JP4290447B2 - ステント型血管補綴材用織成管状体及びそれを用いたステント型血管補綴材 - Google Patents
ステント型血管補綴材用織成管状体及びそれを用いたステント型血管補綴材 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステント型血管補綴材用織成管状体及び該織成管状体を用いたステント型血管補綴材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から大動脈瘤や大動脈解離の治療法としては、外科的に病変部を削除し、血管補綴材で置換する方法が基本とされてきた。しかしながら、開腹あるいは開胸操作を伴う手術は、侵襲による患者負担が大きく、危険を伴うものであった。特に、慢性病を有する老人にとっては合併症を誘発する恐れがあり適用が制限されていた。そこで近年、大動脈瘤や大動脈解離に対する低侵襲治療として、カテーテルを経由して、ステントを有する血管補綴材、いわゆるステント型血管補綴材を病変部血管内に誘導し、病変部をステント型血管補綴材で覆い血栓化させることにより病変部への血液流入を防止し、病変部の破裂等を防止するという血管内治療(血管内手術)が注目を集めている。
【0003】
このような血管内治療に用いられるステント型血管補綴材は、小さく折り畳んだ状態でカテーテルに挿入され、病変部まで搬送された後放出され、管状に復元される。ここでステントとは、血管などの体内管状器官を保持するために挿入される筒状の支持骨格であり、血管補綴材においては、管状を機械的に保持するとともに、血管補綴材を血管壁に留置固定するのに作用する。
【0004】
ところが、ステント型血管補綴材はステントを有さない血管補綴材に比べて柔軟性が劣るため、折り畳み性および人体の屈曲した血管への適合性に限界があった。
【0005】
これに対し、間欠位置に配置した折り曲げ自在な複数のリング状線材部(本明細書における「ステント」に相当する)の間を筒状の表装材(本明細書における「織成管状体」に相当する)によって連結した移植用器具(本明細書における「ステント型血管補綴材」に相当する)が開示されている(例えば、特許文献1参照)。ここに開示されるステントは、従来のステント、すなわち長さ方向に連続的に連結した支持骨格を有するステントとは異なり、それ単独ではリング状線材部同士が互いに連結されていない。このような構成により、柔軟性の低下を防止し、折り畳み性、血管形状適合性に優れた移植用器具を得ようとするものである。また、表装材の経糸に保形性を有するモノフィラメントを、緯糸に緻密なマルチフィラメントを使用することにより、リング状線材部が互いに連結されていなくても血液の流れによって押しつぶされることのない程度の保形性と、血液が外部に漏出することのない程度の液密性を達成しようとするものである。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−83978号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
該移植用器具は、該リング状線材部と該表装材の組み合わせに特徴があり、換言するならば、該リング状線材部自体は長さ方向の潰れに対し何ら耐性を有さないため、潰れに対する配慮がなされていない従来の表装材を組み合わせた場合、血液の流れによって移植用器具が押し潰され、末端部分の間隙から病変部に血液が流れ込んで、致命的欠陥となりかねないのである。
【0008】
しかしながら、経糸にモノフィラメントを使用したことにより、表装材表面に経筋が発生しやすいという別の問題が生じた。経筋は経糸張力、筬引込み数、筬羽密度などの不適正により発生する製織工程上の欠点で、経糸に付いた傷や経糸間の隙間が筋状となって現れるものである。これらは、強度(破断強度、破裂強度)や液密性を低下させるため好ましくない。また、経糸にモノフィラメントを使用したことにより、経糸と緯糸の交絡部に隙間が発生しやすいという更なる問題も生じた。経糸・緯糸間の隙間は液密性を大きく低下させる原因となる。このように、経糸にモノフィラメントを使用した表装材は、緯糸に緻密なマルチフィラメントを使用したとしても、液密性が不十分で、血液の漏出による病変部への血液流入を防止することができなかった。
【0009】
経糸・緯糸間の隙間は、経糸にマルチフィラメントを用いることにより解消される。ところが、経糸に従来のマルチフィラメントを用いた表装材は、長さ方向の潰れに対する耐性が十分でなく、潰れに対し耐性を有さないステント、たとえばリング状線材部を間欠位置に配置することにより柔軟性を向上させたステントと組み合わせることはできない。一方、経糸に従来のマルチフィラメントを用いた表装材を潰れに対し耐性を有するステント、例えば、ステンレス製Z−ステントのように長さ方向に連続的に連結する支持骨格を有するステントと組み合わせたのでは、表装材の柔軟性が損なわれる。このように、柔軟性、保形性、液密性のすべてを満足するステント型血管補綴材は無く、大動脈瘤や大動脈解離の治療に支障を来たしていたのである。
