JP2002330950A - 異常陰影候補検出装置 - Google Patents
異常陰影候補検出装置Info
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Abstract
ベルの異常陰影候補を簡単な操作で検出することを可能
にする。 【解決手段】 異常陰影候補検出装置10が、所望の検出
レベルを選択することが可能な検出レベル選択手段12
と、検出レベル選択手段12により選択された検出レベル
の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段13を備
える。異常陰影候補検出手段13は、異常陰影の候補領域
を検出する候補領域検出手段13aと、候補領域のうち悪
性のもののみをさらに検出する悪性陰影検出手段13b
と、候補領域のうち良悪性のものをさらに検出する良悪
性陰影検出手段13cとにより構成される。
Description
置に関し、特に詳しくは、被写体の放射線画像から悪
性、良悪性、良性等の検出レベル別に異常陰影候補を検
出する異常陰影候補検出装置に関するものである。
の放射線画像を読影して病変部を発見し、またその病変
部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行
うことが一般的に行なわれている。しかしながら、放射
線画像の読影は読影者の経験や画像読影能力の高低によ
って左右され、必ずしも客観的なものとはいえなかっ
た。
たマンモグラフィ(乳房を被写体とした診断用放射線画
像)においては、その画像から癌化部分の特徴の一つで
ある腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影を検出する
ことが必要であるが、読影者によっては必ずしも的確に
その異常陰影の範囲を指定することができるとは限らな
い。このため、読影者の技量に依存することなく、腫瘤
陰影や微小石灰化陰影を始めとする異常陰影を的確に検
出することが求められていた。
として取得された被写体の画像データに基づき、その画
像データが表す画像中の異常陰影の候補を計算機を用い
て自動的に検出する異常陰影候補検出処理システム(計
算機支援画像診断装置)が提案されている(特開平8-29
4479号公報、特開平8-287230号公報等)。この異常陰影
候補検出処理システムは、異常陰影の濃度分布の特徴や
形態的な特徴に基づいて、異常陰影候補を計算機を用い
て自動的に検出するものであり、主として腫瘤陰影を検
出するのに適したアイリスフィルタ処理や、主として微
小石灰化陰影を検出するのに適したモフォロジーフィル
タ処理等を利用して異常陰影の候補領域を検出する。
勾配の集中度の最大値を表すアイリスフィルタ出力値と
所定の閾値とを比較することにより、画像中における乳
癌の特徴的形態の一つである腫瘤陰影の候補領域を検出
するのに有効な手法であり、一方、モフォロジーフィル
タ処理は、画像信号に対して、検出しようとする微小石
灰化陰影よりも大きいサイズの構造要素を用いたモフォ
ロジー演算処理の出力値と所定の閾値とを比較すること
により、画像中における乳癌の特徴的形態の一つである
微小石灰化陰影の候補領域を検出するのに有効な手法で
ある。
ーフィルタ処理により得られた異常陰影の候補領域のう
ち、悪性の異常陰影である蓋然性が高い異常陰影をさら
に検出するために、検出された候補領域の形状、内部、
辺縁の特徴を表す特徴量を用いてその候補領域の悪性度
を評価し、より確定的な異常陰影候補を最終的に検出す
る方法が提案されている(特開平9-167238号公報等)。
平9-167238号公報に記載された技術は、悪性の異常陰影
(以下、悪性陰影という)である蓋然性が高い異常陰影
をより確定的な異常陰影候補として最終的に検出するも
のであるが、検査の目的によっては良性の異常陰影(以
下、良性陰影という)をともに検出することが望ましい
場合がある。すなわち、良性陰影はすぐに癌を意味する
ものではないが今後癌(悪性)に発展する可能性がある
ため、例えば、1次検査である検診においては、良性と
悪性両方の異常陰影(以下、良悪性陰影という)を検出
