JP2002074327A - 異常陰影候補検出システム - Google Patents
異常陰影候補検出システムInfo
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Abstract
影候補部分の良悪性を区別可能な出力形態とする。 【解決手段】 異常陰影候補検出手段10により検出さ
れた異常陰影候補について、該異常陰影候補が、悪性お
よび良性のうちのいずれに属するかを所定の特徴量を用
いて判定する良悪性判定手段50を備えた構成とする。
異常陰影候補情報出力手段としての画像出力手段30
は、良悪性判定手段50による判定の結果に基づいて、
異常陰影候補情報を、該情報が示す異常陰影候補が悪性
および良性のいずれに属するのかを区別可能に出力す
る。また、画像出力手段30は、異常陰影候補の悪性の
度合いを示す指標値および/または良性の度合いを示す
指標値を出力する。
Description
システムに関し、特に詳細には、被写体画像を表す画像
データに基づいて腫瘤陰影などの異常陰影候補を検出
し、その結果を診断に資するシステムに関するものであ
る。
れた被写体の放射線画像を読み取って画像データを得、
この画像データに適切な画像処理を施した後、画像を表
示装置などにより再生することが医療分野などの種々の
分野で行われている。特に近年では、コンピューターと
の組合わせによるデジタル画像処理技術が開発され、該
デジタル画像処理技術を利用したCT(Computed Tomog
raphy )装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)
装置、CR(Computed Radiography)装置など各種の画
像入力デバイス(画像形成モダリティ)が、診断用画像
などを形成する装置として普及している。
像データを定量的に解析することができるという点で、
従来のアナログ方式とは根本的に異なる特長がある。例
えば人体の医療診断用として、このデジタル画像処理技
術の特長をより積極的に活用することを目的とした、計
算機(コンピューター)支援画像診断またはCADM
(Computer Aided Diagnosis of Medical Image )と称
される異常陰影検出処理の技術が提案されている(「D
R画像における腫瘤影検出(アイリスフィルタ)」電子
情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.3 P663〜67
0 1992年3月、「多重構造要素を用いたモルフォロジー
フィルタによる微小石灰化像の抽出」同誌D-II Vol.J75
-D-II No.7 P1170 〜1176 1992年7月など参照)。
す画像データに基づいて、癌などを表す異常な腫瘤陰影
や高濃度の微小石灰化陰影など(以下これらを総称して
異常陰影という)を電子計算機を用いて検出し、その検
出した部位にマーキングを表示して放射線画像を観察読
影する読影者(例えば放射線科医)に注意を喚起するこ
とにより、あるいは読影者の客観的判断に役立つ材料と
して検出した異常陰影候補が呈する主に形態的な特徴を
定量的に表す特徴量や判定にかかる指標値あるいは異常
陰影候補として検出した際の検出の確信度(余裕度)を
前記電子計算機を用いて求め該特徴量や確信度などを出
力することにより、診断経験の豊富さ・長短、診断技術
の熟練・未熟練に拘わらず、見落としや主観的判断によ
る思い違いなどを未然に防止するとともに診断性能の向
上を図るものである。
同8-287230号、特願 2000-038298号などにおいて、マン
モグラフィ(診断用乳房画像)や胸部画像などを対象と
して乳癌などの存在を示唆する異常陰影をアイリスフィ
ルタやモフォロジ(モーフォロジあるいはモルフォロジ
と称されることもある)フィルタを用いて自動的に検出
処理し(該処理を異常陰影候補検出処理という)、検出
された異常陰影候補部分に強調処理や拡大処理などを施
した読影に適した高い診断性能を有する画像を異常陰影
候補を示す異常陰影候補情報として全体画像の一部に重
ねて表示したり、検出処理の際の特徴量や検出の確信度
などを付加情報として出力するようにした異常陰影候補
検出システム(計算機支援画像診断装置)を提案してい
る。
候補検出処理とは、画像中の濃度勾配(または輝度勾
配)を勾配ベクトルとして表し、この勾配ベクトルの集
中度合いの高い画像部分を異常陰影の候補として検出す
るものであり、これによれば、乳癌における特徴的形態
である腫瘤陰影(異常陰影の一形態)の候補を前記勾配
ベクトルの集中度を基に自動的に検出することができ
る。一方、モフォロジフィルタを用いた異常陰影候補検
出処理とは、検出しようとする異常陰影の大きさに応じ
た多重構成要素を用いてこの多重構造要素よりも空間的
に狭い範囲で濃度変動する画像部分を異常陰影候補とし
て検出するものであり、これによれば、乳癌における特
徴的形態である微小石灰化陰影(異常陰影の一形態)の
候補を自動的に検出することができる。
38号に記載のように、マハラノビス距離などの新たな評
価関数値を用いて確定的な異常陰影候補を検出するなど
して、異常陰影候補検出処理の精度を向上させることも
提案している。
異常陰影候補検出処理についての何れの提案も、例えば
マンモグラフィにおける癌の重要な所見である腫瘤陰影
部分と微小石灰化陰影部分とを異常陰影候補として検出
し異常陰影候補部分の画像を出力するようにしている
が、該異常陰影候補部分が悪性(例えば癌など)である
のか良性(例えば異常陰影ではあるが癌ではない)もし
