)色蛍光体パターン、314BはB(青)色蛍光体パターン、315は誘電体層、315Aは底部である。
この方法の場合、工程が多くコスト高になると言う問題に加え、蛍光体パターンを、障壁の側面部、障壁間の底部に密着性良く、形成することは困難であった。
【0009】
別に、特開平6−5205号公報に記載の、スクリーン印刷を行った後にサンドブラストを用いる方法、特開平5−144375号公報に記載の、架橋剤を塗布した後にスクリーン印刷を用いる方法が提案されているが、いずれもスクリーン印刷を用いており、精度的な問題がある。
【0010】
蛍光体パターン形成における、これらの問題に対応するため、特開平6−162019号公報に記載の、インクジエットヘッドの噴出口から、蛍光体を含むインキ(蛍光体組成物とも言う)を噴出させて、ガラス基板(背面板)上に蛍光体パターンを描画する方法が提案されている。
しかし、ノズルからの噴出するインク滴径は、略ノズル径に相当するのが一般的で、プラズマディスプレイパネルの背面板の障壁間のような微細な分に、これを滴下するには、ノズル径自体も小さくする必要があるが、蛍光体を含むインキ(蛍光体組成物)自体が高粘度であるため、さらには、蛍光体を含むインキ(蛍光体用組成物)には、ガラスフリット等の径の大きい粒子を含まれているため、この方法では、頻繁にノズルの目詰まりを起こしており、その対応が求められていた。
また、プラズマディスプレイパネルの表示品質向上のため、障壁自体の狭ピッチ化が進む中、この方法による、蛍光体を含むインキ(蛍光体組成物とも言う)の狭い障壁間への充填(描画)は、精度的に難しくなってきた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来のプラズマディスプパイパネルの背面板への蛍光体パターンの形成においては、各方法とも、それぞれ、種々の問題があり、品質的にも対応でき、安定的に、比較的簡単に行える蛍光体パターンの形成方法が求められていた。
本発明はこれに対応するもので、具体的には、下部に1つ以上の50μm〜1mm程度の円形または多角形のオリフィス、ノズル等の開口部を有し、その一部または全体を電極として配置し、且つ、1000cps〜1000000cpsの高粘度物質からなる蛍光体形成用組成物を充填し、前記蛍光体形成用組成物を開口部から吐出する吐出手段を用い、開口部から、前記蛍光体形成用組成物を吐出してプラズマディスプレイパネル用の背面板の障壁間を埋めるようにし、必要に応じて乾燥、熱処理を施して蛍光体層を障壁間および障壁側面に形成する蛍光体層形成方法であって、精細なパターンを蛍光体形成用組成物で背面板上に形成することができ、且つ、蛍光体形成用組成物の粘度が非常に大きかったり、蛍光体形成用組成物を構成する粒子径が大きい場合にもノズルの目詰まりを起こさず使用することができるプラズマディスプレイパネル用の背面板上への蛍光体層の形成方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法は、下部に1つ以上の50μm〜1mm程度の円形または多角形のオリフィス、ノズル等の開口部を有し、その一部または全体を電極として配置し、且つ、1000cps〜1000000cpsの高粘度物質からなる蛍光体形成用組成物を充填し、前記蛍光体形成用組成物を開口部から吐出する吐出手段を用い、開口部から、前記蛍光体形成用組成物を吐出してプラズマディスプレイパネル用の背面板の障壁間を蛍光体形成用組成物で埋めた後に、乾燥、熱処理を施して蛍光体層を障壁間および障壁側面に形成する蛍光体層形成方法であって、吐出手段内の蛍光体形成用組成物に圧力をかけ開口部に蛍光体形成用組成物メニスカスを形成し、更に前記電極を介して吐出手段の開口部と背面板間に第1の所定電圧値のパルス電圧を印加して、開口部に蛍光体形成用組成物のメニスカスを縦長に伸長した伸長部を形成した状態で、伸長部の先端から背面板の障壁間に蛍光体形成用組成物を垂れ流すようにして、且つ、プラズマディスプレイパネル用の背面板と吐出手段とを背面板の障壁に沿う方向に相対的に移動させながら、蛍光体形成用組成物を背面板の障壁間に充填するもので、背面板の障壁間への蛍光体形成用組成物の充填に先立ち、伸長部を形成した状態で、伸長部先端位置を障壁間の所定位置に制御する、伸長部先端位置決め工程を施すものであり、前記伸長部先端位置決め工程が、伸長部を形成した状態で、吐出手段の開口部と背面板間の、前記伸長部先端近傍に設けられた、パルス電圧を印加時の電気力線を制御するための微小な針状物に、伸長部の先端を近づけ、あるいは接触させ、電極を介して吐出手段の開口部と背面板間に第2の所定電圧値以上のパルス電圧を印加することにより伸長部の先端からその一部を分離して、あるいは伸長部の先端から垂れ流すようにして、蛍光体形成用組成物を針状物に付着させ、更に、該微小な針状物から蛍光体形成用組成物を背面板の障壁間の所定の位置に落下させ、蛍光体形成用組成物を障壁間に埋めるものであることを特徴とするものである。
