JP2015066713A - 積層造形方法および積層造形装置 - Google Patents

積層造形方法および積層造形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】フルカラーに対応した、小型で高速、高精度の積層造形装置を提供する。【解決手段】積層造形方法は、樹脂粒子1を帯電させる帯電工程と、帯電した樹脂粒子1を電界加速して吐出し、吐出された樹脂粒子1により転写媒体20の表面に粒子パターン2を形成する粒子パターン形成工程と、粒子パターン2を構成する樹脂粒子1を溶融し溶融パターン3を形成する工程と、溶融パターン3を転写媒体20から転写して積層する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、積層造形方法および積層造形装置に関する。
従来、3次元形状の立体モデルを積層造形する方法として、UV硬化樹脂を立体モデルの断面形状にレーザーで硬化させて各層を形成する光造形法、粉末材料をレーザーで溶着し固化させて各層を形成する粉末焼結法、熱可塑性材料を加熱しノズルから押し出して堆積させることにより各層を形成する溶融物堆積法、紙などのシート材をモデルの断面形状にカットして積層し接着することにより形成するシート積層法、などが提案されている。
このような積層造形においては、造形される立体モデルの質感や寸法精度をより高めたいとするニーズがあり、その為に、フルカラーに対応でき、また、高精細・高精度に積層体を構成できる技術が求められている。2次元画像の形成においては、微細なインク滴により、フルカラーで高精細な画像の形成ができるインクジェット方式によるプリンターなどの技術革新がはかられている。同様に、3次元形状の立体モデルを積層造形する方法としても、微細で、かつ色材を有する樹脂粒子を用いることが有効と考えられる。つまり、微細で、色材を有する樹脂粒子によって高精細・高精度な各層を形成して積層することにより、質感や寸法精度をより高めた3次元形状の立体モデルを積層造形することが可能となる。
特許文献1には、顔料粒子を制御された電界により吐出させて転写ベルトに顔料画像を形成し、顔料画像を転写ベルトから情報キャリアに転写することでカラー画像を印刷する技術が開示されている。
特表2002−506762号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術は、2次元画像の形成を目的としており、立体モデルの造形、つまり3次元方向の寸法精度については何ら考慮されていない。従って、特許文献1に開示されている技術だけでは、フルカラーに対応し、また、高精細・高精度に積層体を構成することができないという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例または形態として実現することが可能である。
[適用例1] 本適用例に係る積層造形方法は、樹脂粒子を帯電させる帯電工程と、帯電した前記樹脂粒子を電界加速して吐出し、吐出された前記樹脂粒子により転写媒体の表面に粒子パターンを形成する粒子パターン形成工程と、前記粒子パターンを構成する前記樹脂粒子を溶融し溶融パターンを形成する工程と、前記溶融パターンを前記転写媒体から転写して積層する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例による積層造形方法は、樹脂粒子を帯電させる帯電工程と、帯電した樹脂粒子を電界加速して吐出し、吐出された樹脂粒子により転写媒体の表面に粒子パターンを形成する粒子パターン形成工程とを含む。従って、より微細な樹脂粒子を活用することで、樹脂粒子を電界加速して吐出するノズルをより微細化することが可能であり、電界加速する電圧制御をより高速、高分解能にて行うことによって、より高精細・高精度な粒子パターンを形成することができる。
また、本適用例による積層造形方法は、粒子パターンを構成する樹脂粒子を溶融し溶融パターンを形成する工程と、溶融パターンを転写媒体から転写して積層する工程とを含む。より高精細・高精度に形成された粒子パターンを溶融し溶融パターンを形成することで、積層構造体の各層をより高精細に形成することができる。より高精細に形成された各層を積層することで、より高精細な積層構造体を造形することができる。
また、本適用例による積層造形方法は、樹脂粒子を吐出するノズルと、粒子パターンを形成する転写媒体とを非接触に構成することができ、また、粒子パターンが形成される位置と、形成された粒子パターンを溶融し溶融パターンを形成する位置とを離して構成することが可能である。そのため、溶融パターンの形成に対する温度の影響をより低減することができ、加熱された転写媒体によるノズルやノズル内の樹脂粒子の加熱が抑制され、より安定して積層造形を行うことができる。
以上のように、本適用例による積層造形方法よれば、より高精細・高精度の積層造形をより安定して行うことができる。
[適用例2] 上記適用例に係る積層造形方法において、前記帯電工程で帯電した前記樹脂粒子を第1電極の表面に並べ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層を形成する工程と、前記第1電極を移動して、帯電した前記樹脂粒子が吐出される吐出口に前記帯電樹脂粒子層を供給する工程と、を含み、前記転写媒体は、第2電極を構成し、前記粒子パターン形成工程は、前記吐出口に移動した前記第1電極と、前記吐出口に移動した前記第1電極と前記第2電極との間に位置する前記吐出口に備えられた第3電極とで形成する電界により、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を電界加速して前記吐出口から吐出し、前記第3電極と前記第2電極とで形成する電界により、吐出された前記樹脂粒子を前記第2電極に到達させることにより前記転写媒体の表面に粒子パターンを形成することを特徴とする。
本適用例による積層造形方法は、帯電工程で帯電した樹脂粒子を第1電極の表面に並べ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層を形成する工程と、第1電極を移動して、帯電した樹脂粒子が吐出される吐出口(ノズル)に帯電樹脂粒子層を供給する工程とを含む。つまり、樹脂粒子が吐出される吐出口に、所定の厚さの帯電樹脂粒子層として形成された樹脂粒子が供給される。
また、転写媒体は、第2電極を構成し、粒子パターン形成工程は、吐出口に移動した第1電極と、この第1電極と第2電極との間に位置する吐出口に備えられた第3電極とで形成する電界により、帯電樹脂粒子層に含まれる樹脂粒子を電界加速して吐出口から吐出し、第3電極と第2電極とで形成する電界により、吐出された樹脂粒子を第2電極に到達させることにより転写媒体の表面に粒子パターンを形成する。
つまり、所定の厚さの帯電樹脂粒子層として第1電極の表面に並ぶ樹脂粒子が、第1電極と吐出口に備えられた第3電極とで形成される電界によって電界加速され吐出される。電界加速される対象領域の樹脂粒子が所定の厚さに並んでいるため、吐出される樹脂粒子(あるいは樹脂粒子群)の量のバラツキが低減される。その結果、第3電極と第2電極とで形成する電界により、第2電極に到達する樹脂粒子の量は一定の範囲にコントロールされる。すなわち、第2電極(転写媒体)に形成される粒子パターンの厚みが一定の範囲にコントロールされる。その結果、溶融パターンが積層される積層構造体の寸法がより高精度にコントロールされ、より高精細・高精度の積層造形を行うことができる。
[適用例3] 上記適用例に係る積層造形方法において、前記第3電極に印加する電圧を制御することにより、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を選択的に吐出して前記第2電極に到達させることを特徴とする。
