JP2002321609A - マスタシリンダ - Google Patents
マスタシリンダInfo
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Abstract
に、大径与圧室の液圧を解除する際に生じるペダルフィ
ーリング上の違和感を低減できるマスタシリンダを提供
する。 【解決手段】 大径与圧室56の液圧を、小径液圧室4
9の液圧上昇に応じて徐々に低下させるようにリザーバ
12側に逃がすことが可能な制御弁86を設けることに
より、段付ピストン16の小径液圧室49側への摺動に
よる大径与圧室56の体積減少により逆止開閉部61を
開いて大径与圧室56側から小径液圧室49側へ液補給
すなわちファーストフィルを行い、大径与圧室56の液
圧が上昇すると制御弁86が大径与圧室56の液圧を、
小径液圧室49の液圧上昇に応じて徐々に低下させるよ
うにリザーバ12に逃がす。
Description
装置等にブレーキ液を供給するマスタシリンダに関す
る。
5−152602号(実開昭57−73248号)のマ
イクロフィルムに記載されているように、ディスクブレ
ーキやドラムブレーキ等のブレーキ装置に対してブレー
キ液を供給する際、作動初期に大容量のブレーキ液を供
給する、いわゆるファーストフィルを行うことで、スト
ローク初期の無効液量分を補い、その結果、ペダルスト
ロークを短縮可能なものがある。
よび小径シリンダ部を有する段付シリンダと、該段付シ
リンダの大径シリンダ部内に摺動可能に挿入される大径
ピストン部および小径シリンダ内に摺動可能に挿入され
る小径ピストン部を有する段付ピストンと、段付シリン
ダ内を大径ピストン側の大径与圧室と小径ピストン側の
小径液圧室とに区画するとともに大径与圧室側から小径
液圧室側へのブレーキ液の流れのみを許容するカップシ
ールとを備え、段付ピストンの小径液圧室側への摺動に
よる大径与圧室の体積減少によりカップシールを開いて
大径与圧室側から小径液圧室側へ液補給を行うようにな
っている。
が予め設定された値以上となったとき、該大径与圧室か
らリザーバにブレーキ液を逃がすリリーフ弁を備えてお
り、該リリーフ弁に、大径与圧室を常時リザーバに連通
させるべく切欠を設け、この切欠によるごく小径の連通
路によって、大径与圧室にリザーバから液を補給するよ
うになっている。
シリンダには、以下の問題があった。上記マスタシリン
ダでは、切欠を設けているため、低昇圧時に大径与圧室
の液がリザーバに流入してしまうため、ファーストフィ
ルを充分に行えないという問題があった。また、上記マ
スタシリンダでは、大径与圧室の内圧が予め設定された
値以上となったとき、リリーフ弁が開いて該大径与圧室
からリザーバにブレーキ液を一気に逃がすようになって
いるため、高昇圧時すなわちブレーキペダルを比較的速
い速度で踏圧する操作時では、大径与圧室の液圧が所定
圧まで上昇すると、大径与圧室の液圧がリリーフ弁の開
作動で一気に解除されるため、ペダル反力が伴わずにペ
ダルストロークが伸びて小径液圧室側に移動することに
なり、軽く踏み抜けたような感じで車速のみが減少する
といったペダルフィーリング上の違和感を生じていた。
で、その目的とするところは、ペダルストロークを短縮
可能であるとともに、大径与圧室の液圧を解除する際に
生じるペダルフィーリング上の違和感を低減できるマス
タシリンダを提供することである。
め、本発明のマスタシリンダは、大径シリンダ部および
小径シリンダ部を有する段付シリンダと、該段付シリン
ダの前記大径シリンダ部内に摺動可能に挿入される大径
ピストン部および前記小径シリンダ部内に摺動可能に挿
入される小径ピストン部を有する段付ピストンと、前記
段付シリンダ内を前記大径ピストン部側の大径与圧室と
前記小径ピストン部側の小径液圧室とに区画するととも
に前記大径与圧室側から前記小径液圧室側へのブレーキ
液の流れのみを許容する逆止開閉部とを備え、前記段付
ピストンの前記小径液圧室側への摺動による前記大径与
圧室の体積減少により前記逆止開閉部を開いて前記大径
与圧室側から前記小径液圧室側へ液補給を行うマスタシ
リンダにおいて、前記大径与圧室の液圧を、小径液圧室
の液圧上昇に応じて徐々に低下させるようにリザーバ側
に逃がす制御弁を有することを特徴としている。
にバルブピストンと該バルブピストンを付勢するバルブ
スプリングとを有しており、前記バルブピストンは、前
記小径液圧室の液圧により生じる推進力と前記大径与圧
