JP2002325445A - スイッチング電源装置及び共振型スイッチング電源回路 - Google Patents

スイッチング電源装置及び共振型スイッチング電源回路

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JP2002325445A
JP2002325445A JP2001125102A JP2001125102A JP2002325445A JP 2002325445 A JP2002325445 A JP 2002325445A JP 2001125102 A JP2001125102 A JP 2001125102A JP 2001125102 A JP2001125102 A JP 2001125102A JP 2002325445 A JP2002325445 A JP 2002325445A
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Ryuichi Furukoshi
隆一 古越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂下特性のヒステリシスに陥ることを防止す
る。 【解決手段】 発振回路110が発振すると、NMOS
101,102がデッドタイムを挟みつつ交互にオン
し、トランス104の一次巻線104a及びコンデンサ
105に電流が流れる。電流検出回路150はコンデン
サ105に流れる電流を検出し、検出した電流値を積分
回路160が積分する。そして、積分結果に基づいてそ
れまでオン状態であった方のNMOS102またはNM
OS101をオフさせる。よって、コンデンサ105に
流れる電流が瞬時的にピークになる場合では、NMOS
101,102がオフしない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流共振型等のス
イッチング電源装置及びスイッチング電源回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図11は、従来のスイッチング電源装置
を示す構成図である。このスイッチング電源装置は、電
源1の正極にドレインが接続されたスイッチング素子と
してのNチャネル型MOSトランジスタ(以下、NMO
Sという)2と、電源1の負極及びグランドにソースが
接続されたNMOS3と、発振回路10とを、備えてい
る。発振回路10には、電源11の正極に各エミッタが
接続された4個のPNP形トランジスタ12,13,1
4,15と、抵抗16と、各エミッタがそれぞれグラン
ドに接続された4個のNPN形トランジスタ17,1
8,19,20と、コンデンサ21と、電源11の正極
及び負極の間の電圧を分圧する3個直列の分圧抵抗2
3,24,25とが、設けられている。
【0003】トランジスタ12のコレクタが抵抗16の
一端に接続されるとともに、トランジスタ17のコレク
タに接続されている。抵抗16の他端は電源11の負極
に接続されている。トランジスタ12〜15のベース
は、共通に接続され、トランジスタ13及び14のコレ
クタがトランジスタ18及び19のコレクタに接続され
ている。トランジスタ15のコレクタは、トランジスタ
20のコレクタに接続されるとともにコンデンサ21の
一方の電極に接続されている。トランジスタ19及び2
0のベースが、トランジスタ19のコレクタに接続さ
れ、トランジスタ19及びトランジスタ20が、カレン
トミラー回路を構成している。
【0004】分圧抵抗23〜25のうちの抵抗23の一
端が、電源11の正極に接続され、この抵抗23の他端
が、抵抗24の一端に接続されている。抵抗24の他端
が抵抗25の一端に接続され、抵抗25の他端が電源1
1の負極に接続されている。抵抗23及び24の接続点
が、比較回路26のマイナス入力端子(−)に接続さ
れ、抵抗24及び抵抗25の接続点が、比較回路27の
プラス入力端子(+)に接続されている。比較回路26
のプラス入力端子(+)及び比較回路27のマイナス入
力端子(−)は、トランジスタ15及び20のコレクタ
に接続されている。
【0005】比較回路26の出力端子は、リセットセッ
トフリップフロップ(以下、RS−FFという)28の
セット端子(S)に接続されている。比較回路27の出
力端子は、RS−FF28のリセット端子(R)に接続
されている。RS−FF28の出力端子(Q)は、イン
バータ(NOTゲート)29の入力端子に接続され、イ
ンバータ29の出力端子がトランジスタ18のベースに
接続されている。RS−FF28の出力端子(Q)とイ
ンバータ29の出力端子とは、発振回路10の出力端子
となり、そのRS−FF28の出力端子(Q)には、抵
抗30の一端が接続されている。抵抗30の他端がコン
デンサ31に接続され、コンデンサ31がグランドに接
続されている。インバータ29の出力端子には、抵抗3
2の一端が接続され、抵抗32の他端がコンデンサ33
に接続されている。コンデンサ33は、グランドに接続
されている。
【0006】RS−FF28の出力端子(Q)には、制
御部40中の2入力ORゲート41の一方の入力端子が
接続されている。インバータ29の出力端子には、制御
部40中の2入力ORゲート42の一方の入力端子が接
続されている。制御部40は、NMOS2,3のオンオ
フを制御する回路であり、ORゲート41の出力端子が
リセット端子(R)に接続されたRS−FF43と、O
Rゲート42の出力端子がリセット端子(R)に接続さ
れたRS−FF44と、ドライバ45とを備えている。
【0007】RS−FF43のセット端子(S)は、抵
抗30とコンデンサ31との接続点に接続されている。
RS−FF44のセット端子(S)は、抵抗32とコン
デンサ33との接続点に接続されている。RS−FF4
3の出力端子(Q)は、2入力2出力のドライバ45の
一方の入力端子(HIN)に接続され、RS−FF44
の出力端子(Q)がドライバ45のもう一方の入力端子
(LIN)に接続されている。ドライバ45の一方の出
力端子(HO)が、NMOS2のゲートに接続され、ド
ライバ45の他方の出力端子(LO)が、NMOS3の
ゲートに接続されている。
【0008】NMOS2のソース及びNMOS3のドレ
インが接続されたノードNには、チョーク46の一端が
