JP2004332867A - 副変速機付き自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

副変速機付き自動変速機の変速制御装置 Download PDF

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Keita Iwasaki
敬太 岩崎
Masahito Koga
雅人 古閑
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Abstract

【課題】自動変速機の副変速機を発進時に、自動変速機の出力が過大になったり、不足することのないよう変速させる変速制御装置を提供する。
【解決手段】S5で駆動輪スリップ率|Slip|≧βと判定する時は、S6で副変速機の選択変速段を高速段に決定し、これにより低μ路で微妙なアクセル操作が必要にならないようにする。S10でアクセル開度APO≧γ(γは、登坂路の路面勾配が急なほど小さくした設定開度)と判定する場合、S11で副変速機の選択変速段を低速段に決定し、これにより、アクセルペダルを大きく踏み込んだ発進時に自動変速機が要求通りの大トルクを出力可能とする。S10でAPO<γと判定する場合、S12で副変速機の選択変速段を高速段に決定し、これにより、運転者が大きな出力を必要としない発進時に自動変速機が要求を越えた大トルクを出力することのないようにする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無段変速機や有段自動変速機などの主変速機に副変速機を結合して構成した副変速機付き自動変速機の変速制御装置、特に、副変速機に係わる発進時の変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種副変速機付き自動変速機の変速制御装置としては従来、例えば特許文献1に記載のように、後低速切り替え可能な副変速機と主変速機との相互結合になる自動変速機を前提とし、発進に際しては主変速機を第1速選択状態とし、副変速機を低速段選択状態にするものが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−340093号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように発進時に副変速機を無条件に低速段選択状態にする場合、主変速機が第1速選択状態にされることとも相まって、時として自動変速機の全体的な変速比がロー側変速比になり過ぎ、僅かなアクセルペダル踏み込み量(以下ではアクセル開度と言う)でエンジン回転数が早期に高回転となり、運転者に違和感を与えるという問題がある。
更に、かかる必要以上に高いエンジン回転数は無駄な燃料噴射により燃費の悪化を招くという問題をも生ずる。
【0005】
また、従来のように発進時に副変速機を無条件に低速段選択状態にする場合、時として自動変速機から車輪への駆動力に関してもこれが過大になり、僅かなアクセル開度で大きな駆動力を発生させて、運転者に違和感を与えるという問題がある。
例えば凍結路などのように路面摩擦係数が小さい道路での発進に際し、自動変速機から車輪への駆動力が過大であると車輪の駆動スリップ(ホイールスピン)を生じさせ、これを防止するために運転者は微妙なアクセル操作を要求されて運転操作性の悪化を招く。
【0006】
かといって逆に、発進時に副変速機を無条件に高速段選択状態にするようにすると、トルクコンバータのクリープトルク(引きずりトルク)を利用して登坂路停車中に車両が自然後退するのを防止したり、クリープトルクを利用して登坂路を微速走行させる要求がある時にこれらの要求を満足させることができないし、また、登坂路などのため運転者がアクセル開度を大きくした発進時に要求通りの大トルクを出力することができず、副変速機付きとした自動変速機のメリットを生かしきれない。
【0007】
本発明は、上記の問題がとりもなおさず、発進時における副変速機の選択変速段を無条件に低速側変速段にしたり、または高速側の変速段にしてしまうことに起因するとの事実認識に基づき、発進時における副変速機の選択変速段を運転者の加速意図や車両走行抵抗に応じ異ならせるようになし、これにより上記の問題を解消可能にした副変速機付き自動変速機の変速制御装置を提案することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による副変速機付き自動変速機の変速制御装置は、請求項1に記載のごとく、