室の液圧により生じる推進力とを加算した力が前記バル
ブスプリングによる付勢力を越えると、前記大径与圧室
の液圧を逃がすことを特徴とする構成とすることができ
る。
ンの外周に少なくとも2つのリングシールが設けられ、
該2つのリングシール間に前記小径液圧室とバルブシリ
ンダとが連通する流路が位置し、前記バルブピストンの
一端側に前記バルブスプリングが設けられるとともに、
前記バルブピストンの他端側外周に前記リザーバと連通
するリリーフ室が設けられ、該リリーフ室と前記大径与
圧室に連通された流路との間を連通遮断する開閉弁機構
を有していることを特徴とする構成とすることができ
る。
圧室の液圧上昇に応じて徐々に低下させるようにリザー
バ側に逃がすことが可能な制御弁を有するため、段付ピ
ストンの小径液圧室側への摺動による大径与圧室の体積
減少により逆止開閉部を開いて大径与圧室側から小径液
圧室側へ液補給すなわちファーストフィルを行い、大径
与圧室の液圧が上昇すると制御弁が大径与圧室の液圧
を、小径液圧室の液圧上昇に応じて徐々に低下させるよ
うにリザーバに逃がすことになる。よって、ファースト
フィルの効果によりペダルストロークを短縮可能である
とともに、大径与圧室の液圧を解除する際に、大径与圧
室の液圧が一気に下がることなく徐々に低下することに
なる。
前記リリーフ室に開口するとともに、他端側が前記バル
ブシリンダと前記バルブピストンの前記リリーフ室に対
し反対側との間のダンパ室に開口する通路が形成されて
いることを特徴とする構成とすることができる。
ーフ室とが連通しているため、開閉弁機構のバルブピス
トンが大径与圧室の液圧を小径液圧室の液圧上昇に応じ
て徐々に低下させるようにリザーバ側に逃がす際に高速
で微小振動すると、ダンパ室の容積が微小増減を繰り返
すことになり、その結果、通路を介してダンパ室とリリ
ーフ室との間でブレーキ液が行き来することになり、こ
の通路が液流通抵抗となってダンパ効果が得られる。
リンダを図1〜図6を参照して説明する。
示すもので、図1中、符号11は図示せぬブースタを介
して導入されるブレーキペダルの入力に応じてブレーキ
液圧を発生させるマスタシリンダ本体を、符号12は該
マスタシリンダ本体11の上部に取り付けられて該マス
タシリンダ本体11に対しブレーキ液を給排するリザー
バをそれぞれ示している。
略有底筒状の段付シリンダ15と、該段付シリンダ15
の開口部側(図における右側)に摺動可能に嵌合された
プライマリピストン(段付ピストン)16と、段付シリ
ンダ15のプライマリピストン16より底部15a側
(図における左側)に摺動自在に嵌合されたセカンダリ
ピストン17とを有している。
の底部15aが形成されるとともに横方向に沿って穴部
20が形成された有底円筒状の第1部材21と、該第1
部材21の穴部20内に底部15a側から順次嵌合され
る略円筒状の第2部材22、第3部材23、第4部材2
4および第5部材25と、第5部材25の底部15aに
対し反対側に該第5部材25を覆うように設けられる第
6部材26と、該第6部材26の底部15aに対し反対
側に設けられるとともに第1部材21に螺合されて第2
部材22〜第6部材26を第1部材21内に保持する第
7部材27とを有している。
ストン17が摺動可能に嵌合されている。セカンダリピ
ストン17は一端側から穴部30が形成された有底円筒
状をなしており、該穴部30を第1部材21の底部15
aに対向させるようにして第2部材22に嵌合されてい
る。
カンダリピストン17の底部15a側すなわち穴部30
側とで囲まれた部分が、セカンダリ側小径液圧室32と
なっている。
2の径方向における内周面に開口するとともに他端側が
第1部材21の流路33を介してリザーバ12に常時連
通するポート34が形成されており、セカンダリピスト
ン17には、上記ポート34とセカンダリ側小径液圧室
32とを連通可能なリリーフポート35が形成されてい
る。
セカンダリ側小径液圧室32とポート34との連通を遮
断可能なカップシール36が設けられている。このカッ
プシール36はセカンダリ側小径液圧室32の液圧がリ
ザーバ12側の液圧以上の場合にこれらの連通を遮断す
るもので、セカンダリ側小径液圧室32の液圧がリザー
バ12側の液圧より低い場合にはこれらを連通させ液補
給を可能とする。
部材21の底部15aとの間には、図示せぬブレーキペ
ダル側(図における右側)から入力がない初期状態(こ
