JP2002322210A - (メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法 - Google Patents

(メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方法

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JP2002322210A
JP2002322210A JP2001130891A JP2001130891A JP2002322210A JP 2002322210 A JP2002322210 A JP 2002322210A JP 2001130891 A JP2001130891 A JP 2001130891A JP 2001130891 A JP2001130891 A JP 2001130891A JP 2002322210 A JP2002322210 A JP 2002322210A
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Manabu Makino
学 牧野
Akira Nakano
彰 仲野
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動型膜分離装置を用いて長期間にわたって
高い透過流束で高濃縮度まで効率的に濃縮することがで
きる(メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方
法を提供すること。 【解決手段】 (メタ)アクリレート系重合体ラテック
スの重合体100重量部あたりに、アニオン界面活性剤
もしくはノニオン界面活性剤を0.2〜2重量部添加し
てから、または、前記(メタ)アクリレート系重合体ラ
テックスのpHが2〜6の場合にpHを7〜10に調整
してから、振動型膜分離装置で濃縮することを特徴とす
る(メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリレ
ート系重合体ラテックスの濃縮方法に関し、詳しくは、
振動型膜分離装置で、長期にわたって高い透過流束で高
濃縮度まで効率的に濃縮することができる重合体ラテッ
クスの濃縮方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アクリル系プラスチゾル、塩化ビ
ニル樹脂の成形用加工助剤などの重合体粉末の製造を目
的として、また、アクリル系ゴムラテックスの製造を目
的として、(メタ)アクリレート系重合体ラテックスが
多く製造されるようになってきた。一般に、重合体ラテ
ックスの製造においては、濃厚ラテックスの製造、乾燥
コストの低減等を目的として、重合反応工程に続いて濃
縮工程が設けられることが多い。重合体ラテックスの濃
縮には、従来、限外ろ過膜等の膜分離装置が多く用いら
れている。重合体ラテックスを膜分離装置を用いて濃縮
すると、重合体ラテックスが分離膜に接触する時に剪断
力を受けてしばしば重合体の凝集が生じ、これが分離膜
を目詰まり(ファウリング)させるため、操作圧力を高
くしても流束に限界があることが知られている。この限
界流束は原料重合体ラテックスの固形分濃度が高くなる
と低下するため、濃縮度には限度があった。また、比較
的低濃縮度で濃縮操作を続けていてもやがて凝集物が膜
を閉塞するため、安定して長期間運転することができな
いという問題点があった。これに対して、分離膜に高い
振動を与えて膜表面に100,000sec−1程度の
高剪断速度を生じさせると、分離膜近傍には流体のみが
保持される現象が生じるため、重合体粒子の凝集が極め
て起こりにくくなる。この原理を応用した振動型膜分離
装置で高い透過流束で濃縮化する試みがなされている
(特開平10−128083号公報)。また、本発明者
らは、先に、重合体ラテックスの濃縮に好適な振動型膜
分離装置の操作条件および長期運転方法を提案した(特
開2000−281716号公報、同281717号公
報)。しかし、特に、(メタ)アクリレート系重合体ラ
テックスは、高剪断速度下で時間経過とともに凝集を起
こす傾向があるので、安定した運転と高濃縮を、より長
期間にわたって可能とする重合体ラテックスの濃縮方法
の開発が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、(メ
タ)アクリレート系重合体ラテックスを、振動型膜分離
装置を用いて長期間にわたって高い透過流束で高濃縮度
まで効率的に濃縮することができる(メタ)アクリレー
ト系重合体ラテックスの濃縮方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、重合反応後のp
Hが酸性サイドにあるカルボキシル基含有メタクリル酸
メチル共重合体のラテックスを濃縮するときに、重合反
