JPH11147846A - アルデヒド類及び、又はアルコール類の製造法 - Google Patents

アルデヒド類及び、又はアルコール類の製造法

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JPH11147846A
JPH11147846A JP9314912A JP31491297A JPH11147846A JP H11147846 A JPH11147846 A JP H11147846A JP 9314912 A JP9314912 A JP 9314912A JP 31491297 A JP31491297 A JP 31491297A JP H11147846 A JPH11147846 A JP H11147846A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カルボン酸の気相水素化反応により、アルデ
ヒド及び、又はアルコールを、高選択率で得る方法を提
供する。 【解決手段】 カルボン酸、又はその誘導体を、ルテニ
ウム成分をスズ酸化物を主成分とする担体上に担持させ
た触媒の存在下、分子状水素により気相で還元すること
を特徴とするアルデヒド類及び/又はアルコール類の製
造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルデヒド類及び/
又はアルコール類の製造方法に関する。詳しくは、カル
ボン酸又はその誘導体を分子状水素により還元する際、
高活性な触媒を用いて、気相で、収率良くアルデヒド類
及び/又はアルコール類を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルコール類やアルデヒド類は、有機合
成中間体等として有用な化合物である。アルコール、あ
るいはアルデヒドを製造する方法は種々知られている
が、カルボン酸を分子状水素で還元してアルデヒド及び
/又はアルコールを製造する方法は、もっとも望ましい
方法と考えられる。しかし、この方法は技術的に困難と
考えられてきた。
【0003】カルボン酸類の接触水素化の方法に関して
は、これまでにも種々の特許が知られている。その中
で、アルデヒド類を製造する場合には、一般的に、金属
酸化物類を触媒として用い、気相で反応を行う方法が提
唱されてきている。これら各種の金属酸化物類の中で、
酸化ジルコニウムを主成分とする触媒を用いた場合に
は、高いアルデヒド選択率を達成することが出来ること
が報告されている。(特開昭60−152434号、特
開昭60−243037号、特開昭61−115043
号参照)。しかし、これら各種の金属酸化物類を触媒と
して用いた場合は、すべて反応温度が350℃前後とい
う高温であった。そのため、熱的に不安定な原料カルボ
ン酸又はその誘導体を用いて反応を行うことが困難であ
った。また、生成物の一部が、熱の為に炭化水素類に分
解してしまう為、求めるアルデヒド及び/又はアルコー
ルの選択率が大きく減少してしまうので、好ましい方法
とは言えない。また、ルテニウム及びスズをシリカ、ア
ルミナなどの担体上に担持した触媒を用いて気相でカル
ボン酸を水素化する方法が報告されている(特公平7−
68155号)。この場合、気相反応で常圧下、250
℃付近という低温で反応が進行すると報告されている
が、アルデヒドの選択率が不十分であり、逐次水素化生
成物等の生成が多いので、実用に耐えない。
【0004】また、カルボン酸類を分子状水素により直
接水素化してアルコールを製造する反応も公知である。
例えば、特開平7−227541号には、ルテニウム及
び酸化スズを活性成分として担体に担持して得られた触
媒を用いてカルボン酸を液相で水素化する反応が、ま
た、Cat.Lett.30,297,1995にはS
nO2 とAl2 3 混練触媒(担体中のSnO2 は4〜
57重量%)を用いてカルボン酸誘導体を液相で水素化
する方法が報告されている。これらは反応に高い圧力を
必要とし、主に液相で反応が行われている。そのため、
高圧反応用の反応装置が必要となり、コスト面、安全面
で問題がある上に、液相反応である為に、触媒成分の溶
出が起こり、触媒寿命が短くなる、という問題点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み成されたものであって、気相反応で、かつ、常圧
付近でカルボン酸類を直接水素化し、産業的に有用なア
ルデヒド及び/又はアルコールを選択率良く製造する方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
の結果、スズ酸化物担体に、ルテニウムを担持させるこ
とにより得られる触媒を用いた場合、常圧付近の圧力
で、比較的低温で、きわめて高い選択率で、カルボン酸
又はその誘導体から、アルデヒド及び/又はアルコール
が得られることを見出し、本発明に至った。即ち本発明
