JP2000344737A - レチナールの製造法および中間体 - Google Patents

レチナールの製造法および中間体

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JP2000344737A
JP2000344737A JP11156396A JP15639699A JP2000344737A JP 2000344737 A JP2000344737 A JP 2000344737A JP 11156396 A JP11156396 A JP 11156396A JP 15639699 A JP15639699 A JP 15639699A JP 2000344737 A JP2000344737 A JP 2000344737A
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Shinzo Seko
信三 世古
Naoto Konya
直人 紺矢
Toshiya Takahashi
寿也 高橋
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C403/00Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone
    • C07C403/14Derivatives of cyclohexane or of a cyclohexene or of cyclohexadiene, having a side-chain containing an acyclic unsaturated part of at least four carbon atoms, this part being directly attached to the cyclohexane or cyclohexene or cyclohexadiene rings, e.g. vitamin A, beta-carotene, beta-ionone having side-chains substituted by doubly-bound oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/09Geometrical isomers

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レチナールの製造法、中間体およびその製造
法を提供すること。 【解決手段】 一般式(1) で示されるメトキシアルコール誘導体、その製造法およ
びレチナールの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、飼料添加
物、食品添加物の分野などで重要なカロテノイドの基幹
原料であるレチナールの製造法、およびその中間体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、レチナールはβ―カロチンなどカ
ロテノイドの基幹原料として重要であるが、その製造法
としては、レチノールを酸化する方法(例えばJ. Chem.
Soc. 411 (1944), JP 63-233943A, Helv. Chim. Acta
40, 265 (1957), JP 7-103095Bなど)が知られている
が、熱、光、酸素に対して極めて不安定なレチノールを
原料とすることからその取扱いが容易ではない。またC
13化合物である β―イオノンの側鎖を増炭していく
方法(例えば Tetrahedron Lett. 35, 7383 (1994)な
ど)や C10化合物であるシクロシトラールの側鎖を
増炭していく方法(Chem.Lett. 1201 (1975))が知られ
ている。しかしながらこれらの方法は、その合成に多段
工程を要し市場では高価であるβ―イオノンやシクロシ
トラールを出発原料に使用しており、必ずしも工業的に
優位な方法とは言い難いものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから本
発明者らは比較的安価な原料から取扱の容易な化合物を
中間体とするレチナールの製造法を開発するべく鋭意検
討を重ねた結果、下記スキーム1に示すごとく、比較的
安価なC10化合物であるリナロールやゲラニオールか
ら誘導されるC10環状スルホン誘導体(4)とC10
アリルハライド誘導体(5)をカップリングさせて得ら
れるスルホン類(6)を塩基で処理することにより合成
できるジオール誘導体(2)から不安定なレチノールを
経ることなくレチナールが合成できることを見い出し、
本発明に至った。 スキーム1
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般
式(2) で示されるジオール誘導体を選択的にメチル化し、一般
式(1) で示されるメトキシアルコール誘導体を得、該メトキシ
アルコール誘導体(1)を酸化し、一般式(3) で示されるメトキシアルデヒド誘導体を得、次いで該メ
トキシアルデヒド誘導体(3)のメトキシ基を脱離させ
ることを特徴とするレチナールの製造法および一般式
(1)で示されるメトキシアルコール誘導体を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明のメトキシアルコール誘導体(1)は、例えば、ジ
オール誘導体(2)にメタノール中、酸触媒を作用させ
ることによって製造することができる。本反応では2級