応後の重合体ラテックスに特定量の界面活性剤を添加す
ることにより、また、重合反応後の重合体ラテックスの
pHが酸性側にある場合にこれをアルカリ性に調整する
ことにより、それぞれ長期間にわたって高透過流束を維
持して高濃度まで濃縮できることを見い出し、こららの
知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、(1)重合反応後のアクリレート系重合体ラ
テックスに、アニオン界面活性剤またはノニオン界面活
性剤を前記重合体ラテックスの重合体100重量部あた
り0.2〜2重量部添加して、振動型膜分離装置で濃縮
することを特徴とする(メタ)アクリレート系重合体ラ
テックスの濃縮方法(第一発明)、および、(2)重合
反応後のpHが2〜6であるアクリレート系重合体ラテ
ックスを、pH7〜10に調整して振動型膜分離装置で
濃縮することを特徴とする(メタ)アクリレート系重合
体ラテックスの濃縮方法(第二発明)、を提供するもの
である。さらに、本発明の好ましい態様として、におい
て、(3)前記振動型膜分離装置を、ねじり振動周波数
40〜80Hz、ねじり振動角4〜12度で振動させ、
温度10〜50℃、操作圧力2〜15kg/cmGで
濃縮する上記(1)または(2)に記載の(メタ)アク
リレート系重合体ラテックスの濃縮方法、および、
(4)前記振動型膜分離装置の分離膜が、ナノフィルタ
ーまたは逆浸透膜である上記(1)または(2)に記載
の(メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方
法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の(メタ)アクリレート系
重合体ラテックスの濃縮方法は、重合体ラテックスを振
動型膜分離装置により濃縮する方法である。本発明方法
で用いる振動型膜分離装置としては、分離膜が軸を中心
としてねじり振動するものであれば特に制限はなく、例
えば、水平に設置された円板状の分離膜がねじり振動す
る機構を有する、神鋼パンテック(株)から販売されてい
る「VSEP」などを用いることができる。本発明方法
で使用する分離膜に特に制限はなく、例えば、精密ろ過
膜、限外ろ過膜、ナノフィルター、逆浸透膜などを挙げ
ることができる。これらの中で、ナノフィルターおよび
逆浸透膜は、ラテックス中の界面活性剤などの透過液中
への流出が少ないので特に好適に使用することができ
る。
【0006】本発明において、振動膜型分離装置の分離
膜の振動は、ねじり振動周波数40〜80Hzであるこ
とが好ましく、45〜60Hzであることがより好まし
い。また、ねじり振動角は4〜12度であることが好ま
しく、8〜10度であることがより好ましい。ねじり振
動周波数が小さすぎると分離膜に重合体が付着してファ
ウリングを生ずるおそれがあり、逆に、ねじり振動周波
数が大きすぎても特に濃縮操作上の効果の伸びは見られ
ず、エネルギーのロスとなる可能性がある。ねじり振動
角が小さすぎると凝集物が生じて分離膜に付着し、ファ
ウリングを起こすおそれがある。ねじり振動角が大きす
ぎると、それに必要なエネルギーが過大になって不経済
となる可能性がある。
【0007】本発明で用いるアクリレート系重合体ラテ
ックスは、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)
アクリレート(アクリレートまたはメタクリレートの
意。)由来の単量体単位を50重量%以上含有する重合
体のラテックスである。このような(メタ)アクリレー
トとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、n−ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル
(メタ)アクリレート、1−メチルブチル(メタ)アク
リレート、2−メチルブチル(メタ)アクリレート、n
−ヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルペンチル
(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが
挙げられる。これらは単独でも、複数併用されてもよ
い。
【0008】また、本発明で用いるラテックスの重合体
は、上記の炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)
アクリレート由来の構成単位の他に、これらの単量体と
共重合可能な単量体由来の単位を50重量%以下含有し
てもよい。このような共単量体としては、n−ドデシル
メタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、テトラデシルアクリレート、ウ