そして、上記において、針状物の表面が、フッ素加工されているか、テフロンまたはパーフルオロフッ素化合物からなることを特徴とするものである。
そしてまた、上記において、蛍光体形成用組成物が開口部の開口径の1/10以下の粒径の粒子を含んでいることを特徴とするものである。
また、上記において、蛍光体形成用組成物が1〜10μmの平均粒径の粒子を含んでいることを特徴とするものである。
また、上記において、パルス電圧の周波数が10〜100kHzであることを特徴とするものである。
【0013】
【作用】
本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法は、このような構成にすることにより、精細なパターンを蛍光体形成用組成物で背面板上に形成することができ、且つ、蛍光体形成用組成物の粘度が非常に大きかったり、蛍光体形成用組成物を構成する粒子径が大きい場合にもノズルの目詰まりを起こさず使用することができる、プラズマディスプレイパネル用の背面板上への蛍光体層の形成方法の提供を可能としている。 即ち、吐出手段内の蛍光体形成用組成物に圧力をかけ開口部に蛍光体形成用組成物メニスカスを形成し、更に前記電極を介して吐出手段の開口部と背面板間に第1の所定電圧値のパルス電圧を印加して、開口部に蛍光体形成用組成物のメニスカスを縦長に伸長した伸長部を形成した状態で、伸長部の先端から背面板の障壁間に蛍光体形成用組成物を垂れ流すようにして、蛍光体形成用組成物を背面板の障壁間に充填するもので、開口部を伸長部の径に比べ大きくとれ、径の大きい粒子を含む高粘度物質からなる蛍光体組成物であっても、開口部の目詰まりを起こすことなく、微小の径の蛍光体組成物を形成できるものとしている。
特に、背面板の障壁間への蛍光体形成用組成物の充填に先立ち、伸長部を形成した状態で、伸長部先端位置を障壁間の所定位置に制御する、伸長部先端位置決め工程を施すことにより、安定的な充填を可能としている。
【0014】
具体的には、伸長部先端位置決め工程が、伸長部を形成した状態で、吐出手段の開口部と背面板間の、前記伸長部先端近傍に設けられた、パルス電圧を印加時の電気力線を制御するための微小な針状物に、伸長部の先端を近づけ、あるいは接触させ、電極を介して吐出手段の開口部と背面板間に第2の所定電圧値以上のパルス電圧を印加することにより伸長部の先端からその一部を分離して、あるいは伸長部の先端から垂れ流すようにして、蛍光体形成用組成物を針状物に付着させ、更に、該微小な針状物から蛍光体形成用組成物を背面板の障壁間の所定の位置に落下させ、蛍光体形成用組成物を障壁間に埋めるものであることにより、安定的な充填を可能としている。
尚、伸長部先端位置決め工程において、その箇所の障壁間に蛍光体形成用組成物が充填されていくと、伸長部の先端が、障壁間の所定位置で、充填された蛍光体形成用組成物面上に接触した状態となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を基に説明する。
図1本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法の実施の形態の第1の例の特徴部である伸長部先端位置決め工程を説明するための概略図で、図2は実施の形態の第2の例の特徴部である伸長部先端位置決め工程を説明するための概略図で、図3は本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法の工程を説明するための概略断面図で、図4は蛍光体組成物の障壁間への充填を実施するためのディスペンサの概略構成図で、図5は針状物の別の形態を示した図で、図6は図1に示すディスペンサの吐出原理を説明するための図、図7はパルス電圧の印加と分離を説明するための図で、図8は吐出手段の他の例の概略斜視図で、図9は蛍光体組成物の分離制御を説明するための図で、図10はパルス電圧の印加と分離を説明するための図である。
