JP2002326489A - キャップレス筆記具 - Google Patents
キャップレス筆記具Info
- Publication number
- JP2002326489A JP2002326489A JP2001135102A JP2001135102A JP2002326489A JP 2002326489 A JP2002326489 A JP 2002326489A JP 2001135102 A JP2001135102 A JP 2001135102A JP 2001135102 A JP2001135102 A JP 2001135102A JP 2002326489 A JP2002326489 A JP 2002326489A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- inner cap
- barrel
- writing instrument
- tip
- capless
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)
Abstract
確実にしたキャップレス筆記具を提供する。 【解決手段】 軸筒2内に筆記体5を配置して、軸筒2
の先端部3開口部4より筆記体5のペン先部6が出入自
在に構成されると共に、軸筒2の開口部4に、JIS
K 6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が
20%以下の材質で形成されるインナーキャップ20を
備え、インナーキャップ20は、軸筒軸心方向に沿った
ペン先部出側に、ペン先部が出入自在のスリット25が
形成されるとともに開口部4を閉塞する閉塞部21を備
えて軸筒2内に装着する。
Description
記具に関し、特に、乾燥防止機構を有するキャップレス
筆記具に関する。
性ボールペンや万年筆などの筆記具においては、筆記部
の先端のインクが乾燥して筆記できなくなることを防止
するために、先端部を密閉するためのキャップを備える
ものが一般に用いられている。また、上記のようにキャ
ップを備えた筆記具の場合には、頻繁に使用する際に、
使用するたびにキャップを着脱する必要があり面倒であ
ることから、別体のキャップを不要とした、いわゆるキ
ャップレスの筆記具が数多く提案されている。
合、別体のキャップの代わりに狭い筆記体内部に先端部
を密閉するための密閉機構を構成する必要があり、従来
の方式によると密閉機構が複雑となり、構成部品の部品
点数が多くなることで、組立て作業が複雑となり、さら
に、生産コストが高くなるという問題点があった。
て、実開昭49−32731号公報(以下、従来例1と
称する。)に開示されているように、筆記具の軸筒内部
の先端部に中央から外側に向かい切り込みを入れた弁板
を組み込み、その切り込み部分より筆記部先端を突出す
るようにした方式や、実開昭49−107421号公報
(以下、従来例2と称する。)に開示されているよう
に、筆記具の軸筒内部の基端部及び先端部にパッキンを
設けて軸筒内部を密閉するとともに、先端部の対向当接
させたパッキンの当接部より筆記部先端を突出するよう
にした方式や、実開昭63−23084号公報(以下、
従来例3と称する。)に開示されているように、キャッ
プ本体の前方に開口部を有する弾性自閉体を設けて、軸
筒先端部のペン先部を突出するようにしたものが提案さ
れている。
81999号公報(以下、従来例4と称する。)に開示
されているように、筆記具の軸筒内部の先端部に形成さ
れ、筆記部のペン先部が収容されるシール室の先端側を
開閉自在とするシール手段を備え、該ペン先部が先端部
より突出する時に、シール室の先端側を開放するように
した方式や、実開昭58−89394号公報(以下、従
来例5と称する。)に開示されているように、筆記具の
軸筒内の先端部配置される先軸先端部にペン先部を密閉
する密閉部材が密嵌固定されて、先軸の動作に伴い密嵌
部材の先端部が開閉するようにした方法が提案されてい
る。
うな方式によると、ペン先が突出するシール部にはすで
に開口部が形成されているため密閉性に課題がある。ま
た、従来例4のような方式によると、シール室やシール
開閉機構など構造が複雑になるという課題があり、同様
に、従来例5のような方式においても、別部品でシール
室を構成して開口機構を設けるなど構造が複雑になると
いう課題がある。
課題に鑑み、これを解消しようとするものであり、簡単
な構成で軸筒内部の先端部の密閉状態を確実にしたキャ
ップレス筆記具を提供することを目的とする。
筆記具に係り、軸筒内に筆記体を配置して、該軸筒の先
端開口より筆記体のペン先部が出入自在に構成されるキ
ャップレス筆記具において、前記軸筒の先端開口に、ゴ
ム材または弾性樹脂材で形成されるインナーキャップを
備え、前記インナーキャップの材質を特定物性のものを
用いることにより、上記目的のキャップレス筆記具が得
られることを見い出し、本発明を完成するに至ったので