くは正常(異常陰影として誤検出された部分)であるの
かを切り分けて出力するようにはなっていない。
ィルタを用いた異常陰影候補検出処理や精度向上のため
の付加的な処理を行なっただけでは、悪性と良性の両者
を含む異常陰影候補部分に強調処理などが施されて画像
出力されることになる。
され、却って診断効率が低下するという虞れがある。
98号あるいは“乳房X線画像における微小石灰化クラス
タの良悪性鑑別”;医用画像工学研究会,JAMIT Fronti
er '99 講演論文集p89〜93に記載のように、アイリスフ
ィルタやモフォロジフィルタを用いた異常陰影候補検出
処理を行なった後に形態的な特徴に基づく追加的な処理
すなわち候補陰影の形状評価を行ない悪性と思われる異
常陰影候補部分のみを確定的な異常陰影候補として検出
するようにすると、悪性の異常陰影候補部分のみが画像
出力され良性の異常陰影候補部分は画像出力されないこ
とになってしまう。この場合、良性部分のいずれかが将
来悪性に転化することがあり良性部分を全く画像出力し
ないというのは必ずしも好ましいことではなく、むしろ
該良性部分は経過観察の必要性があるなどの示唆を出力
するようにした方が好ましい。
補の自動検出処理の結果に基づく出力方法が診断効率上
十分であるとはいえず、診断支援情報としての有効性を
高める上では、異常陰影候補部分が悪性であるのか良性
であるのかを区別可能なように画像出力したり、さらに
は異常陰影候補として誤検出された部分なのかを切り分
けることが望ましい。
あって、異常陰影候補部分の良悪性を区別可能な出力形
態とすることにより診断性能をより向上させることがで
きる異常陰影候補検出システムを提供することを目的と
するものである。
出システムは、例えば異常陰影候補部分の強調画像など
の異常陰影候補を示す異常陰影候補情報を出力するに際
して、あるいは判定に係る特徴量や異常陰影候補として
検出した際の検出の確信度を前記異常陰影候補情報とと
もに出力するに際して、検出された異常陰影候補部分が
悪性であるのか良性であるのかを判定し、この判定結果
に応じて良性の異常陰影候補部分と悪性の異常陰影候補
部分とを切り分けて出力する、つまり異常陰影候補の良
悪性を区別可能に異常陰影候補情報を出力することを特
徴とするものである。
ムは、画像を表す画像情報に基づいて該画像中の異常陰
影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、検出された
異常陰影候補を示す異常陰影候補情報を出力する異常陰
影候補情報出力手段とを備えた異常陰影候補検出システ
ムにおいて、異常陰影候補検出手段により検出された異
常陰影候補について、該異常陰影候補が、悪性および良
性のうちのいずれに属するかを所定の特徴量を用いて判
定する判定手段をさらに備えたものとし、異常陰影候補
情報出力手段を、前記判定の結果に基づいて、異常陰影
候補情報を、該情報が示す異常陰影候補が悪性および良
性のいずれに属するのかを区別可能に出力するものとし
たことを特徴とするものである。
び良性のうちのいずれに属するかを判定し、異常陰影候
補情報を、該情報が示す異常陰影候補が、正常、悪性、
および良性のいずれに属するのかを区別可能に出力する
ものとしてもよい。
を表す画像(拡縮処理や周波数強調処理あるいは鮮鋭度
強調処理などの画像処理を施したものを含む)であって
もよいし、異常陰影候補の位置や形あるいは大きさなど
を数値情報として表したものであってもよい。該異常陰
影候補情報は、好ましくは、全体画像中における異常陰
影候補の位置を特定可能な情報であるのが望ましい。こ
の際、異常陰影候補の良悪性の区別が可能なように、良
性部分および悪性部分についての異常陰影候補の画像な
どの出力順序を予め決めておき、それぞれを別個に出力
するとよい。
ては、例えば、全体画像中で異常陰影候補を指し示す矢
印などのマーカーや、全体画像中で異常陰影候補を囲う
矩形や円形のROI枠などであってもよいし、全体画像
中で異常陰影候補の輪郭に沿った輪郭枠などであっても
よい。この際、異常陰影候補の良悪性の区別が可能なよ
うに、良性部分と悪性分それぞれについてのマーカーや
ROI枠の色や形状などを、異なるものとするとよい。
これにより、良性部分と悪性部分それぞれについての異
常陰影候補の画像などを同時に出力した際にも、異常陰
影候補の良悪性の区別が可能になる。
ては、異常陰影候補情報出力手段を、異常陰影候補の悪
性の度合いを示す指標値および/または良性の度合いを
示す指標値を出力するものとすることが望ましい。
異常陰影候補画像やマーカーやROI枠の近傍に同時に
出力するのが好ましいが、これに限らず、指標値を出力
する専用の出力手段を用いて出力するようにしてもよ
い。後者の場合、画像などを出力する画像表示手段と指
標値を出力する専用の出力手段とにより異常陰影候補情
報出力手段が構成される。
指標値としては、悪性や良性の度合いを直接示す悪性度
評価値や良性度評価値に限らず、それぞれを間接的に示
し得るもの、例えば、腫瘤影の集中度、アイリスフィル
タやモホロジフィルタの出力値、あるいは石灰化の密度
などの画像情報についての特徴量、もしくは異常陰影候
補検出手段による検出処理において異常陰影候補として
検出するか否かの判定に係る指標値、さらには異常陰影
候補の検出処理において異常陰影候補として検出した画
像情報についての検出の確信度(余裕度)などであって
もよい。
候補の検出処理を、画像情報に対して異常陰影候補の検
出処理を施して得られた数値が、異常陰影候補検出のた
めの閾値を上回るか否かによって行なうものとした場合