接続され、該チョーク46の他端が変圧器(以下、トラ
ンスという)47の一次巻線に接続され、その一次巻線
がコンデンサ48の一方の電極に接続されている。コン
デンサ48の他方の電極が抵抗49を介してグランドに
接続されている。トランス47の二次巻線の一端には、
ダイオード50のアノードが接続され、このダイオード
50のカソードが、平滑コンデンサ52の一方の電極に
接続されている。トランス47の二次巻線の他端には、
ダイオード51のアノードが接続され、ダイオード51
のカソードが、平滑コンデンサ52の一方の電極に接続
されている。平滑コンデンサ52の他方の電極は、二次
巻線の中間タップにも接続されている。コンデンサ52
の両方の電極が、一対の出力端子OUTに接続されてい
る。
【0009】出力端子OUTは、スイッチング電源の出
力端子であり、エラーアンプ53が接続されている。エ
ラーアンプ53は、出力端子OUTから出力される電圧
を、所定の参照電圧と比較して、誤差の電圧を増幅して
トランジスタ17のベースに帰還するものである。
【0010】一方、抵抗49とコンデンサ48との接続
点には、電源11の正極が抵抗61を介して接続されて
いる。また、電源11の正極と負極との間には、抵抗6
2,63,64が直列に接続されている。抵抗62と抵
抗63との接続点は、比較回路65のマイナス入力端子
(−)に接続されている。抵抗63と抵抗64との接続
点は、比較回路66のプラス入力端子(+)に接続され
ている。比較回路65のプラス入力端子(+)及び比較
回路66のマイナス入力端子(−)は、コンデンサ48
と抵抗49との接続点に接続されている。比較回路65
の出力端子が、ORゲート41の他方の入力端子に接続
されている。比較回路66の出力端子が、ORゲート4
2の他方の入力端子に接続されている。
【0011】次に、このスイッチング電源装置の動作を
説明する。発振回路10は、高速でNMOS2,3を交
互にオンオフするために発振し、RS−FF28は、ハ
イレベル(以下、“H”と記す)及びローレベル(以
下、“L”と記す)を交互に出力する。RS−FF28
の出力信号が“H”になると、ORゲート42が“H”
を出力するので、RS−FF44がリセットされ、ドラ
イバ45が“L”の出力信号をNMOS3のゲートに与
える。これにより、NMOS3がオフする。RS−FF
28が“H”を出力し始めてから、時間が経過すると、
コンデンサ31が充電されてコンデンサ31と抵抗30
の接続点の電圧が、“H”になる。これにより、RS−
FF43がセットされて“H”を出力する。RS−FF
43が“H”を出力すると、NMOS2がオンする。従
って、NMOS3がオフしたのちに、NMOS2がオン
する。
【0012】RS−FF28の出力信号が“L”になる
と、インバータ29が“H”を出力するようになり、O
Rゲート41が“H”を出力する。これにより、RS−
FF43がリセットされ、ドライバ45が“L”の出力
信号をNMOS2のゲートに与える。これにより、NM
OS2がオフする。RS−FF28が“L”を出力し始
めてから、時間が経過すると、コンデンサ33が充電さ
れてコンデンサ33と抵抗32の接続点の電圧が、
“H”になる。これにより、RS−FF44がセットさ
れて“H”を出力する。RS−FF44が“H”を出力
すると、NMOS3がオンする。従って、NMOS2が
オフしたのちに、NMOS3がオンする。
【0013】よって、NMOS2,3が交互にオンする
とともに、同時にオン状態になることがない。即ち、デ
ッドタイムが設けられている。NMOS2がオン状態の
ときには、NMOS2は、ドレイン電流をチョーク4
6、トランス47の一次巻線及びコンデンサ48に流
す。このとき、ノードNの電圧VSは電源1の電源電圧
Vinに固定される。NMOS2がオフ状態になると、チ
ョーク46及びトランス47の一次巻線に蓄積されたエ
ネルギーによって、ノードNの電圧が、ほぼグランドの
電位になるまで引き下げられる。デッドタイムの後にN
MOS3がオンすると、NMOS3がドレイン電流を流
す。ドレイン電流が流れることにより、ノードNの電圧
が、グランドの電位に固定される。チョーク46及びト
ランス47の一次巻線とコンデンサ48とは、電流直列
共振回路になり、NMOS2,3が交互にオンすること
により、コンデンサ48には正弦波の電流が流れ、トラ
ンス47の二次巻線に交番する電圧が誘起される。ダイ
オード50,51は、交番する電圧を整流し、コンデン
サ52を充電し、出力端子OUTから直流電圧が出力さ
れる。
【0014】エラーアンプ53は、出力端子OUTから
出力される電圧と所定値との差を求め、その差に対応す
る信号をトランジスタ17のゲートに負帰還する。これ
により、定電流源としてのトランジスタ12〜15に流
れる電流が変化し、コンデンサ21の充放電速度が変化
し、RS−FF43,44のリセットされるタイミング
が変化し、出力電圧が安定化する。これに対し、出力端
子OUTから過電流が出力されることを防止するため
に、抵抗49が設けられている。出力端子OUTから過
電流が流れるときには、コンデンサ48に流れる電流も
増加する。抵抗49は、コンデンサ48に流れる電流に
対応する電圧を、コンデンサ48との接続点から出力す
る。この電圧が抵抗61によりバイアスされて、比較回
路65,66に入力される。
【0015】比較回路65は、抵抗62と抵抗63との
接続点の電圧よりも、抵抗49から入力された電圧が高
いときに、過電流が流れていると判断して“H”をOR
ゲート41へ出力する。比較回路66は、抵抗63と抵
抗64との接続点の電圧よりも、抵抗49から入力され
た電圧が低いときに、“L”をORゲート42へ出力す
る。そのため、過電流が出力されるときには、それまで
オンしていたNMOS2またはNMOS3が強制的にオ
フされる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図12は、従来のスイ
ッチング電源装置の課題を示す説明図である。スイッチ
ング電源装置には、トランスの一次巻線或いは一般的イ
ンダクタにコンデンサが接続され、そのインダクタと電
源との間に設けられたスイッチング素子をオンオフして
インダクタに電流を流すことにより、負荷に供給する電