の要旨は、カルボン酸、又はその誘導体を、ルテニウム
成分をスズ酸化物を主成分とする担体上に担持させた触
媒の存在下、分子状水素により気相で還元することを特
徴とするアルデヒド類及び、又はアルコール類の製造法
に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明方
法の出発原料は、脂肪族、脂環式、芳香族及び複素環式
のカルボン酸またはこれらの誘導体である。脂肪族カル
ボン酸としては、具体的には、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサ
ン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン
酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、
トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキ
サデカン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ノナデ
カン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、アクリル酸、
メタクリル酸、10−ウンデセン酸、9−オクタデセン
酸、オレイン酸、11−エイコセン酸等の炭素数2〜2
4の飽和又は不飽和カルボン酸が挙げられる。また、シ
ュウ酸、マロン酸、ジエチルマロン酸、こはく酸、マレ
イン酸、グルタル酸、アジピン酸、デカン二酸、オクタ
デカン二酸等のポリカルボン酸も使用することが出来
る。
【0008】脂環式カルボン酸としては、シクロペンタ
ンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。また、脂肪
族カルボン酸あるいは脂環式カルボン酸は、置換基とし
て、反応に不活性な基を有していても良く、そのような
置換基としては、例えばアリール基、O、S、N等の原
子を含む複素環基、エーテル基、アルコキシ基等が挙げ
られる。具体例としては、フェニル酢酸、桂皮酸、グリ
コール酸等である。
【0009】本発明に使用される芳香族カルボン酸は一
般式Ar−(COOH)nで示すことが出来る。(式
中、nは1又は2であり、Arは置換基を有していても
良いアリール基を表す。)。Arで示されるアリール基
としては、通常、フェニル基、ナフチル基、アントリル
基が挙げられ、アリール基が有しうる置換基としては、
例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、
ホルミル基、アシル基、アリール基等が挙げられる。具
体的な化合物としては、例えば、安息香酸、トルイル
酸、ジメチル安息香酸、シクロヘキシル安息香酸、クミ
ン酸、t−ブチル安息香酸、フェニル安息香酸、アニス
酸、フェノキシ安息香酸、クロロ安息香酸、フルオロ安
息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アセチル安息香酸、ナフ
トエ酸、ナフタレンジカルボン酸類、アントラセンカル
ボン酸等のカルボン酸が挙げられる。また、フタル酸等
も使用することが出来る。
【0010】本発明に用いられる原料の複素環式カルボ
ン酸を構成する複素環とは、その環内に、少なくとも1
個のN、S、又はO原子を有するものであり、具体的に
は、ピロール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾー
ル環、チアゾール環、オキサゾリン環、イミダゾール
環、イミダゾリン環、ピラゾール環、ピラン環、チオピ
ラン環、ピリジン環、キノリン環、オキサジン環、チア
ジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ア
ゼピン環、オキゼピン環等が挙げられる。具体的には、
ニコチン酸、フランカルボン酸、チアゾールカルボン酸
等が挙げられる。また、複素環式カルボン酸は、置換基
として、反応に不活性な基を有していても良く、そのよ
うな置換基としては、例えばアリール基、O、S、N等
の原子を含む複素環基、エーテル基、アルコキシ基等が
挙げられる。
【0011】本発明の出発原料としては、上記カルボン
酸の誘導体、例えばエステル、酸無水物等も使用でき
る。エステルとしては、脂肪族、脂環族、芳香族エステ
ル等のいずれでも良く、具体的には、上記に例示された
カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−ブ
チルエステル、イソブチルエステル、オクチルエステ
ル、シクロヘキシルエステル、フェニルエステル等があ
り、ポリカルボン酸の場合はハーフエステルであって
も、或いは複数のアルコールとのエステルであってもよ
い。無水物としては、ホモ無水物でもヘテロ無水物でも