し、記録しておくことが望ましい。一方、2次検査であ
る精密検査では、悪性の程度や手術の必要性などに関す
る詳細な診断が行なわれるため、悪性陰影のみを検出し
て読影するのが一般的である。
に、検出すべき異常陰影候補のレベル、すなわち異常陰
影候補の検出レベル(悪性、良悪性、良性等)を設定可
能とし、さらに、簡単に設定できるようにすることが望
ましい。
を検出する際に、所望の検出レベルの異常陰影候補を簡
単な操作で検出することを可能にした異常陰影候補検出
装置を提供することを目的とするものである。
補検出装置は、被写体の放射線画像を表す放射線画像デ
ータに基づいて、放射線画像中の異常陰影候補を検出す
る異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装置
において、異常陰影候補の検出レベルを選択する検出レ
ベル選択手段をさらに備え、異常陰影候補検出手段が、
検出レベル選択手段により選択された検出レベルの異常
陰影候補を検出するものであることを特徴とするもので
ある。
リスフィルタ処理によって検出された腫瘤陰影の候補領
域や、モフォロジーフィルタ処理によって検出された微
小石灰化陰影の候補領域等を意味するものである。ま
た、検出された各候補領域の悪性度等を所定の評価基準
に基づいて評価した後にさらに検出(選出)された候補
領域を意味するものとしてもよく、すなわち、被写体の
放射線画像を表す放射線画像データに基づいて、異常陰
影の候補として検出されたものであればいかなるもので
もよい。
悪性、良性等、異常陰影候補の性状を意味するものであ
り、異常陰影候補の形状や分布等の特性によって分類可
能なものである。例えば、腫瘤陰影候補の場合は、周辺
にスピキュラが存在しているときには悪性である可能性
が高く、辺縁が平滑で丸いときには良性である可能性が
高いなどの特徴があり、一方、微小石灰化陰影の場合に
は、石灰化候補点の分布形態等が性状によって異なると
いう特徴があるため、これらの特徴に基づいて各レベル
を分類することができる。また、異常陰影候補の内部ま
たは辺縁の特徴を表す特徴量を用いて、悪性または良性
を判定することも可能である。この特徴量としては、ア
イリスフィルタ処理によって検出された腫瘤陰影候補の
円形度、内部の濃度ヒストグラムに基づいて算出される
分散値、コントラスト、角モーメント等、また、検出さ
れた腫瘤陰影候補の辺縁の特徴を表す分散値、偏り、相
関値、モーメント、エントロピーなどを用いることがで
きる。また、下記式(1)で定義されるマハラノビス距
離(Dmi)に基づくゆう度比により、悪性、良悪性、
良性等を分類することもできる。
であり、すなわち、検出対象の異常陰影候補の検出レベ
ルが良悪性であるとは、良性の異常陰影候補と悪性の異
常陰影候補を検出対象とすることを意味する。
されている複数種類の検出レベルの中から所望の検出レ
ベルを選択することにより、検出対象の異常陰影候補を
切り替えることが可能な切替手段である。
ける異常陰影候補検出手段を、検出レベル選択手段によ
り選択された検出レベルが悪性であるときに悪性の異常
陰影候補のみを検出し、検出レベル選択手段により選択
された検出レベルが良悪性であるときに良性の異常陰影
候補および悪性の異常陰影候補を検出するものとしても
よい。すなわち、選択可能な検出レベルを悪性および良
悪性としてもよい。
検出目的を表わす検出目的情報を入力する入力手段をさ
らに備えたものとし、検出レベル設定手段を、入力手段
により入力された検出目的情報に基づいて検出レベルを
自動的に選択する検出レベル自動選択機能を備えたもの
としてもよい。
レベル設定手段がその情報に基づいて自動的に検出レベ
ルを設定し得るような情報を意味するものであり、例え
ば、読影する担当医師を表わす読影者情報、出力する端
末を表わす端末情報、検診や精密検査等の検査の目的を
表わす検査目的情報等を利用することができる。なお、
担当医師および出力端末は、検査の目的ごとに定められ
ているものとすることができるため、検査の目的を表わ
す情報の1つとして利用可能なものである。
するものであればいかなるものでもよく、ユーザが検出
