JP2002326954A - 肺癌切除後の補助免疫療法剤 - Google Patents
肺癌切除後の補助免疫療法剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切
除手術後の補助免疫療法剤の開発。 【解決手段】アミノペプチダーゼ阻害剤を有効成分とす
る、病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手
術後の補助免疫療法剤。
除手術後の補助免疫療法剤の開発。 【解決手段】アミノペプチダーゼ阻害剤を有効成分とす
る、病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手
術後の補助免疫療法剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノペプチダー
ゼ阻害剤を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB
期の肺扁平上皮癌切除手術後の補助免疫療法剤に関す
る。
ゼ阻害剤を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB
期の肺扁平上皮癌切除手術後の補助免疫療法剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】肺扁平上皮癌に代表される非小細胞肺癌
の病理病期I・II期の標準的治療法としては外科的切
除(肺葉切除+縦隔リンパ節郭清)が選択される。しか
し、肺癌における再発率は比較的高く、生存期間及び無
再発生存期間の延長のため、放射線療法、化学療法、免
疫療法による術後補助療法が多数試みられ、報告されて
いる。術後補助放射線療法では術後の局所再発の頻度が
減少することはあっても、術後再発が局所よりも血行性
遠隔転移が多いこともあり、生存率を上げる結果は得ら
れていない(Van Houtte P et al: Int.J.Radiat.Onco
l.Biol.Phys., 6,983-986(1980), Weisenburger TH: N.
Engl.J.Med., 315, 1377-1381 (1986))。術後補助化
学療法では、化学療法剤の副作用によるコンプライアン
スの不良により充分な効果は得られていなかったが(Fe
ld R et al: J. Nat.Cancer Inst.,85, 299-306(199
3))、近年UFT(テガフール+ウラシル)の長期経口
投与による有意な生存率の上昇(Wada H et al: J.Cli
n.Oncol., 14, 1048-1054(1996))、シスプラチン投与
による生存率の改善(Non-small Cell Lung Cancer Col
laborative Group: BMJ., 311, 899-909(1996))等が
報告されている。術後補助免疫療法では、癌の発生と進
展に係わる宿主の腫瘍細胞に対する応答能を変化させる
治療をBiological Response Modifier (BRM)と定
義し、1980年代に癌に対する特異的、非特異的免疫
応答にはサイトカインが調節因子として働くことが明ら
かにされて以来、サイトカインを用いた研究が進み、既
にインターフェロンα、インターフェロンβ、インター
フェロンγ、インターロイキン2、顆粒球コロニー刺激
因子(G−CSF)等が臨床応用されている。最近で
は、Tヘルパー(Th)細胞サブセットの解明が進み、
抗腫瘍作用を示す細胞傷害性T細胞の誘導にはTh1細
胞が重要であり、Th1細胞はインターロイキン2、イ
ンターフェロンγ、インターロイキン12を産生するこ
とが報告されている(Recent Advances of Human Tumor
Immunology and Immunotherapy, Japan Scientific So
cieties Press, Tokyo, 1999)。
の病理病期I・II期の標準的治療法としては外科的切
除(肺葉切除+縦隔リンパ節郭清)が選択される。しか
し、肺癌における再発率は比較的高く、生存期間及び無
再発生存期間の延長のため、放射線療法、化学療法、免
疫療法による術後補助療法が多数試みられ、報告されて
いる。術後補助放射線療法では術後の局所再発の頻度が
減少することはあっても、術後再発が局所よりも血行性
遠隔転移が多いこともあり、生存率を上げる結果は得ら
れていない(Van Houtte P et al: Int.J.Radiat.Onco
l.Biol.Phys., 6,983-986(1980), Weisenburger TH: N.
