JP2002327001A - 糖類、粒子、化合物、細胞接着因子の選択的吸着方法、及び癌転移抑制方法 - Google Patents

糖類、粒子、化合物、細胞接着因子の選択的吸着方法、及び癌転移抑制方法

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JP2002327001A JP2001132753A JP2001132753A JP2002327001A JP 2002327001 A JP2002327001 A JP 2002327001A JP 2001132753 A JP2001132753 A JP 2001132753A JP 2001132753 A JP2001132753 A JP 2001132753A JP 2002327001 A JP2002327001 A JP 2002327001A
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Takashi Komai
喬 駒井
Keiichi Miyamoto
啓一 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自己免疫疾患の原因物質とされる細胞性フィブ
ロネクチン(EDA(+)FN)の患者の体内からの除
去において、より選択性の高いEDA(+)FN親和性
物質の提供、および癌細胞の転移を抑制する化合物及び
方法の提供。 【解決手段】ジェランなどのグルコースとグルクロン酸
とラムノースの存在比が2モル:1モル:1モルの多糖
を硫酸エステル化し、グルコースの6位、ラムノースの
2位および3位の水酸基が硫酸エステル化され、且つそ
の他の水酸基少なくとも1個が未修飾である糖類とす
る。該糖類を不溶性粒子化、または不溶性担体に固定化
した化合物を用いてEDA(+)FNを吸着除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は硫酸化された糖類、
及びそれを不溶化した粒子、及び硫酸化された糖類を固
定化した化合物、細胞接着因子の吸着方法、及び癌細胞
転移抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】慢性関節リュウマチ、全身性エリトマト
−デス、強直性脊髄炎等の自己免疫疾患疾患の治療には
ノセ(アーテフィシャル オルガン(Artif.Org) 4,20
5-2071980)らの考案したクリオフィルトレーション治
療法が行われており、その治療効果が報告されている。
その後、クリオゲルの性質について研究が進みその主成
分が細胞性フィブロネクチン(EDA(+)FN)、フィブリノ
ーゲン(FbN)、ヘパリンであることが判明した(梅本
他 ブラッド、コアギュレーション、フィブリノリシス
(Blood,Coagul.Fibrinolysis). 4,127-131 1993)。E
DA(+)FNは血漿性フィブロネクチン(pFN)とほとん
ど同じ構造であるが、エクストラドメインA(EDA)、エ
クストラドメインB(EDB)、IIICSと言われる領域が追
加されている事が特徴である。
【0003】とくにEDA(+)FNは慢性関節リュウマチなど
の自己免疫疾患の患者に適応されるクリオフィルトレー
ション療法で除去されるクリオプレシピテーションの原
因物質であると言われている。(駒井喬、清水智研、宮
下警一、宮本啓一、鴇田昌之、小林直之、坂下栄治 人
口臓器26(1)pp195−199(1997))健
常人の血漿中には通常血漿性フィブロネクチン(pFN)
が存在しており、EDA(+)FNは非常に少ない物質である、
しかし自己免疫疾患の患者の血漿中には多く存在してお
り、病因物質であると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしクリオフィルト
レーション治療法は血球−血漿分離、血漿冷却、クリオ