目的情報を手動で入力するものでもよいし、他の装置等
から検出目的情報を自動的に入力するものでもよい。
影候補検出装置によれば、予め設定されている複数種類
の検出レベルの中から所望の検出レベルを選択すること
により検出対象の異常陰影候補を切り替えることが可能
な検出レベル選択手段を備えたから、所望の検出レベル
の異常陰影候補を簡単な操作で検出することができる。
力する入力手段をさらに備え、入力された検出目的情報
に基づいて検出レベルを自動的に選択する検出レベル自
動選択機能を検出レベル選択手段がさらに備えた場合に
は、検出目的にあった検出レベルの異常陰影候補を、さ
らに効率的に検出することが可能になる。
装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本
発明における異常陰影候補検出装置を含む異常陰影検出
処理システムの一実施形態を示す図である。
異常陰影候補の検出レベルを選択する検出レベル選択手
段12と、検出レベル選択手段12により選択された検出レ
ベルを示す検出レベル情報D1を入力し、さらに、画像
読取装置等において生成された被写体の画像データPを
入力して、選択された検出レベルの異常陰影候補を画像
中から検出する異常陰影候補検出手段13とが備えられ
る。
に基づいて画像中の異常陰影の候補領域(以下、簡単の
ため単に候補領域という)を検出する候補領域検出手段
13aと、候補領域検出手段13aにおいて検出された候補
領域のうち、悪性のもののみをさらに検出する悪性陰影
検出手段13bと、良悪性(良性および悪性)のものをさ
らに検出する良悪性陰影検出手段13cとにより構成され
る。
陰影検出手段13bまたは良悪性陰影検出手段13cによる
検出結果を出力する検出結果出力手段20が接続されてい
る。検出結果出力手段20は、検出結果を被写体の画像デ
ータPに基づく全体画像とともに表示するCRT等の画
像表示装置である。
の異常陰影候補検出装置の作用について説明する。
所望の検出レベルを選択すると、選択された検出レベル
を示す検出レベル情報D1が候補領域検出手段13aに入
力される。なお、本実施形態においては、検出レベル選
択手段12において選択可能な検出レベルは悪性検出レベ
ルまたは良悪性検出レベルの2種類であるとする。
1が入力されると、候補領域検出手段13aは画像読取装
置等から検出処理対象の画像データPを入力し、画像デ
ータPに基づいて画像中の腫瘤陰影の候補領域を検出す
る。この腫瘤陰影の候補領域の検出にはアイリスフィル
タ処理を利用する。
配を勾配ベクトルとして算出し、その勾配ベクトルの集
中度を出力するアイリスフィルタを用いて、画像中の腫
瘤陰影の候補領域を検出するものである。すなわち、X
線フィルム上における放射線画像(高濃度高信号レベル
の画像信号で表される画像)において、腫瘤陰影部分は
周囲の画像部分に比べて濃度値(画像信号値)が僅かに
低く、腫瘤陰影の内部においては、略円形の周縁部から
中心部に向かうにしたがって濃度値が低くなるという局
所的な濃度値の勾配が認められることが知られているた
め、アイリスフィルタを用いることにより、画像中の腫
瘤陰影の候補領域を検出することができる。
明する。原画像データPにおける腫瘤陰影P1 内部の任
意の画素における勾配ベクトルは図2(2)に示すよう
に腫瘤陰影P1 の中心付近を向くが、血管陰影や乳腺な
ど細長い陰影P2 は図2(3)に示すように勾配ベクト
ルが特定の点に集中することはない。このため、局所的
に勾配ベクトルの向きの分布を評価し、特定の点に集中
している領域を抽出すれば、それが腫瘤陰影P1 の候補
領域となる。なお、図2(4)に示すような乳腺等の細
長い陰影同士が交差した陰影P3 は、勾配ベクトルが特
定の点に集中する傾向があるため擬似的に候補領域とし
て検出され得る。以下にアイリスフィルタ処理の具体的
なアルゴリズムを示す。
素について、各画素jごとに下記式(2)に示す計算式
に基づいた画像データの勾配ベクトルの向きθを求め
る。
中心とした例えば縦5画素×横5画素の大きさのマスク
の外周上の画素に対応した画素値(画像データ)であ
る。