力を発生させるものがある。このようなスイッチング電
源装置では、図11の抵抗62〜64及び比較回路6
5,66と同様な過電流保護回路を設けている。過電流
保護回路を設けることより、出力電流が増加したとき
に、それが一定値以上に増加しないようになる。
【0017】図11の抵抗62〜64及び比較回路6
5,66からなる過電流保護回路は、コンデンサ48に
流れる電流の瞬時値を検出して、NMOS2,3をオフ
させる信号を出力している。そのため、例えば出力端子
OUTに接続される負荷が瞬時的に重くなったときで
も、NMOS2,3がオフされる。NMOS2,3がオ
フされると、出力端子OUTにおける出力電圧が低下し
てしまう。即ち、コンデンサ48に流れる電流が本来図
12(2)の左の波形であるところが、右の波形にな
り、出力電流と出力電圧の関係が図12(1)のA点か
らB点に移り、エネルギーの低下によって出力電圧が減
少する。出力電圧と出力電流との関係をA点に復帰させ
るには、一旦出力電圧をさげ、それから出力電圧をあげ
る必要があった。つまり、垂下特性にヒステリシスが出
てしまうことになる。
【0018】本発明は、瞬時的に負荷が重くなっても、
垂下特性にヒステリシスを生じさせないスイッチング電
源装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点に係るスイッチング電源装置
は、インダクタと、前記インダクタの一端と電源との間
に接続されたスイッチング素子と、前記インダクタの他
端とグランドとの間に接続され、該インダクタと直列共
振回路を形成するコンデンサと、前記スイッチング素子
をオンオフさせて前記インダクタに電流を流すことによ
り、負荷に電力を供給する制御部とを備えるスイッチン
グ電源装置において、前記コンデンサに流れる電流の電
流値を検出する電流検出回路と、前記検出された電流値
を積分する積分回路と、前記積分回路の出力する積分値
が所定値以上になったか否かを判断する積分値判断回路
とをさらに備え、前記制御部は、前記積分値が所定値以
上になったときに、前記スイッチング素子をオフさせる
手段を備えることを特徴とする。
【0020】このような構成を採用したことにより、電
流検出回路により、コンデンサに流れる電流が検出さ
れ、検出された電流値の積分値が積分回路により求めら
れる。積分値が所定値以上になったことが、積分値判断
回路により判断され、スイッチング素子がオフする。よ
って、瞬時的に負荷が重くなっても、出力電流と出力電
圧の関係が維持され、垂下特性にヒステリシスが生じな
い。また、前記インダクタを、変圧器の一次巻線とし、
該変圧器の二次巻線から負荷へ電力を供給する構成にし
てもよい。また、前記電流検出回路が出力する値をべき
乗し、該べき乗した電流値を前記検出された電流値とし
て前記積分回路に与える乗算回路を設けてもよい。
【0021】なお、前記乗算回路は、乗数を入力する乗
数入力端子と被乗数を入力する被乗数入力端子と該乗数
と被乗数との積を出力する出力端子とをそれぞれ備え、
前段の出力端子が該被乗数入力端子にそれぞれ接続され
て任意数が縦続接続された掛算器を有し、初段の前記掛
算器の前記乗数入力端子及び前記被乗数入力端子が前記
電流検出回路の出力端子に接続され、前記初段以外の前
記掛算器の前記乗数入力端子が前記電流検出回路の出力
端子に共通に接続され、最終段の前記掛算器の出力端子
が前記積分回路に接続されていてもよい。また、前記乗
算回路は、前記電流検出回路の検出結果を量子化する量
子化手段と、前記量子化結果をべき乗した電圧を出力ノ
ードに設定して前記積分回路に与える電圧設定手段とを
備えてもよい。
【0022】また、本発明の第2の観点に係る共振型ス
イッチング電源回路は、インダクタと該インダクタの一
端に直列に接続されたコンデンサとから構成される共振
回路と、前記インダクタの他端に接続され、異なる電圧
を交互に印加するスイッチング回路と、を備える共振型
スイッチング電源回路において、前記コンデンサを流れ
る電流を検出し、検出した電流を積分し、積分値に基づ
いて、前記スイッチング回路を制御することにより、過
電流を防止する過電流防止回路を備えることを特徴とす
る。
【0023】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕図1は、本発
明の第1の実施形態を示すスイッチング電源装置の構成
図である。このスイッチング電源装置はハーフブリッジ
型であり、主電源100の正極にドレインが接続された
スイッチング素子であるNMOS101と、NMOS1
01のソースと主電源100の負極及びグランドとの間
に接続されたスイッチング素子であるNMOS102と
を備えている。NMOS101のドレインとソースとの
間には、コンデンサ101aが接続されている。NMO
S102のドレインとソースとの間には、コンデサ10
1bが接続されている。また、このスイッチング電源装
置は、電流共振型であり、NMOS101のソースとN
MOS102のドレインとの接続点に一端が接続された
チョーク103と、チョーク103の他端にインダクタ
である一次巻線104aの一端が接続されたトランス1
04と、その一次巻線104bの他端に一方の電極が接
続されたコンデンサ105とを備えている。
【0024】トランス104の二次巻線104bの一端
は、ダイオード106のアノードに接続されている。二
次巻線104bの他端は、ダイオード107のアノード
に接続されている。ダイオード106,107のカソー
ドが、コンデンサ108の一方の電極に接続されてい
る。コンデンサ108の他方の電極が、二次巻線104
bの中間タップに接続されている。コンデンサ108の
両方の電極が、対を成す出力端子OUTに接続されてい
る。
【0025】このスイッチング電源装置には、さらに、
発振回路110と、デッドタイム設定回路130と、制
御部140と、電流検出回路150と、積分回路160
と、積分値判断回路170と、エラーアンプ180と
が、設けられている。発振回路110は、NMOS10
1,102のスイッチング周期を設定する回路であり、
電源111と、電源111の正極に各エミッタが接続さ
れた4個のPNP形トランジスタ112,113,11
4,115と、抵抗116と、各エミッタがそれぞれ電