ゲル分離、血漿加熱の複数の工程が必要であった。また
血漿の冷却によってできるクリオゲルは病因物質のみな
らず、正常成分の他の物質も同時に沈殿するため、クリ
オゲルを分離除去すると体内よりアルブミンなどの正常
成分が多量に除かれてしまう欠点があった。そのため、
治療後アルブミン製剤の人体への供給が必要であった。
【0005】また、上記の知見よりヘパリン固定化粒子
を用いた、EDA(+)FNの除去剤が開発された(特許第27
96645号)が、自己免疫疾患には関与しないと考え
られる正常な成分である血液凝固阻害タンパク質である
ATIIIも同時に吸着してしまい、血漿中の血液凝固系の
バランスを崩す欠点があった。また、ヘパリン固定化粒
子を用いた方法によれば、フィブロネクチンを除去でき
るが、血漿性フィブロネクチン、ATIIIなども同時に除
去され、EDA(+)FNの選択除去はできなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、上
記欠点を解決するために鋭意研究を行った。その結果、
グルコースとグルクロン酸とラムノースの存在比が2モ
ル:1モル:1モルで、グルコースの6位、ラムノース
の2位および3位の水酸基が硫酸エステル化され、且つ
その他の水酸基は少なくとも1個が未修飾である糖類で
あれば、EDA(+)FNを選択的に吸着することを見
出した。該糖類はまた、EDA(+)FNの除去と同時
に癌の転移を抑制することを見出した。即ち、本発明
は、体内からEDA(+)FNの除去、及び癌の転移を
抑制する化合物および方法を提供することを目的とす
る。
【0007】本発明は下記の構成を有する。 (1)グルコースとグルクロン酸とラムノースの存在比
が2モル:1モル:1モルで、グルコースの6位、ラム
ノースの2位および3位の水酸基が硫酸エステル化さ
れ、且つその他の水酸基は少なくとも1個が未修飾であ
る糖類。
【0008】(2)グルコースの6位が70%以上硫酸
化され、ラムノースの2位および3位の水酸基が50%
以上硫酸エステル化された前記第1項記載の糖類。
【0009】(3)下記式1で示される繰り返し単位を
有する糖類。 式1 (RはOH、あるいはOSO3Hであり、少なくとも1ヶ所はOH
基である。)
【0010】(4)ジェランを硫酸化することにより得
られる前記第1〜3のいずれか1項記載の糖類。
【0011】(5)前記第1〜4のいずれか1項記載の
糖類を不溶化させてなる粒子。
【0012】(6)前記第1〜4のいずれか1項記載の
糖類を不溶性担体に固定化してなる化合物。
【0013】(7)不溶性担体の形状が球状粒子である
前記第6項記載の化合物
【0014】(8)0.9以上の真球度を有する前記第7
項記載の化合物。
【0015】(9)不溶性担体が球状セルロース粒子で
ある前記第7記載の化合物。
【0016】(10)50〜3000μmの範囲の平均粒径を
有する前記第7〜9のいずれか1項記載の化合物。
【0017】(11)50万〜500万の範囲の排除限界分
子量を有する前記9または10記載の化合物。
【0018】(12)80万〜300万の範囲の排除限界分
子量を有する前記9または10記載の化合物。
【0019】(13)不溶性担体の形状が中空糸である
前記第6項記載の化合物。
【0020】(14)不溶性担体の形状が膜である前記
第6項記載の化合物。
【0021】(15)前記第5項記載の粒子、または前
記第6〜14のいずれか1項記載の化合物を用いた細胞
接着因子の選択的吸着方法。
【0022】(16)細胞接着因子が細胞性フィブロネ
クチンである前記第15項記載の細胞接着因子の選択的
吸着方法。
【0023】(17)前記第5項記載の粒子、または前
記第6〜14のいずれか1項記載の化合物を用いた癌細
胞転移抑制方法。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本願第1の発明はグルコースとグルクロン酸とラムノー
スの存在比が2モル:1モル:1モルで、グルコースの
