JP2002322145A - 環状テルペノイド誘導体の製造方法 - Google Patents

環状テルペノイド誘導体の製造方法

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JP2002322145A
JP2002322145A JP2002038205A JP2002038205A JP2002322145A JP 2002322145 A JP2002322145 A JP 2002322145A JP 2002038205 A JP2002038205 A JP 2002038205A JP 2002038205 A JP2002038205 A JP 2002038205A JP 2002322145 A JP2002322145 A JP 2002322145A
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group
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chloride
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JP2002038205A
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Kazumine Kimura
和峰 木村
Toshiya Takahashi
寿也 高橋
Shinzo Seko
信三 世古
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状テルペノイド誘導体の製造方法を提供す
ること。 【解決手段】 一般式(1) (式中、AはC6アルキル基、C6アルケニル基、また
はC6アルカジエニル基を表わす。ここで、アルキル
基、アルケニル基、アルカジエニル基は、それぞれ2つ
までのアリールスルホニル基で置換されていてもよい。
波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれら
の混合物であることを表わす。)で示される鎖状テルペ
ノイド誘導体を酸触媒の存在下に環化させることを特徴
とする一般式(2) (式中、点線は指示した3つの位置の1つに2重結合が
あることを示し、Aは前記と同じ意味を表わす。)で示
される環状テルペノイド誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、飼料添加
物、食品添加物の中間体、例えばレチノイド類やカロテ
ノイド類の中間体として有用な環状テルペノイド誘導体
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】テル
ペノイド類の酸触媒による環化反応は、いくつか報告さ
れており、例えば、プソイドイオノンの環化反応(Ind.
Eng.Chem.,38, 546(1946))や、C10スルホン類の環化
反応(特公昭57-48549号公報)等があるが、C15テルペ
ノイド類あるいは共役トリエン構造を有する鎖状テルペ
ノイド類の酸触媒による環化反応は知られていない。ま
た、レチノールの重要中間体であるC15環状テルペノ
イド誘導体の簡便な製造方法が、望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発
明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結
果、一般式(1)で示される鎖状テルペノイド誘導体を
酸触媒と反応させることによりレチノイド類やカロテノ
イド類の有用な中間体である一般式(2)で示される環
状テルペノイド誘導体を製造できることを見出し、本発
明に至った。
【0004】すなわち、本発明は、一般式(1) (式中、Aは直鎖もしくは分岐状のC6アルキル基、直
鎖もしくは分岐状のC6アルケニル基、または直鎖もし
くは分岐状のC6アルカジエニル基を表わす。ここで、
アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基は、それ
ぞれ2つまでのアリールスルホニル基で置換されていて
もよい。波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしく
はそれらの混合物であることを表わす。)で示されるテ
ルペノイド誘導体を酸触媒の存在下に環化させることを
特徴とする一般式(2) (式中、点線は指示した3つの位置の1つに2重結合が
あることを示し、Aは前記と同じ意味を表わす。)で示
される環状テルペノイド誘導体の製造方法を提供するも
のである。
【0005】なお、一般式(2)で示される環状テルペ
ノイド誘導体の中で、特に一般式(5) (式中、式中、Arは置換基を有していてもよいアリー
ル基、波線は前記と同じ意味を表わす。)で示されるC
15環状ジスルホン誘導体および一般式(6) (式中、Arおよび波線は前記と同じ意味を表わす。)
で示されるC15環状スルホン誘導体は、レチノイドの
中間体として有用であるが、それぞれ対応する一般式
(7) (式中、Arおよび波線は前記と同じ意味を表わす。)
で示されるC15鎖状ジスルホン誘導体、または一般式
(8) (式中、Arおよび波線は前記と同じ意味を表わす。)
で示されるC15鎖状スルホン誘導体から本発明の製造
方法により簡便に合成することが可能となった。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。一般式(1)および(2)で示される化合物のA
