JP2002320503A - 防滑性靴底部材 - Google Patents

防滑性靴底部材

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JP2002320503A JP2001126896A JP2001126896A JP2002320503A JP 2002320503 A JP2002320503 A JP 2002320503A JP 2001126896 A JP2001126896 A JP 2001126896A JP 2001126896 A JP2001126896 A JP 2001126896A JP 2002320503 A JP2002320503 A JP 2002320503A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔性及び吸湿性、接地クッション性を有す
るコルク粉粒体を靴底用ゴム生地に混入した防滑性の優
れた靴底部材を提供する。 【解決手段】 天然ゴムと合成ゴムを配合した未加硫ゴ
ムにコルク粉粒体を混入し加熱加圧し加硫した靴底部
材、或いは厚層の上底成形用および薄層の接地底成形用
の未加硫ゴムを加硫一体化し、該接地底成形用の未加硫
ゴムにコルク粉粒体を混入した靴底部材とし、成形後に
底接地面にバフ処理を施した構成とする。 【効果】 コルク粉粒体は多孔質で吸放湿の特性及び他
の吸水性材料の如く飽和状態で防滑機能が失われず氷雪
面等の水膜を除去でき、適度なクッション性では接地面
積を増やし優れた防滑性を発揮する。またコルク粉粒体
は副生的な余剰、廃棄材等を再利用として活用でき、ゴ
ムとのなじみもよく前処理も不要である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防滑性靴底部材に関し、
さらに詳しくは多孔性を備え吸湿性を有し、かつ吸水性
が低く接地クッション性並びに氷雪面等での水膜破壊作
用を備えたコルク粉粒体をゴム生地に混入した凍結面等
で優れた防滑性を発揮する靴底部材に関する。
【0002】
【従来の技術】靴はトータルフアッションの一部として
認識されてきているが、従来、紳士用、婦人用に用いら
れる靴底材としては、天然ゴム、合成ゴム等を適宜割合
に配合した主成分に充填剤等を添加、混練りした後、加
熱、加圧して靴底材としたものが一般的に用いられてい
る。また、従来より濡れた路面や食品厨房等で滑り易い
問題があるが、近年、特に寒冷地での氷雪面や凍結面で
滑り防止を図った防滑性の高い靴底が要望されている。
この為、例えば寒冷地での氷雪面又は凍結面での転倒等
を防止の為防滑性を備えた靴底が種々提案されてきてい
る。特に我が国においては、高齢化の傾向が顕著で、高
齢者において歩行時において滑る現象に対して恐怖感が
強い等、防滑性靴底材が要望されているが、特に寒冷地
での氷雪面、凍結面などにおける防滑性が劣る問題はま
だ解決されておらず、防滑性を図った靴底部材、加えて
接地クッション性等を兼ね備え、これらを充足する靴底
部材からなる防滑性の高い靴製品が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の防滑性靴底につ
いては、靴底接地面側に靴底用防滑体の取り付け又は底
面意匠の工夫等の他、またガラス繊維やクルミ、椰子等
の殻、或いは金属スパイク等を混合して防滑性を図った
提案が主流となっている。例えば、特開平7−7980
3号でのエポキシ化天然ゴム中に防滑要素として混入す
る高硬度粒子の粒径が大きすぎて、フロアなどの床面を
傷付けるという欠点がある。実開昭62−21904号
公報には、ガラス繊維を未加硫ゴムに混合し、これを圧
