JP2002329464A - ガラスパネルのチップ管と排気ヘッドとの接続方法およびその真空排気装置 - Google Patents

ガラスパネルのチップ管と排気ヘッドとの接続方法およびその真空排気装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ヘッドのチップ管装着部内に外部の塵埃
が進入し、シール部材に付着することを防止する。 【解決手段】 ガラスパネル1のチップ管2を排気ヘッ
ド3のチップ管装着部8内でシール部材12aにより気
密に保持することでガラスパネル1のチップ管2と排気
ヘッド3とを接続する方法において、前記排気ヘッド3
のチップ管装着部8の挿入開口8aからパージガスを流
出させながら前記チップ管2をチップ管装着部8内に装
着した後、前記シール部材12aによりチップ管2を気
密に保持する。そして、シール部材12aによってチッ
プ管2を気密に保持すると、パージガスの導入を停止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラスパネルのチ
ップ管と排気ヘッドとの接続方法およびその真空排気装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイパネル(以下、P
DPという)等のガラスパネルの製造工程には、一対の
ガラス基板の対向周縁部およびガラス製チップ管(排気
管)を封着する工程、封着されたガラスパネル内部を排
気する工程、内部へ放電ガスを充填する工程、および、
ガラス製チップ管(排気管)を封止して切断する工程と
がある。
【0003】前記排気工程を実行する真空排気装置は、
図7に示すように、ガラスパネル1のチップ管2に接続
する排気ヘッド3と、ガラスパネル1内部を真空排気す
る真空排気機構Aとからなる。
【0004】前記排気ヘッド3は、図8に示すように、
大略、ヘッド本体6とシール機構12と冷却機構14と
蓋5とを備え、ベース板4に固定するもので、周知の封
着・排気炉あるいは排気炉(以下、総称して炉という)
の炉内に設置される。
【0005】前記ヘッド本体6は、内部に排気路7と、
この排気路7に連通するチップ管装着部8とが形成され
るとともに、前記排気路7には真空排気管9の接続部1
0が形成され、また、前記チップ管装着部8にはシール
部材配設段部11が形成されている。
【0006】前記シール機構12は、チップ管装着部8
内に装着したチップ管2の周囲を気密に保持するもの
で、バイトンなどのゴム等の中空環状の弾性材からなる
シール部材12aと、このシール部材12aの中空内に
高圧空気を供給する高圧空気供給管13とからなり、こ
の高圧空気供給管13からシール部材12aの内部空間
に高圧空気を供給することにより、シール部材12aを
チップ管2の周囲に圧着させる。
【0007】前記冷却機構14は、炉内の熱から前記ヘ
ッド本体6を保護するもので、このヘッド本体6の周囲
に配設された中空環状構造体14aと、この中空環状構
造体14a内に冷却水の給水を行なう冷却水供給管15
と、中空環状構造体14a内から冷却水の排水を行う冷
却水排出管16とからなる。
【0008】なお、前記排気ヘッド3が炉外に設置され
る場合、前記冷却機構14は備えていなくても良い。ま
た、この図8は、高圧空気供給管13から高圧空気が供
給され、シール部材12aでチップ管2の外周を気密に
保持している状態である。
【0009】前記真空排気機構Aは、ガラスパネル1内
を粗引きするロータリーポンプ17と、ガラスパネル1
内を高真空引きをするターボ分子ポンプ18とからな
る。そして、前記ロータリーポンプ17が粗引き弁19
を介して前記排気ヘッド3に接続した真空排気管9に接
続され、前記ターボ分子ポンプ18が主排気弁20を介
して真空排気管9に接続されている。また、ロータリー
ポンプ17とターボ分子ポンプ18とは、ターボ分子ポ
ンプ18を排気するためのフォアーライン弁21を介し
て接続されている。
【0010】次に、チップ管2と排気ヘッド3との接続
方法を説明する。ガラス基板の封着とチップ管2の封着
を行う封着処理とガラスパネル1内の排気処理が別々に
行われる場合には、チップ管2は、例えばフリットシー
ル22によってガラスパネル1に固定された状態で、前
記排気ヘッド3のチップ管装着部8に装着される。一
方、チップ管2の封着処理とガラスパネル1内の排気処
理が連続して処理される場合には、チップ管2は、クリ
ップ等の治具によりシールフリットを介してガラス基板
に固定された状態で、前記排気ヘッド3のチップ管装着