Engl.J.Med., 315, 1377-1381 (1986))。術後補助化
学療法では、化学療法剤の副作用によるコンプライアン
スの不良により充分な効果は得られていなかったが(Fe
ld R et al: J. Nat.Cancer Inst.,85, 299-306(199
3))、近年UFT(テガフール+ウラシル)の長期経口
投与による有意な生存率の上昇(Wada H et al: J.Cli
n.Oncol., 14, 1048-1054(1996))、シスプラチン投与
による生存率の改善(Non-small Cell Lung Cancer Col
laborative Group: BMJ., 311, 899-909(1996))等が
報告されている。術後補助免疫療法では、癌の発生と進
展に係わる宿主の腫瘍細胞に対する応答能を変化させる
治療をBiological Response Modifier (BRM)と定
義し、1980年代に癌に対する特異的、非特異的免疫
応答にはサイトカインが調節因子として働くことが明ら
かにされて以来、サイトカインを用いた研究が進み、既
にインターフェロンα、インターフェロンβ、インター
フェロンγ、インターロイキン2、顆粒球コロニー刺激
因子(G−CSF)等が臨床応用されている。最近で
は、Tヘルパー(Th)細胞サブセットの解明が進み、
抗腫瘍作用を示す細胞傷害性T細胞の誘導にはTh1細
胞が重要であり、Th1細胞はインターロイキン2、イ
ンターフェロンγ、インターロイキン12を産生するこ
とが報告されている(Recent Advances of Human Tumor
Immunology and Immunotherapy, Japan Scientific So
cieties Press, Tokyo, 1999)。
【0003】本発明で用いられる有効成分ウベニメクス
[化学名;(―)-N−((2S,3R)−3−アミノ−
2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル)−L−ロイシ
ン]は、成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導
入後の維持強化化学療法剤と併用される抗腫瘍性抗生物
質として臨床に供されている。また、現在までに報告さ
れている作用機序としては、細胞膜表面に存在するアミ
ノペプチダーゼを阻害し、ロイシンアミノペプチダーゼ
との競争的阻害作用(特公昭54−39477号)、腫
瘍増殖抑制作用、インターロイキン1,2の遊離作用、
抗真菌作用(特開平5−117146)及び子宮頸管熟
性作用(特開平8−67629)を有することが報告さ
れている。またウベニメクスの安全性については、マウ
スに対する毒性試験では298mg/kg(i.p.)の投与に
て毒性を認めず(J.O.Antibiotics, 29, 97-99(197
6))、ヒトに対しては10〜900mg/kg(i.p.)の投
与にて特に副作用を認めない化合物であることが報告さ
れている(Saito K et al: Jpn.J.Cancer Chemother, 1
0. 211-217(1983)、Yugeta E et al: Japan Antibiotic
s Research Ass., Tokyo, 101-112(1986))。
[化学名;(―)-N−((2S,3R)−3−アミノ−
2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル)−L−ロイシ
ン]は、成人急性非リンパ性白血病に対する完全寛解導
入後の維持強化化学療法剤と併用される抗腫瘍性抗生物
質として臨床に供されている。また、現在までに報告さ
れている作用機序としては、細胞膜表面に存在するアミ
ノペプチダーゼを阻害し、ロイシンアミノペプチダーゼ
との競争的阻害作用(特公昭54−39477号)、腫
瘍増殖抑制作用、インターロイキン1,2の遊離作用、
抗真菌作用(特開平5−117146)及び子宮頸管熟
性作用(特開平8−67629)を有することが報告さ
れている。またウベニメクスの安全性については、マウ
スに対する毒性試験では298mg/kg(i.p.)の投与に
て毒性を認めず(J.O.Antibiotics, 29, 97-99(197
6))、ヒトに対しては10〜900mg/kg(i.p.)の投
与にて特に副作用を認めない化合物であることが報告さ
れている(Saito K et al: Jpn.J.Cancer Chemother, 1
0. 211-217(1983)、Yugeta E et al: Japan Antibiotic
s Research Ass., Tokyo, 101-112(1986))。
【0004】ウベニメクスの肺扁平上皮癌切除症例を対
象とした臨床試験ついては、安光らにより病理組織学的
病期分類I期の患者にテガフールと併用又は非併用した
ウベニメクス(30mg連日投与、1年間若しくはそれ
以上、症例数21)投与例の混合群において、ウベニメ
クス非投与群に比べて生存期間が延長されることが報告
されている(Yasumitu T et al: Acta.Oncol., 29, 82
7-831(1990))。一方、Mouritzenらは肺扁平上皮癌を主
とする切除症例に対して、ウベニメクス(90mg週2
回、5年間、症例数227)を単独投与して症例解析
し、ウベニメクスには患者の生存期間を延長する補助免
疫療法剤としての効力は認められないと報告している
(Mouritzen C: Acta.Oncolo., 29, 817-820(1990)
)。しかし、ウベニメクスをはじめとしてアミノペプ
チダーゼ阻害剤について、単独投与における病理組織学
的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の生存期間
や無再発生存期間の延長させる作用を有する補助免疫療
法剤についての報告は未だない。
象とした臨床試験ついては、安光らにより病理組織学的
病期分類I期の患者にテガフールと併用又は非併用した
