JP2002322140A - シクロアルカノンオキシムの製造方法 - Google Patents
シクロアルカノンオキシムの製造方法Info
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- JP2002322140A JP2002322140A JP2002015185A JP2002015185A JP2002322140A JP 2002322140 A JP2002322140 A JP 2002322140A JP 2002015185 A JP2002015185 A JP 2002015185A JP 2002015185 A JP2002015185 A JP 2002015185A JP 2002322140 A JP2002322140 A JP 2002322140A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、装置の腐食、触媒劣化等の問題を
解決し、2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム化合物
から一段でシクロアルカノンオキシムを収率良く、か
つ、触媒効率と生産性を向上させた製造方法を提供する
ことである。 【解決手段】 本発明の課題は、2−ハロゲノシクロア
ルカノンオキシム化合物を(1)白金含有担持触媒 お
よび(2)アルカリ金属塩の存在下で水素と接触させる
ことを特徴とするシクロアルカノンオキシムの製造方法
により達成される。
解決し、2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム化合物
から一段でシクロアルカノンオキシムを収率良く、か
つ、触媒効率と生産性を向上させた製造方法を提供する
ことである。 【解決手段】 本発明の課題は、2−ハロゲノシクロア
ルカノンオキシム化合物を(1)白金含有担持触媒 お
よび(2)アルカリ金属塩の存在下で水素と接触させる
ことを特徴とするシクロアルカノンオキシムの製造方法
により達成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白金含有担持触媒
およびアルカリ金属塩の存在下、2−ハロゲノシクロア
ルカノンオキシム化合物を水素と接触させることを特徴
としたシクロアルカノンオキシムの製造法に関する。本
発明の方法により、例えば、2−ハロゲノシクロドデカ
ジエノンオキシムから、ナイロン12の原料となるシク
ロドデカノンオキシムを一段で収率良く得ることが出来
る。
およびアルカリ金属塩の存在下、2−ハロゲノシクロア
ルカノンオキシム化合物を水素と接触させることを特徴
としたシクロアルカノンオキシムの製造法に関する。本
発明の方法により、例えば、2−ハロゲノシクロドデカ
ジエノンオキシムから、ナイロン12の原料となるシク
ロドデカノンオキシムを一段で収率良く得ることが出来
る。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連する先行技術としては、B
EL626384、BEL630941、DE1162
359、Angew.Chem.Internat.E
dit.,2688(1963)、Chim.Ind.
(Milan),46,875(1964)、DE12
05089、Bull.Soc.Chim.Franc
e,10,2833(1965)、IT720514、
J.Pract.Chim.,33,282(196
6)、Chim.Ind.(Milan),49
(5),494(1967)、特公昭43−3098号
公報、特公昭43−16124号公報、特公昭44−3
815号公報、特開昭49−7249号公報に、パラジ
ウム触媒等を用いた2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムをはじめとする2−ハロゲノシクロアルカノンオ
キシム化合物の水素還元についての記載がある。これら
の反応においては、添加物なし、或いは、添加物として
酸の存在下で反応を行なっているが、本反応で発生する
ハロゲン化水素により、装置の腐食及び触媒劣化等の問
題が生じ、好ましいものではない。また、Bull.S
oc.Chim.France,10,2833(19
65)、BEL626384には、酢酸ナトリウムを塩
基として用い、パラジウム−炭素触媒下、水素添加する
シクロアルカノンオキシムの製造例が記載されている
が、それぞれ収率は67%、74%であり満足のいくも
のではない。さらに白金系の触媒が用いられた例とし
て、DE1205089及びBull.Soc.Chi
m.France,10,2833(1965)及び
J.Pract.Chim.,33,282(196
6)に、酸化白金を用いた例が記載されているが、収率
は62%以下であり、満足のいくものではない。さらに
触媒を反応系から回収し再使用するに際し、多くの工程
が必要となる。
EL626384、BEL630941、DE1162
359、Angew.Chem.Internat.E
dit.,2688(1963)、Chim.Ind.