素について、各画素ごとにその画素を注目画素とする勾
配ベクトルの集中度Cを次式(3)にしたがって算出す
る。
素の数、θjは注目画素とその円内の各画素jとを結ぶ
直線と、その各画素jにおける上記式(2)で算出され
た勾配ベクトルとがなす角である(図4参照)。したが
って上記式(3)で表される集中度Cが大きな値となる
のは、各画素jの勾配ベクトルの向きが注目画素に集中
する場合である。
ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、
略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大
きな値をとる注目画素は腫瘤陰影の中心部の画素という
ことができる。一方、血管陰影など細長い陰影は勾配ベ
クトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの値は小さ
い。したがって、画像を構成する全ての画素について、
それぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算出し、
その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回るか否か
を評価することによって腫瘤陰影を検出することができ
る。すなわち、このフィルタは通常の差分フィルタに比
べて血管や乳腺等の影響を受けにくく、腫瘤陰影を効率
よく検出できるという特長を有している。
さや形状に左右されない検出力を達成するために、フィ
ルタの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がなさ
れる。図5にそのフィルタを示す。このフィルタは、図
4に示すものと異なり、注目画素を中心として2π/M
度の角度間隔で隣接するM種類の方向(図5において
は、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の線上の画
素のみで上記集中度の評価を行うものである。
素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目画素
の座標を(k,l)とすれば,下記式(4)、(5)で
与えられる。
ある。
最大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向に
ついての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxを全ての
方向で平均し、この平均値を注目画素についての勾配ベ
クトル群の集中度Cとする。
おいて注目画素からn番目の画素までで得られる集中度
Ci(n)を下記式(6)により求める。
n からRmax までの範囲内で変化させて、集中度Ci
(n)を算出するものである。
する腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
(7)および(8)により計算する。
の方向線ごとの集中度Ci (n)の最大値であるから、
注目画素からその集中度Ci (n)が最大値となる画素
までの領域が、その線の方向における腫瘤陰影の領域と
なる。
計算をしてその各線上における腫瘤陰影の領域の辺縁点
を求め、この各線上における腫瘤陰影の領域の隣接する
辺縁点を、直線または非線形曲線で結ぶことにより、腫
瘤陰影の候補となり得る候補領域の輪郭を特定すること
ができる。
(7)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の方
向線の全方向(式(8)では32方向の場合を例示)につ
いて平均した値を求める。この求められた値がアイリス
フィルタ出力値Iであり、この出力値Iを、腫瘤陰影で
あるか否かを判断するのに適した予め設定した一定の閾
値Tと比較し、I≧T(若しくはI>T)であればこの
注目画素を中心とする領域が候補領域であり、I<T
(若しくはI≦T)であれば候補領域ではないと判定
し、候補領域を検出する。
式(6)の代わりに下記式(6´)を用いてもよい。
半径の最小値Rmin に対応した画素を起点とし、終点を
