JP2002325780A - ステントグラフトおよびその製造法 - Google Patents

ステントグラフトおよびその製造法

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JP2002325780A
JP2002325780A JP2001135188A JP2001135188A JP2002325780A JP 2002325780 A JP2002325780 A JP 2002325780A JP 2001135188 A JP2001135188 A JP 2001135188A JP 2001135188 A JP2001135188 A JP 2001135188A JP 2002325780 A JP2002325780 A JP 2002325780A
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Atsusato Kitamura
篤識 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステントとグラフトとを一体化すると共に、
小径のカテーテルにも収容可能となるようにし、カテー
テルから出すときには拡径(自己拡張)が円滑になさ
れ、従って使用時の操作性が極めてすぐれており、さら
には、ストレートのみならず、直径が変動したり、湾曲
したり、一端側がY形またはズボン形に分岐したり、主
管から枝管が枝分かれした筒状体などとすることも容易
なステントグラフトおよびその製造法を提供することを
目的とする。 【解決手段】 経糸(1) および緯糸(2) を用いて袋織り
製織法により筒状体を製織するにあたり、緯糸(2) とし
て基布形成用の糸(2a)を用いてグラフトとしての機能を
果たすグラフト領域Gを形成していき、そのグラフト領
域Gの適当個所に、緯糸(2) として反発弾性のある糸(2
b)を用いて、ステントとしての機能を果たすステント領
域Sを間欠的に形成していく。Z−ステントを組み込む
こともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動脈瘤部等への留
置のためのステントと管代替のための筒状の基布とを一
体化すると共に、小径のカテーテルにも収容可能となる
ようにしたステントグラフトに関するものである。ま
た、そのようなステントグラフトを製造する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】〈人工血管〉人工血管として、ポリエス
テル、ポリテトラフルオロエチレンなどの高分子製の繊
維糸で作られたチューブ状の織布が知られている。人工
血管は、曲げたときにキンクを生じないように蛇腹構造
としたり、二重壁構造としたり、極細繊維を用いたり、
表面処理を施したりするなどの工夫を講じることもあ
る。人工血管の形状は、ちょうどストローのようなスト
レートな形状とすることが多いが、患者に対する適用部
位によっては、主管から枝管が分かれた枝分かれした人
工血管が要求されることがある。枝分かれ人工血管を得
るときには、ストレート形状の主管の所定の部位に、別
途作製した枝管を縫製によりつなぐのが通常である。
【0003】〈ステント〉ステントは、血管などの管状
器官内腔の狭窄部に留置して内径を確保したり、動脈瘤
の部分に留置して補強を図るための部材である。ステン
トには、Z−ステントと呼ばれるジグザグ形のもの、パ
ンタグラフ形のもの、コイル(スパイラル)形のもの、
組紐でできた篭状のものなどがある。
【0004】このうち組紐状のステントとしては、特公
平4−47575号公報(組紐構造)、特開平9−17
3469号公報(1本の編み線からなる組紐構造)、特
開平10−66730号公報(1本の編み線からなる組
紐構造)、本出願人の出願にかかる特開平11−570
21号公報(円筒篭状の組紐構造)、本出願人の出願に
かかる特開2000−5321号公報(円筒篭状の組紐
構造)などが提案されている。
【0005】〈ステントグラフト〉人工血管とステント
とを組み合わせたものも知られており、これは通常ステ
ントグラフトと呼ばれる。このステントグラフトをカテ
