JP2002321982A - 共有結合性ナノ結晶セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

共有結合性ナノ結晶セラミックス及びその製造方法

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JP2002321982A
JP2002321982A JP2001167432A JP2001167432A JP2002321982A JP 2002321982 A JP2002321982 A JP 2002321982A JP 2001167432 A JP2001167432 A JP 2001167432A JP 2001167432 A JP2001167432 A JP 2001167432A JP 2002321982 A JP2002321982 A JP 2002321982A
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covalent
ceramic
nanocrystalline
less
oxide
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Yutaka Shinoda
豊 篠田
Fumihiro Wakai
史博 若井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粒界ガラス相を形成する酸化物系助剤を添加す
ることなく、難焼結性である共有結合性ナノ結晶セラミ
ックスを得るための方法を提供することにある。 【解決手段】粒径100nm以下の共有結合性セラミッ
クス原料粉末を酸化物系助剤を添加することなくCIP
成形し、カプセル封入したものを600MPa以上の圧
力で熱間等方加圧成形(HIP)することによって、平
均粒径300nm以下の共有結合性ナノ結晶セラミック
スを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共有結合性セラミ
ックス及びその製造法に関し、特に粒径がナノメートル
サイズである焼結体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素や窒化ケイ素は共有結合性の
強固な原子間結合力を有し、耐熱性、硬度、耐摩耗性に
優れているため、高強度構造用材料として応用される。
しかしながら、共有結合性の材料であるが故に本質的に
難焼結性でもあり、緻密な焼結体を得るのが困難であ
る。
【0003】そこで、共有結合性セラミックスの焼結の
ためには助剤を添加することが必要である。炭化ケイ素
の代表的な助剤としては、ボロン(B)−カーボン
(C)系、Al系などがある。また、高温で液相
を形成する酸化物系(Al−Y系、Al
−Y−CaO系など)の助剤は窒化ケイ素、
ならびに、炭化ケイ素の焼結に用いられている。しかし
ながら、酸化物系助剤を添加すると、粒界に低融点のガ
ラス相が形成され、焼結体の高温強度を低下させるなど
共有結合性セラミックス本来の優れた機械的性質が失わ
れてしまう。
【0004】このような助剤を極力使用しないで緻密化
を行うには、焼結中に圧力を付加することが効果的であ
る。そのために、従来から、50MPa程度の圧力での
ホットプレスや200MPa程度の圧力による熱間等方
加圧成形(HIP)などの技術が用いられてきた。しか
しながら、酸化物系助剤を全く使わない場合には、ホッ
トプレスやHIPによる加圧焼結を用いても、炭化ケイ
素や窒化ケイ素を緻密化するためには2000℃以上の
高い焼結温度が必要となり、高温で結晶粒が粗大化する
ため、粒径が1μm以上になってしまうという問題があ
った。
【0005】なお、これ以上の高圧を得る手段としてダ
イヤモンド作製などに用いられる超高圧アンビル等の装
置があるが、これによって得られる焼結体は数mm角の
大きさでしかなく、構造用材料作製法としては不適であ
る。また、CVD法により気相から直接ナノ結晶材料が
作製できるが、粉末や薄膜などの作製に限定されてお
り、構造用材料としてのバルク体は製造できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ナノメートルサイズの
結晶粒子径を有するナノ結晶材料は、粒径がマイクロメ
ータサイズの材料に比べて、さらに強度と硬度が向上す
ることが金属に対しては知られている。しかしながら、
粒界にガラス相が多量に残存せず、共有結合性セラミッ
クス本来の優れた機械的性質をもち、かつ、粒径が30
0nm以下である緻密な共有結合性ナノ結晶セラミック
スのバルク体を製造することはできなかった。
【0007】本発明は、粒界ガラス相を形成する酸化物
系助剤を添加することなく、難焼結性である共有結合性
ナノ結晶セラミックスを得るための方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、従来の200MPa
級HIP装置を用いた場合には常圧焼結に比べて100
−200℃程度しか焼結温度を下げることが出来ないこ
とに対して、600MPa以上の圧力下でHIPを行な
うことによって、焼結温度を400℃以上低下させるこ
とができ、粒成長を抑制した共有結合性ナノ結晶セラミ
ックスが製造できることを見出し、本発明にいたった
【0009】すなわち、本発明の共有結合性セラミック
スは、平均粒径300nm以下のナノ結晶粒組織を有
し、粒界ガラス相を形成する酸化物系焼結助剤を添加し
ないことを特徴とする。
【0010】ここで、共有結合性セラミックスは、炭化
ケイ素、窒化ケイ素のうち、1種類もしくは2種類を8
0重量%以上含む。なお、炭化ケイ素、窒化ケイ素と反
応してHIP温度において液相を形成しない金属炭化
物、金属窒化物、あるいは、一時的に液相を形成しても
炭化ケイ素あるいは窒化ケイ素中に成分が固溶し、粒界
にガラス相として残存しない金属ならびに酸化物を含ん