本適用例によれば、第3電極に印加する電圧(電位)を制御することにより、帯電樹脂粒子層に含まれる樹脂粒子を選択的に吐出して第2電極に到達させる。例えば、マイナスに帯電させた樹脂粒子を第1電極の表面に並べ、吐出口に備える第3電極を第1電極に対し必要充分なプラス電位とすることで生じる電界によって樹脂粒子を第1電極から剥離し加速することができる。また、さらに転写媒体(第2電極)を第3電極に対してプラス電位とすることで、第1電極から吐出口を経由し吐出された樹脂粒子を、転写媒体に到達させることができる。このように、第3電極に印加する電圧を制御することで、樹脂粒子の吐出制御(吐出の有無、吐出のタイミングなど)を行うことができ、例えば、次々と供給される帯電した樹脂粒子を吐出制御しながら、吐出口に対して相対移動する転写媒体に到達(付着)させることで、転写媒体の表面に樹脂粒子による画像(粒子パターン)を形成することができる。
[適用例4] 上記適用例に係る積層造形方法において、所定の厚さに形成された前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を選択的に吐出して前記第2電極に到達させることにより、前記転写媒体の表面に形成される前記溶融パターンの層厚を所定の厚みに制御することが好ましい。
本適用例のように、所定の厚さに形成された帯電樹脂粒子層に含まれる樹脂粒子を選択的に吐出して第2電極に到達させることにより、転写媒体の表面に形成される溶融パターンの層厚を所定の厚みに制御することで、溶融パターンが積層される積層造形の寸法をより高精度にコントロールすることができ、より高精細・高精度の積層造形を行うことができる。
[適用例5] 上記適用例に係る積層造形方法において、前記帯電工程は、摩擦帯電により前記樹脂粒子を帯電させることが好ましい。
本適用例のように、帯電工程では、摩擦帯電により樹脂粒子を帯電させることにより、比較的容易に帯電した樹脂粒子を準備することができる。具体的には、例えば、ケースの内部で樹脂粒子を攪拌する構成とすることにより、容易に帯電させることができる。この場合、樹脂粒子に対し、帯電列上でより離れて位置する材質の部材と摩擦させることがより好ましく、より効率的に帯電させることができる。
[適用例6] 上記適用例に係る積層造形方法において、前記粒子パターン形成工程は、複数の前記吐出口を用いて行うことが好ましい。
本適用例のように、粒子パターン形成工程は、複数の吐出口を用いて行うことにより、より効率的(より高速)に粒子パターンを形成することができる。
[適用例7] 上記適用例に係る積層造形方法において、前記樹脂粒子は、色材を有していることが好ましい。
本適用例のように、樹脂粒子が色材を有することで、彩色された積層構造体を造形することができる。
[適用例8] 上記適用例に係る積層造形方法において、前記色材としてシアン、マゼンタ、イエロー、白を個別に有する前記樹脂粒子および透明な前記樹脂粒子を含む複数の色種類の前記樹脂粒子を用い、前記帯電工程および前記粒子パターン形成工程は、それぞれの色種類の前記樹脂粒子において独立して行うことを特徴とする。
本適用例のように、色材としてシアン、マゼンタ、イエロー、白を個別に有する樹脂粒子および透明な樹脂粒子を含む複数の色種類の樹脂粒子を用い、帯電工程および粒子パターン形成工程は、それぞれの色種類の樹脂粒子において独立して行うことで、フルカラーに対応した積層構造体を造形することができる。
[適用例9] 上記適用例に係る積層造形方法において、前記樹脂粒子には、白色または透明な疎水性粒子が外添されていることが好ましい。
本適用例のように、樹脂粒子に白色または透明な疎水性粒子が外添されることで、樹脂同士の付着、凝集が起こりにくく、その結果、帯電および電界加速による吐出をより効率的・効果的に行うことができる。
[適用例10] 本適用例に係る積層造形装置は、帯電した樹脂粒子を電界加速して選択的に吐出する吐出ヘッドと、吐出された前記樹脂粒子を捕捉することで、その表面に前記樹脂粒子による粒子パターンが形成される転写媒体と、前記粒子パターンを構成する前記樹脂粒子を溶融し、前記転写媒体の表面に溶融パターンを形成する溶融部と、前記溶融パターンが転写される造形部と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、積層造形装置は、帯電した樹脂粒子を電界加速して選択的に吐出する吐出ヘッドと、吐出された樹脂粒子を捕捉することで、その表面に樹脂粒子による粒子パターンが形成される転写媒体とを備える。従って、より微細な樹脂粒子を活用することで、樹脂粒子を電界加速して吐出するノズル(つまりは吐出ヘッド)をより微細化(小型化)することが可能であり、電界加速する電圧制御をより高速、高分解能にて行うことによって、より高精細・高精度な粒子パターンを形成することができる。
また、本適用例によれば、積層造形装置は、粒子パターンを構成する樹脂粒子を溶融し、転写媒体の表面に溶融パターンを形成する溶融部と、溶融パターンが転写される造形部とを備える。より高精細・高精度に形成された粒子パターンを溶融し溶融パターンを形成することで、積層構造体の各層をより高精細に形成することができる。より高精細に形成された各層を積層することで、より高精細な積層構造体を造形することができる。
また、本適用例によれば、樹脂粒子を吐出するノズル(吐出ヘッド)と、粒子パターンを形成する転写媒体とを非接触に構成することができ、また、粒子パターンが形成される位置と、形成された粒子パターンを溶融し溶融パターンを形成する位置とを離して構成することが可能である。そのため、溶融パターンの形成に対する温度の影響をより低減することができ、加熱された転写媒体によるノズルやノズル内の樹脂粒子の加熱が抑制され、より安定して積層造形を行うことができる。つまり、より信頼性の高い装置とすることができる。
以上のように、本適用例によれば、より高精細・高精度の積層造形をより安定して行うことができ、信頼性のより高い積層造形装置を提供することができる。
[適用例11] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記吐出ヘッドは、第1電極と、吐出口と、樹脂粒子を帯電させる帯電機構と、帯電した前記樹脂粒子を前記第1電極の表面に並べ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層を形成する帯電樹脂粒子層形成機構と、前記第1電極を移動して前記帯電樹脂粒子層を前記吐出口に搬送する搬送機構と、前記吐出口に備えられた第3電極と、を備え、前記転写媒体は、前記吐出口に対向し相対移動可能に設けられ、第2電極を構成し、前記吐出口に移動した前記第1電極と、前記吐出口に移動した前記第1電極と前記第2電極との間に位置する前記第3電極とで形成する電界により、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を電界加速して前記吐出口から吐出し、前記第3電極と前記第2電極とで形成する電界により、吐出された前記樹脂粒子を前記第2電極に到達させることにより前記転写媒体の表面に粒子パターンを形成することを特徴とする。
本適用例によれば、吐出ヘッドは、第1電極と、吐出口と、樹脂粒子を帯電させる帯電機構と、帯電した樹脂粒子を第1電極の表面に並べ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層を形成する帯電樹脂粒子層形成機構と、第1電極を移動して帯電樹脂粒子層を吐出口に搬送する搬送機構とを備えている。
つまり、本適用例によれば、樹脂粒子が吐出される吐出口に、所定の厚さの帯電樹脂粒子層として形成された樹脂粒子が供給される。
また、吐出ヘッドは、吐出口に備えられた第3電極を備え、転写媒体は、吐出口に対向し相対移動可能に設けられ、第2電極を構成している。吐出口に移動した第1電極と、この第1電極と第2電極との間に位置する第3電極とで形成する電界により、帯電樹脂粒子層に含まれる樹脂粒子を電界加速して吐出口から吐出し、第3電極と第2電極とで形成する電界により、吐出された樹脂粒子を第2電極に到達させることにより転写媒体の表面に粒子パターンを形成する。
つまり、所定の厚さの帯電樹脂粒子層として第1電極の表面に並ぶ樹脂粒子が、第1電極と吐出口に備えられた第3電極とで形成される電界によって電界加速され吐出される。電界加速される対象領域の樹脂粒子が所定の厚さに並んでいるため、吐出される樹脂粒子(あるいは樹脂粒子群)の量のバラツキが低減される。その結果、第3電極と第2電極とで形成する電界により、第2電極に到達する樹脂粒子の量は一定の範囲にコントロールされる。すなわち、第2電極(転写媒体)に形成される粒子パターンの厚みが一定の範囲にコントロールされる。