ある。すなわち、本発明のキャップレス筆記具は、次の
(1)〜(7)に存する。 (1) 軸筒内に筆記体を配置して、該軸筒の先端開口より
筆記体のペン先部が出入自在に構成されると共に、前記
軸筒の先端開口に、ゴム材または弾性樹脂材で形成され
るインナーキャップを備え、該インナーキャップは、軸
筒軸心方向に沿ったペン先部出側に、ペン先部が出入自
在のスリットが形成されると共に前記先端開口を閉塞す
る閉塞部を備えたキャップレス筆記具であって、前記イ
ンナーキャップは、JIS K 6262−1997で
規定される圧縮永久歪み率が20%以下の材質からなる
ことを特徴とするキャップレス筆記具。 (2) 前記インナーキャップは、スリットを閉じるように
閉塞部に力が掛かった状態で軸筒内に装着されてなる上
記(1)に記載のキャップレス筆記具。 (3) 前記インナーキャップの軸筒軸心方向に沿った軸筒
内部側には、該インナーキャップを軸筒内に保持するた
めのインナーキャップ保持部材が設けられ、前記インナ
ーキャップ保持部材は、その外周部で軸筒内壁部に嵌合
保持されるとともに、前記インナーキャップと対向する
部位に保持部を備えて該インナーキャップを保持するよ
うにしたことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のキャ
ップレス筆記具。 (4) 前記インナーキャップの前記閉塞部の軸筒内部側に
は、前記インナーキャップ保持部材に嵌合される後側取
付部が軸筒軸心方向に沿って軸筒内部側に向かい突出形
成され、該後側取付部の先端部が外周方向外側に向うよ
うに力が掛かった状態で前記インナーキャップ保持部材
に装着される上記(1)〜(3)の何れか一つにに記載のキャ
ップレス筆記具。 (5) 前記インナーキャップの前記閉塞部の外周近傍に
は、該インナーキャップを軸筒内に保持するための前側
取付部が先端開口方向に向かい突出形成され、該前側取
付部の先端部が外周方向内側に向うように力が掛かった
状態で軸筒内に装着される上記(1)〜(4)の何れか一つに
記載のキャップレス筆記具。 (6) 前記インナーキャップのスリットが十字状に形成さ
れていることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか一つに
記載のキャップレス筆記具。 (7) 前記インナーキャップの閉塞部は、先端開口に向か
いドーム状に突出形成した形状を有することを特徴とす
る上記(1)〜(6)の何れか一つに記載のキャップレス筆記
具。
面を参照して詳細に説明する。図1〜図3は発明を実施
する形態の一例であって、図中、図と同一の符号を付し
た部分は同一物を表わしている。図1は本発明の実施形
態に係るキャップレス筆記具の全体の構成を示す断面
図、図2は前記キャップレス筆記具の使用時の状態を示
す断面図、図3の(a)は図1のA−A断面矢視図、
(b)は本実施形態に係るインナーキャップの装着前の
状態を示す(a)のB−B断面矢視図、(c)は前記イ
ンナーキャップの装着時の状態を示す(a)のB−B断
面矢視図である。
は、図1に示すように、軸筒2内に筆記体5を配置し
て、該軸筒2の先端部3に形成された開口部4より筆記
体5のペン芯となるペン先部6を突出自在に構成したも
のである。前記筆記体5は、軸筒2内の前側の内周に沿
って配置されたコイルスプリング7によって後部方向に
付勢されるとともに、軸筒2内後部に設けられるストッ
パ10により後方で保持されている。また、筆記体5の
後端部11には、ペン先部6を突出させるための押し部
14が、軸筒後端部12より突出自在に設けられてい
る。この筆記体5内には、筆記具用インキ組成物を吸蔵
した中綿などのインキ吸蔵体が収容されており、該イン
キ吸蔵体の先端部側にペン先部6の後部が接しており、
これにより、インキ吸蔵体のインキをペン先部に供給す
る構成となっている。なお、本実施形態では、中綿式の
ものであるが、コレクター構造を有するインキタンクを
備える直液式の筆記体5であってもよいものである。
15が軸心方向に沿って後方に向かい広いクサビ状に、
かつ軸心方向に向かい突出形成されている。前記ストッ
パ係止部15の後端には、軸心方向に略垂直に係止部1
5aが形成され、前記ストッパ10には、前記係止部1
5aと対向してノッチ10aが形成されている。前記筆
記体5は、その後端部11を前方に向かい、コイルスプ
リング7のばね力に勝って先端側へ押圧すると、ペン先
部6が先端の開口部4より突出するようにされている。
の(a)〜(c)に示すように、先端方向にドーム状に
突出形成された閉塞部21を有するインナーキャップ2
0が設けられている。前記閉塞部21の基部22の一部
位22aより、該閉塞部21のほぼ中央部23を通り、
軸心方向を中心に対向する部位22bに亘り、平面視で
略直線状に外形に沿ってスリット25が形成されてい
る。
6262−1997で規定される圧縮永久歪み率が2
0%以下のゴム材または弾性樹脂材で形成され、ドーム
状の閉塞部21の基部22の外周端部に、三角形状断面