に、得られた数値がどの程度の余裕(差)を以て閾値を
上回ったかなど閾値処理における信頼度を表す度合いを
示す指標である。
よれば、検出された異常陰影候補が悪性および良性のう
ちのいずれに属するかを所定の特徴量を用いて判定し、
この判定の結果に基づいて、異常陰影候補情報を、該情
報が示す異常陰影候補が悪性および良性のいずれに属す
るのかを区別可能に出力するようにしたので、診断支援
情報としての有効性が高まり、医師の診断能向上に寄与
することができる。
れば、診断支援情報としての有効性が一層高まる。
*は具体的数値)」と出力するなど、異常陰影候補画像
などとともにこの指標値の良悪性を区別して出力するこ
とをもって異常陰影候補の良悪性の区別可能な出力方法
とすることもできる。
システムの実施の形態について、図面を用いて説明す
る。
の一実施形態を示すブロック図である。図示の異常陰影
候補検出システム1には、患者のマンモグラフィPが入
力されて、CRTや液晶などの画像表示手段30に画像
情報などを出力するものであり、入力されたマンモグラ
フィの全体画像情報Pに基づいてこの全体画像情報が表
す全体画像P(画像に対して画像情報と同一符号を付
す。以下同じ)中の異常陰影候補P1を検出処理する異
常陰影候補検出手段10と、この異常陰影候補検出手段
10により検出された異常陰影候補P1および異常陰影
候補P1の近傍領域P2からなる矩形の局所領域を関心
領域として設定する関心領域設定手段20と、この関心
領域設定手段20により設定された異常陰影候補P1を
含む関心領域の画像である関心領域画像W0に対して変
倍処理および/または周波数強調処理を施して処理済関
心領域画像Wを得る画像処理手段40と、処理済関心領
域画像Wを異常陰影候補P1を特定する情報として全体
画像Pとともに表示し、且つ検出された異常陰影候補P
1についての、異常陰影候補として検出するか否かの判
定に係る指標値などをこれらの画像P,Wとともに表示
する画像出力手段30とを備えた構成である。
さらに、異常陰影候補検出手段10により検出された異
常陰影候補について、該異常陰影候補が悪性および良性
のうちのいずれに属するかを所定の特徴量を用いて判定
する良悪性判定手段50を備えている。
補情報出力手段の機能をなすものであり、良悪性判定手
段50による判定の結果に基づいて、異常陰影候補情報
を、該情報が示す異常陰影候補が悪性および良性のいず
れに属するのかを区別可能に出力する。
勾配の集中度の高い画像部分を異常陰影(腫瘤陰影)候
補P1として検出するアイリスフィルタを利用した異常
陰影候補検出処理のアルゴリズムと、多重構造要素より
も空間的に狭い範囲で濃度変動する画像部分を異常陰影
(石灰化陰影)候補P1として検出するモフォロジフィ
ルタを利用した異常陰影候補検出処理のアルゴリズムと
を記憶しているものであり、それぞれのアルゴリズムに
より異常陰影候補の形状・位置・範囲・数を検出する。
なお、各アルゴリズムによって検出できる異常陰影の属
性は異なる。
各異常陰影候補の検出過程において、腫瘤陰影候補か否
かを判定するための勾配ベクトルの集中度、アイリスフ
ィルタの出力値I、石灰化陰影候補の密度などの異常陰
影候補か否かの判定に係る各特徴量、あるいはこれら特
徴量から求められる指標値、並びに各検出における前記
特徴量や指標値の判定のための閾値に対する余裕度(確
信度)をそれぞれ画像出力手段30に出力する。
補や微小石灰化陰影の悪性あるいは良性の度合いを示す
指標値を求め、それぞれを画像出力手段30に出力す
る。
ム1の作用について説明する。
CRなど)からマンモグラフィの全体画像情報Pが、本
実施形態の異常陰影候補検出システム1の異常陰影候補
検出手段10に入力される。異常陰影候補検出手段10
は、入力された全体画像情報Pに対して異常陰影候補検
出処理アルゴリズム(アイリスフィルタを利用した異常
陰影候補検出処理のアルゴリズムおよびモフォロジフィ
ルタを利用した異常陰影候補検出処理のアルゴリズム)
にしたがった異常陰影候補の検出処理を施す。
リスフィルタによる画像部分の検出処理(アイリスフィ
ルタ処理)Aおよび良悪性判定処理Bについて説明す
る。
は、放射線画像をフイルムに表示する場合の高濃度高信
号レベルの画像データ、すなわち濃度値(画像が濃いほ
ど濃度値が大きく、画像が淡いほど濃度値が小さい)を
示すものである。
悪性判定処理Bの具体的な一実施形態の処理ステップを
示すフローチャートである。
常陰影の検出方法は、図示しない画像読取装置などから
入力された被写体(乳房)Pの放射線画像(図3(1)
参照)を表す画像データである濃度値Sに対してアイリ
スフィルタ処理を施し、この放射線画像中の乳癌を表す
画像部分(腫瘤陰影)P1 などを検出する。この処理
は異常陰影候補検出手段10において行なわれる。以下
具体的に説明する。
式(1)に示す計算を施して濃度値Sの勾配ベクトル
(濃度勾配ベクトル)の向きθを求める。
に、その画素jを中心とした5×5画素のマスクの外周
上の画素に対応した濃度値Sである。なお、このマスク
の大きさは5×5のものに限るものでないことはいうま
でもない。
素近傍の濃度勾配ベクトルの向きθを求めた後、この濃
度勾配ベクトルの向きが集中している画素を探索する。
すなわち全ての画素について、各画素ごとに、その画素
を注目画素とする濃度勾配ベクトルの集中度Cを次式
(2)にしたがって算出する。
径Rの円内に存在する画素の数、θj は、注目画素とそ
の円内の各画素jとを結ぶ直線と、その各画素jにおけ
る上記式(1)で算出された濃度勾配ベクトルとがなす
角である(図5参照)。式(2)の右辺は半径Rの円内