部8に装着される。
【0011】前記チップ管装着部8にチップ管2が装着
されると、高圧空気供給管13から高圧空気がシール部
材12aの中空内に供給され、前記シール部材12aが
膨張してチップ管2の外周を気密に保持する。
【0012】次に、ガラスパネル1内を真空状態に排気
する工程を説明する。この排気工程では、まず、ロータ
リーポンプ17を駆動した後、粗引き弁19を開いてガ
ラスパネル1内を粗引きする。その後、粗引き弁19を
閉じ、フォアーライン弁21を開いた後、主排気弁20
を開いてガラスパネル1内を高真空引きする。なお、こ
の状態では、ターボ分子ポンプ18は既に駆動されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記排
気ヘッド3によるガラスパネル1のチップ管2の接続方
法では、図9に示すように、チップ管装着部8の挿入開
口8aから外部の塵埃が進入し、その塵埃がシール部材
12aの表面に付着するという問題がある。そして、こ
のシール部材12aの表面にに塵埃が付着した場合、前
記ガラスパネル1のチップ管2とシール部材12aとの
密着性が大きく悪化し、チップ管2の外周を気密にシー
ルすることができなくなる。
【0014】この問題を解決するには、チップ管2をチ
ップ管装着部8に装着する前に、毎回、シール部材12
aを点検し、清掃すればよいが、その作業は極めて煩雑
であるため、現実には実施されないのが実状である。そ
のため、実際に排気処理を実施して始めて問題があるこ
とが判る。
【0015】そこで、本発明では、排気ヘッドのチップ
管装着部内に外部の塵埃が進入し、シール部材に付着す
ることを防止することを課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明のガラスパネルのチップ管と排気ヘッドの接
続方法は、ガラスパネルのチップ管を排気ヘッドのチッ
プ管装着部内でシール部材により気密に保持することで
ガラスパネルのチップ管と排気ヘッドとを接続する方法
において、前記排気ヘッドのチップ管装着部の挿入開口
からパージガスを流出させながら前記チップ管をチップ
管装着部内に装着した後、前記シール部材によりチップ
管を気密に保持するようにしている。
【0017】また、この接続方法に適用する真空排気装
置は、ガラスパネルのチップ管を装着するチップ管装着
部、排気路および前記チップ管を気密に保持するシール
部材を有する排気ヘッドと、この排気ヘッドの排気路に
連通する真空排気管を介して接続した真空排気機構とを
備えた真空排気装置において、前記真空排気管に、開閉
弁を備えたパージガス導入管を接続した構成としてい
る。
【0018】前記真空排気装置では、前記排気ヘッドの
蓋に、吸引ファンを接続した吸引蓋を配設することが好
ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。図1は、本発明のガラスパネル1の
チップ管2と排気ヘッド3との接続方法を適用した第1
実施形態の真空排気装置を示す。この真空排気装置は、
大略、排気ヘッド3と真空排気機構Aとパージガス供給
機構Bとからなる。なお、この第1実施形態の排気ヘッ
ド3および真空排気機構Aは、従来と同一であるため、
同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0020】前記パージガス供給機構Bはエアコンプレ
ッサ等からなり、パージガス導入管23は、前記排気ヘ
ッド3の排気路7に接続した真空排気管9に接続されて
いる。このパージガス導入管23には、開閉弁24が設
けられている。
【0021】次に、第1実施形態の真空排気装置の動作
について説明する。図2に示すように、まず、ガラスパ
ネル1のチップ管2が排気ヘッド3のチップ管装着部8
に装着される前に、開閉弁24を開状態とし、真空排気
管9内にパージガスを供給する。なお、本実施形態で
は、供給するパージガスは空気であるが、必ずしも空気
である必要はなく、例えば、窒素ガスでも良い。また、
この時には、シール部材12aには高圧空気は導入され
ていない。さらに、真空排気機構Aの粗引き弁19およ
び主排気弁20は閉状態とされている。
【0022】前記真空排気管9内に導入されたパージガ
スは、チップ管装着部8の挿入開口8aへ向けて流れ、
この挿入開口8aから外部に排気される。
【0023】次に、ガラス基板1a,1bの封着とチッ
プ管2の封着工程およびガラスパネル1内の排気を行う
排気工程に移行し、図1に示すように、このガラスパネ