少なくとも高速段と低速段とを選択可能な副変速機を主変速機に駆動結合して具える自動変速機の変速制御に際し、
自動変速機の出力回転を立ち上がらせる発進時における副変速機の選択変速段を、運転者の加速意図および車両走行抵抗の少なくとも一方に基づき決定するよう構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の効果】
本発明においては、発進時における副変速機の選択変速段を、運転者の加速意図および車両走行抵抗の少なくとも一方に基づき決定するから、
発進時に副変速機を無条件に低速段選択状態にする場合に不可避な前記の問題、つまり自動変速機の全体的な変速比がロー側変速比になり過ぎて、エンジン回転数が早期に高回転となる違和感や、かかる高いエンジン回転数で燃費が悪化するという問題や、駆動力が過大になる違和感や、かかる過大駆動力のために特に低μ路でホイールスピン防止用に微妙なアクセル操作が要求されるという問題を回避することができるし、
発進時に副変速機を無条件に高速段選択状態にする場合に不可避な前記の問題、つまり自動変速機の全体的な変速比が要求通りのロー側変速比になり得ず、トルクコンバータのクリープトルクを利用した登坂路後退防止や登坂路微速走行の要求を満足させることができないという問題や、アクセル開度を大きくした発進時に要求通りの大トルクが得られずに副変速機付きとした自動変速機のメリットを生かしきれないという問題を回避することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる変速制御装置を具えた自動変速機を示し、本実施の形態においてはこの自動変速機を、主変速機1および副変速機2との相互結合により構成する。
主変速機1はトロイダル型無段変速機やVベルト式無段変速機などの無段変速機、または、有段式の歯車変速機構を可とし、主変速機1の出力軸3をディファレンシャルギヤ装置4を介して左右駆動車輪5L,5Rに駆動結合する。
副変速機2は、主変速機1の入力ダンパーとしての機能をも果たすような以下に詳述する構成とする。
【0011】
副変速機2の詳細を以下に説明するにこれは、図1では低速段選択状態で示し、図2では高速段選択状態で拡大して示すように、ダンパーハウジング21を具え、このダンパーハウジング21をドライブプレート22を介してエンジン6のクランクシャフトに結着する。
ダンパーハウジング21内に主変速機1の入力軸23を挿入し、ダンパーハウジング21内における入力軸23の端部上に単純遊星歯車組24を装着し、単純遊星歯車組24のキャリア24cを主変速機1の入力軸23に駆動結合すると共に、高速段選択クラッチ25のクラッチハブ25hにも駆動結合する。
【0012】
単純遊星歯車組24のリングギヤ24rはワンウェイクラッチ26を介して中空固定軸27上に乗せ、ワンウェイクラッチ26はそのインナレースを中空固定軸27(主変速機1のケース)に固定すると共にアウタレースをリングギヤ24rに接続して、リングギヤ24rをエンジン1の回転と逆方向に回転し得ないようにするものとする。
【0013】
高速段選択クラッチ25は上記したクラッチハブ25hのほかに、ダンパーハウジング21内に回転自在に収納したクラッチドラム25dを具え、このクラッチドラム25dを高速段用ダンパー28を介してダンパーハウジング21に駆動結合する。
クラッチドラム25dは更に、低速段用ダンパー29を介して単純遊星歯車組24のサンギヤ24sに駆動結合する。
【0014】
高速段選択クラッチ25には更に、図示しなかったがクラッチドラム25d内に軸線方向摺動可能に嵌合したクラッチピストンを具え、このピストンを図2にαで示す方向に作用する油圧によりストロークさせる時、高速段選択クラッチ25は図2に示す如く締結によりクラッチドラム25dおよびクラッチハブ25h間を結合するものとする。
この時高速段用ダンパー28からの回転が、低速段用ダンパー29を経由することなくキャリア24cを経て主変速機1の入力軸23にそのまま(高速段選択状態で)伝達される。
【0015】
しかし、図2にαで示す方向に作用する油圧がなくて上記クラッチピストンのストロークが発生しない時は高速段選択クラッチ25が図1に示すごとく解放されている。
この時は、高速段用ダンパー28からの回転が低速段用ダンパー29を経由して単純遊星歯車組24のサンギヤ24sに達する。
ここでサンギヤ24sは、高速段選択クラッチ25が解放されているため、またワンウェイクラッチ26がリングギヤ24rのエンジン6と逆方向の回転を阻止しているため、キャリア24cを減速下に同方向へ回転駆動し、動力は低速段選択状態で主変速機1の入力軸23に伝達される。
【0016】
なお高速段用ダンパー28のダンパー特性は上記の高速段選択状態で要求される特性に設定し、低速段用ダンパー29は上記の低速段選択状態で要求される特性に設定しておく。
【0017】
上記した副変速機2の変速作用を、トーショナルダンパー機能と共に次に説明する。
ダンパーハウジング21へのエンジン回転は高速段用ダンパー28を経てクラッチドラム25dに達している。
ここで高速段選択クラッチ25が解放されていると、クラッチドラム25dへの回転が低速段用ダンパー29を経てサンギヤ24sに至り、サンギヤ24sへの回転が単純遊星歯車組24の前記作用により低速段選択状態で減速下に主変速機1の入力軸3へ伝達される。
ところで高速段選択クラッチ25が締結されていると、クラッチドラム25dへの回転が低速段用ダンパー29を経由することなくキャリア24cを経て主変速機1の入力軸23にそのまま高速段選択状態で伝達される。
【0018】
以上により、低速段で用いる伝動経路中に挿入した低速段用ダンパー29は、低速段選択状態であるときのみ所定のダンパー機能を果たし、高速段選択状態である時は、この低速段用ダンパー29をバイパスする高速段選択クラッチ25を経て動力伝達を行うため、低速段用ダンパー29はダンパー機能を果たすことがない。
よって、低速段用ダンパー29のダンパー特性を低速段選択状態で要求される特性に設定することができる。
【0019】
一方で高速段選択状態である時は、全ての変速段で共用する伝動経路中に挿入した高速段用ダンパー28のみがダンパー機能を果たすため、そのダンパー特性を低速段用ダンパー29とは別個に、高速段選択状態で要求される特性に設定することができる。
従って、副変速機2に内蔵されたトーショナルダンパー機構によれば、選択変速段ごとのダンパー特性に関する要求を全て満足させることがことができる。
【0020】
上記した副変速機2の変速制御(高速段選択クラッチ25の締結・開放制御)は、主変速機1の変速制御(主変速機1が無段変速機である場合、前後進切り替え制御も含む)と共に、変速機コントローラ31によりこれらを遂行する。
これがため変速機コントローラ31には、エンジン6の出力を決定するアクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ32からの信号と、車両のブレーキペダルが踏み込まれる制動時にONされるブレーキスイッチ33からの信号と、登坂路の路面傾斜角θを検出する傾斜角センサ34からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ35からの信号と、駆動車輪5L,5Rの平均回転周速Vw(以下、車輪速と言う)を検出する車輪速センサ36からの信号と、主変速機1の選択レンジ(P,R,N,D,Lレンジ)を検出するインヒビタスイッチ37からの信号を入力する。
【0021】
変速機コントローラ31は、これら入力情報をもとに以下のごとくに主変速機1の変速制御および副変速機2の変速制御を行う。
主変速機1の変速制御に当たっては、図示しなかったが、選択レンジや、車速VSPや、アクセル開度APOを読み込み、選択レンジごとの予定の変速マップをもとに車速VSPおよびアクセル開度APOから運転状態に応じた目標変速比を求め、この目標変速比が達成されるよう主変速機1を変速制御する。
なお主変速機1が無段変速機である場合は、選択レンジに応じた中立状態を含む前後進切り替え制御を同時に行うものとする。
【0022】
副変速機2の変速制御(高速段選択クラッチ25の締結・開放制御)に際し変速機コントローラ31は、図3に示す制御プログラムを実行して副変速機2の変速制御(高速段選択クラッチ25の締結・開放制御)を遂行するものとする。
先ずステップS1において、車速VSP、車輪速Vw、およびブレーキスイッチ33からの信号を読み込む。
次いでステップS2においては、車速VSPが0km/hで、且つ、ブレーキスイッチ33がON(車両制動中)であるか否かを、つまり、発進意志のない停車状態か否かをチェックする。
【0023】
ステップS2で発進意志のない停車状態であると判定する時は、ステップS3において、副変速機2の選択変速段を低速段に決定し、この低速段が得られるよう高速段選択クラッチ25の解放を副変速機2に指令する。
ステップS2で、車速VSPが0km/hでない走行中、若しくは、停車中でもブレーキスイッチ33がOFF(非制動中)で発進の意志があると判定する時は、ステップS4で駆動車輪5L,5Rの駆動スリップ率Slipを演算した後、ステップS5で該車輪スリップ率の絶対値|Slip|から駆動車輪5L,5Rの駆動スリップが大きいか小さいかを判定する。