の全画素における濃度勾配ベクトルの向きθj が各画素
から注目画素の方向に一致している度合いを示すもの、
すなわち濃度勾配ベクトルの集中度Cであり、この集中
度Cが大きな値となる程、各画素jの濃度勾配ベクトル
の向きが注目画素に集中していることを意味する。
求めるのは、放射線画像(ネガ)における乳癌を示す腫
瘤陰影が、その中央部において周囲の画像部分より濃度
値が低く(すなわち周囲より明るく)、この中央部から
周囲に向うにしたがって少しずつ濃度値が高くなるとい
う特性を有するため、この集中度Cの評価を行うことに
より腫瘤陰影P1 (図3(2)参照)と血管や乳腺の
陰影P2 (図3(3)参照)とを識別することが可能
となるからである。
検出精度の向上処理 さらに、腫瘤の大きさや形状に左右されない検出力を達
成するために、フィルタの大きさと形状とを適応的に変
化させる工夫がなされる。図6に、そのフィルタを示
す。このフィルタは、図5に示すものと異なり、注目画
素を中心に2π/M度毎のM種類の方向(図6において
は、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の線上の画
素のみで上記集中度の評価を行うものである。
素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目
画素の座標を(k,l)とすれば、以下の式(3),
(4)で与えられる。
数である。
大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向につ
いての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxをすべての
方向で平均して、その注目画素についての勾配ベクトル
群の集中度Cとする。
おいて注目画素からn番目の画素までで得られる集中度
Ci (n)を下記式(5)により求める。
て、終点をRmin からRmax までの範囲内で集中度Ci
(n)を算出するものである。
する腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
(6)および(7)により計算する。
られた放射状の線ごとの集中度Ci(n)の最大値であ
るから、注目画像からその集中度Ci (n)が最大値と
なる画素までの領域が、その線の方向における腫瘤陰影
の候補領域となる。
算をしてその各線上における腫瘤陰影の領域を求め、こ
の各線上における腫瘤陰影の領域を隣接する線間で直線
または非線形曲線で結ぶことにより、腫瘤陰影の候補と
なり得る領域の外周縁の形状を特定することができる。
(6)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の線
の全方向(式(7)では32方向の場合を例示)について
平均した値を求める。この求められた値を、腫瘤陰影で
あるか否かを判別するのに適した予め設定した閾値Tと
比較することにより、この注目画素を中心とする領域が
異常陰影候補となる可能性があるか否かを判別する。
Cを評価する領域が勾配ベクトルの分布に応じて大きさ
と形状が適応的に変化する様子が、外界の明るさに応じ
て拡大、縮小する人間の目の虹彩(iris)が様子に似て
いることから、勾配ベクトルの集中度を利用した腫瘤陰
影の候補領域を検出する上述の手法はアイリスフィルタ
(iris filter )処理と称されている。
(5)の代わりに、下記式(5A)を用いてもよい。
腫瘤陰影の半径の最小値Rmin に対応した画素を起点と
して、終点をRmin からRmax までの範囲内で集中度C
i (n)を算出するものである。
リスフィルタ処理によって腫瘤陰影P1 だけを効果的に
検出することができるが、例えば2本の血管が交差した
部分の画像P3 (以下、疑似異常陰影P3 という:図2
(4)参照)では、腫瘤陰影P1 と同様に集中度Cが大
きな値を採ることとなり腫瘤陰影P1 だけを検出するこ
とができない場合がある。すなわち、ステップA1〜A
3のアイリスフィルタ処理Aによって検出されるのは、
検出対象である腫瘤陰影P1 のみならず検出対象ではな
い疑似異常陰影P3 も含まれる。
を切り分けることができても(精度は別として)、異常
陰影候補部分が良性であるのか悪性であるのかの判断は
できない。
利用して微小石灰化陰影を検出する場合にも同様に生じ
る。
性判定処理Bをさらに施す。本実施形態においては、良
悪性判定手段50における良悪性判定処理の具体的な手
法として、マハラノビス距離を適用した判定を行なうよ
うにしている。
ィルタ処理により検出された放射線画像中の乳癌を表す
腫瘤陰影P1 や疑似異常陰影P3 についてその近傍をも
含む画像部分を例えば正方形の領域として抽出する。
の抽出した異常陰影候補を含む領域について、アイリス
フィルタ処理を利用した辺縁(輪郭)エッジ画像を作成
する。具体的な手法を以下に説明する。
処理における式(6)において、注目画素から放射状に
伸びるi番目の線上において集中度Ci (n)の最大値
を与える点の位置を求める。ただし、式(5)(または
式(5A))、(6)においては最大値を与えるnの値
をRmin 以上Rmax 以下としているが、このステップB
2の処理ではこの制限を設けない。
常陰影候補P1 やP3 の内部にある場合には、式(6)
が最大値を採るときのnは、そのi番目の線が異常陰影
候補P1 やP3 の辺縁Bと交差する画素を指示する。例
えば図7の注目画素1については画素B1 ,B2 ,
B3 ,B4 を指示し、注目画素2については画素B2 ,