のときの各部の位置を初期位置と以下称す)でこれらの
間隔を決めるセカンダリピストンスプリング38が設け
られている。この初期位置にあるとき、セカンダリピス
トン17は、リリーフポート35をポート34に連通さ
せており、その結果、セカンダリ側小径液圧室32をリ
ザーバ12に連通させている。
1部材21の底部15a側に移動すると、セカンダリ側
小径液圧室32の液圧がリザーバ12側の液圧以上の状
態においては、該セカンダリピストン17はそのリリー
フポート35がカップシール36で閉塞されてポート3
4との連通が遮断され、その結果、セカンダリ側小径液
圧室32とリザーバ12との連通が遮断されることにな
り、これにより、さらにセカンダリピストン17が底部
15a側に移動することでセカンダリ側小径液圧室32
からブレーキ装置にブレーキ液を供給する。
a側の小径シリンダ部40および第1部材21の底部1
5aに対し反対側の、小径シリンダ部40より大径の大
径シリンダ部41とを有する段付形状をなしており、小
径シリンダ部40の内側に、上記プライマリピストン1
6が摺動可能に嵌合されている。
ンダリピストン17に対向配置される穴部43が形成さ
れるとともに他端側にも図示せぬブースタのロッドが挿
入される穴部44が形成されており、第4部材24の小
径シリンダ部40に摺動可能に挿入される小径ピストン
部46と、第4部材24の大径シリンダ部41に摺動可
能に挿入される大径ピストン部47とを有している。こ
の大径ピストン部47は、第5部材25にも摺動可能に
挿入されている。
し反対側と、プライマリピストン16の底部15a側す
なわち穴部43側と第3部材23とで囲まれた部分が、
プライマリ側小径液圧室(小径液圧室)49となってい
る。
との間に、穴部50を介してプライマリ側小径液圧室4
9に常時連通する小径液圧室連通流路51が形成されて
いる。
ピストン17との間には、プライマリ側小径液圧室49
と流路33及びポート34との連通を遮断するカップシ
ール53が設けられている。
51より底部15a側と第1部材21との間には、小径
液圧室連通流路51と流路33及びポート34との連通
を常時遮断するOリング54が設けられている。
大径シリンダ部41側とで囲まれた部分が、大径与圧室
56となっている。
部40の径方向の内周面に開口するとともに他端側が大
径与圧室56に常時連通するポート57が形成されてお
り、プライマリピストン16の小径ピストン部46に
は、上記ポート57と穴部43すなわちプライマリ側小
径液圧室49とを連通可能なリリーフポート58が形成
されている。なお、ポート57は、第3部材23と第4
部材24との間の与圧室連通流路59にも常時連通して
いる。
ピストン16の小径ピストン部46との間には、プライ
マリ側小径液圧室49と大径与圧室56側との連通を遮
断可能なカップシール(逆止開閉部)61が設けられて
いる。このカップシール61は、プライマリ側小径液圧
室49の液圧が大径与圧室56の液圧以上の場合にこれ
らの連通を遮断するもので、逆に大径与圧室56の液圧
がプライマリ側液圧室49の液圧より高い場合にはこれ
らを連通可能とする。このカップシール61は、言い換
えれば、段付シリンダ15内を大径ピストン部47側の
大径与圧室56と小径ピストン部46側のプライマリ側
小径液圧室49とに区画するとともに大径与圧室56側
からプライマリ小径液圧室49側へのブレーキ液の流れ
のみを許容するものである。
り底部15aに対し反対側と第1部材21との間には、
小径液圧室連通流路51と大径与圧室56側との連通を
常時遮断するOリング62が設けられている。
トン16との間には、図示せぬブレーキペダル側(図1
における右側)から入力がない初期状態でこれらの間隔
を決めるプライマリ初期位置決機構64が設けられてい
る。このプライマリ初期位置決機構64は、セカンダリ
ピストン17に当接する当接部材65と、プライマリピ
ストン16側に延出するように該当接部材65に固定さ
れた軸部材66と、該軸部材66を所定の範囲で移動可
能に保持するとともにプライマリピストン16の穴部4
3の底に当接する当接部材67と、当接部材65,67
同士を相反方向に付勢するプライマリピストンスプリン
グ68とを有している。
リピストンスプリング68の付勢力で当接部材65,6
7同士を軸部材66で規定される最も離れた位置に位置
させるとき、プライマリピストン16は、初期位置に配
置され、このとき、リリーフポート58をポート57に