は、直鎖もしくは分岐状のC6アルキル基、直鎖もしく
は分岐状のC6アルケニル基または直鎖もしくは分岐状
のC6アルカジエニル基を表わす。ここで、アルキル
基、アルケニル基、アルカジエニル基は、2つまでのア
リールスルホニル基を有していてもよい。直鎖もしくは
分岐状のC6のアルキル基としては、例えば、n−ヘキ
シル基、2−メチルペンチル基、2−エチルブチル基、
2,3−ジメチルブチル基等が挙げられる。C6アルケ
ニル基としては、例えば、1−ヘキシニル基、2−エチ
ル−2−ブテニル基、3−メチル−3−ペンテニル基等
が挙げられる。C6アルカジエニル基としては、例え
ば、1,3−ヘキサジエニル基、3−メチル−1,3−
ペンタジエニル基、1−メチル−1,3−ペンタジエニ
ル基、3−エチル−1,3−ブタジエニル基等が挙げら
れる。こららは2つまでのアリールスルホニル基で置換
されていてもよい。該アリールスルホニル基におけるア
リール基としては置換基を有してもよいフェニル基、ナ
フチル基等が挙げられ、該置換基としては、C1からC
5の直鎖もしくは分岐状のアルキル基、C1からC5の
直鎖もしくは分岐状のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニ
トロ基等が挙げられる。アリール基の具体例としては、
例えば、フェニル、ナフチル、o−トリル,m−トリ
ル,p−トリル、o−メトキシフェニル、m−メトキシ
フェニル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニ
ル、m−クロロフェニル、p−クロロフェニル、o−ブ
ロモフェニル、m−ブロモフェニル、p−ブロモフェニ
ル、o−ヨードフェニル、m−ヨードフェニル、p−ヨ
ードフェニル、o−フルオロフェニル、m−フルオロフ
ェニル、p−フルオロフェニル、o−ニトロフェニル、
m−ニトロフェニル、p−ニトロフェニル等が挙げられ
る。
【0007】Aの特に重要な基としては、例えば一般式
(3) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基、
波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしくはそれら
の混合物であることを表わし、●は結合部位を表わ
す。)で示されるビス(アリールスルホニル)アルケニ
ル基または一般式(4) (式中、Arおよび波線は前記と同じ意味を表わす。)
で示されるアリールスルホニルアルカジエニル基が挙げ
られる。
【0008】上記反応に用いられる酸触媒としては、プ
ロトン酸、ルイス酸、固体酸などが挙げられる。プロト
ン酸としては、硫酸、酢酸、塩酸、リン酸、ポリリン
酸、トリフルオロ酢酸、過塩素酸、過臭素酸、過ヨウ素
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メ
タンスルホン酸またはトリフルオロメタンスルホン酸等
が挙げられる。ルイス酸としては、亜鉛、アルミニウ
ム、ジルコニウム、スズ、銅、チタンまたはホウ素のハ
ロゲン化物等が挙げられ具体的には、塩化亜鉛、臭化亜
鉛、ヨウ化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化アルミニウ
ム、沃化アルミニウム、塩化ジルコニウム、塩化第一ス
ズ、臭化第一スズ、フッ化第一スズ、塩化第一銅、塩化
第二銅、ヨウ化第一銅、三塩化チタン、四塩化チタン、
四臭化チタン、四沃化チタン、三塩化ホウ素、三臭化ホ
ウ素、三沃化ホウ素、三フッ化ホウ素エーテル錯体等が
挙げられる。固体酸としては、ゼオライト、陽イオン交
換樹脂またはジルコニアもしくはチタニアもしくはアル
ミナの硫酸処理物等が挙げられる。具体的にはゼオライ
トとしてはH−US−Yゼオライトが挙げられる。陽イ
オン交換樹脂としては、官能基がスルホン酸基であるも
のが好まれる。 具体的には、アンバーリスト15DR
Y、アンバーリスト15WET、アンバーリスト16W
ET、アンバーリスト31WET、デュオライトC26
TRH、デュオライトC255LFH、デュオライトS
C100、デュオライトSC200、デュオライトSC
300、デュオライトSC400、デュオライトSC5
00、デュオライトSC600、ナフィオンNE41
7、ナフィオンNR50、ナフィオンSAC−13、等
が挙げられる。特にアンバーリスト15DRYが好まし
く用いられる。
【0009】前記の酸触媒は、単一であっても二種類以
上の混合物で使用してもよい。かかる酸触媒の使用量
は、プロトン酸およびルイス酸の場合で、一般式(1)
で示される鎖状テルペノイド誘導体に対して通常は、
0.5〜500モル倍程度であり、好ましくは1〜20
モル倍程度である。酸触媒が固体酸である場合は、鎖状
テルペノイド誘導体(1)に対して通常50〜200w
t%程度であり、好ましくは、80〜150wt%程度
である。
【0010】酸触媒が水溶液である場合、より反応を促
進するために、相間移動触媒を添加してもよい。上記反
応に用いる相間移動触媒としては第4級アンモニウム
塩、第4級ホスホニウム塩、スルホニウム塩等が挙げら
れる。第4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化テ
トラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウ
ム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチ
ルアンモニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩
化テトラヘキシルアンモニウム、塩化テトラヘプチルア
ンモニウム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化テ
トラヘキサデシルアンモニウム、塩化テトラオクタデシ
ルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジ
ルトリブチルアンモニウム、塩化1−メチルピリジニウ
ム、塩化1−ヘキサデシルピリジニウム、塩化1,4−
ジメチルピリジニウム、塩化テトラメチルー2−ブチル
アンモニウム、塩化トリメチルシクロプロピルアンモニ
ウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチ
ルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭
化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラペンチルアン
モニウム、臭化テトラヘキシルアンモニウム、臭化テト
ラヘプチルアンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニ
ウム、臭化テトラヘキサデシルアンモニウム、臭化テト
ラオクタデシルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチル
アンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、
臭化ベンジルトリブチルアンモニウム、臭化1―メチル
ピリジニウム、臭化1−ヘキサデシルピリジニウム、臭
化1,4−ジメチルピリジニウム、臭化テトラメチル−
2−ブチルアンモニウム、臭化トリメチルシクロプロピ
ルアンモニウム、沃化テトラメチルアンモニウム、沃化
テトラブチルアンモニウム、沃化テトラオクチルアンモ
ニウム、沃化t―ブチルエチルジメチルアンモニウム、
沃化テトラデシルトリメチルアンモニウム、沃化ヘキサ
デシルトリメチルアンモニウム、沃化オクタデシルトリ
メチルアンモニウム、沃化ベンジルトリメチルアンモニ
ウム、沃化ベンジルトリエチルアンモニウム、沃化ベン
ジルトリブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0011】第4級ホスホニウム塩としては、例えば、
塩化トリブチルメチルホスホニウム、塩化トリエチルメ
チルホスホニウム、塩化メチルトリフェノキシホスホニ
ウム、塩化ブチルトリフェニルホスホニウム、塩化テト
ラブチルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホス
ホニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルホスホニウム、
塩化ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、塩化ヘキサ
デシルジメチルエチルホスホニウム、塩化テトラフェニ
ルホスホニウム、臭化トリブチルメチルホスホニウム、
臭化トリエチルメチルホスホニウム、臭化メチルトリフ
ェノキシホスホニウム、臭化ブチルトリフェニルホスホ
ニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化ベンジル
トリフェニルホスホニウム、臭化ヘキサデシルトリメチ
ルホスホニウム、臭化ヘキサデシルトリブチルホスホニ
ウム、臭化ヘキサデシルジメチルエチルホスホニウム、
臭化テトラフェニルホスホニウム、沃化トリブチルメチ
ルホスホニウム、沃化トリエチルメチルホスホニウム、
沃化メチルトリフェノキシホスホニウム、沃化ブチルト
リフェニルホスホニウム、沃化テトラブチルホスホニウ
ム、沃化ベンジルトリフェニルホスホニウム、沃化ヘキ
サデシルトリメチルホスホニウム、硫酸水素トリブチル
メチルホスホニウム、硫酸水素トリエチルメチルホスホ
ニウム、硫酸水素メチルトリフェノキシホスホニウム、
硫酸水素ブチルトリフェニルホスホニウム、硫酸水素テ
トラブチルホスホニウム、硫酸水素ベンジルトリフェニ
ルホスホニウム、硫酸水素ヘキサデシルトリメチルホス
ホニウム等が挙げられる。
【0012】スルホニウム塩としては、例えば、塩化ジ
ブチルメチルスルホニウム、塩化トリメチルスルホニウ
ム、塩化トリエチルスルホニウム、臭化ジブチルメチル
スルホニウム、臭化トリメチルスルホニウム、臭化トリ
エチルスルホニウム、沃化ジブチルメチルスルホニウ
ム、沃化トリメチルスルホニウム、沃化トリエチルスル
ホニウム等が挙げられる。
【0013】特に第4級アンモニウム塩が好ましく用い
られる。
【0014】かかる相間移動触媒の使用量は、鎖状テル
ペノイド誘導体(1)に対して通常0.01〜0.2モ
ル倍程度であり、好ましくは0.02〜0.1モル倍程
度である。
【0015】上記反応は、酸が液体である場合は、無溶
媒であっても溶媒を用いてもよいが、酸が固体である場
合、溶媒を用いる方が好ましい。溶媒を使用する場合、
使用される溶媒としては水、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメトキシエタ
ン、アニソール等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、
N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリ
ックトリアミド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−
イミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリジノン等の
非プロトン性極性溶媒、n-ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n-ペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩
化炭素等のハロゲン系溶媒、などが挙げられる。これら
は単一であっても2種以上の混合溶媒で使用してもよ
い。
【0016】反応温度は通常、−78℃から溶媒の沸点
までの範囲内で任意に選択できるが、好ましくは−20
〜60℃程度の範囲である。また、反応時間は、用いる
酸触媒および反応温度によって異なるが、通常1時間か
ら48時間程度の範囲である。反応後、通常の後処理、
例えば濾過、水洗浄、抽出、晶析、各種クロマトグラフ
ィーなどの操作をすることにより環状テルペノイド誘導
体(2)を製造することができる。本発明で用いられる
一般式(7)および(8)で示されるC15鎖状ジスル
ホン誘導体およびC15鎖状スルホン誘導体は、例えば
下記スキーム1に示すルートにより合成できる。 (上記式中、Mはアルカリ金属、X1,X2はハロゲン原
子、Rは水酸基の保護基、Arおよび波線は前記と同じ
意味を表わす。) 本発明の方法で得られるC15環状ジスルホン誘導体
(5)およびC15環状スルホン誘導体(6)は下記ス
キームに従って、レチノイドへ誘導することができる。
すなわち、環状ジスルホン誘導体または環状スルホン誘
導体をアリルハライド誘導体(9)を反応させて得られ
るカップリング体(10)または(11)に塩基を作用
させることにより簡便にレチノイドが得られる。 (上記式中、Xはハロゲン原子、Rは水酸基の保護基、
Arおよび波線は前記と同じ意味を表わす。)
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、レチノイド類ま
たはカロテノイド類の中間体として有用な環状テルペノ
イド誘導体を簡便に製造することができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0019】(実施例1)スルホン(I)106mg(0.2mmo
l)と塩化ベンジルトリエチルアンモニウム9mg(0.04mmo
l)にトルエン4mlを加え、この混合物に室温で60%過塩素
酸8mlを加えた。その後、室温で28時間攪拌した。反応
後、水を注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有
機層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順
次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去
することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物を高
速液体クロマトグラフィーで分析したところ、スルホン
(II)の収率は31.5%であった。
【0020】(実施例2)スルホン(III)75mg(0.2mmo
l)を酢酸1mlに溶解し、この溶液に室温で塩化亜鉛95mg
(0.7mmol)を加えた。その後40℃に昇温し2時間攪拌し
た。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に注加
し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層は飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留
去することにより粗生成物を得た。得られた粗生成物を
高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、スルホ
ン(IV)の収率は31.9%であった。
【0021】(実施例3)塩化亜鉛の代わりに臭化亜鉛
を、溶媒として2,6−ジ−t−ブチル−p―クレゾール
を300ppm含有した酢酸を用いた以外は、実施例3に準拠
して行い、収率23.5%でスルホン(IV)を得た。
【0022】(実施例4)スルホン(III)75mg(0.2mmo
l)を2,6−ジ−t−ブチル−p―クレゾールを300ppm含
有したトルエン1mlに溶解し、この溶液に室温で硫酸化
ジルコニア30mg(40wt%)を加え、50℃に昇温し2.5時間攪
拌した。反応終了後、セライト濾過し、溶媒を留去する
ことにより組成生物を得た。得られた粗生成物を高速液
体クロマトグラフィーで分析したところ、スルホン(I
V)の収率は19.7%であった。
【0023】(実施例5)スルホン(III)75mg(0.2mmo
l)を2,6−ジ−t−ブチル−p―クレゾールを300ppm含
有したトルエン1mlに溶解し、この溶液に室温でアンバ
ーリスト15DRY 50mg(67wt%)を加え、40℃に昇温し1時間
攪拌した。反応終了後、水を加え、分液後、有機層をさ
らに水で2回洗浄した。得られた有機層は飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより粗生
成物を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラ
フィーで分析したところ、スルホン(IV)の収率は28.