を有するペン先側のシール部を兼ねた前側取付部27が
外周に沿って円周に亘りに連続的に先端方向に向かい突
出形成されている。また、前記基部22の後端面28に
は、前側取付部27よりも内側で小径の矩形断面を有す
る後側のシール部を兼ねた後側取付部29が円周方向全
周に亘りに連続的に軸筒内側方向に向かい突出形成され
ている。
すように、インナーキャップ20が軸筒2内に装着され
ていない状態で、先端部27aが軸筒軸心に沿った方向
に対してやや外側に傾斜した形状に形成されている。ま
た、後側取付部29は、その先端部29a軸筒軸心に沿
った方向に対してやや内側に傾斜した形状に形成され、
前記スリット25は僅かな隙間を有している。
インナーキャップ20を軸筒2の先端部3内側に取付け
るためのインナーキャップホルダ30が配置されてい
る。前記インナーキャップホルダ30は、リング状に形
成され、その円周方向の外周面を前記先端部3の内壁部
に嵌合するとともに、前記インナーキャップ20の前側
取付部27を軸筒2の先端部3の内側へ取付けること
で、インナーキャップ20を軸筒2内部に装着するよう
にしている。
インナーキャップ20の後側取付部29と対向する部位
には、前記後側取付部29が嵌め込まれる後側取付溝3
1がリング状で略平行に凹んだ形状で形成されている。
その後側取付溝31の外形は、前記後側取付部29の先
端部29aの外形よりも大きくされ、前記後側取付部2
9を外側に広げた状態で該後側取付溝31に嵌め込むよ
うに構成されている。
示すように、インナーキャップ20の前側取付部27と
対向する部位に、インナーキャップ取付け部3aが段付
き形成され、前側取付部27が嵌め合わされる前側取付
溝3bが軸心方向に沿って略平行に形成されている。そ
の前側取付溝3bの外形は、前側取付部27の先端部2
7aの外形よりも小さくされ、前側取付部27を内側に
向かい縮めた状態で前側取付溝3bに嵌め込むように構
成されている。
上述の如く、JIS K 6262−1997で規定さ
れる圧縮永久歪み率が20%以下、好ましくは、10%
以下、更に好ましくは、8%以下のゴム材または弾性樹
脂材で形成されている。このインナーキャップ20の圧
縮永久歪み率が20%を越えるゴム材または弾性樹脂材
からなる材質では、軸筒内部の先端部のスリットの密閉
状態が経時的に不完全となり、ペン先部がドライアップ
してしまい、インナーキャップとしての乾燥防止機能を
発揮しなくなり、好ましくない。本発明において、イン
ナーキャップ20は、上記圧縮永久歪み率が20%以下
となるゴム材または弾性樹脂材からなる材質であれば、
特に限定されず、例えば、上記特性値(20%)以下の
エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(I
IR)、シリコーンゴム(Q)、クロロプレンゴム(C
R)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ウ
レタンゴム(U)、フッ素ゴム(FKM)、クロロスル
ホン化ゴポリエチレンゴム(CSM)、エピクロロヒド
リンゴム、多硫化ゴム、オレフィン系熱可塑性エラスト
マー、その他上記各ゴム同士のブレンド品、上記各ゴム
と樹脂材とのブレンド品などが挙げられ、好ましくは、
上記特性値(20%)以下となり、かつ、インキ溶剤の
非透過性に優れたEPDM、IIR、CR、FKM、オ
レフィン系熱可塑性エラストマーが望ましい。なお、本
発明では、例えば、ゴム種が同じEPDM、IIRなど
であっても、そのゴム配合剤種(補強性充填剤、軟化
剤、架橋剤、老化防止剤等の種類)及びその各配合量の
相違により、圧縮永久歪み率が20%以下となるもの、
20%を越えるものが製造されるものとなるので、圧縮
永久歪み率が20%以下等となる材質のもの(ゴム組成
物又は軟質樹脂剤組成物)を調製し、本発明となるイン
ナーキャップに加工して用いることとなる。
くは、更に、JIS K 6253−1997で規定さ
れるデュロメータ硬さを20〜90、JIS K 62
51−1993で規定される引張強さ(TB)を4〜5
0MPa、及び切断時伸び(EB)を50〜600%と
なるゴム材または弾性樹脂材からなる材質となるものが
望ましく、更に好ましくは、デュロメータ硬さ30〜8
0とし、引張強さ10〜40MPa及び切断時伸び60
〜300%とすることが望ましい。インナーキャップ2
0のデュロメータ硬さを20〜90、引張強さを4〜5
0MPa及び切断時伸びを50〜600%とすることに
より、更に、簡単な構成で軸筒内部の先端部の密閉状態
を更に確実にしてペン先部のドライアップを更に確実に
防止して優れたキャップレス機能を有するキャップレス
筆記具が提供されることとなる。
具の作動を説明する。まず、キャップレス筆記具1を使
用しない場合、図1に示すように、軸筒2の内部に筆記
体5とともにペン先部6も収容されている。
合、図2に示すように、軸筒2を握り、筆記体5の後端
部に形成された押し部14をコイルスプリング7のばね