Rmin からRmax までとした範囲内で集中度Ci (n)
を算出するものである。
れると、検出された全ての候補領域の位置情報D2と画
像データPが、悪性陰影検出手段13bまたは良悪性陰影
検出手段13cに入力される。ここで、検出レベル選択手
段12において選択された検出レベルが悪性検出であると
きには悪性陰影検出手段13bが選択され、検出レベル選
択手段12において選択された検出レベルが良悪性検出で
あるときには良悪性陰影検出手段13cが選択されて上記
位置情報D2および画像データPが入力される。
び画像データPが入力されたときには、悪性陰影検出手
段13bが、検出された全ての候補領域の中から悪性のも
ののみをさらに検出する。以下にその具体的な検出方法
を説明する。
た位置情報D2と画像データPに基づいて、各候補領域
の特徴量を算出する。候補領域の第1の特徴量として、
腫瘤陰影の輪郭が円に近い形状であることから、円形度
Sp(Spreadness)を利用する。図6に示すように、検
出された候補領域である腫瘤陰影P1 や擬似異常陰影P
3 について、陰影の面積Aおよびその重心AOを求め、
重心AOを中心とし面積Aと同等の面積を有する半径R
の仮想円を想定し、この仮想円の内側に含まれる候補領
域の、面積Aに対する占有率として円形度を算出する。
すなわち、仮想円と候補領域とが重なる部分の面積をA
´とすると、円形度は下記式(9)で算出される。
量を用いる。すなわち、候補領域の濃度値Sのヒストグ
ラムを作成し、濃度値Sの頻度をP(S)とし、この濃
度値Sおよび頻度P(S)に基づき、下記式より、分散
var を表す第2の特徴量(10)、コントラストcon を表
す第3の特徴量(11)、角モーメントasm を表す第4の
特徴量(12)を算出する。
Edge)画像を用いて算出する。以下に、その具体的手法
を説明する。図7は候補領域を含む正方形の領域におい
てIFED画像を形成する際の作用を示す図であり、図
8はIFED画像を示す概念図である。
れた候補領域、すなわち放射線画像中の乳癌を表す腫瘤
陰影P1 や擬似異常陰影P3 について、その近傍をも含
む画像部分を例えば正方形の領域として抽出し、この抽
出した正方形領域についてアイリスフィルタ処理を利用
した辺縁エッジ画像(IFED画像)を作成する。
(7)において、注目画素から放射状に伸びるi番目の
線上において集中度Ci(n)の最大値を与える点の位
置を求める。ただし式(6)、(7)においては最大値
を与えるnの値をRmin 以上Rmax 以下としているが、
この処理ではこの制限を設けない。
の内部にある場合には、図7に示すように、式(7)が
最大値を採る時のnは、そのi番目の線が候補領域P1
やP 3 の辺縁Bと交差する画素を指示する。例えば、図
7の注目画素1については画素B1,B2,B3,B4
を指示し、注目画素2については画素B2,B5,B
6,B7を指示する。
部にある場合には、式(7)が最大値を採るのは、その
注目画素自身を指示するときである。すなわち、候補領
域P 1 ,P3 の外部にある注目画素3については、注目
画素3自身を指示する場合に式(7)の値が最大とな
る。
全画素について順次注目画素とし、式(7)が最大値を
採る画素をカウントしていく。これを図示すると図8に
示す模式図のようになる。
素についてのカウント値は全て「1」となり、候補領域
P1 やP3 の内部の画素についてのカウント値はすべて
「0」となり、候補領域P1 やP3 の辺縁B上の画素に
ついてのカウント値は全て1以上の値となる画像が得ら
れる。このカウント値の画像をIFED画像と定義す
る。
理を施して、同時生成行列を作成する。
1 ,P3 の重心点AOを求め、この重心点AOから放射
状の線を延ばし、この線上の任意の点をiとし、この線
に垂直であってi点から2画素分だけ離間した点をjと
する。
値とj点のカウント値とを図10に示すようなマトリク
スにカウントアップする。具体的には、i点が候補領域
P1,P3 の外部にある場合は、i点のIFED画像に
おけるカウント値は「1」であり、そのときj点も候補
領域P1 ,P3 の外部にあればj点のカウント値も