(Milan),46,875(1964)、DE12
05089、Bull.Soc.Chim.Franc
e,10,2833(1965)、IT720514、
J.Pract.Chim.,33,282(196
6)、Chim.Ind.(Milan),49
(5),494(1967)、特公昭43−3098号
公報、特公昭43−16124号公報、特公昭44−3
815号公報、特開昭49−7249号公報に、パラジ
ウム触媒等を用いた2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムをはじめとする2−ハロゲノシクロアルカノンオ
キシム化合物の水素還元についての記載がある。これら
の反応においては、添加物なし、或いは、添加物として
酸の存在下で反応を行なっているが、本反応で発生する
ハロゲン化水素により、装置の腐食及び触媒劣化等の問
題が生じ、好ましいものではない。また、Bull.S
oc.Chim.France,10,2833(19
65)、BEL626384には、酢酸ナトリウムを塩
基として用い、パラジウム−炭素触媒下、水素添加する
シクロアルカノンオキシムの製造例が記載されている
が、それぞれ収率は67%、74%であり満足のいくも
のではない。さらに白金系の触媒が用いられた例とし
て、DE1205089及びBull.Soc.Chi
m.France,10,2833(1965)及び
J.Pract.Chim.,33,282(196
6)に、酸化白金を用いた例が記載されているが、収率
は62%以下であり、満足のいくものではない。さらに
触媒を反応系から回収し再使用するに際し、多くの工程
が必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題の
装置の腐食、触媒劣化等の問題を解決し、2−ハロゲノ
シクロアルカノンオキシム化合物から一段でシクロアル
カノンオキシムを収率良く且つ触媒効率と生産性を向上
させた製造方法を提供することである。
装置の腐食、触媒劣化等の問題を解決し、2−ハロゲノ
シクロアルカノンオキシム化合物から一段でシクロアル
カノンオキシムを収率良く且つ触媒効率と生産性を向上
させた製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、2−ハ
ロゲノシクロアルカノンオキシム化合物を(1)白金含
有担持触媒 および(2)アルカリ金属塩の存在下で水
素と接触させることを特徴とするシクロアルカノンオキ
シムの製造方法により達成される。
ロゲノシクロアルカノンオキシム化合物を(1)白金含
有担持触媒 および(2)アルカリ金属塩の存在下で水
素と接触させることを特徴とするシクロアルカノンオキ
シムの製造方法により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の原料化合物である2−ハロゲノシクロアルカノ
ンオキシム化合物は、対応するシクロアルケン化合物と
ニトロシルハライド等の反応等によって、合成すること
が出来る。例えば、2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムの製造はChim.Ind.(Milan),4
9(5),494(1967)に記載されている。
本発明の原料化合物である2−ハロゲノシクロアルカノ
ンオキシム化合物は、対応するシクロアルケン化合物と
ニトロシルハライド等の反応等によって、合成すること
が出来る。例えば、2−クロロシクロドデカジエノンオ
キシムの製造はChim.Ind.(Milan),4
9(5),494(1967)に記載されている。
【0006】本発明で使用する2−ハロゲノシクロアル
カノンオキシム化合物は、好ましくは炭素数が5〜12
の環状炭化水素化合物であり、炭素−炭素二重結合数が
0〜2個を有する化合物である。より好ましくは、炭素
数が12であり、炭素−炭素二重結合数0或いは2個を
有する2−ハロゲノシクロドデカノンオキシム化合物で
あり、特に好ましくは、炭素−炭素二重結合を2個を有
する2−ハロゲノシクロドデカノンオキシム化合物であ
る。なお、2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム化合
物が有する炭素−炭素二重結合は、シス体又はトランス
体等いかなる場合であっても構わない。これらの異性体
は混合して使用しても何ら問題はない。また、2−ハロ
ゲノシクロアルカノンオキシム化合物は、合成品をその
まま使用することも、さらに結晶化等により精製したも
のを使用しても何ら問題はない。
カノンオキシム化合物は、好ましくは炭素数が5〜12