ーテル内に収容した状態で管状器官内腔に挿入し、つい
でカテーテルから取り出せば、ステントグラフトを動脈
瘤部等へ留置することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ジグザグ形、パンタグ
ラフ形またはコイル(スパイラル)形のステントをポリ
エステル等の織布製のチューブで覆ったステントグラフ
トは、ステントをグラフト内に収容する操作がやや煩雑
である上、ステントの種類によっては使用時にステント
とグラフトとがずれやすいという問題点がある。
【0007】篭状の組紐構造のステントをポリエステル
等の織布製のチューブで覆ったステントグラフトは、ワ
ンタッチで縮径できるというメリットがあるため、術者
によっては高い評価を得ているものの、ショートニング
(ステントを縮径してカテーテル内に収めるときには長
くなり、留置するときには拡径して血管径に等しくなる
が、このとき長さが短くなるという現象)が起こり、ま
たエンドリーク(血管壁とステントグラフトとの密着が
不充分で、その部分から瘤内に血液が流れ込む現象)を
起こすおそれもあるため、このタイプのステントグラフ
トはマイナス評価されることもある。
【0008】そしてこれらのステントグラフトは、ステ
ントとグラフトとを別々に製造してから組み立てて一体
化することはできても、ステントとグラフトとが一体化
したものを一挙に製造することはできなかった。
【0009】本発明は、このような背景下において、ス
テントとグラフトとを一体化すると共に、小径のカテー
テルにも収容可能となるようにし、カテーテルから出す
ときには拡径(自己拡張)が円滑になされ、従って使用
時の操作性が極めてすぐれており、さらには、ストレー
トのみならず、テーパーになっていたり、湾曲したり、
一端側がY形またはズボン形に分岐したり、主管から枝
管が枝分かれした筒状体などとすることも容易なステン
トグラフトおよびその製造法を提供することを目的とす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のステントグラフ
トは、経糸(1) および緯糸(2) を用いて袋織り製織法に
より得た筒状体であって、緯糸(2) として基布形成用の
糸(2a)を用いて形成されたグラフトとしての機能を果た
すグラフト領域Gの適当個所に、緯糸(2) として反発弾
性のある糸(2b)を用いて形成されたステントとしての機
能を果たすステント領域Sが間欠的に配置された筒状体
からなることを特徴とするものである。
【0011】本発明のステントグラフトの製造法は、経
糸(1) および緯糸(2) を用いて袋織り製織法により筒状
体を製織するにあたり、緯糸(2) として基布形成用の糸
(2a)を用いて、グラフトとしての機能を果たすグラフト
領域Gを形成していくこと、そのグラフト領域Gの適当
個所に、緯糸(2) として反発弾性のある糸(2b)を用い
て、ステントとしての機能を果たすステント領域Sを間
欠的に形成していくことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0013】経糸(1) および緯糸(2) のうち基布形成用
の糸(2a)としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリオレフィンをはじめとする
種々の合成繊維糸が用いられ、場合によっては金属繊維
製の糸など合成繊維糸以外の糸を用いることもできる。
これらの中では、すでに人工血管用としての実績の長い
ポリエステルマルチフィラメント糸を用いることが特に
好ましい。
【0014】緯糸(2) のうち反発弾性のある糸(2b)とし
ては、特に好適には、形状記憶合金糸が用いられる。形
状記憶合金糸の代表例は、Ni−Ti系、Cu−Al−
Ni系、Cu−Zn−Al系など、殊にNi−Ti系の
形状記憶合金糸である。
【0015】反発弾性のある糸(2b)としては、そのほ
か、ステンレス鋼、タンタルなどの金属線や、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリテトラフル
オロエチレン、ポリシロキサン、形状記憶樹脂などのプ
ラスチックスモノフィラメントを用いることもできる。
場合によっては、被覆処理した線条、芯−鞘構造の線条
を用いることもできる。
【0016】経糸(1) および緯糸(2) を構成する繊維の
太さは、極細のものから適度の太さのものまで任意であ
る。またその繊維からなる糸の太さも適宜に設定でき
る。
【0017】反発弾性のある糸(2b)が形状記憶合金糸で
あるときは、製織後に加熱して形状記憶させようとして
も、経糸(1) や基布形成用の糸(2a)がポリエステルマル
チフィラメント糸のような合成繊維糸であるときは、そ
の合成繊維糸が耐熱性不足で織布が形崩れしてしまうこ
とになる。そこで製織に先立ち、形状記憶合金糸を、筒
状体の直径と同等以上の径(2,3倍の径でもよい)に
なるようにスパイラル状に形状記憶した状態で、ステン
ト領域S形成のための緯入に使用するという工夫が講じ
られる。
【0018】本発明においては、経糸(1) および緯糸
(2) を用いて袋織り製織法により筒状体を製織するにあ
たり、・緯糸(2) として基布形成用の糸(2a)を用いて、
グラフトとしての機能を果たすグラフト領域Gを形成し
ていき、・そのグラフト領域Gの適当個所に、緯糸(2)
として反発弾性のある糸(2b)を用いて、ステントとして
の機能を果たすステント領域Sを間欠的に形成してい
く。
【0019】このとき、製織中にこれらの緯糸(2a), (2
b)を交互に切り替えることにより、筒状体に領域Gと領
域Sとがそれぞれ独立に形成した筒状体を得ることも可
能であるが、領域Sにおける組織の緻密性が低下するこ
とがあるので、グラフト領域Gは筒状体全長にわたり形
成し、ステント領域S形成用の糸(2b)をグラフト領域G
形成用の糸(2a)と一緒に緯入してステント領域Sを形成
する方が好ましい。
【0020】ここで袋織り法とは、経糸列を表裏に分離
し、緯糸を螺旋状に往復させて織り上げて、両縁にて表
裏が接結された筒状の組織を形成させる製織法を言う。
袋織り法による織り組織は、平織りとすることが多い
が、綾織りや朱子織りあるいはこれらの変化組織とする
こともできる。袋織りの一部の段階(特に開口を行いが
たい最終段階)は、手織りにより行うこともできる。
【0021】筒状体は、直径が一定のストレートの筒状
体のほか、直径が変動したテーパー付きの筒状体(末広
がりの管、ロート状の管、ラッパ状の管、じょうご状の
管、胴膨れの管、胴細にくびれた管など)、弧状やS字
状に湾曲した筒状体、一端側がY形またはズボン形(ズ
ボンの両足の長さが同じものや違うもの)に分岐した筒
状体、または主管から1ないし複数本の枝管が任意方向
に枝分かれした筒状体などとすることもできる。
【0022】直径が変動したテーパー付きの筒状体や湾
曲した筒状体は、ジャカード方式により、経糸(1) 列の
うち筒状体の巾に見合った巾の部分列を選択し、その部
分列に対して緯糸(2) ((2a)と(2b))を緯入して筒状の
管を形成していく袋織りを遂行していくことにより、目
的の筒状体を形成することができる。ジャカード方式に
よれば、経糸(1) を1ないし数本ずつ開口できるので、
部分列を刻々とあるいは所定の間隔で変えていくことが
できるのである。
【0023】主管から枝管が枝分かれした筒状体は、ス
トレートの形状の主管に枝管を縫製によりつなぐ方法に
よっても作製できるが、たとえば次のような方法により
製造することが好ましい。 1.主管の筒巾Wに見合った巾の経糸(1) 列に対して緯
糸(2) を緯入して筒状の管を形成していく袋織りを遂行
していく。 2.このとき、主管から枝管が張り出す部位について
は、その部位の主管を枝管形成側が開いた不完全管状の
織り構造とすると共に、枝管の筒巾wに相当する部分に
ついては、緯糸(2) の飛翔巾を長くして緯糸(2) のみの
織られていない構造となす。 3.ついで、このようにして得た不完全製品を新たに織
機にセットし、前記緯糸(2) のみの構造からなる枝管に
相当する個所の緯糸(2) 列を、今度は経糸(1')列として
用いて、そこに新たに緯糸(2')を緯入して筒状の管を形
成していく袋織りを遂行していき、筒状の枝管を完成さ
せる。