連通させており、プライマリ側小径液圧室49を大径与
圧室56に連通させている。
プライマリ側小径液圧室49の液圧が大径与圧室56の
液圧以上の場合に、プライマリピストン16は、そのリ
リーフポート58がカップシール61で閉塞されてポー
ト57との連通が遮断され、プライマリ側小径液圧室4
9と大径与圧室56側との該リリーフポート58を介し
ての連通を遮断することになり、この状態からさらに底
部15a側に移動すると、プライマリ側小径液圧室49
からブレーキ装置にブレーキ液を供給する。なお、リリ
ーフポート58を閉塞させた状態であっても大径与圧室
56の液圧がプライマリ側小径液圧室49の液圧以上の
ときは、カップシール61を介して大径与圧室56のブ
レーキ液がプライマリ側小径液圧室49に流れるように
なっている。
第1部材21の流路70を介してリザーバ12に常時連
通する大気圧の液補給室71を形成している。この第4
部材24の液補給室71より底部15a側と第1部材2
1との間には、大径側与圧室56と液補給室71との連
通を常時遮断するOリング72が設けられている。
る内周面に開口するとともに他端側が液補給室71に常
時連通するポート74が形成されており、プライマリピ
ストン16には、一端側が大径ピストン部47の径方向
における外周面に開口することでポート74すなわち液
補給室71に連通可能であるとともに他端側が大径ピス
トン部47と小径ピストン部46との境界の段部75す
なわち大径与圧室56に常時連通するリリーフポート7
6が形成されている。
ピストン16の大径ピストン部47との間には、大径与
圧室56と液補給室71との連通を遮断可能なカップシ
ール78が設けられている。このカップシール78は、
大径与圧室56の液圧が液補給室71の液圧以上の場合
にこれらの連通を遮断するもので、逆に液補給室71の
液圧が大径与圧室56の液圧より高い場合にはこれらを
連通させて液補給を行う。
16は、リリーフポート76をポート74に連通させて
おり、大径与圧室56を液補給室71に連通させてい
る。そして、プライマリピストン16が、初期状態から
底部15a側すなわちプライマリ側小径液圧室49側に
摺動すると、大径与圧室56側の液圧が液補給室71の
液圧以上の場合、そのリリーフポート76がカップシー
ル78で閉塞されてポート74との連通が遮断され、大
径与圧室56と液補給室71との該リリーフポート76
を介しての連通を遮断することになり、さらにプライマ
リ側小径液圧室49側に摺動すると、プライマリピスト
ン16は大径ピストン部47が大径与圧室56の体積を
減少させることで、大径与圧室56の液圧を高め、該大
径与圧室56とプライマリ側小径液圧室49との間に設
けられたカップシール61を開いて、大径与圧室56側
からプライマリ側小径液圧室49へ液補給を行うことに
なる。
ピストン16の大径ピストン部47との間には、カップ
シール79が設けられ、第1部材21と第6部材26と
の間にはOリング80が設けられている。
は、液流通抵抗を抑えるためすべて直径がφ2と大きく
されかつそれぞれ数箇所設けられている。また、セカン
ダリピストン17のリリーフポート35近傍のカップシ
ール36と接触する周囲部分、およびプライマリピスト
ン16のリリーフポート76近傍のカップシール78と
接触する周囲部分には、本出願人が先に出願を行った特
願平10−294502号に記載されたテーパ面が形成
されている。これらにより、トラクションコントロール
装置と組み合わせ、該トラクションコントロール装置が
プライマリ側小径液圧室49およびセカンダリ側小径液
圧室32から強制的にブレーキ液を吸入する際に、ブレ
ーキ液をトラクションコントロール装置に大きな流量で
流すことができるようになっている。
に、小径液圧室連通流路51を介してプライマリ側小径
液圧室49に常時連通する小径液圧室連通ポート82
と、与圧室連通流路59を介して大径与圧室56に常時
連通する与圧室連通ポート83と、液補給室71に常時
連通する液補給室連通ポート84とが形成されており、
これらポート82,83,84には、それぞれ外部配管
からなる連結流路85a〜85cを介して該マスタシリ
ンダ本体11とは別体の制御弁86が連結されている。
ダ本体87と、該バルブシリンダ本体87内に摺動可能
に嵌合されるバルブピストン88と、該バルブピストン
88の一端側に設けられて該バルブピストン88をバル
ブシリンダ本体87の底部87a方向に押圧するバルブ