【0010】
本発明はこのような現状に鑑みて行われたものであり、ステント型血管補綴材として病変部に留置された際に、血液の流れに押し潰されることなく管状を保持できる保形性と、血液の外部への漏出を低減する高い液密性を兼ね備え、病変部への血液流入を防ぐことができるステント型血管補綴材用織成管状体及び該織成管状体を用いたステント型血管補綴材を提供することを目的とする。本発明のステント型血管補綴材用織成管状体は、その優れた保形性により、長さ方向の潰れに対し耐性を有さないステントに対して適用することが可能で、たとえばリング状線材部を間欠位置に配置したステントと組み合わせることにより、小さく折り畳んでカテーテルに挿入することができ、かつ、人体の血管形状に適合することができる柔軟性をも併せ持ったステント型血管補綴材を提供することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の単糸数を備えるマルチフィラメントをステント型血管補綴材用織成管状体の経糸に用い、該単糸を緯糸内において単列配置状態とすることが、上記目的達成のために極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。本発明は、次の構成よりなるものである。
【0012】
単糸数2〜5本より構成されるマルチフィラメントを経糸の少なくとも一部に含み、該単糸が緯糸内において単列配置状態であることを特徴とするステント型血管補綴材用織成管状体。
【0013】
前記ステント型血管補綴材用織成管状体において、前記マルチフィラメントの単糸繊度が5.5〜50dtexであることを特徴とする。
【0014】
前記ステント型血管補綴材用織成管状体において、単糸繊度0.1〜3.5dtex、単糸数10〜1000本より構成されるマルチフィラメントを緯糸に用いてなることを特徴とする。
【0015】
前記ステント型血管補綴材用織成管状体において、クリンプ加工が施されていることを特徴とする。
【0016】
前記ステント型血管補綴材用織成管状体において、分岐部を有することを特徴とする。
【0017】
前記ステント型血管補綴材用織成管状体とステントとを含むことを特徴とするステント型血管補綴材。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本明細書において「ステント型血管補綴材用織成管状体」を、単に「織成管状体」という場合もある。また、「織成管状体」とは、フラットな織布を縫製、融着などによりつなぎ合わせて管状としたもの、または袋織りの技法、すなわち長さ方向に沿った経糸の間に、円周方向に沿った緯糸を螺旋状に織り込むことにより、製織段階から管状としたものをいう。
【0019】
本発明のステント型血管補綴材用織成管状体は、単糸数2〜5本より構成されるマルチフィラメントを経糸の少なくとも一部に含み、該単糸が緯糸内において単列配置状態となるように製織したものである。このようなマルチフィラメントは後述の図1〜3に示されるように(もちろんその上下反対の配列も含まれる)、緯糸13,23,33内において経糸11,21,31をそれぞれ構成する単糸11a、11b;21a,21b,21c;および31a,31b,31c,31d,31eがそれぞれ単列に並ぶ状態で配置されている。このように特定本数の経糸単糸を緯糸内において単列状態で配置することにより、経糸・緯糸間の隙間を少なくすることが可能で、これによってカラム強度を大きくしながら、相対的に透水率を減少させることができる。ここで、単糸の単列状態とは、単糸が実質的に一列に並ぶことをいい、具体的には図4に示される緯糸43と経糸41との状態までは許容できるが、後述の図5および図6に示される状態は含まれない。図5に示されるように、経糸51の単糸同士が重なった状態であると、緯糸53との隙間が大きくなって、透水率を低く維持することができないからである。同様に、図6に示されるように、経糸61の単糸同士が重なった状態であると、緯糸63との隙間が大きくなるからである。また、本発明において、緯糸による経糸の包絡線は楕円形ないしは扁平形となることが好ましい。
【0020】
図7は単列配置状態を構成する方法の一例を説明するための概略図である。単列配置状態を構成するためには、例えば、図7に示すように、単糸数2本より構成されるマルチフィラメントである経糸71をセパレーター74などによって、単糸1本1本に分割した後、単糸を引き揃えて綜絖75、筬76を通し、緯糸73との製織部に供給する方法を挙げることができる。
【0021】
本発明の経糸に用いられるマルチフィラメントは単糸数が2〜5本であれば特に制限されることはないが、さらに次の特性(a)〜(c)を備えることがより好ましい。
【0022】