ンデシルアクリレート、ヘキサデシルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、ベンジルメタクリレートな
どの炭素数9以上のアルキル基または脂環構造含有(メ
タ)アクリレート;スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどの
シアン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル化合物;エチルビニルエーテ
ル、セチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエ
ーテルなどのビニルエーテル化合物;α−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレー
トなどの水酸基またはアルコキシ基含有不飽和カルボン
酸エステル化合物;メトキシポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートなどのアルコキシ基含有(メ
タ)アクリレート;(メタ)アクリル酸グリシジル、ア
リルグリシジルエーテルなどのグリシジル基含有単量
体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)
アクリアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミドなどの(メタ)アクリルアミド単量体;(メタ)ア
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、メサコン酸、けい皮酸等の脂肪族
不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル酸2−カルボキシ
エチル、クロトン酸2−カルボキシエチル、マレイン酸
モノメチル、イタコン酸モノオクチル等のカルボキシル
基含有不飽和カルボン酸エステル;2−カルボキシプロ
ピオン酸ビニル等のカルボキシル基含有不飽和単量体;
スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリルアミ
ド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸基含
有不飽和単量体;(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2
−リン酸プロピル、(メタ)アクリル酸−2−リン酸エ
チル、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンリン酸
等のリン酸基含有不飽和単量体等の酸基含有不飽和単量
体などを挙げることができる。
【0009】上記(メタ)アクリレート系重合体ラテッ
クスを製造する方法には特に制限はなく、乳化重合法、
微細懸濁重合法、播種乳化重合法、播種微細懸濁重合法
などが挙げられる。乳化重合法は、アニオン性またはノ
ニオン性界面活性剤を乳化剤とし、水溶性のラジカル開
始剤を用い、単量体を含む界面活性剤ミセル内で重合を
開始し、平均粒径0.05〜0.3μm程度の尖鋭なモ
ードを有する粒径分布の重合体のラテックスを得る方法
である。微細懸濁重合法は、単量体、水、乳化剤、油溶
性重合開始剤などの混合物を、ホモジナイザなどで均質
化して微細な液滴に乳化、分散させて重合し、平均粒径
0.5〜2μmの位置に一つのモードで広い裾野を持つ
山型の粒径分布の重合体のラテックスを得る方法であ
る。播種乳化重合法では、乳化重合で得た重合体を種子
とし、これに単量体を被覆重合して肥大化し、1μm程
度の粒径の鋭い粒径分布を持つ重合体ラテックスが得ら
れ、播種微細懸濁重合では、微細懸濁重合で得た重合体
を種子として肥大化重合するので、上記微細懸濁重合で
得られる重合体より一回り大きな粒径分布を持つ重合体
ラテックスが得られる。本発明の濃縮方法に適用できる
重合体ラテックスとして、上記の各重合法で得られる単
独の重合体ラテックス、複数の重合法による重合体ラテ
ックスの混合物等を挙げることができる。
【0010】乳化重合または播種乳化重合に用いる重合
開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウ
ム、過酸化水素などの水溶性開始剤;水溶性開始剤また
は有機過酸化物と、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アン
モニウム、アスコルビン酸などの還元剤とを組み合わせ
たレドックス重合開始剤;2,2−アゾビス(2−メチ
ルプロピオンアミジン)二塩酸塩などの水溶性アゾ化合
物などを挙げることができる。微細懸濁重合に用いる油
溶性重合開始剤としては、例えば、3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシ
ド;メチルエチルケトンパーオキシドなどのケトンパー