以上のように、本適用例による積層造形装置によれば、溶融パターンを形成する粒子パターンの寸法がより高精度にコントロールされるため、より高精細・高精度の積層造形を行うことができる。
[適用例12] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記造形部は、前記吐出口に対向した位置から移動した前記転写媒体に対向し相対移動可能に設けられたステージと、前記溶融パターンを前記転写媒体から前記ステージに転写して積層する積層機構と、を備えることを特徴とする。
本適用例によれば、造形部は、吐出口に対向した位置から移動した転写媒体に対向し相対移動可能に設けられたステージと、溶融パターンを転写媒体からステージに転写して積層する積層機構とを備えている。つまり、造形部は、厚みが一定の範囲にコントロールされた溶融パターンを転写媒体からステージに転写して積層し、積層構造体を造形する。溶融パターンが積層される積層構造体の寸法がより高精度にコントロールされるため、より高精細・高精度の積層造形を行うことができる。
[適用例13] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記第3電極に印加される電圧により、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子が選択的に吐出され前記第2電極に到達することを特徴とする。
本適用例によれば、第3電極に印加する電圧(電位)を制御することにより、帯電樹脂粒子層に含まれる樹脂粒子を選択的に吐出して第2電極に到達させる。例えば、マイナスに帯電させた樹脂粒子を第1電極の表面に並べ、吐出口に備える第3電極を第1電極に対し必要充分なプラス電位とすることで生じる電界によって樹脂粒子を第1電極から剥離し加速することができる。また、さらに転写媒体(第2電極)を第3電極に対してプラス電位とすることで、第1電極から吐出口を経由し吐出された樹脂粒子を、転写媒体に到達させることができる。このように、第3電極に印加する電圧を制御することで、樹脂粒子の吐出制御(吐出の有無、吐出のタイミングなど)を行うことができ、例えば、次々と供給される帯電した樹脂粒子を吐出制御しながら、吐出口に対して相対移動する転写媒体に到達(付着)させることで、転写媒体の表面に樹脂粒子による画像(粒子パターン)を形成することができる。
[適用例14] 上記適用例に係る積層造形装置において、所定の厚さに形成された前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子が選択的に吐出され前記第2電極に到達することにより、前記転写媒体の表面に形成される前記溶融パターンの層厚が所定の厚みに制御されることが好ましい。
本適用例のように、所定の厚さに形成された帯電樹脂粒子層に含まれる樹脂粒子を選択的に吐出して第2電極に到達させることにより、転写媒体の表面に形成される溶融パターンの層厚を所定の厚みに制御することで、溶融パターンが積層される積層構造体の寸法をより高精度にコントロールすることができ、より高精細・高精度の積層造形を行うことができる。
[適用例15] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記帯電機構は、摩擦帯電により前記樹脂粒子を帯電させることが好ましい。
本適用例のように、摩擦帯電により樹脂粒子を帯電させる帯電機構を備えることにより、比較的容易に帯電した樹脂粒子を準備することができる。具体的には、例えば、ケースの内部で樹脂粒子を攪拌する構成とすることにより、容易に帯電機構を構成することができる。この場合、樹脂粒子に対し、帯電列上でより離れて位置する材質の部材と摩擦させる構成とすることがより好ましく、より効率的に帯電させることができる。
[適用例16] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記吐出ヘッドが複数備えられ、前記複数の吐出ヘッドから吐出された前記樹脂粒子により前記転写媒体の表面に形成される前記溶融パターンの層厚が所定の厚みに制御されることが好ましい。
本適用例のように、複数の吐出ヘッドを備えることにより、より効率的(より高速)に粒子パターンを形成することができる。また、複数の吐出ヘッドから吐出された樹脂粒子により形成される溶融パターンの層厚が所定の厚みに制御されることで、溶融パターンが積層される積層構造体の寸法をより高精度にコントロールすることができる。つまり、本適用例によれば、より高速で、より高精細・高精度の積層造形装置を提供することができる。
[適用例17] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記樹脂粒子は、色材を有していることが好ましい。
本適用例のように、樹脂粒子が色材を有することで、積層造形装置は、彩色された積層構造体を造形することができる。
[適用例18] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記色材としてシアン、マゼンタ、イエロー、白を個別に有する前記樹脂粒子および透明な前記樹脂粒子を含む複数の色種類の前記樹脂粒子が用いられ、前記吐出ヘッドは、それぞれの色種類の前記樹脂粒子において独立して備えられていることを特徴とする。
本適用例のように、色材としてシアン、マゼンタ、イエロー、白を個別に有する樹脂粒子および透明な樹脂粒子を含む複数の色種類の樹脂粒子が用いられ、吐出ヘッドは、それぞれの色種類の樹脂粒子において独立して備えられることで、フルカラーに対応した積層構造体を造形することができる。
[適用例19] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記樹脂粒子には、白色または透明な疎水性粒子が外添されていることが好ましい。
本適用例のように、樹脂粒子に白色または透明な疎水性粒子が外添されることで、樹脂同士の付着、凝集が起こりにくく、その結果、帯電および電界加速による吐出をより効率的・効果的に行うことができる。
[適用例20] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記吐出ヘッドは、前記転写媒体が相対移動する方向と交差する方向に相対移動可能に設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、吐出ヘッドは、転写媒体が吐出口に対して相対移動する方向と交差する方向に相対移動可能に設けられている。つまり、吐出ヘッドおよび転写媒体はそれぞれに相対移動可能に設けられている。その結果、吐出ヘッドが転写媒体に対して粒子パターンを描画するための自由度が増すため、同じ範囲の描画に必要な吐出ヘッドの大きさをより小型に構成することができる。
[適用例21] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記第1電極は、円柱側面形状に形成され、前記搬送機構は、前記第1電極を軸回りに回転移動させることにより、前記帯電樹脂粒子層を前記吐出口に搬送することを特徴とする。
本適用例によれば、第1電極は、円柱側面形状に形成され、搬送機構は、第1電極を軸回りに回転移動させることにより、帯電樹脂粒子層を吐出口に搬送する。このように構成することにより、第1電極をシームレスに構成することができるため、シームレスに帯電樹脂粒子層を吐出口に搬送することが可能となる。その結果、溶融パターンの厚みにばらつきが発生することを抑制することができる。
[適用例22] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記転写媒体は、円柱側面形状に構成され、前記積層機構は、前記転写媒体を軸回りに回転移動する第1移動機構と、前記ステージを前記転写媒体の回転移動の接線方向および前記接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構と、を備え、前記転写媒体の回転移動と、前記ステージの移動とが同期して、前記転写媒体を軸回りに回転移動させながら、前記溶融パターンを前記ステージあるいは前記ステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている前記溶融パターンの表層部分に押圧することで転写して積層することを特徴とする。