源111の正極に接続されたグランドに接続された4個
のNPN形トランジスタ117,118,119,12
0と、コンデンサ121と、電源111の正極と電源1
11の負極との間の電圧を分圧する3個直列の分圧抵抗
123,124,125とを有している。
【0026】トランジスタ112のコレクタが、抵抗1
16の一端に接続されるとともに、トランジスタ117
のコレクタに接続されている。抵抗116の他端は、電
源111の負極に接続されている。トランジスタ112
〜115のベースは、共通に接続され、トランジスタ1
13,114のコレクタが、トランジスタ118,11
9のコレクタに接続されている。トランジスタ115の
コレクタは、トランジスタ120のコレクタに接続され
るとともにコンデンサ121の一方の電極に接続されて
いる。トランジスタ119及び120のベースが、トラ
ンジスタ119のコレクタに接続され、トランジスタ1
19及びトランジスタ120が、カレントミラー回路を
構成している。
【0027】分圧抵抗123〜125のうちの抵抗12
3の一端が、電源111の正極に接続され、この抵抗1
23の他端が抵抗124の一端に接続されている。抵抗
124の他端が、抵抗125の一端に接続され、抵抗1
25の他端が、電源111の負極に接続されている。抵
抗123及び124の接続点が、比較回路126のマイ
ナス入力端子(−)に接続され、抵抗124及び抵抗1
25の接続点が、比較回路127のプラス入力端子
(+)に接続されている。比較回路126のプラス入力
端子(+)及び比較回路127のマイナス入力端子
(−)は、トランジスタ115及び120のコレクタに
接続されている。比較回路126の出力端子は、RS−
FF128のセット端子(S)に接続されている。比較
回路127の出力端子は、RS−FF128のリセット
端子(R)に接続されている。RS−FF128の出力
端子(Q)が、インバータ129を介してトランジスタ
118のベースに接続されている。
【0028】RS−FF128の出力端子(Q)とイン
バータ129の出力端子(Q)が、発振回路110の出
力端子であり、RS−FF128の出力端子(Q)は、
デッドタイム設定回路130中の抵抗131の一端に接
続されている。抵抗131の他端が、コンデンサ132
の一方の電極に接続され、コンデンサ132の他方の電
極が、グランドに接続されている。インバータ129の
出力端子は、デッドタイム設定回路130中の抵抗13
3に接続されている。抵抗133の他端が、コンデンサ
134一方の電極に接続され、コンデンサ134の他方
の電極が、グランドに接続されている。インバータ12
9の出力端子は、さらに、制御部140中の2入力OR
ゲート141の一方の入力端子に接続されている。
【0029】RS−FF128の出力端子(Q)は、制
御部140中のORゲート143の一方の入力端子に接
続されている。ORゲート141の出力端子が、RS−
FF142のリセット端子(R)に接続され、ORゲー
ト143の出力端子が、RS−FF144のリセット端
子(R)に接続されている。RS−FF142の出力端
子(Q)は、2入力2出力のドライバ145の一方の入
力端子(HIN)に接続されている。RS−FF144
の出力端子(Q)は、ドライバ145の他方の入力端子
(LIN)に接続されている。ドライバ145の一方の
出力端子(HO)が、NMOS101のゲートに接続さ
れている。ドライバ145の他方の出力端子(LO)が
NMOS102のゲートに接続されている。
【0030】電流検出回路150は、コンデンサ105
とグランドとの間に接続された抵抗151と、抵抗15
1とコンデンサ105との接続点に一端が接続されると
ともに、他端が電源111の正極に接続された抵抗15
2と、電源111の正極と負極との間に接続された分圧
抵抗153,154とを備えている。抵抗153と抵抗
154との接続点が、演算増幅器155の反転入力端子
(−)に接続されている。演算増幅器155の非反転入
力端子(+)には、コンデンサ105と抵抗151との
接続点が接続されている。演算増幅器155の出力端子
と反転入力端子(−)との間には、抵抗156が接続さ
れている。演算増幅器155の出力端子が、積分回路1
60中の抵抗161の一端に接続されている。抵抗16
1の他端には、2個のコンデンサ162,163の各一
方の電極が接続されている。コンデンサ162の他方の
電極が、電源111の正極に接続され、コンデンサ16
3の他方の電極が、電源111の負極に接続されてい
る。
【0031】コンデンサ162,163及び抵抗161
の接続点が、積分値判断回路170中の比較回路171
のプラス入力端子(+)に接続されるとともに、比較回
路172のマイナス入力端子(−)に接続されている。
積分値判断回路170には、さらに、電源111の正極
と負極との間に直列に接続された抵抗173,174,
175が設けられている。抵抗173と抵抗174との
接続点が、比較回路171のマイナス入力端子(−)に
接続されている。抵抗174と抵抗175との接続点
が、比較回路172のプラス入力端子(+)に接続され
ている。比較回路171の出力端子は、ORゲート14
1の他方の入力端子に接続されている。比較回路172
の出力端子は、ORゲート143の他方の入力端子に接
続されている。エラーアンプ180は、コンデンサ10
8の両方の電極間に接続され、出力信号をトランジスタ
117のゲートに送るようになっている。
【0032】図2は、図1のスイッチング電源装置の動
作を示すタイムチャートである。この図2を参照しつ
つ、スイッチング電源装置の動作を説明する。このスイ
ッチング電源装置では、発振回路110中のRS−FF
128の出力信号が“H”となると、インバータ129
の出力信号が“L”になる。これがトランジスタ118
のベースの電圧を引き下げ、トランジスタ119のベー
ス電圧を上昇させる。トランジスタ119のベース電圧
が上昇することにより、このトランジスタ119に流れ
る電流が増加する。トランジスタ119と相俟ってカレ
ントミラー回路を形成するトランジスタ120は、トラ
ンジスタ119に流れる電流と等しい増加した電流を電
源111の負極側へ流す。これにより、コンデンサ12
1から電荷が引き抜かれ、コンデンサ121の充電電