オキシド;ベンゾイルヒドロパーオキシド、クメンヒド
ロパーオキシド、p−サイメンヒドロパーオキシドなど
のヒドロパーオキシド;t−ブチルパーオキシピバレー
トなどのパーオキシエステル;ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;アセ
チルシクロヘキシルスルホニルパーオキシドなどのスル
ホニルパーオキシドなどの有機過酸化物;2,2−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合
物などを挙げることができる。
【0011】乳化重合法、微細懸濁重合法などで用いる
乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、テ
トラデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩;ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレ
ンスルホン酸カリウムなどのアルキルアリールスルホン
酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシ
ルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸塩;
ラウリン酸ナトリウム、半硬化牛脂脂肪酸カリウムなど
の脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルサル
フェートナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルサルフェートナトリウムなどのエトキシサル
フェート塩;アルカンスルホン酸塩;アルキルエーテル
燐酸エステルナトリウム塩などを挙げることができる。
乳化剤の使用量は、単量体100重量部に対して0.0
5〜5重量部であることが好ましく、0.1〜3重量部
であることがより好ましい。微細懸濁重合では、乳化剤
の他に乳化助剤を添加すると乳化液滴の安定性が増すの
で好ましい。乳化助剤の例としては、炭素数12〜20
の高級アルコールや同程度の炭素数の脂肪酸が挙げられ
る。乳化助剤の使用量は、単量体100重量部に対して
0.1〜4重量部であることが好ましく、0.5〜2重
量部であることがより好ましい。
【0012】こうして得られる(メタ)アクリレート系
重合体の重量平均分子量は、テトラヒドロフラン(TH
F)を溶剤とするゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)による標準ポリスチレン換算表示で、通
常、5,000〜7,000,000、好ましくは1
0,000〜5,000,000、より好ましくは1
5,000〜3,000,000である。また、成形品
の硬度や機械的強度を増加したり、弾性回復性の付与な
どを目的として、重合反応時に多官能単量体を全単量体
の0.1〜10重量%添加することにより、(メタ)ア
クリレート系重合体がTHF不溶分を100重量%以
下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重
量%以下含有させてもよい。かかる目的の多官能単量体
としては、エチレンジグリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレートなどのジメタクリ
レート;トリメチロールプロパントリメタクリレートな
どのトリメタクリレート;ポリエチレングリコールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
トなどのジアクリレート;トリメチロールプロパントリ
アクリレートなどのトリアクリレート;ジビニルベンゼ
ンなどのジビニル化合物などが例示される。これらの中
でもエチレングリコールジメタクリレートなどのジメタ
クリレートやジビニルベンゼンなどのジビニル化合物な
どが好ましい。また、(メタ)アクリレート系重合体の
ガラス転移温度は、通常、5〜105℃、好ましくは2
5〜95℃、より好ましくは30〜90℃である。
【0013】本第一発明の(メタ)アクリレート系重合
体ラテックスの濃縮方法は、重合反応後の(メタ)アク
リレート系重合体ラテックスに、アニオン界面活性剤ま
たはノニオン界面活性剤を、該重合体ラテックス100
重量部あたり、通常、0.2〜2重量部添加してから振
動型膜分離装置で濃縮する方法である。本第一発明方法
におけるアニオン界面活性剤またはノニオン界面活性剤
の添加量は、好ましくは0.2〜1重量部、より好まし
くは0.2〜0.5重量部である。該界面活性剤の添加
量が少なすぎると重合体ラテックスの振動型膜分離装置
での透過流束の増加が困難となるおそれがあり、逆に、
該界面活性剤の添加量が多すぎるとラテックスの粘度が
増大して透過流束が低下するおそれがある。
【0014】本第一発明方法において重合後の(メタ)
アクリレート系重合体ラテックスに添加するアニオン界
面活性剤としては、上記の乳化重合法、微細懸濁重合法
などで用いる乳化剤として例示した各種のアニオン性界
面活性剤を挙げることができる。なかでもラウリル硫酸
ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウムなどのアルキ
ル硫酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ド
デシルナフタレンスルホン酸カリウムなどのアルキルア
リールスルホン酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスル
ホコハク酸塩などが好ましい。
【0015】また、本第一発明方法において重合後の
(メタ)アクリレート系重合体ラテックスに添加するノ
ニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ポリオキシエチレノレイルエーテルなどのポリオキシエ
チレナルキルエーテル;ポリオキシエチレンオクチルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテルなどのポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル;ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシ
エチレンジオレエートなどのポリオキシエチレン脂肪酸
エステル;グリセリンモノステアレートなどのグリセリ
ン脂肪酸エステル;ソルビタンモノカプリレート、ソル
ビタンモノパルミテート、ソルビタンジオレエート、ソ
ルビタントリオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステ
ル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオ
キシエチレントリオレエートなどのポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレ
ート、グリセロールモノオレエートなどのグリセリン脂
肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;ラ
ウリン酸ジエタノールアミド、ポリオキシエチレンステ
アリン酸アミドなどのアルカノールアミド;ポリエチレ
ングリコール;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンなどが挙げられる。これらのノニオン界面活性剤の親
水親油バランス(HLB)は、通常、4〜18、好まし
くは7〜15である。
【0016】本第二発明の(メタ)アクリレート系重合
体ラテックスの濃縮方法は、重合反応後のラテックスが
2〜6である場合に、ラテックスpHを、通常、7〜1
0に調整してから振動型膜分離装置で濃縮する方法であ
る。本第二発明方法における重合反応後の(メタ)アク
リレート系重合体ラテックスのpHは、好ましくは3〜
5.5、より好ましくは3〜4.5である。
【0017】重合反応後の(メタ)アクリレート系重合
体ラテックスのpHが2〜6となる場合としては、下記
が挙げられる。 (イ)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、け
い皮酸等の脂肪族不飽和カルボン酸;(メタ)アクリル
酸2−カルボキシエチル、クロトン酸2−カルボキシエ
チル、マレイン酸モノメチル、イタコン酸モノオクチル
等のカルボキシル基含有不飽和カルボン酸エステル;2
−カルボキシプロピオン酸ビニル等のカルボキシル基含
有不飽和単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホン
酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等
のスルホン酸基含有不飽和単量体;(メタ)アクリル酸
−3−クロロ−2−リン酸プロピル、(メタ)アクリル
酸−2−リン酸エチル、3−アリロキシ−2−ヒドロキ
シプロパンリン酸等のリン酸基含有不飽和単量体等の酸
基含有不飽和単量体を重合体の全構成単量体単位の0.
5重量%以上含有する(メタ)アクリレート系重合体ラ
テックス、 (ロ)重合反応中または重合反応後に水性媒体中にリン
酸またはその塩の水溶液などの酸性物質が添加された
(メタ)アクリレート系重合体ラテックス、などであ
る。
【0018】本第二発明方法においては、重合反応後の
pHが2〜6の重合体ラテックスを振動型膜分離装置に
供給する前に、pHを7〜10、好ましくは7〜9に調
整しておくことが必要である。振動型膜分離装置に供給
する前の重合体ラテックスのpHが7より低いと重合体
ラテックスの透過流束を維持することが困難となるおそ
れがあり、逆に、振動型膜分離装置に供給する前の重合
体ラテックスのpHが10より大きいとラテックスの安
定性が不良になり、透過流束が低下する可能性がある。
pHの調整幅は、少なくとも2以上が好ましく、3以上
であることがより好ましい。例えば、重合反応後のpH
が6である重合体ラテックスに対しては、pHを8以
上、好ましくは9以上の値に調整して振動型膜分離装置
にかけることが好ましい。重合体ラテックスのpHを上
記範囲に調整するためには、重合反応後のpHが3〜6
である重合体ラテックスにpH調整剤を添加する。かか
るpH調整剤は限定されず、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどアルカリ金属のハロゲン化物、硝酸塩、水酸
化物、炭酸塩、ケイ酸塩、メタケイ酸塩などの水溶性化
合物;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バ
リウムなどアルカリ土類金属の塩化物、臭化物、硝酸塩
などの水溶性化合物;アンモニアの水溶液などが好まし
く使用できる。
【0019】重合体ラテックスを一定の供給速度で振動
型膜分離装置に通して濃縮する場合、一般に、原料重合
体ラテックスの固形分濃度は高いほど、ねじり振動周波
数は40〜80Hzの範囲で小さいほど、ねじり振動角
は4〜12度の範囲で小さいほど、操作圧力は2〜15
kg/cmの範囲で高いほど、温度は10〜50℃
の範囲で高いほど、凝集物が発生して分離膜が閉塞しや
すい。ここで、操作圧力とは、重合体ラテックスの振動
型膜分離装置の入口部圧力と濃縮ラテックスの出口部圧
力の相加平均から、透過液の圧力を差し引いた圧力であ
る。原料重合体ラテックスの固形分濃度は、工程の操業
安定性や製品として要求されるラテックスもしくは濃縮
後に乾燥された重合体粒子の特性により定まる。ねじり
振動周波数とねじり振動角は、重合体ラテックスの機械
的安定性と振動型膜分離装置の経済性が許容する範囲内
で、可能な限り高い値が選択される。温度は、重合体ラ
テックスの機械的安定性から許容される範囲で定まり、
通常、10〜50℃である。
【0020】重合体ラテックスの供給速度および操作圧
力を一定にして振動型膜分離装置にて濃縮を開始し、得
られる重合体濃縮ラテックスの固形分濃度が目標範囲に
あることを確認する。濃縮操作の時間経過につれて、一
般的には徐々に透過流束が低下するところを、本発明に
よれば透過流束は極めて長期にわたり透過流束を高く維
持して、生産性高く濃縮操作を継続することができる。
【0021】上記した本第一発明および本第二発明は、
個別に実施して振動型膜分離装置により(メタ)アクリ
レート系重合体ラテックスを、高い透過流束を長期にわ
たって維持して濃縮することができる。好ましくは、こ
れら二つを組み合わせて実施することにより、一層長期
にわたって高い透過流束を維持して濃縮することができ
る。
【0022】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
ない。 「部」および「%」は特記しない限り重量基準
である。製造例1 ステンレス製の撹拌機およびジャケット付き反応器に、
脱イオン水125部、ラウリル硫酸ナトリウム1.2
部、ラウリルアルコール0.8部、t−ドデシルメルカ
プタン(分子量調整剤)0.6部、ラウロイルパーオキ
シド0.3部、メタクリル酸メチル98部およびメタク
リル酸2部を仕込んで窒素置換したのち、減圧脱気を2
回繰り返し、撹拌、混合した。この混合物をホモジナイ
ザーで均質化したのち、別の脱気された撹拌機およびジ
ャケット付きステンレス製反応器に移し、65℃に昇温
して重合した。重合転化率が96%に達したのを確認し
て冷却し、重合体ラテックスAを得た。得られた重合体
ラテックスAは、pHが3.5で、固形分濃度43%で
あった。遠心沈降濁度法による粒径分布測定では、単一
粒子の粒径が0.02〜2.5μmに広く分布し、モード
が0.6μmにあり、平均粒径は0.7μmであった。ま
た、THFを溶剤とするゲルパーミエーションクロマト
グラフィーによって求めた重合体の標準ポリスチレン換
算の重量平均分子量は、270,000であった。示差
熱分析により求めた重合体のガラス転移温度は、105
℃であった。
【0023】比較例1、2、実施例1、2 振動型膜分離装置[VSEP Series L、神鋼パ
ンテック(株)、膜面積0.045m]にナノフィル
ター[NTR−7450、日東電工(株)製]を装着した
装置を用いて、重合体ラテックスAに対してノニオン界
面活性剤ポリエチレングリコールモノオレエート〔エマ
ノーン4110、花王(株)製、HLB12〕の添加量
を変えて(無添加を含む4水準)、それぞれ濃縮実験を
行った。すなわち、無添加と、0.15部(重合体ラテ
ックスAの重合体100部あたり)、0.22部、0.