本適用例によれば、転写媒体は、円柱側面形状に構成されている。また、積層機構は、転写媒体を軸回りに回転移動する第1移動機構と、ステージを転写媒体の回転移動の接線方向および接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構とを備え、転写媒体の回転移動とステージの移動とが同期して転写媒体を軸回りに回転移動させながら、溶融パターンをステージあるいはステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている前記溶融パターンの表層部分パターンに押圧することで転写して積層する。
転写媒体の回転移動とステージの移動とが同期しているため、積層する溶融パターンに発生する位置ズレを抑制することができる。また、円柱側面形状の転写媒体の表面に形成された溶融パターンをステージあるいはステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターンの表層部分に押圧することで転写して積層する構成のため、溶融パターンが曲率分離されることで、よりスムーズに転写・積層させることができる。
[適用例23] 上記適用例に係る積層造形装置において、前記転写媒体は、環状ベルトの形状に構成され、前記積層機構は、前記転写媒体をベルト駆動する第1移動機構と、前記転写媒体の環状ベルトの内側から押圧するローラーと、前記ステージを、前記ローラーと前記転写媒体の環状ベルトとの接線方向および前記接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構と、を備え、前記転写媒体のベルト駆動と、前記ステージの移動とが同期して、前記転写媒体をベルト駆動させながら、前記ローラーにより前記溶融パターンを前記ステージあるいは前記ステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている前記溶融パターンの表層部分に押圧することで転写して積層することを特徴とする。
本適用例によれば、転写媒体は、環状ベルトの形状に構成されている。また、積層機構は、転写媒体をベルト駆動する第1移動機構と、転写媒体の環状ベルトの内側から押圧するローラーと、ステージを、ローラーと転写媒体の環状ベルトとの接線方向および接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構とを備え、転写媒体のベルト駆動と、ステージの移動とが同期して、転写媒体をベルト駆動させながら、ローラーにより溶融パターンをステージあるいはステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターンの表層部分に押圧することで転写して積層する。
転写媒体のベルト駆動とステージの移動とが同期しているため、積層する溶融パターンに発生する位置ズレを抑制することができる。また、ローラーにより押圧されたベルト(転写媒体)の表面に形成された溶融パターンをステージあるいはステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターンの表層部分に押圧することで転写して積層する構成のため、溶融パターンが曲率分離されることで、よりスムーズに転写・積層させることができる。
実施形態1に係る積層造形装置の構成を示す側面概念図 (a)吐出ヘッドを説明する断面概念図、(b)吐出口を示す平面図 (a)図1のA部拡大図、(b)吐出口周囲の平面図 ステージと転写媒体との同期駆動を説明する概念図 変形例1に係る積層造形装置の構成を示す側面概念図
以下に本発明を具体化した実施形態について、図面を参照して説明する。以下は、本発明の一実施形態であって、本発明を限定するものではない。なお、以下の各図においては、説明を分かりやすくするため、実際とは異なる尺度で記載している場合がある。また、説明の便宜上、図に付記するXYZ軸において、X方向を右方向、X軸方向(±X方向)を横方向、Y方向を前方向、Y軸方向(±Y方向)を前後方向、Z方向を上方向、Z軸方向(±Z方向)を上下方向として説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る積層造形装置100の構成を示す概念側面図である。
積層造形装置100は、3次元形状の立体モデルの断面を構成する各層(断面層)を次々に積層して立体を造形する装置である。
積層造形装置100は、帯電した樹脂粒子1を電界加速して選択的に吐出する吐出ヘッド10、吐出された樹脂粒子1を捕捉することでその表面に樹脂粒子1による粒子パターン2が形成される転写媒体20、粒子パターン2を構成する樹脂粒子1を溶融し転写媒体20の表面に溶融パターン3を形成する溶融部30、溶融パターン3が転写される造形部40などを備えている。造形部40において溶融パターン3が積層されることで、積層構造体4が形成(造形)される。また、溶融パターン3の転写が完了した転写媒体20の表面をクリーニングするクリーニングブレード(図示省略)を有するクリーニング部50などを備えている。
積層造形装置100による積層造形方法としては、樹脂粒子1を帯電させる帯電工程と、帯電した樹脂粒子1を電界加速して吐出し、吐出された樹脂粒子1により転写媒体20の表面に粒子パターン2を形成する粒子パターン形成工程と、粒子パターン2を構成する樹脂粒子1を溶融し溶融パターン3を形成する工程と、溶融パターン3を転写媒体20から転写して積層する工程とを含んでいる。
つまり、まず、立体モデルの断面層を形成するために、立体モデルの断面形状に合わせて所定の厚さとなるように並べられた樹脂粒子のパターン(粒子パターン2)を形成する。粒子パターン2は、帯電した樹脂粒子1を選択的に電界加速して吐出することにより、転写媒体20の表面に、立体モデルの断面形状に合わせた所望の並びのパターンとして形成される。
次に、転写媒体20の表面に並んだ樹脂粒子1を加熱して溶融することにより、上下左右に隣接する樹脂粒子1を融合させて、断面層としての溶融パターン3を形成する。この溶融パターン3を次々に転写して積層することにより3次元形状の立体モデルが造形される。
以下、積層造形装置100を構成するそれぞれの部位毎に具体的に説明する。
<吐出ヘッド>
図2(a)は、吐出ヘッド10を説明する概念断面図、図2(b)は、吐出ヘッド10が備える吐出口を示す平面図である。
吐出ヘッド10は、樹脂粒子1を収納するカートリッジ11、樹脂粒子1を帯電させ吐出する樹脂吐出部12などを備えている。
カートリッジ11は、筐体111を備えている。筐体111は、内部に樹脂粒子1を収納し、樹脂吐出部12と連結することで、樹脂吐出部12に樹脂粒子1を供給する。筐体111の内部に収納された樹脂粒子1は、重力(樹脂粒子1の自重)あるいは押圧機構(図示省略)などによる力Fにより筐体111に連結された樹脂吐出部12に移動する(供給される)。
樹脂吐出部12は、搬送ローラー121(搬送ローラー121は、後述する第1電極71を構成する)、複数の吐出口122を備えたヘッドプレート127、樹脂粒子1を帯電させる「帯電機構」、供給ローラー123、帯電した樹脂粒子1を搬送ローラー121の表面に並べ所定の厚さに帯電樹脂粒子層1Lを形成する規制ブレード125、駆動部(図示省略)などを備えている。これらは、ヘッド筐体126によって樹脂吐出部12としてコンパクトにまとめられ、カートリッジ11の装填を可能としている。
搬送ローラー121は、円柱側面形状(ドラム状)に形成されており、駆動部により回転することで帯電樹脂粒子層1Lを吐出口122に搬送する「搬送機構」を構成している。
供給ローラー123は、搬送ローラー121の周面に回転自在に接触して配設されるローラーであり、駆動部により回転しながら樹脂粒子1を摩擦帯電させて搬送ローラー121の表面に供給する。つまり、供給ローラー123は、「帯電機構」を構成する。なお、樹脂粒子の帯電は、この供給ローラー123との摩擦のみによらず、樹脂粒子が接触する部材(例えば搬送ローラー121や筐体111、ヘッド筐体126)との接触・剥離や摩擦によっても行われる。樹脂粒子1を帯電させる材料は、供給ローラー123を含め、樹脂粒子1に対し、帯電列上でより離れて位置する材質の部材を用いることが好ましく、より効率的に帯電させることができる。