の環状炭化水素化合物であり、炭素−炭素二重結合数が
0〜2個を有する化合物である。より好ましくは、炭素
数が12であり、炭素−炭素二重結合数0或いは2個を
有する2−ハロゲノシクロドデカノンオキシム化合物で
あり、特に好ましくは、炭素−炭素二重結合を2個を有
する2−ハロゲノシクロドデカノンオキシム化合物であ
る。なお、2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム化合
物が有する炭素−炭素二重結合は、シス体又はトランス
体等いかなる場合であっても構わない。これらの異性体
は混合して使用しても何ら問題はない。また、2−ハロ
ゲノシクロアルカノンオキシム化合物は、合成品をその
まま使用することも、さらに結晶化等により精製したも
のを使用しても何ら問題はない。
【0007】2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム化
合物におけるハロゲンは、フッ素(フルオロ)、塩素
(クロロ)、臭素(ブロモ)およびヨウ素(アイオド)
であり、好ましくは塩素(クロロ)である。具体的には
2−クロロシクロペンタノンオキシム、2−クロロシク
ロペンテノンオキシム、2−クロロシクロヘキサノンオ
キシム、2−クロロシクロヘキセノンオキシム、2−ク
ロロシクロヘプタノンオキシム、2−クロロシクロヘプ
テノンオキシム、2−クロロシクロオクタノンオキシ
ム、2−クロロシクロオクテノンオキシム、2−クロロ
シクロノナノンオキシム、2−クロロシクロノネノンオ
キシム、2−クロロシクロデカノンオキシム、2−クロ
ロシクロデセノンオキシム、2−クロロシクロウンデカ
ノンオキシム、2−クロロシクロウンデセノンオキシ
ム、2−クロロシクロドデカノンオキシム、2−クロロ
シクロドデセノンオキシム、2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシム等が挙げられる。好ましくは2−クロロ
シクロドデカノンオキシム、2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムであり、特に好ましくは、2−クロロ−
5,9−シクロドデカジエノンオキシムである。これら
は、単独でも2種以上を混合して使用しても良い。
合物におけるハロゲンは、フッ素(フルオロ)、塩素
(クロロ)、臭素(ブロモ)およびヨウ素(アイオド)
であり、好ましくは塩素(クロロ)である。具体的には
2−クロロシクロペンタノンオキシム、2−クロロシク
ロペンテノンオキシム、2−クロロシクロヘキサノンオ
キシム、2−クロロシクロヘキセノンオキシム、2−ク
ロロシクロヘプタノンオキシム、2−クロロシクロヘプ
テノンオキシム、2−クロロシクロオクタノンオキシ
ム、2−クロロシクロオクテノンオキシム、2−クロロ
シクロノナノンオキシム、2−クロロシクロノネノンオ
キシム、2−クロロシクロデカノンオキシム、2−クロ
ロシクロデセノンオキシム、2−クロロシクロウンデカ
ノンオキシム、2−クロロシクロウンデセノンオキシ
ム、2−クロロシクロドデカノンオキシム、2−クロロ
シクロドデセノンオキシム、2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシム等が挙げられる。好ましくは2−クロロ
シクロドデカノンオキシム、2−クロロシクロドデカジ
エノンオキシムであり、特に好ましくは、2−クロロ−
5,9−シクロドデカジエノンオキシムである。これら
は、単独でも2種以上を混合して使用しても良い。
【0008】本発明の反応において使用する白金含有担
持触媒とは、白金元素を含む化合物を不活性支持体に担
持させた固体触媒、好ましくは粉末触媒、更に好ましく
は平均粒径が5μm〜500μmの粉末触媒である。白金
含有担持触媒中の白金の含有量は、好ましくは担持金属
の総重量の10重量%以上であり、より好ましくは30
重量%以上、さらに好ましくは50〜100重量%、特
に好ましくは白金元素のみを担持した触媒である。白金
と同時に担持できる金属元素としては、白金を除く白金
族元素化合物が挙げられる。具体的には、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウムおよびイリジウムが
挙げられ、好ましくは、ルテニウム、ロジウムおよびパ
ラジウムであり、特に好ましくはパラジウムである。前
記不活性支持体としては、活性炭、アルミナ、シリカ、
シリカアルミナ、ゼオライト、スピネル等があげられる
が、好ましくは、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカア
ルミナ、より好ましくは活性炭である。また、白金元素
の不活性支持体への担持量は、不活性支持体に対して
0.1〜30重量%であるのが好ましく、さらに好まし
くは0.5〜10重量%である。触媒中の白金元素は、
不活性支持体の表面又は内部、若しくは両方に担持され
ていても良い。
持触媒とは、白金元素を含む化合物を不活性支持体に担
持させた固体触媒、好ましくは粉末触媒、更に好ましく
は平均粒径が5μm〜500μmの粉末触媒である。白金
含有担持触媒中の白金の含有量は、好ましくは担持金属
の総重量の10重量%以上であり、より好ましくは30
重量%以上、さらに好ましくは50〜100重量%、特
に好ましくは白金元素のみを担持した触媒である。白金
と同時に担持できる金属元素としては、白金を除く白金
族元素化合物が挙げられる。具体的には、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウムおよびイリジウムが
挙げられ、好ましくは、ルテニウム、ロジウムおよびパ
ラジウムであり、特に好ましくはパラジウムである。前
記不活性支持体としては、活性炭、アルミナ、シリカ、
シリカアルミナ、ゼオライト、スピネル等があげられる
が、好ましくは、活性炭、アルミナ、シリカ、シリカア
ルミナ、より好ましくは活性炭である。また、白金元素
の不活性支持体への担持量は、不活性支持体に対して
0.1〜30重量%であるのが好ましく、さらに好まし
くは0.5〜10重量%である。触媒中の白金元素は、
不活性支持体の表面又は内部、若しくは両方に担持され
ていても良い。
【0009】白金含有担持触媒の使用量は、特に制限は
ないが、使用する白金のモル数として、原料の2−ハロ
ゲノシクロアルカノンオキシム化合物に対して、1/3
〜1/50000モル倍であることが好ましい。より好
ましくは1/100〜1/10000モル倍、さらに好
ましくは1/200〜1/5000モル倍である。
ないが、使用する白金のモル数として、原料の2−ハロ
ゲノシクロアルカノンオキシム化合物に対して、1/3
〜1/50000モル倍であることが好ましい。より好
ましくは1/100〜1/10000モル倍、さらに好
ましくは1/200〜1/5000モル倍である。
【0010】本発明で使用するアルカリ金属塩として
は、特に限定されず、無機もしくは有機のアルカリ金属
塩を挙げることが出来る。無機のアルカリ金属塩として
は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
有機のアルカリ金属塩としては、プロピオン酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、ぎ酸ナトリウムおよび酢酸カリウ
ムなどの脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩が挙げら
れ、安息香酸ナトリウムなどの芳香族カルボン酸のアル
カリ金属塩も挙げられる。好ましくは、脂肪族カルボン
酸のアルカリ金属塩である。具体的には、酢酸ナトリウ
ムおよび酢酸カリウムが挙げられる。
は、特に限定されず、無機もしくは有機のアルカリ金属
塩を挙げることが出来る。無機のアルカリ金属塩として
は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム及び
炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
有機のアルカリ金属塩としては、プロピオン酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム、ぎ酸ナトリウムおよび酢酸カリウ
ムなどの脂肪族カルボン酸のアルカリ金属塩が挙げら
れ、安息香酸ナトリウムなどの芳香族カルボン酸のアル
カリ金属塩も挙げられる。好ましくは、脂肪族カルボン
酸のアルカリ金属塩である。具体的には、酢酸ナトリウ
ムおよび酢酸カリウムが挙げられる。
【0011】アルカリ金属塩の使用量は、使用する2−
ハロゲノシクロアルカノンオキシム化合物と当モル以上
であれば特に問題はないが、若干少なく使用してもよ
い。その使用量は、2−ハロゲノシクロアルカノンオキ
シム化合物に対し、0.8〜1.5モル倍、好ましくは
0.9〜1.2モル倍、より好ましくは1.0〜1.1
モル倍である。
ハロゲノシクロアルカノンオキシム化合物と当モル以上
であれば特に問題はないが、若干少なく使用してもよ
い。その使用量は、2−ハロゲノシクロアルカノンオキ
シム化合物に対し、0.8〜1.5モル倍、好ましくは
0.9〜1.2モル倍、より好ましくは1.0〜1.1