ル1のチップ管2を排気ヘッド3のチップ管装着部8に
装着する。その後、シール部材12aに高圧空気を導入
し、このシール部材12aの内周部でチップ管2の外周
を気密にシールする。なお、前記パージガスの供給は、
このシール部材12aでチップ管2の外周を気密に保持
するまで行われ、その保持が完了した直後に開閉弁24
を閉じる。
【0024】ここで、チップ管装着部8内に塵埃が入り
込み易いのは、特に、チップ管2をチップ管装着部8に
装着する時であるが、本実施形態では、パージガスを挿
入開口8aから外部に噴出させているため、チップ管装
着部8の挿入開口8aから外部の塵埃が進入することを
防止できる。また、前記チップ管装着部8へチップ管2
を装着していくと、チップ管装着部8内においてチップ
管2によりパージガスが流通可能な空間が狭くなり、こ
の空間を流通するパージガスの流速は早くなる。その結
果、チップ管装着部8内に塵埃が進入し、その塵埃がシ
ール部材12aの表面に付着していてもその塵埃をシー
ル部材12aから除去して外部に排出することができ
る。よって、本実施形態の接続方法では、シール部材1
2aを常に清浄な状態に維持することが可能であり、シ
ール部材12aとチップ管2との密着性を悪化させるこ
とが無い。
【0025】そして、ガラスパネル1のチップ管2と排
気ヘッド3とを接続した後は、従来と同様に、約450
℃に加熱してガラス基板1a,1bおよびチップ管2を
封着する。その後、排気工程に移行し、真空排気機構A
により排気ヘッド3およびチップ管2を介してガラスパ
ネル1内を10−4〜10−7Torrまで真空排気し
た後、真空排気機構Aから放電ガス供給機構に切り換
え、排気ヘッド3およびチップ管2を介してガラスパネ
ル1内に所定の放電ガスを規定圧力まで封入する。そし
て、前記放電ガスの封入が完了すると、バーナ等により
チップ管2を封止し、その後溶断する。
【0026】図3は、本発明の第2実施形態の真空排気
装置を示す。この真空排気装置では、前記排気ヘッド3
の蓋5に、吸引ファン27を接続して吸引機能を具備さ
せた吸引蓋25を設けた点でのみ第1実施形態と相違す
る。
【0027】具体的には、前記吸引蓋25は、下端開口
の箱形状をなし、その側部に排気管26が接続され、こ
の排気管26に吸引ファン27が接続されている。ま
た、この吸引蓋25には、ヘッド本体6の挿入開口8a
に対応する位置にチップ管2の挿入開口28が設けられ
ている。
【0028】この第2実施形態では、パージガス供給機
構Bによって真空排気管9内にパージガスを供給してい
る間は、前記吸引ファン27を一緒に駆動させる。これ
により、排気ヘッド3の挿入開口8aから噴出したパー
ジガスは、排気管26を介して炉外に常に排出される。
【0029】したがって、チップ管装着部8の廻りに付
着していた塵埃や、フリットシール22自体、そして、
その周辺に付着している塵埃を排気ヘッド3の周囲に撒
き散らすことを防止できる。
【0030】図4は、第3実施形態の真空排気装置を示
す。この真空排気装置では、前記排気ヘッド3の蓋5’
からパージガスを供給するようにした点で第1実施形態
と相違する。
【0031】前記蓋5’には、外周部からチップ管装着
部8に半径方向に貫通した一対のガス導入路29が設け
られている。これらガス導入路29の先端部は、挿入開
口8aに向けて傾斜されている。また、これらガス導入
路29には、パージガス供給機構B’に接続したパージ
ガス導入管23’が直接接続されている。即ち、本実施
形態では、チップ管装着部8の挿入開口8aに向けて、
常にパージガスを供給する構成としている。
【0032】この第3実施形態では、ガス導入路29が
挿入開口8aとシール部材12aとの間に位置している
ため、チップ管2を気密に保持した状態でもパージガス
を供給することが可能である。その結果、常に排気ヘッ
ド3の挿入開口8aの周辺に付着する塵埃を除去できる
とともに、付着を防止できる。
【0033】図5は、第4実施形態の真空排気装置を示
す。この真空排気装置では、前記第3実施形態におい
て、蓋5’に第2実施形態と同様の吸引蓋25を配設し
た点でのみ第3実施形態と相違する。
【0034】この第4実施形態では、前記第3実施形態
のようにチップ管装着部8の挿入開口8aに向けて常に
パージガスを供給できるとともに、第2実施形態と同様
に、そのパージガスを炉外に常に排出できる。そのた
め、これらの実施形態の作用、効果を併せ持った構成と
することができる。
【0035】なお、本発明のガラスパネル1のチップ管
