JP2002324839A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

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JP2002324839A
JP2002324839A JP2001128074A JP2001128074A JP2002324839A JP 2002324839 A JP2002324839 A JP 2002324839A JP 2001128074 A JP2001128074 A JP 2001128074A JP 2001128074 A JP2001128074 A JP 2001128074A JP 2002324839 A JP2002324839 A JP 2002324839A
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interlayer insulating
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Masahiro Seto
正博 瀬戸
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】層間絶縁膜から発生する水および水素に起因し
た層間剥離を抑制し、キャパシタ素子の電気特性を安定
化させることができる半導体装置の製造方法を提供す
る。 【解決手段】半導体基板1上に下部電極5、キャパシタ
絶縁膜6および上部電極7を形成する工程と、層間絶縁
膜9を形成する工程と、層間絶縁膜9にコンタクトホー
ル10を形成する工程と、不活性ガス雰囲気中で第1の
加熱を行い、層間絶縁膜9の含有水分および含有水素を
揮発させる工程と、上部電極7に電気的に接続する導電
体をコンタクトホール10内に埋め込む工程と、コンタ
クトホール10に接続する配線を層間絶縁膜9上に形成
する工程とを有する半導体装置の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャパシタ素子を
有する半導体装置の製造方法に関し、特に、層間絶縁膜
中の水分に起因するキャパシタ素子の耐圧低下を防止で
きる半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体装置の高集積化に伴い、キ
ャパシタ素子においても単位面積当たりの高容量化が進
められている。キャパシタ絶縁膜に強誘電体材料を用い
ることにより、キャパシタ容量を増大させることができ
る。強誘電体材料としては、例えば、SBT(SrBi
2 Ta29 )やBIT(Bi4 Ti312)等のビス
マス層状化合物や、鉛を含みペロブスカイト構造を有す
るPZT(PbZrx Ti1-x3 )、PTO(PbT
iO3 )等が挙げられる。
【0003】図12は、半導体装置にキャパシタ素子を
形成する過程の概略を示すフローチャートである。図1
2(a)に示すように、まず、半導体基板上に下部電
極、キャパシタ絶縁膜および上部電極を形成する。次
に、図12(b)に示すように、全面を被覆する層間絶
縁膜を形成する。次に、図12(c)に示すように、層
間絶縁膜にコンタクトホールを形成する。このコンタク
トホールの底部には、上部電極の少なくとも一部が露出
する。
【0004】次に、図12(d)に示すように、層間絶
縁膜上の一部およびコンタクトホール内に配線を形成す
る。その後、図12(e)に示すように、必要に応じて
窒素シンターまたはフォーミングアニールを行う。窒素
シンターは窒素雰囲気中、例えば400℃程度で行う熱
処理である。窒素シンターを行うことにより、コンタク
ト特性が改善される。
【0005】フォーミングアニールは例えば水素を5
%、窒素を95%含む雰囲気中、400℃程度で行う熱
処理である。キャパシタ素子を形成することにより、半
導体基板等が損傷を受け、キャパシタ素子と同一の半導
体基板上に形成されたトランジスタの特性が低下する。
キャパシタ素子の形成後、フォーミングアニールを行う
とトランジスタの特性をある程度回復させることができ
る。このような窒素シンターとフォーミングアニール
は、必ずしも両方行う必要はなく、いずれか一方のみ行
うこともある。また、窒素シンターとフォーミングアニ
ールを両方とも行わない場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにしてキャパシタ素子を形成し、配線形成後に窒素
シンターまたはフォーミングアニールを行うと、層間絶
縁膜の剥離等が起こり、キャパシタ素子の電気特性が低
下する。これは、配線形成後の熱処理により層間絶縁膜
から水および水素が発生することに起因する。
【0007】強誘電体材料からなるキャパシタ絶縁膜を
有する強誘電体キャパシタにおいては、一般に、上部電
極を形成した後、層間絶縁膜を形成する前に、水素バリ
ア層として酸化アルミニウム層(Al23 層)が形成
される。成膜後、熱処理が行われていない層間絶縁膜は
水分や水素を含み、層間絶縁膜から上部電極やキャパシ
タ絶縁膜等に水素が拡散すると、キャパシタ素子の電気
特性は低下する。このような水素の拡散を防止する目的
で、水素バリア層が設けられる。
【0008】したがって、配線形成後の熱処理により層
間絶縁膜から水および水素が発生すると、層間絶縁膜と
上部電極との界面では水素バリア層により水および水素
の拡散が抑制される。しかしながら、層間絶縁膜から発
生した水および水素は、コンタクトホールを介して上部
電極や、その下地のキャパシタ絶縁膜に拡散する。これ
により、層間絶縁膜の剥離等が起こりやすくなる。
【0009】また、層間絶縁膜から発生した水が配線材
料のアルミニウムと反応すると、さらに多量の水素が発
生する。配線材料の反応により発生した水素も、コンタ
クトホールを介して上部電極やキャパシタ絶縁膜に拡散
するため、層間絶縁膜の剥離等が促進される。したがっ
て、キャパシタ素子の電気特性はさらに低下する。
【0010】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、したがって本発明は、層間絶縁膜から発生す
る水および水素に起因した層間剥離を抑制し、キャパシ
タ素子の電気特性を安定化させることができる半導体装
置の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体基板上に
下部電極を形成する工程と、前記下部電極表面の少なく
とも一部にキャパシタ絶縁膜を形成する工程と、前記キ
ャパシタ絶縁膜表面の少なくとも一部に上部電極を形成
する工程と、少なくとも前記上部電極表面、前記キャパ
シタ絶縁膜の露出部分および前記下部電極の露出部分に
層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜にコンタ
クトホールを形成する工程と、不活性ガス雰囲気中で第
1の加熱を行い、前記層間絶縁膜の含有水分および含有
水素を揮発させる工程と、前記上部電極に電気的に接続
する導電体を、前記コンタクトホール内に埋め込む工程
と、前記コンタクトホールに接続する配線を、前記層間
絶縁膜上に形成する工程とを有することを特徴とする。
【0012】好適には、前記不活性ガス雰囲気は窒素雰
囲気である。好適には、前記第1の加熱は、前記上部電
極および前記下部電極の構成材料の融点より低温で行
う。好適には、前記配線の形成後、窒素雰囲気中で第2
の加熱を行う。あるいは、前記配線の形成後、水素を含
む窒素雰囲気中で第2の加熱を行う。
【0013】本発明の半導体装置の製造方法は、好適に
は、前記上部電極を形成後、前記層間絶縁膜を形成する
前に、少なくとも前記上部電極表面、前記キャパシタ絶
縁膜の露出部分および前記下部電極の露出部分に水素バ
リア層を形成する工程をさらに有し、前記層間絶縁膜を
形成する工程において、前記水素バリア層上に前記層間
絶縁膜を形成する。好適には、前記層間絶縁膜を形成す
る工程は、シリコン酸化膜を形成する工程を含む。
【0014】これにより、成膜後の層間絶縁膜に含有さ
れる水分や水素を、配線形成前に揮発させることが可能
となる。したがって、配線形成後に熱処理を行った場合
に、層間絶縁膜から水や水素が発生して、層間絶縁膜の
剥離が生じたり、配線材料と水が反応したりするのを防
止することができる。本発明の半導体装置の製造方法に
よれば、電気特性の安定したキャパシタ素子を形成する
ことが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の半導体装置の製
造方法の実施の形態について、図面を参照して説明す
る。図1は、本実施形態の半導体装置の製造方法におい
て、キャパシタ素子を形成する過程の概略を示すフロー
チャートである。図1(a)に示すように、まず、半導
体基板上に下部電極、キャパシタ絶縁膜および上部電極
を形成する。
【0016】次に、図1(b)に示すように、全面を被
覆する層間絶縁膜を形成する。次に、図1(c)に示す
ように、層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する。こ
のコンタクトホールの底部には、上部電極の少なくとも
一部が露出する。次に、図1(d)に示すように、層間
絶縁膜からの脱水および脱水素を目的とした熱処理を、
例えば窒素雰囲気中、400℃程度で行う。次に、図1
(e)に示すように、層間絶縁膜上の一部およびコンタ
クトホール内に配線を形成する。その後、図1(f)に
示すように、必要に応じて窒素シンターまたはフォーミ
ングアニールを行う。
【0017】図2(a)は本実施形態の半導体装置の製
造方法により製造されるキャパシタ素子の断面図であ
る。図2(a)に示すように、シリコン基板1上にシリ
コン酸化膜2が形成されている。その上層に酸化チタン
層(TiO2 層)3およびイリジウム層(Ir層)4か
らなる下部電極5が形成されている。酸化チタン層3は
シリコン酸化膜2とイリジウム層4との密着性を高める
目的で設けられる。
【0018】下部電極5上にキャパシタ絶縁膜6が形成
されている。キャパシタ絶縁膜6には強誘電体材料とし
て、例えば、SBTやBIT等のビスマス層状化合物
や、鉛を含みペロブスカイト構造を有するPZT、PT
O等が用いられる。キャパシタ絶縁膜6上に、例えばI
rからなる上部電極7が形成されている。
【0019】上部電極7およびその下層のキャパシタ絶
縁膜6、下部電極5およびシリコン基板1を被覆するよ
うに、水素バリア層8が形成されている。水素バリア層
8上に、例えばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜9が
形成されている。層間絶縁膜9に含まれる水素が上部電
極7、キャパシタ絶縁膜6または下部電極5に拡散する
のを防止する目的で、通常、Al23 からなる水素バ
リア層8が設けられる。
【0020】上部電極7上の層間絶縁膜9にはコンタク
トホール10が形成され、コンタクトホール10内およ
びその周囲の層間絶縁膜9上に、例えばAlからなる配
線11が形成されている。次に、本実施形態の半導体装
置の製造方法を、図2〜図5を参照して説明する。
【0021】まず、図2(b)に示すように、高抵抗シ
リコン基板1の表面に熱酸化を行い、厚さ約300nm
のシリコン酸化膜2を形成する。次に、図2(c)に示
すように、下部電極5となるTiO2 層3aおよびIr
層4aをスパッタリング法により順に積層する。TiO
2 層3aの厚さは例えば40nmとし、Ir層4aの厚
さは例えば100nmとする。
【0022】次に、図3(d)に示すように、例えばS
BTをスピンコート法により塗布し、その後、酸素雰囲
気中、700〜800℃でSBTを結晶化させてSBT
層6aを形成する。SBT層6aの厚さは例えば約10
0nmとする。次に、図3(e)に示すように、上部電
極7となるIr層7aをスパッタリング法により形成す
る。Ir層7aの厚さは例えば100nmとする。
【0023】次に、図3(f)に示すように、Ir層7
aを加工して上部電極7を形成する。上部電極7は、例
えばIr層7上にレジストを形成し、レジストをマスク
とするドライエッチングを行うことにより加工される。
次に、図4(g)に示すように、SBT層6aを加工し
てキャパシタ絶縁膜6を形成する。キャパシタ絶縁膜6
は、例えばSBT層6aおよび上部電極7上にレジスト
を形成し、レジストをマスクとするドライエッチングを
行うことにより加工される。
【0024】次に、図4(h)に示すように、Ir層4
aおよびTiO2 層3aを加工して下部電極5を形成す
る。下部電極5は、例えばIr層4a、キャパシタ絶縁
膜6および上部電極7上にレジストを形成し、レジスト
をマスクとするドライエッチングを行うことにより加工
される。
【0025】次に、図4(i)に示すように、水素バリ
ア層8としてAl23 層をスパッタリング法により形
成する。水素バリア層8の厚さは例えば50nmとす
る。次に、図5(j)に示すように、層間絶縁膜9とし
てシリコン酸化膜を化学気相成長(CVD;chemical v
apor deposition)法により形成する。層間絶縁膜9の厚
さは例えば250nmとする。
【0026】次に、図5(k)に示すように、層間絶縁
膜9にコンタクトホール10を形成する。コンタクトホ
ール10は、層間絶縁膜9上にレジストを形成し、レジ
ストをマスクとする反応性イオンエッチング(RIE;
reactive ion etching)を行うことにより形成される。
【0027】次に、図5(l)に示すように、窒素雰囲
気中、400℃で例えば1時間程度の熱処理を行う。こ
の熱処理により、成膜後の層間絶縁膜9に含まれる水分
や水素が蒸発する。熱処理の温度は、キャパシタ素子の
電極材料の融点以下で、かつ水分や水素を十分除去でき
る範囲で、できるだけ低温で行うことが望ましい。した
がって、通常、500℃以下で熱処理を行う。
【0028】その後、図2(a)に示すように、例えば
スパッタリングによりAl層を形成してから、Al層に
RIEを行い、配線11を形成する。配線11の形成
後、必要に応じて窒素シンターまたはフォーミングアニ
ールを行う。窒素シンターは窒素雰囲気中、例えば40
0℃程度で行う熱処理である。窒素シンターを行うこと
により、コンタクト特性が改善される。
【0029】フォーミングアニールは例えば水素を5
%、窒素を95%含む雰囲気中、400℃程度で行う熱
処理である。キャパシタ素子を形成することにより、半
導体基板等が損傷を受け、キャパシタ素子と同一の半導
体基板上に形成されたトランジスタの特性が低下する。
キャパシタ素子の形成後、フォーミングアニールを行う
とトランジスタの特性をある程度回復させることができ
る。このような窒素シンターとフォーミングアニール
は、必ずしも両方行う必要はなく、いずれか一方のみ行
っても、あるいは両方とも行わなくてもよい。以上の工
程により、図2(a)に示すキャパシタ素子が形成され
る。
【0030】次に、本発明の半導体装置の製造方法によ
り製造されたキャパシタ素子の電流−電圧特性(以下、
I−V特性とする。)と、従来の半導体装置の製造方法
により製造されたキャパシタ素子のI−V特性を比較し
た結果について説明する。図6〜図11において、横軸
は強誘電体(キャパシタ絶縁膜)の厚さ1cm当たりに
印加される電界を示し、横軸の数値に1/100をかけ
たものが印加電圧〔V〕に対応する。縦軸はリーク電流
を示す。また、図6〜図11は、それぞれ同一の条件で
3回の測定を行った結果を示すため、1つの図に3本の
曲線が含まれる。
【0031】図6は、本発明の半導体装置の製造方法に
従って、コンタクトホール形成後、熱処理を行ってから
配線を形成したキャパシタ素子のI−V特性を示す。図
6は、図1(d)および図5(l)に示す熱処理を行っ
てから、図1(e)および図2(a)に示すように配線
11を形成し、窒素シンターとフォーミングアニールの
いずれも行わない状態のI−V特性に対応する。
【0032】図6に示すように、プラス側の耐圧(上部
電極をプラス、下部電極をマイナスとして電圧を印加し
た場合の耐圧)は、ほぼ7V近くまで得られる。また、
マイナス側の耐圧(上部電極をマイナス、下部電極をプ
ラスとして電圧を印加した場合の耐圧)は、5V程度得
られる。
【0033】図7は、本発明の半導体装置の製造方法に
従って、コンタクトホール形成後に熱処理を行い、さら
に、配線形成後に窒素シンターを行ったキャパシタ素子
のI−V特性を示す。図7は、図1(d)および図5
(l)に示す熱処理を行ってから、図1(e)および図
2(a)に示すように配線11を形成し、図1(f)に
示す窒素シンターを行った状態のI−V特性に対応す
る。図7に示すように、プラス側の耐圧は6V程度得ら
れ、マイナス側の耐圧はほぼ7V近くまで得られる。
【0034】図8は、本発明の半導体装置の製造方法に
従って、コンタクトホール形成後に熱処理を行い、さら
に、配線形成後にフォーミングアニールを行ったキャパ
シタ素子のI−V特性を示す。図8は、図1(d)およ
び図5(l)に示す熱処理を行ってから、図1(e)お
よび図2(a)に示すように配線11を形成し、図1
(f)に示すフォーミングアニールを行った状態のI−
V特性に対応する。図8に示すように、プラス側の耐圧
は7V以上得られ、マイナス側の耐圧は5V以上(5〜
6V程度)得られる。
【0035】図9は、従来の半導体装置の製造方法に従
って、コンタクトホール形成後、熱処理を行わずに配線
を形成したキャパシタ素子のI−V特性を示す。図9
は、図12(d)に示すように配線を形成し、窒素シン
ターとフォーミングアニールのいずれも行わない状態の
I−V特性に対応する。
【0036】図9に示すように、プラス側の耐圧は6V
程度であり、マイナス側の耐圧は4V以下である。図6
と図9を比較すると、コンタクトホール形成後、配線形
成前に熱処理を行うことにより、プラス側、マイナス側
ともにキャパシタ素子の耐圧が向上することがわかる。
【0037】図10は、従来の半導体装置の製造方法に
従って、コンタクトホール形成後、熱処理を行わずに配
線を形成し、その後、窒素シンターを行ったキャパシタ
素子のI−V特性を示す。図10は、図12(d)に示
すように配線を形成し、図12(e)に示す窒素シンタ
ーを行った状態のI−V特性に対応する。図10に示す
ように、プラス側の耐圧は5V程度得られ、マイナス側
の耐圧は3V程度である。
【0038】図7と図10を比較すると、コンタクトホ
ール形成後、配線形成前に熱処理を行うことにより、プ
ラス側、マイナス側ともにキャパシタ素子の耐圧が向上
することがわかる。さらに、図9と図10を比較する
と、図10の耐圧が明らかに低くなっているが、図6と
図7を比較すると、耐圧に大きな違いは見られない。こ
のことから、従来の製造方法によれば、窒素シンターを
行うことにより耐圧が低下するが、本発明の製造方法に
よれば、窒素シンターによる耐圧の低下が抑制されるこ
とがわかる。
【0039】図11は、従来の半導体装置の製造方法に
従って、コンタクトホール形成後、熱処理を行わずに配
線を形成し、その後、フォーミングアニールを行ったキ
ャパシタ素子のI−V特性を示す。図11は、図12
(d)に示すように配線を形成し、図12(e)に示す
フォーミングアニールを行った状態のI−V特性に対応
する。図11に示すように、プラス側の耐圧は5V以下
であり、マイナス側の耐圧は3〜4V程度である。
【0040】図8と図11を比較すると、コンタクトホ
ール形成後、配線形成前に熱処理を行うことにより、プ
ラス側、マイナス側ともにキャパシタ素子の耐圧が向上
することがわかる。さらに、図9と図11を比較する
と、図11の耐圧が明らかに低くなっているが、図6と
図8を比較すると、耐圧に大きな違いは見られない。こ
のことから、従来の製造方法によれば、フォーミングア
ニールを行うことにより耐圧が低下するが、本発明の製
造方法によれば、フォーミングアニールによる耐圧の低
下が抑制されることがわかる。
【0041】上記の本発明の実施形態の半導体装置の製
造方法によれば、配線形成後に熱処理を行っても、層間
絶縁膜からの水または水素の発生が抑制される。したが
って、水分に起因する層間絶縁膜の剥離や、水と配線材
料との反応等が抑制され、キャパシタ素子の電気特性の
低下が防止される。
【0042】本発明の半導体装置の製造方法の実施形態
は、上記の説明に限定されない。例えば、シリンダ型等
のキャパシタ素子を形成する場合にも、本発明の半導体
装置の製造方法を適用することが可能である。また、キ
ャパシタ絶縁膜となる強誘電体層は、上記以外にアルコ
キシドを原料とするMOD(metal organic decomposit
ion)法により形成することもできる。
【0043】あるいは、強誘電体ターゲットにレーザー
光(例えばエキシマーレーザーを光源とするレーザー
光)を照射して強誘電体材料を気相とし、これをウェハ
上に堆積させるレーザーアブレーション法によっても強
誘電体層を形成することができる。その他、本発明の要
旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0044】
【発明の効果】本発明の半導体装置の製造方法によれ
ば、層間絶縁膜中に含有される水分に起因した層間絶縁
膜の剥離や、キャパシタ素子の電気特性の変動を防止す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の半導体装置の製造方法の概略を
示すフローチャートである。
【図2】図2(a)は本発明の半導体装置の製造方法に
より製造されるキャパシタ素子の断面図であり、(b)
および(c)は本発明の半導体装置の製造方法の製造工
程を示す断面図である。
【図3】図3(d)〜(f)は本発明の半導体装置の製
造方法の製造工程を示す断面図であり、図2(c)に続
く工程を示す。
【図4】図4(g)〜(i)は本発明の半導体装置の製
造方法の製造工程を示す断面図であり、図3(f)に続
く工程を示す。
【図5】図5(j)〜(l)は本発明の半導体装置の製
造方法の製造工程を示す断面図であり、図4(i)に続
く工程を示す。
【図6】図6は本発明の半導体装置の製造方法に従って
配線を形成した後のキャパシタ素子のI−V特性を示す
図である。
【図7】図7は本発明の半導体装置の製造方法に従って
窒素シンターを行った後のキャパシタ素子のI−V特性
を示す図である。
【図8】図8は本発明の半導体装置の製造方法に従って
フォーミングアニールを行った後のキャパシタ素子のI
−V特性を示す図である。
【図9】図9は従来の半導体装置の製造方法に従って配
線を形成した後のキャパシタ素子のI−V特性を示す図
である。
【図10】図10は従来の半導体装置の製造方法に従っ
て窒素シンターを行った後のキャパシタ素子のI−V特
性を示す図である。
【図11】図11は従来の半導体装置の製造方法に従っ
てフォーミングアニールを行った後のキャパシタ素子の
I−V特性を示す図である。
【図12】図12は従来の半導体装置の製造方法の概略
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…シリコン基板、2…シリコン酸化膜、3、3a…酸
化チタン層、4、4a…イリジウム層、5…下部電極、
6…キャパシタ絶縁膜、6a…SBT層、7…上部電
極、7a…イリジウム層、8…水素バリア層、9…層間
絶縁膜、10…コンタクトホール、11…配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F033 HH08 JJ01 JJ08 KK17 PP15 QQ09 QQ10 QQ13 QQ37 QQ74 RR03 RR04 SS08 SS11 VV10 XX00 XX14 5F038 AC05 AC15 EZ20 5F058 BA01 BA11 BA20 BD02 BD04 BD18 BE01 BF02 BF12 BF46 BH03 BH10 BJ02 BJ05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に下部電極を形成する工程
    と、 前記下部電極表面の少なくとも一部にキャパシタ絶縁膜
    を形成する工程と、 前記キャパシタ絶縁膜表面の少なくとも一部に上部電極
    を形成する工程と、 少なくとも前記上部電極表面、前記キャパシタ絶縁膜の
    露出部分および前記下部電極の露出部分に層間絶縁膜を
    形成する工程と、 前記層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、 不活性ガス雰囲気中で第1の加熱を行い、前記層間絶縁
    膜の含有水分および含有水素を揮発させる工程と、 前記上部電極に電気的に接続する導電体を、前記コンタ
    クトホール内に埋め込む工程と、 前記コンタクトホールに接続する配線を、前記層間絶縁
    膜上に形成する工程とを有する半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】前記不活性ガス雰囲気は窒素雰囲気である
    請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】前記第1の加熱は、前記上部電極および前
    記下部電極の構成材料の融点より低温で行う請求項1記
    載の半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記配線の形成後、窒素雰囲気中で第2の
    加熱を行う請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】前記配線の形成後、水素を含む窒素雰囲気
    中で第2の加熱を行う請求項1記載の半導体装置の製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記上部電極を形成後、前記層間絶縁膜を
    形成する前に、少なくとも前記上部電極表面、前記キャ
    パシタ絶縁膜の露出部分および前記下部電極の露出部分
    に水素バリア層を形成する工程をさらに有し、 前記層間絶縁膜を形成する工程において、前記水素バリ
    ア層上に前記層間絶縁膜を形成する請求項1記載の半導
    体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】前記層間絶縁膜を形成する工程は、シリコ
    ン酸化膜を形成する工程を含む請求項1記載の半導体装
    置の製造方法。
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