の水酸基を選択的にメチル化することができる。上記反
応で用いられる酸触媒としては、ルイス酸、ブレステッ
ド酸、ヘテロポリ酸、酸性イオン交換樹脂、酸塩化物な
どが挙げられる。具体的にはルイス酸としては、塩化す
ず(II)、塩化すず(IV)、塩化亜鉛、塩化鉄(III)、三弗
化ホウ素エ−テル錯体、希土類金属トリフレート等が、
ブレステッド酸としては、臭化水素酸、塩酸、硫酸、パ
ラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンス
ルホン酸、安息香酸、トリフェニルホスフィン臭化水素
塩、ピリジン塩酸塩等が、酸性イオン交換樹脂としては
末端にスルホン酸基を有する強酸性タイプのものが挙げ
られる。
【0006】酸触媒の使用量はジオール誘導体(2)に
対して通常、0.01〜1モル倍程度が好ましく用いら
れる。反応温度は、通常、−78℃から使用する溶媒の
沸点の範囲であり、好ましくは−10℃〜50℃程度の
範囲である。また、反応時間は、反応で用いる酸触媒の
種類および反応温度によって異なるが、通常1時間から
24時間程度の範囲である。反応後、通常の後処理操作
をすることによりメトキシアルコール誘導体(1)を得
ることができる。必要に応じて、シリカゲルクロマトグ
ラフィーなどにより精製することもできる。
【0007】メトキシアルデヒド誘導体(3)はメトキ
シアルコール誘導体(1)を酸化することにより得られ
るが、この酸化反応に用いられる酸化剤としては、例え
ば、クロム、マンガンの金属塩や金属酸化物もしくはセ
レンの金属酸化物等が挙げられ、具体的には、例えば、
ピリジニウムクロロクロメート、ピリジニウムジクロメ
ート、二酸化マンガン、二酸化セレンなどが挙げられ
る。その使用量はメトキシアルコール誘導体(1)に対
して通常、1〜10モル倍程度であり、好ましくは1〜
3モル倍程度である。
【0008】上記反応には、通常、有機溶媒が用いら
れ、かかる溶媒としては、 n−ヘキサン、シクロヘキ
サン、n−ペンタン、n−ヘプタン、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、1,2―ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、o
−ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、 N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチル
ホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒、
1,4―ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール
等のエーテル系溶媒が挙げられる。反応温度は、通常、
0℃から使用する溶媒の沸点の範囲である。また、反応
時間は、反応で用いる酸化剤の種類ならびに反応温度に
よって異なるが、通常1時間から24時間程度の範囲で
ある。反応後、通常の後処理操作をすることによりメト
キシアルデヒド誘導体(3)を得ることができる。必要
に応じて、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−により
精製することもできる。メトキシアルデヒド誘導体
(3)は向山らによるDBUによる方法(Chem. Lett.
1201 (1975))により容易にレチナールに誘導すること
ができる。塩基としてはDBU、DBNなどのビシクロ
三級アミン類が好適に用いられ、その使用量は0.1〜
5モル倍程度であり、触媒量しか用いないときはアルカ
リ金属炭酸塩を当量以上共存させることが好ましい。共
存させるアルカリ金属炭酸塩としては炭酸カリウムや炭
酸ナトリウムが挙げられる。
【0009】上記反応には、通常、有機溶媒が用いら
れ、かかる溶媒としては、1,4―ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、アニソール等のエ−テル系溶媒、n−ヘ
キサン、シクロヘキサン、n―ヘプタン、n−ペンタ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、1,2―ジクロロエタン、モノ
クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン系
溶媒、 アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロ
トン性極性溶媒が挙げられる。
【0010】反応温度は、通常、−30℃から使用する
溶媒の沸点の範囲であり、好ましくは20℃〜100℃
程度の範囲である。また、反応時間は、反応で用いる塩
基の種類および反応温度によって異なるが、通常1時間
から24時間程度の範囲である。反応後、通常の後処理
操作をすることによりレチナールを得ることができる。
【0011】本発明の原料化合物であるジオール誘導体
(2)は、一般式(4) (式中、Arは置換基を有していてもよいアリール基を
示す。)で示されるC10環状スルホン誘導体と一般式
(5) (式中、Xは塩素原子、臭素原子または沃素原子を示
す。)で示されるC10アリルハライド誘導体とを塩基
性化合物の存在下に反応させ、一般式(6) (式中、Arは前記と同じ意味を表す。)で示されるス
ルホン類を得、次いで該スルホン類(6)を塩基で処理