36部添加の合計4種のラテックスの各々について、ね
じり振動周波数60Hz、ねじり振動角8.0度で分離
膜を振動させつつ、温度30℃、供給速度250l/h
r、操作圧力3.2kg/cmGの条件でラテック
スの固形分濃度を 重量%に濃縮しつつ40時間運転
した。この間操作圧力を一定に維持し、時間経過に伴う
透過流束(l/m/hr)の推移を調べた。時間経
過に伴う透過流束の推移の測定結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】比較例3、実施例3 振動型膜分離装置[VSEP SeriesL、神鋼パ
ンテック(株)、膜面積0.045m]にナノフィル
ター[ NTR−740、日東電工(株)製]を装着し
た装置を用いて、重合体ラテックスAに対してラウリル
硫酸ナトリウム0.15部と0.2部をそれぞれ添加し
た2種類のラテックスについて、ねじり振動周波数60
Hz、ねじり振動角8.0度で分離膜を振動させつつ、
温度30℃、供給速度250l/hr、操作圧力3.2
kg/cmGの条件でそれぞれラテックスの固形分
濃度を50%に濃縮しつつ40時間運転した。この間操
作圧力を一定に維持し、時間経過に伴う透過流束(l/
/hr)の推移を調べた。時間経過に伴う透過流
束の推移の測定結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】表1および表2が示すように、重合反応後
のpHが3.5であるメタクリル酸メチル共重合体ラテ
ックスに対して、該ラテックスの重合体100重量部あ
たり0.2〜0.4重量部のノニオン界面活性剤(実施
例1、2)またはアニオン界面活性剤(実施例3)を添
加することにより、振動型膜分離装置による濃縮が長時
間にわたって流束の低下なしに安定して運転できた。こ
れに対して、界面活性剤を添加しなかったり(比較例
1)、添加しても0.2重量部未満であると(比較例
2、3)、時間の経過とともに分離膜が重合体の凝集に
よる目詰まり(ファウリング)を起こし、透過流束が低
下した。
【0028】比較例4、5、実施例4、5 振動型膜分離装置[VSEP Series L、神鋼パ
ンテック(株)、膜面積0.045m]にナノフィル
ター[NTR−7450、日東電工(株)]を装着した装
置を用いて、次ぎに記す4水準のpH値を有するメタク
リル酸メチル共重合体ラテックスにつき、それぞれ濃縮
実験を行った。すなわち、重合後そのままのpH3.5
の重合体ラテックスAと、重合体ラテックスAに炭酸ナ
トリウム%水溶液を添加してpHを5.5、7および9
の3水準に調整したラテックスの合計4水準のpHのラ
テックスの各々について、ねじり振動周波数60Hz、
ねじり振動角8.0度で分離膜を振動させつつ、温度3
0℃、供給速度250l/hr、操作圧力3.2kg/
cmGの条件でそれぞれラテックスの固形分濃度を
50%に濃縮しつつ90時間運転した。この間操作圧力
を一定に維持し、時間経過に伴う透過流束(l/m
/hr)の推移を調べた。時間経過に伴う透過流束の推
移の測定結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】表3が示すように、重合反応後のpH3.
5そのままのメタクリル酸メチル重合体ラテックスAを
用いて振動型膜分離装置にて濃縮操作を行うと、時間の
経過につれてファウリングにより透過流束が低下した
(比較例4)。重合体ラテックスのpHを6に調整して
も、程度は改善されたものの時間経過に伴って透過流束
は低下した(比較例5)。これに対して、重合体ラテッ
クスのpHを7および9に調整すると、共に振動型膜分
離装置の運転時間が経過しても透過流束は低下せず、p
H9の場合は、少なくとも90時間までの間は若干増加
する傾向すら伺えた(実施例4,5)。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、振動型膜分離装置を用
いて長期間にわたって高い透過流束で高濃縮度まで効率
的に濃縮することができる(メタ)アクリレート系重合
体ラテックスの濃縮方法が提供される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 GA06 GA07 HA81 JA02A JA35A KA41 KE07Q KE16Q KE30Q PA02 PB15 PB70 PC80 4J100 AL03P AL04P CA01 CA04 FA20 GC13

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合反応後の(メタ)アクリレート系重
    合体ラテックスに、アニオン界面活性剤またはノニオン
    界面活性剤を、前記重合体ラテックスの重合体100重
    量部あたり0.2〜2重量部添加して、振動型膜分離装
    置で濃縮することを特徴とする(メタ)アクリレート系
    重合体ラテックスの濃縮方法。
  2. 【請求項2】 重合反応後のpHが2〜6である(メ
    タ)アクリレート系重合体ラテックスをpH7〜10に
    調整して、振動型膜分離装置で濃縮することを特徴とす
    る(メタ)アクリレート系重合体ラテックスの濃縮方
    法。
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