なお、駆動部は、搬送ローラー121および供給ローラー123を回転させる駆動部として別々に備えられても良いし、一つの駆動部でそれぞれを同時に(図2(a)に示す矢印の様に逆の回転で)回転させる構成であっても良い。あるいは、供給ローラー123を回転させる駆動部として備え、供給ローラー123が搬送ローラー121の周面で回転することにより搬送ローラー121が回転する構成であっても良い。
また、搬送ローラー121と供給ローラー123とが別々に駆動する場合には、供給ローラー123を、図2(a)に示す矢印の方向と逆の方向に回転させても良い。このように搬送ローラー121の回転に逆らう方向で回転させることによって、樹脂粒子の流動性が向上すると共に、摩擦帯電の機会を向上させることができる。
規制ブレード125は、搬送ローラー121の周面を押圧する板状体であり、供給ローラー123によって搬送ローラー121の表面に重なるように供給された樹脂粒子1を、所定の厚さ(具体的には、樹脂粒子1が1〜2層に並ぶ厚さ)の層厚に薄層化する「帯電樹脂粒子層形成機構」を構成している。規制ブレード125は、一方の端部がヘッド筐体126に固定された弾性体であり、図2に示すように、押圧部にバネなどの弾性体を設ける構成であっても良い。樹脂粒子1は、規制ブレード125の押圧部で擦切られるように薄層化され、また規制ブレード125との摩擦帯電により帯電量がより均一化される。
ヘッドプレート127は、例えば、ポリイミド等の絶縁性かつ可撓性を持つ基板であり、その中央部には、搬送ローラー121の回転方向と交差する方向に交互に並ぶ2列の吐出口122が形成されている。吐出口122が並ぶ方向のヘッドプレート127の幅Wは、以下に説明する転写媒体20の幅と略等しい長さに構成されている。
また、個々の吐出口122の周囲には、樹脂粒子1の吐出を制御するための第3電極73が備えられている。第3電極73を駆動制御する駆動回路130(ドライバーIC)を樹脂吐出部12に備えても良い。
吐出ヘッド10は、図1に示すように、装填されるカートリッジ11が収納する樹脂粒子1のタイプ毎に複数用いられる。樹脂粒子1のタイプは、樹脂粒子1が備える色材の種類や、色材の有無によって分けられる。具体的には、吐出ヘッド10として、シアン色の樹脂粒子1を吐出する吐出ヘッド10C、マゼンタ色の樹脂粒子1を吐出する吐出ヘッド10M、イエロー色の樹脂粒子1を吐出する吐出ヘッド10Y、透明無色の樹脂粒子1を吐出する吐出ヘッド10T、白色の樹脂粒子1を吐出する吐出ヘッド10W、および、積層構造体4のオーバーハング等を造形時に支持し造形後除去されるサポート材の樹脂粒子1を吐出する吐出ヘッド10Sなどが、それぞれ配設される。
粒子パターン2は、これら複数のタイプの樹脂粒子1によって構成される。つまり、粒子パターン2、溶融パターン3、積層構造体4は、複数の色材を含む樹脂によって構成される。
<転写媒体>
転写媒体20は、図1に示すように、円柱側面形状(ドラム状)に構成されており、X―Y平面に置かれた積層造形装置100において、例えば、その円柱軸がY軸方向を向くように配置される。転写媒体20は、後述する第2電極72として構成されている。
転写媒体20の上方(Z方向)には、複数の吐出ヘッド10が、吐出口122(図2)が転写媒体20の表面に対向するように、所定の空隙を介して配置されている。転写媒体20は、その円柱軸を回転軸として吐出ヘッド10との空隙を一定に保ちながら回転可能に設置され、後述する「第1移動機構」により軸回りに回転移動する。
吐出ヘッド10は、それぞれ、ヘッドプレート127の延在方向(吐出口122が並ぶ方向)が、対向する転写媒体20の表面が回転移動する方向と交差する方向となるように設置されている。つまり、吐出ヘッド10は、転写媒体20に対してラインヘッドとして構成されている。
図3(a)は、図1に示すA部を拡大した断面概念図であり、吐出口122の周囲および対向する転写媒体20を示している。図3(b)は、吐出口122周囲の平面図である。
吐出口122の周囲には、第3電極73が配設されている。
吐出口122の上部に位置する第1電極71(つまりは、吐出口122の開口領域に樹脂粒子1を搬送してきた搬送ローラー121)と、この第1電極71と第2電極72(転写媒体20)との間に位置する第3電極73および第2電極72とで、帯電した樹脂粒子1を第1電極71から剥離し電界加速して吐出口122から吐出し、第2電極72(転写媒体20の表面)に到達させる電界が構成される。また、第3電極73に印加される電圧(電位)を制御することにより、帯電樹脂粒子層1Lに含まれる樹脂粒子1が選択的に吐出され、第2電極72に到達する。
具体的には、例えば、図3(a)に示すように、樹脂粒子1をマイナスに帯電させ、第1電極71の電位を−250V、第3電極73の電位を−125V、第2電極72を接地電位(0V)とする。こうすると、第2電極72(転写媒体20)から第1電極71(搬送ローラー121)に向かう電界が生成され、マイナスに帯電した樹脂粒子1は、第1電極71から遊離して吐出口122から吐出され、第2電極72(転写媒体20の表面)に到達する。また、例えば、第3電極73の電位を−375Vとしたときには、第1電極71と第3電極73との間に生成される電界の向きが逆となり、マイナスに帯電した樹脂粒子1は、第1電極71(搬送ローラー121)に留まる。
このように、第3電極73の電位を制御することで、搬送ローラー121によって次々と供給される帯電した樹脂粒子1を吐出制御しながら、吐出口122に対して移動する転写媒体20に到達(付着)させることで、転写媒体20の表面に粒子パターン2が形成される。
図3(a)において、樹脂粒子1が吐出される方向の空隙については、例えば、樹脂粒子1が10μmの球形粒子の場合、搬送ローラー121上の帯電樹脂粒子層1Lの層厚は略2層として20μmである。搬送ローラー121とヘッドプレート127との間隔は帯電樹脂粒子層1Lの層厚よりも大きくするのが摩耗を低減するのに有利であるため、例えば40μmとしている。また、ヘッドプレート127の厚みは例えば60μm、ヘッドプレート127と転写媒体20との空隙は100μmとしている。
搬送ローラー121とヘッドプレート127との空隙、および、ヘッドプレート127と転写媒体20との空隙を維持するために、それぞれにスペーサー(図示省略)を設けると電界変動を防止し吐出量を均一にすることができるため好ましい。
また、転写媒体20の回転移動を所定の速度とし、所定の厚さに形成された帯電樹脂粒子層1Lに含まれる樹脂粒子1が、第3電極73の制御により選択的に吐出され第2電極72に到達することにより、転写媒体20の表面に形成される溶融パターン3の層厚が所定の厚みに制御される。つまり、複数の吐出ヘッド10から吐出された樹脂粒子1により転写媒体20の表面に形成される溶融パターン3の層厚が所定の厚みに制御される。
<溶融部>
溶融部30は、粒子パターン2を構成する樹脂粒子1を溶融する熱源を備え、図1に示すように、転写媒体20の表面(円柱側面)において、吐出ヘッド10が設置された上部と、造形部40との間に設置されている。溶融部30は、粒子パターン2を構成する樹脂粒子1を溶融する手段として、ハロゲンランプ等の熱源を内部に有するヒートローラーなど(図示省略)を備えている。粒子パターン2は、ヒートローラーによりエア抜きされ所定の層厚にシート化され、溶融パターン3が形成される。
<造形部>
造形部40は、転写媒体20に対向し相対移動可能に設けられたステージ41と、溶融パターン3を転写媒体20からステージ41に転写して積層する「積層機構」とを備えている。
「積層機構」は、転写媒体20を軸回りに回転移動する第1移動機構(図示省略)と、ステージ41を転写媒体20の回転移動の接線方向および接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構(図示省略)とを備えている。
