JP2002074325A - 異常陰影候補検出方法および装置 - Google Patents

異常陰影候補検出方法および装置

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JP2002074325A
JP2002074325A JP2000263641A JP2000263641A JP2002074325A JP 2002074325 A JP2002074325 A JP 2002074325A JP 2000263641 A JP2000263641 A JP 2000263641A JP 2000263641 A JP2000263641 A JP 2000263641A JP 2002074325 A JP2002074325 A JP 2002074325A
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Hideya Takeo
英哉 武尾
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アイリスフィルタ処理等で検出された異常陰
影の候補領域のうち所望の異常陰影を検出する方法にお
いて、検出精度をさらに向上させ、より正確に所望の異
常陰影を異常陰影候補として検出する。 【解決手段】 候補領域検出手段11が被写体の画像デ
ータPを入力し画像データPに含まれる候補領域を検出
し、特徴量算出手段12がその候補領域の特徴量を算出
し、マハラノビス距離を用いる評価値算出手段13aおよ
びニューラルネットワークを用いる評価値算出手段13b
がこの特徴量から各々評価値を算出し、判定手段13cが
この2つの評価値の信頼度に基づいて候補領域が悪性で
あるか否かを複合的に判定し、異常陰影検出手段14が悪
性であると判定された候補領域のみを最終的な異常陰影
候補として検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線画像におけ
る腫瘤陰影や微小石灰化陰影等に代表される、異常陰影
候補の検出方法および装置に関し、詳細には、異常陰影
候補の検出精度の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療分野においては、被写体
の放射線画像を用いて病変部を発見し、またその病変部
の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行う
ことが一般的に行なわれている。そして、この放射線画
像の読影は観察者の経験や画像読影能力の高低によって
左右され、必ずしも客観的なものとはいえなかった。
【0003】例えば、乳癌の検査を目的として撮影され
たマンモグラフィ(またはマンモグラム:乳房を被写体
とした診断用放射線画像)においては、その画像から癌
化部分の特徴の一つである腫瘤陰影や微小石灰化陰影等
の異常陰影を抽出することが必要であるが、観察者によ
っては必ずしも的確にその異常陰影の範囲を指定できる
とは限らない。このため、観察者の技量に依存せずに、
腫瘤陰影や微小石灰化陰影を始めとする異常陰影を的確
に検出することが求められている。
【0004】この要望に応えるものとして、計算機処理
を用いて異常陰影候補を自動的に検出するようにした計
算機支援画像診断(CADM;Computer Aided Diagnosis of
Medical Images )の研究が最近進んでいる。
【0005】すなわち、CADM技術は、異常陰影の濃度分
布の特徴や形態的な特徴に基づいて、異常陰影候補を計
算機を用いて自動的に検出するものであり、この異常陰
影候補の検出処理としては、主として腫瘤陰影候補を検
出するのに適したアイリスフィルタ処理や、主として微
小石灰化陰影候補を検出するのに適したモフォロジーフ
ィルタ処理等が提案されている(小畑他「DR画像にお
ける腫瘤影検出(アイリスフィルタ)」電子情報通信学
会論文誌 D-11 Vol.J75-D-11 No.3 P663〜6701992年3
月、「多重構造要素を用いたモルフォロジーフィルタに
よる微小石灰化像の抽出」電子情報通信学会論文誌 D-1
1 Vol.J75-D-11 No7. P1170 〜1176 1992年7月、「モ
ルフォロジーの基礎とそのマンモグラム処理への応用」
MEDICALIMAGING TECHNOLOGY Vol.12 No.1 January 1994
等)。
【0006】アイリスフィルタ処理は、画像信号の濃度
勾配の集中度の最大値を表すアイリスフィルタ出力値と
所定の閾値とを比較することにより、画像中における乳
癌の特徴的形態の一つである腫瘤陰影の候補領域を検出
するのに有効な手法として研究されている。なお、対象
画像としては、このようなマンモグラフィにおける腫瘤
陰影に限るものではなく、その画像を表す画像信号(濃
度等)の勾配が集中しているものについては、いかなる
画像部分に対しても適用することができる。
【0007】一方、モフォロジーフィルタ処理は、画像
信号に対して、検出しようとする微小石灰化陰影よりも
大きいサイズの構造要素を用いたモフォロジー演算処理
の出力値と所定の閾値とを比較することにより、画像中
における乳癌の特徴的形態の一つである微小石灰化陰影
の候補領域を検出するのに有効な手法として研究されて
いる。
【0008】また、上述したアイリスフィルタ処理やモ
フォロジーフィルタ処理により得られた異常陰影の候補
領域のうち、正常陰影や良性陰影(以下、簡単のため正
常陰影と良性陰影とをまとめて非悪性陰影と総称する)
を除外し悪性陰影のみを検出するために、検出された候
補領域の内部または辺縁の特徴を表す複数の特徴量を用