することによって得ることができる。
【0012】なお、C10環状スルホン誘導体(4)と
C10アリルハライド誘導体(5)はスキーム1に示す
ようなルートでリナロールやゲラニオールより合成する
ことができる。C10環状スルホン誘導体(4)の合成
に関しては、Chemistry Letters 479 (1975)に記載され
ている。C10環状スルホン誘導体(4)とC10アリ
ルハライド誘導体(5)との反応に用いられる塩基性化
合物としては、例えばアルキルリチウム、グルニヤ−ル
試薬、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、
アルカリ金属アルコキサイドが挙げられ、具体的には、
例えば n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t
−ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロマイド、メ
チルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムブロ
マイド、エチルマグネシウムクロライド、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリ
ウム、ナトリウムメトキサイド、カリウムメトキサイ
ド、ナトリウムエトキサイド、カリウムエトキサイド、
ナトリウムt―ブトキサイド、カリウムt−ブトキサイ
ド等が挙げられる。かかる塩基の使用量はC10環状ス
ルホン誘導体(4)に対して通常、0.1〜2モル倍程
度である。
【0013】上記反応には、反応を促進させるために相
間移動触媒を用いるのが好ましい場合がある。用いられ
る相間移動触媒としては、第4級アンモニウム塩、第4
級ホスホニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。第
4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化テトラメチ
ルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化
テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモ
ニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩化テトラ
ヘキシルアンモニウム、塩化テトラヘプチルアンモニウ
ム、塩化テトラオクチルアンモニウム、塩化テトラヘキ
サデシルアンモニウム、塩化テトラオクタデシルアンモ
ニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベ
ンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチ
ルアンモニウム、塩化1−メチルピリジニウム、塩化1
−ヘキサデシルピリジニウム、塩化1,4―ジメチルピ
リジニウム、塩化テトラメチル−2−ブチルアンモニウ
ム、塩化トリメチルシクロプロピルアンモニウム、臭化
テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニ
ウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブ
チルアンモニウム、臭化テトラペンチルアンモニウム、
臭化テトラヘキシルアンモニウム、臭化テトラヘプチル
アンモニウム、臭化テトラオクチルアンモニウム、臭化
テトラヘキサデシルアンモニウム、臭化テトラオクタデ
シルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ベンジ
ルトリブチルアンモニウム、臭化1−メチルピリジニウ
ム、臭化1−ヘキサデシルピリジニウム、臭化1,4―
ジメチルピリジニウム、臭化トリメチルシクロプロピル
アンモニウム、沃化テトラメチルアンモニウム、沃化テ
トラブチルアンモニウム、沃化テトラオクチルアンモニ
ウム、沃化t−ブチルエチルジメチルアンモニウム、沃
化テトラデシルトリメチルアンモニウム、沃化ヘキサデ
シルトリメチルアンモニウム、沃化オクタデシルトリメ
チルアンモニウム、沃化ベンジルトリメチルアンモニウ
ム、沃化ベンジルトリエチルアンモニウム、沃化ベンジ
ルトリブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0014】第4級ホスホニウム塩としては、例えば、
塩化トリブチルメチルホスホニウム、塩化トリエチルメ
チルホスホニウム、塩化メチルトリフェノキシホスホニ
ウム、塩化ブチルトリフェニルホスホニウム、塩化テト
ラブチルホスホニウム、塩化ベンジルトリフェニルホス
ホニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルホスホニウム、
塩化ヘキサデシルトリブチルホスホニウム、塩化ヘキサ
デシルジメチルエチルホスホニウム、塩化テトラフェニ
ルホスホニウム、臭化トリブチルメチルホスホニウム、
臭化トリエチルメチルホスホニウム、臭化メチルトリフ
ェノキシホスホニウム、臭化ブチルトリフェニルホスホ
ニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化ベンジル
トリフェニルホスホニウム、臭化ヘキサデシルトリメチ
ルホスホニウム、臭化ヘキサデシルトリブチルホスホニ
ウム、臭化ヘキサデシルジメチルエチルホスホニウム、