「1」となり、この場合図10のマトリクスには、縦方
向iの「1」と横方向jの「1」とが交差する欄に
「1」がカウントされる。
あり、かつj点も候補領域P1 ,P 3 の内部にある場合
は、i点、j点ともにカウント値は0であるので、縦方
向iの「0」と横方向jの「0」とが交差する欄に
「1」をカウントする。
Bにあり、j点も候補領域P1 ,P 3 の辺縁Bにある場
合は、例えばi点のカウント値が「5」で、j点のカウ
ント値が「3」である場合は、縦方向iの「5」と横方
向jの「3」とが交差する欄に「1」をカウントする。
このマトリクスにカウントアップするカウント値は累積
するものである。すなわち再度、カウント値が「5」の
i点、カウント値が「3」のj点を走査した場合には、
マトリクスの縦方向iの「5」と横方向jの「3」とが
交差する欄には元の「1」に「1」を加算した「2」が
格納される。
ら、IFED画像の全ての画素がi点となるように放射
状の線を走査し、i点をその線上で走査することによっ
てマトリクスを完成させる。このIFED画像のマトリ
クスを同時生成行列Pg(x,y)という。
合は、腫瘤陰影P1 の辺縁が略円形であるという腫瘤陰
影の形状的特性、およびi点とj点とは極めて近接して
いるという事実から、i点が辺縁にある(IFED画像
のカウント値が1以上の大きな値を有する)場合は、j
点も辺縁にある(IFED画像のカウント値が1以上の
大きな値を有する)可能性が極めて高い。
場合は、前述の2本の血管同士の交差部分のように擬似
異常陰影P3 が円形の辺縁を有するのは極めて希である
ため、i点とj点とが近接していても、i点が辺縁にあ
るからといってj点も辺縁にあるとは限らず、むしろj
点は辺縁にある可能性は極めて低いことになる。
の特性値も、候補領域が腫瘤陰影P 1 であるか擬似異常
陰影P3 であるかに応じて明らかに有為差が認められ
る。この同時生成行列の特性値がエッジ情報であり、こ
のエッジ情報を特徴量として用いる。すなわち、下記式
より、同時生成行列についての分散var を表す第5の特
徴量(13)、偏りdfe (difference entropy)を表す第
6の特徴量(14)、相関値cor (correlation )を表す
第7の特徴量(15)、モーメントidm (inversediffere
nce moment )を表す第8の特徴量(16)、エントロピ
ーse(sum entropy )を表す第9の特徴量(17)をそれ
ぞれ求める。
量に基づくマハラノビス距離を利用して、悪性度を表わ
すゆう度比1と良性度を表わすゆう度比2を算出して判
定を行なう。
m1、悪性分布からのマハラノビス距離をDm2、良性
分布からのマハラノビス距離をDm3とすると、悪性度
を表わすゆう度比1は(Dm1/Dm2)で表わされ、
良性度を表わすゆう度比2は(Dm1/Dm3)で表わ
される。ここで、マハラノビス距離とは、下記式(1)
により算出されるものである。
(x1,x2,x3,…,x9)という9次元空間を表
現する。この9次元のパターン空間上で表現された候補
領域のパターンと、正常組織分布のパターンとのマハラ
ノビス距離がDm1であり、同様に悪性分布のパターン
とのマハラノビス距離がDm2、良性分布のパターンと
のマハラノビス距離がDm3である。
のパターン、良性分布のパターンとは、予め多数の異常
陰影候補について実験的に調査した結果に基づいて設定
された、正常組織分布ごと、悪性分布ごとおよび良性分
布ごとのベクトルxで定義されるパターン空間を意味す
る。例えば、それぞれ、正常組織分布とされるものにつ
いての上記ベクトルxの平均で形成されるパターンクラ
スw1、悪性分布とされるものについての上記ベクトル
xの平均で形成されるパターンクラスw2、良性分布と
されるものについての上記ベクトルxの平均で形成され
るパターンクラスw3で示される。
には、悪性分布のパターンクラスとのマハラノビス距離
が近く(Dm2が低い値を示し)、正常組織分布のパタ
ーンクラスとのマハラノビス距離がばらつくという傾向
があり、候補領域が良性である場合には、良性分布のパ
ターンクラスとのマハラノビス距離が近く(Dm3が低