圧、つまり、比較回路126のプラス入力端子(+)及
び比較回路127のマイナス入力端子(−)の電圧が、
低くなる。
【0033】比較回路127は、プラス入力端子(+)
の電圧である抵抗124及び抵抗125の接続点の電圧
と、マイナス入力端子(−)に入力された電圧とを比較
し、一致したときにパルス信号を出力する。パルス信号
がリセット端子(R)に入力されたRS−FF128は
“L”を出力し、インバータ129が“H”を出力する
ようになる。インバータ129が“H”を出力すると、
トランジスタ118のベースの電圧が、これまでとは逆
に上昇し、トランジスタ119のベース電圧を下降させ
る。トランジスタ119のベース電圧が下降することに
より、このトランジスタ119に流れる電流が減少し、
トランジスタ120に流れる電流が減少する。これによ
り、コンデンサ121に電荷が蓄積し、比較回路126
のプラス入力端子(+)及び比較回路127のマイナス
入力端子(−)の電圧が高くなる。比較回路126は、
マイナス入力端子の電圧、即ち、抵抗123及び抵抗1
24の接続点の電圧と、プラス入力端子(+)に入力さ
れた電圧とを比較し、一致したときにパルス信号を出力
する。パルス信号がリセット端子(R)に入力されたR
S−FF128は“H”を出力し、インバータ129が
再び“L”を出力するようになり、上記動作を繰り返
す。即ち、発振することになる。
【0034】RS−FF128の出力信号が“H”にな
ると、ORゲート143が“H”を出力するので、RS
−FF144がリセットされ、ドライバ145が“L”
の出力信号をNMOS102のゲートに与える。これに
より、NMOS102がオフする。RS−FF128が
“H”を出力し始めてから、時間が経過すると、コンデ
ンサ132が充電されてコンデンサ132と抵抗131
の接続点の電圧が、“H”になる。これにより、RS−
FF142がセットされて“H”を出力する。RS−F
F142が“H”を出力すると、NMOS101がオン
する。従って、NMOS102がオフしたのちに、NM
OS101がオンする。
【0035】RS−FF128の出力信号が“L”にな
ると、インバータ129が“H”を出力するようにな
り、ORゲート141が“H”を出力する。これによ
り、RS−FF142がリセットされて“L”をドライ
バ145に与え、ドライバ145が“L”の出力信号を
NMOS101のゲートに与える。これにより、NMO
S101がオフする。RS−FF128が“L”を出力
し始めてから、時間が経過すると、コンデンサ134が
充電されてコンデンサ134と抵抗133の接続点の電
圧が、“H”になる。これにより、RS−FF144が
セットされて“H”を出力する。RS−FF144が
“H”を出力すると、NMOS102がオンする。従っ
て、NMOS101がオフしたのちに、NMOS102
がオンする。よって、NMOS101,102が交互に
オンするとともに、同時にオン状態になることがない。
即ち、デッドタイムが設けられている。
【0036】NMOS101がオン状態のときには、N
MOS101は、図2に示すように、ドレイン電流I1
をチョーク103、トランス104の一次巻線104a
及びコンデンサ105に流す。このとき、ノードNの電
圧は電源100の電源電圧Vinに固定される。NMOS
101がオフ状態になると、チョーク103及びトラン
ス104の一次巻線104aに蓄積されたエネルギーよ
って、ノードNの電圧が、ほぼグランドの電位になるま
で引き下げられる。デッドタイムの後にNMOS102
がオンすると、NMOS102がドレイン電流I2を流
す。ドレイン電流I2が流れることにより、ノードNの
電圧が、グランドの電位に固定される。チョーク103
及びトランス104の一次巻線104aとコンデンサ1
05とは、電流直列共振回路になり、交互にNMOS1
01,102がオンすることにより、コンデンサ105
には正弦波の電流が流れ、トランス104の二次巻線1
04bに交番する電圧が誘起される。ダイオード10
6,107は、交番する電圧を整流し、コンデンサ10
8を充電し、出力端子OUTから直流電圧が出力され
る。
【0037】エラーアンプ180は、出力端子OUTか
ら出力される電圧と所定値との差を求め、その差に対応
する信号をトランジスタ117のゲートに負帰還する。
これにより、定電流源としてのトランジスタ112〜1
15に流れる電流が変化し、コンデンサ121の充放電
速度が変化し、RS−FF142,144のリセットさ
れるタイミングが変化する。即ち、NMOS102,1
03がオフ状態になるタイミングが変化する。出力端子
OUTから過電流が出力されることを防止するために、
電流検出回路150が設けられている。出力端子から過
電流が流れるときには、コンデンサ105に流れる電流
も増加する。抵抗151は、コンデンサ105に流れる
電流に対応する電圧を、コンデンサ105との接続点か
ら出力する。この電圧が抵抗152によりバイアスされ
て、演算増幅器155の非反転入力端子(+)に入力さ
れる。
【0038】演算増幅器155は、入力されたコンデン
サ105に流れる電流に相当する電圧を増幅して積分回
路160に出力する。積分回路160中の抵抗161
は、積分回路160から与えられる電圧を遅延してコン
デンサ162,163に充放電する。このコンデンサ1
62,163に充放電することにより、コンデンサ16
2,163の接続点の電圧が、コンデンサ105に流れ
る電流の積分値に相当する電圧になる。積分回路160
は、積分値に相当する電圧を積分値判断回路170へ出
力する。積分値判断回路170中の比較回路171は、
抵抗173と抵抗174との接続点の電圧と積分値に相
当する電圧と比較し、積分値に相当する電圧のほうが高
ければ、“H”を出力する。これにより、ORゲート1
41の出力が“H”になり、RS−FF142がリセッ
トされ“L”を出力する。よって、それまで、オンして
いたNMOS101がオフする。
【0039】積分値判断回路170中の比較回路172
は、抵抗174と抵抗175との接続点の電圧と積分値
に相当する電圧とを比較し、積分値に相当する電圧のほ
うが低ければ“H”を出力する。これにより、ORゲー
ト142の出力が“H”になり、RS−FF144がリ
セットされ“L”を出力する。よって、それまで、オン