(a)単糸繊度が5.5〜50dtexの範囲であることが好ましい。単糸繊度が5.5dtexより小さいと、単糸自体およびこれにより構成されるマルチフィラメントの剛性が小さくなり、該マルチフィラメントを経糸の少なくとも一部に使用した織成管状体、該織成管状体を使用したステント型血管補綴材において十分な保形性が得られず、長さ方向の潰れに対し十分な耐性が得られない。単糸繊度が50dtexより大きいと、織成管状体の壁厚が増すとともに剛性が大きくなりすぎて、織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材を小さく折り畳むことが困難となる。このため、血管内治療において径の大きなカテーテルが必要となり、血管内への挿入、血管内の移動が難しく、さらには病変部を損傷する危険もある。
【0023】
単糸数が1本、すなわちモノフィラメントであると、織成管状体に経筋や経糸・緯糸間の隙間が発生しやすく、強度(破断強度、破裂強度)や液密性が不十分となり血液の漏出を防止できない。単糸数が5本より多いと、単糸同士のねじれや重なりが発生しやすく、緯糸内において単糸が単列に配置され難くなるため、織成管状体の液密性が不十分となる恐れがある。
【0024】
(b)上記構成よりなるマルチフィラメントの総繊度は、11〜250dtexの範囲内にあるものが好ましい。総繊度が11dtexより小さいと剛性が小さくなり、該マルチフィラメントを経糸の少なくとも一部に使用した織成管状体、該織成管状体を使用したステント型血管補綴材において十分な保形性が得られず、長さ方向の潰れに対し十分な耐性が得られない。総繊度が250dtexより大きいと、織成管状体の壁厚が増すとともに剛性が大きくなりすぎて、織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材を小さく折り畳むことが困難となる。このため、血管内治療において径の大きなカテーテルが必要となり、血管内への挿入、血管内の移動が難しく、さらには病変部を損傷する危険もある。より好ましくは総繊度30〜80dtexのマルチフィラメントであり、これらは単糸繊度(5.5〜50dtex)、単糸数(2〜5本)を上記範囲内で適宜調整することにより得ることができる。
【0025】
全体として上記条件を満たすものであれば、マルチフィラメントを構成する個々の単糸は、同一繊度を有する単糸であっても構わないし、それぞれが異なる繊度を有する単糸であっても構わない。
【0026】
(c)また、該マルチフィラメントの撚り数は0〜100回/mであることが好ましい。たとえば単糸繊度5.5〜50dtex、単糸数2〜5本より構成されるマルチフィラメントは、血管補綴材料として従来から使用されているマルチフィラメント、すなわち単糸繊度0.1〜3.5dtex、単糸数10〜1000本より構成されるマルチフィラメントに比べて単糸繊度が大きく、かつ単糸数が少ないため、撚りをかけることによる単糸同士のねじれや重なりが液密性に大きく影響する。したがって撚り数は0回/m(無撚)、もしくは限りなく0回/mに近いことが好ましく、最大でも100回/mである。撚り数が100回/m以下であれば、製織の際に撚りが解かれ、緯糸内において単糸が単列に配置される。撚り数が100回/mを越えると、製織の際に完全に解撚されず、緯糸内において単糸が単列に配置されないため、織成管状体の液密性が不十分となり、血液の漏出を防止できない。
【0027】
単糸数が特定範囲内にある、好ましくは単糸数、単糸繊度、総繊度、撚り数の全てが特定範囲内にあるマルチフィラメント(本明細書において「本発明のマルチフィラメント」という場合もある)を、織成管状体を形成する経糸の少なくとも一部に使用し、該単糸を緯糸内において単列状態で配置させることにより、ステント型血管補綴材として病変部に留置された際に、血液の流れに押し潰されることなく管状を保持できる保形性と、血液の外部への漏出を低減する高い液密性を兼ね備え、病変部への血液流入を防ぐことができるステント型血管補綴材用織成管状体を得ることが可能となる。本発明のステント型血管補綴材用織成管状体は、経糸単糸を緯糸内において単列状態で配置させた点に特徴があり、本発明のマルチフィラメントにかわって、2〜5本のモノフィラメントを用い、これらを引き揃えて単列配置状態を構成したものであっても、本発明と同様の効果を得ることができる。そこで、上記モノフィラメントも本発明の範囲内であるといえる。使用するモノフィラメントの繊度は5.5〜50dtexであることが好ましい。
【0028】
経糸に使用される本発明のマルチフィラメント以外の糸条(本明細書において「その他の糸条」という場合もある)は特に限定されるものではなく、たとえば血管補綴材料として従来から使用されているマルチフィラメント、すなわち単糸繊度0.1〜3.5dtex、単糸数10〜1000本より構成されるマルチフィラメントを使用することができる。
【0029】
単糸繊度が0.1dtexより小さいと織成管状体の強度(破断強度、破裂強度)が弱くなる。単糸繊度が3.5dtexより大きいと、本発明のマルチフィラメントと組み合わせて使用した場合、織成管状体の壁厚が増すとともに剛性が大きくなりすぎて、織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材を小さく折り畳むことが困難となる。
【0030】