尚、図1(a)は図4に示す装置の伸長部18付近を拡大して示した図で、図1(b)は図1(a)をA1−A2側からみた図で、図1(c)は伸長部先端位置決め工程後の状態を示している。
また、図2(a)は、図1(a)に対応する位置での図で、図2(b)は図2(a)をB1−B2側からみた図てある。
図1〜図13中、10は蛍光体組成物、10rは赤色用蛍光体組成物、10gは緑色用蛍光体組成物、10bは青色用蛍光体組成物、10Aは蛍光体層、10Rは赤色用蛍光体層、10Gは緑色用蛍光体層、10Bは青色用蛍光体層、11は制御部、12は容器、13は開口部、14は電極、15は電源、17はメニスカス、18、18Aは伸長部、19は滴、20は針状物、25は回転軸、30は吐出手段、35は加圧手段、40は容器、41は開口、50は固定部、60はステージ、80は背面板、81はガラス基板、81Aは底部、85は障壁、85Aは頂部、85Bは側面である。
【0016】
本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法の実施の形態の第1の例を図に基づいて、説明する。
本例は、図4に示すディスペンサを用いて実施するもので、下部に1つの円形のオリフィスからなる開口部13を有し、オリフィスの一部を電極14として配置し、且つ、蛍光体組成物10を充填し、前記蛍光体組成物を開口部13から吐出する吐出手段30を用い、形成する各色の蛍光体層毎に、開口部13から、前記蛍光体組成物10を吐出して、吐出された蛍光体組成物10を背面板80の所定位置の障壁85間に、障壁間の底部81Aと障壁の側面85B全体が埋まり、且つ障壁の頂部85Aには触れないように充填し、充填された蛍光体組成物10を乾燥、加熱処理して蛍光体層10Aを背面板80の障壁85間と障壁85の側面85Bに形成する、プラズマディスプレイパネル用の背面板80への蛍光体組成物10の形成方法である。
そして、蛍光体組成物10の障壁間への埋め込みは、必要に応じて吐出手段内の蛍光体形成用組成物に圧力をかけ開口部に蛍光体形成用組成物にメニスカスを形成し、更に必要に応じて前記電極を介して吐出手段の開口部と背面板間に第1の所定電圧値のパルス電圧を印加して、開口部に蛍光体形成用組成物のメニスカスを縦長に伸長した伸長部を形成した状態で、伸長部の先端から背面板の障壁間に蛍光体形成用組成物を垂れ流すようにして、且つ、プラズマディスプレイパネル用の背面板と吐出手段とを背面板の障壁に沿う方向に相対的に移動させながら、蛍光体形成用組成物を背面板の障壁間に充填するものであるが、背面板の障壁間への蛍光体形成用組成物の充填に先立ち、伸長部を形成した状態で、伸長部先端位置を障壁間の所定位置に制御する、伸長部先端位置決め工程を行うものである。
【0017】
各色の蛍光体組成物の背面板障壁間への充填を行うが、それぞれ、伸長部先端位置決めを行った後に、所定の障壁間への充填を以下のようにして行う。
図1、図3に基づいて、説明する。
先ず、伸長部先端位置決め工程を以下のように行う。
予め、必要に応じて吐出手段30内の蛍光体組成物10に圧力をかけて開口部13に蛍光体組成物10のメニスカスを形成し、電極14を介して吐出手段の開口部13と背面板80との間に第1の所定電圧値のパルス電圧を印加して、開口部13に蛍光体組成物10のメニスカスを縦長に伸長した伸長部18を形成した状態としておく。
伸長部18を維持するための第1の所定電圧値のパルス電圧は継続的にかけておく。
次いで、開口部と背面板80間にパルス電圧を印加時の電気力線を制御するための微小な針状物20を、図1(a)、図1(b)に示すように、ほぼ障壁85の高さで、障壁185間のほぼ中心に沿うように、置いておくと、伸長部18の先端が針状物20に近ずき、場合によっては接触する状態となる。
この状態で、電極14を介して吐出手段の開口部13と背面板80間に第2の所定電圧値のパルス電圧を印加することにより、伸長部18の先端よりその一部を分離する。
分離された蛍光体組成物10(滴19)は、微小な針状物20に付着するが、その先端から障壁85間へ落下して、障壁85間へ堆積されていく。