ウベニメクス(30mg連日投与、1年間若しくはそれ
以上、症例数21)投与例の混合群において、ウベニメ
クス非投与群に比べて生存期間が延長されることが報告
されている(Yasumitu T et al: Acta.Oncol., 29, 82
7-831(1990))。一方、Mouritzenらは肺扁平上皮癌を主
とする切除症例に対して、ウベニメクス(90mg週2
回、5年間、症例数227)を単独投与して症例解析
し、ウベニメクスには患者の生存期間を延長する補助免
疫療法剤としての効力は認められないと報告している
(Mouritzen C: Acta.Oncolo., 29, 817-820(1990)
)。しかし、ウベニメクスをはじめとしてアミノペプ
チダーゼ阻害剤について、単独投与における病理組織学
的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の生存期間
や無再発生存期間の延長させる作用を有する補助免疫療
法剤についての報告は未だない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、肺癌症例において分類学上如何なる症例に
ウベニメクスが免疫補助療法剤として有効であるかを、
特にその分類に属する患者の病気治療の根幹として重要
な生存期間若しくは無再発生存期間の延長が図れるかを
目的としたものである。すなわち、本発明は、病理組織
学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の補助免
疫療法剤の開発を目的とする。
する課題は、肺癌症例において分類学上如何なる症例に
ウベニメクスが免疫補助療法剤として有効であるかを、
特にその分類に属する患者の病気治療の根幹として重要
な生存期間若しくは無再発生存期間の延長が図れるかを
目的としたものである。すなわち、本発明は、病理組織
学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の補助免
疫療法剤の開発を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意検討の結果、アミノペプチダーゼ阻害剤、特にウベニ
メクス又はその塩を含有してなる薬剤組成物が、病理組
織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除症例(症例数
200例)において、患者のQOLを低下させることなく
5年生存率及び5年無再発生存率を改善させることを見
出し、本発明を完成するに至った。これらの点は、ウベ
ニメクスの上記の報告例には示唆される記載はなく、本
発明者によって始めて見出されたものである。また、本
発明では適応した症例数も多く統計解析上の信頼性を充
分に具備する試験で成されたものである。
意検討の結果、アミノペプチダーゼ阻害剤、特にウベニ
メクス又はその塩を含有してなる薬剤組成物が、病理組
織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除症例(症例数
200例)において、患者のQOLを低下させることなく
5年生存率及び5年無再発生存率を改善させることを見
出し、本発明を完成するに至った。これらの点は、ウベ
ニメクスの上記の報告例には示唆される記載はなく、本
発明者によって始めて見出されたものである。また、本
発明では適応した症例数も多く統計解析上の信頼性を充
分に具備する試験で成されたものである。
【0007】すなわち、本発明は次の(1)〜(8)に
関するものである。 (1)アミノペプチダーゼ阻害剤を有効成分とする、病
理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の
補助免疫療法剤。 (2)アミノペプチダーゼ阻害剤がウベニメクス[化学
名;(―)-N−((2S,3R)−3−アミノ−2−ヒ
ドロキシ−4−フェニルブチリル)−L−ロイシン]又
はその薬理学上許容される塩である(1)項記載の補助
免疫療法剤。 (3)病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除
手術後の生存期間又は無再発生存期間を延長するため
の、(1)又は(2)項記載の補助免疫療法剤。 (4)病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除
手術後にウベニメクスを5〜500mg/成人・日また
は等量の薬理学上許容される塩の1種を経口的に投与す
る、(1)ないし(3)のいずれか1項記載の補助免疫
療法剤。 (5)ウベニメクス10〜200mg/成人・日または
等量の薬理学上許容される塩の1種を手術後少なくとも
2年間連日経口投与する、(4)記載の補助免疫療法
剤。 (6)肺扁平上皮癌切除手術が肺扁平上皮癌完全切除手
術である(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の補
助免疫療法剤。 (7)ウベニメクス[化学名;(―)-N−((2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル)−L−ロイシン]又はその薬理学上許容される塩
を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB期の肺扁
平上皮癌完全切除手術後の生存期間延長剤。 (8)ウベニメクス[化学名;(―)-N−((2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル)−L−ロイシン]又はその薬理学上許容される塩
を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB期の肺扁
平上皮癌完全切除手術後の無再発生存期間延長剤。
関するものである。 (1)アミノペプチダーゼ阻害剤を有効成分とする、病
理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の
補助免疫療法剤。 (2)アミノペプチダーゼ阻害剤がウベニメクス[化学