力に勝って先端方向へ押し込む。図1から図2に示すよ
うに、筆記体5が軸筒2内部に入り込むとともに、該筆
記体5の後端部11に形成されたストッパ係止部15が
先端方向に移動する。そして、ストッパ10を通過して
該ストッパ10端部のノッチ10aとストッパ係止部1
5の係止部15aと対向する位置まで移動する。この
時、前記押し部14は軸筒後端部12の端部に配置して
いる。
塞部21のスリット25を押し開き、軸筒2の先端部3
の開口部4より突出した状態となっている。この状態
で、前記押し部14を開放すると、コイルスプリング7
のばね力により筆記体5は後方に押し戻されるが、前記
ノッチ10aに係止部15aが止められるため、前記筆
記体5が後方から突出することはない。したがって、開
口部4よりペン先部6が突出した状態で保持される。
ッパ10の側面を押し込むことで、ノッチ10aと係止
部15aとを容易に外すことができ、コイルスプリング
7のばね力により筆記体5を後方に移動して、ペン先部
6を軸筒2内部に収容することができる。
スリット25からペン先部6が軸筒2内に退避すると、
インナーキャップ20は、上述の如く、圧縮永久歪み率
が20%以下のゴム材または弾性樹脂材で形成されたも
のであるので、この弾性力と閉塞部21の外側から内側
に作用する力によってインナーキャップに形成されたス
リット25は隙間が密着した状態となる。したがって、
キャップレス筆記具1を使用しない状態では、スリット
25からのインキに含まれる溶剤など揮発物質の揮発を
最小限に止めることができる。
ャップレス筆記具1によれば、インナーキャップ20を
軸筒内に保持するにインナーキャップホルダ30を設け
たことで、容易にインナーキャップ20を軸筒2内に取
付けることができる。また、インナーキャップ20の材
質に圧縮永久歪み率が20%以下のゴム材または弾性樹
脂材を採用したので、この特性のゴム材または弾性樹脂
材の弾性力によりスリット25の密閉状態を経時的に良
好に保つと共に、耐久性を高めることができる。さら
に、前記インナーキャップ20に、前側取付部27およ
び後側取付部29を形成したので軸筒2内部の密閉状態
を確実にすることができる。
キャップホルダ30のインナーキャップ20を取付ける
ための後側取付溝31の形状を、前記インナーキャップ
20の後側取付部29の先端部29aの外形よりも大き
く構成し、先端部29aが外側に開くように後側取付溝
31に嵌め込むようにしたので、後側取付部29が外側
に広げられることにより、後側取付部29から連続して
形成される閉塞部21に外周側から中央部の方向に圧す
る力が作用するため、すなわち、前記閉塞部21の略中
央部に形成されるスリット25の隙間を閉じる方向に力
が作用するので、閉塞部21を形成するゴム材または弾
性樹脂材の弾性による復元力を加えて、さらに密着性を
高めることができる。
ップ20に軸筒2内に嵌め込まれる前側取付部27を突
出形成し、軸筒2の先端部3内側にインナーキャップ2
0の前側取付部27が嵌め込まれる前側取付溝3bを形
成し、該前側取付部27の先端部27aが外周方向内側
に向うようにしたので、閉塞部21の外周側よりスリッ
ト25に向かい力が作用し、すなわち、前記閉塞部21
の略中央部に形成されるスリット25の開口を閉じる方
向に力が作用するので、さらに密着性を高めることがで
きる。
ップ20の閉塞部21を、先端開口に向かいドーム状に
突出形成したので、該閉塞部21の剛性を高くでき、ス
リット25を閉じる方向に力が作用した場合に確実にス
リット25を密着させることができる。
軸筒の先端開口より筆記体のペン先部が出入自在に構成
されると共に、前記軸筒の先端開口に、ゴム材または弾
性樹脂材で形成されるインナーキャップを備え、このイ
ンナーキャップは、軸筒軸心方向に沿ったペン先部出側
に、ペン先部が出入自在のスリットが形成されると共に
前記先端開口を閉塞する閉塞部を備えると共に、該イン
ナーキャップをJISK 6262−1993で規定さ
れる圧縮永久歪み率が20%以下の材質からなることを
要旨とするので、この以外の構成は特に限定されるもの
ではなく、好ましくは、上記実施形態の構造となるキャ
ップレス筆記具が望ましいものである。
プ20の閉塞部21の形状をドーム状としているが、本
発明は、閉塞部の形状に限定されるものではなく、例え
ば、平面状としたものや凹状に凹んだ形状としたもの、
あるいは円錐状、多角錐状としたものであっても良い。
プ20の閉塞部21の中央部を通るスリット25を1箇
所に形成しているが、本発明は、スリットの形状や数に
限定されるものではなく、スリットを複数形成したもの
であっても良く、例えば、閉塞部21の中央部より放射
状に3本形成して略三菱状にしたものや、4本形成して
十字状に形成したもの、あるいは6本形成したものであ
ってもよく、好ましくは、密閉状態を確実にする点から
上記実施形態のスリット25を1箇所に形成したもの、
4本形成して十字状に形成したものが望ましい。なお、
十字状であればその長さは同じであっても異なっていて