いてその候補領域を判定し、悪性と判定された異常陰影
の候補領域のみを異常陰影候補として検出する方法が種
々提案されている。
【0009】例えば、アイリスフィルタ処理によって検
出された異常陰影の候補領域に対し、候補領域内部の濃
度ヒストグラムを求め、このヒストグラムに基づく複数
の特徴量、すなわち分散値、コントラスト、角モーメン
ト等を算出し、さらに各特徴量を所定の重み付け関数で
定義して新たな評価関数値を算出し、算出された評価関
数値に基づいて候補領域が悪性陰影であるか否かを判定
し、悪性陰影のみを異常陰影候補として検出する方法が
提案されている(特開平9−167238参照)。この
特徴量には上記の他、候補領域の辺縁の特徴を表すエッ
ジ情報である、分散値、偏り、相関値、モーメント、エ
ントロピーなどを用いることができる。
【0010】また、この評価関数値にはマハラノビス距
離を用いることができる。マハラノビス距離とは下記式
(1)で定義されるDmiを意味し、分布の中心から共分
散行列Σで表される超楕円体の重み付けで測る距離であ
る。
【0011】
【数1】 式(1)に従って、予め実験的に得られている非悪性陰
影を示すパターンクラス(i=1)とのマハラノビス距
離Dm1、悪性陰影を示すパターンクラス(i=2)との
マハラノビス距離Dm2を算出し、Dm1とDm2とを比較し
て候補領域が悪性であるか否かを判定する。すなわち、
非悪性陰影を示すパターンクラスとのマハラノビス距離
Dm1が悪性陰影を示すパターンクラスとのマハラノビス
距離Dm2より近い場合、すなわちDm1<Dm2の場合は非
悪性陰影であり、非悪性陰影を示すパターンクラスとの
マハラノビス距離Dm1より悪性陰影を示すパターンクラ
スとのマハラノビス距離Dm2が近い場合、すなわちDm1
>Dm2の場合は悪性陰影であると判定し、悪性陰影と判
定されたものだけを検出する。
【0012】また、候補領域を判定して悪性陰影のみを
検出する別の方法として、階層型ニューラルネットワー
ク(NN)による判定方法が提案されている(「乳房X
線画像における微小石灰化クラスタの良悪性鑑別」医用
画像工学研究会 JAMIT Frontier '99 講演論文集 P.89
〜93)。NNは、学習用データを入力して学習を行い、
その学習結果に基づいて判定を行う。例えば学習用デー
タとして、微小石灰化陰影を含む画像46例(悪性28例、
非悪性18例)を使用する。NNの出力値(0.0から1.0
の間の実数値)を候補領域の悪性度とし、1.0 に近づく
ほど悪性度が高くなるように学習させる。すなわち、学
習用画像に含まれる候補領域の特徴量(石灰化陰影間の
距離、石灰化陰影の面積の平均、石灰化陰影の円形度の
平均等)を正規化してNNへ入力し、入力された画像が
悪性であるか或いは非悪性であるかに従って出力値を設
定して学習させる。次に、微小石灰化陰影を含む判定用
画像の候補領域の特徴量を正規化してNNに入力し、出
力された数値から判定用画像の候補領域の悪性度合いを
判定する。例えば、閾値を0.3 に設定し、出力値が0.3
以上の場合に悪性、0.3 未満の場合に非悪性と判定す
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような閾値処理による判定方法では、あいまいな判定と
なってしまう場合がある。すなわち、マハラノビス距離
によるDm1、Dm2の値が、例えばDm1/Dm2>10.0また
はDm1/Dm2<0.1 となるなど特徴的な値となれば十分
に信頼性のある判定ができるが、中間的な値となった場
合には判定の信頼性が低くなる。また、NNによる出力
値が0.9 以上または0.1 以下となるなど特徴的な値とな
れば信頼性のある判定ができるが、中間的な値となった
場合、特にNNによる判定法は信頼性が低いことがわか
っている。
【0014】また、候補領域の分布が入り組んでいる場
合など、異常陰影の状態によっては効果的な判定方法が
異なる。このため、より正確に判定できる方法を選択し
て判定することが必要である。
【0015】なお、上記においては、検出対象の異常陰
影が悪性陰影である場合を例示したが、検出対象の異常
陰影は悪性陰影に限るものではなく、悪性および/また
は良性の陰影を検出する場合もある。
【0016】本発明は、上記事情に鑑み、アイリスフィ
ルタ処理やモフォロジーフィルタ処理等で検出された異
常陰影の候補領域のうち所望の異常陰影を異常陰影候補
として検出する方法および装置において、検出精度をさ
らに向上させ、より正確に所望の異常陰影を検出するこ
とを可能とした異常陰影候補検出方法および装置を提供
することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明による異常陰影候
補検出方法は、被写体の放射線画像を表す画像信号に基
づいて画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検
出方法において、画像信号に基づいて、放射線画像中の
異常陰影の候補領域を検出し、候補領域が所望の異常陰
影であるか否かを複数の判定手法を用いて複合判定し、
所望の異常陰影であると判定された候補領域のみを異常
陰影候補として検出することを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の異常陰影候補検出方法は、
被写体の放射線画像を表す画像信号に基づいて画像中の
異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出方法におい
て、画像信号に基づいて、放射線画像中の異常陰影の候
補領域を検出し、候補領域の特徴量を算出し、特徴量に
基づいて、複数の判定手法により候補領域の評価値を各
手法毎に算出し、評価値の信頼度に基づいて候補領域が
所望の異常陰影であるか否かを複合判定し、所望の異常
陰影であると判定された候補領域のみを異常陰影候補と
して検出するものとしてもよい。
【0019】本発明による異常陰影候補検出装置は、被
写体の放射線画像を表す画像信号に基づいて画像中の異
常陰影候補を検出する異常陰影候補検出装置において、
画像信号に基づいて、放射線画像中の異常陰影の候補領
域を検出する候補領域検出手段と、候補領域が所望の異
常陰影であるか否かを複数の判定手法を用いて複合判定
する複合判定手段と、複合判定手段により所望の異常陰
影であると判定された候補領域のみを異常陰影候補とし
て検出する異常陰影候補検出手段とを備えたことを特徴
とするものである。
【0020】また、本発明の異常陰影候補検出装置は、
候補領域の特徴量を算出する特徴量算出手段をさらに備
え、複合判定手段が、特徴量に基づいて候補領域の評価
値を各手法毎に算出し、評価値の信頼度に基づいて候補
領域が所望の異常陰影であるか否かを複合判定するもの
としてもよい。
【0021】ここで、所望の異常陰影とは、悪性の異常
陰影および/または良性の異常陰影を意味するものであ
る。
【0022】また「候補領域の特徴量」とは、候補領域
の円形度や、候補領域内部の特徴量である分散値、コン
トラスト、角モーメントや、候補領域の辺縁の特徴量で
ある分散値、偏り、相関値、モーメント、エントロピー
などを示すものである。なお、この他にも種々の特徴量
が設定できる。
【0023】また「評価値」とは、異常陰影の候補領域
が、悪性陰影であるか非悪性陰影であるかを有為に識別
し得る値である。例えば、マハラノビス距離に基づく判
定手法ではDm1/Dm2で示される値(ゆう度比)が評価
値に該当し、ニューラルネットワークによる判定手法で
は出力値が該当する。
【0024】また「評価値の信頼度」とは、各評価値に
対して、その評価値から判定し得る判定結果(悪性であ
るか非悪性であるか)が、どの程度信頼できるかによっ
て定められるものである。すなわち、例えばマハラノビ
ス距離による判定手法においては、評価値(ゆう度比)
が10.0以上であれば悪性である可能性が非常に高く、0.
1 以下であれば非悪性である可能性が非常に高いため、
両範囲(信頼区域)内の評価値の信頼度は非常に高い。
また、評価値が1〜2以上の場合には悪性である可能性
が高いため、この範囲内の評価値の信頼度は高いと言え
るが上記信頼区域内の信頼度よりは低くなる。また、ニ
ューラルネットワークによる判定手法においては、評価
値(出力値)が1.0 に近いほど悪性の可能性が高く、0.
0 に近いほど非悪性の可能性が高いため、評価値が0.9
以上であれば悪性である可能性が非常に高く、0.1 以下
であれば非悪性である可能性が非常に高い。従って、両
範囲(信頼区域)内の評価値の信頼度は非常に高いと言
える。一方、特にニューラルネットワーク判定では信頼
区域外の信頼度は低いことが知られている。
【0025】すなわち、「評価値の信頼度に基づいて複
合判定する」とは、各判定手法により算出された評価値
の信頼度の高低を参照して、候補領域の悪性または非悪
性を判定することを意味するものである。
【0026】なお、上記判定手法による判定の形態は、
上記のように悪性と非悪性とを区別して判定する形態の
他、悪性または良性の異常陰影、或いは、正常陰影を区
別して判定する形態も可能である。
【0027】上記複数の判定手法のうちの1つとして、
マハラノビス距離に基づく判定手法、あるいはニューラ
ルネットワークに基づく判定手法を用いることができ
る。
【0028】さらに、上記複数の判定手法として、マハ
ラノビス距離に基づく判定手法とニューラルネットワー
クに基づく判定手法とを組合せた手法を用いることがで
きる。
【0029】
【発明の効果】上記のように構成された本発明の異常陰
影候補検出方法および装置によれば、複数の判定手法を
用いて判定するから、候補領域の状態に拘らず、その候
補領域が所望の異常陰影であるか否かをより精度高く判
定することが可能となり、所望の異常陰影を異常陰影候
補として検出する際の検出精度をさらに向上させること
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の異常陰影候補検出
方法および装置の実施の形態を図面に基づいて説明す
る。図1は、本発明における異常陰影候補検出方法を実
施する異常陰影候補検出装置の具体的な実施形態を示す
図である。
【0031】異常陰影候補検出装置10には、画像読取装
置等から入力された被写体の画像データPに基づいて画
像中の異常陰影の候補領域(以下、簡単のため単に候補
領域という)を検出する候補領域検出手段11と、検出し
た候補領域の特徴量を算出する特徴量算出手段12と、特
徴量からマハラノビス距離を用いて評価値を算出する評
価値算出手段13aと、特徴量からニューラルネットワー
クを用いて評価値を算出する評価値算出手段13bと、算
出された複数の評価値の信頼度に基づいて候補領域が悪
性であるか否かを判定する判定手段13cと、検出された
候補領域のうち、悪性と判定された候補領域のみを異常
陰影候補として検出する異常陰影検出手段14とが備えら
れる。上記評価値算出手段13a、13bと、判定手段13c
とで複合判定手段13が構成されている。
【0032】次に、以上のように構成された本実施形態
の異常陰影候補検出装置の作用(検出方法)について説
明する。
【0033】異常陰影候補検出装置10には、画像読取装
置等から被写体の画像データPが入力される。候補領域
検出手段11が画像データPに含まれる候補領域を検出
し、特徴量算出手段12がその候補領域の特徴量として9
つの特徴量を算出する。次に、マハラノビス距離を用い
る評価値算出手段13aとニューラルネットワークを用い
る評価値算出手段13bが9つの特徴量から各々評価値を
算出し、判定手段13cがこの2種類の評価値の信頼度か
ら、予め定められた所定のルールに従って候補領域の判
定を行い、異常陰影検出手段14が最終的に悪性と判定さ
れた候補領域のみを異常陰影候補として検出する。以下
に、その詳細を説明する。
【0034】乳房を撮影した放射線画像であるマンモグ
ラフィP(図2(1)参照)が候補領域検出手段11に入
力されると、候補領域検出手段11は、このマンモグラフ
ィに対してアイリスフィルタ処理を施し腫瘤陰影の候補
領域を検出する。
【0035】例えば、X線フィルム上における放射線画
像(高濃度高信号レベルの画像信号で表される画像)に
おいて、腫瘤陰影部分は周囲の画像部分に比べて濃度値
(画像信号値)が僅かに低いことが知られており、腫瘤
陰影の内部においては、略円形の周縁部から中心部に向
うにしたがって濃度値が低くなるという濃度値の勾配が
認められる。したがって腫瘤陰影においては、局所的な
濃度値の勾配が認められ、その勾配線は腫瘤の中心方向
に集中する。
【0036】アイリスフィルタは、この濃度値に代表さ
れる画像信号の勾配を勾配ベクトルとして算出し、その
勾配ベクトルの集中度を出力するものであり、アイリス
フィルタ処理とはこの勾配ベクトルの集中度を基に腫瘤
陰影を検出するものである。
【0037】以下、図2の乳房を撮影したマンモグラフ
ィを参照して説明する。すなわち、マンモグラフィPに
現れた腫瘤陰影P1 内部の任意の画素における勾配ベク
トルは図2(2)に示すように腫瘤陰影P1 の中心付近
を向くが、血管陰影や乳腺など細長い陰影P2 は図2
(3)に示すように勾配ベクトルが特定の点に集中する
ことはない。このため、局所的に勾配ベクトルの向きの
分布を評価し、特定の点に集中している領域を抽出すれ
ば、それが腫瘤陰影P1 の候補領域となる。なお、図2
(4)に示すような乳腺等の細長い陰影同士が交差した
陰影P3 は、勾配ベクトルが特定の点に集中する傾向が
あるため擬似的に候補領域となり得る。
【0038】以下にアイリスフィルタ処理の具体的なア
ルゴリズムを示す。
【0039】まず、対象となる画像を構成する全ての画
素について、各画素jごとに下記式(2)に示す計算式
に基づいた画像データの勾配ベクトルの向きθを求め
る。
【0040】
【数2】 ここでf1 〜f16は、図3に示すように、その画素jを
中心とした例えば縦5画素×横5画素の大きさのマスク
の外周上の画素に対応した濃度値(画像信号値)であ
る。なお、このマスクの大きさは5×5のものに限るも
のでないことはいうまでもない。
【0041】次に、対象となる画像を構成する全ての画
素について、各画素ごとにその画素を注目画素とする勾
配ベクトルの集中度Cを次式(3)にしたがって算出す
る。
【0042】
【数3】 ここでNは注目画素を中心に半径Rの円内に存在する画
素の数、θjは注目画素とその円内の各画素jとを結ぶ
直線と、その各画素jにおける上記式(2)で算出され
た勾配ベクトルとがなす角である(図4参照)。したが
って上記式(3)で表される集中度Cが大きな値となる
のは、各画素jの勾配ベクトルの向きが注目画素に集中
する場合である。
【0043】ところで、腫瘤陰影P1 の近傍の各画素j
の勾配ベクトルは、腫瘤陰影P1 のコントラストの大小
に拘らず、略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集
中度Cが大きな値をとる注目画素は腫瘤陰影P1 の中心
部の画素ということができる。一方、血管陰影など細長
い陰影P2 の陰影は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏
るため集中度Cの値は小さい。したがって、画像を構成
する全ての画素について、それぞれ注目画素に対する上
記集中度Cの値を算出し、その集中度Cの値が予め設定
された閾値Tを上回るか否かを評価することによって腫
瘤陰影P1 を検出することができる。すなわち、このフ
ィルタは通常の差分フィルタに比べて血管や乳腺等の影
響を受けにくく、腫瘤陰影P1 を効率よく検出できると
いう特徴を有している。
【0044】さらに実際の処理においては、腫瘤の大き
さや形状に左右されない検出力を達成するために、フィ
ルタの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がなさ
れる。図5にそのフィルタを示す。このフィルタは、図
4に示すものと異なり、注目画素を中心として2π/M
度の角度間隔で隣接するM種類の方向(図5において
は、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の線上の画
素のみで上記集中度の評価を行うものである。
【0045】ここでi番目の線上にあって、かつ注目画
素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目画素
の座標を(k,l)とすれば,下記式(4)、(5)で
与えられる。
【0046】
【数4】 ただし、[x],[y]は、x,yを超えない最大の整数で
ある。
【0047】さらに、その放射線上の線上の各線ごとに
最大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向に
ついての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxを全ての
方向で平均し、この平均値を注目画素についての勾配ベ
クトル群の集中度Cとする。
【0048】具体的には、まずi番目の放射状の線上に
おいて注目画素からn番目の画素までで得られる集中度
Ci(n)を下記式(6)により求める。
【0049】
【数5】 すなわち式(6)は、始点を注目画素とし、終点をRmi
n からRmax までの範囲内で変化させて、集中度Ci
(n)を算出するものである。
【0050】ここでRmin とRmax とは、抽出しようと
する腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
【0051】次に、勾配ベクトル群の集中度Cを下記式
(7)および(8)により計算する。
【0052】
【数6】 ここで式(7)のCimaxは、式(6)で得られた放射状
の方向線ごとの集中度Ci (n)の最大値であるから、
注目画素からその集中度Ci (n)が最大値となる画素
までの領域が、その線の方向における腫瘤陰影の領域と
なる。
【0053】そして全ての放射状の方向線について式
(7)の計算をしてその各線上における腫瘤陰影の領域
の輪郭(辺縁点)を求め、この各線上における腫瘤陰影の
領域の隣接する辺縁点を、直線または非線形曲線で結ぶ
ことにより、腫瘤陰影の候補となり得る候補領域の輪郭
を特定することができる。
【0054】そして、式(8)では、この領域内の式
(7)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の方
向線の全方向(式(8)では32方向の場合を例示)につ
いて平均した値を求める。この求められた値がアイリス
フィルタ出力値Iであり、この出力値Iを、腫瘤陰影で
あるか否かを判断するのに適した予め設定した一定の閾
値Tと比較し、I≧Tであればこの注目画素を中心とす
る領域が候補領域であり、I<Tであれば候補領域では
ないと判定し、候補領域のみを検出する。
【0055】なお、前述の集中度Ci (n)の計算は、
式(6)の代わりに下記式(6´)を用いてもよい。
【0056】
【数7】 すなわち、式(6´)は、抽出しようとする腫瘤陰影の
半径の最小値Rmin に対応した画素を始点とし、終点を
Rmin からRmax までとした範囲内で集中度Ci (n)
を算出するものである。
【0057】特徴量算出手段12は、アイリスフィルタに
よって検出された候補領域について、その形状、内部ま
たは辺縁の特徴量を算出する。
【0058】候補領域の第1の特徴量として、腫瘤陰影
の輪郭が円に近い形状であることから、円形度Sp(Sp
readness)を利用する。図6に示すように、検出された
候補領域である腫瘤陰影P1 や擬似異常陰影P3 につい
て、陰影の面積Aおよびその重心AOを求め、重心AO
を中心とし面積Aと同等の面積を有する半径Rの仮想円
を想定し、この仮想円の内側に含まれる候補領域の、面
積Aに対する占有率として円形度を算出する。すなわ
ち、仮想円と候補領域とが重なる部分の面積をA´とす
ると、円形度は下記式(9)で算出される。
【0059】
【数8】 次に、候補領域内部の特徴量として、以下の3つの特徴
量を用いる。すなわち、候補領域の濃度値Sのヒストグ
ラムを作成し、濃度値Sの頻度をP(S)とし、この濃
度値Sおよび頻度P(S)に基づき、下記式より、分散
var を表す第2の特徴量(10)、コントラストcon を表
す第3の特徴量(11)、角モーメントasm を表す第4の
特徴量(12)を算出する。
【0060】
【数9】 また、候補領域辺縁の特徴量をIFED(Iris Filter
Edge)画像を用いて算出する。以下に、その具体的手法
を説明する。図7は候補領域を含む正方形の領域におい
てIFED画像を形成する際の作用を示す図であり、図
8はIFED画像を示す概念図である。
【0061】まず、アイリスフィルタ処理により検出さ
れた候補領域、すなわち放射線画像中の乳癌を表す腫瘤
陰影P1 や擬似異常陰影P3 について、その近傍をも含
む画像部分を例えば正方形の領域として抽出し、この抽
出した正方形領域についてアイリスフィルタ処理を利用
した辺縁エッジ画像(IFED画像)を作成する。
【0062】すなわち、アイリスフィルタ処理の式
(7)において、注目画素から放射状に伸びるi番目の
線上において集中度Ci(n)の最大値を与える点の位
置を求める。ただし式(6)、(7)においては最大値
を与えるnの値をRmin 以上Rmax 以下としているが、
この処理ではこの制限を設けない。
【0063】この結果、注目画素が候補領域P1 やP3
の内部にある場合には、図7に示すように、式(7)が
最大値を採る時のnは、そのi番目の線が候補領域P1
やP 3 の辺縁Bと交差する画素を指示する。例えば、図
7の注目画素1については画素B1,B2,B3,B4
を指示し、注目画素2については画素B2,B5,B
6,B7を指示する。
【0064】一方、注目画素が候補領域P1,P3の外
部にある場合には、式(7)が最大値を採るのは、その
注目画素自身を指示するときである。すなわち、候補領
域P 1 ,P3 の外部にある注目画素3については、注目
画素3自身を指示する場合に式(7)の値が最大とな
る。
【0065】このように、候補領域を含む正方形領域の
全画素について順次注目画素とし、式(7)が最大値を
採る画素をカウントしていく。これを図示すると図8に
示す模式図のようになる。
【0066】すなわち、候補領域P1 やP3 の外部の画
素についてのカウント値は全て「1」となり、候補領域
1 やP3 の内部の画素についてのカウント値はすべて
「0」となり、候補領域P1 やP3 の辺縁B上の画素に
ついてのカウント値は全て1以上の値となる画像が得ら
れる。このカウント値の画像をIFED画像と定義す
る。
【0067】次に、このIFED画像について以下の処
理を施して、同時生成行列を作成する。
【0068】すなわち、図9に示すように、候補領域P
1 ,P3 の重心点AOを求め、この重心点AOから放射
状の線を延ばし、この線上の任意の点をiとし、この線
に垂直であってi点から2画素分だけ離間した点をjと
する。
【0069】このi点のIFED画像におけるカウント
値とj点のカウント値とを図10に示すようなマトリク
スにカウントアップする。具体的には、i点が候補領域
1,P3 の外部にある場合は、i点のIFED画像に
おけるカウント値は「1」であり、そのときj点も候補
領域P1 ,P3 の外部にあればj点のカウント値も
「1」となり、この場合図10のマトリクスには、縦方
向iの「1」と横方向jの「1」とが交差する欄に
「1」がカウントされる。
【0070】一方、i点が候補領域P1 ,P3 の内部に
あり、かつj点も候補領域P1 ,P 3 の内部にある場合
は、i点、j点ともにカウント値は0であるので、縦方
向iの「0」と横方向jの「0」とが交差する欄に
「1」をカウントする。
【0071】さらに、i点が候補領域P1 ,P3 の辺縁
Bにあり、j点も候補領域P1 ,P 3 の辺縁Bにある場
合は、例えばi点のカウント値が「5」で、j点のカウ
ント値が「3」である場合は、縦方向iの「5」と横方
向jの「3」とが交差する欄に「1」をカウントする。
このマトリクスにカウントアップするカウント値は累積
するものである。すなわち再度、カウント値が「5」の
i点、カウント値が「3」のj点を走査した場合には、
マトリクスの縦方向iの「5」と横方向jの「3」とが
交差する欄には元の「1」に「1」を加算した「2」が
格納される。
【0072】i点は、IFED画像の任意の点であるか
ら、IFED画像の全ての画素がi点となるように放射
状の線を走査し、i点をその線上で走査することによっ
てマトリクスを完成させる。このIFED画像のマトリ
クスを同時生成行列Pg(x,y)という。
【0073】ここで、候補領域が腫瘤陰影P1 である場
合は、腫瘤陰影P1 の辺縁が略円形であるという腫瘤陰
影の形状的特性、およびi点とj点とは極めて近接して
いるという事実から、i点が辺縁にある(IFED画像
のカウント値が1以上の大きな値を有する)場合は、j
点も辺縁にある(IFED画像のカウント値が1以上の
大きな値を有する)可能性が極めて高い。
【0074】一方、候補領域が擬似異常陰影P3 である
場合は、前述の2本の血管同士の交差部分のように擬似
異常陰影P3 が円形の辺縁を有するのは極めて希である
ため、i点とj点とが近接していても、i点が辺縁にあ
るからといってj点も辺縁にあるとは限らず、むしろj
点は辺縁にある可能性は極めて低いことになる。
【0075】したがって、同時生成行列Pg(x,y)
の特性値も、候補領域が腫瘤陰影P 1 であるか擬似異常
陰影P3 であるかに応じて明らかに有為差が認められ
る。この同時生成行列の特性値がエッジ情報であり、こ
のエッジ情報を特徴量として用いる。すなわち、下記式
より、同時生成行列についての分散var を表す第5の特
徴量(13)、偏りdfe (difference entropy)を表す第
6の特徴量(14)、相関値cor (correlation )を表す
第7の特徴量(15)、モーメントidm (inversediffere
nce moment )を表す第8の特徴量(16)、エントロピ
ーse(sum entropy )を表す第9の特徴量(17)をそれ
ぞれ求める。
【0076】
【数10】 次に、マハラノビス距離を用いた評価値算出手段13a
と、階層型ニューラルネットワーク(NN)を用いた評
価値算出手段13bにより、上記第1から第9の特徴量を
用いて各手法ごとに評価値を算出する。
【0077】マハラノビス距離を用いた評価値算出手段
13aでは、下記式(1)により、予め実験的に得られて
いる正常陰影を示すパターンクラス(i=1)からのマ
ハラノビス距離Dm1と、悪性陰影を示すパターンクラス
(i=2)からのマハラノビス距離Dm2とを算出し、こ
の2種類のマハラノビス距離を用いて評価値を算出す
る。
【0078】
【数11】 特徴量算出手段12によって得られた9つの特徴量は、そ
れぞれ上記x1からx9に該当し、(x1,x2,x
3,…,x9)という9次元空間を表現する。この9次
元のパターン空間上で表現された候補領域のパターン
と、予め実験的にまたは統計的に得られた正常陰影のパ
ターンとのマハラノビス距離がDm1であり、同様に悪性
陰影のパターンとのマハラノビス距離がDm2である。
【0079】ここで正常陰影のパターン、悪性陰影のパ
ターンとは、予め多数の異常陰影候補について実験的に
調査した結果に基づいて設定された、正常陰影ごとまた
は悪性陰影ごとのベクトルxで定義されるパターン空間
を意味する。例えば、それぞれ、正常陰影とされるもの
についての上記ベクトルxの平均で形成されるパターン
クラスw1 、悪性陰影とされるものについての上記ベク
トルxの平均で形成されるパターンクラスw2 で示され
る。
【0080】ここで、候補領域が悪性陰影である場合に
は、悪性陰影のパターンクラスとのマハラノビス距離が
近く、正常陰影のパターンクラスとのマハラノビス距離
がばらつくという傾向がある(図11参照)。一方、候
補領域が正常陰影である場合には、正常陰影のパターン
クラスとのマハラノビス距離が近く、悪性陰影のパター
ンクラスとのマハラノビス距離がばらつくという傾向が
あることから、この傾向に従って悪性陰影と正常陰影と
を有為に判別し得るゆう度比を算出する。このゆう度比
