JP2002322057A - ファモチジン注射液 - Google Patents
ファモチジン注射液Info
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Abstract
ンの室温で長期間安定な注射液の提供すること。 【解決手段】ファモチジンと、リン酸を含有するpH約
5.5〜約6.5の注射液。
Description
してなる注射剤液に属する。詳細には、本発明は、ファ
モチジンとリン酸を含有するpH約5.5〜約6.5の
注射液に関するものである。
を遮断することにより胃酸分泌抑制剤として有用な化合
物である(特開昭56−22770号参照)。しかし、
ファモチジンは水に難溶性であるため、注射剤液の開発
にあたっては可溶化させる手段が必要であった。特公昭
63−65047号公報には、ファモチジンが酸性領域
下において不安定であり単に可溶化させるだけでは不充
分であることから、ファモチジンの可溶化及び安定化の
ために酸性物質について検討を行い、L−アスパラギン
酸に当該所望の効果のあることが記載されている。また
米国特許5,650,421号公報には、ファモチジン
またはその塩の濃度が0.1mg/mL〜0.8mg/
mLであり、L−アスパラギン酸等の酸の添加によりp
Hが5.7〜6.4に調整された、予め生理食塩液と混
合されてなる注射液が開示されている。なお、現在医療
現場に供されているファモチジン製剤としては、凍結乾
燥製剤があるが、一般的に凍結乾燥製剤は、例えば生理
食塩液などの生理学的に許容され得る溶解液を用いて用
時調製されなければならず、繁雑さを伴う製剤であると
言える。また、上述したような液状の製剤も医療現場に
供されているものがあるが、多くは冷所保存のため、保
存時に特別な扱いが必要であったり、室温保存の製剤で
あっても、有効期間は短いため、常温で長期間保存可能
な液状の注射液の出現が望まれている。
値が約7.1の塩基性化合物であり、酸性側では水溶性
であるが、pHの上昇に伴い溶解度は極端に低下する。
一方、ファモチジンの安定性はpH6付近では安定であ
るが、酸性へとpHを下げるに従い、安定性は低下す
る。そこで、本発明は、中性乃至アルカリ性領域で難溶
性のファモチジンの室温で長期間安定な注射剤液を提供
することを目的とする。
り鋭意研究を重ねた結果、ファモチジンの安定化には、
リン酸が最適であるという新しい事実を発見した.ま
た、本発明の系において、注射液の安定なpH領域は、
約5.5〜約6.5であることを知見して本発明を完成
させるに至った。即ち、本発明は、(1)ファモチジン
とリン酸を含有してなるpH約5.5〜約6.5の注射
液に関する。また、本発明は(2)ファモチジン1gに
対してリン酸を270〜400mg含有する(1)に記
載の注射液に関する。
明する。本発明に用いられる酸性物質としては、リン酸
である。リン酸としては、リン酸及び酸性を示すリン酸
塩を使用することができる。本発明の注射液のpHとし
ては、好ましくは約5.5〜約6.5である。本発明の
注射液のpHは、ファモチジンを可溶化するため、リン
酸を配合した後に水酸化ナトリウム液等の塩基性物質で
当該範囲に調節することが好ましい。なお、比較例とし
て他の酸性物質について実施したが、リン酸と比較する
と、60℃での残存率の差は、大きいもので15%、小
さいものでも2%以上あり、ファモチジンはリン酸を含
有することにより、安定性が向上し、室温でより長期間
安定な注射液の提供が可能となる。
度としては特に規定されないが、完全な溶解が困難にな
り白濁が生じるおそれがある点から約5mg/mL以下
であることが好ましく、約1mg/mLの濃度の場合、
希釈せずに緩徐な静脈内投与に供することができる。ま
た、リン酸の添加量は、ファモチジン1gに対して27
0〜400mgであることが好ましく、さらに好ましく
は300〜370mgである。ファモチジン1gに対し
て270mg以下であると、ファモチジンの溶解度は低
下する。一方、ファモチジン1gに対して400mg以
上であってもこれ以上の効果は期待できない。
するが、これらにより本発明の範囲が限定されるもので
はない。 (実施例1) 注射用蒸留水200mLにリン酸85m
gを添加した後、ファモチジン250mgを加え、攪拌
溶解する。ファモチジンが完全に溶解した後、塩化ナト
リウム2250mgを加え溶解し、水酸化ナトリウムで
pH6.0に調節した後、注射用蒸留水にて250mL
にする。この液5mLを5mLガラスアンプルに充填
し、空間部を窒素置換した後、アンプルを熔閉する。加
熱滅菌し、pH6.0の注射液製剤を製した。この製剤
を60℃の条件下に21日保存したときのファモチジン
の残存率は87.9%であった。
リン酸425mgを添加した後、ファモチジン1250