B 5 ,B6 ,B7 を指示する。
の外部にある場合には、式(6)が最大値を採るのは、
その注目画素自身を指示するときである。すなわち、異
常陰影候補P1 ,P3 の外部にある注目画素3について
は、注目画素3自身を指示する場合に式(6)の値が最
大となる。
の全画素について順次注目画素とし、式(6)が最大値
を採る画素をカウントしていく。これを図示すると図8
に示す模式図のようになる。
の画素についてのカウント値はすべて「1」となり、異
常陰影候補P1 やP3 の内部の画素についてのカウント
値はすべて「0」となり、異常陰影候補P1 やP3 の辺
縁B上の画素についてのカウント値はすべて1以上の値
となる画像が得られ、このカウント値の画像をIFED
(Iris Filter Edge)画像と定義し、このIFED画像
を作成する処理までがステップB2の処理である。
像について、以下の処理を施す。
補P1 ,P3 の重心点AOを求め、この重心点AOから
放射状の線を延ばし、この線上の任意の点をiとし、こ
の線に垂直であってi点から2画素分だけ離間した点を
jとする。
値とj点のカウント値とを図10に示すようなマトリク
スにカウントアップする。具体的には、i点が異常陰影
候補P1 ,P3 の外部にある場合は、i点のIFED画
像におけるカウント値は「1」であり、そのときj点も
異常陰影候補P1 ,P3 の外部にあればj点のカウント
値も「1」となり、この場合図10のマトリクスには、
縦方向iの「1」と横方向jの「1」とが交差する欄に
「1」がカウントされる。
にあり、かつj点も異常陰影候補P 1 ,P3 の内部にあ
る場合は、i点、j点ともにカウント値は0であるの
で、縦方向iの「0」と横方向jの「0」とが交差する
欄に「1」をカウントする。
縁Bにあり、j点も異常陰影候補P 1 ,P3 も辺縁Bに
ある場合は、例えばi点のカウント値が「5」で、j点
のカウント値が「3」である場合は、縦方向iの「5」
と横方向jの「3」とが交差する欄に「1」をカウント
する。このマトリクスにカウントアップするカウント値
は累積するものである。すなわち再度、カウント値が
「5」のi点、カウント値が「3」のj点を走査した場
合には、マトリクスの縦方向iの「5」と横方向jの
「3」とが交差する欄には元の「1」に「1」を加算し
た「2」が格納される。
ら、IFED画像の全ての画素がi点となるように放射
状の線を走査し、i点をその線上で走査することによっ
て、このIFED画像の図10に示すマトリクスを完成
させる。このマトリクス(同時生成行列または同時生起
行列という)Pg (x,y)を完成するまでの処理がス
テップB3の処理である。
場合は、腫瘤陰影P1 の辺縁が略円形であるという腫瘤
陰影の形状的特性、およびi点とj点とは極めて近接し
ているという事実から、i点が辺縁にある(IFED画
像のカウント値が1以上の大きな値を有する)場合は、
j点も辺縁にある(IFED画像のカウント値が1以上
の大きな値を有する)可能性が極めて高い。
ある場合は、前述の2本の血管同士の交差部分のように
擬似異常陰影P3 が円形の辺縁を有するのは極めて希で
あるため、i点とj点とが近接していても、i点が辺縁
にあるからといって、j点も辺縁にあるとは限らず、む
しろj点は辺縁にある可能性は極めて低いことになる。
の特性値も、異常陰影候補が腫瘤陰影P1 であるか擬似
異常陰影P3 であるかに応じて明らかに有為差が認めら
れ、この同時生成行列の特性値がエッジ情報である。
ッジ情報の具体的なものとして、同時生成行列の特性値
である、分散を示す第1の指標値var (式(8))、偏
り(difference entropy)を示す第2の指標値dfe (式
(9))、相関値(correlation )を示す第3の指標値
cor (式(10))、モーメント(inverse difference
moment )を示す第4の指標値idm (式(11))、エ
ントロピー(sum entropy )を示す第5の指標値se(式
(12))などをそれぞれ求める。
3の指標値cor はいずれも、同時生成行列について、腫
瘤陰影P1 では比較的大きな値を示し、一方、乳腺や血
管などの疑似異常陰影P3 では小さな値を示す指標値で
ある。
について腫瘤陰影P1 では比較的小さな値を示し、一
方、乳腺や血管などの疑似異常陰影P3 では大きい値を
示し、第5の指標値seは、同時生成行列について腫瘤陰
影P1 では比較的大きな値を示し、一方乳腺や血管など
の疑似異常陰影P3 では小さな値を示す指標値である。
義した新たな一つの評価関数値として定義し、この評価
関数値に基づいて異常陰影候補の良悪性を判定する。
関数値としては、特開平9-167238号に示されるように、
マハラノビス距離(Mahalanobis distance)やフィッシ
ャー(Fisher)の識別関数を用いることができるが、本
実施形態では、マハラノビス距離を用いることとする。
以下マハラノビス距離を用いた良悪性の判定方法の具体
的実施形態について説明する。
にして求めた5つの指標値を互いに異なる5次元(x
1,x2,x3,x4,x5)の軸に当てはめ(var =
x1,dfe =x2,cor =x3,idm =x4,se=x
5)、これら5次の要素からなるベクトルxを設定す
る。
式(13)にしたがって、正常陰影のパターンとのマハ
ラノビス距離(正常組織分布からのマハラノビス距離)
Dm1 および悪性陰影のパターンとのマハラノビス距離
(異常陰影の内の癌分布からのマハラノビス距離)Dm
2 、並びに正常陰影のパターンとのマハラノビス距離D