でもよい。
【0011】この発明の共有結合性ナノ結晶セラミック
スを製造する方法は次の工程を経ることを特徴とする。
(a)原料粒径100nm以下の共有結合性セラミック
ス原料粉末を、ガラス相を形成する酸化物系助剤を添加
することなくCIP成形する工程(b)CIP成形体を
カプセル封入したものを、1500℃以上1800℃以
下の温度で、600MPa以上の圧力で熱間等方加圧下
(HIP)で成形する工程。
【0012】HIP焼結温度が1800℃以上では粒成
長が生じ、粒径300nm以下のナノ結晶セラミックス
は得られない。また、1500℃以下では相対密度95
%以上の緻密なセラミックスとならない。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例を示す。以下
に示す実施例は本発明の一例を示すものであって、本発
明の要旨を越えない限り、これに限定されるものではな
い。
【0014】実施例1 不純物としてフリーカーボンをおよそ4重量%含む平均
粒子径30nmの炭化ケイ素微粉末を200MPaでC
IP成形し、720℃でガラスカプセル封入した後、1
600℃でアルゴンガスにより980MPaの静水圧を
付加し1時間のHIP焼結を行った。焼結体の密度は
3.11g/cmでありほぼ理論密度に近い緻密化が
達成できた。平均粒径は70nmであり、極めて微細な
ナノ結晶材料が得られた。
【0015】粒径70nmの材料のビッカース硬さと室
温での3点曲げ強度を表1に示す。なお、表1には比較
のため、ボロンとカーボンを焼結助剤とし、2400℃
で常圧焼結した粒径2μmの炭化ケイ素の値も示した。
【0016】
【表1】
【0017】表1より明らかなように、本実施例の方が
ビッカース硬さが高く、かつ室温曲げ強度も増加してい
ることが分かる。さらに、本実施例のナノ結晶セラミッ
クスは焼結助剤を添加していないために粒成長が生じに
くく、2000℃でも300nm以下のナノ結晶組織が
維持できた。
【0018】実施例2 実施例1と同様な原料粉末にアルミニウムを1重量%添
加しボールミル混合した粉末についても同様な条件でH
IP焼結をした。焼結体の密度は3.11g/cm
粒径は70nmであった。実施例1の材料と実施例2の
材料の1800℃、3X10−5−1の圧縮加工にお
ける加工応力を表2に示した。
【0019】
【表2】
【0020】実施例1の無添加材料は高温でも優れた圧
縮強度を維持することがわかる。一方、実施例2のアル
ミニウム添加材料は実施例1の無添加材料に比べて加工
応力が極めて低く、逆に高温での塑性加工が容易である
ことがわかる。
【0021】実施例3 実施例1と同様の粉末に、ボロンを0.1、0.3、
1.0、3.0、12重量%添加して、同様にHIP焼
結した場合も、ほぼ理論密度に近い緻密化が達成でき、
粒径は70〜300nmであった。
【0022】実施例4 不純物として酸素をおよそ1重量%含む平均粒子径35
nmのα窒化ケイ素微粉末を200MPaでCIP成形
し、720℃でガラスカプセル封入した後、1500℃
でアルゴンガスにより980MPaの静水圧を付加し1
時間のHIP焼結を行った。焼結体の密度は3.10g
/cmでありほぼ理論密度に近い緻密化が達成でき
た。平均粒径は80nmであった。ビッカース硬さは2
100であり、比較のためにY−Al系焼
結助剤を添加してホットプレスにより作製したβ窒化ケ
イ素のビッカース硬さ1700よりも高かった。
【0023】
【発明の効果】以上のとおり、本発明により、粒界ガラ
ス相を形成する酸化物系焼結助剤を添加しないで、共有
結合性ナノ結晶セラミックスが得られる。この共有結合
性ナノ結晶セラミックスは高温で優れた強度を維持し、
室温での強度、硬度に優れる。さらに、条件によっては
高温での塑性加工が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若井 史博 東京都町田市南つくし野3−1−3 CK すずかけ台620 Fターム(参考) 4G001 BA22 BA32 BA60 BA63 BA68 BA73 BB22 BB32 BB60 BB63 BB68 BB73 BC13 BC23 BC43 BC52 BC62 BD14 BE11 BE14 BE22 4G030 AA47 AA52 AA60 AA63 AA67 BA18 BA20 CA01 CA04 CA05 GA11 GA19 GA27 GA29 GA31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径300nm以下のナノ結晶粒組
    織を有し、粒界ガラス相を形成する酸化物系焼結助剤を
    添加しないことを特徴とする共有結合性セラミックス。
  2. 【請求項2】 共有結合性結晶として、炭化ケイ素、窒
    化ケイ素のうち、1種類もしくは2種類を合計80重量
    %以上含む請求項1記載の共有結合性ナノ結晶セラミッ
    クス。
  3. 【請求項3】 粒径100nm以下の共有結合性セラミ
    ックス原料粉末を酸化物系助剤を添加することなくCI
    P成形し、ガラスカプセル封入したものを1500℃以
    上1800℃以下の温度で、600MPa以上の圧力で
    熱間等方加圧(HIP)下で成形することを特徴とする
    請求項1または2記載の共有結合性ナノ結晶セラミック
    スの製造方法。
JP2001167432A 2001-04-26 2001-04-26 共有結合性ナノ結晶セラミックス及びその製造方法 Pending JP2002321982A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115073182A (zh) * 2022-06-24 2022-09-20 中国人民解放军空军工程大学 一种超高温材料及其制备方法

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