名;(―)-N−((2S,3R)−3−アミノ−2−ヒ
ドロキシ−4−フェニルブチリル)−L−ロイシン]又
はその薬理学上許容される塩である(1)項記載の補助
免疫療法剤。 (3)病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除
手術後の生存期間又は無再発生存期間を延長するため
の、(1)又は(2)項記載の補助免疫療法剤。 (4)病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除
手術後にウベニメクスを5〜500mg/成人・日また
は等量の薬理学上許容される塩の1種を経口的に投与す
る、(1)ないし(3)のいずれか1項記載の補助免疫
療法剤。 (5)ウベニメクス10〜200mg/成人・日または
等量の薬理学上許容される塩の1種を手術後少なくとも
2年間連日経口投与する、(4)記載の補助免疫療法
剤。 (6)肺扁平上皮癌切除手術が肺扁平上皮癌完全切除手
術である(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の補
助免疫療法剤。 (7)ウベニメクス[化学名;(―)-N−((2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル)−L−ロイシン]又はその薬理学上許容される塩
を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB期の肺扁
平上皮癌完全切除手術後の生存期間延長剤。 (8)ウベニメクス[化学名;(―)-N−((2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチ
リル)−L−ロイシン]又はその薬理学上許容される塩
を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB期の肺扁
平上皮癌完全切除手術後の無再発生存期間延長剤。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の、病理組織学的病期分類
IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の補助免疫療法剤は、
アミノペプチダーゼ阻害剤を有効成分とする。アミノペ
プチダーゼは免疫系細胞の膜表面に特異的に存在するポ
リペプチドのアミノ末端近傍の結合の切断を触媒する酵
素であり、細胞の増殖や分化、ペプチド性のシグナル伝
達に重要な役割を演じることが報告されている。アミノ
ペプチダーゼ阻害剤はこの酵素活性を阻害する。
IB期の肺扁平上皮癌切除手術後の補助免疫療法剤は、
アミノペプチダーゼ阻害剤を有効成分とする。アミノペ
プチダーゼは免疫系細胞の膜表面に特異的に存在するポ
リペプチドのアミノ末端近傍の結合の切断を触媒する酵
素であり、細胞の増殖や分化、ペプチド性のシグナル伝
達に重要な役割を演じることが報告されている。アミノ
ペプチダーゼ阻害剤はこの酵素活性を阻害する。
【0009】本発明において、病理組織学的病期分類I
B期の肺扁平上皮癌切除手術は、原発腫瘍が肺扁平上皮
癌であり、TNM分類(1997)に従ってIB期(T2
N0M0)と分類される腫瘍を外科的に切除する手術であ
る。IB期とは、TNM分類によると、腫瘍の大きさま
たは進展度が、最大径が3cmをこえるもの、主気
管支に浸潤が及ぶが、腫瘍の中枢側が気管分岐部より2
cm以上離れているもの、臓側胸膜に浸潤のあるも
の、肺門に及ぶ無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが一
側肺に及ばないもののいずれかでリンパ節転移及び遠隔
転移のないものとされている。また、補助免疫療法剤と
は、肺癌治療後に宿主の腫瘍細胞に対する生体の免疫応
答能を高める作用を有する薬剤を示す。また、生存期間
延長剤とは、生存期間の延長作用を有する薬剤を示す。
生存期間とは、腫瘍再発の有無を問わず、患者が生存し
ている期間を示す。また、無再発生存期間とは、腫瘍を
再発することなく患者が生存している期間を示す。「腫
瘍を再発する」とは、肺癌の切除手術等の肺癌治療後に
再度腫瘍と診断された場合や肺癌細胞消滅確認後再度腫
瘍細胞が検出された場合をいう。なお、再発腫瘍は、例
えば肺癌に限定されず脳腫瘍等の種々の悪性腫瘍があげ
られる。また、無再発生存期間延長剤とは、腫瘍を再発
することなく生存期間の延長作用を有する薬剤を示す。
B期の肺扁平上皮癌切除手術は、原発腫瘍が肺扁平上皮
癌であり、TNM分類(1997)に従ってIB期(T2
N0M0)と分類される腫瘍を外科的に切除する手術であ
る。IB期とは、TNM分類によると、腫瘍の大きさま
たは進展度が、最大径が3cmをこえるもの、主気
管支に浸潤が及ぶが、腫瘍の中枢側が気管分岐部より2
cm以上離れているもの、臓側胸膜に浸潤のあるも
の、肺門に及ぶ無気肺あるいは閉塞性肺炎があるが一
側肺に及ばないもののいずれかでリンパ節転移及び遠隔
転移のないものとされている。また、補助免疫療法剤と
は、肺癌治療後に宿主の腫瘍細胞に対する生体の免疫応
答能を高める作用を有する薬剤を示す。また、生存期間
延長剤とは、生存期間の延長作用を有する薬剤を示す。
生存期間とは、腫瘍再発の有無を問わず、患者が生存し
ている期間を示す。また、無再発生存期間とは、腫瘍を
再発することなく患者が生存している期間を示す。「腫
瘍を再発する」とは、肺癌の切除手術等の肺癌治療後に
再度腫瘍と診断された場合や肺癌細胞消滅確認後再度腫
瘍細胞が検出された場合をいう。なお、再発腫瘍は、例
えば肺癌に限定されず脳腫瘍等の種々の悪性腫瘍があげ
られる。また、無再発生存期間延長剤とは、腫瘍を再発
することなく生存期間の延長作用を有する薬剤を示す。
【0010】本発明において、有効成分として使用する
アミノペプチダーゼ阻害剤としては、例えばウベニメク
ス、アクチノニン[化学名;(3−[(1−[[2−(ヒド
ロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−