い値を示し)、正常組織分布のパターンクラスとのマハ
ラノビス距離がばらつくという傾向がある。このことか
ら、悪性と正常組織とを有為に判別し得るゆう度比1
と、良性と正常組織とを有為に判別し得るゆう度比2を
各候補領域について算出する。
れ、図11の座標平面上における傾きを示す。すなわ
ち、ゆう度比1が大きいほど悪性である可能性が高く、
小さいほど正常組織である可能性が高いと判定できる。
また、ゆう度比2とはDm1/Dm3で表現され、図1
2に示すようにゆう度比2が大きいほど良性である可能
性が高く、小さいほど正常組織である可能性が高いと判
定できる。このため、悪性陰影検出手段13bは、ゆう度
比1(Dm1/Dm2)に基づいて、Dm1/Dm2>
Th1(所定閾値1)となる候補領域のみを悪性陰影候
補として最終的に検出する。
D2および画像データPが入力されたときには、良悪性
陰影検出手段13cが、上記悪性陰影検出手段13bと同様
の方法により、検出された全ての候補領域の中から良性
のものと悪性のものをさらに検出する。すなわち、良悪
性陰影検出手段13cは、入力された位置情報D2と画像
データPに基づいて各候補領域の特徴量を算出し、算出
された特徴量に基づくマハラノビス距離を利用して、悪
性度を表わすゆう度比1(Dm1/Dm2)と良性度を
表わすゆう度比2(Dm1/Dm3)を算出する。さら
に、ゆう度比1およびゆう度比2に基づいて、Dm1/
Dm2>Th2(所定閾値2)またはDm1/Dm3>
Th2′(所定閾値2′)となる候補領域を良悪性陰影
候補として最終的に検出する。つまり、ゆう度比1に基
づいて悪性陰影候補となる候補領域をさらに検出し、ゆ
う度比2に基づいて良性陰影候補となる候補領域をさら
に検出し、ここで検出された悪性および良性の全ての候
補領域を良悪性陰影候補として最終的に検出する。
13bまたは良悪性陰影検出手段13cから、最終的に検出
された悪性陰影候補または良悪性陰影候補の位置を示す
位置情報D3を画像データPとともに入力し、画像デー
タPに基づく全体画像とともに、位置情報D3に基づい
て、最終的に検出された悪性陰影候補または良悪性陰影
候補の位置を示す矢印(或いは矩形枠など)をCRTの
画面上に表示する。なお、この際、上記ゆう度比1およ
びゆう度比2の値を画面上に同時に表示することもでき
る。
ル選択手段12において選択可能な検出レベルを悪性検出
または良悪性検出の2種類としたが、この他に良性検出
を選択可能としてもよい。この場合、異常陰影候補検出
手段13には良性陰影検出手段がさらに設けられ、良性陰
影検出手段においては、良性度を表わすゆう度比2(D
m1/Dm3)に基づいて、Dm1/Dm3>Th3
(所定閾値3)となる候補領域のみを良性陰影候補とし
て最終的に検出する。
別判定を行なうようにしてもよい。すなわち、良悪性陰
影検出手段13cにより検出された良悪性陰影が良性であ
るかまたは悪性であるかを鑑別し、鑑別結果を表示する
ようにしてもよい。この場合、良悪性度を表わすゆう度
比3(Dm3/Dm2)が、図13に示すように大きく
なるほど悪性である可能性が高く、小さくなるほど良性
である可能性が高い値であるため、ゆう度比3に基づい
て、Dm3/Dm2≧Th4(所定閾値4)となる候補
領域を悪性、Dm3/Dm2<Th4となる候補領域を
良性と判定する。
置等から検出目的を表わす検出目的情報を入力する入力
手段をさらに備え、検出レベル選択手段12が、入力手段
により入力された検出目的情報に基づいて自動的に検出
レベルを選択するようにしてもよい。検出目的情報と
は、読影者情報(読影する医師のID番号等)、端末情
報(検出結果を出力する出力装置の端末番号等)、検査
目的情報(検診または精密検査等の検査の目的を表わす
情報)等、検出レベルを予め定めることができるような
情報を意味するものである。例えば、検出目的情報が検
査目的情報である場合には、予め、検査目的が検診(1
次検査)である場合には検出レベルを良悪性検出とし、
検査目的が精密検査(2次検査)である場合には検出レ
ベルを悪性検出とすると設定し、検出レベル選択手段12
は、入力された検査目的情報に基づいて検出レベルを自