スプリング89と、バルブシリンダ本体87の開口側を
閉塞させるとともにバルブピストン88との間にバルブ
スプリング89を保持する蓋部材90と、バルブシリン
ダ本体87に蓋部材90を固定するCリング91とを有
している。なお、バルブシリンダ本体87と蓋部材90
とでバルブシリンダ92が構成されている。
93が形成され、該第1軸部93に隣り合ってこれより
大径の第2軸部94が形成され、また、該第2軸部94
に隣り合ってこれより小径の第3軸部95が形成され、
さらに、該第3軸部95に隣り合って第2軸部94より
大径の第4軸部96が形成され、最後に、該第4軸部9
6に隣り合ってこれより小径でバルブスプリング89内
に挿入される第5軸部97が形成されている。そして、
第1軸部93の先端にはシール部材99が設けられてい
る。また、第2軸部94と第4軸部96とには、バルブ
シリンダ本体87の内面との隙間を常時シールする2つ
のOリング(リングシール)100,101が設けられ
ている。
は、バルブピストン88のシール部材99で開閉される
ポート102が形成されており、該ポート102が連結
流路(大径与圧室56に連通された流路)85bを介し
て与圧室連通ポート83に連通されている。また、バル
ブシリンダ本体87の側部87bの底部87a側には、
バルブシリンダ本体87、バルブピストン88のバルブ
スプリング89に対し反対側外周を形成する第1軸部9
3、第2軸部94およびシール部材100で囲まれた液
室(リリーフ室)104に常時連通するポート105が
形成されており、該ポート105が連結流路85cを介
して液補給室連通ポート84に連通されている。さら
に、バルブシリンダ本体87の側部87bには、バルブ
シリンダ本体87、バルブピストン88の第2軸部9
4、第3軸部95、第4軸部96、シール部材100お
よびシール部材101で囲まれた液室(小径液圧室49
とバルブシリンダ92とが連通する流路)106に常時
連通するポート107が形成されており、該ポート10
7が連結流路(小径液圧室49とバルブシリンダ92と
が連通する流路)85aを介して小径液圧室連通ポート
82に連通されている。ここで、バルブピストン88の
シール部材99とバルブシリンダ本体87のポート10
2とが、液室104と大径与圧室56に連通された連結
流路85bとの間を連通遮断する開閉弁機構108を構
成している。
8を、ポート102に導入される大径与圧室56の液圧
と液室106に導入されるプライマリ側小径液圧室49
の液圧とバルブスプリング89の付勢力でバランスさせ
る。このときのバランスは次式で表される。
01によるシール断面積をA1、Oリング100による
シール断面積をA2(ただし、A2<A1)、シール部
材99によるシール断面積をA3とし、プライマリ側小
径液圧室49の液圧をPa、大径与圧室56の液圧をP
b、バルブスプリング89のセット荷重をFとすると、 Pa×(A1−A2)+Pb×A3=F となる。
6の液圧が上昇を開始すると(p1点)、プライマリ側
小径液圧室49もカップシール61が開かれることで該
大径与圧室56の液圧と同圧で上昇する(p1点〜p2
点)。そして、Pa×(A1−A2)+Pb×A3>F
となると(p2点。この点の液圧を与圧室解除液圧と称
す)、制御弁86のバルブピストン88がバルブスプリ
ング89の付勢力に抗して微小に移動してポート102
を微小に開き、大径与圧室56の液圧解除を開始させ
る。このとき、Pa×(A1−A2)+Pb×A3=F
の式を満足させるようにプライマリ側小径液圧室49の
液圧Paの上昇に応じて徐々に大径与圧室56の液圧P
bが下がるように、言い換えれば、プライマリ側小径液
圧室49の液圧上昇に相関して大径与圧室56の液圧P
bが低下するように、大径与圧室56の液圧Pbを液補
給室71を介してリザーバ12側に逃がすことになる
(p2点〜p3点)。
を比較的速い速度で踏圧する操作時においては、ブレー
キブースタからの入力はリニアに上昇することになり、
プライマリ側小径液圧室49の液圧Paは一定割合で上
昇することになるため、制御弁86は、大径与圧室56
の液圧Pbを設定した勾配に沿って徐々に低下するよう
にリザーバ12側に逃がすことになる。この勾配は任意
に設定可能であり、車両に合わせたチューニングが可能
である。
大気圧になると(p3点以降)、バランス式は、 Pa×(A1−A2)>F となり、制御弁86は開状態が維持されるため、プライ