m1 および良性陰影のパターンとのマハラノビス距離
(異常陰影の内の良性分布からのマハラノビス距離)D
m3 を算出する。
パターン、および良性陰影のパターンとは、予め多数の
異常陰影候補について実験的に調査した結果に基づいて
設定された、正常陰影ごと、悪性陰影(異常組織分布の
内の癌部分の陰影)ごと、または良性陰影(異常組織分
布の内の良性部分の陰影)ごとのベクトルxで定義され
るパターン空間を意味する。例えば、それぞれ、正常陰
影とされるものについての上記ベクトルxの平均で形成
されるパターンクラスw1 、悪性陰影とされるものにつ
いての上記ベクトルxの平均で形成されるパターンクラ
スw2 、良性陰影とされるものについての上記ベクトル
xの平均で形成されるパターンクラスw3 で示される。
を示す正常陰影パターンおよび癌分布を示す悪性陰影パ
ターンと判定対象である異常陰影候補のパターン(上記
ベクトルx)との間の各マハラノビス距離、並びに正常
陰影パターンおよび良性分布を示す良性陰影パターンと
判定対象である異常陰影候補のパターン(上記ベクトル
x)との間の各マハラノビス距離をそれぞれ求めた後、
ステップB7(#B7)で、この正常陰影のパターンク
ラスとのマハラノビス距離Dm1 と悪性陰影のパターン
クラスとのマハラノビス距離Dm2 とを比較し、また正
常陰影のパターンクラスとのマハラノビス距離Dm1 と
良性陰影のパターンクラスとのマハラノビス距離Dm3
とを比較する。
(15)で定義される「ゆう度比」を用いることとす
る。
ように重付けを加えてもよい。
ラノビス距離Dm1および癌分布からのマハラノビス距
離Dm2とゆう度比1との関係を示す概念図、図11
(B)は、正常組織分布からのマハラノビス距離Dm1
および正常分布からのマハラノビス距離Dm3とゆう度
比2との関係を示す概念図、図11(C)は、(A),
(B)を纏めて3次元で示した図である。算出されるゆ
う度比は、図面上の直線の傾きを示すことになる。
である場合には、癌分布からのマハラノビス距離Dm2
が小さく正常組織分布からのマハラノビス距離Dm1が
大きくなるので、悪性の腫瘤陰影である可能性の高い部
位は傾きの大きい(例えば10程度の)直線a1の左上
側に集中する。一方、検出された異常陰影候補が悪性の
腫瘤陰影ではなくむしろ誤検出されたものである場合に
は、癌分布からのマハラノビス距離Dm2が大きく正常
組織分布からのマハラノビス距離Dm1が小さくなるの
で、正常部位が悪性の異常陰影候補として誤検出された
可能性の高い部位は傾きの小さい(例えば0.1程度
の)直線a2の右下側に集中する。つまり、検出された
異常陰影候補が悪性の腫瘤陰影である可能性が高いか否
かによって、図(A)上における分布が異なることにな
る。
性の腫瘤陰影である場合には、良性分布からのマハラノ
ビス距離Dm3が小さく正常組織分布からのマハラノビ
ス距離Dm1が大きくなるので、良性の腫瘤陰影である
可能性の高い部位は傾きの大きい(例えば10程度の)
直線b1の左上側に集中する。一方、検出された異常陰
影候補が良性の腫瘤陰影ではなくむしろ誤検出されたも
のである場合には、良性分布からのマハラノビス距離D
m3が大きく正常組織分布からのマハラノビス距離Dm
1が小さくなるので、正常部位が良性の異常陰影候補と
して誤検出された可能性の高い部位は傾きの小さい(例
えば0.1程度の)直線b2の右下側に集中する。つま
り、検出された異常陰影候補が良性の腫瘤陰影である可
能性が高いか否かによって、図(B)上における分布が
異なることになる。
瘤陰影である場合には、悪性分布からのマハラノビス距
離Dm2の方が良性分布からのマハラノビス距離Dm3
よりも小さくなり、検出された異常陰影候補が良性の腫
瘤陰影である場合には、良性分布からのマハラノビス距
離Dm3の方が悪性分布からのマハラノビス距離Dm2
よりも小さくなる。したがって、正常組織分布からのマ
ハラノビス距離Dm1と癌(悪性)あるいは良性の各分
布からのマハラノビス距離Dm2,Dm3との相対的な
差、つまりゆう度比1とゆう度比2との大小によって異
常陰影候補が悪性であるのか良性であるのかを区別する
ことができ、具体的には、ゆう度比1>ゆう度比2であ
れば悪性である可能性の方が良性である可能性よりも高
く、逆にゆう度比1<ゆう度比2であれば良性である可
能性の方が悪性である可能性よりも高い。これは、図
(C)上において、異常陰影である可能性の高い部位は
軸Dm1近傍に集中するが、この集中部分をDm2−D
m3平面上に射影させたとき、悪性部分はDm2−Dm
3平面上における傾きが1の直線cの右下側に位置し、
良性部分は直線cの左上側に位置することを意味する。
では、ゆう度比1,2を用いて、ゆう度比1>ゆう度比
2且つゆう度比1>直線a1の傾きである第1の閾値T
h1ならば悪性(癌の可能性が高い)と判断し、ゆう度
比1<ゆう度比2且つゆう度比2>直線b1の傾きであ
る第2の閾値Th2ならば良性と判断し、それ以外は正
常組織と判断する。
出しきれなかった腫瘤陰影P1 を疑似異常陰影P3 から
分離して抽出することができるとともに、検出対象の腫
瘤陰影候補部分が、悪性(癌)および良性(異常陰影で
あるけれども癌ではないもの)のいずれに属するのかを
区別することもできる。
比1は、値が大きければ大きいほど悪性である可能性が
高いことを示す、つまり検出された異常陰影候補の悪性
の度合いを示すことになるので、このゆう度比1を悪性
度評価値とする。同様に、ゆう度比2は、値が大きけれ
ば大きいほど良性である可能性が高いことを示す、つま
り検出された異常陰影候補の良性の度合いを示すことに