mgを加え、攪拌溶解する。ファモチジンが完全に溶解
した後、水酸化ナトリウムでpH6.0に調節した後、
注射用蒸留水にて250mLにする。この液5mLを5
mLガラスアンプルに充填し、空間部を窒素置換した
後、アンプルを熔閉する。加熱滅菌し、pH6.0の注
射液製剤を製した。この製剤は、実施例1の製剤と同等
の安定性を示した。
乳酸84mgを添加した後、ファモチジン250mgを
加え、攪拌溶解する。ファモチジンが完全に溶解した
後、塩化ナトリウム2250mgを加え溶解し、水酸化
ナトリウムでpH6.0に調節した後、注射用蒸留水に
て250mLにする。この液5mLを5mLガラスアン
プルに充填し、空間部を窒素置換した後、アンプルを熔
閉する。加熱滅菌し、pH6.0の注射液製剤を製し
た。この製剤を60℃の条件下に21日保存したときの
ファモチジンの残存率は72.6%であった。
L−アスパラギン酸103mgを溶解した後、ファモチ
ジン250mgを加え、攪拌溶解する。ファモチジンが
完全に溶解した後、塩化ナトリウム2250mgを加え
溶解し、水酸化ナトリウムでpH6.0に調節した後、
注射用蒸留水にて250mLにする。この液5mLを5
mLガラスアンプルに充填し、空間部を窒素置換した
後、アンプルを熔閉する。加熱滅菌し、pH6.0の注
射液製剤を製した。この製剤を60℃の条件下に21日
保存したときのファモチジンの残存率は85.6%であ
った。
クエン酸75.6mgを溶解した後、ファモチジン25
0mgを加え、攪拌溶解する。ファモチジンが完全に溶
解した後、塩化ナトリウム2250mgを加え溶解し、
水酸化ナトリウムでpH6.0に調節した後、注射用蒸
留水にて250mLにする。この液5mLを5mLガラ
スアンプルに充填し、空間部を窒素置換した後、アンプ
ルを熔閉する。加熱滅菌し、pH6.0の注射液製剤を
製した。この製剤を60℃の条件下に21日保存したと
きのファモチジンの残存率は85.6%であった。
コハク酸60mgを溶解した後、ファモチジン250m
gを加え、攪拌溶解する。ファモチジンが完全に溶解し
た後、塩化ナトリウム2250mgを加え溶解し、水酸
化ナトリウムでpH6.0に調節した後、注射用蒸留水
にて250mLにする。この液5mLを5mLガラスア
ンプルに充填し、空間部を窒素置換した後、アンプルを
熔閉する。加熱滅菌し、pH6.0の注射液製剤を製し
た。この製剤を60℃の条件下に21日保存したときの
ファモチジンの残存率は85.5%であった。
酒石酸52mgを溶解した後、ファモチジン250mg
を加え、攪拌溶解する。ファモチジンが完全に溶解した
後、塩化ナトリウム2250mgを加え溶解し、水酸化
ナトリウムでpH6.0に調節した後、注射用蒸留水に
て250mLにする。この液5mLを5mLガラスアン
プルに充填し、空間部を窒素置換した後、アンプルを熔
閉する。加熱滅菌し、pH6.0の注射液製剤を製し
た。この製剤を60℃の条件下に21日保存したときの
ファモチジンの残存率は85.0%であった。 (比較例6) 注射用蒸留水200mLに安息香酸80
mgを溶解した後、ファモチジン250mgを加え、攪
拌溶解する。ファモチジンが完全に溶解した後、塩化ナ
トリウム2250mgを加え溶解し、水酸化ナトリウム
でpH6.0に調節した後、注射用蒸留水にて250m
Lにする。この液5mLを5mLガラスアンプルに充填
し、空間部を窒素置換した後、アンプルを熔閉する。加
熱滅菌し、pH6.0の注射液製剤を製した。この製剤
を60℃の条件下に21日保存したときのファモチジン
の残存率は85.3%であった。
びに安定化剤として配合し、水酸化ナトリウムなど塩基
性物質でpH約5.5〜約6.5に調節することによ
り、中性〜アルカリ性領域で難溶性のファモチジンを可
溶化し、室温で長期間安定な注射液とさせ得ることがで
きる。さらに、従来のファモチジンの凍結乾燥製剤と比
較して、使用時の利便性が向上することが期待される。
Claims (2)
- 【請求項1】ファモチジンとリン酸を含有してなるpH
約5.5〜約6.5の注射液。 - 【請求項2】ファモチジン1gに対してリン酸を270
〜400mg含有する請求項1に記載の注射液。
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JPH11193233A (ja) * | 1997-10-16 | 1999-07-21 | Yamanouchi Pharmaceut Co Ltd | 注射剤 |
-
2001
- 2001-04-27 JP JP2001130499A patent/JP4828040B2/ja not_active Expired - Fee Related
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