転写媒体20を軸回りに回転移動させながら、溶融パターン3をステージ41あるいはステージ41に先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターン3の表層部分に押圧することで転写して積層する。溶融パターン3は、ステージ41上で粘着転写され、冷却されて積層構造体4が形成される。
ここで、ステージ41は、図1に示す矢印D方向に循環移動し、転写媒体20の回転と同期して、つまり、第1移動機構と、第2移動機構とが同期して(すなわち同周期で)移動する。
具体的には、例えば、図4に示すように、第1移動機構と第2移動機構とを同じ駆動モーターで構成し、転写媒体20が1回転するとステージ41が1サイクルの移動をするように構成している。また、駆動モーターがn(自然数)回転すると転写媒体20が1回転し、駆動モーターがm(自然数)回転するとステージ41が1サイクルの移動をするように構成している。このように構成することで、駆動モーターの変動がそれぞれ同位相で現れるため、溶融パターン3の積層ズレを抑制することができる。
<樹脂粒子>
樹脂粒子1は、体積平均粒子径が5〜20μmの異形もしくは球形の粒子で、その材料には、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を用いている。有色の場合には、色材として、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、白の顔料を分散し粉砕法や重合法で作成される。
また、樹脂粒子1は、白色または透明な疎水性粒子が外添されている。具体的には、粒径が数nmから数十nmのシリカやチタニアといった無機微粒子が外添され、安息角で45度以下の流動性が与えられる。従って、カートリッジ11の内壁は樹脂粒子1が滞留しないように、重力方向に対して安息角以上に立った壁で構成することが望ましい。
<積層造形方法>
次に、上述した構成の積層造形装置100によって積層構造体4を造形する一連の流れを示し、積層造形方法について説明する。
<帯電工程>
まず、各吐出ヘッド10(10S,10C,10M,10Y,10T,10W)に該当するカートリッジ11を装填し、積層造形装置100を稼動させ、各吐出ヘッド10内で樹脂粒子1を帯電させ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層1Lを準備する。
<粒子パターン形成工程>
次に、造形する積層構造体4の形状・色彩に応じ色重ねされた所定の厚さの各層(溶融パターン3)が形成されるように各吐出ヘッド10の第3電極73の電位を設定・制御し、吐出ヘッド10の吐出口122に供給される樹脂粒子1を選択吐出することにより転写媒体20の表面に粒子パターン2を形成する。
<溶融パターンを形成する工程>
次に、転写媒体20の表面に形成された粒子パターン2を、転写媒体20の回転に伴い溶融部30に移動させる。溶融部30の熱により樹脂粒子1を軟化溶融し、ヒートローラーによりエア抜きして所定の層厚の溶融パターン3を形成する。
<転写して積層する工程>
次に、転写媒体20の表面に形成された溶融パターン3を、転写媒体20の回転に伴い造形部40に移動させる。造形部40では、転写媒体20を軸回りに回転移動させながら、溶融パターン3をステージ41あるいはステージ41に先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターン3の表層部分に押圧することで転写して積層する。溶融パターン3は、ステージ41上で粘着転写される。
転写を終えた転写媒体20は、クリーニング部50に配設されるクリーニングブレードで表面を清掃されて、次の層の造形へと向かう。
転写媒体20の回転による溶融パターン3の形成と、ステージ41の移動を同期させ、以上の転写を繰りかえし、溶融パターン3を積層させることで積層構造体4が形成される。
以上述べたように、本実施形態による積層造形方法および積層造形装置によれば、以下の効果を得ることができる。
積層造形装置100は、帯電した樹脂粒子1を電界加速して選択的に吐出する吐出ヘッド10と、吐出された樹脂粒子1を捕捉することで、その表面に樹脂粒子1による粒子パターン2が形成される転写媒体20とを備える。従って、より微細な樹脂粒子1を活用することで、樹脂粒子1を電界加速して吐出する吐出ヘッド10をより微細化(小型化)することが可能であり、電界加速する電圧制御をより高速、高分解能にて行うことによって、より高精細・高精度な粒子パターン2を形成することができる。
また、積層造形装置100は、粒子パターン2を構成する樹脂粒子1を溶融し、転写媒体20の表面に溶融パターン3を形成する溶融部30と、溶融パターン3が転写される造形部40とを備える。より高精細・高精度に形成された粒子パターン2を溶融し溶融パターン3を形成することで、積層構造体4の各層をより高精細に形成することができる。より高精細に形成された各層を積層することで、より高精細な積層構造体4を造形することができる。
また、樹脂粒子1を吐出する吐出ヘッド10と、粒子パターン2を形成する転写媒体20とを非接触に構成することができ、また、粒子パターン2が形成される位置と、形成された粒子パターン2を溶融し溶融パターン3を形成する位置とを離して構成している。そのため、溶融パターン3の形成に対する温度の影響をより低減することができ、加熱された転写媒体20によるヘッドプレート127や吐出口付近の樹脂粒子の加熱が抑制され、より安定して積層造形を行うことができる。
以上のように、より高精細・高精度の積層造形をより安定して行うことができ、信頼性のより高い積層造形装置を提供することができる。
また、吐出ヘッド10は、第1電極71と、吐出口122と、樹脂粒子1を帯電させる帯電機構と、帯電した樹脂粒子1を第1電極71の表面に並べ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層1Lを形成する帯電樹脂粒子層形成機構と、第1電極71を移動して帯電樹脂粒子層1Lを吐出口122に搬送する搬送機構とを備えている。
つまり、樹脂粒子1が吐出される吐出口122に、所定の厚さの帯電樹脂粒子層1Lとして形成された樹脂粒子1が供給される。
また、吐出ヘッド10は、吐出口122に備えられた第3電極73を備え、転写媒体20は、吐出口122に対向し相対移動可能に設けられ、第2電極72を構成している。吐出口122に移動した第1電極71と、この第1電極71と第2電極72との間に位置する第3電極73とで形成する電界により、帯電樹脂粒子層1Lに含まれる樹脂粒子1を電界加速して吐出口122から吐出し、第3電極73と第2電極72とで形成する電界により、吐出された樹脂粒子1を第2電極72に到達させることにより転写媒体20の表面に粒子パターン2を形成する。
つまり、所定の厚さの帯電樹脂粒子層1Lとして第1電極71の表面に並ぶ樹脂粒子1が、第1電極71と吐出口122に備えられた第3電極73とで形成される電界によって電界加速され吐出される。電界加速される対象領域の樹脂粒子1が所定の厚さに並んでいるため、吐出される樹脂粒子1の量のバラツキが低減される。その結果、第3電極73と第2電極72とで形成する電界により、第2電極72に到達する樹脂粒子1の量は一定の範囲にコントロールされる。すなわち、第2電極72(転写媒体20)に形成される粒子パターン2の厚みが一定の範囲にコントロールされる。
また、造形部40は、転写媒体20に対向し相対移動可能に設けられたステージ41と、溶融パターン3を転写媒体20からステージ41に転写して積層する積層機構とを備えている。つまり、造形部40は、厚みが一定の範囲にコントロールされた溶融パターン3を転写媒体20からステージ41に転写して積層し、積層構造体4を造形する。
以上のように、本実施形態による積層造形装置100によれば、溶融パターン3が積層される積層構造体4の寸法がより高精度にコントロールされるため、より高精細・高精度の積層造形を行うことができる。
また、第3電極73に印加する電圧(電位)を制御することにより、帯電樹脂粒子層1Lに含まれる樹脂粒子1を選択的に吐出して第2電極72に到達させる。第3電極73に印加する電圧を制御することで、樹脂粒子1の吐出制御(吐出の有無、吐出のタイミングなど)を行うことができ、次々と供給される帯電した樹脂粒子1を吐出制御しながら、吐出口122に対して相対移動する転写媒体20に到達(付着)させることで、転写媒体20の表面に樹脂粒子1による画像(粒子パターン)を形成することができる。