単糸数が10本より少ないと液密性が不十分となって、血液の漏出を防止できない。単糸数が1000本より多いと、製織過程において糸切れ、毛羽立ち等の欠点が発生しやすく工業的安定性が低下する。
【0031】
上記構成よりなるマルチフィラメントの総繊度は、33〜110dtexであることが好ましい。総繊度が33dtexより小さいと、本発明のマルチフィラメントと組み合わせて使用した場合、織成管状体の強度(破断強度、破裂強度)が弱くなる。総繊度が110dtexより大きいと、織成管状体の壁厚が増すとともに剛性が大きくなりすぎて、織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材を小さく折り畳むことが困難となる。
【0032】
経糸に使用されるその他の糸条としては、たとえば上記マルチフィラメントより適宜選択可能であるが、好ましくは組み合わせとなる本発明のマルチフィラメントと同程度の総繊度を有するマルチフィラメントである。経糸に使用する本発明のマルチフィラメントとその他の糸条の総繊度が大きく異なると、織成管状体表面が不均一となるため、液密性が不十分となる恐れがある。また、強度(破断強度、破裂強度)や壁厚のバラツキが大きくなる。
【0033】
該マルチフィラメントの撚り数は0〜1000回/mであることが好ましい。撚り数が少ないほど単糸同士のねじれや重なりが発生しにくく液密性は良好であるが、製織安定性の点から1000回/m以下の撚りがかかっていても構わない。撚り数が1000回/mより多いと、単糸同士のねじれや重なりが影響し、織成管状体の液密性が不十分となる。製織安定性、液密性のバランスから、マルチフィラメントの撚り数は200〜500回/mであることがより好ましい。
【0034】
経糸における本発明のマルチフィラメントとその他の糸条の使用比率は、織成管状体を形成する総経糸本数を100とした場合、25:75〜100:0が好ましく、これらは均等に配置されることが好ましい。使用比率が25:75より小さいと、織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材において十分な保形性が得られず、長さ方向の潰れに対して十分な耐性が得られない。使用比率を25:75〜100:0の範囲内で調整することにより、長さ方向の潰れに対する耐性を調整することができる。つまり、上記マルチフィラメントの使用比率を大きくするほど、織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材では、長さ方向の潰れに対して耐性が大きくなる。
【0035】
次に、織成管状体を形成する緯糸は特に限定されるものではなく、経糸に使用されるその他の糸条の場合と同様、たとえば血管補綴材料として従来から使用されているマルチフィラメント、すなわち単糸繊度0.1〜3.5dtex、好ましくは0.1〜1.0dtex、単糸数10〜1000本より構成されるマルチフィラメントを使用することができる。単糸繊度が0.1〜1.0dtexであると、織成管状体がより緻密化されて液密性が向上する。さらに、総繊度33〜110dtex、撚り数0〜1000回/m、より好ましくは200〜500回/mのマルチフィラメントが望ましい。
【0036】
上記条件を満たすマルチフィラメントを織成管状体の緯糸に用いることで、強度(破断強度、破裂強度)や折り畳み性を損なうことなく、本発明の特長の一つである液密性を最大限に引き出すことが可能となる。
【0037】
本発明の織成管状体の経糸に使用される本発明のマルチフィラメント、経糸に使用されるその他の糸条、および緯糸に使用される糸条の素材としては特に限定されるものではないが、血管補綴材料としての使用実績からポリエステル系繊維が好ましい。ポリエステル系繊維は化学的に安定で耐久性が大きく、機械的強度も高く、毒性や異物反応がないことから、血管補綴材料として広く用いられてきた。ポリエステル系繊維として具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体、及びこれらの複合繊維などを挙げることができる。
【0038】
織成管状体の織り組織は特に限定されるものでなく、例えば平織り、綾織り、朱子織り、梨地織りなどが挙げられるが、壁厚を薄く、且つ強度(破断強度、破裂強度)や液密性に優れた管状体を得やすいという理由により平織りが好ましい。
【0039】
このようにして得られる本発明のステント型血管補綴材用織成管状体は、ステント型血管補綴材として病変部に留置された際に、血液の流れに押し潰されることなく管状を保持できる保形性と、血液の外部への漏出を低減する高い液密性を兼ね備えている。中でも、カラム強度(Column Strength)、キンク半径、透水率、壁厚などの値が特定範囲内にある織成管状体は、本発明の最大の特長である保形性、液密性に加え、ステント型血管補綴材として当然具備すべき耐キンク性や折り畳み性に優れ、血管内治療において極めて有用である。
【0040】