臭化テトラフェニルホスホニウム、沃化トリブチルメチ
ルホスホニウム、沃化トリエチルメチルホスホニウム、
沃化メチルトリフェノキシホスホニウム、沃化ブチルト
リフェニルホスホニウム、沃化テトラブチルホスホニウ
ム、沃化ベンジルトリフェニルホスホニウム、沃化ヘキ
サデシルトリメチルホスホニウム等が挙げられる。
【0015】スルホニウム塩としては、例えば、塩化ジ
ブチルメチルスルホニウム、塩化トリメチルスルホニウ
ム、塩化トリエチルスルホニウム、臭化ジブチルメチル
スルホニウム、臭化トリメチルスルホニウム、臭化トリ
エチルスルホニウム、沃化ジブチルメチルスルホニウ
ム、沃化トリメチルスルホニウム、沃化トリエチルスル
ホニウム等が挙げられる。かかる相間移動触媒の使用量
は、C10環状スルホン誘導体(4)に対して通常0.
01〜0.2モル倍程度であり、好ましくは0.02〜
0.1モル倍程度である。
【0016】上記反応には、通常、有機溶媒が用いら
れ、かかる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系溶媒、n
−ヘキサン、シクロヘキサン、n―ヘプタン、n−ペン
タン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、N,N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセ
トニトリル、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒
等が挙げられる。
【0017】反応温度は、通常、−78℃から使用する
溶媒の沸点の範囲である。また、反応時間は、反応で用
いる塩基、触媒の種類ならびに反応温度によって異なる
が、通常1時間から24時間程度の範囲である。
【0018】反応後、通常の後処理操作をすることによ
りスルホン類(6)を得ることができる。また必要に応
じて、シリカゲルクロマトグラフィー等により精製する
ことができる。原料であるC10アリルハライド誘導体
(5)はEまたはZ幾何異性体のいずれであっても、ま
たその混合物であってもよいし、ラセミ体でも光学活性
体であってもよい。
【0019】得られたスルホン類(6)を塩基で処理す
ることによって本発明における原料化合物であるジオー
ル誘導体(2)を得ることができる。用いる塩基として
は、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化
物、アルカリ金属アルコキサイド、アルカリ金属炭酸塩
であり、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナト
リウムメトキサイド、カリウムメトキサイド、ナトリウ
ムエトキサイド、カリウムエトキサイド、ナトリウムt
−ブトキサイド、カリウムt−ブトキサイド、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等が挙げられる。かかる塩基の使
用量はスルホン類(6)に対して通常、0.1〜30モ
ル倍程度、好ましくは2〜25モル倍程度である。
【0020】上記反応には、通常、有機溶媒が用いら
れ、かかる溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、アニソール等
のエーテル系溶媒、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n
−ペンタン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン等の炭
化水素系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、t―ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトニ
トリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ヘキサメチ
ルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒が
挙げられる。
【0021】反応温度は、通常、−78℃から使用する
溶媒の沸点の範囲である。また、反応時間は、用いる塩
基、触媒の種類ならびに反応温度によって異なるが、通
常1時間から24時間程度の範囲である。反応後、通常
の後処理操作をすることによりジオール誘導体(2)を
得ることができる。また必要に応じて、シリカゲルクロ
マトグラフィー等により精製することができる。
【0022】
【発明の効果】かくして本発明の方法によれば比較的安
価なC10化合物であるリナロールやゲラニオールから
誘導されるC10環状スルホン誘導体(4)とC10ア
リルハライド誘導体(5)とのカップリング生成物であ
るスルホン類(6)から合成できるジオール誘導体
(2)を原料として、熱、光、酸素に対して不安定で取
扱いが容易ではないレチノールを経由することなくレチ
ナールを製造することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。
【0024】(実施例1)1、5―ジヒドロキシ―3、
7―ジメチル―9―(2、6、6―トリメチルシクロヘ
キセン―1―イル)―2、6、8―ノナトリエン(I)
1.52 g(5 mmol)をメタノール 20 mlに溶解した後、0
℃に冷却し、そこへパラトルエンスルホン酸水和物 47.