また、所定の厚さに形成された帯電樹脂粒子層1Lに含まれる樹脂粒子1を選択的に吐出して第2電極72に到達させることにより、転写媒体20の表面に形成される溶融パターン3の層厚を所定の厚みに制御することで、溶融パターン3が積層される積層構造体4の寸法をより高精度にコントロールすることができ、より高精細・高精度の積層造形を行うことができる。
なお、図1のように複数色のヘッドを用いる場合には、各色で1〜2層、トータルで3〜5層として、転写媒体20の周回ごとにフルカラーの溶融パターン3を形成し、これを転写して積層するのが好ましい。
また、摩擦帯電により樹脂粒子1を帯電させる帯電機構を備えることにより、比較的容易に帯電した樹脂粒子1を準備することができる。
また、複数の吐出ヘッド10を備えることにより、より効率的(より高速)に粒子パターン2を形成することができる。また、複数の吐出ヘッド10から吐出された樹脂粒子1により形成される溶融パターン3の層厚が所定の厚みに制御されることで、溶融パターン3が積層される積層構造体4の寸法をより高精度にコントロールすることができる。つまり、より高速で、より高精細・高精度の積層造形装置を提供することができる。
また、樹脂粒子1が色材を有することで、彩色された積層構造体4を造形することができる。
また、色材としてシアン、マゼンタ、イエロー、白を個別に有する樹脂粒子1および透明な樹脂粒子1を含む複数の色種類の樹脂粒子1が用いられ、吐出ヘッド10は、それぞれの色種類の樹脂粒子1において独立して備えられることで、フルカラーに対応した積層構造体4を造形することができる。
また、樹脂粒子1に白色または透明な疎水性粒子が外添されることで、樹脂同士の付着、凝集が起こりにくく、その結果、帯電および電界加速による吐出をより効率的・効果的に行うことができる。
また、第1電極71は、円柱側面形状に形成され、搬送機構は、第1電極71を軸回りに回転移動させることにより、帯電樹脂粒子層1Lを吐出口122に搬送する。このように構成することにより、第1電極71をシームレスに構成することができるため、シームレスに帯電樹脂粒子層1Lを吐出口122に搬送することが可能となる。その結果、溶融パターン3の厚みにばらつきが発生することを抑制することができる。
また、転写媒体20は、円柱側面形状に構成されている。また、積層機構は、転写媒体20を軸回りに回転移動する第1移動機構と、ステージ41を転写媒体20の回転移動の接線方向および接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構とを備え、転写媒体20の回転移動とステージ41の移動とが同期して転写媒体20を軸回りに回転移動させながら、溶融パターン3をステージ41あるいはステージ41に先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターン3の表層部分に押圧することで転写して積層する。
転写媒体20の回転移動とステージ41の移動とが同期しているため、積層する溶融パターン3に発生する位置ズレを抑制することができる。また、円柱側面形状の転写媒体20の表面に形成された溶融パターン3をステージ41あるいはステージ41に先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターン3の表層部分に押圧することで転写して積層する構成のため、溶融パターン3が曲率分離されることで、よりスムーズに転写・積層させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。ここで、上述した実施形態と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略している。
(変形例1)
図5は、変形例1に係る積層造形装置101の構成を示す概念側面図である。
実施形態1では、図1に示すように、転写媒体20は、円柱側面形状(ドラム状)に構成されているとして説明したが、この構成に限定するものではなく、図5に示す転写媒体90のように環状ベルトの形状に構成されていても良い。
転写媒体90は、環状ベルトの形状に構成され、「積層機構」は、転写媒体90をベルト駆動する第1移動機構と、転写媒体90の環状ベルトの内側から押圧するローラー91と、ステージ41を、ローラー91と転写媒体90の環状ベルトとの接線方向および接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構とを備えている。転写媒体90のベルト駆動と、ステージ41の移動とが同期して、転写媒体90をベルト駆動させながら、ローラー91により溶融パターン3をステージ41あるいはステージ41に先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターン3の表層部分に押圧することで転写して積層する。
本変形例に係る積層造形装置101によれば、上述した実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
ローラー91により押圧されたベルト(転写媒体90)の表面に形成された溶融パターン3をステージ41あるいはステージ41に先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている溶融パターン3の表層部分に押圧することで転写して積層する構成のため、溶融パターン3が曲率分離されることで、よりスムーズに転写・積層させることができる。実施形態1の転写媒体20は、ドラム状であり、溶融パターン3を押圧する曲率は、ドラムの径により決まっていたが、ローラー91の半径(つまりは曲率)転写媒体90(ベルト)の長さによらず、ベルト環内に入る大きさの範囲で、任意に設定することができる。その結果、溶融パターン3を曲率分離させるためにより効果的な径のローラー91を利用することが可能となる。
(変形例2)
実施形態1では、図2に示すように、吐出ヘッド10が有するヘッドプレート127の幅Wは、転写媒体20の幅と略等しい長さに構成されている、つまり、吐出ヘッド10は、転写媒体20に対してラインヘッドとして構成されているとして説明したが、この構成に限定するものではない。
吐出ヘッドを吐出ヘッド10より小型に構成し(ヘッドプレートの幅を転写媒体20の幅より短く構成し)、転写媒体20が相対移動(回転)する方向と交差する方向に相対移動可能に設けても良い。具体的には、転写媒体20が回転移動する方向と交差する方向に吐出ヘッドを移動(走査)可能とし、転写媒体20が停止している間に転写媒体20の必要な幅方向に吐出ヘッドを移動(走査)させながら樹脂粒子1を吐出し、次に転写媒体20を所定量回転させる。吐出ヘッドの移動と転写媒体20の回転とを交互に繰り返すことにより、粒子パターン2を形成する。
本変形例によれば、転写媒体20の同じ範囲の粒子パターン形成に必要な吐出ヘッドの大きさをより小型に構成することができる。
1…樹脂粒子、1L…帯電樹脂粒子層、2…粒子パターン、3…溶融パターン、4…積層構造体、10…吐出ヘッド、11…カートリッジ、12…樹脂吐出部、20…転写媒体、30…溶融部、40…造形部、41…ステージ、50…クリーニング部、71…第1電極、72…第2電極、73…第3電極、100…積層造形装置、111…筐体、121…搬送ローラー、122…吐出口、123…供給ローラー、125…規制ブレード、126…ヘッド筐体、127…ヘッドプレート。

Claims (23)

  1. 樹脂粒子を帯電させる帯電工程と、
    帯電した前記樹脂粒子を電界加速して吐出し、吐出された前記樹脂粒子により転写媒体の表面に粒子パターンを形成する粒子パターン形成工程と、
    前記粒子パターンを構成する前記樹脂粒子を溶融し溶融パターンを形成する工程と、
    前記溶融パターンを前記転写媒体から転写して積層する工程と、を含むことを特徴とする積層造形方法。
  2. 前記帯電工程で帯電した前記樹脂粒子を第1電極の表面に並べ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層を形成する工程と、