織成管状体のカラム強度は0.020〜0.130N/mmφであることが好ましい。ここで、カラム強度とは、長さ方向の潰れに対する強さ(耐性)を表し、この値が大きいほど長さ方向の潰れに対し耐性を有することを意味する。カラム強度が0.020N/mmφより小さいと、ステント型血管補綴材として病変部に留置された際に、血液の流れによって押し潰され病変部に血液が流入する恐れがある。カラム強度が0.130N/mmφより大きいと、織成管状体の剛性が大きくなりすぎて織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材を小さく折り畳むことが困難となる。また、ステント型血管補綴材として留置後、血管に柔軟に追従しづらくなる。
【0041】
織成管状体のキンク半径は織成管状体の内径によって異なり、内径が大きいほどキンク半径も大きくなる傾向にある。したがって、キンク半径を一律に規定することはできないものの、たとえば織成管状体の内径を24mmとした場合、キンク半径は5.5mm以下であることが好ましい。ここで、キンクとは、体内での屈曲や外圧により血管補綴材が折れ曲がる現象をいい、耐キンク性はキンク半径(血管補綴材をループさせていき、外見上明らかに折れ曲がりが生じる半径)を指標として表される。すなわち、キンク半径が小さいほど折れ曲がりに対し耐性が大きいことを意味する。キンク半径が0mmに近いほど、複雑な血管内の屈曲部位においても、該織成管状体を用いたステント型血管補綴材の挿入および留置が容易となり好ましい。本発明の織成管状体のキンク半径は、内径を24mmとした場合5.5mm以下であることが好ましく、これより大きいと、ステント型血管補綴材として病変部に留置された際に、屈曲した人体の血管形状に適合できない恐れがある。
【0042】
本発明の織成管状体は、本来、ステントと組み合わせて、大動脈瘤や大動脈解離の治療に適用することを前提としており、その内径は通常7〜54mmである。しかしながら、個体差もあり、この範囲に限定されるものではない。
【0043】
織成管状体にはクリンプ加工が施されていることが好ましい。クリンプ加工を施すことにより、本発明の織成管状体およびこれを使用したステント型血管補綴材の屈曲性がより優れたものとなり、人体の血管形状に無理なく適合することが可能となる。すなわち、キンク半径が小さくなり、耐キンク性が向上するのである。また、折り畳まれたステント型血管補綴材の復元動作にも、クリンプが有効に作用する。織成管状体にクリンプを付与する方法としては、従来公知の方法を採用することができ、たとえば米国特許3337673や特開平1−155860に開示される方法などを好ましく採用することができる。
【0044】
織成管状体の透水率は500ml/min/cm2以下であることが好ましい。透水率は液密性と密接に関係しており、この値が0ml/min/cm2、もしくは0ml/min/cm2に近いほど、織成管状体からの血液の漏出を防止でき、血栓化を促進させることができるので好ましい。好ましい透水率の上限は500ml/min/cm2で、これより大きいと、ステント型血管補綴材として病変部に留置された際に、織成管状体から血液が漏れ出し、病変部への血液流入を防止できない恐れがある。
【0045】
織成管状体の壁厚は150μm以下であることが好ましい。壁厚が150μmより大きいと、織成管状体および該織成管状体を用いたステント型血管補綴材を小さく折り畳むことが困難となる。前述したように、折り畳み性はステント型血管補綴材の構成において重要なパラメーターであり、折り畳み性が劣るものは血管内治療において大きな径のカテーテルを必要とし、操作性を低下させることにつながる。
【0046】
織成管状体は、分岐部を有するものであってもよい。生体血管の分岐部分に動脈瘤が形成された場合、たとえば腹部大動脈から総腸骨動脈にいたる血管に動脈瘤が生じた場合、ストレートタイプのステント型血管補綴材を複数個用いて治療にあたることも可能であるが、手術操作は複雑で多大な時間を要する。このような場合には、分岐部を有するステント型血管補綴材を使用することが、患者負担や安全性の面から好ましく、合理的である。
【0047】
本発明の織成管状体は、特開2000−83978に開示されるステント、すなわちリング状線材部を間欠位置に配置したステントに代表されるように、それ自体では長さ方向の潰れに対し耐性を有さないステントに対して適用することが好ましく、保形性に優れるという本発明の特長を最大限に発揮することができるが、これに限定されるものではない。
【0048】
また、保形性および液密性に優れるという特長により、ステントを有さない血管補綴材としても有効に用いることができる。
【0049】
図8は本発明のステント型血管補綴材用織成管状体の一例を示す図面である。図8において、80がステント型血管補綴材用織成管状体である。
【0050】
図9は本発明のステント型血管補綴材の一例を示す図面である。図9において、織成管状体90がステント97に取り付けられている。
【0051】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0052】
<測定方法>
▲1▼カラム強度(N/mmφ)