モル倍である。
【0012】本発明での反応溶媒は、通常は有機溶媒を
使用する。有機溶媒としては、本反応に不活性な溶媒で
あれば特に制限はないが、酢酸メチル、酢酸エチル等の
脂肪族エステル類、メタノール、エタノール等の脂肪族
アルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル等の
ニトリル類、塩化メチレン、四塩化炭素等の脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン等の
エーテル類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭
化水素類、酢酸、プロピオン酸などの脂肪族カルボン酸
類等が挙げられる。好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル
等の脂肪族エステル類、塩化メチレン、四塩化炭素等の
脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、ク
ロルベンゼン等の芳香族炭化水素類であリ、特に好まし
くは、酢酸エチル、トルエンおよび塩化メチレンであ
る。これらの有機溶媒は、2−ハロゲノシクロアルカノ
ンオキシム化合物に対し、通常1〜100重量倍、好ま
しくは3〜50重量倍である。
使用する。有機溶媒としては、本反応に不活性な溶媒で
あれば特に制限はないが、酢酸メチル、酢酸エチル等の
脂肪族エステル類、メタノール、エタノール等の脂肪族
アルコール類、アセトニトリル、プロピオニトリル等の
ニトリル類、塩化メチレン、四塩化炭素等の脂肪族ハロ
ゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサン等の
エーテル類、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭
化水素類、酢酸、プロピオン酸などの脂肪族カルボン酸
類等が挙げられる。好ましくは酢酸メチル、酢酸エチル
等の脂肪族エステル類、塩化メチレン、四塩化炭素等の
脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、ク
ロルベンゼン等の芳香族炭化水素類であリ、特に好まし
くは、酢酸エチル、トルエンおよび塩化メチレンであ
る。これらの有機溶媒は、2−ハロゲノシクロアルカノ
ンオキシム化合物に対し、通常1〜100重量倍、好ま
しくは3〜50重量倍である。
【0013】本発明において、2−ハロゲノシクロアル
カノンオキシム化合物と水素との接触方法は、通常、水
素ガス雰囲気にて有機溶媒、2−ハロゲノシクロアルカ
ノンオキシム化合物、白金含有担持触媒およびアルカリ
金属塩を混合して行われる。
カノンオキシム化合物と水素との接触方法は、通常、水
素ガス雰囲気にて有機溶媒、2−ハロゲノシクロアルカ
ノンオキシム化合物、白金含有担持触媒およびアルカリ
金属塩を混合して行われる。
【0014】反応水素圧は、通常、常圧下で実施される
が、加圧下で実施してもよい。加圧下での反応は、特に
上限はないが、反応装置の耐圧や目的物の収率から判断
して100気圧までが好ましい。反応温度は、使用する
反応溶媒の沸点以下で行う限り特に限定されないが、通
常0〜100℃、好ましくは10〜80℃、より好まし
くは20〜70℃、さらに好ましくは25〜60℃であ
る。反応水素圧および反応温度があまりに低いと反応に
長時間を要すること、さらに目的物の収量が低下する為
に好ましくない。また、反応水素圧および反応温度があ
まりに高いと還元が進み、やはり目的物の収量が低下す
る傾向が生じるため好ましくない。
が、加圧下で実施してもよい。加圧下での反応は、特に
上限はないが、反応装置の耐圧や目的物の収率から判断
して100気圧までが好ましい。反応温度は、使用する
反応溶媒の沸点以下で行う限り特に限定されないが、通
常0〜100℃、好ましくは10〜80℃、より好まし
くは20〜70℃、さらに好ましくは25〜60℃であ
る。反応水素圧および反応温度があまりに低いと反応に
長時間を要すること、さらに目的物の収量が低下する為
に好ましくない。また、反応水素圧および反応温度があ
まりに高いと還元が進み、やはり目的物の収量が低下す
る傾向が生じるため好ましくない。
【0015】反応時間は、前記濃度、温度等の反応条件
によって変化するが、通常0.5〜24時間で行うこと
ができる。
によって変化するが、通常0.5〜24時間で行うこと
ができる。
【0016】反応装置も、特に制限はなく通常の攪拌装
置を備えた反応器で実施することができる。