そして、この箇所の障壁間に蛍光体形成用組成物が次第に充填されていくと、伸長部の先端が、障壁間の所定位置で、充填された蛍光体形成用組成物面上に接触した状態となる。
この状態で、針状物20を除去し、吐出手段30内の蛍光体組成物10にかかる圧を適当に制御しておくと、図1(c)に示すように、伸長部の先端が、障壁間のほぼ中心で、障壁間に充填されている蛍光体組成物10の上面に接し、且つ、伸長部18の先端から障壁間側へ、蛍光体組成物10が垂れ流し状態で、流入される。
尚、図1(c)では、針状物20は省略して示してある。
これで、伸長部先端位置決めが行われたこととなる。
【0018】
次いで、吐出手段30内の蛍光体組成物10にかかる圧を図4に示す加圧手段35により適当に制御しながら、蛍光体組成物10を伸長部18から障壁85間に垂れ流した状態で、且つ、プラズマディスプレイパネル用の背面板と吐出手段とを背面板の障壁に沿う方向に相対的に移動させながら、背面板の障壁間への蛍光体組成物の充填を行う。
本例では、ステージ60を移動させ、ステージ60上の媒体16を吐出手段30に対して、相対的に移動させながら蛍光 組成物10の充填を行う。
障壁の頂部85Aには、蛍光体組成物10が触れないように、且つ、障壁の側面85B全体を覆うように、蛍光体組成物10を障壁間に充填する。
伸長部18の先端が当初に、電界の分布の安定した位置に制御されているため、継続して安定的に充填を行うことができる。
【0019】
背面板の各障壁85間への蛍光体組成物の充填は、このようにして行うが、必要に応じて、上記作業を繰り返す。
【0020】
そして、プラズマディスプレイパネルの背面板全体にわたり、形成する各色の蛍光体層に対応した蛍光体組成物10(赤色用蛍光体組成物10r、緑色用蛍光体組成物10g、青色用蛍光体組成物10b)を、それぞれ、所定の障壁85間に充填させる。(図3(a))
【0021】
次いで、乾燥、熱処理を施し、蛍光体層10A(赤色用蛍光体層10R、緑色用蛍光体層10G、青色用蛍光体層10B)を障壁間と障壁の側面85B全体を覆うように、背面板80の全体に形成する。(図3(b))
このようにして、各色の蛍光体層をそれぞれ所定の障壁間に充填して、蛍光体層の形成を行うことができる。
【0022】
尚、図4に示すディスペンサにおいて、針状物20と開口部13の相対位置が所定の範囲内で可変としておけば、本例に方法において、更に、針状物と開口部の相対位置を適宜制御することにより、より精確な滴19の背面板80への付着位置制御を行える。
【0023】
本例は、1000cps〜1000000cpsの高粘度物質からなる蛍光体組成物10を背面板80の障壁間への充填して、これを乾燥、加熱して蛍光体層を障壁間、障壁側面に形成する場合に適用でき、開口部の径としては50μm〜1mm程度が好ましい。
1000cps以下では対象物上に付着したドットの形状が維持できないため好ましくなく、また100万cpsを超えるものでは蛍光体組成物10のノズルヘの充墳が困難である。
また、吐出させる蛍光体組成物10に含まれる粒子の径は、吐出開口径(50μm〜1mm)のl/10程度まで可能である。
本例に適用可能な蛍光体組成物10としては、蛍光体、低融点ガラスからなるガラスフリット、バインダー樹脂、有機溶剤を混練してなり、更に増粘剤を加えても良い。
【0024】
バインダー樹脂は、セルロース誘導体或いはアクリル共重合体で、具体的にはメチルセルロース、エチルセルロース、エトキシセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースフタレート、メチルヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロースプロピオネート、アセチルエチルセルロース、アセチルセルロース、ブチルセルロース、ベンジルセルロース等が挙げられる。
特に、蛍光体層形成用組成物を塗布し、乾燥した、感光性の蛍光体形成層184を水現像可能とするためには、水及び有機溶剤の双方に可溶性であるセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースを選択して使用する。
【0025】