長さ50mmの織成管状体を、長さ30mmまで押し潰す際に必要とする力を引張り圧縮試験機により測定した。なお、mmφは織成管状体の内径値を示す。
【0053】
▲2▼キンク半径(mm)
「人工血管ガイドライン」(ISO7198 Cardiovascularimplants−Tubular vascular prostheses)を参考に測定した。織成管状体をループさせていき、外観上明らかに折れ曲がりが生じた半径を半径既知の円筒状治具を用いて測定した。織成管状体自体の特性を評価するため、内圧維持は行わなかった。
【0054】
▲3▼透水率(ml/min/cm2)
「人工血管ガイドライン」を参考に測定した。0.5〜1.0cm2の試料面に、120mmHg(16.0kPa)の水を供給し、透過する水量を1分間測定した。透過水量を1.0cm2当たりに換算し、透水率とした。なお、透水率の測定は、クリンプ加工を施す前の織成管状体について行った。
【0055】
▲4▼壁厚(μm)
「人工血管ガイドライン」を参考に、定圧厚さ計を用いて壁厚を測定した。なお、壁厚の測定は、クリンプ加工を施す前の織成管状体について行った。
【0056】
(実施例1)
経糸に単糸繊度18dtex、単糸数2本より構成される総繊度36dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)、緯糸に単糸繊度0.55dtex、単糸数170本より構成される総繊度94dtex、撚り数200回/mのポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメントを用いて内径24mm、平織り組織の管状体を袋織りにより作成し、クリンプ加工を施して、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態を模式的に図1に示す。
【0057】
(実施例2)
経糸に単糸繊度33.5dtex、単糸数2本より構成される総繊度67dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態は単列配置状態であった。
【0058】
(実施例3)
経糸に単糸繊度16.8dtex、単糸数4本より構成される総繊度67dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態は単列配置状態であった。
【0059】
(実施例4)
経糸に単糸繊度33dtexの単糸1本および単糸繊度18dtexの単糸2本より構成される総繊度69dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態を模式的に図2に示す。
【0060】
(実施例5)
経糸に単糸繊度18dtex、単糸数2本より構成される総繊度36dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)、および単糸繊度2.8dtex、単糸数12本より構成される総繊度33dtex、撚り数300回/mのポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメントを50:50の比率で用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態は単列配置状態であった。
【0061】
(実施例6)
経糸に単糸繊度50dtex、単糸数4本より構成される総繊度200dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態は単列配置状態であった。
【0062】
(実施例7)
経糸に単糸繊度18dtex、単糸数5本より構成される総繊度90dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態を模式的に図3に示す。
【0063】
(実施例8)
経糸に単糸繊度18dtex、単糸数5本より構成される総繊度90dtex、撚り数100回/mのポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメント(本発明のマルチフィラメント)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、目的のステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態は単列配置状態であった。
【0064】
(比較例1)
経糸に繊度18dtexのポリエチレンテレフタレート製モノフィラメントを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、ステント型血管補綴材用織成管状体を得た。
【0065】
(比較例2)
経糸に繊度33dtexのポリエチレンテレフタレート製モノフィラメントを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、ステント型血管補綴材用織成管状体を得た。
【0066】
(比較例3)
経糸に単糸繊度18dtex、単糸数6本より構成される総繊度108dtex、無撚のポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメントを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、ステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態を模式的に図5に示す。
【0067】
(比較例4)
経糸に単糸繊度2.3dtex、単糸数24本より構成される総繊度56dtex、撚り数300回/mのポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメントを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、ステント型血管補綴材用織成管状体を得た。
【0068】
(比較例5)
経糸に単糸繊度4.6dtex、単糸数48本より構成される総繊度222dtex、撚り数300回/mのポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメントを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、ステント型血管補綴材用織成管状体を得た。
【0069】
(比較例6)
経糸に単糸繊度18dtex、単糸数5本より構成される総繊度90dtex、撚り数150回/mのポリエチレンテレフタレート製マルチフィラメントを用いたこと以外は実施例1と同じ方法で、ステント型血管補綴材用織成管状体を得た。なお、得られた管状体において、経糸の状態を模式的に図6に示す。
【0070】
(比較例7)
市販の血管補綴材(ポリエチレンテレフタレート製、内径24mm、平織り組織、袋織り、クリンプ加工有り)について性能を評価した。
【0071】
用いられている糸条の繊度、単糸数については次のように求めた。すなわち、糸断面を電子顕微鏡で観察し、単糸数、単糸直径を計測した。ついで、単糸直径から単糸繊度を算出し、単糸繊度、単糸数から総繊度を算出した。この結果、経糸は単糸繊度0.58dtex、単糸数216本から構成される総繊度125dtexのマルチフィラメント、緯糸は単糸繊度0.58dtex、単糸数144本から構成される総繊度84dtexのマルチフィラメントであった。なお、▲3▼透水率、▲4▼壁厚は、熱処理によりクリンプを除去した血管補綴材について測定した。
【0072】
実施例1及び3、比較例2で得られたステント型血管補綴材用織成管状体の外表面を拡大して写真撮影し、それぞれ図10〜12として示す。図10及び11において、経糸と緯糸との交絡部分は隙間がなく、図12から、モノフィラメントを用いた経糸と緯糸との間に隙間が観察された。
【0073】
以上、実施例1〜8、及び比較例1〜7における評価結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
表1において、経糸にモノフィラメントを用いた比較例1,2では、カラム強度が0.045および0.064N/mmφと特定範囲内(0.020〜0.130N/mmφ)にあって好ましいが、透水率が700,800ml/min/cm2と大きくて好ましくない。また、経糸に従来のマルチフィラメント、すなわち単糸数が多く、単糸繊度が小さいマルチフィラメントを用いた比較例4,5,7では、透水率がいずれも50ml/min/cm2と小さくて好ましいが、カラム強度が0.010、0.018、0.010N/mmφと小さくて好ましくない。さらに、単糸数が6本と特定範囲(2〜5本)を越えるマルチフィラメントを経糸に用いた比較例3、および撚り数が150回/mと特定範囲(0〜100回/m)を越えるマルチフィラメントを経糸に用いた比較例6では、カラム強度が0.049、0.050N/mmφと特定範囲内(0.020〜0.130N/mmφ)にあって好ましいが、単列配置状態とならないために透水率が600、800ml/min/cm2と大きくて好ましくなかった。
【0076】
(実施例9)
実施例1〜8において作成された、全長60mmのステント型血管補綴材用織成管状体に、特開2000−83978に開示されるリング状線材部を、15mm間隔で縫着してステント型血管補綴材を作成し、血管を模倣した内径24mm、外径28mmの樹脂チューブ内にカテーテルを経由して留置した。なお、該チューブのステント型血管補綴材留置位置は半径50mmの円筒外周に沿って湾曲させられており、さらにステント型血管補綴材留置位置の大湾側には内径10mmのチューブにより分枝が形成されていた。該ステント型血管補綴材留置後に、該チューブ内に血液に見立てた水を流したところ、水流による形状の潰れもなく内腔が保持され、また、該分枝からの水の漏出もなく、良好な留置結果を得ることができた。
【0077】
(比較例8)