していたNMOS102がオフする。
【0040】図3は、図1の垂下特性を示す図である。
本実施形態によれば、出力端子OUTから出力される出
力電流が増加しても、出力電流の瞬時値でそれまでオン
していたNMOS101または102がオフせず、積分
値が所定値を超えたときにのみNMOS101,102
をオフにするので、負荷が、瞬時的に重くなってもNM
OS101,102が強制的にオフになることがなく、
負荷へのエネルギーの供給が継続される。よって、図3
のように、ヒステリシスの少ない垂下特性が得られる。
【0041】〔第2の実施形態〕図4は、本発明の第2
の実施形態を示すスイッチング電源装置の構成図であ
り、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付され
ている。このスイッチング電源装置の第1の実施形態の
スイッチング電源装置と異なる点は、発振回路110を
発振回路110Aに変更し、制御部140及びデッドタ
イム設定回路130を制御部140Aに変更し、新たに
乗算器190を設けたことである。他の構成は、図1と
同様になっている。
【0042】発振回路110Aには、図1で制御部14
0に配置されていたORゲート141,143が組み込
まれている。比較回路126の出力端子が、ORゲート
141の一方の入力端子に接続され、比較回路127の
出力端子がORゲート143の一方の入力端子に接続さ
れている。積分値判断回路170中の比較回路171の
出力端子がORゲート143の他方の入力端子に接続さ
れ、ORゲート141の出力端子がRS−FF128の
セット端子(S)に接続されている。積分値判断回路1
70中の比較回路172の出力端子が、ORゲート14
1の他方の入力端子に接続され、ORゲート143の出
力端子がRS−FF128のリセット端子(R)に接続
されている。発振回路110Aの他の構成は、発振回路
110と同様になっている。
【0043】制御部140Aには、ORゲート141,
143がなく、その代わりに、図1中では、デッドタイ
ム設定回路130中に配置していた抵抗131,133
及びコンデンサ132,134が組み込まれている。発
振回路110AのRS−FF128の出力端子(Q)
が、制御部140A内で、抵抗131の一端に接続さ
れ、抵抗131の他端がコンデンサ132の一方の電極
とRS−FF142のセット端子(S)とに接続されて
いる。RS−FF142のセット端子(S)にはダイオ
ード146のアノードが接続され、このダイオード14
6のカソードが抵抗131の一端に接続されている。コ
ンデンサ132の他方の電極が、グランドに接続されて
いる。RS−FF128の出力端子(Q)は、RS−F
F144のリセット端子(R)にも接続されている。
【0044】発振回路110Aのインバータ129の出
力端子が、抵抗133の一端に接続され、抵抗133の
他端がコンデンサ134の一方の電極とRS−FF14
4のセット端子(S)とに接続されている。RS−FF
142のセット端子(S)にはダイオード147のアノ
ードが接続され、このダイオード147のカソードが抵
抗133の一端に接続されている。コンデンサ134の
他方の電極が、グランドに接続されている。インバータ
129の出力端子は、RS−FF142のリセット端子
(R)にも接続されている。制御部140Aの他の構成
は、制御部140と同様になっている。
【0045】乗算器190は、電流値のべき乗を求める
ものであり、電流検出回路150と積分回路160との
間に接続されている。図5(1)は、乗算器190の構
成図であり、図5(2)は掛算器を示す構成図である。
この乗算器190は、縦続接続された掛算器190−
1,190−2,…,190−n(nは、2以上の整
数)で構成されている。初段の掛算器190−1の2つ
の入力端子IN1,IN2には、同じ値が入り、次段以
降の掛算器190−2〜190−nの入力端子IN1に
は、掛算器190−1の入力端子IN1,IN2と同じ
値が入り、掛算器190−2〜190−nの入力端子I
N2には、前段の掛算器からの出力信号が与えられる。
【0046】このような乗算器190で、初段の掛算器
190−1の入力端子IN2に入力された値に対して掛
算器190−1,190−2,…,190−nが、入力
端子IN1に与えられた値をn回掛算することになる。
各掛算器190−1〜190−nは、同じ構成であり、
電源端子VCCにエミッタが接続された4個のPNP型
トランジスタ191,192,193,194をそれぞ
れ備えている。トランジスタ191のベース及びコレク
タが、トランジスタ193のベースに接続されるととも
に、PNP型トランジスタ195のエミッタに接続され
ている。トランジスタ192のベース及びコレクタはト
ランジスタ194のベースに接続されるとともに、PN
P型トランジスタ199のエミッタに接続されている。
トランジスタ195,199のコレクタがトランジスタ
196のコレクタに接続されている。
【0047】入力端子IN2には、抵抗197を介して
NPN型トランジスタ198のコレクタが接続されてい
る。トランジスタ198のコレクタは、トランジスタ1
96のベース及びトランジスタ198のベースにも接続
されている。トランジスタ196,198のエミッタ
は、グランド端子GNDに接続されている。電源端子V
ccとグランド端子GNDとの間には、抵抗200,2
01が直列に接続され、抵抗201と抵抗200の接続
点が、トランジスタ199のベースに接続されている。
トランジスタ193のコレクタは、PNP型トランジス
タ202のコレクタ及びベースと、PNP型トランジス
タ203のベースとに接続されている。トランジスタ2
03のコレクタは、トランジスタ194のコレクタと出
力端子OUTとに接続され、トランジスタ202,20
3のエミッタがグランド端子GNDに接続されている。
出力端子OUTは、抵抗204を介して電源端子Vcc
に接続されるとともに、抵抗205を介してグランド端
子GNDに接続されている。
【0048】次に、図4のスイッチング電源装置の動作
を説明する。発振回路110Aは、第1の実施形態と同
様に発振し、制御部140Aが、デッドタイム設定回路
130も含めた動作を行い、NMOS101,102を