また、使用する増粘剤としては、カゼイン、カゼインの塩等の蛋白質系、ポリビニルアルコール、脂肪族アマイド、アクリル共重合物系、ポリビニルピロリドン等のポリビニル系、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル酸系、ポリエーテルジアルキルエステル等のポリエーテル系、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合物の部分エステル等の無水マレイン酸系、及びアセチレングリコール等の有機系増粘剤、マイクロシリカ、カオリンベントナイト、タルク等の無機系増粘剤が挙げられるが、どれも塗料分野において公知である。
これら増粘剤は、蛍光体層形成用組成物100重量部中で、0.5〜10重量%を占める割合で使用することが好ましい。
【0026】
蛍光体としては特に制限はなく、従来より知られているものを使用できる。
例えば、赤色蛍光体として、(Y、Gd)BO3 :Eu、YO3 :Eu等、緑色蛍光体として、Zn2 SiO4 :Mn、BaAl1219:Mn、(Ba、Sr、Mg)O・aAl2 3 :Mn等、青色蛍光体として、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1017:Eu等が挙げられる。
【0027】
有機溶剤としては、エーテル類、エーテルエステル類、エステル類、アミド類、アルコール類、ケトン類、アセテート類、ケトンエステル類、グリコール類、グリコールエステル類、スルホン類、スルホキシド類、ハロゲン化炭化水素類及び炭化水素類が挙げられる。
【0028】
開口部13としては、ノズル、オリフィス等のメニスカスを形成することができるものであれば良い。
【0029】
電源15の出力電圧としては周波数10Hz〜1kHzが適用できる。
開口部13の先端から、背面板10までの距離としては0.1mm〜10mmが好ましい。
【0030】
針状物20としては、蛍光体組成物10をそのまま背面板80へ落とすため、滴19をはじくことが好ましく、表面が、フッ素加工されているか、テフロンまたはパーフルオロフッ素化合物からなるものが好ましい。
【0031】
ここで、図6、図7に基づいて、蛍光体組成物10の分離を説明しておく。
蛍光体組成物10が容器12より充填されたオリフィスの開口部13に所定の圧力を加えると、先端開口に突出したメニスカス17が形成される。(図6(a))
この状態で図7に示すように、10Hz〜1kHz以下の繰り返し周波数での電圧値V1のパルス電圧を電極14と対象物16間(図1参照)に加えていくと、次第にメニスカス17が下方へ伸長して伸長部18が生成される。(図6(b)■図6(c))
電圧値V1のパルス電圧を繰り返し印加していくと、伸長部18はあるところでのびなくなる。(図6(d))
この状態は、蛍光体組成物の表面張力と、電界及ぴ重力による下方への引っ張り力とがバランスした状態である。
このとき、図7に示すように、電圧値V2のパルス電圧を印加すると、伸長部l8がのぴて先端部が切断分離して、あるいは先端部が対象物に直接接触して切断分離し、対象物上に、蛍光体組成物の滴(ドットとも言う)19が形成される。(図6(e))
伸長部18の先端が媒体(対象物)に直接接触しても、いなくても、伸長部18の先端部の分離が起こる。
この状態で印加するパルス電圧を電圧値V1に戻すと、伸長部18が若干収縮して短くなりその状態で安定し、伸長部18の先端部での分離は行われなくなる。
さらに、パルス電圧の印加を停止すると、蛍光体組成物の表面張力によって伸長部18は収縮し(図6(c)■図6(b))、図6(a)に示すメニスカス17の状態に復帰する。
なお、上記の例におけるパルス電圧の電圧値V1、V2は蛍光体組成物の種類によって異なるので、物質の粘度、表面張力、の開口部13の開口径等に応じて適宜電圧を変える必要がある。
メニスカス17は吐出させる開口径と同じ径を有しているが、メニスカス先端からのびた伸長部18の先端から分離される蛍光体組成物(滴19)は、開口径よりはるかに小さい。
このように、大きな径の開口から小さく分離される蛍光体組成物(滴19)が得られるので、蛍光体組成物を細線状に塗布したり、狭い領域に塗布するなど、広い応用が期待できる。
また、開口部の径を大きくすることにより100万cps程度の蛍光体組成物であっても充填させて吐出させることができる。
【0032】