比較例1〜7において作成された、全長60mmのステント型血管補綴材用織成管状体に、特開2000−83978に開示されたリング状線材部を、15mm間隔で縫着してステント型血管補綴材を作成し、実施例9と同様のチューブ内に留置し、該チューブ内に血液に見立てた水を流した。
【0078】
この結果、比較例1、2、3、6においては、水流による形状の潰れはみられなかったものの、透水率が大きいために分枝からの水の漏出が顕著に多く、臨床使用において瘤内への血流の十分な遮断が行われないことが懸念された。
【0079】
比較例4、7においては、カラム強度が小さいために、チューブ内に留置するに当り最基部端のリングをチューブに対して垂直に安定して配置することが困難であり、また、部分的にキンクによる内腔断面積の減少が見られた。さらに、水流により最基部端のリングが若干抹消側に流される傾向が見られた。これにより、長期の留置で留置位置のずれや、内腔の閉塞が起こりうることが懸念された。
【0080】
比較例5においては、壁厚が厚いために、カテーテルを経由する際にカテーテル内でのステント型血管補綴材の摺動抵抗が増加し、留置操作が困難であった。
【0081】
【発明の効果】
本発明のステント型血管補綴材用織成管状体は、単糸数が特定範囲内にある、好ましくは単糸数、単糸繊度、総繊度、撚り数の全てが特定範囲内にあるマルチフィラメントを、織成管状体を形成する経糸の少なくとも一部使用し、該単糸を緯糸内において単列状態で配置させることにより、ステント型血管補綴材として病変部に留置された際に、血管補綴材が血液の流れによって押し潰されることなく管状を保持できる保形性と、血液の外部への漏出を低減する高い液密性を達成している。これにより病変部への血液流入を防ぐことが可能となる。
【0082】
本発明のステント型血管補綴材用織成管状体は、それ自体では長さ方向の潰れに対し耐性を有さないステントに対しても好ましく適用することができ、柔軟性、追従性に優れたステント型血管補綴材となるため、血管内治療において極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1で得られた管状体の経糸における単糸の緯糸内の配列の仕方を模式的に示す断面図である。
【図2】は、実施例4で得られた管状体の経糸における単糸の緯糸内の配列の仕方を模式的に示す断面図である。
【図3】は、実施例7で得られた管状体の経糸における単糸の緯糸内の配列の仕方を模式的に示す断面図である。
【図4】は、管状体に用いられる経糸における単糸の緯糸内の配列の許容される範囲を模式的に示す断面図である。
【図5】は、比較例3で得られた管状体の経糸における単糸の緯糸内の配列の仕方を模式的に示す断面図である。
【図6】は、比較例6で得られた管状体の経糸における単糸の緯糸内の配列の仕方を模式的に示す断面図である。
【図7】は、単列配置状態を構成するための装置の概略図である。
【図8】は、本発明のステント型血管補綴材用織成管状体の一例を示す図面である。
【図9】は、本発明のステント型血管補綴材の一例を示す図面である。
【図10】は、実施例1で得られたステント型血管補綴材用織成管状体の拡大表面を示す写真である。
【図11】は、実施例3で得られたステント型血管補綴材用織成管状体の拡大表面を示す写真である。
【図12】は、比較例2で得られたステント型血管補綴材用織成管状体の拡大表面を示す写真である。
【符号の説明】
11、21,31,41、51,61、71…経糸
13、23,33,43,53,63、73…緯糸
80,90…ステント型血管補綴材用織成管状体
97…ステント
Claims (7)
- 単糸数2〜5本より構成されるマルチフィラメントを、経糸本数を100とした場合に25〜100の比率で経糸に含み、該単糸が緯糸内において単列配置状態であり、前記マルチフィラメントの単糸繊度が5.5〜50dtexであることを特徴とするステント型血管補綴材用織成管状体。
- 前記マルチフィラメントの撚り数が、0〜100回/mであることを特徴とする請求項1に記載のステント型血管補綴材用織成管状体。
- 単糸繊度0.1〜3.5dtex、単糸数10〜1000本より構成されるマルチフィラメントを緯糸に用いてなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のステント型血管補綴材用織成管状体。
- クリンプ加工が施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のステント型血管補綴材用織成管状体。
- 分岐部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のステント型血管補綴材用織成管状体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のステント型血管補綴材用織成管状体とステントとを含むことを特徴とするステント型血管補綴材。
- 前記ステントがリング状線材部を間欠位置に配置したステントであることを特徴とする請求項6に記載のステント型血管補綴材。
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