メチルプロピル]カルバモイル]オクタノヒドロキサム
酸]、アマスタチン[化学名;[(2S,3S)−3−ア
ミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイル]−バ
リン−バリン−アスパラギン]、アルファメニンA[化学
名;[(2R,5S)−5−アミノ−8−グアニド−4
−オキソ−2−フェニルメチルオクタン酸]、アルファ
メニンB[化学名;[(2R,5S)−5−アミノ−8−
グアニド−4−オキソ−2−p−ヒドロキシフェニルメ
チルオクタン酸]、プロベスチン[化学名;[(2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタ
ノイル−ロイシン−ロイシン−プロリン]、ロイヒスチ
ン[化学名;[(2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロ
キシ−2−(IH−イミダゾール−4−イルメチル)−
5−メチルヘキサン酸]、フェベスタチン[化学名;
[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
フェニルブタノイル−バリン−フェニルアラニン]等が
あげられ、ウベニメクスが好ましい。ウベニメクスは、
フリーの形で、また酸もしくは塩基との薬理学上許容さ
れる塩の形で用いられる。酸との塩としては例えば塩
酸、硫酸、リン酸などの塩が、塩基との塩としては例え
ばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が用いられ
る。
アミノペプチダーゼ阻害剤としては、例えばウベニメク
ス、アクチノニン[化学名;(3−[(1−[[2−(ヒド
ロキシメチル)−1−ピロリジニル]カルボニル]−2−
メチルプロピル]カルバモイル]オクタノヒドロキサム
酸]、アマスタチン[化学名;[(2S,3S)−3−ア
ミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサノイル]−バ
リン−バリン−アスパラギン]、アルファメニンA[化学
名;[(2R,5S)−5−アミノ−8−グアニド−4
−オキソ−2−フェニルメチルオクタン酸]、アルファ
メニンB[化学名;[(2R,5S)−5−アミノ−8−
グアニド−4−オキソ−2−p−ヒドロキシフェニルメ
チルオクタン酸]、プロベスチン[化学名;[(2S,3
R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブタ
ノイル−ロイシン−ロイシン−プロリン]、ロイヒスチ
ン[化学名;[(2R,3S)−3−アミノ−2−ヒドロ
キシ−2−(IH−イミダゾール−4−イルメチル)−
5−メチルヘキサン酸]、フェベスタチン[化学名;
[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−
フェニルブタノイル−バリン−フェニルアラニン]等が
あげられ、ウベニメクスが好ましい。ウベニメクスは、
フリーの形で、また酸もしくは塩基との薬理学上許容さ
れる塩の形で用いられる。酸との塩としては例えば塩
酸、硫酸、リン酸などの塩が、塩基との塩としては例え
ばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩が用いられ
る。
【0011】本発明では、例えば錠剤、カプセル剤、粉
剤、顆粒剤、液剤、ドライシロップ剤等の経口剤、注射
剤、坐剤等の剤形で病理組織学的病期分類IB期の肺扁
平上皮癌患者に投与されるが、経口剤として投与するこ
とが好ましい。患者としては、腫瘍治療後の患者が適し
ており、腫瘍の切除手術後の患者がより適している。最
も適している患者は、病理組織学的病期分類I期の肺扁
平上皮癌患者で、かつ癌完全切除手術を受けた患者であ
る。なお、完全切除とは、腫瘍が肉眼的にも病理学的に
も取りきれた状態をいう。
剤、顆粒剤、液剤、ドライシロップ剤等の経口剤、注射
剤、坐剤等の剤形で病理組織学的病期分類IB期の肺扁
平上皮癌患者に投与されるが、経口剤として投与するこ
とが好ましい。患者としては、腫瘍治療後の患者が適し
ており、腫瘍の切除手術後の患者がより適している。最
も適している患者は、病理組織学的病期分類I期の肺扁
平上皮癌患者で、かつ癌完全切除手術を受けた患者であ
る。なお、完全切除とは、腫瘍が肉眼的にも病理学的に
も取りきれた状態をいう。
【0012】注射剤、経口剤または坐剤を製造する場
合、ウベニメクス単独または賦形剤あるいは担体と混合
して製造される。賦形剤及び担体としては薬剤学的に許
容されるものが選ばれ、その種類及び組成は投与経路や
投与方法により、適宜決めることができる。賦形剤もし
くは担体としては、例えば液状担体として水、アルコー
ルもしくは大豆油、ピーナツ油、ゴム油、ミネラル油等
の動植物油、又は合成油が用いられる。固体担体として
マルトース、シュクロース等の糖類、アミノ酸類、ヒド
ロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、バ
レイショ澱粉などの澱粉類、ステアリン酸マグネシウム
等の有機酸塩などが使用される。注射剤の場合、一般に
溶剤として例えば生理食塩水、各種緩衝液、グルコー
ス、イノシトール、マンニトール等の糖類水溶液、エチ
レングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコー
ル類水溶液が使用される。また、注射用の凍結乾燥剤に
使用する賦形剤としては、例えばイノシトール、マンニ
トール、グルコース、マンノース、マルトース、シュク
ロース等の糖類、フェニルアラニン等のアミノ酸類があ
げられる。この凍結乾燥剤は、それを投与時に注射用の
適当な溶剤、例えば滅菌水、生理食塩水、ブドウ糖水溶
液、電解質水溶液、アミノ酸水溶液等の静脈投与用液体
に溶解して使用することもできる。
合、ウベニメクス単独または賦形剤あるいは担体と混合
して製造される。賦形剤及び担体としては薬剤学的に許
容されるものが選ばれ、その種類及び組成は投与経路や