【0024】
ステップS4における車輪スリップ率Slipの演算に当たっては、車輪速Vwから車体速Vbを推定し(非駆動輪の車輪速をそのまま車体速Vbとしてもよい)、これら車輪速Vwおよび車体速Vbから車輪スリップ率Slipを次式の演算により求める。
Slip=(Vb−Vw)/Vb
ステップS5で駆動車輪5L,5Rの駆動スリップを大小判定するに際しては、|Slip|が設定値β以上か否かにより駆動車輪5L,5Rの駆動スリップが大きいか小さいかを判定する。
【0025】
ステップS5で|Slip|≧βと判定する時は、つまり駆動車輪5L,5Rの駆動スリップが大きいと判定する時は、路面摩擦係数μに対し車輪駆動力が過大で車輪5L,5Rの駆動スリップにより走行抵抗が小さい状態であることから、ステップS6において、副変速機2の選択変速段を高速段に決定し、この高速段が得られるよう高速段選択クラッチ25の締結を副変速機2に指令する。
かかる副変速機2の高速段選択状態により、駆動車輪5L,5Rの駆動スリップが大きい時に駆動力が過大になるのを防止して、低μ路でのホイールスピン防止用に微妙なアクセル操作が必要になる煩わしさを回避することができる。
【0026】
ステップS5で|Slip|<βと判定する時は、つまり駆動車輪5L,5Rの駆動スリップが小さいと判定する時は、制御をステップS7に進めて登坂路の路面勾配θを読み込み、更にステップS8において、この路面勾配θから図4に例示したマップを基にアクセル開度設定値γを検査する。
【0027】
ここでアクセル開度設定値γは、路面勾配θごとに副変速機2を低速段選択状態にしないと駆動力不足を感じるアクセル開度の下限値に対応させ、アクセル開度設定値γを示す線よりも上の領域が副変速機2を低速段選択状態にすべき領域であり、下の領域が副変速機2を高速段選択状態にすべき領域である。
なお、路面勾配θが或る勾配θ以上である場合はアクセル開度設定値γを0とし、これにより、θ≧θの急勾配登坂路では副変速機2がアクセル開度APOに関係なく低速段選択状態にされるようにして、この急勾配登坂路でもトルクコンバータのクリープトルクを利用した車両の自然後退防止が可能になるようにしたり、クリープトルクを利用した車両の微速走行が可能となるようにする。
【0028】
次のステップS9においてはアクセル開度APOを読み込み、その後ステップS10においてこのアクセル開度APOが上記のアクセル開度設定値γ以上か否かを、つまり、図4の低速段選択領域か高速段選択領域かを判定する。
ステップS10でAPO≧γ(図4の低速段選択領域)と判定する場合、ステップS11において、副変速機2の選択変速段を低速段に決定し、この低速段が得られるよう高速段選択クラッチ25の解放を副変速機2に指令する。
かくして、運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んでアクセル開度APOを路面勾配θごとの設定開度γ以上にした発進時に自動変速機は、副変速機2の低速段選択状態により要求通りの大トルクを出力することができ、副変速機付きとした自動変速機のメリットを生かすことができる。
【0029】
ステップS10でAPO<γ(図4の高速段選択領域)と判定する場合、ステップS12において、副変速機2の選択変速段を高速段に決定し、この高速段が得られるよう高速段選択クラッチ25の締結を副変速機2に指令する。
かくして、運転者が大きな出力を必要とせずアクセル開度APOを路面勾配θごとの設定開度γ未満にした発進時に自動変速機は、副変速機2の高速段選択状態により要求を越えた大トルクの出力を抑制され、エンジン回転数が早期に高回転となる違和感や、かかる高いエンジン回転数で燃費が悪化するという問題や、駆動力が過大になる違和感や、かかる過大駆動力のために特に低μ路でホイールスピン防止用に微妙なアクセル操作が必要になるという煩わしさを回避することができる。
【0030】
なお図3の制御プログラムには盛り込まなかったが、アクセル開度APOとは関係なく、登坂路の路面勾配θが設定勾配以上である時は車両走行抵抗が大きいとして副変速機2の選択変速段を無条件に低速段とし、路面勾配θが設定勾配未満の時は副変速機2の選択変速段を高速段とする制御も可能である。
この場合、設定勾配を副変速機2の高速段選択状態でもトルクコンバータのクリープトルクを利用して停車状態を保ちうる登坂路勾配に対応させることで、クリープトルクを利用した車両の登坂路自然後退防止を広範囲の路面勾配に亘って実現することができると共に、クリープトルクを利用した車両の微速走行を広範囲の路面勾配に亘って実現することができる。