分離される蛍光体組成物(滴19)の形成は、図7に示すように、電圧値V2のパルス電圧の立ち上がり、立ち下がりのタイミングで行われ、この場合、1パルスに対して2つの滴19が形成されるが、パルス電圧が印加される時間を極端に小さくしていくと、1パルスに対して1つの分離される蛍光体組成物(滴19)が形成される。
勿論、図7では、パルス電圧が印加される時間が極端に小でない場合である。
図7中、丸印は、その時刻(タイミング)で1回の分離が行われることを示している。
更に、パルス電圧の電圧値の大きさを小さくしていくと、所定の電圧(電圧値Vm)以下で、分離は行われなくなる。
パルス電圧が印加される時間Twが極端に小になった場合には、前述の所定の電圧(電圧値V0)以上でも、1パルスに対し1つの分離される蛍光体組成物(滴19)しか形成されないこともあるが、パルス電圧が前述の所定の電圧(電圧値V0)以上で、且つ、約10mmsec以上の印加時間である場合には、印加時間によらず、パルス電圧の立ち上がり、立ち下がりのタイミングで分離がそれぞれ行われる。
【0033】
したがって、例えば、所定の電圧(電圧値V0)より大きい、上記電圧値V3のパルス電圧と、所定の電圧(電圧値Vm)より小さい、電圧値V4のパルス電圧を用い、図9のようにかけて、蛍光体組成物の分離を制御することができる。図9中、丸印は、図7と同様、その時刻(タイミング)で1回の分離が行われることを示している。
即ち、電圧値V3のパルス電圧の立ち上がり、立ち下がりのタイミングで分離を行い、電圧値V4のパルス電圧の印加により、伸長部18を所定の長さに保ちもので、電圧値V4のパルス電圧の印加により、電圧値V3のパルス電圧の立ち上がり、立ち下がりのタイミングで分離がスムーズに行えるように制御するものである。
尚、伸長部18の作成は、所定の電圧(図7の電圧値V1のパルス電圧に相当)をかけて行うが、必ずしもV1と上記V4とを同じにする必要はないが、作業上、V1、V4とをVmに近い(Vmよりも小さい)、同じ値とすることもある。
勿論、図9は、パルス電圧が印加される時間Twが極端に小でない場合である。
【0034】
尚、図6(d)の状態から、図10に示すようにパルス電圧をかけた場合にも、分離が見られることが知られている。
尚、図6(d)の状態から、図11に示すようにパルス電圧をかけた場合にも、分離が見られることが知られている。
この場合には、正負の2パルスの境に1回の分離が見られる。
また、図6(d)の状態から図12のようにかけた場合には、分離がみられないことも知られている。
尚、10〜図12中、丸印は、図7、図9と同様、その時刻(タイミング)で1回の分離が行われることを示している。
勿論 図10〜図12においてもは、パルス電圧が印加される時間Twは極端に小ではない。
【0035】
図4に示す装置において、針状物20を備えていない場合でも、図11(a)に示すように、安定的に背面板の進行方向(太点線矢印)に滴19が配列されていれば、針状ふへつ20を備えていなくても良いが、実際には、種々の原因により、伸長部18の先端位置が不安定となり、その結果、図11(b)に示すように、背面板80の進行方向(太点線矢印)から、ばらついた位置に滴19が付着されることとなる。
本例では、図4の装置(ディスペンサ)のように、パルス電圧を印加した際の電気力線を、針状物20にて調整し、図1に示すように、滴19を針状物20の所定領域におき、更に、針状物20の所定位置(図1(a))の針状物20の先端部)から背面板80の障壁85間へ落とし、付着させるため、各滴19の背面板80への付着の際、背面板80の進行方向からの位置のばらつきは殆ど発生しない。
このため、伸長部先端位置決めは精確に行われる。
【0036】
(変形例)
本例では、1本のオリフィスからなる開口部13を持つ装置(ディスペンサ)を各色毎に計3個用いたが、必ずしもこのような吐出手段30を有するものに限定されない。
例えば、図8に示すように、容器40の1面に多数の開口41を形成した吐出装置を用い、容器40内に蛍光体組成物を満たして加圧し、容器にパルス電圧を印加して開口41から蛍光体組成物を吐出させるようにしても良い。
また、本例では、ステージ60を移動させて、背面板80と開口部13の相対的な位置を変えながら、背面板80の障壁85間に、分離された蛍光体組成物10を充填していくが、開口部13の位置のみを移動させ、あるいは開口部13の位置移動とステージの移動とを併せて背面板80と開口部13の相対的な位置を変えながら、分離された蛍光体組成物10を充填していく方法でも良い。