【0024】織り組織が筒状体の長さ方向に対しバイア
ス方向になった管(つまり織り組織が斜傾した管)も、
容易に製造でき、このようにして得た主管は、長さ方向
および径方向に伸縮するという性質が得られる。
【0025】枝管が先細または先太となるような異形形
状とすることも、上述の主管を異形形状とする工夫と同
様の工夫を講じることにより可能となる。
【0026】上述のようにして得られた筒状体の少なく
とも一部、たとえば、片端側または両端側あるいは全体
には、必要に応じ、Z−ステントと呼ばれるジグザグ形
状ステントをはじめとする別のステント(3) を装着する
こともできる。Z−ステントの設置は、ショートニング
を起こすことのない拡径(自己拡張)をより確実にする
ことができる点で有利である。
【0027】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0028】以下においては、通常の織機またはジャカ
ード方式の織機を用い、経糸(1) としてはポリエステル
マルチフィラメント糸、緯糸(2) のうち基布形成用の糸
(2a)としてはポリエステルマルチフィラメント糸、緯糸
(2) のうち反発弾性のある糸(2b)としてはNi−Ti
(50%−50%)の形状記憶合金糸を用いて、ステン
トグラフトを製造した。
【0029】ここで形状記憶合金糸は、予め目的とする
筒状体の直径よりも大きな径になるように、温度300
〜350℃に加熱してスパイラル状に形状記憶した状態
で、ステント領域S形成のための緯入に使用した。
【0030】なお各図において、糸(2a)は細線で、糸(2
b)は太線で示してある。実際に用いた糸が細い、太いと
いう意味ではない。図に表われている糸(2a), (2b)の本
数も、模式的に表示したものにすぎない。ステント領域
Sの数も、たとえば図1〜4では2つしか示していない
が、実際にはもっと多くするのが通常である。「そうこ
う」や「おさ」は、図示を省略してある。
【0031】実施例1 図1は、本発明の筒状体(ステントグラフト)の製造法
の一例を示した説明図である。図2は、図1で得られた
筒状体(ステントグラフト)の斜視図である。
【0032】1.まず、図1(イ)のように、経糸(1)
を配列する。 2.第1のシャトルを用いて糸(2a)を緯入しながら袋織
りを行って、グラフト領域Gを形成していく。 3.糸(2a)の緯入を続行しつつ、第2のシャトルを用い
て糸(2b)を緯入しながら袋織りを行って、ステント領域
Sを形成していく(糸(2a)と糸(2b)とを引き揃えて緯入
してもよい)。 4.上記2、3の操作を繰り返しながら、グラフト領域
Gの適当個所にステント領域Sが間欠的に配置された筒
状体を得る。
【0033】上記4において、糸(2b)については、糸(2
a)の緯入中も切らずに待機させて領域S−領域S間に跨
がったままとし、製品とした段階においても切らないで
おく方が好ましい(切るとトゲになるので)。なお、こ
のようにして得た筒状体は、内外を反転させて用いるこ
ともでき、このときには領域S−領域S間に跨がった部
分の糸(2a)を切断除去してもよい。
【0034】上記のようにして得たストレートの筒状体
(ステントグラフト)の寸法は任意であるが、一例をあ
げれば、扁平にしたときの折径が40mm、グラフト領域
Gが17mm、ステント領域Sが1〜2mm(糸(2b)が5
線)である。
【0035】実施例2 図3は、ストレートの筒状体の両端側に別のステント
(3) を装着したステントグラフトの斜視図である。
【0036】実施例1において、筒状体の両端側をグラ
フト領域Gとすると共に、そこにジグザグ形状の別のス
テント(Z−ステント)(3) を各2段装着した。このよ
うにして作製した図3のステントグラフトは、図2のス
テントグラフトよりも両端側の反発弾性が大である。
【0037】実施例3 図4は、本発明のステントグラフトの製造法の他の一例
を示した説明図である。
【0038】まず、図4(イ)のように経糸(1) を配列
する。(イ)においては経糸(1) を配列していない空白
で表示した領域があるが、この空白の領域にも経糸(1)
を配列しておいてもよい(ただし、この空白の個所の経