延し靴底の接地面に対して直角に配列した靴底が提案さ
れているが、防滑片の成形が煩雑で、防滑片を靴底に埋
め込み成形する為コストアップを避けられず、更にガラ
ス繊維のモ−ス硬度が高く硬質である為、タイル、大理
石等の床面を傷つけ易い欠点があった。また、従来より
靴底面に多数の独立した突起成形凹部を有する靴底成形
金型に、ガラス繊維等の硬質繊維を混入した未加硫ゴム
生地を加熱加圧し、靴底と一体化された突起を有する靴
底の成形法も一般に知られているが、該硬質繊維の方向
性が定まらず不規則に散在される為、突起中に分散され
た硬質繊維による靴底の防滑性は殆ど期待できない難点
があった。
【0004】以上のように、従来の技術では、金属製或
いは合成樹脂スパイクの装着では、耳障りな音がして、
他人にも不快感を与える蓋然性があり、アイスバ−ン等
の硬い表面ではかえって滑り易く、スパイクを取り付け
たまま屋内に入れば床面を傷つけ、衝撃吸収性が悪く履
き心地が悪い問題点があった。また、金属製スパイクの
代替素材の使用として、ノルボ−ネンゴムの場合、ガラ
ス転移点以下ではスパイクと同じで、アイスバ−ンでは
かえって滑り易く、温度によるクッション性等の物性変
化を避けられない。さらにガラス繊維等の繊維材では、
吸水性を有する繊維材では、吸水性の効果を期待できて
も飽和後は吸収しないし、氷雪面等では吸水後に再度凍
結する虞れがある。また、これら繊維材を接地面に向け
て配向させる必要があり、製造上の煩雑性ならびにコス
トアップにつながる難点がある。次に、靴底意匠の改良
では、接地面積の増加による効果が期待されるが、使用
時間経過により意匠面が摩耗すること、並びに均一な摩
耗はなく、定常的な効果に問題があった。
【0005】特許第2927591号公報には、吸水性
の種子の殻、果実の核及び皮革の粉砕物の一種をジエン
系ゴムに配合して、防滑作用と耐摩耗性を確保した履き
物の底用ゴム組成物が開示されており、水で濡れた場
所、積雪した場所又は氷結した場所で履かれる履き物の
大底に使用されるゴム組成物の改良である。また、特開
平8−41442号公報には、砂、セラミック粒、繊維
強化樹脂、卵殻、クルミ片等の硬質微小部材と適度なゴ
ム材とシリコン系樹脂とを混合して成る部材により形成
した滑り防止部材が開示されている。しかしながら、上
記提案では、例えば種子の殻としてクルミの殻が用いら
れているが、該クルミの殻の本来の属性にかんがみ、例
えば氷雪面や凍結面での防滑性の重要な要因として、こ
れら表面に形成された「水膜」を取り除くことが最重要
な手段である確立された理論について検討すれば、該ク
ルミの殻の場合、請求項1の冒頭にも「吸水性の」の明
示の記載にみられるが、これを水膜の除去にみるかぎ
り、飽和に達すると吸水効果により得られる水膜との密
着性がそれ以上得られず、従って当然ながら防滑機能が
喪失する、つまり吸水部分が凍結すると靴底材の物性を
低下させる難点があり、少なくとも氷雪面や凍結面での
すぐれた防滑性を期待することは困難である。さらに上
記提案では、ゴムとのなじみをよくする為に前処理が必
要である為工程が煩雑となり、また、原材料も持つ物性
が一部低下することは避けられない等の欠点があった。
【0006】本発明は、上記の問題点にかんがみ、少な
くとも天然ゴムと合成ゴムを配合した主成分からなる未
加硫と合成ゴム生地を加熱加圧し加硫してなる防滑性靴
底部材において、該未加硫ゴム生地にコルク粉粒体を混
入させてなる防滑性靴底部材、および少なくとも天然ゴ
ムと合成ゴムを配合した主成分からなる厚層の上底成形
用の未加硫ゴム生地と薄層の接地底成形用の未加硫ゴム
生地を加熱加圧して加硫一体化してなる防滑性靴底部材
において、前記接地底成形用の未加硫ゴム生地にコルク