マリ側小径液圧室49のみでブレーキ液圧を制御するこ
とになる。
の作動について説明する。ブレーキペダルに連結された
ブースタのロッドによりプライマリピストン16が底部
15a方向に押されると、プライマリピストンスプリン
グ68を介してセカンダリピストン17も同時に移動す
る。そして、プライマリピストン16のリリーフポート
58がカップシール61により閉じられた時点で大径与
圧室56が液圧を上昇させ、セカンダリピストン17の
リリーフポート35がカップシール36により閉じられ
た時点でセカンダリ側小径液圧室32が液圧を上昇させ
る。プライマリ側小径液圧室49については、リリーフ
ポート58,76のいずれか一方が閉じた時点で液圧を
上昇させることになる(設計上は、リリーフポート5
8,76は同時に閉じられるようになっているが、寸法
バラツキ等により前後することがある)。
小径液圧室49については、プライマリピストン16の
ストローク量×(大径与圧室56の外径−プライマリ側
小径液圧室49の外径)分の液量が、カップシール61
を押し開いて大径与圧室56からプライマリ側小径液圧
室49に送り込まれ、ストローク初期の無効液量分(主
にキャリパロールバック分)を補う。その後、プライマ
リ側小径液圧室49の小径化に伴う液量不足を補うた
め、大径与圧室56からプライマリ側小径液圧室49に
ブレーキ液が送り込まれつつ、大径与圧室56とプライ
マリ側小径液圧室49とが同圧で与圧室解除液圧まで上
昇する(p1点〜p2点)。
制御弁86が大径与圧室56の液圧を解除する。このと
き、制御弁86は、上記したようにプライマリ側小径液
圧室49の液圧Paの上昇に応じて徐々に大径与圧室5
6の液圧Pbが下がるように、大径与圧室56の液圧P
bを液補給室71を介してリザーバ12側に逃がすこと
になる(p2点〜p3点)。
大気圧になると、制御弁86は開状態が維持され、プラ
イマリ側小径液圧室49のみでブレーキ液圧を制御する
ことになる。
上昇させた大径与圧室56の液圧を、プライマリ側小径
液圧室49の液圧上昇に応じて徐々に低下させるように
リザーバ12側に逃がすことが可能な制御弁86を有す
るため、段付のプライマリピストン16のプライマリ側
小径液圧室49側への摺動による大径与圧室56の体積
減少によりカップシール61を開いて大径与圧室56側
からプライマリ側小径液圧室49側へ液補給すなわちフ
ァーストフィルを行い、大径与圧室56の液圧が上昇す
ると制御弁86が大径与圧室56の液圧を、プライマリ
側小径液圧室49の液圧上昇に応じて徐々に低下させる
ようにリザーバ12に逃がすことになる。
りペダルストロークを短縮可能であるとともに、大径与
圧室56の液圧を解除する際に、大径与圧室56の液圧
が一気に下がることなく徐々に低下するため、ペダル反
力が一気に下がることがなく、ペダル踏力が伴わずにペ
ダルストロークが伸びてプライマリ側小径液圧室49側
に移動することが防止され、その結果、軽く踏み抜けた
ような感じで車速のみが減少するといったペダルフィー
リング上の違和感を低減できる。
ロークに対する液圧上昇の特性を見てみると、上記第1
実施形態は、ストレートタイプのマスタシリンダに対し
大径でありストローク短縮が可能な大径与圧室56と、
ストレートタイプのマスタシリンダに対し小径でありス
トロークが伸びるプライマリ側小径液圧室49とを組み
合わせて使用することで、結果として、図4にX1で示
すように、ストレートタイプで設定した場合(図4にX
2で示す)に対し同じ液圧を発生させるのに必要なペダ
ルストロークを短くできる。
圧室56のみのストレートタイプとした場合の特性を、
図4にX4で示すものは、プライマリ側小径液圧室49
のみのストレートタイプとした場合の特性を、それぞれ
示しており、また、Aは、第1実施形態のマスタシリン
ダの、ストレートタイプで設定した場合のマスタシリン
ダに対するペダルストロークの短縮量を、Bは、小径の
みのストレートタイプとした場合に対するペダルストロ
ークの短縮量をそれぞれ示している。
室56の液圧を解除する際に大径与圧室56の液圧が一
気に下がってしまうことで、図5(a)にY1で示すよ
うにペダル踏力を伴わずに液圧が上昇してしまうことに
なるが、第1実施形態のマスタシリンダでは、制御弁8
6を設けることで、大径与圧室56の液圧が徐々に低下
するため、ペダル反力が一気に下がることがなく、図5
(b)にY2で示すようにペダル踏力が伴って液圧が上