6%であった。 (実施例6)スルホン(III)75mg(0.2mmol)をジクロロ
メタン1mlに溶解し、この溶液を0℃に冷却しアンバーリ
スト15DRY 50mg(67wt%)を加え、0〜10℃にて28時間攪拌
した。反応終了後、水を加え、分液後、有機層をさらに
水で2回洗浄した。得られた有機層は飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を留去することにより粗生成物
を得た。得られた粗生成物を高速液体クロマトグラフィ
ーで分析したところ、スルホン(IV)の収率は55.0%で
あった。
【0024】(実施例7)硫酸240mg(2.2mmol)と酢酸95m
g(1.6mmol)の混合溶液を0℃に冷却し、スルホン(I)10
6mg(0.2mmol)を8回に分けて40分かけて加えた。次い
で、反応溶液を15℃に昇温し、10分攪拌した。反応後、
氷水を注加し、酢酸エチルにて抽出した。得られた有機
層は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去す
ることにより粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーにて精製したところ、
目的とするスルホン(II)が淡黄色オイルとして8.2%の
収率で得られた。
【0025】以下に実施例の化合物の構造式を記す。但
し、Tsは、p−トリルスルホニル基を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 世古 信三 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC28 BA50 BA52 BA66 BA67 BA68 TA02 4H039 CA40 CH40

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (式中、Aは直鎖もしくは分岐状のC6アルキル基、直
    鎖もしくは分岐状のC6アルケニル基、または直鎖もし
    くは分岐状のC6アルカジエニル基を表わす。ここで、
    アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基は、それ
    ぞれ2つまでのアリールスルホニル基で置換されていて
    もよい。波線はE/Z幾何異性体のいずれか一方もしく
    はそれらの混合物であることを表わす。)で示される鎖
    状テルペノイド誘導体を酸触媒の存在下に環化させるこ
    とを特徴とする一般式(2) (式中、点線は指示した3つの位置の1つに2重結合が
    あることを示し、Aは前記と同じ意味を表わす。)で示
    される環状テルペノイド誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(1)および(2)におけるAが下
    記一般式(3) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基、
    ●は結合部位を表わし、波線は前記と同じ意味を表わ
    す。)で示される基である請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(1)および(2)におけるAが下
    記一般式(4) (式中、Arおよび波線は前記と同じ意味を表わす。)
    で示される基である請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】酸触媒が、プロトン酸である請求項1、2
    または3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】プロトン酸が硫酸、酢酸、塩酸、リン酸、
    トリフルオロ酢酸、過塩素酸、過臭素酸、過ヨウ素酸、
    ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタン
    スルホン酸またはトリフルオロメタンスルホン酸である
    請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】酸触媒が、ルイス酸である請求項1、2ま
    たは3に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】ルイス酸が亜鉛、アルミニウム、ジルコニ
    ウム、スズ、銅、チタンまたはホウ素のハロゲン化物で
    ある請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】酸触媒が、固体酸である請求項1、2また
    は3に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】固体酸が、ジルコニア、チタニアもしくは
    アルミナの硫酸処理物、ゼオライトまたは陽イオン交換
    樹脂である請求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】陽イオン交換樹脂の官能基がスルホン酸
    基である請求項9に記載の製造方法。
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