置を備えた反応器で実施することができる。
【0017】本発明で得られたシクロアルカノンオキシ
ムは反応系から触媒を濾別した後、蒸留・結晶化等によ
り分離・精製することができる。
ムは反応系から触媒を濾別した後、蒸留・結晶化等によ
り分離・精製することができる。
【0018】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0019】実施例1 2−クロロ−5,9−シクロドデカジエノンオキシム
1.0g(4.4mmol)、酢酸ナトリウム0.4g
(4.8mmol)を酢酸エチル10mlに溶解し、こ
れに2wt%白金/C触媒(52.71重量%含水)
0.46g(0.022mmol)を添加、水素雰囲気
下、常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終了後、触
媒を濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分
析(HPLC)によって定量分析した。その結果、2−
クロロ−5,9−シクロドデカジエノンオキシムの転化
率は100モル%であり、シクロドデカノンオキシムが
0.73g(3.7mmol 収率84モル%)生成し
ていることが判った。なお、2wt%白金/C触媒は、
2wt%白金/カーボン触媒である。
1.0g(4.4mmol)、酢酸ナトリウム0.4g
(4.8mmol)を酢酸エチル10mlに溶解し、こ
れに2wt%白金/C触媒(52.71重量%含水)
0.46g(0.022mmol)を添加、水素雰囲気
下、常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終了後、触
媒を濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分
析(HPLC)によって定量分析した。その結果、2−
クロロ−5,9−シクロドデカジエノンオキシムの転化
率は100モル%であり、シクロドデカノンオキシムが
0.73g(3.7mmol 収率84モル%)生成し
ていることが判った。なお、2wt%白金/C触媒は、
2wt%白金/カーボン触媒である。
【0020】実施例2〜13および比較例1〜7は実施
例1に準じて実施し、分析を行なった。これらの結果を
表1〜表6に示した。
例1に準じて実施し、分析を行なった。これらの結果を
表1〜表6に示した。
【0021】表1には白金とパラジウムの触媒の効果を
比較した。白金触媒が、少ない触媒量で、かつ、短時間
で目的物シクロドデカノンオキシムが得られることがわ
かる。
比較した。白金触媒が、少ない触媒量で、かつ、短時間
で目的物シクロドデカノンオキシムが得られることがわ
かる。
【表1】
【0022】白金族金属を触媒として使用した時の結
果、および白金含有担持触媒と酸化白金との比較も示し
た。白金含有担持触媒が、他の白金族金属であるパラジ
ウム、ロジウムおよびルテニウム単独担持の触媒よりも
活性が高いことがわかる。また、白金含有担持触媒が酸
化白金よりも優れた触媒能を示すことがわかる。
果、および白金含有担持触媒と酸化白金との比較も示し
た。白金含有担持触媒が、他の白金族金属であるパラジ
ウム、ロジウムおよびルテニウム単独担持の触媒よりも
活性が高いことがわかる。また、白金含有担持触媒が酸
化白金よりも優れた触媒能を示すことがわかる。
【表2】
【0023】表3は種々の反応溶媒についての結果をま
とめたものである。
とめたものである。
【表3】
【0024】表4にはアルカリ金属塩の効果をまとめた
ものである。無添加およびアルカリ土類金属化合物では
目的物シクロドデカノンオキシムの収率が低いことがわ
かる。
ものである。無添加およびアルカリ土類金属化合物では
目的物シクロドデカノンオキシムの収率が低いことがわ
かる。
【表4】
【0025】表5は反応温度についての結果をまとめた
ものである。
ものである。
【表5】
【0026】表6は水素圧力についての結果をまとめた
ものである。
ものである。
【表6】
【0027】実施例14 2−クロロ−5,9−シクロドデカジエノンオキシム
1.0g(4.4mmol)、酢酸ナトリウム0.4g
(4.8mmol)を酢酸エチル10mlに溶解し、こ
れに2.5wt%白金−2.5wt%パラジウム/C触
媒(62.4重量%含水)0.33g(白金0.016
mmol、パラジウム0.029mmol)を添加、水
素雰囲気下、常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終
了後、触媒を濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマト
グラフ分析(HPLC)によって定量分析した。その結
果、2−クロロ−5,9−シクロドデカジエノンオキシ
ムの転化率は100モル%であり、シクロドデカノンオ
キシムが0.67g(3.4mmol 収率77モル
%)生成していることが判った。
1.0g(4.4mmol)、酢酸ナトリウム0.4g
(4.8mmol)を酢酸エチル10mlに溶解し、こ
れに2.5wt%白金−2.5wt%パラジウム/C触
媒(62.4重量%含水)0.33g(白金0.016
mmol、パラジウム0.029mmol)を添加、水
素雰囲気下、常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終
了後、触媒を濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマト
グラフ分析(HPLC)によって定量分析した。その結
果、2−クロロ−5,9−シクロドデカジエノンオキシ
ムの転化率は100モル%であり、シクロドデカノンオ
キシムが0.67g(3.4mmol 収率77モル
%)生成していることが判った。
【0028】実施例15 2−クロロシクロドデカノンオキシム0.5g(2.2
mmol)、酢酸ナトリウム0.2g(2.4mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに2.5wt
%白金−2.5wt%パラジウム/C触媒(62.4重
量%含水)0.016g(白金0.00077mmo
l、パラジウム0.00141mmol)を添加、水素
雰囲気下、常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終了
後、触媒を濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマトグ
ラフ分析(HPLC)によって定量分析した。その結
果、2−クロロシクロドデカノンオキシムの転化率は1
00モル%であり、シクロドデカノンオキシムが0.3
4g(1.7mmol 収率77モル%)生成している
ことが判った。
mmol)、酢酸ナトリウム0.2g(2.4mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに2.5wt
%白金−2.5wt%パラジウム/C触媒(62.4重
量%含水)0.016g(白金0.00077mmo
l、パラジウム0.00141mmol)を添加、水素
雰囲気下、常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終了
後、触媒を濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマトグ
ラフ分析(HPLC)によって定量分析した。その結
果、2−クロロシクロドデカノンオキシムの転化率は1
00モル%であり、シクロドデカノンオキシムが0.3
4g(1.7mmol 収率77モル%)生成している
ことが判った。
【0029】実施例16 2−クロロシクロドデカノンオキシム0.5g(2.2
mmol)、酢酸ナトリウム0.2g(2.4mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに3wt%白
金−硫黄/C触媒(57.7重量%含水)0.033g
(白金0.0021mmol)を添加、水素雰囲気下、
常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終了後、触媒を
濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分析
(HPLC)によって定量分析した。その結果、2−ク
ロロシクロドデカノンオキシムの転化率は100モル%
であり、シクロドデカノンオキシムが0.33g(1.
65mmol 収率75モル%)生成していることが判
った。
mmol)、酢酸ナトリウム0.2g(2.4mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに3wt%白
金−硫黄/C触媒(57.7重量%含水)0.033g
(白金0.0021mmol)を添加、水素雰囲気下、
常圧、25℃にて5時間攪拌した。反応終了後、触媒を
濾別し、得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分析
(HPLC)によって定量分析した。その結果、2−ク
ロロシクロドデカノンオキシムの転化率は100モル%
であり、シクロドデカノンオキシムが0.33g(1.