また、図5に示すように軸25を中心として回転が可能で、20Aの位置で分離された蛍光体組成物(滴19)を受け、回転した状態(20Bの状態)で、 分離された蛍光体組成物(滴19)を背面板80の障壁85間へ充填させる方法を取り入れたものでも良い。
また、蛍光体組成物10の種類に応じて適宜50℃〜150℃程度に加熱しても良い。
【0037】
次に、実施の形態の第2の例を挙げる。
本例は、伸長部先端位置決め工程が第1の例と若干異なるだけで、その他については、第1の例と同じである。
図2に基づいて、本例の伸長部先端位置決め工程のみを説明する。
本例の伸長部先端位置決め工程においては、図2に示すように、伸長部18の先端から、針状物20へ蛍光体組成物10を垂れ流し、更に、針状物20から、その蛍光体組成物10を背面板の障壁85間に落として、蛍光体形成用組成物を障壁間に埋めるものである。
本例の場合も、第1の例と同様、予め、必要に応じて吐出手段30内の蛍光体組成物10に圧力をかけて開口部13に蛍光体組成物10のメニスカスを形成し、電極14を介して吐出手段の開口部13と背面板80との間に第1の所定電圧値のパルス電圧を印加して、開口部13に蛍光体組成物10のメニスカスを縦長に伸長した伸長部18を形成した状態としておく。
伸長部18を維持するための第1の所定電圧値のパルス電圧は継続的にかけておく。
次いで、開口部13と背面板80間にパルス電圧を印加時の電気力線を制御するための微小な針状物20を、図2(a)、図2(b)に示すように、ほぼ障壁85の高さで、障壁185間のほぼ中心に沿うように、置いておくと、伸長部18の先端が針状物20に近ずき、吐出手段30内の蛍光体組成物10にかかる圧を適当に制御しておくと、図2(a)に示すように、伸長部の先端から針状物20へ蛍光体組成物10が垂れ流れ、更に針状物20から障壁85 間へと垂れ流れ堆積されていく。
そして、第1の例と同様、この箇所の障壁間に蛍光体形成用組成物が次第に充填されていくと、伸長部の先端が、障壁間の所定位置で、充填された蛍光体形成用組成物面上に接触した状態となる。
この状態で、針状物20を除去し、吐出手段30内の蛍光体組成物10にかかる圧を適当に制御しておくと、第1の例と同様、図1(c)に示すように、伸長部の先端が、障壁間のほぼ中心で、障壁間に充填されている蛍光体組成物10の上面に接し、且つ、伸長部18の先端から障壁間側へ、蛍光体組成物10が垂れ流し状態で、流入される。
このようにして、伸長部先端位置決めが行われる。
【0038】
本例の場合も、第1の例と同様、針状物20を用いているため、伸長部先端位置決めは精確に行われる。
第2の例においても、変形例としては、図8に示すような吐出装置(手段)を用いてたものが挙げられる。
また、第2の例においても、蛍光体組成物10の種類に応じて適宜50℃〜150℃程度に加熱しても良い。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、精細なパターンを蛍光体形成用組成物で背面板上に形成することができ、且つ、蛍光体形成用組成物の粘度が非常に大きかったり、蛍光体形成用組成物を構成する粒子径が大きい場合にもノズルの目詰まりを起こさず使用することができる、プラズマディスプレイパネル用の背面板上への蛍光体層の形成方法の提供を可能した。
これにより、プラズマディスプレイパネルの、精細化、大サイズ化、量産化への対応を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法の実施の形態の第1の例の特徴部である伸長部先端位置決め工程を説明するための概略図
【図2】本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法の実施の形態の第2の例の特徴部である伸長部先端位置決め工程を説明するための概略図
【図3】本発明のプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法の工程を説明するための概略断面図
【図4】ディスペンサの概略構成図
【図5】図2は針状物の別の形態を示した図
【図6】図1に示すディスペンサの蛍光体組成物の吐出原理を説明するための図
【図7】パルス電圧の印加と分離を説明するための図
【図8】吐出手段の他の例の概略斜視図