良い。芳香族カルボン酸又は複素環式カルボン酸の誘導
体としては、低級アルキルエステルが好ましい。上記カ
ルボン酸及びその誘導体の中、本発明方法の出発原料と
しては、脂環式カルボン酸、芳香族カルボン酸、複素環
式カルボン酸又はこれらの誘導体を用いるのが好まし
く、特に芳香族カルボン酸又はこれらの誘導体が好まし
い。
【0012】本発明に用いる触媒は、ルテニウム成分を
スズ酸化物を含有する担体に担持させることを特徴とし
ている。特に、スズ酸化物を主成分とする担体を用いる
ことを特徴としている。主成分とは、触媒に用いる担体
中に占めるスズ酸化物の割合が50重量%を超える量と
なることを意味する。触媒に用いる担体中、スズ酸化物
の占める割合は、望ましくは60重量%から100%、
より好ましくは80%から100%である。このように
スズ酸化物を主に含んだ担体を用いることにより、本発
明の特徴である生成物の高選択性を発揮することが出来
る。スズ酸化物としては、酸化第一スズ(II)、酸化
第二スズ(IV)の何れでも使用できるが、好ましくは
酸化第二スズである。担体にはスズ酸化物以外に、各種
金属の酸化物の中から選ばれた一つ以上の化合物を含ん
でいても良い。それらの金属としては例えば、アルミニ
ウム、チタン、ケイ素、ジルコニウム、バナジウム、ク
ロム、モリブデン、タングステン、マンガン、レニウ
ム、鉄、銅、ビスマス、ニッケル、コバルト、アンチモ
ン、ランタノイド類等が挙げられる。
【0013】また、主にスズ酸化物を含んだ担体には、
触媒成分としてルテニウムを担持させるが、更に、ルテ
ニウム以外の1つ又は複数の成分を担持させてもよい。
他の成分としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウ
ム等の第8族金属、クロム、銀、銅、レニウムまたはア
ルカリ金属類、アルカリ土類金属類、ランタノイド等が
挙げられる。
【0014】本発明に用いられる触媒原料としてのルテ
ニウム化合物としては、ルテニウムの硝酸、硫酸、塩酸
などの鉱酸塩が一般に使用されるが、酢酸などの有機酸
塩、水酸化物、酸化物または錯塩も使用することができ
る。具体的には、例えば、硝酸ルテニウム、硫酸ルテニ
ウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニ
ウム、水酸化ルテニウム、酸化ルテニウム、ルテニウム
酸カリウム、ルテニウムアルコキシド、オキシデカクロ
ロジルテニウム酸アンモニウム、ペンタクロロアクアル
テニウム酸アンモニウム、塩化ルテニウム酸アンモニウ
ム、オキシデカクロロジルテニウム酸カリウム、ペンタ
クロロアクアルテニウム酸カリウム、過ルテニウム酸カ
リウム、硝酸ニトロシルルテニウム、オキシデカクロロ
ジルテニウム酸ナトリウム、ヘキサアンミンルテニウム
塩化物、ペンタアンミンクロロルテニウム塩化物、ヘキ
サアンミンルテニウム臭化物、ドデカカルボニルトリル
テニウム、ヘキサカルボニルテトラクロロジルテニウ
ム、トリカルボニルトリクロロルテニウム酸セシウム、
トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、トリカルボ
ニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジク
ロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等が
挙げられる。
【0015】本発明の触媒の調製法は、特に限定される
ものではなく、例えば公知の、共沈法、含浸法等の方法
で調製できる。含浸法によるときは、例えば、上述の如
きルテニウム成分を含む化合物を溶解可能な溶媒、例え
ば、水に溶解して溶液とし、この溶液に担体を浸漬し
て、担体にルテニウム成分を担持させる方法である。ま
た、触媒成分として、ルテニウム以外の成分を含む場合
も、その製法は特に限定されるものではなく、複数の成
分を同時に担持させても、各成分を個別に担持させて
も、また、それらの方法を組み合わせた方法で担持させ
てもよい。
【0016】本発明における触媒において、担体として
用いるスズ酸化物100重量部に担持されるルテニウム
の量は、ルテニウム金属として0.01〜20重量部で
あることが望ましい。好ましくは0.1から10重量
部、更に望ましくは1から8重量部がよい。ルテニウム
の担持量が少なすぎる場合、触媒の活性が低くなり、生
産性が悪くなる。ルテニウムの担持量が多すぎる場合
は、ルテニウムの分散性が低下し、分散性の悪いルテニ
ウムからは、望ましくない炭化水素の生成物が多く得ら
れる等の問題が生じる可能性がある。
【0017】担体に触媒成分を担持させた後は、任意の
方法により乾燥させる。乾燥法に関しては、制限は無い
が、例えば、風乾による乾燥、マッフル炉中での加温乾
燥、不活性ガス気流下で100℃〜150℃の温度条件
下での乾燥、減圧下での乾燥等の方法が挙げられる。乾