がマハラノビス距離を用いた評価値算出手段13aにより
算出される評価値である。
【0081】ゆう度比とはDm1/Dm2で表現され、図11
の座標平面上における傾きを示す。すなわち、ゆう度比
が十分に大きいほど悪性陰影である可能性が高く、十分
に小さいほど正常陰影である可能性が高いと判定でき
る。
【0082】一方、NNを用いた評価値算出手段13bで
は、上記9つの特徴量をNNに入力して得られた出力値
が評価値となる(図12参照)。予め学習データによ
り、NNの出力値が1.0 に近いほど悪性陰影である可能
性が高く、0.0 に近いほど非悪性陰影である可能性が高
いと学習させることにより、出力値から悪性陰影か否か
の判定を行うことが可能となる。
【0083】判定手段13cは、評価値算出手段13a、13
bにより得られた2つの評価値の信頼度に基づき、候補
領域が悪性陰影であるか非悪性陰影であるかを判定す
る。すなわち、マハラノビス距離から算出されたゆう度
比とNNの出力値から、その各々の信頼度を考慮し複合
的な判定を行なった上で、各候補領域が悪性であるか否
かを判定する。以下に詳細を説明する。
【0084】候補領域のゆう度比Dm1/Dm2が十分に大
きいほど悪性陰影である可能性が高く、十分に小さいほ
ど正常陰影である可能性が高いことから、Dm1/Dm2≧
10.0であれば十分に悪性陰影である可能性が高く、Dm1
/Dm2≦0.1 であれば十分に正常陰影である可能性が高
いとし、両範囲を信頼区域(評価値の信頼度が高い区
域)と設定する。また、NNの出力値が1.0 に近いほど
悪性陰影である可能性が高く、0.0 に近いほど非悪性陰
影である可能性が高いことから、出力値≧0.9 であれば
十分に悪性陰影である可能性が高く、出力値≦0.1 であ
れば十分に非悪性陰影である可能性が高いとし、両範囲
を信頼区域と設定する。
【0085】候補領域のゆう度比の値が上記の信頼区域
内であれば、その値が属する信頼区域の属性(悪性また
は非悪性の別)による判定を最終判定とする。例えば、
ある候補領域に対するゆう度比が10.5であれば、十分に
悪性陰影である可能性が高い信頼区域内に位置するた
め、この候補領域は悪性陰影であると判定し、ゆう度比
が0.05であれば、十分に正常陰影である可能性が高い信
頼区域内に位置するため、この候補領域は非悪性陰影で
あると判定する。
【0086】また、ゆう度比の値が上記の信頼区域外で
あっても、NNの出力値が上記の信頼区域内であれば、
NNによる判定結果を最終判定とする。すなわち、ある
候補領域に対するNN出力値が0.95であれば、十分に悪
性陰影である可能性が高い信頼区域内に位置するため、
この候補領域は悪性陰影であると判定し、NN出力値が
0.05であれば、十分に非悪性陰影である可能性が高い信
頼区域内に位置するため、この候補領域は非悪性陰影で
あると判定する。また、ゆう度比の値およびNNの出力
値がいずれも上記の信頼区間外であった場合には、ゆう
度比の閾値を設定して判定する。例えば、ゆう度比が2
以上の時に悪性であり、2未満の時に非悪性であるとし
て閾値による判定を行い、その結果を最終判定結果とす
る。
【0087】こういった判定方法が信頼度を考慮して複
合的に判定する方法であり、その最終的な判定結果から
各候補領域が悪性陰影であるか、または非悪性陰影であ
るかを判定する。
【0088】異常陰影検出手段14は、判定手段13cによ
り非悪性陰影であると判定された候補領域を排除し、悪
性陰影であると判定された候補領域のみを最終的な異常
陰影候補として検出する。
【0089】なお、上記実施例では予め2つの判定手法
による評価値を算出してから複合判定を行って最終的な
判定結果を得たが、必ずしも最初に2つの判定手法によ
る評価値を算出する必要はなく、例えば、最初にゆう度
比を算出してゆう度比が上記の信頼区間外であった場合
にのみNNによる出力値を算出して判定を行ってもよ
い。
【0090】また、複数の判定法による複合的な判定
は、上記のように第1の判定手法から順に判定して最終
的な判定結果を得る方法の他、第1の判定手法および第
2の判定手法で各々の評価値とともに各判定手法固有の
信頼度を算出し、その信頼度に基づいて、例えば信頼度
が所定値以上のものを優先的に用いて最終的な判定結果
とする等の方法も可能である。この信頼度は、判定手法
自体の信頼度や信頼区間内外の信頼度が各判定手法によ
り異なるため、予め所定のルールを定め、そのルールに
従って決定する。
【0091】また、上記実施形態においては、異常陰影
が悪性であるか、または非悪性であるかを判定する手法
としてマハラノビス距離を用いた第1の判定手法および
NNを用いた第2の判定手法を利用したが、他に単純な
特徴量の重み付け加算値による第3の判定手法やファジ
ーを用いた重み付け関数による第4の判定手法等も利用
可能である。また、これら4種類の判定手法を種々組合
せて判定することも可能である。
【0092】なお、上記実施形態においては、異常陰影
候補として悪性陰影のみを検出する形態を例示したが、
悪性および/または良性の陰影を異常陰影候補として検
出する形態もあり得る。
【0093】なお、本実施の形態の異常陰影候補検出装
置においてはアイリスフィルタにより腫瘤陰影候補を検
出する処理について説明したが、アイリスフィルタ処理
に限らず、モフォロジーフィルタによる微小石灰化陰影
候補を検出する処理等、異常陰影を検出するいかなる方
法にも適用することもできる。すなわち、本発明におけ
る異常陰影の候補領域の検出は、上述したアイリスフィ
ルタを用いる検出方法に限らず、モフォロジーフィルタ
を用いる検出方法等種々の検出方法を使用し得る。
【0094】また、本実施の形態では9つの特徴量を用