第1の実施形態と同様にオンオフする。電流検出回路1
50は、抵抗151の出力電圧をコンデンサ105に流
れる電流に相当するものとして検出し、乗算器190に
与える。乗算器190は電流検出回路150から与えら
れた電圧をn乗し、それに適当な定数をかけて積分回路
160へ出力する。積分回路160は、第1の実施形態
と同様に、コンデンサ162,163を充放電すること
で、積分値を求め、この積分値を積分値判断回路170
へ与える。積分値判断回路170中の比較回路171
は、第1の実施形態と同様に、与えられた積分値が所定
値よりも高ければ“H”を出力する。ORゲート143
が比較回路171から“H”を入力することで、ORゲ
ート141の出力が“H”になり、RS−FF128が
リセットされる。よって、インバータ129の出力が
“H”になり、RS−FF142がリセットされ、NM
OS101が強制的にオフされる。
【0049】以上のような本実施形態では、次のような
効果が得られる。図6は、積分結果の周波数依存性を示
す説明図である。図7は、正弦波をべき乗した図であ
る。第1の実施形態のように、検出電流に対応する電圧
をそのまま積分する場合では、積分結果が周波数の影響
を受けやすい。例えば、図6のように、1乗のときに
は、50000Hzのときに0.5のデータが、200
000Hzには2に変化する。これに対して、検出電流
に対応する電圧をべき乗してから積分する場合には、周
波数特性が平坦化でき、例えば二乗してから積分する
と、同じ周波数で変化する割合が、一乗の場合の約半分
ですむ。したがって、過電流検出点の設定が容易にな
る。ちなみに、一乗で正弦波を表すデータをべき乗する
と、図7のように、正弦波が尖鋭化する。よって、本実
施形態のように、積分結果がある値を超えることを判断
する場合には、その感度がよくなり、正確な判断をする
ことが期待できる。
【0050】〔第3の実施形態〕図8は、本発明の第3
の実施形態を示す電流検出回路、乗算器、積分回路、及
び積分値判断回路を示す図である。前述の第2の実施形
態の電流検出回路、乗算器、積分回路、及び積分値判断
回路は、図8のような回路に変更することが可能であ
る。この回路は、第2の実施形態とは異なる電流検出回
路150A及び乗算器190Aと、第2の実施形態と同
様の積分回路160及び積分値判断回路170とで構成
されている。
【0051】電流検出回路150Aは、第2の実施形態
と同様に電源111の正極とグランドとの間に直列に接
続された抵抗152,151を備えるとともに、複数の
量子化用抵抗210を備えている。抵抗210は、電源
111とグランドとの間に直列に接続され、電源電圧V
refを分圧している。各抵抗210間の接続点には、
f個の比較回路comp−11,comp−12,…,
comp−1fと、f個の比較回路comp−21,c
omp−21,…,comp−2fとが配置されてい
る。比較回路comp−11,comp−12,…,c
omp−1fのプラス入力端子(+)は、電源111の
正極に近い側の接続点から順に各接続点に接続されてい
る。比較回路comp−11,comp−12,…,c
omp−1fのマイナス入力端子(−)は、抵抗151
と抵抗152との接続点に共通に接続されている。
【0052】比較回路comp−21,comp−2
2,…,comp−2fのマイナス入力端子(−)は、
グランドに近い側の接続点から順に各接続点に接続され
ている。比較回路comp−21,comp−22,
…,comp−2fのプラス入力端子(+)が、抵抗1
51と抵抗152との接続点に共通に接続されている。
各比較回路comp−11,comp−12,…,co
mp−1fの出力端子は、乗算器190A中のPチャネ
ル型MOSトランジスタ(以下、PMOSという)21
1,212,…,21fのゲートにそれぞれ接続されて
いる。PMOS211,212,…,21fのソース
は、電流源を介して電源111に接続され、PMOS2
11,212,…,21fのドレインは、出力ノードN
Tに共通に接続されている。PMOS211,212,
…,21fのアドミタンスは、それぞれ異なる。各比較
回路comp−21,comp−22,…,comp−
2fの出力端子は、乗算器190A中のNMOS22
1,222,…,22fのゲートにそれぞれ接続されて
いる。NMOS221,222,…,22fのソース
は、電流源を介してグランドに接続され、NMOS22
1,222,…,22fのドレインが出力ノードNTに
接続されている。NMOS221,222,…,22f
のアドミタンスは、それぞれ異なる。出力ノードNT
が、積分回路160のコンデンサ162,163の接続
点に接続されている。
【0053】図9は、図8の電流検出回路、乗算器、積
分回路、及び積分値判断回路の動作を示すタイムチャー
トである。例えば、コンデンサ105に流れる電流が正
弦波の場合、抵抗151に流れる電流も正弦波であり、
抵抗151が出力する電圧も正弦波になる。抵抗152
がその正弦波をバイアスする。各比較回路comp−2
1〜comp−2f,comp−11〜comp−1f
は、抵抗210から与えられた電圧と正弦波の電圧との
比較を行う。比較回路comp−11〜comp−1f
は、正弦波の電圧が正で、かつ、抵抗210から与えら
れた電圧よりも高いときに“H”をPMOS211〜2
1fへ出力する。各比較回路comp−21〜comp
−2fは、正弦波の電圧が負でかつ抵抗210から与え
られた電圧よりも低いときに、“H”をNMOS221
〜22fへ出力する。
【0054】図10は、NMOS221〜22f,21
1〜21fの出力電流を示す特性図である。NMOS2
21〜22f,PMOS211〜21fは、比較回路c
omp−21〜comp−2f,comp−11〜co
mp−1fに対応して、図10のカーブTに沿った電流
を流すように作製しておけば、ノードNTにべき乗した
電流値Icを入出力できる。これにより、コンデンサ1
62,163には、正弦波を積分した波形の電圧V160
が充電される。電圧V160の中心値は、電源111が発
生する電圧Vrefの1/2になる。積分値判断回路1
70は、第2の実施形態と同様に動作する。以上のよう
に、この第3の実施形態では、第2の実施形態と同様の
積分値判結果を出力できるので、第2の実施形態と同様