燥後は必要に応じて焼成や還元処理を行う。焼成処理を
行う場合は、通常100℃〜600℃の温度範囲、好ま
しくは、200℃から400℃の範囲で行われる。
【0018】また、触媒は、還元処理を行うことにより
活性化することが望ましい。還元処理の方法は、公知の
液相還元法、気相還元法が採用される。気相還元法の場
合、通常100℃〜600℃の温度範囲、好ましくは、
300℃から500℃の範囲で行われる。また、液相還
元法としては、例えばホルマリン還元法、ヒドラジン還
元法、リチウムアルミニウムハイドライド還元法が挙げ
られる。還元処理の温度が低すぎる、または処理時間が
短すぎる条件では、触媒が十分に活性化されず、期待さ
れる効果が十分に発揮されない場合があるので注意を要
する。還元処理を行った後の触媒の構造に関しては、そ
の詳細は不明であるが、触媒が十分に活性化される様な
還元条件では、ルテニウム等の貴金属成分は実質的にす
べてが金属に還元されると推定される。
【0019】本発明のカルボン酸の還元反応は、この様
にして得られた触媒を使用し、分子状水素を用いて、気
相で実施される。本発明による触媒を用いることによっ
て、高圧条件を用いずに常圧付近の圧力でもって、比較
的低温の条件で、カルボン酸の水素化が起こり、アルデ
ヒド及び/又はアルコールを高い選択率で得ることが出
来る。生成するアルデヒド及び/又はアルコールの割合
は、原料、反応条件によって変動する。生成したアルコ
ールは、一部が原料であるカルボン酸またはカルボン酸
誘導体から生成したカルボン酸と反応して、カルボン酸
エステルを形成するが、このカルボン酸エステルは、反
応系中に戻すことにより、再度アルコール及び/又はア
ルデヒドを生成することが出来る。従って、本発明にお
いては、カルボン酸の水素化反応により生成したカルボ
ン酸エステルも反応生成物(有効成分)とみなしてい
る。また、出発原料としてポリカルボン酸またはその誘
導体を使用すると、ポリアルデヒド、ヒドロキシアルデ
ヒド、ポリオール、アルデヒドカルボン酸またはそのエ
ステル、ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル、ラ
クトン等が生成するが、その割合は、原料、反応条件等
により変動する。
【0020】本発明における還元反応において、反応圧
力は常圧付近で実施すれば良いが、加圧状態としても良
い。常圧から100kg/cm2 の間で実施できる。好
ましくは1から50kg/cm2 の間で実施するのがよ
い。水素化反応の温度は100℃〜500℃から選ば
れ、好ましくは150℃から400℃、より好ましくは
200℃から300℃の間で反応を実施するのがよい。
【0021】本発明の還元反応の反応方法としては、前
述の触媒を固定床触媒として水素気流下、反応を行うの
が良く、その場合、供給原料中のカルボン酸又はその誘
導体の濃度は、気相で20(体積)%以下、好ましくは
0.01〜10(体積)%である。この濃度が希薄すぎ
ると反応の効率が不良となり、他方、濃度が高すぎると
反応を促進するためにより高い反応温度を要して選択率
が不良となるばかりでなく、触媒寿命が短くなるなど問
題が生じる場合がある。なお、使用する水素には若干の
反応に悪影響を及ぼさない気体、例えば窒素、水蒸気等
が含まれていても良い。反応で生成したアルコール類及
び/又はアルデヒド類は、蒸留などの公知の方法により
分離精製されるか、又は、混合物のまま、その後の工程
に供給される。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はその要旨をこえない限
り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。な
お、以下の例において、「%」は「重量%」を示す。
【0023】〔触媒調製例1〕 (Ru2.0%/SnO2 の調製)容量100mlのフ
ラスコに、RuCl3 ・3H2 Oを0.68g秤量し、
さらに水を10ml加えて溶解後、担体としてSnO2
を13.0g加えて、良く攪拌した。得られたスラリー
を回転減圧乾燥機で50℃、25mmHgで乾燥し、溶
媒の水を除去した後、窒素雰囲気下、150℃で30分
間、焼成処理した。得られた固体を打錠成型器にて打錠
した後粉砕し、大きさを10〜20メッシュにそろえ
た。その後、水素気流下で250℃、30分間、還元処
理を行ない触媒を得た。得られた触媒の担体中の酸化ス
ズの割合は100%、酸化スズに対するルテニウムの割
合は2.0%であった。
【0024】〔触媒調製比較例1〕 (2.0%Ru/5.0%Sn/SiO2 触媒の調製)
容量100mlのフラスコに、RuCl3 ・3H2 Oを
0.45g、SnCl 2 ・2H2 Oを0.83g秤量
し、さらに水10ccとconc.HCl水溶液を2m
l加えて溶解後、担体としてSiO2 (商品名:キャリ