6位、ラムノース2位および3位の水酸基が硫酸エステ
ル化され、且つその他の水酸基は少なくとも1個が未修
飾である糖類である。具体的には構造式1の繰り返し構
造を含む糖類が挙げられる。
【0025】前記式1の両末端の基は特に限定されない
が、具体的には、H、OHなどが挙げられる。式1で示さ
れる繰り返し単位の繰り返し数は50〜100の範囲が
好ましい。また、本発明の糖類は化学合成されたもので
あっても、微生物の発酵産物であっても構わない。
【0026】本発明の糖類の基本骨格を有するものとし
て、シュードモナス エロデア(Pseudomonas elodea
が生産する多糖類を脱アセチル処理後精製したジェラン
(gellan CAS 71010-52-1)が挙げられる。ジェランは
グルコース、ラムノース、ウロン酸が主成分である多糖
類で、安価に大量に入手することが可能であるから、本
発明に好ましく使用する事ができる。本発明に用いるジ
ェランは分子量(MW)646以上のものであることが好
ましい。
【0027】また、微生物が発酵する糖類で、ジェラン
と類似の構造をもつ物として、アルカリジェン(Alcali
genes)族の生産するウェラン(welan)(米国特許4,
342,866号)、またはラムサン(rhamsan)(米
国特許4,401,760号)が挙げられる。
【0028】本発明の糖類の硫酸化方法は通常知られて
いる方法が利用できる。例えば、カミデ ケンジ等(ポ
リマー ジャーナル(Polymer Journal) Vol.15,No 4
pp309-321)の方法のように、ジメチルホルムアミド(D
MF)中で、DMF-SO3複合体を作用させる事で調製でき
る。また同様な方法としてジオキサン‐SO3複合体、ト
リメチルアミン‐SO複合体、ピリジン‐SO複合体な
どの無水硫酸複合体を作用させる方法が適応可能であ
る。
【0029】本願第2の発明は、本願第1の発明である
糖類を不溶化させてなる粒子である。不溶化、及び粒子
化の方法は従来既知の方法を使用することができる。例
えば、不活性の分散媒中に本願第1の発明である硫酸化
糖類の水溶液、および架橋剤を添加し、撹拌しながら懸
濁重合させることにより、硫酸化糖類を不溶性粒子化す
る事ができる。
【0030】本発明に用いる架橋剤としては、ヘキサメ
チレンイソシアネート等の2官能性試薬、ジグリシジル
エーテル等のジエポキシ、一端がハロゲン化されたエピ
クロロヒドリン等を挙げることができる。その中でもエ
ポキシ化合物は容易に開環し、安価であることから好ま
しい架橋剤であり、エポキシ化合物の中でも、エピクロ
ロヒドリンは本発明により好ましく使用することができ
る。
【0031】本願第3の発明は、本願第1の発明である
糖類を不溶性担体に固定化した化合物である。本発明に
おいて不溶性担体とは、担体を構成する成分が非水溶
性、あるいは水溶性の物質を架橋反応などの処理を行う
ことにより不溶性とした物質からなる担体で、具体的に
は、架橋アガロース、セルロース、およびポリアクリル
アミドなどを挙げることができる。
【0032】また、本発明に使用する不溶性担体の形状
は、球状粒子、中空糸、膜など、特に限定されるもので
はないが、その中でも球状粒子である場合には、製造、
取り扱いが容易であり、担体あたりに結合するリガンド
量も多く、本発明に好ましく使用することができる。
【0033】中空糸状の担体とは内部に連続または不連
続の空洞を持つ繊維状の担体を示すもので、紡糸液に発
泡剤を添加、または特殊な口金などを用いて内部に空洞
を形成させたものである。膜状の担体とは市販のメンブ
ランフィルターのように平板状で多孔を有し、一定の範
囲の排除限界分子量を持つもののことである。
【0034】本発明の化合物は、真球度が高いものであ
ることが好ましい。真球度が高いとカラム等に充填した
場合、均一に充填することが容易である。
【0035】本発明で云うところの真球度とは、粒子の
最短径(短径)と最長径(長径)との比(短径/長径)