なるので、このゆう度比2を良性度評価値とする。
8の判定において正常組織と判定した候補領域を除い
て、マンモグラフィ中の各部分・領域についての異常陰
影候補検出処理に際して求められた各特徴量(勾配ベク
トルの集中度やアイリスフィルタの出力値Iなど)並び
に腫瘤陰影候補の悪性度評価値および/または良性度評
価値を異常陰影候補についての指標値Kとし、また検出
処理や判定処理の際の閾値Tに対する指標値Kの余裕度
(K/T、100×(K−T)/K%または(K−T)
など)を算出し、指標値Kおよび余裕度を画像出力手段
30に入力する。
補P1 は、関心領域設定手段20に入力される。関心領
域設定手段20は、入力された腫瘤陰影候補P1 に基づ
いて、腫瘤陰影候補P1 およびこの近傍領域P2 を含む
所定の形状(例えば矩形や円形)の局所領域を関心領域
画像として設定する。検出された異常陰影候補の数が複
数であるときは、この関心領域画像も複数設定される。
領域画像を表す画像情報(関心領域画像情報)W0およ
び関心領域の座標情報W1を画像処理手段40に入力す
る。画像処理手段40は、関心領域画像情報W0に対し
て拡大処理や周波数強調処理などを施して処理済関心領
域画像Wを得、この処理済関心領域画像情報Wを異常陰
影候補情報として画像出力手段30に入力する。
像出力手段30には、関心領域が設定される基礎となっ
た全体画像情報Pと検出された腫瘤陰影候補P1 につい
ての指標値Kおよび余裕度が入力されており、画像出力
手段30は入力された全体画像情報P、処理済関心領域
画像W、および指標値Kや余裕度に基づいて、図12
(1)および(2)に示すように、これらを同時に表示
面上に表示する。この際、関心領域設定手段20から入
力された座標情報W1に基づいて、全体画像P上に、関
心領域の位置や大きさなどを示すROI枠を異常陰影の
良性/悪性ごとに異なる色で表示する。なお図12にお
いては、左右1組の乳房についてのマンモグラフィP,
P′を背中合わせに同時に表示した態様を表している
が、このようなレイアウトに限らず、左右一方ずつを交
互に表示するようにしてもよい。
ち癌の腫瘤陰影は赤矢印で位置を表示するとともに悪性
度評価値と良性度評価値を示し、良性の腫瘤陰影は青矢
印で位置を表示するとともに悪性度評価値と良性度評価
値を示すなどの表示方法としてもよい。
出システム1によれば、アイリスフィルタ処理では抽出
しきれなかった腫瘤陰影P1 を疑似異常陰影P3 から分
離して抽出することができる。また、検出対象の異常陰
影候補部分が、正常、悪性(癌)、良性(異常陰影であ
るけれども癌ではないもの)のいずれに属するのかを判
定した後、正常/悪性(癌)/良性を区別して表示するよ
うにしたので、結果として、腫瘤陰影である蓋然性がよ
り高い確定的な異常陰影候補のうち即時処置を要する悪
性部分を抽出することができるとともに、現時点では悪
性とはいえないが経過観察など注意を要する良性部分を
も峻別することが可能となるなど、診断支援情報として
の有効性が高まり、医師の診断能向上に寄与することが
できる。
としては、特開平9-167238号においては、正常陰影のパ
ターンとのマハラノビス距離および異常陰影のパターン
とのマハラノビス距離(良性および悪性の両者を含む異
常組織分布からのマハラノビス距離)を算出し、2つマ
ハラノビス距離を比較することによって、アイリスフィ
ルタ処理では抽出しきれなかった腫瘤陰影を疑似異常陰
影から分離して抽出するといういわゆる精度向上のため
の付加的処理であり、良悪性を区別するには別途良悪性
判定処理を追加しなければならないのに対して、本願発
明は異常組織分布からのマハラノビス距離を良性と悪性
とを切り分けて求めるようにしているので、精度向上の
ための付加的処理と良悪性判定処理を同時に行なうこと
ができる点が異なる。
陰影候補として検出するか否かの判定に係る指標値Kや
異常陰影候補として検出した画像についての検出の余裕
度を、検出された異常陰影候補や全体画像とともに画像
出力手段30に表示出力することにより、表示された画
像の読影者に対して、診断のための、従来よりも有用な
情報を提供することができ、出力された画像の診断性能
を飛躍的に向上させることができる。
好ましい実施の形態について説明したが、本発明は必ず
しも上述した実施の形態に限定されるものではない。
領域は、一般にn次の特徴量x1,x2,x3,…,x
nに対応するn次の特徴軸(feature axis)上の各値を
用いてn次元のパターン空間で表現することができる。
そして、このような特徴抽出過程によって作られるn次
元のパターン空間において、入力として与えられる陰影
パターン間の類似性がこの空間上でも十分に良く保たれ
ている、つまり類似した陰影パターンであればパターン
空間上もで近いところにあるという性質がある限り特徴
抽出を行なうことができ、陰影パターンの広がり具合な
どを考慮した距離の概念を表す評価関数値(距離関数
値)を用いれば陰影の良悪性を分類することができる。
上記実施形態で用いたマハラノビス距離は、パターンの
広がり具合などを考慮に入れたものの好適な例である
が、これ以外にも、例えば、市街地距離、チェス盤距
離、ミンコフスキー(Minkowski )距離などを用いるこ
ともできる。
関数値)に限らず、例えば特開平9-167238号に示される
フィッシャーの識別関数を良性および悪性それぞれにつ
いて求めて使用することもできる。この場合、図2のス
テップB6において、検出対象の良性および悪性の各異
常陰影候補について、所定の式で定義されるスカラー量
を算出し、良性および悪性それぞれについての多数の異