【0031】
図3の制御プログラムによる副変速機2の変速制御作用を、図5〜図7により詳述する。
図5は、低μ路でアクセル開度APOを瞬時t1以後設定開度γ以上に保って車両を発進させた時における副変速機2の変速動作を示し、瞬時t1まではステップS3の実行により副変速機2は高速段選択クラッチ25の解放で低速段選択状態にされている。
瞬時t1以後もAPO≧γに呼応したステップS11の実行により、副変速機2は高速段選択クラッチ25の解放で低速段選択状態に維持される。
車輪スリップ率|Slip|が設定値β以上となる瞬時t2に、ステップS6の実行により副変速機2は、高速段選択クラッチ25の締結で高速段選択状態に切り替わる。
【0032】
かかる副変速機2の高速段選択状態により、駆動車輪5L,5Rの駆動スリップが大きい時に駆動力が過大になるのを防止して、低μ路でのホイールスピン防止用に微妙なアクセル操作が必要になる煩わしさを回避することができる。
車輪スリップ率|Slip|が設定値β未満になる瞬時t3に、APO≧γに呼応したステップS11の実行により、副変速機2は高速段選択クラッチ25の解放で低速段選択状態に戻る。
なお上記では、車輪の駆動スリップを車輪スリップ率|Slip|に基づいて判定することとしたが、これに限られるものではなく、車輪スリップ量そのものに基づいて車輪の駆動スリップを判定したり、その他車輪のスリップ状態を表す任意の物理量を基に車輪の駆動スリップを判定することができることは言うまでもない。
【0033】
図6は、図5におけるような車輪駆動スリップを生じない高μ路でアクセル開度APOを実線で示すように瞬時t1以後設定開度γ以上に保って車両を発進させた時における副変速機2の変速動作と、アクセル開度APOを破線で示すように瞬時t1以後設定開度γ未満に保って車両を発進させた時における副変速機2の変速動作とを示す。
いずれの場合も瞬時t1まではステップS3の実行により副変速機2が高速段選択クラッチ25の解放で低速段選択状態にされている。
瞬時t1以後は、アクセル開度APOを実線のように設定開度γ以上にしている場合、APO≧γに呼応したステップS11の実行により、副変速機2は高速段選択クラッチ25の解放(実線により示す)で低速段選択状態(実線により示す)に維持され、また、アクセル開度APOを破線のように設定開度γ未満にしている場合、APO<γに呼応したステップS12の実行により、副変速機2は高速段選択クラッチ25の締結(破線により示す)で高速段選択状態(破線により示す)に切り替わる。
【0034】
かくして、運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んでアクセル開度APOを設定開度γ以上にした発進時に自動変速機は、副変速機2の低速段選択状態により要求通りの大トルクを出力することができ、副変速機付きとした自動変速機のメリットを生かすことができ、
逆に運転者が大きな出力を必要とせずアクセル開度APOを設定開度γ未満にした発進時に自動変速機は、副変速機2の高速段選択状態により要求を越えた大トルクの出力を抑制され、エンジン回転数が早期に高回転となる違和感や、かかる高いエンジン回転数で燃費が悪化するという問題や、駆動力が過大になる違和感を回避することができる。
【0035】
図7は、登坂路の路面勾配θが緩やかでこれに応じたアクセル開度設定値γが図4にγ2で示すようなものである場合と、路面勾配θが急でこれに応じたアクセル開度設定値γが図4にγ1で示すようなものである場合とにつき、アクセル開度APOを実線で示すように瞬時t1以後設定開度γ1よりも大きく、設定開度γ2よりも小さな値に保って車両を発進させた時における副変速機2の変速動作を示す。
いずれにしても瞬時t1まではステップS3の実行により副変速機2が高速段選択クラッチ25の解放で低速段選択状態にされている。
瞬時t1以後は、急勾配での発進である場合、APO>γ1に呼応したステップS11の実行により、副変速機2は高速段選択クラッチ25の解放(実線により示す)で低速段選択状態(実線により示す)に維持され、緩勾配での発進である場合、APO<γ2に呼応したステップS12の実行により、副変速機2は高速段選択クラッチ25の締結(破線により示す)で高速段選択状態(破線により示す)に切り替わる。
【0036】
かように、アクセル開度APOから副変速機2を低速段選択状態にすべきか高速段選択状態にすべきかを判定する時の判断基準である設定開度γを路面勾配θに応じて図4に例示するごとくに決定し、アクセル開度APOが路面勾配θごとの設定開度γ(図7ではγ1,γ2)以上か否かに応じて、発進時に副変速機2を低速段選択状態としたり、高速段選択状態とすることから、
路面勾配θごとに、そしてアクセル開度APOに対応した要求通りのトルクを出力する副変速機付き自動変速機の変速制御が可能であるし、要求を越えたトルクが発生する副変速機付き自動変速機の変速制御を回避して、エンジン回転数が早期に高回転となる違和感や、かかる高いエンジン回転数で燃費が悪化するという問題や、駆動力が過大になる違和感をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる変速制御装置を具えた副変速機付き自動変速機の伝動経路を、その変速制御システムと共に示す模式図である。
【図2】図1における副変速機を、図1の低速段選択状態から高速段選択状態に切り替えて示す模式的側面図である。
【図3】図1における変速機コントローラが実行する副変速機用の変速制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】同変速制御に際して用いるアクセル開度設定値と、登坂路の路面勾配との関係を示す特性線図である。
【図5】図3における変速制御のうち、低μ路発進時における副変速機の変速動作を示すタイムチャートである。
【図6】図3における変速制御のうち、高μ路発進時における副変速機の変速動作を示すタイムチャートである。
【図7】図3における変速制御のうち、路面勾配に応じた発進時における副変速機の変速動作を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 主変速機
2 副変速機
3 変速機出力軸
4 ディファレンシャルギヤ装置
5L,5R 左右駆動車輪
6 エンジン
21 ダンパーハウジング
22 ドライブプレート
23 主変速機入力軸
24 単純遊星歯車組
24c キャリア
24r リングギヤ
24s サンギヤ
25 高速段選択クラッチ
25h クラッチハブ
25d クラッチドラム
26 ワンウェイクラッチ
27 中空固定軸
28 高速段用ダンパー
29 低速段用ダンパー
31 変速機コントローラ
32 アクセル開度センサ
33 ブレーキスイッチ
34 傾斜角センサ
35 車速センサ
36 車輪速センサ
37 インヒビタスイッチ

Claims (5)

  1. 少なくとも高速段と低速段とを選択可能な副変速機を主変速機に駆動結合して具える自動変速機において、
    自動変速機の出力回転を立ち上がらせる発進時に前記副変速機の選択変速段を、運転者の加速意図および車両走行抵抗の少なくとも一方に基づき決定するよう構成したことを特徴とする副変速機付き自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載の変速制御装置において、前記運転者の加速意図をアクセル開度から判断し、アクセル開度が設定開度以上の時は加速意図が強いとして前記副変速機の選択変速段を低速段とし、アクセル開度が設定開度未満の時は副変速機の選択変速段を高速段とするよう構成したことを特徴とする副変速機付き自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項2に記載の変速制御装置において、前記車両走行抵抗を路面勾配から判断し、路面勾配が急であるほど車両走行抵抗が大きいとして前記設定開度を小さくするよう構成したことを特徴とする副変速機付き自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項1に記載の変速制御装置において、前記車両走行抵抗を路面勾配から判断し、路面勾配が設定勾配以上である時は車両走行抵抗が大きいとして前記副変速機の選択変速段を低速段とし、路面勾配が設定勾配未満の時は副変速機の選択変速段を高速段とするよう構成したことを特徴とする副変速機付き自動変速機の変速制御装置。
  5. 請求項1に記載の変速制御装置において、前記車両走行抵抗を車輪スリップ率から判断し、車輪スリップ率が大きい時は車両走行抵抗が小さいとして前記副変速機の選択変速段を高速段とし、車輪スリップ率が小さい時は副変速機の選択変速段を低速段とするよう構成したことを特徴とする副変速機付き自動変速機の変速制御装置。
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WO2022158327A1 (ja) * 2021-01-20 2022-07-28 ジヤトコ株式会社 自動変速機、自動変速機の制御方法、及びプログラム

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