の効果が期待できる。
【0055】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
ず、種々の変形が可能である。その変形例としては、次
のようなものがある。本発明は、電流共振型のスイッチ
ング電源装置であれば適用でき、コンデンサ105と共
振するインダクタがトランス104の一次巻線でなくて
もよい。単なるインダクタを用いてそのインダクタから
直接電力を取り出すタイプの電源装置でも、ヒステリシ
スのない垂下特性を得やすくなる。
【0056】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、コンデンサ
に流れる電流値を検出する電流検出回路と、検出された
電流値を積分する積分回路と、積分回路の出力する積分
値が所定値以上になったか否かを判断する積分値判断回
路とを設け、積分値が所定値以上になったときに、スイ
ッチング素子をオフさせる構成にしたので、瞬時的に負
荷が重くなっただけでは、スイッチング素子がオフしな
い。そのため、垂下特性にヒステリシスが生じることが
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスイッチング電
源装置の構成図である。
【図2】図1のスイッチング電源装置の動作を示すタイ
ムチャートである。
【図3】図1のスイッチング電源装置の出力電流と出力
電圧の関係を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態を示すスイッチング電
源装置の構成図である。
【図5】図4中の乗算器の構成図である。
【図6】積分結果の周波数特性を示す説明図である。
【図7】正弦波をべき乗した図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示す電流検出回路、
乗算器、積分回路及び積分値判断回路の構成図である。
【図9】図8の電流検出回路、乗算器、積分回路及び積
分値判断回路動作を示すタイムチャートである。
【図10】NMOS及びPMOSに流れる電流を示す説
明図である。
【図11】従来のスイッチング電源装置を示す構成図で
ある。
【図12】従来の課題を示す説明図である。
【符号の説明】
100 主電源 101,102 スイッチング素子としてのNMO
S 103 チョーク 104 トランス 105 コンデンサ 110 発振回路 140 制御部 150 電流検出回路 160 積分回路 170 積分値判断回路 190 乗算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H730 AA02 AA14 AA20 AS01 BB26 BB57 BB66 DD04 DD32 DD41 EE03 EE07 FD01 FD41 FF01 FG07 XX15 XX42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インダクタと、 前記インダクタの一端と電源との間に接続されたスイッ
    チング素子と、 前記インダクタの他端とグランドとの間に接続され、該
    インダクタと直列共振回路を形成するコンデンサと、 前記スイッチング素子をオンオフさせて前記インダクタ
    に電流を流すことにより、負荷に電力を供給する制御部
    とを備えるスイッチング電源装置において、 前記コンデンサに流れる電流の電流値を検出する電流検
    出回路と、 前記検出された電流値を積分する積分回路と、 前記積分回路の出力する積分値が所定値以上になったか
    否かを判断する積分値判断回路とをさらに備え、 前記制御部は、前記積分値が所定値以上になったとき
    に、前記スイッチング素子をオフさせる手段を備えるこ
    とを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 【請求項2】前記インダクタは、変圧器の一次巻線から
    構成され、該変圧器の二次巻線から負荷へ電力を供給す
    る構成を有することを特徴とする請求項1に記載のスイ
    ッチング電源装置。
  3. 【請求項3】前記電流検出回路が出力する電流値をべき
    乗し、該べき乗した電流値を前記検出された電流値とし
    て前記積分回路に与える乗算回路を備えることを特徴と
    する請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  4. 【請求項4】前記乗算回路は、乗数を入力する乗数入力
    端子と被乗数を入力する被乗数入力端子と該乗数と被乗
    数との積を出力する出力端子とをそれぞれ備え、前段の
    出力端子が該被乗数入力端子にそれぞれ接続されて任意
    数が縦続接続された掛算器を有し、 初段の前記掛算器の前記乗数入力端子及び前記被乗数入
    力端子が前記電流検出回路の出力端子に接続され、前記
    初段以外の前記掛算器の前記乗数入力端子が前記電流検
    出回路の出力端子に共通に接続され、最終段の前記掛け
    算器の出力端子が前記積分回路に接続されていることを
    特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
  5. 【請求項5】前記乗算回路は、前記電流検出回路の検出
    結果を量子化する量子化手段と、 前記量子化結果をべき乗した電圧を出力ノードに設定し
    て前記積分回路に与える電圧設定手段とを備えることを
    特徴とする請求項3に記載のスイッチング電源装置。
  6. 【請求項6】インダクタと該インダクタの一端に直列に
    接続されたコンデンサとから構成される共振回路と、 前記インダクタの他端に接続され、異なる電圧を交互に
    印加するスイッチング回路と、 を備える共振型スイッチング電源回路において、 前記コンデンサを流れる電流を検出し、検出した電流を
    積分し、積分値に基づいて、前記スイッチング回路を制
    御することにより、過電流を防止する過電流防止回路を
    さらに備えることを特徴とする共振型スイッチング電源
    回路。
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