昇することになり、その結果、軽く踏み抜けたような感
じで車速のみが減少するといったペダルフィーリング上
の違和感を低減できるのである。
定した場合のマスタシリンダと同一で使うため、小径と
同サイズのロングストロークタイプのマスタシリンダに
対しペダル比分の発生液圧の向上が可能となる。
ダでは、マスタシリンダ本体11に対し制御弁86を別
体に設ける場合を例にとり説明したが、図6に示すよう
に、マスタシリンダ本体11の例えば第1部材21内に
連結管体85a〜85cとともに制御弁86を一体に設
けることも可能である。この場合、同軸に配置されるプ
ライマリピストン16およびセカンダリピストン17に
対し、制御弁86のバルブピストン88の軸を並列にし
かも軸方向に重ね合わせて配置しており、マスタシリン
ダの軸方向長の増大を防止している。
ンダでは、段付シリンダ15内を大径ピストン部47側
の大径与圧室56と小径ピストン部46側のプライマリ
側小径液圧室49とに区画し、かつ大径与圧室56から
プライマリ側小径液圧室49へのブレーキ流の流れのみ
を許容するカップシール61を設けた例について説明し
たが、これに限られることなく、カップシール61に替
わってシール性のある逆止弁(逆止開閉部)を設けても
良い。
ンダを主に図7を参照して、第1実施形態との相違部分
を中心に以下に説明する。なお、第1実施形態と同様の
部分には同一の符号を付しその説明は略す。
は、第1実施形態に対し制御弁86の構成が相違してい
る。すなわち、第2実施形態の制御弁86のバルブピス
トン88には、第1軸部93の外径側すなわち液室10
4に一端側が開口するとともに、他端側が第5軸部97
の端面に開口する絞り通路110が形成されている。
90は、バルブシリンダ本体87に螺合されており、こ
れらの間にはこれらの隙間をシールするOリング(リン
グシール)111が設けられている。これにより、バル
ブシリンダ92と、バルブピストン88の液室104に
対し反対側との間が、バルブスプリング89が配置され
るダンパ室112となっている。このダンパ室112は
絞り通路110を介して液室104に連通している(言
い換えれば、絞り通路110は液室104に対し反対と
なる他端側がダンパ室112に開口している)。
の作動について説明する。ブレーキペダルに連結された
ブースタのロッドによりプライマリピストン16が底部
15a方向に押されると、大径与圧室56とプライマリ
側小径液圧室49とが与圧室解除液圧まで上昇するまで
(図3に示すp1点〜p2点)、第1実施形態と同様に
作動する。
制御弁86が大径与圧室56の液圧を解除する。このと
き、制御弁86は、第1実施例とほぼ同様にプライマリ
側小径液圧室49の液圧Paの上昇に応じて徐々に大径
与圧室56の液圧Pbが下がるように、大径与圧室56
の液圧Pbを液補給室71を介してリザーバ12側に逃
がすことになる(図3に示すp2点〜p3点)。
速で微小振動することによりポート102を微小開閉し
て、連結流路85bを介して導入される大径与圧室56
の液圧Pbを液室104から連結流路85c、さらには
液補給室71を介してリザーバ12側に逃がすことにな
るが、絞り通路110を介してダンパ室112と液室1
04とが連通しているため、バルブピストン88が高速
で微小振動すると、ダンパ室112の容積が微小増減を
繰り返すことになり、その結果、絞り通路110を介し
てダンパ室112と液室104との間でブレーキ液が行
き来することになり、この絞り通路110が液流通抵抗
となってダンパ効果が得られる。その結果、バルブピス
トン88の高速の微小振動を減衰させることになり、バ
ルブピストン88の高速の微小振動による異音の発生を
防止できる。
抵抗は、通常の作動速度では作動の障害とならない程度
であり、かつバルブピストン88が異音を生じるような
上記高速の微小振動には追従できない程度に設定されて
おり、結果的にバルブピストン88の高速の微小振動を
減衰させる。
大気圧になると、第1実施形態と同様、制御弁86は開
状態が維持され、プライマリ側小径液圧室49のみでブ
レーキ液圧を制御することになる。
リンダによれば、大径与圧室の液圧を、小径液圧室の液
圧上昇に応じて徐々に低下させるようにリザーバ側に逃
がすことが可能な制御弁を有するため、段付ピストンの
小径液圧室側への摺動による大径与圧室の体積減少によ
り逆止開閉部を開いて大径与圧室側から小径液圧室側へ
液補給すなわちファーストフィルを行い、大径与圧室の