アクトQ−10、10〜20メッシュ)8.1gを加え
て、良く振とうした。得られたスラリーを回転減圧乾燥
機で50℃、25mmHg下で乾燥し、溶媒の水を除去
した後、窒素雰囲気下、150℃で焼成処理した。その
後、水素気流下、300℃で処理を行ない触媒を得た。
得られた触媒の担体はSiO2 100%、担体に対する
ルテニウムの割合は2.0%、スズの割合は5.0%で
あった。
【0025】実施例1 (Ru2.0%/SnO2 による安息香酸の水素化反
応)触媒調製例1で得られた触媒5mlを直径1.5c
mのガラス製管型反応器に充填し、安息香酸を3.3m
mol/hr、水素を空間速度:GHSV=1250h
-1で供給し、常圧、反応温度250℃で、安息香酸の
水素化反応を行った。反応生成物を分析した結果、安息
香酸の転化率77.4%、ベンズアルデヒド選択率9
1.3%、ベンジルアルコール選択率0.9%、ベンジ
ルベンゾエート選択率3.0%、トルエン選択率4.8
%であった。有効成分であるベンズアルデヒド、ベンジ
ルアルコール及びベンジルベンゾエートの総選択率は9
2.5%であった。
【0026】比較例1 (2.0%Ru/5.0%Sn/SiO2 による安息香
酸の水素化反応)触媒調製比較例1で得られた触媒5m
lを用い、実施例1と同様の条件で反応を行った。その
結果、安息香酸の転化率82.3%、ベンズアルデヒド
選択率30.1%、ベンジルアルコール選択率27.9
%、ベンジルベンゾエート選択率16.9%、トルエン
選択率25.1%であった。有効成分であるベンズアル
デヒド、ベンジルアルコール及びベンジルベンゾエート
の総選択率は74.9%であった。
【0027】実施例2 (Ru10.0%/SnO2 による安息香酸の水素化反
応)実施例1と同様の方法で、酸化第二スズ担体にルテ
ニウム10%を担持させた触媒を調製した。この触媒5
mlを用い、実施例1と同様の条件で反応を行った。そ
の結果、安息香酸の転化率61.5%、ベンズアルデヒ
ド選択率81.1%、ベンジルアルコール選択率4.1
%、ベンジルベンゾエート選択率9.9%、トルエン選
択率4.8%であった。有効成分であるベンズアルデヒ
ド、ベンジルアルコール及びベンジルベンゾエートの総
選択率は95.1%であった。
【0028】実施例3 (Ru2.0%/SnO2 によるラウリン酸の水素化反
応)実施例1に基づいて製造した触媒5mlを用い、原
料としてラウリン酸を4.2mmol/hrで供給し、
反応温度を270℃とした以外は実施例1と同様の条件
で反応を行った。ラウリン酸の転化率72.0%、ラウ
リルアルデヒド選択率53.3%、ラウリルアルコール
選択率2.8%であった。
【0029】
【発明の効果】本発明方法により、酸化第二スズを担体
とする触媒を使用してカルボン酸の水素化反応を行うこ
とによりカルボン酸及び、又はアルコールを高選択率で
得ることが出来る。例えばカルボン酸として安息香酸を
使用する場合には、有効成分の総選択率は90%以上で
あり特にアルデヒドの選択率が向上する。またラウリン
酸のような脂肪族カルボン酸の場合も、高選択率でアル
デヒドを得ることが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 47/54 C07C 47/54 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スズ酸化物を主成分とする担体上にルテ
    ニウム成分を担持させた触媒の存在下、カルボン酸、又
    はその誘導体を、分子状水素により気相で還元すること
    を特徴とするアルデヒド類及び、又はアルコール類の製
    造法。
  2. 【請求項2】 担体中のスズ酸化物の割合が60〜10
    0重量%である触媒を使用することを特徴とする請求項
    1記載のアルデヒド類及び、又はアルコール類の製造
    法。
  3. 【請求項3】 担体中のスズ酸化物の割合が80〜10
    0%である触媒を使用することを特徴とする請求項2記
    載のアルデヒド類及び、又はアルコール類の製造法。
  4. 【請求項4】 触媒中のスズ酸化物100重量部に対
    し、ルテニウムが、ルテニウム金属として0.01〜2
    0重量部である触媒を使用することを特徴とする請求項
    1乃至3の何れかに記載のアルデヒド類及び、又はアル
    コール類の製造法。
  5. 【請求項5】 カルボン酸が芳香族カルボン酸であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のアルデ
    ヒド類及び、又はアルコール類の製造法。
  6. 【請求項6】 スズ酸化物を60〜100重量%含有す
    る担体に、ルテニウム成分を担持させてなる水素化触
    媒。
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