【図9】蛍光体組成物の分離制御を説明するための図
【図10】パルス電圧の印加と分離を説明するための図
【図11】パルス電圧の印加と分離を説明するための図
【図12】パルス電圧の印加と分離を説明するための図
【図13】分離される蛍光体組成物の位置の不安定さを説明するための図
【図14】従来のフォトリソ法を用いた蛍光体パターンの形成方法における問題点を説明するための断面図
【図15】プラズマディスプレイパネルの製造工程図
【図16】プラズマディスプレイパネル用基板を説明するための図
【符号の説明】
10 蛍光体組成物
10r 赤色用蛍光体組成物
10g 緑色用蛍光体組成物
10b 青色用蛍光体組成物
10A 蛍光体層
10R 赤色用蛍光体層
10G 緑色用蛍光体層
10B 青色用蛍光体層
11 制御部
12 容器
13 開口部
14 電極
15 電源
17 メニスカス
18 伸長部
19 滴
20 針状物
25 回転軸
30 吐出手段
35 加圧手段
40 容器
41 開口
50 固定部
60 ステージ
80 背面板
81 ガラス基板
81A 底部
85 障壁
85A 頂部
85B 側面

Claims (5)

  1. 下部に1つ以上の50μm〜1mm程度の円形または多角形のオリフィス、ノズル等の開口部を有し、その一部または全体を電極として配置し、且つ、1000cps〜1000000cpsの高粘度物質からなる蛍光体形成用組成物を充填し、前記蛍光体形成用組成物を開口部から吐出する吐出手段を用い、開口部から、前記蛍光体形成用組成物を吐出してプラズマディスプレイパネル用の背面板の障壁間を蛍光体形成用組成物で埋めた後に、乾燥、熱処理を施して蛍光体層を障壁間および障壁側面に形成する蛍光体層形成方法であって、吐出手段内の蛍光体形成用組成物に圧力をかけ開口部に蛍光体形成用組成物メニスカスを形成し、更に前記電極を介して吐出手段の開口部と背面板間に第1の所定電圧値のパルス電圧を印加して、開口部に蛍光体形成用組成物のメニスカスを縦長に伸長した伸長部を形成した状態で、伸長部の先端から背面板の障壁間に蛍光体形成用組成物を垂れ流すようにして、且つ、プラズマディスプレイパネル用の背面板と吐出手段とを背面板の障壁に沿う方向に相対的に移動させながら、蛍光体形成用組成物を背面板の障壁間に充填するもので、背面板の障壁間への蛍光体形成用組成物の充填に先立ち、伸長部を形成した状態で、伸長部先端位置を障壁間の所定位置に制御する、伸長部先端位置決め工程を施すものであり、前記伸長部先端位置決め工程が、伸長部を形成した状態で、吐出手段の開口部と背面板間の、前記伸長部先端近傍に設けられた、パルス電圧を印加時の電気力線を制御するための微小な針状物に、伸長部の先端を近づけ、あるいは接触させ、電極を介して吐出手段の開口部と背面板間に第2の所定電圧値以上のパルス電圧を印加することにより伸長部の先端からその一部を分離して、あるいは伸長部の先端から垂れ流すようにして、蛍光体形成用組成物を針状物に付着させ、更に、該微小な針状物から蛍光体形成用組成物を背面板の障壁間の所定の位置に落下させ、蛍光体形成用組成物を障壁間に埋めるものであることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法。
  2. 請求項1において針状物の表面が、フッ素加工されているか、テフロンまたはパーフルオロフッ素化合物からなることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法。
  3. 請求項1ないし2において、蛍光体形成用組成物が開口部の開口径の1/10以下の粒径の粒子を含んでいることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法。
  4. 請求項1ないし3において、蛍光体形成用組成物が1〜10μmの平均粒径の粒子を含んでいることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法。
  5. 請求項1ないし4において、パルス電圧の周波数が10〜100kHzであることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用の背面板の蛍光体層形成方法。
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