6 mg (0.25 mmol)を加えた。0℃で3時間攪拌した後、
飽和重曹水を加えエーテルにて抽出し、飽和食塩水で洗
浄した。次いで無水硫酸マグネシウムで脱水し、溶媒を
留去することにより、1―ヒドロキシ―5―メトキシ―
3、7―ジメチル―9―(2、6、6―トリメチルシク
ロヘキセン―1―イル)―2、6、8―ノナトリエン
(II)をEZ異性体の混合物として収率85%で得た。 1H-NMR d (CDCl3) 1.01(6H, s), 1.45-1.48(2H, br), 1.60-1.72(2H, br),
1.69(3H, s), 1.72(3H,s), 1.84(3H, s), 1.98-2.05(2
H, br), 2.05-2.44(2H, m), 3.25(3H, m), 4.12-4.21(3
H, m), 5.13-5.26(1H, m), 5.44-5.49(1H, m), 6.05-6.
67(2H, m).
【0025】(実施例2)1―ヒドロキシ―5―メトキ
シ―3、7―ジメチル―9―(2、6、6―トリメチル
シクロヘキセン―1―イル)―2、6、8―ノナトリエ
ン(II)1.34 g (4.2 mmol)を塩化メチレン40 mlに溶解
し、そこへ二酸化マンガン 3.66 g (42 mmol) を加え、
室温下、24時間攪拌した。エーテルで希釈後、無水硫
酸マグネシウムで脱水し、ろ別後、溶媒を留去すること
により、5―メトキシ―3、7―ジメチル―9―(2、
6、6―トリメチルシクロヘキセン―1―イル)―ノナ
―2、6、8―トリエナール(III)をEZ異性体の混
合物として収率91%で得た。 1H-NMR d (CDCl3) 1.01(6H, s), 1.41-1.50(2H, br), 1.50-1.75(2H, br),
1.69(3H, s), 1.86(3Hx72/100, s), 1.93(3Hx28/100,
s), 1.95-2.10(2H, br), 2.18(3Hx28/100, s), 2.21(3H
x72/100, s), 2.31-2.56(2H, m), 3.24(3Hx28/100, s),
3.26(3Hx72/100,s), 4.23-4.35(1H, m), 5.12-5.30(1
H, m), 5.92-6.40(3H, m), 9.99(1Hx28/100, d, J=7H
z), 10.02(1Hx72/100, d, J=7Hz).
【0026】(実施例3)5―メトキシ―3、7―ジメ
チル―9―(2、6、6―トリメチルシクロヘキセン―
1―イル)―ノナ―2、6、8―トリエナール(III)6
33 mg (2 mmol)をテトラヒドロフラン6 mlに溶解し、
1、8―ジアザビシクロ[5、4、0]ウンデセ―7―エ
ン(DBU)152 mg(1 mmol)を加え6時間加熱還流し
た。反応後、溶媒を留去することにより粗生成物を得
た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィーにて精製し、レチナール(IV)をEZ異性体混合
物として収率55%で得た。
【0027】(参考例1)酢酸ゲラニル 40g (0.204 mo
l)をn-ヘキサン100 mlに溶解し、トリクロロイソシア
ヌル酸 17.1g(0.071 mol)を徐々に仕込み−10℃〜
0℃で6時間保温した。反応後、過剰のトリクロロイソ
シアヌル酸および副生するイソシアヌル酸を濾過により
系外に除去した。ろ液は重曹水及び水で順次洗浄して、
無水硫酸マグネシウムで脱水した後、溶媒を留去するこ
とにより粗生成物を得た。得られた粗生成物は、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ−で精製し、6−クロロ−
3,7−ジメチル−2,7-オクタジエン−1−アセテ
−ト(以下、化合物(a))を淡黄色オイルとして、8
6%で得た。 1H-NMR d (CDCl3) 1.71(3H, s), 1.81(3H, s), 1.90-1.22(4H, m), 2.05(3
H, s), 4.34 (1H, t, J=7Hz), 4.59(2H, d, J=7Hz), 4.