粉粒体を混入させてなる防滑性靴底部材を提供し、前記
欠点を克服することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の防滑性靴底部材
は、少なくとも天然ゴムと合成ゴムを配合した主成分か
らなる未加硫ゴム生地を加熱加圧し加硫してなる防滑性
靴底部材において、前記ゴム生地にコルク粉粒体を混入
させてなる防滑性靴底部材、および少なくとも天然ゴム
と合成ゴムを配合した主成分からなる厚層の上底成形用
の未加硫ゴム生地と薄層の接地底成形用の未加硫ゴム生
地を加熱加圧して加硫一体化してなる防滑性靴底部材に
おいて、前記接地底成形用の未加硫ゴム生地にコルク粉
粒体を混入させてなる防滑性靴底部材である。また、前
記ゴム生地100重量部に対して、平均粒径が0.5〜
3.0mmのコルク粉粒体を3〜30重量部を混入させ
てなる請求項1〜2記載の防滑性靴底部材。また前記天
然ゴムと合成ゴムの配合割合が50〜70:50〜30
重量部であるゴム生地からなる請求項1〜3記載の防滑
性靴底部材。さらに、前記ゴム生地が、天然ゴム、イソ
プレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、ブチルゴム等の1種又は2種以
上より選ばれたものである請求項1〜4記載の防滑性靴
底部材。また前記防滑性靴底部材の接地底の領域には、
少なくとも複数の突起成形凸部並びに凹溝が互いに並行
或いは略直角状に交差配設されてなる請求項1〜5記載
の防滑性靴底部材。また前記防滑性靴底部材の成形後の
接地外底部の少なくとも一部にバフ処理加工施してなる
請求項1〜6記載の防滑性靴底部材である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は上記目的を達成するため
に、本発明者等は、特に寒冷地での氷雪面または凍結面
等での防滑性の改善について検討のところ、防滑性能を
改善するためには、氷雪または凍結面での水膜を取り除
く、接地面積を増やす、アイスバ−ンでの引っ掛かりを
増やすこと等が要求されるが、従来品の靴底部材では、
底意匠の工夫、ガラス繊維またはクルミ、椰子等の種子
の殻、アイスセンサ−、金属スパイク等を混ぜて効果を
出すといった提案の範囲であり、特に上記氷雪または凍
結面での水膜を取り除く為の改善についてはせいぜい靴
底接地面に例えば溝を設ける程度のため不十分であり、
防滑性の改善には、少なくとも氷雪面等の水膜を取り除
くことが最も重要であるにも拘わらず、決め手といえる
改善手段がみられないのが現状であった。
【0009】発明者等は、氷雪面等の路面はなぜ滑るの
かの課題では、氷の上にあるミクロの水膜の存在と因果
関係があることが究明されているが、防滑性能の改善に
は上記のとおり、まず水膜を取り除くことが最も重要で
あり、さらに接地面積を増やす等とも併せ、防滑性の改
善のため手段として必要である。しかしながら、従来の
防滑性靴底の提案には限界があり十分な結果を得難い点
の改善を図るため、上記のような条件を充足する材料を
探索し、多孔質でかつ吸水性が低く、氷雪面等での水膜
除去に適すると共に、ゴムとのなじみもよく前処理の必
要もない、また、温度による物性変化が小さく断熱性を
有し長期にわたる防滑性の定常的効果が維持でき、適度
なクッション性を持ち、接地面積が大きくなりホ−ルド
性を高める等の諸特性を備えたコルク材の使用を見だし
た。即ち、種子殻等での吸水性と違って、コルク材は吸
水性が低く、いわゆる呼吸する吸放湿の特性に着目し氷
雪面等での水膜除去の解決手段とする知見を得るに至っ
た。この様に、本発明者等は上記問題点の氷雪面等での
水膜層の除去につき種々検討の結果、接地面にミクロの