もよい。
プ20の取付部である前側取付部27、後側取付部29
を、連続的にリング状に形成しているが、本発明は、イ
ンナーキャップ20の取付部の形状に限定されるもので
はなく、例えば、閉塞部に形成されたスリットの形状に
よって、スリットを閉じるような力が有効に作用するよ
うに、取付部を部分的に構成したものや取付部を分割し
たものを連続的に構成したものであっても良い。
プ20の取付部の形状を、前側取付部27の先端部を外
側に広く構成し、後側取付部29の先端部29aを内側
に狭く構成するようにしているが、本発明においては、
閉塞部21に形成されたスリットを閉じるように力が作
用するように構成したものであれば、インナーキャップ
20の取付部の形状や構成に限定されるものではなく、
例えば、前側取付部27の先端部を内側に狭く構成した
ものや、後側取付部29の先端部29aを外側に広く構
成したもの、あるいは、取付部を軸心に沿った向きに略
平行に構成したものであっても良い。すなわち、閉塞部
の外周部を変形させることによりスリットを閉じるよう
にしたものであれば、取付部や閉塞部周りの形状や構成
を限定するものではない。
述した説明や図示例にのみ限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え
得ることは勿論である。
に詳しく説明するが、本発明は、下記実施例に限定され
るものではない。
1に示すゴム材質(EPDM,IIR,NBR)、特性
(硬さ、引張強さ、伸び、圧縮永久歪み)を有する各ゴ
ム材質をインナーキャップ20の材料として使用した。
使用した各ゴム材質の特性試験は、デュロメータ硬さに
ついては、JIS K6253−1997の加硫ゴム及
び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法(デュロメータ硬さ試験
方法)に準拠し、引張強さ(TB)及び切断時伸び
(EB)については、JIS K 6251−1993
の加硫ゴムの引張試験方法(試験片形状:ダンベル状3
号形)に準拠し、圧縮永久歪みについては、JIS K
6262−1997の加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの永
久ひずみ試験方法(試験片形状:大型試験片、試験温
度:100±1℃、試験時間:168時間、試験片を圧
縮する割合25%)に準拠して測定した。
材料として使用、成型加工し、インナーキャップの特性
値のみが異なる(インナーキャップの構造、形状、厚み
等は同じ)各キャップレス筆記具(図1〜図3のキャッ
プレス筆記具)を作製した。なお、スリット長さ9mm
である。得られた各キャップレス筆記具について、下記
方法により、ゴム戻り性、経時耐久性について評価し
た。これらの結果を下記表1に示す。
ゴム物性を有する各ゴム材質で成型を行った図3に示す
インナーキャップ20を図1の状態で筆記体に装着し
た。ただし、筆記体5はインキが充填されていない状態
である。次いで、筆記体5を図2に示すように、インナ
ーキャップ部材20をペン芯となるペン先部6が貫通
し、スリット25を広げた状態にし、50℃で、3日間
放置した。3日後にペン芯6を戻した(図1の状態)時
のスリット25の隙間の戻りの程度を下記評価基準によ
り、目視で評価した。 評価基準: 〇:スリット溝(25)の隙間がほとんど元の状態に戻
っている。 ×:スリット溝(25)の隙間がかなり開いている。
試験後のインナーキャップ20を図1の状態で筆記体5
に装着し、筆記体内に下記配合組成のインキ5mlを充
填し、50℃、1週間放置後のペン芯の筆記性を下記評
価基準により、評価した。なお、筆記体内のインキ吸蔵
体は、長さ70mm、直径13.5mm、PET製であ
り、ペン先部となるペン芯は、長さ35mm、直径4m
m、アクリル製のものを用いた。
明範囲となる実施例1〜2は、本発明の範囲外となる比
較例1〜3に較べて、ゴム戻り性及び経時耐久性に優れ
ていることが判明した。個別的にみると、実施例1〜2
では、圧縮永久歪み率が20%以下のゴム材質で成型さ
れたインナーキャップ20を用いた筆記体では、50℃
で、3日間、変形させた状態で放置しても元の状態に戻
り易いためスリット25の隙間が開くことはなく、イン
ナーキャップ20は中の気密性を保つことができるの
で、経時耐久性試験後でも中のペン芯はドライアップす
ることがなく筆記することができた。一方、比較例1〜
3では、圧縮永久歪み率が20%を越えるゴム材質で成
型されたインナーキャップ20を用いた筆記体では、5
0℃で、3日間、変形させた状態に放置されたことによ
り、スリット25が広がってしまい、インナーキャップ
部材(20)は中の気密性を保つことができなくなり、
経時耐久性試験後では中のペン芯はドライアップしてし
まい筆記することができなかった。
軸筒内部の先端部を密閉できるので、ペン先部の密閉状
態を確実にすることができ、長期保存性に優れたキャッ
プレス筆記具が提供される。請求項2の発明によれば、