65mmol 収率75モル%)生成していることが判
った。
【0030】実施例17 2−クロロシクロドデカノンオキシム0.5g(2.2
mmol)、酢酸ナトリウム0.2g(2.4mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに2wt%白
金/C触媒(52.7重量%含水)0.22g(白金
0.011mmol)を添加、水素雰囲気下、常圧、2
5℃にて3時間攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、
得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分析(HPL
C)によって定量分析した。その結果、2−クロロシク
ロドデカノンオキシムの転化率は100モル%であり、
シクロドデカノンオキシムが0.26g(1.3mmo
l 収率59モル%)生成していることが判った。
mmol)、酢酸ナトリウム0.2g(2.4mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに2wt%白
金/C触媒(52.7重量%含水)0.22g(白金
0.011mmol)を添加、水素雰囲気下、常圧、2
5℃にて3時間攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、
得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分析(HPL
C)によって定量分析した。その結果、2−クロロシク
ロドデカノンオキシムの転化率は100モル%であり、
シクロドデカノンオキシムが0.26g(1.3mmo
l 収率59モル%)生成していることが判った。
【0031】実施例18 2−クロロシクロヘキサノンオキシム0.5g(3.4
mmol)、酢酸ナトリウム0.3g(3.6mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに2wt%白
金/C触媒(52.7重量%含水)0.35g(白金
0.017mmol)を添加、水素雰囲気下、常圧、2
5℃にて1時間攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、
得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分析(HPL
C)によって定量分析した。その結果、2−クロロシク
ロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、
シクロドデカノンオキシムが0.18g(1.6mmo
l 収率47モル%)生成していることが判った。
mmol)、酢酸ナトリウム0.3g(3.6mmo
l)を酢酸エチル10mlに溶解し、これに2wt%白
金/C触媒(52.7重量%含水)0.35g(白金
0.017mmol)を添加、水素雰囲気下、常圧、2
5℃にて1時間攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、
得られた反応溶媒を液体クロマトグラフ分析(HPL
C)によって定量分析した。その結果、2−クロロシク
ロヘキサノンオキシムの転化率は100モル%であり、
シクロドデカノンオキシムが0.18g(1.6mmo
l 収率47モル%)生成していることが判った。
【0032】
【発明の効果】本発明により、装置の腐食、触媒分離等
の問題を解決し、2−ハロゲノシクロアルカノンオキシ
ム化合物から一段でシクロアルカノンオキシムを収率良
く、かつ、触媒効率と生産性を向上させた製造方法が見
出された。
の問題を解決し、2−ハロゲノシクロアルカノンオキシ
ム化合物から一段でシクロアルカノンオキシムを収率良
く、かつ、触媒効率と生産性を向上させた製造方法が見
出された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 正 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC12 AC13 AC59 BA02 BA26 BA32 BA61 BE20 BW18 BW30 4H039 CA40 CB10 CE40
Claims (3)
- 【請求項1】2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム化
合物を(1)白金含有担持触媒 および(2)アルカリ
金属塩の存在下で水素と接触させることを特徴とするシ
クロアルカノンオキシムの製造方法。 - 【請求項2】2−ハロゲノシクロアルカノンオキシム化
合物が、2−ハロゲノシクロドデカノンオキシム化合物
である請求項1記載のシクロアルカノンオキシムの製造
方法。 - 【請求項3】(2)アルカリ金属塩が脂肪族カルボン酸
のアルカリ金属塩である請求項1または2記載のシクロ
アルカノンオキシムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002015185A JP3952787B2 (ja) | 2001-02-21 | 2002-01-24 | シクロアルカノンオキシムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-44565 | 2001-02-21 | ||
JP2001044565 | 2001-02-21 | ||
JP2002015185A JP3952787B2 (ja) | 2001-02-21 | 2002-01-24 | シクロアルカノンオキシムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002322140A true JP2002322140A (ja) | 2002-11-08 |
JP3952787B2 JP3952787B2 (ja) | 2007-08-01 |
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---|---|---|---|
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