常陰影候補について実験的にこのスカラー量の分布を予
め調査した結果に基づいて設定された閾値と検出対象の
良性および悪性の各異常陰影候補についてのスカラー量
とをそれぞれ比較して、検出対象が正常陰影か良性の異
常陰影かあるいは悪性の異常陰影かを判定すればよい。
明では、エッジ情報についての指標値のみを対象とした
が、これに限らず、ヒストグラム情報についての指標
値、あるいはヒストグラム情報のうちの任意の数の指標
値とエッジ情報のうちの任意の数の指標値とを混在させ
て良性および悪性それぞれについての評価関数値を設定
してもよい。
および余裕度を全体画像などとともに画像表示手段30
に表示出力するようにしていたが、指標値Kや余裕度を
参照することで診断性能を向上させることができるもの
である限りどのような出力形態を採用してもよい。例え
ば、画像表示手段30とは別に指標値出力手段を専用に
設け、この指標値出力手段に指標値Kおよび余裕度を出
力するようにしてもよい。この際、指標値出力手段は、
CRTや液晶などのソフトコピー出力媒体であってもよ
いし、レーザプリンタなどのハードコピー出力媒体であ
ってもよい。
スフィルタ処理を適用して得たマンモグラフィ中の腫瘤
陰影についての正常/悪性/良性を判定しその結果に応
じて表示出力することとしていたが、これに限らず、例
えばモフォロジフィルタ処理を適用して得たマンモグラ
フィ中の石灰化陰影についての正常/悪性/良性を判定
しその結果に応じて表示出力することもできる。この
際、石灰化陰影についての良悪性を判別する方法として
は、上述のようにマハラノビス距離を利用した判定方法
を用いてもよいし、例えば上述した文献“乳房X線画像
における微小石灰化クラスタの良悪性鑑別”に示されて
いるようにニューラルネットワークを用いる方法など公
知の良悪性判別方法を用いることができる。
しては、異常陰影の検出処理や良悪性の判定処理の際の
指標値としては石灰化の密度や石灰化陰影候補の悪性度
評価値や良性度評価値などを用いるとよい。
別する表示方法としては、例えば、石灰化に関しては、
石灰化の密度や淡さ(コントラスト)に応じて、石灰化が
非常多い場合をAランク、石灰化が多い場合をBラン
ク、石灰化がある(閾値ぎりぎりで検出)した場合をC
ランクというようにクラス分けしておき、1)先ず、癌
候補(腫瘤影)もしくはAまたはBランクの石灰化クラ
スタを表示する、2)次に、マウスクリックなどの操作
によって、良性(腫瘤影)もしくはCランクの石灰化ク
ラスタを表示する、といった表示態様としてもよい。な
お、アイリスフィルタ処理やモホロジフィルタ処理によ
って異常陰影候補として検出された後に、ゆう度比を用
いた判定処理によって正常であると判定された部位を、
アイリスフィルタ処理やモホロジフィルタ処理によって
正常であるとされた部位と区別して表示するようにして
もよい。
原画像のみ→原画像+位置情報→原画像+位置情報+R
OI(強調拡大)画像に加えてあるいは代えて、原画像
のみ→原画像+位置情報(癌候補+ABランク石灰化)
→原画像+位置情報(良性腫瘤候補+ABランク石灰
化)+ROI(強調拡大)画像→原画像+位置情報(良
性腫瘤候補+Cランク石灰化)→原画像+位置情報(良
性腫瘤候補+Cランク石灰化)+ROI(強調拡大)画
像という表示態様を設けることで、あまり数を増やさず
表示するようにしてもよい。
ての腫瘤陰影について、正常/悪性/良性を判定するこ
ととしていたが、少なくとも異常陰影候補部分の良悪性
を判定するものであればよく、例えば、悪性であるか否
かを判定し、悪性以外の部分を良性を含む部分と判定す
るようにしてもよい。
ステムに入力される全体画像はマンモグラフィに限るも
のではなく、胃部X線画像など種々の、異常陰影候補の
検出対象となる画像を適用することができる。
態を示すブロック図
処理ステップを示すフローチャート
(マンモグラム)およびその細部を示す図
算出するマスクを示す図
念を示す図
アイリスフィルタを示す概念図
る作用を示す図
および癌分布からのマハラノビス距離Dm2とゆう度比
1との関係を示す概念図(A)、正常組織分布からのマ
ハラノビス距離Dm1および正常分布からのマハラノビ
ス距離Dm3とゆう度比2との関係を示す概念図
(B)、(A)と(B)を纏めて3次元で示した図
(C)
れる情報を示す図
Claims (2)
- 【請求項1】 画像を表す画像情報に基づいて該画像
中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
前記検出された異常陰影候補を示す異常陰影候補情報を
出力する異常陰影候補情報出力手段とを備えた異常陰影
候補検出システムにおいて、 前記異常陰影候補検出手段により検出された異常陰影候
補について、該異常陰影候補が、悪性および良性のうち
のいずれに属するかを所定の特徴量を用いて判定する判
定手段をさらに備え、 前記異常陰影候補情報出力手段が、前記判定の結果に基
づいて、前記異常陰影候補情報を、該情報が示す異常陰
影候補が悪性および良性のいずれに属するのかを区別可
能に出力するものであることを特徴とする異常陰影候補
検出システム。 - 【請求項2】 前記異常陰影候補情報出力手段が、前
記異常陰影候補の悪性の度合いを示す指標値および/ま
たは良性の度合いを示す指標値を出力するものであるこ
とを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補検出システ
ム。
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