スリットを常に閉じる方向に力が掛かり、該ペン先突出
部の密着性を更に高めることができるので、軸筒内のペ
ン先部近傍の密閉状態を確実にすることができる。請求
項3〜6の発明によれば、容易にインナーキャップを軸
筒内に取付けることができ、しかも、閉塞部の略中央部
に形成されるペン先突出部の開口を閉じる方向に力が作
用するので、さらに密着性を高めることができる。
全体の構成を示す断面図である。
断面図である。
平面視を示す図1のA−A断面矢視図、(b)は前記イ
ンナーキャップの装着前の状態を示す(a)のB−B断
面矢視図、(c)は前記インナーキャップの装着時の状
態を示す(a)のB−B断面矢視図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 軸筒内に筆記体を配置して、該軸筒の先
端開口より筆記体のペン先部が出入自在に構成されると
共に、前記軸筒の先端開口に、ゴム材または弾性樹脂材
で形成されるインナーキャップを備え、該インナーキャ
ップは、軸筒軸心方向に沿ったペン先部出側に、ペン先
部が出入自在のスリットが形成されると共に前記先端開
口を閉塞する閉塞部を備えたキャップレス筆記具であっ
て、前記インナーキャップは、JIS K 6262−
1997で規定される圧縮永久歪み率が20%以下の材
質からなることを特徴とするキャップレス筆記具。 - 【請求項2】 前記インナーキャップは、スリットを閉
じるように閉塞部に力が掛かった状態で軸筒内に装着さ
れてなる請求項1に記載のキャップレス筆記具。 - 【請求項3】 前記インナーキャップの軸筒軸心方向に
沿った軸筒内部側には、該インナーキャップを軸筒内に
保持するためのインナーキャップ保持部材が設けられ、 前記インナーキャップ保持部材は、その外周部で軸筒内
壁部に嵌合保持されるとともに、前記インナーキャップ
と対向する部位に保持部を備えて該インナーキャップを
保持するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に
記載のキャップレス筆記具。 - 【請求項4】 前記インナーキャップの前記閉塞部の軸
筒内部側には、前記インナーキャップ保持部材に嵌合さ
れる後側取付部が軸筒軸心方向に沿って軸筒内部側に向
かい突出形成され、該後側取付部の先端部が外周方向外
側に向うように力が掛かった状態で前記インナーキャッ
プ保持部材に装着される請求項1〜3の何れか一つに記
載のキャップレス筆記具。 - 【請求項5】 前記インナーキャップの前記閉塞部の外
周近傍には、該インナーキャップを軸筒内に保持するた
めの前側取付部が先端開口方向に向かい突出形成され、
該前側取付部の先端部が外周方向内側に向うように力が
掛かった状態で軸筒内に装着される請求項1〜4の何れ
か一つに記載のキャップレス筆記具。 - 【請求項6】 前記インナーキャップのスリットが十字
状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何
れか一つに記載のキャップレス筆記具。 - 【請求項7】 前記インナーキャップの閉塞部は、先端
開口に向かいドーム状に突出形成した形状を有すること
を特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載のキャッ
プレス筆記具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001135102A JP4671532B2 (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | キャップレス筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001135102A JP4671532B2 (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | キャップレス筆記具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002326489A true JP2002326489A (ja) | 2002-11-12 |
JP4671532B2 JP4671532B2 (ja) | 2011-04-20 |
Family
ID=18982641
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001135102A Expired - Fee Related JP4671532B2 (ja) | 2001-05-02 | 2001-05-02 | キャップレス筆記具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4671532B2 (ja) |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4522650Y1 (ja) * | 1966-06-02 | 1970-09-08 | ||
