JP2002323128A - トルクコンバータのロックアップ制御装置 - Google Patents
トルクコンバータのロックアップ制御装置Info
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Abstract
にエンジンブレーキレンジへの切り換えがあっても、ロ
ックアップが解除されないようにする。 【解決手段】 Dレンジでのコースト走行中におけるト
ルクコンバータのロックアップクラッチの容量は、必要
最小限のコーストロックアップ容量に対応したロックア
ップクラッチの前後差圧(PA −PR )により行わせて
いる。瞬時t1にエンジンブレーキを希望して運転者が
Lレンジにレンジ切り換えすると、制御は上記のコース
トロックアップ制御から通常のロックアップ制御に切り
換わり、ロックアップクラッチの締結容量が制御最大値
にされる。当該コースト走行中のレンジ切り換え時はロ
ックアップクラッチ締結容量の要求値が、破線のごとく
に上昇し、瞬時t3でピークに達する。このピーク時に
おいてもロックアップクラッチ締結容量の制御値が当該
要求値よりも大きいため、ロックアップ状態を維持する
ことができる。
Description
機と共に用いるトルクコンバータの入出力要素間を適宜
に直結するロックアップ制御装置に関するものである。
動系にトルクコンバータを具え、これによりトルク増大
を行ったり、トルク変動を吸収するようになすことが多
い。ところでトルクコンバータは、入出力要素間での動
力伝達を作動流体を介して行うため伝動効率が悪く、こ
れがためトルクコンバータは、トルク増大機能およびト
ルク変動吸収機能が不要な走行状態のもとで、入出力要
素間をロックアップクラッチの締結により直結するよう
にしたロックアップ式に構成し、これにより伝動効率の
向上と燃費の向上を図るのが常套である。
アクセルペダルを釈放してスロットル開度を0にした惰
性走行中、所謂コースト走行中もトルクコンバータをロ
ックアップ状態にし、できるだけ低負荷、低車速までト
ルクコンバータをロックアップさせておくようにロック
アップ領域の拡大を図る必要がある。この理由から、コ
ースト走行中トルクコンバータをロックアップ状態にす
ることが多くなりつつあるが、この走行状態でブレーキ
ペダルの踏み込みにより急制動を行って低摩擦路故に車
輪がロックした場合のエンジン停止を防止するため、ロ
ックアップクラッチの解放によるロックアップ解除を速
やかに完遂させる必要がある。
コンバータのロックアップも、それ以外の通常走行中に
おけるロックアップと同様に、ロックアップクラッチの
締結容量を制御最大値にして行うというのでは、ロック
アップクラッチの解放によるロックアップ解除の応答遅
れが大きくて、ロックアップの解除遅れにより上記車輪
ロック時のエンジン停止に関する問題を避けられない。
526号公報や特開平8−135787号公報に記載の
ごとく、ロックアップ領域でのコースト走行中はロック
アップクラッチの締結容量を定常走行状態でのロックア
ップに必要な最小限のコーストロックアップ容量にして
おく対策が提案されている。この対策によれば、制御最
高値よりも小さな締結容量でロックアップが行われてい
るため、その分ロックアップの解除応答が速くなって急
制動による車輪ロック時もエンジン停止の問題を生ずる
ことがなくなる。
コーストロックアップ制御では、エンジンブレーキが効
かないドライブ(D)レンジでのコースト走行を継続す
る限りにおいて問題はないが、コースト走行中にエンジ
ンブレーキの必要からエンジンブレーキレンジであるロ
ー(L)レンジに切り換えた時に以下の問題を生ずる。
ットル開度TVOを0/8に保ってのコースト走行中、
ロックアップクラッチの締結容量を表す前後差圧(PA
−P R )が前記文献に記載のごとくに実線で示す必要最
小限の制御値にされている間、瞬時t1にDレンジから
Lレンジに切り換えた場合の動作波形である。この時に
おけるロックアップクラッチ締結容量の要求値は破線で
示すごときものとなり、この要求値は、上記のレンジ切
り換えに伴うエンジン回転数Ne の上昇分のイナーシャ
トルクにエンジンブレーキトルクが加わって瞬時t1以
後急上昇し、瞬時t2に実線で示す制御値を超える。
プクラッチ締結容量が要求値に対して不足気味となりロ
ックアップクラッチが締結を解除されてしまう。そし
て、かようにロックアップクラッチが一旦締結を解除さ
れると、ロックアップクラッチ締結容量を上記の要求値
よりも大きくしなければロックアップクラッチの再締結
は行われ得ず、瞬時t2以後エンジン回転数Ne がター
ビン回転数Nt (トルクコンバータ出力回転数)から乖
離して低下する状況より明らかなように、そして車両減
速度の経時変化から明らかなように、DレンジからLレ
ンジへの切り換えにより期待したほど得られないばかり
か、却って車両減速度が小さくなる事態すら発生する。
は、コースト走行中にエンジンブレーキの必要を感じて
エンジンブレーキが効かないDレンジからエンジンブレ
ーキレンジであるLレンジに切り換えた時に、ロックア
ップ領域なのにトルクコンバータのロックアップが解除
されて燃費の向上効果が低下したり、レンジ切り換えで
期待したほどのエンジンブレーキが得られなかったり、
却ってエンジンブレーキ力が小さくなることさえあり、
運転違和感が発生するという問題を生ずる。
ブレーキレンジからエンジンブレーキレンジへの切り換
えがあった時にロックアップクラッチの締結容量制御を
適切に行って上記の問題が生じないようにしたトルクコ
ンバータのロックアップ制御装置を提案することを目的
とする。
よるロックアップクラッチの適切な締結容量制御を簡単
に行い得るようにしたトルクコンバータのロックアップ
制御装置を提案することを目的とする。
ず第1発明によるトルクコンバータのロックアップ制御
装置は、ロックアップクラッチを容量制御下に締結させ
てトルクコンバータ入出力要素間をロックアップ可能
で、該ロックアップを行うべきロックアップ領域でのコ
ースト走行中はロックアップクラッチの前記締結容量が
定常走行状態でのロックアップに必要な最小限のコース
トロックアップ容量にされるようにしたトルクコンバー
タにおいて、ロックアップ領域でのコースト走行中にエ
ンジンブレーキレンジが選択された時、前記ロックアッ
プクラッチの締結容量を前記コーストロックアップ容量
よりも大きくするよう構成したことを特徴とするもので
ある。
ックアップ制御装置は、第1発明において、前記ロック
アップクラッチの締結容量を制御最高値にして前記コー
ストロックアップ容量よりも大きくするよう構成したこ
とを特徴とするものである。
おいて、入出力要素間をロックアップクラッチによりロ
ックアップされる。そしてロックアップ領域でのコース
ト走行中は、ロックアップクラッチの締結容量を定常走
行状態でのロックアップに必要な最小限のコーストロッ
クアップ容量にされる。
プ領域でのコースト走行中にエンジンブレーキレンジが
選択されると、ロックアップクラッチの締結容量を上記
のコーストロックアップ容量よりも大きくするため、当
該レンジ切り換えでロックアップクラッチ締結容量の要
求値が当該レンジ切り換えに伴う入力回転上昇分のイナ
ーシャトルクおよびエンジンブレーキトルクに起因して
急上昇しても、ロックアップクラッチ締結容量が不足気
味になることがなくてロックアップクラッチが締結を解
除されるような事態に至ることがない。
ンジに切り換え時に、ロックアップ領域なのにロックア
ップが解除されて燃費の向上効果が薄れたり、当該レン
ジ切り換えでエンジンブレーキを要求したのに却ってエ
ンジンブレーキ力が小さくなる違和感が発生する問題を
回避することができる。
チの締結容量を第1発明のようにコーストロックアップ
容量よりも大きくするに際し、これを制御最高値にして
目的を達成する構成にしたから、第1発明によるロック
アップクラッチの適切な締結容量制御を簡単に行うこと
ができ、コスト上も大いに有利である。
に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形
態になるトルクコンバータのロックアップ制御装置を具
えた車両のパワートレーンを、トルクコンバータのロッ
クアップ制御システムと共に示し、図2は、同ロックア
ップ制御のフローチャートを示すものである。
速機を可とする自動変速機をそれぞれ示す。自動変速機
2は、トルクコンバータ3および変速機構部4のタンデ
ム結合になり、トルクコンバータ3を経て入力されたエ
ンジン1からの回転を変速機構部4により変速して出力
する。トルクコンバータ3は周知の通り、基本的には内
部作動流体を介して入出力要素間での動力伝達を行う
が、ロックアップクラッチ5の適宜締結により入出力要
素間を直結されたロックアップ状態にし得る。
けるトルクコンバータアプライ圧P A とトルクコンバー
タレリーズ圧PR との差圧PA −PR (図3および図4
参照)に応動し、レリーズ圧PR がアプライ圧PA より
も高い間ロックアップクラッチ5は解放されてトルクコ
ンバータ入出力要素間を直結せず、レリーズ圧PR がア
プライ圧PA よりも引くなる時ロックアップクラッチ5
は締結されてトルクコンバータ入出力要素間を直結する
ものとする。なお後者の締結に際しロックアップクラッ
チ5の締結容量、つまりロックアップ容量は上記の差圧
PA −PR により決まり、この差圧が大きいほどロック
アップクラッチ5の締結容量が増大してロックアップ容
量を増大するものとする。
ップソレノイドおよびロックアップ制御弁よりなるアク
チュエータ6を介してデューティ制御し、当該アクチュ
エータ6の駆動デューティDをコントローラ7が図2に
示す制御プログラムの実行により決定する。これがため
コントローラ7には、エンジン1のスロットル開度TV
Oを検出するスロットル開度センサ8からの信号をもと
にアクセルペダルから足を離している足離し状態か、ア
クセルペダルの踏み込み状態かを検出する足離し・踏み
込み検出部9からの検出結果を入力する。
出する車速センサ10からの信号と、センサ8で検出し
たスロットル開度TVOとから予定のマップをもとに、
トルクコンバータ3をロックアップ状態にすべきロック
アップ領域での運転中か、ロックアップすべきでないコ
ンバータ領域での運転中かを判定するロックアップ領域
検出部11からの検出結果を入力する。
レンジ選択に当たって運転者が操作するマニュアルレバ
ー等のレンジ選択装置12により何れのレンジが選択さ
れているのかを検出するレンジ信号検出部13からの信
号を入力すると共に、ロックアップクラッチ5のスリッ
プ状態を、前記特開平10−299887号公報に記載
のようにモニタして、定常的なコースト走行でトルクコ
ンバータ3をロックアップさせておくのに必要な最小限
のロックアップクラッチ5の締結容量、つまりコースト
ロックアップ容量を求めるコーストロックアップ容量検
出部14からの信号を入力する。
に図2の制御プログラムを実行してアクチュエータ6の
デューティ制御、つまりトルクコンバータ3のロックア
ップ制御を行うものとする。先ずステップ21におい
て、フラグFLAG=1か否かにより、前回、アクセル
ペダルから足を釈放した足離しに伴うロックアップ領域
への移行があったか否かを判別する。
しに伴うロックアップ領域への移行がなかったと判定す
る間、ステップ22,23で改めて足離しに伴いロック
アップ領域に入ったか否かを判別する。詳しくは、図1
における足離し・踏み込み検出部9に対応したステップ
22でスロットル開度TVOが0であると判別し、且
つ、図1におけるロックアップ領域検出部11に対応し
たステップ23でスロットル開度TVOおよび車速VS
Pをもとにロックアップ領域であると判別するとき、足
離しに伴いロックアップ領域に入ったと判別して制御を
ステップ24に進め、このステップ24でこのことを示
すように上記のフラグFLAGを1にセットしてステッ
プ21での判定に資する。
入ったと判別するまでは制御をステップ30に進めて、
アクチュエータ6のデューティ制御により通常のロック
アップ制御を行うと共に、ステップ31で上記のフラグ
FLAGを0にリセットし続ける。
いロックアップ領域に入ったと判別する時は、先ずステ
ップ24で上記の通り、このことを示すように上記のフ
ラグFLAGを1にセットした後、ステップ25におい
て、ロックアップクラッチ5の締結をショックが生じな
いぎりぎりの所定時間勾配で進行させるようアクチュエ
ータ6へのロックアップデューティDを漸増させるラン
プ制御を行う。次にステップ26で、アプライ圧PA お
よびレリーズ圧PR 間の差圧PA −P R (ロックアップ
クラッチ5の締結容量)が、図1の検出部14で求めた
前記必要最小限のコーストロックアップ容量に達したか
否かを、ロックアップデューティDから判別する。コー
ストロックアップ容量に至るまでは制御をステップ21
に戻してステップ25を実行させ続けることにより上記
のランプ制御を継続する。
ップ27で当該瞬時におけるロックアップデューティD
を保持する制御を実行し、このデューティ保持を、ステ
ップ28で図1の検出部13がDレンジ保持を検出して
いると判定し、且つ、ステップ29で図1の検出部9が
アクセルペダルの釈放を検出していると判定する限りに
おいて継続する。よって、Dレンジでのコースト走行中
におけるトルクコンバータ3のロックアップは、図1の
検出部14で求めた前記必要最小限のコーストロックア
ップ容量のもとで継続的に実行されることとなり、制御
最高値よりも小さな容量でロックアップが行われている
ため、その分ロックアップの解除応答が速くなって急制
動による車輪ロック時もエンジン停止の問題を生ずるこ
とがなくなる。
クアップ制御が行われている間に、エンジンブレーキを
希望して運転者がDレンジからLレンジにレンジ切り換
えすると、ステップ28が制御をステップ30,31に
進めて通常のロックアップ制御に切り換える。よって、
Lレンジでのコースト走行中におけるトルクコンバータ
3のロックアップは、図4の場合と同じ条件での動作波
形を示す図3から明らかなようにロックアップクラッチ
締結容量(PA −PR )が実線により示すごとく制御最
大値にされた状態で行われることとなる。
換え時はロックアップクラッチ締結容量の要求値が、図
4の破線を移記した図3の破線のごとくに上昇し、瞬時
t3でピークに達する。しかし、瞬時t3のピーク時に
おいてもなおロックアップクラッチ締結容量(PA −P
R )の制御値が当該要求値よりも大きいため、ロックア
ップクラッチ締結容量が要求値に対して不足気味となる
ことがなく、ロックアップクラッチの締結状態を維持す
ることができる。これがため、エンジン回転数Ne が図
3の破線で示すごとくタービン回転数N t (トルクコン
バータ出力回転数)から乖離することなく一体的に経時
変化する状況より明らかなように、そして車両減速度が
図4に示す経時変化とは違って図3に示すごとくに経時
変化する事実から明らかなように、DレンジからLレン
ジへの切り換えにより期待した通りのエンジンブレーキ
を得ることができる。
ロックアップ制御では、コースト走行中にエンジンブレ
ーキの必要を感じてエンジンブレーキが効かないDレン
ジからエンジンブレーキレンジであるLレンジに切り換
えた時、ロックアップ領域なのにトルクコンバータのロ
ックアップが解除されて燃費の向上効果が低下するとい
う問題を回避し得るとともに、上記のレンジ切り換えで
期待したほどのエンジンブレーキが得られなかったり、
ロックアップの解除により却ってエンジンブレーキ力が
小さくなってしまうような運転違和感が発生するという
問題を回避することができる。
ルペダルの踏み込みを検知したと判定する場合も、制御
をステップ30に進めて通常のロックアップ制御を実行
することにより、尚もロックアップ領域ならロックアッ
プデューティDを最高値まで上昇させてロックアップク
ラッチ5を完全に締結させ、次のステップ31において
フラグFLAGを0にリセットする。
プ制御装置を具えた車両用パワートレーンを、ロックア
ップ制御システムと共に示す概念図である。
るロックアップ制御プログラム示すフローチャートであ
る。
アップを、エンジンブレーキレンジへのレンジ切り換え
があった場合について示す動作タイムチャートである。
と同じ条件のもとで示す動作タイムチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ロックアップクラッチを容量制御下に締
結させてトルクコンバータ入出力要素間をロックアップ
可能で、該ロックアップを行うべきロックアップ領域で
のコースト走行中はロックアップクラッチの前記締結容
量が定常走行状態でのロックアップに必要な最小限のコ
ーストロックアップ容量にされるようにしたトルクコン
バータにおいて、 ロックアップ領域でのコースト走行中にエンジンブレー
キレンジが選択された時、前記ロックアップクラッチの
締結容量を前記コーストロックアップ容量よりも大きく
するよう構成したことを特徴とするトルクコンバータの
ロックアップ制御装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記ロックアップク
ラッチの締結容量を制御最高値にして前記コーストロッ
クアップ容量よりも大きくするよう構成したことを特徴
とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
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