液圧が上昇すると制御弁が大径与圧室の液圧を、小径液
圧室の液圧上昇に応じて徐々に低下させるようにリザー
バに逃がすことになる。
りペダルストロークを短縮可能であるとともに、大径与
圧室の液圧を解除する際に、大径与圧室の液圧が一気に
下がることなく徐々に低下するため、ペダル反力が一気
に下がることがなく、ペダル踏力が伴わずにペダルスト
ロークが伸びて小径液圧室側に移動することが防止さ
れ、その結果、軽く踏み抜けたような感じで車速のみが
減少するといったペダルフィーリング上の違和感を低減
できる。また、ペダルによる昇圧速度の影響を受けない
ため、どのような昇圧動作時にも安定してファーストフ
ィルを行うことができる。
介してダンパ室とリリーフ室とを連通させることによ
り、開閉弁機構のバルブピストンが大径与圧室の液圧を
小径液圧室の液圧上昇に応じて徐々に低下させるように
リザーバ側に逃がす際に高速で微小振動すると、ダンパ
室の容積が微小増減を繰り返すことになり、その結果、
通路を介してダンパ室とリリーフ室との間でブレーキ液
が行き来することになり、この通路が液流通抵抗となっ
てダンパ効果が得られる。したがって、バルブピストン
の微小振動を減衰させることになり、バルブピストンの
高速の微小振動による異音の発生を防止できる。
成を示す側断面図である。
御弁のバルブピストンのシール部分の断面積を示す断面
図である。
ライマリ側小径液圧室の液圧と大径与圧室の液圧との関
係を示す特性線図である。
ダルストロークと液圧との関係を示す特性線図である。
の関係を示す特性線図(a)と、本発明の第1実施形態
のマスタシリンダのペダル踏力と液圧との関係を示す特
性線図(b)である。
成を示す変形例の複数の断面をとった断面図である。
御弁を示す断面図である。
通する流路) 85b 連結流路(大径与圧室に連通された流路) 86 制御弁 88 バルブピストン 89 バルブスプリング 92 バルブシリンダ 100,101 Oリング(リングシール) 104 液室(リリーフ室) 106 液室(小径液圧室とバルブシリンダとが連通す
る流路) 108 開閉弁機構 110 絞り通路 112 ダンパ室
Claims (4)
- 【請求項1】 大径シリンダ部および小径シリンダ部を
有する段付シリンダと、 該段付シリンダの前記大径シリンダ部内に摺動可能に挿
入される大径ピストン部および前記小径シリンダ部内に
摺動可能に挿入される小径ピストン部を有する段付ピス
トンと、 前記段付シリンダ内を前記大径ピストン部側の大径与圧
室と前記小径ピストン部側の小径液圧室とに区画すると
ともに前記大径与圧室側から前記小径液圧室側へのブレ
ーキ液の流れのみを許容する逆止開閉部とを備え、 前記段付ピストンの前記小径液圧室側への摺動による前
記大径与圧室の体積減少により前記逆止開閉部を開いて
前記大径与圧室側から前記小径液圧室側へ液補給を行う
マスタシリンダにおいて、 前記大径与圧室の液圧を、小径液圧室の液圧上昇に応じ
て徐々に低下させるようにリザーバ側に逃がす制御弁を
有することを特徴とするマスタシリンダ。 - 【請求項2】 前記制御弁は、バルブシリンダ内にバル
ブピストンと該バルブピストンを付勢するバルブスプリ
ングとを有しており、前記バルブピストンは、前記小径
液圧室の液圧により生じる推進力と前記大径与圧室の液
圧により生じる推進力とを加算した力が前記バルブスプ
リングによる付勢力を越えると、前記大径与圧室の液圧
を逃がすことを特徴とする請求項1記載のマスタシリン
ダ。 - 【請求項3】 前記制御弁は、前記バルブピストンの外
周に少なくとも2つのリングシールが設けられ、該2つ
のリングシール間に前記小径液圧室とバルブシリンダと
が連通する流路が位置し、前記バルブピストンの一端側
に前記バルブスプリングが設けられるとともに、前記バ
ルブピストンの他端側外周に前記リザーバと連通するリ
リーフ室が設けられ、該リリーフ室と前記大径与圧室に
連通された流路との間を連通遮断する開閉弁機構を有し
ていることを特徴とする請求項2記載のマスタシリン
ダ。 - 【請求項4】 前記バルブピストンには、一端側が前記
リリーフ室に開口するとともに、他端側が前記バルブシ
リンダと前記バルブピストンの前記リリーフ室に対し反
対側との間のダンパ室に開口する通路が形成されている
ことを特徴とする請求項3記載のマスタシリンダ。
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