であり、この値が1.0に近づくほど真球度が高いこと
を示す。本発明の化合物の真球度は、0.9以上である
ことが好ましく、より好ましくは0.95以上である。
【0036】形状が球状粒子である不溶性担体の中で
も、球状セルロース粒子は、安価で生体適合性が高く、
強度も大きく、カラム耐圧性が良好で、さらにオートク
レーブも可能なことから、本発明に好ましく使用するこ
とができる。
【0037】本発明の化合物のうち、不溶性担体として
球状セルロースを用いた場合の該化合物の平均粒子径
は、カラム充填時の取り扱いやすさの点から50〜30
00μmであることが好ましい。より好ましくは200
〜500μmである。該化合物の平均粒子径がこの範囲
であればカラム内の液の流れをより安定化できる。
【0038】また、該化合物の排除限界分子量(ポリエ
チレンオキサイドを標準物質として測定)は、50万〜
500万であることが好ましく、より好ましくは80万
〜300万である。ポリエチレンオキサイドによる排除
限界分子量がこの範囲であればカラム内における血液成
分の物理的な付着などの問題を抑制できる。
【0039】多孔性の不溶性担体の製造方法は特に限定
されるものではないが、球状セルロース粒子の場合を例
に説明する。例えば、特開昭53−86749号記載の
ように、セルロース酢酸エステルを有機溶媒中に溶解
し、この溶液を水性媒体中に懸濁させることによってセ
ルロース酢酸エステルを球状化し、次いで有機溶媒を蒸
発させてセルロースエステル粒子を得、これをケン化後
セルロース粒子とすることによって、本発明に好まし
い、多孔性球状セルロース粒子を得ることができる。
【0040】本発明の糖類の不溶性担体への固定化方法
は、例えば「実験と応用アフィニティークロマトグラフ
ィー」(千畑一郎、土佐哲也、松尾雄志著、講談社サイ
エンティフィック,pp71〜76)に示された、エポ
キシ活性化担体と該糖類の水酸基をエーテル結合で固定
化する方法が挙げられる。
【0041】あるいは、「セルロファインアフィニティ
ークロマトグラフィー(カタログ)」(チッソ株式会
社,PP4)に示された、アミノ基を有する単体に該糖類
の還元末端を還元的アミノ化反応で固定化する方法も挙
げられる。また同じくアミノ基を有する担体へ本発明の
該糖類のカルボキシル基をカルボジイミド類などの縮合
剤を用いてアミド結合で固定化する方法も可能である。
【0042】本発明の糖類が不溶性担体に固定化された
化合物は、次に示す方法によっても製造可能である。上
記の固定化方法を用いて、硫酸化される前の糖類を固定
化しておき、固定化の後に前述した硫酸化方法によって
本発明の糖類としても良い。
【0043】本願第4の発明は、本発明の糖類を不溶性
担体に固定化した化合物を用いた細胞接着因子の選択吸
着方法である。本発明の細胞接着因子として、具体的に
は細胞性フィブロネクチンを挙げることができる。本発
明の糖類を固定化した化合物であれば、EDA(+)FNを選択
的に吸着させ溶出させることが可能である。具体的な吸
着方法の形態は、特に限定されるものではないが、本発
明の化合物をカラムに充填し、体外循環治療装置のオン
ライン回路中に組み込まれて行う形態であることが好ま
しい。
【0044】より具体的には、患者の体内から取り出さ
れ、抗凝固剤としてヘパリンを加えられた血液、或いは
血球と分離された血漿成分が、体外循環装置のEDA
(+)FNを取り除くカラムを通り、EDA(+)FNが
取り除かれた状態の血液を患者の体内に戻す形態である
ことが好ましい。吸着後、溶出、回収されたEDA(+)FN
は、研究用の試薬として使用可能である。また、細胞を
接着させるため、創傷の治療剤の成分、細胞培養に有効
に用いることができる。
【0045】本願第5の発明は、本願第2の発明の粒子
および第3の発明の化合物を用いた癌細胞転移抑制方法
である。EDA(+)FNは細胞が表面に接着したり、増殖する
際には不可欠な物質である。また、癌細胞が転移する際