    前記第1電極を移動して、帯電した前記樹脂粒子が吐出される吐出口に前記帯電樹脂粒子層を供給する工程と、を含み、
    前記転写媒体は、第2電極を構成し、
    前記粒子パターン形成工程は、前記吐出口に移動した前記第1電極と、前記吐出口に移動した前記第1電極と前記第2電極との間に位置する前記吐出口に備えられた第3電極とで形成する電界により、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を電界加速して前記吐出口から吐出し、前記第3電極と前記第2電極とで形成する電界により、吐出された前記樹脂粒子を前記第2電極に到達させることにより前記転写媒体の表面に粒子パターンを形成することを特徴とする請求項1に記載の積層造形方法。
  3. 前記第3電極に印加する電圧を制御することにより、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を選択的に吐出して前記第2電極に到達させることを特徴とする請求項2に記載の積層造形方法。
  4. 所定の厚さに形成された前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を選択的に吐出して前記第2電極に到達させることにより、前記転写媒体の表面に形成される前記溶融パターンの層厚を所定の厚みに制御することを特徴とする請求項3に記載の積層造形方法。
  5. 前記帯電工程は、摩擦帯電により前記樹脂粒子を帯電させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の積層造形方法。
  6. 前記粒子パターン形成工程は、複数の前記吐出口を用いて行うことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の積層造形方法。
  7. 前記樹脂粒子は、色材を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の積層造形方法。
  8. 前記色材としてシアン、マゼンタ、イエロー、白を個別に有する前記樹脂粒子および透明な前記樹脂粒子を含む複数の色種類の前記樹脂粒子を用い、
    前記帯電工程および前記粒子パターン形成工程は、それぞれの色種類の前記樹脂粒子において独立して行うことを特徴とする請求項7に記載の積層造形方法。
  9. 前記樹脂粒子には、白色または透明な疎水性粒子が外添されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の積層造形方法。
  10. 帯電した樹脂粒子を電界加速して選択的に吐出する吐出ヘッドと、
    吐出された前記樹脂粒子を捕捉することで、その表面に前記樹脂粒子による粒子パターンが形成される転写媒体と、
    前記粒子パターンを構成する前記樹脂粒子を溶融し、前記転写媒体の表面に溶融パターンを形成する溶融部と、
    前記溶融パターンが転写される造形部と、を備えることを特徴とする積層造形装置。
  11. 前記吐出ヘッドは、第1電極と、吐出口と、樹脂粒子を帯電させる帯電機構と、帯電した前記樹脂粒子を前記第1電極の表面に並べ、所定の厚さに帯電樹脂粒子層を形成する帯電樹脂粒子層形成機構と、前記第1電極を移動して前記帯電樹脂粒子層を前記吐出口に搬送する搬送機構と、前記吐出口に備えられた第3電極と、を備え、
    前記転写媒体は、前記吐出口に対向し相対移動可能に設けられ、第2電極を構成し、
    前記吐出口に移動した前記第1電極と、前記吐出口に移動した前記第1電極と前記第2電極との間に位置する前記第3電極とで形成する電界により、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子を電界加速して前記吐出口から吐出し、前記第3電極と前記第2電極とで形成する電界により、吐出された前記樹脂粒子を前記第2電極に到達させることにより前記転写媒体の表面に前記粒子パターンを形成することを特徴とする請求項10に記載の積層造形装置。
  12. 前記造形部は、前記吐出口に対向した位置から移動した前記転写媒体に対向し相対移動可能に設けられたステージと、前記溶融パターンを前記転写媒体から前記ステージに転写して積層する積層機構と、を備えることを特徴とする請求項11に記載の積層造形装置。
  13. 前記第3電極に印加される電圧により、前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子が選択的に吐出され前記第2電極に到達することを特徴とする請求項11または請求項12に記載の積層造形装置。
  14. 所定の厚さに形成された前記帯電樹脂粒子層に含まれる前記樹脂粒子が選択的に吐出され前記第2電極に到達することにより、前記転写媒体の表面に形成される前記溶融パターンの層厚が所定の厚みに制御されることを特徴とする請求項13に記載の積層造形装置。
  15. 前記帯電機構は、摩擦帯電により前記樹脂粒子を帯電させることを特徴とする請求項11ないし請求項14のいずれか一項に記載の積層造形装置。
  16. 前記吐出ヘッドが複数備えられ、前記複数の吐出ヘッドから吐出された前記樹脂粒子により前記転写媒体の表面に形成される前記溶融パターンの層厚が所定の厚みに制御されることを特徴とする請求項10ないし請求項15のいずれか一項に記載の積層造形装置。
  17. 前記樹脂粒子は、色材を有していることを特徴とする請求項10ないし請求項16のいずれか一項に記載の積層造形装置。
  18. 前記色材としてシアン、マゼンタ、イエロー、白を個別に有する前記樹脂粒子および透明な前記樹脂粒子を含む複数の色種類の前記樹脂粒子が用いられ、
    前記吐出ヘッドは、それぞれの色種類の前記樹脂粒子において独立して備えられていることを特徴とする請求項17に記載の積層造形装置。
  19. 前記樹脂粒子には、白色または透明な疎水性粒子が外添されていることを特徴とする請求項10ないし請求項18のいずれか一項に記載の積層造形装置。
  20. 前記吐出ヘッドは、前記転写媒体が相対移動する方向と交差する方向に相対移動可能に設けられていることを特徴とする請求項10ないし請求項19のいずれか一項に記載の積層造形装置。
  21. 前記第1電極は、円柱側面形状に形成され、前記搬送機構は、前記第1電極を軸回りに回転移動させることにより、前記帯電樹脂粒子層を前記吐出口に搬送することを特徴とする請求項11ないし請求項20のいずれか一項に記載の積層造形装置。
  22. 前記転写媒体は、円柱側面形状に構成され、
    前記積層機構は、
    前記転写媒体を軸回りに回転移動する第1移動機構と、
    前記ステージを前記転写媒体の回転移動の接線方向および前記接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構と、を備え、
    前記転写媒体の回転移動と、前記ステージの移動とが同期して、
    前記転写媒体を軸回りに回転移動させながら、前記溶融パターンを前記ステージあるいは前記ステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている前記溶融パターンの表層部分に押圧することで転写して積層することを特徴とする請求項11ないし請求項21のいずれか一項に記載の積層造形装置。
  23. 前記転写媒体は、環状ベルトの形状に構成され、
    前記積層機構は、
    前記転写媒体をベルト駆動する第1移動機構と、
    前記転写媒体の環状ベルトの内側から押圧するローラーと、
    前記ステージを、前記ローラーと前記転写媒体の環状ベルトとの接線方向および前記接線方向に交差する方向に移動する第2移動機構と、を備え、
    前記転写媒体のベルト駆動と、前記ステージの移動とが同期して、
    前記転写媒体をベルト駆動させながら、前記ローラーにより前記溶融パターンを前記ステージあるいは前記ステージに先に転写積層され冷却固化した、または冷却固化し始めている前記溶融パターンの表層部分に押圧することで転写して積層することを特徴とする請求項11ないし請求項21のいずれか一項に記載の積層造形装置。
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