投与方法により、適宜決めることができる。賦形剤もし
くは担体としては、例えば液状担体として水、アルコー
ルもしくは大豆油、ピーナツ油、ゴム油、ミネラル油等
の動植物油、又は合成油が用いられる。固体担体として
マルトース、シュクロース等の糖類、アミノ酸類、ヒド
ロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体、バ
レイショ澱粉などの澱粉類、ステアリン酸マグネシウム
等の有機酸塩などが使用される。注射剤の場合、一般に
溶剤として例えば生理食塩水、各種緩衝液、グルコー
ス、イノシトール、マンニトール等の糖類水溶液、エチ
レングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコー
ル類水溶液が使用される。また、注射用の凍結乾燥剤に
使用する賦形剤としては、例えばイノシトール、マンニ
トール、グルコース、マンノース、マルトース、シュク
ロース等の糖類、フェニルアラニン等のアミノ酸類があ
げられる。この凍結乾燥剤は、それを投与時に注射用の
適当な溶剤、例えば滅菌水、生理食塩水、ブドウ糖水溶
液、電解質水溶液、アミノ酸水溶液等の静脈投与用液体
に溶解して使用することもできる。
【0013】製剤中におけるウベニメクス又はその塩の
含量は製剤により種々異なるが、通常0.01〜100
重量%好ましくは0.02〜90重量%である。
含量は製剤により種々異なるが、通常0.01〜100
重量%好ましくは0.02〜90重量%である。
【0014】経口投与する場合には、前記固体担体もし
くは液状担体とともに錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒
剤、液剤、ドライシロップ剤等の形態で用いられる。カ
プセル、錠剤、顆粒、粉剤の場合は一般にウベニメクス
又はその塩の含量は約0.02〜90重量%好ましくは
0.3〜20重量%であり、残部は担体である。
くは液状担体とともに錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒
剤、液剤、ドライシロップ剤等の形態で用いられる。カ
プセル、錠剤、顆粒、粉剤の場合は一般にウベニメクス
又はその塩の含量は約0.02〜90重量%好ましくは
0.3〜20重量%であり、残部は担体である。
【0015】本発明において、投与量は、患者の年齢、
体重、症状、治療目的等により決定されるが、一般に非
経口投与でウベニメクス量として1〜300mg/成人
・日程度であり、経口投与の場合は5〜500mg/成
人・日、好ましくは10〜200mg/成人・日程度で
ある。本発明においては、ウベニメクス又はその塩の投
与は経口投与するのが好ましく、患者の生存期間又は無
再発生存期間の延長等の補助免疫療法剤としての効果を
得るためには、通常手術後少なくとも2年間連日投与
(若しくはそれに準じた投与)するのが好ましい。ま
た、最大投与期間はウベニメクス又はその塩は副作用の
発生が殆どないので可能な限り投与できるが、通常手術
後5年間程度投与することでよい。また、1日当たりの
投与回数は特に制限されないが、1日1回必要量を投与
すればよい。
体重、症状、治療目的等により決定されるが、一般に非
経口投与でウベニメクス量として1〜300mg/成人
・日程度であり、経口投与の場合は5〜500mg/成
人・日、好ましくは10〜200mg/成人・日程度で
ある。本発明においては、ウベニメクス又はその塩の投
与は経口投与するのが好ましく、患者の生存期間又は無
再発生存期間の延長等の補助免疫療法剤としての効果を
得るためには、通常手術後少なくとも2年間連日投与
(若しくはそれに準じた投与)するのが好ましい。ま
た、最大投与期間はウベニメクス又はその塩は副作用の
発生が殆どないので可能な限り投与できるが、通常手術
後5年間程度投与することでよい。また、1日当たりの
投与回数は特に制限されないが、1日1回必要量を投与
すればよい。
【0016】
【実施例】以下に製剤例及び臨床試験例を挙げて本発明
を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するもの
ではない。
を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するもの
ではない。
【0017】製剤例1(カプセル剤) ウベニメクス 30重量部 バレイショ澱粉 77重量部 結晶乳糖 100重量部 ステアリン酸マグネシウム 3重量部 以上を混合し、3号カプセルに210mg(ウベニメク
スとして30mg含有)充填し、カプセル剤とした。
スとして30mg含有)充填し、カプセル剤とした。
【0018】製剤例2(錠剤) ウベニメクス30重量部、結晶乳糖120重量部、結晶
セルロース147重量部およびステアリン酸マグネシウ
ム3重量部をV型混合機で混合した後、打錠し、1錠3
00mg(ウベニメクスとして30mg含有)の錠剤と
した。
セルロース147重量部およびステアリン酸マグネシウ
ム3重量部をV型混合機で混合した後、打錠し、1錠3
00mg(ウベニメクスとして30mg含有)の錠剤と
した。
【0019】臨床試験例 病理組織学的病期分類I期(IA期+IB期)肺扁平上
皮癌の癌完全切除患者を対象とし、ウベニメクス製剤
(ウベニメクスとして30mgを含有)及びプラセボ製
剤(ウベニメクスを含まない対照薬)を用いた多施設二
重盲検比較試験を実施した。製剤は、ウベニメクス製剤
またはプラセボ製剤を1日1回経口投与した。また、製
剤の投与期間は切除手術後2年間とし、その後3年以上
の無投薬期間を含めた5年以上を観察期間とした。肺扁
平上皮癌IA期を189症例、IB期を200症例集積し、生
存期間及び無再発生存期間についてKaplan-Meier法によ
りウベニメクス製剤群とプラセボ製剤群の2群間比較を
行った。表1にWilcoxon検定及びLog-Rank検定による統
計解析結果を示した。表1中、「U群」はウベニメクス
投与群を、「P群」はプラセボ投与群を示す。更に、I