の足がかりとなっている。そのため、EDA(+)FNを血
液中から除去することは癌の転移防止になる。本発明の
硫酸化糖固定化担体を使用すれば、前述したようにEDA
(+)FNを高選択的に吸着除去するため、癌転移抑制の目
的に好ましく使用可能である。
【0046】また、血管新生を誘導し、癌や慢性関節リ
ウマチなど種々の疾患の発症、悪化に関連されていると
される血管内皮増殖因子(VEGF)はヘパリン結合性
増殖因子であり、本願第1の発明の糖類との親和性を有
しており、VEGFをEDA(+)FN同様に本願第2の発明の
粒子および第3の発明の化合物で吸着することにより、
癌をはじめとする疾患の悪化を抑制することができる。
【0047】
【実施例】以下、本発明について実施例及び比較例を用
いて詳細の説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものでは無い。 1.化合物の調製 実施例1 ジメチルホルムアミド(DMF)100gにジェランガム
(和光純薬製)を1g加え30℃で1時間膨潤させ、次
いでクロルスルホン酸1.7gを加え20分間70℃に
保ち攪拌した。その後50℃で5時間攪拌した後、2M
のNaOHで中和した。この反応液にアセトンを沈殿物が生
成するまで添加して、沈殿物を回収しこの沈殿物を水に
溶解後、純水で透析した。透析後、凍結乾燥して硫酸化
ジェラン(GS)を得た。このものを元素分析した結果S
含有量はおよそ25%であった。
【0048】上記方法で得られた硫酸化ジェラン(GS)
50mgを40%エタノール水溶液20mlに溶解し
た。そこにアミノセルロファイン(チッソ株式会社製)
7.5mlを加え攪拌し分散させ、N−エトキシカルボ
ニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(N-Et
hoxycarbonyl-2-ethoxy-1,2-dihydroquinoline)(EED
Q)(和光純薬製)を100mg添加し30℃で72時
間攪拌した。反応後ゲルを40%エタノール水溶液で洗
浄した後、純水20mlに分散させた。そこに、無水酢
酸1gを加えて、残存するアミノ基をブロックした。反
応後、純水で洗浄しGS固定化化合物を得た。元素分析の
結果より担体1g当たりおよそ75μmolのS含量であっ
た。
【0049】比較例1 硫酸化ジェランの替わりに、ヘパリン(サイエンティフ
ィック プロテインラボラトリーズ(SCIENTIFIC PROTE
IN LABORATORIES, INC製))50mgを使用して実施例
2の方法に従って、ヘパリン固定化化合物を得た。元素
分析の結果より化合物1gあたり28μmolのS含量であっ
た。
【0050】2.粒子の調製 実施例2 流動パラフィン(ナカライテスク(株)製、試薬1級)
1000ml中に、硫酸化ジェランアルカリ水溶液30
mlを添加・撹拌し、液滴を形成させたのち、エピクロ
ロヒドリン(ナカライテスク(株)製、試薬特級)5g
を添加し、50℃で16時間撹拌して不溶性の球状粒子
を得た。
【0051】3.硫酸エステル化状況の確認 実施例3 実施例1のGSを0.2Mトリフルオロ酢酸中80℃で部
分加水分解したのち2MのNaOHで中和した。この反応液
にアセトンを沈殿が生成するまで添加して、沈殿を回収
し水に溶解後、純水で透析した。透析後、凍結乾燥し低
分子化GSを得た。このものについてNMR分析を行った結
果、グルコースの6位とラムノースの2位、3位が硫酸
エステルとなっている事を確認した。
【0052】4.EDA(+)FNの吸着試験 実施例4 クエン酸採血正常血漿に精製EDA(+)FNを1.2μ
g/mlの濃度で添加し、塩化カルシウム(10mM)、
及びフサン(鳥居薬品工業)を10μg/mlの濃度で添
加した後、ヘパリンを3unit/mlの濃度で添加し、吸
着試験用の血漿を得た。実施例1と比較例1で調製した
GS固定化化合物及びヘパリン固定化化合物をそれぞれ0.