JPS6323084U (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | ||
JPH04138298A (ja) * | 1990-09-29 | 1992-05-12 | Pentel Kk | シャープペンシル |
-
2001
- 2001-05-02 JP JP2001135102A patent/JP4671532B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4522650Y1 (ja) * | 1966-06-02 | 1970-09-08 | ||
JPS6323084U (ja) * | 1986-07-30 | 1988-02-16 | ||
JPH04138298A (ja) * | 1990-09-29 | 1992-05-12 | Pentel Kk | シャープペンシル |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4671532B2 (ja) | 2011-04-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2403615C (en) | Pre-filled syringe | |
US6478495B2 (en) | Capless writing instrument | |
KR20050071700A (ko) | 출몰식 필기구 | |
US7101102B2 (en) | Capless writing instrument | |
US7942598B2 (en) | Writing implement | |
US5154526A (en) | Capillary pen cover | |
JP2002326489A (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP2009160939A (ja) | 出没式筆記具 | |
JP4666799B2 (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP4671547B2 (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP3561515B2 (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP2004098537A (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP4666795B2 (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP3653700B2 (ja) | 筆記具 | |
JP4981555B2 (ja) | 筆記具のキャップ | |
JP4601192B2 (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP2003191682A (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP3561514B2 (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP4478543B2 (ja) | 印鑑キャップ | |
JP2003136887A (ja) | 筆記具のキャップ | |
JP2005022138A (ja) | 出没式式筆記具 | |
JP2002293081A (ja) | キャップレス筆記具 | |
JP2005059367A (ja) | 流動体塗布具 | |
JP2002127676A (ja) | 直液式筆記具 | |
JP2001080283A (ja) | 筆記具のキャップ装着構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080312 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101025 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101102 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20101217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110118 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110118 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140128 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |