JP2002322211A - (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法 - Google Patents

(メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法

Info

Publication number
JP2002322211A
JP2002322211A JP2001130913A JP2001130913A JP2002322211A JP 2002322211 A JP2002322211 A JP 2002322211A JP 2001130913 A JP2001130913 A JP 2001130913A JP 2001130913 A JP2001130913 A JP 2001130913A JP 2002322211 A JP2002322211 A JP 2002322211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
polymer latex
membrane
concentrating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001130913A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Makino
学 牧野
Akira Nakano
彰 仲野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2001130913A priority Critical patent/JP2002322211A/ja
Publication of JP2002322211A publication Critical patent/JP2002322211A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 (メタ)アクリレート系重合体ラテックス
を、振動型膜分離装置を用いて長期間にわたって高い透
過流束で高濃縮度まで効率的に濃縮することができる、
振動型膜分離装置の操作方法を提供すること。 【解決手段】 (メタ)アクリレート系重合体ラテック
スを振動型膜分離装置を用いて濃縮するに際し、分離膜
の最大振幅を10〜15mmに設定すること、また、振
動型膜分離装置の運転と中断とを繰り返えす操作方法を
採ること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリレ
ート系重合体ラテックスの濃縮方法に関し、詳しくは、
振動型膜分離装置で、長期にわたって高い透過流束で高
濃縮度まで効率的に濃縮することができる重合体ラテッ
クスの濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アクリル系プラスチゾル、塩化ビ
ニル樹脂の成形用加工助剤などの重合体粉末の製造を目
的として、また、アクリル系ゴムラテックスの製造を目
的として、(メタ)アクリレート系重合体ラテックスが
多く製造されるようになってきた。一般に、重合体ラテ
ックスの製造においては、濃厚ラテックスの製造、乾燥
コストの低減等を目的として、重合反応工程に続いて濃
縮工程が設けられることが多い。重合体ラテックスの濃
縮には、従来、限外ろ過膜等の膜分離装置が多く用いら
れている。重合体ラテックスを膜分離装置を用いて濃縮
すると、重合体ラテックスが分離膜に接触する時に剪断
力を受けてしばしば重合体の凝集が生じ、これが分離膜
を目詰まり(ファウリング)させるため、操作圧力を高
くしても流束に限界があることが知られている。この限
界流束は原料重合体ラテックスの固形分濃度が高くなる
と低下するため、濃縮度には限度があった。また、比較
的低濃縮度で濃縮操作を続けていてもやがて凝集物が膜
を閉塞するため、安定して長期間運転することができな
いという問題点があった。これに対して、分離膜に高い
振動を与えて膜表面に100,000sec−1程度の
高剪断速度を生じさせると、分離膜近傍には流体のみが
保持されて重合体粒子が膜近傍から離れる現象が生じる
ため、重合体の凝集が極めて起こりにくくなる。この原
理を応用した振動型膜分離装置で高い透過流束で濃縮化
する試みがなされている(特開平10−128083号
公報)。また、本発明者らは、先に、重合体ラテックス
の濃縮に好適な振動型膜分離装置の操作条件および長期
運転方法を提案した(特開2000−281716号公
報、同281717号公報)。しかし、特に、(メタ)
アクリレート系重合体ラテックスは、高剪断速度下で時
間経過とともに凝集を起こす傾向があるので、安定した
運転と高濃縮を、より長期間にわたって可能とする重合
体ラテックスの濃縮方法の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、(メ
タ)アクリレート系重合体ラテックスを、振動型膜分離
装置を用いて長期間にわたって高い透過流束で高濃縮度
まで効率的に濃縮することができる、振動型膜分離装置
の操作方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、メタクリル酸メ
チル共重合体ラテックスを濃縮するときに、分離膜の最
大振幅を特定の範囲に設定することにより、また、振動
型膜分離装置の運転と中断とを繰り返して操業すること
により、それぞれ長期間にわたって高透過流束を維持し
て高濃度まで濃縮できることを見い出し、こららの知見
に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、(1)(メタ)アクリレート系重合体ラテックス
を振動型膜分離装置を用いて濃縮する方法において、前
記振動型膜分離装置の分離膜の最大振幅を10〜15m
mの範囲とすることを特徴とする(メタ)アクリレート
系重合体ラテックスの濃縮方法(第一発明)、および、
(2)(メタ)アクリレート系重合体ラテックスを振動
型膜分離装置を用いて濃縮する方法において、前記振動
型膜分離装置の運転と中断とを繰り返して操業すること
を特徴とする(メタ)アクリレート系重合体ラテックス
の濃縮方法(第二発明)、を提供するものである。さら
に、本発明の好ましい態様として、(3)前記振動型膜
分離装置を、ねじり振動周波数40〜80Hz、ねじり
振動角4〜12度で振動させ、温度10〜50℃、操作
圧力2〜15kg/cmGで濃縮する上記(1)また
は(2)に記載の(メタ)アクリレート系重合体ラテッ
クスの濃縮方法、(4)前記振動型膜分離装置の分離膜
が、ナノフィルターまたは逆浸透膜である上記(1)ま
たは(2)に記載の(メタ)アクリレート系重合体ラテ
ックスの濃縮方法、および、(5)前記振動型膜分離装
置の運転時間が0.5〜50時間で、中断時間が0.5
〜10分間であることを特徴とする上記(2)記載の
(メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の(メタ)アクリレート系
重合体ラテックスの濃縮方法は、重合体ラテックスを振
動型膜分離装置により濃縮する方法である。本発明方法
で用いる振動型膜分離装置としては、分離膜が軸を中心
としてねじり振動するものであれば特に制限はなく、例
えば、水平に設置された円板状の分離膜がねじり振動す
る機構を有する、神鋼パンテック(株)から販売されてい
る「VSEP」などを用いることができる。本発明方法
で使用する分離膜に特に制限はなく、例えば、精密ろ過
膜、限外ろ過膜、ナノフィルター、逆浸透膜などを挙げ
ることができる。これらの中で、ナノフィルターおよび
逆浸透膜は、ラテックス中の界面活性剤などの透過液中
への流出が少ないので特に好適に使用することができ
る。
【0006】本発明において、振動膜型分離装置の分離
膜の振動は、ねじり振動周波数40〜80Hzであるこ
とが好ましく、45〜60Hzであることがより好まし
い。また、ねじり振動角は4〜12度であることが好ま
しく、8〜10度であることがより好ましい。ねじり振
動周波数が小さすぎると分離膜に重合体が付着してファ
ウリングを生ずるおそれがあり、逆に、ねじり振動周波
数が大きすぎても特に濃縮操作上の効果の伸びは見られ
ず、エネルギーのロスとなる可能性がある。ねじり振動
角が小さすぎると凝集物が生じて分離膜に付着し、ファ
ウリングを起こすおそれがある。ねじり振動角が大きす
ぎると、それに必要なエネルギーが過大になって不経済
となる可能性がある。
【0007】本発明で用いる(メタ)アクリレート系重
合体ラテックスは、炭素数1〜8のアルキル基を有する
(メタ)アクリレート(アクリレートまたはメタクリレ
ートの意。)由来の単量体単位を50重量%以上含有す
る重合体のラテックスである。このような(メタ)アク
リレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリ
レート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチ
ル(メタ)アクリレート、1−メチルブチル(メタ)ア
クリレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、
n−ヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルペンチ
ル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど
が挙げられる。これらは単独でも、複数併用されてもよ
い。
【0008】また、本発明で用いるラテックスの重合体
は、上記の炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)
アクリレート由来の構成単位の他に、これらの単量体と
共重合可能な単量体由来の単位を50重量%以下含有し
てもよい。このような共単量体としては、n−ドデシル
メタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、テトラデシルアクリレート、ウ
ンデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレートな
どの炭素数9以上のアルキル基または脂環構造含有(メ
タ)アクリレート;スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの
シアン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル化合物;エチルビニルエーテ
ル、セチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエ
ーテルなどのビニルエーテル化合物;α−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
トなどの水酸基またはアルコキシ基含有不飽和カルボン
酸エステル化合物;メトキシポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートなどのアルコキシ基含有(メ
タ)アクリレート;(メタ)アクリル酸グリシジル、ア
リルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有単量
体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミドなどの(メタ)アクリルアミド単量体;(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、メサコン酸、けい皮酸等の脂肪族
不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸2−カルボキシ
エチル、クロトン酸2−カルボキシエチル、マレイン酸
モノメチル、イタコン酸モノオクチル等のカルボキシル
基含有不飽和カルボン酸エステル;2−カルボキシプロ
ピオン酸ビニル等のカルボキシル基含有不飽和単量体;
スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含
有不飽和単量体;(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2
−リン酸プロピル、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エ
チル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンリン酸
等のリン酸基含有不飽和単量体等の酸基含有不飽和単量
体などを挙げることができる。
【0009】上記(メタ)アクリレート系重合体ラテッ
クスを製造する方法には特に制限はなく、乳化重合法、
微細懸濁重合法、播種乳化重合法、播種微細懸濁重合法
などが挙げられる。乳化重合法は、アニオン性またはノ
ニオン性界面活性剤を乳化剤とし、水溶性のラジカル開
始剤を用い、単量体を含む界面活性剤ミセル内で重合を
開始し、平均粒径0.05〜0.3μm程度の尖鋭なモ
ードを有する粒径分布の重合体のラテックスを得る方法
である。微細懸濁重合法は、単量体、水、乳化剤、油溶
性重合開始剤などの混合物を、ホモジナイザなどで均質
化して微細な液滴に乳化、分散させて重合し、平均粒径
0.5〜2μmの位置に一つのモードで広い裾野を持つ
山型の粒径分布の重合体のラテックスを得る方法であ
る。播種乳化重合法では、乳化重合で得た重合体を種子
とし、これに単量体を被覆重合して肥大化し、1μm程
度の粒径の鋭い粒径分布を持つ重合体ラテックスが得ら
れ、播種微細懸濁重合では、微細懸濁重合で得た重合体
を種子として肥大化重合するので、上記微細懸濁重合で
得られる重合体より一回り大きな粒径分布を持つ重合体
ラテックスが得られる。本発明の濃縮方法に適用できる
重合体ラテックスとして、上記の各重合法で得られる単
独の重合体ラテックス、複数の重合法による重合体ラテ
ックスの混合物等を挙げることができる。
【0010】乳化重合または播種乳化重合に用いる重合
開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素などの水溶性開始剤;水溶性開始剤また
は有機過酸化物と、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アン
モニウム、アスコルビン酸などの還元剤とを組み合わせ
たレドックス重合開始剤;2,2−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)二塩酸塩などの水溶性アゾ化合
物などを挙げることができる。微細懸濁重合に用いる油
溶性重合開始剤としては、例えば、3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシ
ド;メチルエチルケトンパーオキシドなどのケトンパー
オキシド;ベンゾイルヒドロパーオキシド、クメンヒド
ロパーオキシド、p−サイメンヒドロパーオキシドなど
のヒドロパーオキシド;t−ブチルパーオキシピバレー
トなどのパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;アセ
チルシクロヘキシルスルホニルパーオキシドなどのスル
ホニルパーオキシドなどの有機過酸化物;2,2−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合
物などを挙げることができる。
【0011】乳化重合法、微細懸濁重合法などで用いる
乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、テ
トラデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレ
ンスルホン酸カリウムなどのアルキルアリールスルホン
酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシ
ルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;
ラウリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウムなど
の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサル
フェートナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルサルフェートナトリウムなどのエトキシサル
フェート塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテル
燐酸エステルナトリウム塩などを挙げることができる。
乳化剤の使用量は、単量体100重量部に対して0.0
5〜5重量部であることが好ましく、0.1〜3重量部
であることがより好ましい。微細懸濁重合では、乳化剤
の他に乳化助剤を添加すると乳化液滴の安定性が増すの
で好ましい。乳化助剤の例としては、炭素数12〜20
の高級アルコールや同程度の炭素数の脂肪酸が挙げられ
る。乳化助剤の使用量は、単量体100重量部に対して
0.1〜4重量部であることが好ましく、0.5〜2重
量部であることがより好ましい。
【0012】こうして得られる(メタ)アクリレート系
重合体の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(TH
F)を溶剤とするゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)による標準ポリスチレン換算表示で、通
常、5,000〜7,000,000、好ましくは1
0,000〜5,000,000、より好ましくは1
5,000〜3,000,000である。また、成形品
の硬度や機械的強度を増加したり、弾性回復性の付与な
どを目的として、重合反応時に多官能単量体を全単量体
の0.1〜10重量%添加することにより、(メタ)ア
クリレート系重合体がTHF不溶分を100重量%以
下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重
量%以下含有させてもよい。かかる目的の多官能単量体
としては、エチレンジグリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリ
レート;トリメチロールプロパントリメタクリレートな
どのトリメタクリレート;ポリエチレングリコールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
トなどのジアクリレート;トリメチロールプロパントリ
アクリレートなどのトリアクリレート;ジビニルベンゼ
ンなどのジビニル化合物などが例示される。これらの中
でもエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタ
クリレートやジビニルベンゼンなどのジビニル化合物な
どが好ましい。また、(メタ)アクリレート系重合体の
ガラス転移温度は、通常、5〜105℃、好ましくは2
5〜95℃、より好ましくは30〜90℃である。
【0013】本第一発明の(メタ)アクリレート系重合
体ラテックスの濃縮方法は、(メタ)アクリレート系重
合体ラテックスを振動型膜分離装置で濃縮するに当た
り、分離膜の最大振幅を10〜25mmの範囲で運転す
る濃縮方法である。本第一発明方法における分離膜の最
大振幅は、好ましくは11〜19mm、より好ましくは
13〜16mmである。最大振幅がが小さすぎると重合
体ラテックスの振動型膜分離装置での透過流束の増加が
困難となるおそれがあり、逆に、大きすぎると分離膜に
重合体が凝集して目詰まりを起こすまでの時間が短くな
る可能性がある。分離膜の大きさによらず、最大振幅が
上記の特定範囲になるようにすることにより、膜近傍に
流体のみが保持されて(メタ)アクリレート系重合体が
離れて存在する状態を維持しつつ透過流束を高く保つこ
とができる。
【0014】本発明においては、前記のように、振動型
幕分離装置をねじり振動角が好ましくは4〜12度と、
より好ましくは8〜10度となるようにして運転する
が、本第一発明においては、これに加えて分離膜の円周
部が受ける最大振幅を上記の範囲となるようにねじり振
動角を選定する。例えば、分離膜の最大振幅を13mm
に設定しようとする場合のねじり振動角は、直径265
mmの分離膜を使用するときは11度であり、直径47
0mmの分離膜を使用するときは6度である。
【0015】本第二発明の(メタ)アクリレート系重合
体ラテックスの濃縮方法は、振動型膜分離装置の運転と
中断とを繰り返して操業することである。本第二発明
は、膜分離時の剪断力によって分離膜に生ずる重合体粒
子の凝集が運転時間の経過につれて増大してくるが、こ
の凝集体がダイラタントである点に着目した発明であ
る。すなわち、重合体の凝集体が目詰まり固体として定
着する前に、少なくとも重合体ラテックスの供給ポンプ
の停止と操作圧力の解放を行うことによって凝集体を流
動化せしめて膜から凝集体を取り除くのである。本第二
発明の好ましい態様は、振動型膜分離装置の運転を0.
5〜50時間行った後に0.5〜10分間中断し、以後
運転および中断をこれらの時間で繰り返すことで、運転
時間は、より好ましくは1〜24時間、特に好ましくは
10〜12時間である。また、中断時間は、より好まし
くは0.5〜5分間、特に好ましくは0.5〜1分間で
ある。運転時間が短かすぎたり、中断時間が長すぎると
操業時間の中に無駄な時間が多くなり、生産性が低下す
るおそれがあり、逆に、運転時間が長すぎたり、中断時
間が短すぎると分離膜の目詰まりが除去されずに増大す
る可能性がある。
【0016】重合体ラテックスを一定の供給速度で振動
型膜分離装置に通して濃縮する場合、一般に、操作圧力
は2〜15kg/cmの範囲で高いほど、温度は1
0〜50℃の範囲で高いほど、凝集物が発生して分離膜
が閉塞しやすい。ここで、操作圧力とは、重合体ラテッ
クスの振動型膜分離装置の入口部圧力と濃縮ラテックス
の出口部圧力の相加平均から、透過液の圧力を差し引い
た圧力である。原料重合体ラテックスの固形分濃度は、
工程の操業安定性や製品として要求されるラテックスも
しくは濃縮後に乾燥された重合体粒子の特性により定ま
る。温度は、重合体ラテックスの機械的安定性から許容
される範囲で定まり、通常、10〜50℃である。その
結果、操作圧力が変動要因として残る。原料として供給
される重合体ラテックスの固形分濃度および濃縮後の所
望の固形分濃度が定まれば、生産性、すなわち分離膜の
透過流束を考慮して操作圧力を決める。運転時間の経過
とともに分離膜が目詰まりしてくると、一定の透過速度
を現出するためには操作圧力を増加してゆかねばならな
い。本発明によれば、操作圧力をほとんど増加すること
なく、長期にわたって高い透過流束を維持して操業する
ことができる。
【0017】上記した本第一発明および本第二発明を個
別に実施して、振動型膜分離装置により(メタ)アクリ
レート系重合体ラテックスを、長期にわたって高い透過
流束を維持して濃縮することができる。しかし、好まし
くはこれら二つの発明を組み合わせて実施することによ
り、一層長期にわたって高い透過流束を安定して維持し
て操業することができる。
【0018】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
ない。 「部」および「%」は特記しない限り重量基準
である。製造例1 ステンレス製の撹拌機およびジャケット付き反応器に、
脱イオン水125部、ラウリル硫酸ナトリウム1.2
部、ラウリルアルコール0.8部、t−ドデシルメルカ
プタン(分子量調整剤)0.6部、ラウロイルパーオキ
シド0.3部、メタクリル酸メチル98部およびメタク
リル酸2部を仕込んで窒素置換したのち、減圧脱気を2
回繰り返し、撹拌、混合した。この混合物をホモジナイ
ザーで均質化したのち、別の脱気された撹拌機およびジ
ャケット付きステンレス製反応器に移し、65℃に昇温
して重合した。重合転化率が92%に達したとき、未反
応のメタクリル酸メチルを除去し、重合体ラテックスA
を得た。得られた重合体ラテックスAは、pHが3.5
で、固形分濃度43%であり、遠心沈降濁度法による粒
径分布測定で単一粒子の粒径が0.02〜2.5μmに広
く分布し、モードを0.6μmに持ち、平均粒径は0.7
μmであった。また、THFを溶剤とするGPC¥:。
により求めた重合体の標準ポリスチレン換算の重量平均
分子量は、270,000であった。示差熱分析により
求めた重合体のガラス転移温度は、105℃であった。
【0019】比較例1〜3、実施例1、2 重合体ラテックスAについて、振動型膜分離装置[VS
EP Series L、神鋼パンテック(株)]にナノフ
ィルター[NTR7410、日東電工(株)製、膜面積
0.045m]を装着した装置を用いて、表1に示
す振幅5種を設定してそれぞれ濃縮実験を行った。ねじ
り振動周波数60Hz、温度30℃、供給速度250l
/hr、操作圧力3.2kg/cmGの条件でそれ
ぞれラテックスの固形分濃度を50%に濃縮しつつ40
時間運転した。この間操作圧力を一定に維持し、時間経
過に伴う透過流束(l/m/hr)の推移を調べ
た。時間経過に伴う透過流束の推移の測定結果を表1に
示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1が示すように、重合反応後のpH3.
5であるメタクリル酸メチル共重合体ラテックスAを、
振動型膜分離装置にて最大振幅を変えて濃縮操作を行う
と、最大振幅が10〜15mmの範囲であると40時間
経過しても透過流束は高く維持された(実施例1、
2)。しかし、最大振幅が上記範囲より低い場合(比較
例1,2)と高い場合(比較例3)では、時間の経過に
つれて膜の目詰まり(ファウリング)が生じて透過流束
が低下した。
【0022】実施例3、比較例4 実施例1において、濃縮装置として振動型幕分離装置
[VSEP Seriesi、神鋼パンテック(株)]に
ナノフィルター[PES10、ヘキスト社製、膜面積2
8m]を装着した装置を用い、表2に示す最大振幅
にて、また、ラテックス供給速度5000l/hr、操
作圧力3.0kg/cmGの条件で操作した他は実
施例1と同様にして重合体ラテックスAの濃縮を行っ
た。時間経過に伴う透過流束(l/m/hr)の推
移の測定結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2が示すように、分離膜の大きさが大き
くなっても、最大振幅が10〜15mmの範囲となるよ
うにねじり振動角を実施例1より小さく調整することに
より、長時間にわたって透過流束を高く維持することが
できた(実施例3)。一方、ねじり振動角が実施例1お
よび2より小さくても、最大振幅が15mmを超える条
件の場合は、濃縮操作の時間経過につれてファウリング
が生じて透過流束が低下した(比較例4)。
【0025】実施例4 重合体ラテックスAについて、振動型膜分離装置[VS
EP Series L、神鋼パンテック(株)]にナノフ
ィルター[NTR7410、日東電工(株)製、膜面積
0.045m]を装着した装置を用いて濃縮実験を
行った。ねじり振動周波数60Hz、ねじり振動角16
度で分離膜を振動させつつ、温度30℃、供給速度25
0l/hr、操作圧力3.2kg/cmGの条件で
ラテックスを振動型膜分離装置に通し、固形分濃度を5
0%に濃縮しつつ第1回目の運転を開始した。透過流束
は、運転開始時42l/m/hrであったが直線的
に徐々に低下し、18時間目に36l/m/hrに
なった。この時点で振動型膜分離装置の第1回目の停止
を行った。すなわち、ラテックス供給ポンプを停止し、
配管内の操作圧力をバルブを開いて解放した。1分間の
停止の後、振動型膜分離装置の第2回目の運転を開始し
たところ透過流束は瞬時に43l/m/hrに上昇
した。その後透過流束は直線的に徐々に低下し、第1回
目の運転開始時から42時間目に38l/m/hr
になった。この時点で振動型膜分離装置の第2回目の停
止を行った。1分間の停止の後、振動型膜分離装置の第
3回目の運転を開始したところ透過流束は瞬時に45l
/m/hrに上昇した。
【0026】参考例1 実施例4と同様にして重合体ラテックスAを用いて第1
回目の振動型膜分離装置の運転を開始した。透過流束
は、運転開始時44l/m/hrであったが直線的
に徐々に低下し、52時間目に25l/m/hrに
なった。この時点で振動型膜分離装置の第1回目の停止
を行った。1分間の停止の後、振動型膜分離装置の第2
回目の運転を開始したところ透過流束は瞬時に35l/
/hrまで上昇した。その後透過流束は直線的に
徐々に低下し、第1回目の運転開始時から86時間目に
17l/m/hrになった。この時点で振動型膜分
離装置の第2回目の停止を行った。1分間の停止の後、
振動型膜分離装置の第3回目の運転を開始したところ透
過流束は瞬時に29l/m/hrまで上昇した。実
施例4との対比により、50時間以下の運転時間の後に
1分間の停止をして再運転する方がより好ましいことが
示された。
【0027】
【発明の効果】本発明により、(メタ)アクリレート系
重合体ラテックスを、振動型膜分離装置を用いて長期間
にわたって高い透過流束で高濃縮度まで効率的に濃縮す
ることができる、振動型膜分離装置の操作方法が提供さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 HA81 JA02A JA35A KA41 KE07Q KE16Q KE30Q PA02 PB15 PB70 PC80 4J100 AL03P AL04P CA01 CA03 GC13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリレート系重合体ラテック
    スを振動型膜分離装置を用いて濃縮する方法において、 前記振動型膜分離装置の分離膜の最大振幅を10〜15
    mmの範囲とすることを特徴とする(メタ)アクリレー
    ト系重合体ラテックスの濃縮方法。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリレート系重合体ラテック
    スを振動型膜分離装置を用いて濃縮する方法において、 前記振動型膜分離装置の運転と中断とを繰り返して操業
    することを特徴とする(メタ)アクリレート系重合体ラ
    テックスの濃縮方法。
JP2001130913A 2001-04-27 2001-04-27 (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法 Pending JP2002322211A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130913A JP2002322211A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001130913A JP2002322211A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002322211A true JP2002322211A (ja) 2002-11-08

Family

ID=18979195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001130913A Pending JP2002322211A (ja) 2001-04-27 2001-04-27 (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002322211A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5399621A (en) Process for the preparation of a graft copolymer latex of core/shell dispersion particles having improved phase binding between core and shell
JP2000514485A (ja) 水性ポリマー分散液の製造法
EP0047253B1 (en) Process for recovering vinyl polymers from emulsion polymerization latices
JP7271385B2 (ja) O/wエマルションの製造方法、及び微粒子の製造方法
EP2814609A1 (en) Product and method for making uniform, spherical, acrylic polymeric beads
JP2002322211A (ja) (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法
JP3830390B2 (ja) 樹脂粒子およびその製造方法
JP4106802B2 (ja) 重合体ラテックスの濃縮方法
JP2002322210A (ja) (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法
JP2002348314A (ja) 塩化ビニル系重合体ラテックスの濃縮方法
JP4536521B2 (ja) ゴム含有グラフト共重合体混合樹脂粉末およびその製造方法
JPH03137104A (ja) 環状管重合法及びその反応器
JP2694936B2 (ja) グラフトコポリマーの乳化重合法
JP2002348313A (ja) 塩化ビニル系重合体ラテックスの濃縮方法
JPH10265511A (ja) 塩化ビニル系重合体の製造方法
JPH044323B2 (ja)
JP2000281717A (ja) 重合体ラテックスの濃縮方法
JPS59154133A (ja) 増粘性エマルジヨン
JPH0649104A (ja) 共重合体樹脂水性分散液の製造方法
CN118043362A (zh) 减少胶乳聚合物褪色的方法
JP6319776B2 (ja) スルホン酸化ブロックコポリマーを凝固させるための方法
JPH1087710A (ja) 重合体粒子の製造方法
JP2008248198A (ja) フィルム用アクリル系樹脂組成物の製造方法
JP2014237789A (ja) 塩化ビニル系共重合体及び塩化ビニル系共重合体の製造方法
JP2008291221A (ja) 乳化重合体水分散液の製造方法