糸(1) 列は、製織時には緯糸(2) の緯入とは無関係にす
る)。
【0039】そして、目的とする枝分かれ筒状体のう
ち、図4(ロ)のように、主管の筒巾Wに見合った巾の
経糸(1) 列に対して緯糸(2) を緯入して筒状の管を形成
していく袋織りを遂行していく。
【0040】このとき、主管から枝管が張り出す部位に
ついては、その部位の主管を枝管形成側が開いた不完全
管状の織り構造とすると共に、枝管の筒巾wに相当する
部分については、緯糸(2) の飛翔巾を長くして緯糸(2)
のみの織られていない構造とする。なおこのときには、
飛翔巾を長くした個所の緯糸(2) の固定または折り返し
のため、主管とは反対側の所の経糸(1) 列または経糸
(1) を利用して、部分製織または折り返しを行う。
【0041】ついで、このようにして得た不完全製品を
新たに織機にセットしてから、図4(ハ)のように、前
記緯糸(2) のみの構造からなる枝管に相当する個所の緯
糸(2) 列を、今度は経糸(1')列として用いて、そこに新
たに緯糸(2')を緯入して筒状の管を形成していく袋織り
を遂行していき、筒状の枝管を完成させる。
【0042】なお、不完全製品を新たに織機にセットす
るときには、すでに作製されている主管にバーなどの治
具を通して固定すると共に、主管とは反対側の所の経糸
(1)の近くで緯糸(2) を切ってそこにそうこうのメイル
を通し、緯糸(2) (つまり経糸(1'))の開口を行う。こ
の場合、新たな緯糸(2')の緯入は、枝管形成個所の遊端
側および基端側のどちら側から行ってもよい(経糸(1')
の開口の関係上、通常は遊端側から行う)。なお、そう
こうを用いないで経糸(1')を開口する手段を講じること
もできる。また、袋織りの少なくとも一部の段階(特に
開口を行いがたい最終段階)を手織りにより行うことも
できる。
【0043】最後に所定の寸法にカットすれば、図4
(ニ)のように、主管Aおよび枝管Bの双方が、製織時
の糸の折り返しによる耳部に形成された構造を有する継
ぎ目のない筒状体、つまり目的とする枝分かれ筒状体が
得られる。
【0044】そして上記製織を行うにあたっては、緯糸
(2), (2') として緯糸(2a), (2b)を交互に切り替えなが
ら緯入し、領域Gと領域Sとが混在した筒状体を得るわ
けである。
【0045】実施例4〜9 図5〜10は、本発明の筒状体(ステントグラフト)の
他の例を示した説明図である。
【0046】実施例4(図5)は、主管から1方向に枝
管が2本、他方向に枝管が1本枝分かれしたステントグ
ラフトの例である。実施例5(図6)は、ロート形の主
管から枝管が1本枝分かれしたステントグラフトの例で
ある。実施例6(図7)は、筒状体の一端側が先細にな
ったステントグラフトの例である。実施例7(図8)
は、主管から1方向に枝管が3本枝分かれした筒状体の
主管を湾曲させたものの例である。実施例8(図9)
は、弧状に湾曲した筒状体の例である。実施例9(図1
0)は、一端側がズボン形に分岐した筒状体の例であ
る。
【0047】図示は省略してあるが、これらの筒状体の
開口端側には、実施例2(図3)のように、ジグザグ形
状の別のステント(3) を装着することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明のステントグラフトは、経糸(1)
および緯糸(2) を用いて袋織り製織法により得た筒状体
であって、緯糸(2) として基布形成用の糸(2a)を用いて
形成されたグラフトとしての機能を果たすグラフト領域
Gの適当個所に、緯糸(2) として反発弾性のある糸(2b)
を用いて形成されたステントとしての機能を果たすステ
ント領域Sが間欠的に配置された筒状体からなる。
【0049】本発明のステントグラフトは、動脈瘤部等
への留置のためのステントと管代替のための筒状の基布
とが一体化されており、小径のカテーテルにも収容可能
である上(カテーテルへの収容性が良好である上)、カ
テーテルから出すときにはショートニングなしに円滑に
拡径がなされ、従って使用時の操作性が極めてすぐれて
いる。
【0050】また、本発明によれば、ストレートのみな
らず、直径が変動したり、湾曲したり、一端側がY形ま