90(1H, s), 5.01(1H, s), 5.37(1H, t, J=7Hz).
【0028】(参考例2)乾燥した4つ口フラスコに窒
素下、微粉末の水酸化ナトリウム 6.8 g(0.17 mol)、ト
リフェニルホスフィン 2.2 g(8.5 mmol)、テトラn−
ブチルアンモニウムクロライド 1.4 g(5.1 mmol)、ア
リルパラジウムクロライドダイマー 0.62g(1.7 mmo
l)、テトラヒドロフラン100 ml を加えた。そこへ、攪
拌下、化合物(a)40 g(0.17 mol)のテトラヒドロフ
ラン溶液150 mlを室温で1時間かけて滴下した。室温で
3日間攪拌後、TLCにて原料の消失を確認して、反応
混合物を水にあけ、エ−テルで抽出した。有機層は飽和
塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で脱水後、溶媒を留去することにより、粗生成物を得
た。得られた粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィ−
にて精製し、3,7−ジメチル−2,5,7−オクタト
リエン−1−アセテ−ト(以下、化合物(b))を65
%の収率で得た。 1H-NMR d (CDCl3) 1.70(3H, s), 1.85(3H, s), 2.08(3H, s),2.81(2H, d,
J=7Hz), 4.58(2H, d, J=7Hz),4.90(2H, s), 5.37(1H,
t, J=7Hz),5.61(1H, td, J=7, 16Hz), 6.16(1H, d, J
=16Hz)
【0029】(参考例3)化合物(b)20.1 g(0.1 mo
l)と酢酸100 ml を仕込み、室温でN−ブロモスクシン
イミド 18.3 g(0.1 mol)をゆっくりと添加した。室温
下、10〜15分で反応マスは均一になり、2時間後、
TLCにて原料の消失を確認後、反応混合物を水にあ
け、トルエンで抽出した。有機層は無水硫酸マグネシウ
ムで脱水後、溶媒を留去することにより、8−ブロモ−
3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1,5−ジ
アセテ−ト(以下、化合物(c)(EZ異性体混合
物))と8−ブロモ−3,7−ジメチル−2,5−オク
タジエン−1,7−ジアセテ−ト(以下、化合物(d)
(EZ異性体混合物))の約1:1の混合物を95%の
収率で得た。得られた混合物をシリカゲルクロマトグラ
フィ−にて分離精製し、化合物(c)および化合物(d)
をそれぞれ淡黄色オイルとして得た。 化合物(c) 1H−NMR d (CDCl3) 1.77(3H, s), 1.82(3H, s), 1.98(3H, s), 2.02(3H,
s), 2.19(2H, m), 3.89(2H, s), 4.55(2H, d, J=7Hz),
5.37(1H, t, J=7Hz), 5.48-5.62(2H, m). 化合物(d) 1H−NMR d (CDCl3) 1.65(3H, s), 1.68(3H, s), 2.05(3H, s), 2.06(3H,
s), 2.78(2H, d, J=6Hz),3.67(1H, d, J=11Hz), 3.82(1
H, d, J=11Hz), 4.57(2H, d, J=7Hz), 5.35(1H, t, J=7
Hz), 5.61-5.77(2H, m).
