JP5151253B2 - シス−アミノシクロヘキサンカルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)アミノ安息香酸のアルカリ金属塩を、貴金属触媒存在下で、水系溶媒中で核水素化することにより、シス体の含有率の高いアミノシクロヘキサンカルボン酸アルカリ金属塩が得られること。
(2)特に、ルテニウム/カーボン触媒は、水素化反応に繰り返し使用しても、水素化反応時の収率、選択率の低下が小さいこと。
(3)また、シス体を含有するアミノシクロヘキサンカルボン酸のアルカリ金属塩を有機酸、特に酢酸で中和することにより、シス体のアミノシクロヘキサンカルボン酸を高純度で得られること。
(4)また、上記水素化工程で得られた反応水溶液から、アミノシクロヘキサンカルボン酸のアルカリ金属塩を含有する水溶液を、そのまま中和工程に供しても、高純度のシス−アミノシクロヘキサンカルボン酸を得ることができること。
係る知見に基づき、さらに鋭意検討することにより本発明を完成するに至った。
で表されるアミノ安息香酸塩を貴金属触媒存在下、水系溶媒中で核水素化して一般式(2)
で表されるアミノシクロヘキサンカルボン酸塩を得る工程、及び
(ii)該アミノシクロヘキサンカルボン酸塩を含油する溶液に有機酸を加えて、一般式(3)
を具備する高純度シス−アミノシクロヘキサンカルボン酸の製造方法。
本発明に係わるアミノ安息香酸塩は、上記一般式(1)で表され、具体的には、o−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸及びp−アミノ安息香酸から選ばれる少なくとも1種と、アルカリ金属であるリチウム、ナトリウム又はカリウムからなる塩であり、反応溶媒への溶解性の観点からナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。アミノ安息香酸塩は、市販のもの又は市販のアミノ安息香酸を水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等で中和することにより容易に得ることができる。この場合アミノ安息香酸塩の純度は、100%が好ましいが、アミノ安息香酸に対してアルカリ金属が80〜120モル%の範囲のものも使用できる。また、上記アミノ安息香酸塩を別途調製してから、核水素化反応に供してもよいが、核水素化反応器に、アミノ安息香酸、アルカリ金属化合物、溶媒、貴金属触媒等を入れ、アミノ安息香酸塩の調製と核水素化を逐次及び/又は同時に行うこともできる。
本発明の第ii工程は、アミノシクロヘキサンカルボン酸塩を含有する溶液に、有機酸を添加し、シス−アミノシクロヘキサンカルボン酸を選択的に析出させる工程である。
電磁攪拌子付のステンレス製オートクレーブに、4−アミノ安息香酸40g、イオン交換水74g、96%水酸化ナトリウム12.8g、5%ルテニウム/カーボン触媒(含水49%)4.0gを仕込み、水素ガスで系内を置換後、水素圧5MPa、反応温度80℃で4時間還元反応を行った。得られた反応粗液から、触媒を濾過し、HPLC分析したところ、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウムの収率は87%、異性体比はシス/トランス=66/34(重量比)であった。
実施例I−1で得られた4−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウム水溶液にイソプロピルアルコールを60g加えた後、氷酢酸17.2gを加えてpH7.3まで中和を行なった。白色結晶が析出して状態で、50℃まで加熱し、0.5時間攪拌した後、1時間に10℃程度の冷却速度で冷却し、その後室温で一夜攪拌した。析出した結晶を濾過、50重量%イソプロピルアルコール水溶液40gで結晶を洗浄し、ついで乾燥して純度99.7重量%のシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸17.4g(収率76%)を得た。
イオン交換水の量を160g、触媒として5%ルテニウム/カーボン触媒(dry品)4.0gを用い、水素圧2Mpaに代えた以外は、実施例I−1と同様にして核水素化を行った。その結果、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウムの収率は87%、異性体比は、シス/トランス=63/37(重量比)であった。
実施例I−2で得られた4−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウム水溶液に氷酢酸14.6gを加えてpH7.2まで中和した。イソプロピルアルコールを304g加えて50℃で0.5h攪拌し、10℃/hの速度で冷却して、その後室温で一夜攪拌した。析出した結晶を濾過、イソプロピルアルコール18gで結晶を洗浄し、ついで乾燥して純度99.6重量%のシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸17.6g(収率76%)を得た。
触媒を5%ルテニウム/カーボンに代えて5%ロジウム/カーボン(含水49%)4.0gを用い、水素圧を2MPa、反応時間を3時間に代えた以外は、実施例I−1と同様にして核水素化を行った。HPLC分析の結果、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウムの収率は77%、異性体比はシス/トランス=68/32であった。
実施例I−3で得られた4−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウム水溶液に、ギ酸13.0gを加え、pH7.2まで中和した。イソプロピルアルコールを304g加えて50℃で0.5h攪拌し、10℃/hの速度で冷却して、その後室温で一夜攪拌した。析出した結晶を濾過し、50重量%のイソプロピルアルコール水溶液40gで結晶を洗浄し、ついで乾燥して純度99.6重量%のシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸16.3g(収率76%)を得た。
96%水酸化ナトリウムに代えて、85%水酸化カリウム20.4gを用いた以外は、実施例I−1と同様にして核水素化反応を行った。HPLC分析の結果、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸カリウムの収率は86%、異性体比は、シス/トランス=62/38(重量比)であった。
実施例I−4で得られた4−アミノシクロヘキサンカルボン酸カリウム水溶液に氷酢酸14.6gを加えてpH7.2まで中和した。50℃で0.5h攪拌し、10℃/hの速度で冷却して、その後室温で一夜攪拌した。析出した結晶を濾過、イソプロピルアルコール18gで結晶を洗浄し、ついで乾燥して純度99.6重量%のシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸17.4g(収率77%)を得た。
4−アミノ安息香酸に代えて、2−アミノ安息香酸に代えた以外は、実施例I−1と同様に核水素化反応を行った。HPLC分析の結果、2−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウムの収率は、86%、異性体比は、シス/トランス=50/50(重量比)であった。
4−アミノ安息香酸に代えて、3−アミノ安息香酸を用いた以外は、実施例I−1と同様にして核水素化反応を行った。HPLC分析の結果、3−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウムの収率は、72%、異性体比はシス/トランス=80/20であった。
触媒にラネーニッケルを2.0g、反応温度を210℃、水素圧力5MPa、反応を6時間行った以外は、実施例I−1と同様に核水素化反応を行った。HPLC分析の結果、反応率は67%であり、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸ナトリウムの異性体比は、シス/トランス=25/75(重量比)であった。
実施例I−1に準じて核水素化反応を行って得られた、アミノシクロヘキサンカルボン酸水溶液に、pH7.1になるまで、2M硫酸を加えた。白色結晶が析出した状態で、50℃まで加熱し、0.5時間攪拌した後、1時間に10℃程度の冷却速度で冷却し、その後室温で一夜攪拌した。析出した結晶を濾過、50重量%イソプロピルアルコール水溶液40gで結晶を洗浄し、純度76%のシス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸を18.6gを得た。尚、このもののトランス−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸の含有率は、3.0%であり、さらに無機塩や他の不純物を含有していた。
特許出願人 新日本理化
Claims (5)
- アミノシクロヘキサンカルボン酸塩を含有する溶液中の基質濃度が20〜40重量%の範囲である、請求項2に記載の製造方法。
- アミノシクロヘキサンカルボン酸塩が、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸塩である、請求項2又は3に記載の製造方法。
- 4−アミノシクロヘキサンカルボン酸塩のシス/トランスの重量比が40/60〜100/0の範囲である、請求項4に記載の製造方法。
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