たはズボン形に分岐したり、主管から枝管が枝分かれし
た筒状体などを得ることも容易である。従って、個々の
患者に応じた最適の形状、構造、サイズのものを作製す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒状体(ステントグラフト)の製造法
の一例を示した説明図である。
【図2】図1で得られた筒状体(ステントグラフト)の
斜視図である。
【図3】ストレートの筒状体の両端側に別のステント
(3) を装着したステントグラフトの斜視図である。
【図4】本発明のステントグラフトの製造法の他の一例
を示した説明図である。
【図5】主管から1方向に枝管が2本、他方向に枝管が
1本枝分かれしたステントグラフトの例である。
【図6】ロート形の主管から枝管が1本枝分かれしたス
テントグラフトの例である。
【図7】筒状体の一端側が先細になったステントグラフ
トの例である。
【図8】主管から1方向に枝管が3本枝分かれした筒状
体の主管を湾曲させたものの例である。
【図9】弧状に湾曲した筒状体の例である。
【図10】一端側がズボン形に分岐した筒状体の例であ
る。
【符号の説明】
G…グラフト領域、 S…ステント領域、 (1), (1') …経糸、 (2), (2') …緯糸、 (2a)…基布形成用の糸、(2b)…反発弾性のある糸、 (3) …別のステント、Z−ステント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C097 AA15 BB01 BB10 CC01 DD09 DD11 MM03 4C167 AA41 AA43 AA44 AA47 AA51 AA53 AA54 BB02 BB03 BB10 BB15 BB17 CC09 CC10 FF05 FF10 GG06 GG07 GG08 GG32 HH30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】経糸(1) および緯糸(2) を用いて袋織り製
    織法により得た筒状体であって、緯糸(2) として基布形
    成用の糸(2a)を用いて形成されたグラフトとしての機能
    を果たすグラフト領域Gの適当個所に、緯糸(2) として
    反発弾性のある糸(2b)を用いて形成されたステントとし
    ての機能を果たすステント領域Sが間欠的に配置された
    筒状体からなることを特徴とするステントグラフト。
  2. 【請求項2】基布形成用の糸(2a)が合成繊維糸であり、
    反発弾性のある糸(2b)が形状記憶合金糸である請求項1
    記載のステントグラフト。
  3. 【請求項3】筒状体が、直径が一定のストレートの筒状
    体、直径が変動したテーパー付きの筒状体、湾曲した筒
    状体、一端側がY形またはズボン形に分岐した筒状体、
    または主管から枝管が枝分かれした筒状体である請求項
    1記載のステントグラフト。
  4. 【請求項4】筒状体の片端側または両端側あるいは全体
    に、別のステント(3) を装着してある請求項1記載のス
    テントグラフト。
  5. 【請求項5】経糸(1) および緯糸(2) を用いて袋織り製
    織法により筒状体を製織するにあたり、 緯糸(2) として基布形成用の糸(2a)を用いて、グラフト
    としての機能を果たすグラフト領域Gを形成していくこ
    と、 そのグラフト領域Gの適当個所に、緯糸(2) として反発
    弾性のある糸(2b)を用いて、ステントとしての機能を果
    たすステント領域Sを間欠的に形成していくことを特徴
    とするステントグラフトの製造法。
  6. 【請求項6】基布形成用の糸(2a)が合成繊維糸であり、
    反発弾性のある糸(2b)が形状記憶合金糸であり、その形
    状記憶合金糸を、筒状体の直径と同等以上の径になるよ
    うにスパイラル状に形状記憶した状態で、ステント領域
    S形成のための緯入に使用することを特徴とする請求項
    5記載の製造法。
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