【0030】(参考例4)β―シクロゲラニル―p―ト
リルスルホン(以下、化合物(e))0.15 g(0.5mmol)
とカリウムt−ブトキサイド0.056 g(0.5 mmol)をN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)2 mlに溶解し、−
70℃〜−60℃に冷却した。同温で30分攪拌した
後、化合物(c)0.090 g(0.27 mmol)のDMF溶液 1
mlを滴下し、同温で2時間攪拌した。TLCにて原料が
消失しているのを確認して、反応マスを飽和塩化アンモ
ニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層は
飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸マグネシウムで乾燥し
た後、溶媒を留去することにより、1、5―アセトキシ
―3、7―ジメチル―9―(2、6、6―トリメチルシ
クロヘキセン―1―イル)―9―(4―メチルフェニル
スルホニル)―2、6―ノナジエン(以下、化合物
(f))(EZ異性体およびジアステレオマー混合
物))を黄色オイルの粗生成物として得た。得られた粗
生成物は液体クロマトグラフィーで分析し、収率78%
であった。 1H-NMR d (CDCl3) 0.73-1.04(6H, m), 1.38-1.70(6H, m), 1.39(3H, s),
1.70(3H, s), 2.00(3H, s), 2.01-2.31(2H, m), 2.01(3
H, s), 2.03(3H, s), 2.44(3H, s), 2.66−2.95(2H,
m), 3.82−3.86(1H, m), 4.53(2H, d, J=7Hz), 5.08-5.
21(1H, m), 5.34(1H,br), 5.56(1H, br), 7.33(2H, d,
J=8Hz), 7.76(2H, d, J=8Hz).
【0031】(参考例5)化合物(f)10.89 g(20 mmo
l)をメタノール10 mlとシクロヘキサン70 mlの混合溶媒
に溶解し、水酸化カリウム11.22 g(200 mmol)および炭
酸カリウム13.82 g(100 mmol)を加え、50℃で6時間
攪拌した。次いで反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液
を注加し、エーテルで抽出した。有機層はあわせて無水
硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去することにより
1、5―ジヒドロキシ―3、7―ジメチル―9―(2、
6、6―トリメチルシクロヘキセン―1―イル)―2、
6、8―ノナトリエン(I)を収率90%で得た。 1H-NMR d (CDCl3) 1.00(6H, s), 1.41-2.26(8H, m), 1.65(3H, s), 1.74(3
H, s), 1.85(3H, s), 4.14-4.19(2H, m), 4.60-4.70(1
H, m), 5.40(1H, d, J=7Hz), 5.54(1H, d, J=7Hz), 5.9
9(1H, d, J=16Hz), 6.11(1H, d, J=16Hz).
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 寿也 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AC41 AC43 AC45 AC80 BD70 UC12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) で示されるメトキシアルコール誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(2) で示されるジオール誘導体を選択的にメチル化すること
    を特徴とする一般式(1)で示されるメトキシアルコー
    ル誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】一般式(1)で示されるメトキシアルコー
    ル誘導体を酸化することを特徴とする一般式(3) で示されるメトキシアルデヒド誘導体の製造法。
  4. 【請求項4】一般式(2)で示されるジオール誘導体を
    選択的にメチル化し、一般式(1)で示されるメトキシ
    アルコール誘導体を得、次いで該メトキシアルコール誘
    導体(1)を酸化することを特徴とする一般式(3)で
    示されるメトキシアルデヒド誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】一般式(2)で示されるジオール誘導体を
    選択的にメチル化し、一般式(1)で示されるメトキシ
    アルコール誘導体を得、該メトキシアルコール誘導体
    (1)を酸化し、一般式(3)で示されるメトキシアル
    デヒド誘導体を得、次いで該メトキシアルデヒド誘導体
    (3)のメトキシ基を脱離させることを特徴とするレチ
    ナールの製造法。
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