5mlずつを試験用血漿6.25ml中に添加し、30℃で4時
間インキュベートした。その後試験液を25℃、2000rpm
で5分間遠心分離し、化合物と上清を分離した。その
後、上清中の各蛋白濃度(pFN、EDA(+)FN、ATIII)を
測定し、次式より吸着率を測定した。 吸着率(%)=((初期濃度−上清濃度)/初期濃度)
×100 その結果、ヘパリン固定化化合物はpFNの吸着率が1
1%、EDA(+)FNの吸着率が75%、ATIIIの吸
着率が73%であった。またGS固定化化合物の場合、
pFNの吸着率が7.7%、EDA(+)FNの吸着率
が66%、ATIIIの吸着率が6.9%であり、ヘパリ
ン固定化化合物と比較して特にATIIIの吸着が抑えら
れていた。
【0053】
【発明の効果】本発明の糖類はEDA(+)FNを選択
的に吸着する事が可能である。また該糖類を不溶化した
粒子、または該糖類を不溶性担体に固定した化合物を用
いることにより、ATIIIなどの血中の他の有用成分の吸
着を抑えてEDA(+)FNをより選択的に吸着できる。さら
に、癌転移を促進する因子の除去も可能であり、癌転移
を抑制できる。また、ジェランを原料とすることによ
り、安価に本発明の化合物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C077 AA09 BB03 CC01 MM02 NN04 NN06 NN16 NN18 PP01 4C090 AA02 AA09 BA70 BA97 BB12 BB16 BB22 BB36 BB54 BB63 BB84 BB95 BC20 DA22

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルコースとグルクロン酸とラムノースの
    存在比が2モル:1モル:1モルで、グルコースの6
    位、ラムノースの2位および3位の水酸基が硫酸エステ
    ル化され、且つその他の水酸基は少なくとも1個が未修
    飾である糖類。
  2. 【請求項2】グルコースの6位が70%以上硫酸化さ
    れ、ラムノースの2位および3位の水酸基が50%以上
    硫酸エステル化された請求項1記載の糖類。
  3. 【請求項3】下記式1で示される繰り返し単位を有する
    糖類。式1 (RはOH、あるいはOSO3Hであり、少なくとも1ヶ所はOH
    基である。)
  4. 【請求項4】ジェランを硫酸化することにより得られる
    請求項1〜3のいずれか1項記載の糖類。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項記載の糖類を
    不溶化させてなる粒子。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれか1項記載の糖類を
    不溶性担体に固定化してなる化合物。
  7. 【請求項7】不溶性担体の形状が球状である請求項6記
    載の化合物。
  8. 【請求項8】0.9以上の真球度を有する請求項7記載の
    化合物。
  9. 【請求項9】不溶性担体が球状セルロース粒子である請
    求項6記載の化合物。
  10. 【請求項10】50〜3000μmの範囲の平均粒径を有する
    請求項7〜9のいずれか1項記載の化合物。
  11. 【請求項11】50万〜500万の範囲の排除限界分子量を
    有する請求項9または10記載の化合物。
  12. 【請求項12】80万〜300万の範囲の排除限界分子量を
    有する請求項9または10記載の化合物。
  13. 【請求項13】不溶性担体の形状が中空糸である請求項
    6記載の化合物。
  14. 【請求項14】不溶性担体の形状が膜である請求項6記
    載の化合物。
  15. 【請求項15】請求項5記載の粒子、または請求項6〜
    14のいずれか1項記載の化合物を用いた細胞接着因子
    の選択的吸着方法。
  16. 【請求項16】細胞接着因子が細胞性フィブロネクチン
    である請求項15記載の細胞接着因子の選択的吸着方
    法。
  17. 【請求項17】請求項5記載の粒子、または請求項6〜
    14のいずれか1項記載の化合物を用いた癌細胞転移抑
    制方法。
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