B期のウベニメクス群及びプラセボ群の生存率曲線を図
1に、無再発生存率曲線を図3に示した。また、比較す
るために、IA期のウベニメクス群及びプラセボ群の生
存率曲線を図2に、無再発生存率曲線を図4に示した。
皮癌の癌完全切除患者を対象とし、ウベニメクス製剤
(ウベニメクスとして30mgを含有)及びプラセボ製
剤(ウベニメクスを含まない対照薬)を用いた多施設二
重盲検比較試験を実施した。製剤は、ウベニメクス製剤
またはプラセボ製剤を1日1回経口投与した。また、製
剤の投与期間は切除手術後2年間とし、その後3年以上
の無投薬期間を含めた5年以上を観察期間とした。肺扁
平上皮癌IA期を189症例、IB期を200症例集積し、生
存期間及び無再発生存期間についてKaplan-Meier法によ
りウベニメクス製剤群とプラセボ製剤群の2群間比較を
行った。表1にWilcoxon検定及びLog-Rank検定による統
計解析結果を示した。表1中、「U群」はウベニメクス
投与群を、「P群」はプラセボ投与群を示す。更に、I
B期のウベニメクス群及びプラセボ群の生存率曲線を図
1に、無再発生存率曲線を図3に示した。また、比較す
るために、IA期のウベニメクス群及びプラセボ群の生
存率曲線を図2に、無再発生存率曲線を図4に示した。
【0020】
【表1】
【0021】表1から明らかなように、IA期の場合、
ウベニメクス群はプラセボ群より5年生存率及び5年無
再発生存率を引き上げるものの、Wilcoxon検定及びLog-
Rank検定のいずれの結果も、p値は生存期間で0.3以
上、無再発生存期間は0.2以上であり、有意差は認め
られなかった。これに対し、IB期の場合、ウベニメク
ス群はプラセボ群より5年生存率及び5年無再発生存率
を引き上げ、なお且つ生存期間はWilcoxon検定のp値は
0.0726、Log-Rank検定のp値は0.0782で、
いずれの検定法においても有意傾向が認められた。ま
た、無再発生存期間は、Wilcoxon検定のp値は0.06
12、Log-Rank検定のp値は0.0644で、いずれの
検定法においても有意傾向が認められた。特に、無再発
生存期間の延長効果は、生存期間の延長効果に比べ有意
水準5%に近く、有意傾向がより顕著であることが認め
られた。また、副作用についてみると、ウベニメクス投
与により有意に発現した副作用は、食欲不振(発現率
2.5%)のみであった。これらの効果は、他の制癌剤
を併用することなくウベニメクス単独投与で達成されて
いる。
ウベニメクス群はプラセボ群より5年生存率及び5年無
再発生存率を引き上げるものの、Wilcoxon検定及びLog-
Rank検定のいずれの結果も、p値は生存期間で0.3以
上、無再発生存期間は0.2以上であり、有意差は認め
られなかった。これに対し、IB期の場合、ウベニメク
ス群はプラセボ群より5年生存率及び5年無再発生存率
を引き上げ、なお且つ生存期間はWilcoxon検定のp値は
0.0726、Log-Rank検定のp値は0.0782で、
いずれの検定法においても有意傾向が認められた。ま
た、無再発生存期間は、Wilcoxon検定のp値は0.06
12、Log-Rank検定のp値は0.0644で、いずれの
検定法においても有意傾向が認められた。特に、無再発
生存期間の延長効果は、生存期間の延長効果に比べ有意
水準5%に近く、有意傾向がより顕著であることが認め
られた。また、副作用についてみると、ウベニメクス投
与により有意に発現した副作用は、食欲不振(発現率
2.5%)のみであった。これらの効果は、他の制癌剤
を併用することなくウベニメクス単独投与で達成されて
いる。
【0022】なお、理組織学的病期分類IA期(T1N0
M0)とはTNM分類によると、腫瘍の最大径が3cm
以下で、肺組織または臓側胸膜に囲まれており、気管支
鏡的に癌浸潤が葉気管支より中枢に及ばない(即ち主気
管支に及んでいない)もので、リンパ節転移及び遠隔転
移のないものと分類されている。
M0)とはTNM分類によると、腫瘍の最大径が3cm
以下で、肺組織または臓側胸膜に囲まれており、気管支
鏡的に癌浸潤が葉気管支より中枢に及ばない(即ち主気
管支に及んでいない)もので、リンパ節転移及び遠隔転
移のないものと分類されている。
【0023】
【発明の効果】本発明により、アミノペプチダーゼ阻害
剤を、特にウベニメクス製剤を肺扁平上皮癌の完全切除
手術後少なくとも2年間服用することにより、病理組織
学的病期分類IB期の患者の5年生存率及び5年無再発
生存率を改善し、生存期間及び無再発生存期間を有意差
傾向をもって延長することができる。また、副作用もほ
とんどない。従って、本発明は、QOLを低下させない
生存期間延長剤及び無再発生存期間延長剤として、また
術後補助免疫療法剤として有用である。
剤を、特にウベニメクス製剤を肺扁平上皮癌の完全切除
手術後少なくとも2年間服用することにより、病理組織
学的病期分類IB期の患者の5年生存率及び5年無再発
生存率を改善し、生存期間及び無再発生存期間を有意差
傾向をもって延長することができる。また、副作用もほ
とんどない。従って、本発明は、QOLを低下させない
生存期間延長剤及び無再発生存期間延長剤として、また
術後補助免疫療法剤として有用である。
【図1】病理組織学的病期分類IB期の症例でのウベニ
メクス群及びプラセボ群の生存率曲線を示す。
メクス群及びプラセボ群の生存率曲線を示す。
【図2】病理組織学的病期分類IA期の症例でのウベニ
メクス群及びプラセボ群の生存率曲線を示す。
メクス群及びプラセボ群の生存率曲線を示す。
【図3】病理組織学的病期分類IB期の症例でのウベニ
メクス群及びプラセボ群の無再発生存率曲線を示す。
メクス群及びプラセボ群の無再発生存率曲線を示す。
【図4】病理組織学的病期分類IA期の症例でのウベニ
メクス群及びプラセボ群の無再発生存率曲線を示す。
メクス群及びプラセボ群の無再発生存率曲線を示す。
図1〜4中、「U」とはウベニメクス投与群を、「P」
とはプラセボ投与群を示す。