2と排気ヘッド3との接続方法を適用した真空排気装置
は、前記実施形態の構成に限定されるものではない。例
えば、前記第3実施形態および第4実施形態の構成で
は、チップ管装着部8内に常にパージガスを供給してい
るにも拘わらず、何らかの原因でシール部材12aに塵
埃が付着すると、その塵埃は除去できない。そのため、
図6に示すように、第1実施形態の構成と第4実施形態
の構成を組み合わせた構成とし、第1のパージガス供給
機構Bはチップ管2を気密に保持していない状態でのみ
動作させ、第2のパージガス供給機構B’は常に動作さ
せてもよい。さらに、シール機構12は、Oリング方式
であってもよい。
【0036】また、前記実施形態では、封着・排気処理
であるが排気処理であってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のガラスパネルのチップ管と排気ヘッドとの接続方法で
は、排気ヘッドの挿入開口からパージガスを噴出させな
がらチップ管をシール部材によって気密に保持するた
め、チップ管装着部内に塵埃が流入することを防止でき
る。したがって、シール部材を常に清浄な状態に維持す
ることが可能であり、シール部材とチップ管との密着性
能を悪化させることが無い。
【0038】また、前記方法を適用した真空排気装置で
は、真空排気管内にパージガスを供給することにより、
何らかの原因でシール部材に塵埃が付着してもその塵埃
を除去することができる。また、排気ヘッドの蓋に、吸
引ファンを接続した吸引蓋を配設することにより、チッ
プ管装着部に流入しようとする塵埃を排気ヘッドの周辺
に撒き散らすことを防止できる。そのため、排気ヘッド
の周辺をも常に清浄に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の真空排気装置を示す
断面図である。
【図2】 図1においてガラスパネルの装着前の状態を
示す断面図である。
【図3】 第2実施形態の真空排気装置を示す断面図で
ある。
【図4】 第3実施形態の真空排気装置を示す断面図で
ある。
【図5】 第4実施形態の真空排気装置を示す断面図で
ある。
【図6】 真空排気装置の変形例を示す断面図である。
【図7】 従来の真空排気装置の断面図である。
【図8】 従来の排気ヘッドの断面図である。
【図9】 図8においてガラスパネルの装着前の状態を
示す断面図である。
【符号の説明】 1…ガラスパネル、2…チップ管、3…排気ヘッド、7
…排気路、8…チップ管装着部、8a…挿入開口、9…
真空排気管、12…シール機構、12a…シール部材、
14…冷却機構、22…フリットシール、23,23’
…パージガス導入管、24…開閉弁、25…吸引蓋、A
…真空排気機構、B,B’…パージガス供給機構。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスパネルのチップ管を排気ヘッドの
    チップ管装着部内でシール部材により気密に保持するこ
    とでガラスパネルのチップ管と排気ヘッドとを接続する
    方法において、 前記排気ヘッドのチップ管装着部の挿入開口からパージ
    ガスを流出させながら前記チップ管をチップ管装着部内
    に装着した後、前記シール部材によりチップ管を気密に
    保持することを特徴とするガラスパネルのチップ管と排
    気ヘッドとの接続方法。
  2. 【請求項2】 ガラスパネルのチップ管を装着するチッ
    プ管装着部、排気路および前記チップ管を気密に保持す
    るシール部材を有する排気ヘッドと、この排気ヘッドの
    排気路に連通する真空排気管を介して接続した真空排気
    機構とを備えた真空排気装置において、 前記真空排気管に、開閉弁を備えたパージガス導入管を
    接続したことを特徴とする真空排気装置。
  3. 【請求項3】 前記排気ヘッドの蓋に、吸引ファンを接
    続した吸引蓋を配設したことを特徴とする請求項2に記
    載の真空排気装置。
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JP2005264938A (ja) * 2004-03-15 2005-09-29 Varian Spa 真空ポンプシステム
KR101319768B1 (ko) * 2009-08-20 2013-10-17 쥬가이로 고교 가부시키가이샤 진공 배기 헤드

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