いたが、上記9つの特徴量の組合せに限られるものでは
なく、種々の特徴量を組み合わせて利用することができ
る。
【0095】また、同時生成行列を作成する際にj点を
i点が存在する放射状の線に対して垂直で、かつi点か
ら2画素分だけ離間した点と定義したが(図9参照)、
放射状の線との交差角度、i点からの離間画素等につい
ては検出対象である腫瘤陰影の大きさ等に応じて適宜変
更できるものである。
【0096】なお、本発明はマンモグラフィCAD に限ら
れるものではなく、胸部CAD や胃がんCAD 等、様々な被
写体に対して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による異常陰影候補検出装
置の構成を示す構成図
【図2】アイリスフィルタ処理の作用を示す図
【図3】注目画素jを中心とした縦5画素×横5画素の
大きさのマスクを表す図
【図4】注目画素と各画素jにおける勾配ベクトルとが
なす角を説明する図
【図5】輪郭形状が適応的に変化するように設定された
アイリスフィルタを示す概念図
【図6】候補領域の面積Aと同等の面積を有する仮想円
を示す図
【図7】IFED画像が形成される作用を示す図
【図8】IFED画像を示す概念図
【図9】IFED画像に基づいて同時生成行列を作成す
る作用を示す図
【図10】同時生成行列を示す図
【図11】マハラノビス距離による判定を説明するため
の図
【図12】ニューラルネットワークによる判定を説明す
るための図
【符号の説明】
10 異常陰影候補検出装置 11 候補領域検出手段 12 特徴量算出手段 13 複合判定手段 13a 評価値算出手段 13b 評価値算出手段 13c 判定手段 14 異常陰影検出手段
フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 AA26 CA35 FD05 FF17 FF19 FF20 FF43 FG20 5B057 AA08 BA03 BA24 CA16 CB16 CC03 CE06 CE11 CH09 DA08 5C054 CA02 FC03 HA12 5L096 BA06 EA23 FA33 FA34 FA66 GA55 HA11 JA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の放射線画像を表す画像信号に基
    づいて該画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補
    検出方法において、 前記画像信号に基づいて、前記放射線画像中の異常陰影
    の候補領域を検出し、 該候補領域が所望の異常陰影であるか否かを複数の判定
    手法を用いて複合判定し、 前記所望の異常陰影であると判定された前記候補領域の
    みを異常陰影候補として検出することを特徴とする異常
    陰影候補検出方法。
  2. 【請求項2】 被写体の放射線画像を表す画像信号に基
    づいて該画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補
    検出方法において、 前記画像信号に基づいて、前記放射線画像中の異常陰影
    の候補領域を検出し、 該候補領域の特徴量を算出し、 該特徴量に基づいて、複数の判定手法により前記候補領
    域の評価値を各手法毎に算出し、 該評価値の信頼度に基づいて前記候補領域が所望の異常
    陰影であるか否かを複合判定し、 前記所望の異常陰影であると判定された前記候補領域の
    みを異常陰影候補として検出することを特徴とする異常
    陰影候補検出方法。
  3. 【請求項3】 被写体の放射線画像を表す画像信号に基
    づいて該画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補
    検出装置において、 前記画像信号に基づいて、前記放射線画像中の異常陰影
    の候補領域を検出する候補領域検出手段と、 該候補領域が所望の異常陰影であるか否かを複数の判定
    手法を用いて複合判定する複合判定手段と、 該複合判定手段により前記所望の異常陰影であると判定
    された前記候補領域のみを異常陰影候補として検出する
    異常陰影候補検出手段とを備えたことを特徴とする異常
    陰影候補検出装置。
  4. 【請求項4】 前記候補領域の特徴量を算出する特徴量
    算出手段をさらに備え、 前記複合判定手段が、前記特徴量に基づいて前記候補領
    域の評価値を各手法毎に算出し、該評価値の信頼度に基
    づいて前記候補領域が所望の異常陰影であるか否かを複
    合判定することを特徴とする請求項3記載の異常陰影候
    補検出装置。
  5. 【請求項5】 前記複数の判定手法のうちの1つが、マ
    ハラノビス距離に基づく判定手法であることを特徴とす
    る請求項3または4記載の異常陰影候補検出装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の判定手法のうちの1つが、ニ
    ューラルネットワークに基づく判定手法であることを特
    徴とする請求項3または4記載の異常陰影候補検出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記複数の判定手法が、マハラノビス距
    離に基づく判定手法とニューラルネットワークに基づく
    判定手法との組合せであることを特徴とする請求項3ま
    たは4記載の異常陰影候補検出装置。
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