動的に選択する。また、検出目的情報が読影者情報であ
る場合には、予め、検診の担当者である読影者Aの検出
レベルを良悪性検出とし、精密検査の担当者である読影
者Bの検出レベルを悪性検出とすると設定し、検出レベ
ル選択手段12は、入力された読影者情報に基づいて検出
レベルを自動的に選択する。端末情報についても同様
に、予め各端末を検診用端末と精密検査用端末とに分類
して各端末ごとに検出レベルを定め、検出レベル選択手
段12が各端末に出力する際の検出レベルを自動的に選択
するようにすることができる。
は、検出結果出力手段20から端末番号や読影者情報を入
力するもの、画像データPの付帯情報として記録されて
いる検出目的情報(検査目的情報など)をサーバ等の記
憶手段から入力するもの、ユーザが手動で自由に検出目
的を選択して入力することが可能なマウスやキーボー
ド、ボタンなどから入力するもの等、種々の形態のもの
を意味する。
置においてはアイリスフィルタにより腫瘤陰影候補を検
出する処理について説明したが、これに限らず、モフォ
ロジーフィルタにより微小石灰化陰影候補を検出する処
理等、異常陰影を検出する種々の方法に適用することも
できる。
いたが、上記9つの特徴量の組合せに限られるものでは
なく、種々の特徴量を組み合わせて利用することができ
る。
i点が存在する放射状の線に対して垂直で、かつi点か
ら2画素分だけ離間した点と定義したが(図9参照)、
放射状の線との交差角度、i点からの離間画素等につい
ては検出対象である腫瘤陰影の大きさ等に応じて適宜変
更できるものである。
れるものではなく、胸部CAD 等、様々な被写体に対して
利用することができる。
置を含む異常陰影候補検出システムの構成を示す構成図
大きさのマスクを表す図
なす角を説明する図
アイリスフィルタを示す概念図
を示す図
る作用を示す図
8)
n からRmax までの範囲内で変化させて、集中度Ci
(n)を算出するものである。
半径の最小値Rmin に対応した画素を起点とし、終点を
Rmin からRmax までとした範囲内で集中度Ci (n)
を算出するものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 被写体の放射線画像を表す放射線画像デ
ータに基づいて、該放射線画像中の異常陰影候補を検出
する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候補検出装
置において、 前記異常陰影候補の検出レベルを選択する検出レベル選
択手段をさらに備え、 前記異常陰影候補検出手段が、前記検出レベル選択手段
により選択された検出レベルの前記異常陰影候補を検出
するものであることを特徴とする異常陰影候補検出装
置。 - 【請求項2】 前記異常陰影候補検出手段が、前記検出
レベル選択手段により選択された検出レベルが悪性であ
るときに悪性の前記異常陰影候補のみを検出し、前記検
出レベル選択手段により選択された検出レベルが良悪性
であるときに良性の前記異常陰影候補および悪性の前記
異常陰影候補を検出するものであることを特徴とする請
求項1記載の異常陰影候補検出装置。 - 【請求項3】 検出目的を表わす検出目的情報を入力す
る入力手段をさらに備え、前記検出レベル選択手段が、
前記入力手段により入力された前記検出目的情報に基づ
いて前記検出レベルを自動的に選択する検出レベル自動
選択機能を備えたものであることを特徴とする請求項1
または2記載の異常陰影候補検出装置。 - 【請求項4】 前記検出目的情報が、読影者情報、端末
情報および検査目的情報のいずれかであることを特徴と
する請求項3記載の異常陰影候補検出装置。
Priority Applications (3)
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- 2002-05-07 US US10/139,224 patent/US20030031354A1/en not_active Abandoned
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