とはプラセボ投与群を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 史紀 東京都北区志茂4―31―11―203 (72)発明者 小野瀬 純子 東京都文京区西片1−14−17−307 (72)発明者 山崎 恵美子 埼玉県川口市元郷2−14−9−203 (72)発明者 武政 浩明 東京都北区志茂3―17―10―101 Fターム(参考) 4C084 AA17 DC32 MA31 MA52 MA66 NA14 ZB071 ZB261 4C206 AA01 AA02 FA51 MA01 MA51 MA72 MA86 NA14 ZB07 ZB26
Claims (8)
- 【請求項1】アミノペプチダーゼ阻害剤を有効成分とす
る、病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮癌切除手
術後の補助免疫療法剤。 - 【請求項2】アミノペプチダーゼ阻害剤がウベニメクス
[化学名;(―)-N−((2S,3R)−3−アミノ−
2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル)−L−ロイシ
ン]又はその薬理学上許容される塩である請求項1記載
の補助免疫療法剤。 - 【請求項3】病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮
癌切除手術後の生存期間又は無再発生存期間を延長する
ための、請求項1又は2記載の補助免疫療法剤。 - 【請求項4】病理組織学的病期分類IB期の肺扁平上皮
癌切除手術後にウベニメクスを5〜500mg/成人・
日または等量の薬理学上許容される塩の1種を経口的に
投与する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の補
助免疫療法剤。 - 【請求項5】ウベニメクス10〜200mg/成人・日
または等量の薬理学上許容される塩の1種を手術後少な
くとも2年間連日経口投与する、請求項4記載の補助免
疫療法剤。 - 【請求項6】肺扁平上皮癌切除手術が肺扁平上皮癌完全
切除手術である請求項1ないし5のいずれか1項に記載
の補助免疫療法剤。 - 【請求項7】ウベニメクス[化学名;(―)-N−((2
S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブチリル)−L−ロイシン]又はその薬理学上許容さ
れる塩を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB期
の肺扁平上皮癌完全切除手術後の生存期間延長剤。 - 【請求項8】ウベニメクス[化学名;(―)-N−((2
S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニ
ルブチリル)−L−ロイシン]又はその薬理学上許容さ
れる塩を有効成分とする、病理組織学的病期分類IB期
の肺扁平上皮癌完全切除手術後の無再発生存期間延長
剤。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001133687A JP2002326954A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 肺癌切除後の補助免疫療法剤 |
PCT/JP2002/004126 WO2002087617A1 (fr) | 2001-04-27 | 2002-04-25 | Immunotherapie supplementaire pouvant etre utilisee apres une ablation pulmonaire liee a un cancer |
KR10-2003-7013833A KR20040015121A (ko) | 2001-04-27 | 2002-04-25 | 폐암 절제 후의 보조면역요법제 |
CA002445314A CA2445314A1 (en) | 2001-04-27 | 2002-04-25 | Supplementary immunotherapeutics to be used after lung cancer removal |
US10/475,412 US20040116354A1 (en) | 2001-04-27 | 2002-04-25 | Supplementary immunotherapeutics to be used after lung cancer removal |
EP02720595A EP1382349A1 (en) | 2001-04-27 | 2002-04-25 | Supplementary immunotherapeutics to be used after lung cancer removal |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001133687A JP2002326954A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 肺癌切除後の補助免疫療法剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002326954A true JP2002326954A (ja) | 2002-11-15 |
Family
ID=18981499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001133687A Pending JP2002326954A (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 肺癌切除後の補助免疫療法剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002326954A (ja) |
-
2001
- 2001-04-27 JP JP2001133687A patent/JP2002326954A/ja active Pending
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