気孔があるものを採択することにより、ミクロの水が気
孔に入り靴底接地時に水膜層を除去することにより防滑
性の改善を図り得ることに想到した。しかし例えばゴム
又は樹脂の発泡品を靴底に採択することで仮に同等な効
果を期待できても反復履用時での摩耗強度の条件を克服
困難である。そこで、本発明者等は少なくとも靴底ゴム
組成物に混入可能な各種の防滑材料を検討の上、JIS
K7125−1987法に準拠し、氷面及び非イオン
界面活性剤(0.05%溶液)での動摩擦係数試験の結
果、コルク粉粒体をベ−スゴム基材に混入したものが防
滑性の改善に優れた効果を発揮するとの結論に達した。
この為、コルク粉粒体をベ−スゴム基材に練り混みによ
り防滑性改善と靴底接地面での物性及び挙動を探索した
結果、所定量かつ所望粉粒径のコルク粉粒体の練り込
み、並びに練り込み後の靴底成形品の表面にバフ研磨加
工を施すことにより防滑性改善のための解決手段として
所期の目的を達成するに至った。
【0010】本発明に係る防滑性靴底部材の構成では、
上記の目的を達成する為に、以下に述べる技術的手段を
講じたものである。即ち本発明の防滑性靴底部材は、少
なくとも天然ゴムと合成ゴムを配合した主成分からなる
未加硫ゴム生地を加熱加圧し加硫してなる防滑性靴底部
材において、該未加硫ゴム生地にコルク粉粒体を混入さ
せてなる防滑性靴底部材、及び少なくとも天然ゴムと合
成ゴムを配合した主成分からなる厚層の合成上底成形用
の未加硫ゴム生地と薄層の接地底成形用の未加硫ゴム生
地を加熱加圧して加硫一体化してなる防滑性靴底部材に
おいて、前記接地底成形用の未加硫ゴム生地にコルク粉
粒体を混入させてなる防滑性靴底部材であり、前記ゴム
生地100重量部に対し、平均粒径が0.5〜3.0m
mのコルク粉粒体を3〜30重量部を混入させてなる防
滑性靴底部材である。さらに、少なくとも防滑性靴底部
材の接地底の領域には、複数の突起成形凸部並びに凹溝
が互いに並行或いは略直角状に交差配設された構成、ま
たこれら複数の突起成形凸部並びに凹溝は相互に通じる
ように刻設した構成、或いは接地底での接地面側パタ−
ンと平面側パタ−ンに広狭の幅差を設け、例えば広幅の
凹溝で氷雪面での緩んだ雪や泥をしっかりと掴み雪離れ
や泥離れにもすぐれ、ゆるい雪道での防滑効果に寄与
し、上記の氷雪面等での水膜除去と相俟って相乗効果を
発揮し得るように働く。
【0011】本発明で防滑性材料として配合するコルク
粉粒体は、地中海沿岸に生育するコルク樫の樹皮で、樹
齢約20年で最初の剥皮を行い、以後9年周期で樹皮を
剥ぎ、樹齢約250年といわれ森林資源を枯渇させるこ
とのない天産物といわれる。コルクの構造は6角柱の細
胞が煉瓦を積むように交互になっており、低級脂肪酸を
結合材とした細胞質でできており、1立法cm当たり2
000万〜4000万個の小さな細胞からなり、細胞の
中は空気と殆ど同じ気体で満たされているといわる。そ
の為、軽くて弾力性がある、摩擦係数が高い、液体に対
して不浸透性である、質感,感触がよい、腐りにくい等
の特長を備えている。
【0012】本発明において、天然ゴムと合成ゴムを配
合した未加硫化ゴム生地にコルク粉粒体を混入したこと
を特徴とし、防滑性を発揮させるためには、該コルク粉
粒体の平均粒径は、0.5〜3.0mmの範囲が適当で
ある。粒径分布を0.5〜3.0mmとした理由は、粒
径が0.5mm未満では滑り防止効果を発揮せず、また
粒径が3.0mmを超えると軽く弾力性があるとはいえ
露出コルクの破砕や破断が生じ易く、得られる防滑性が
低下するきらいがある。より好ましくは、1.0〜2.
0mmの範囲が平均粒径として適当である。また、前記
コルク粉粒体を3〜30重量部を混入させる理由は、3
重量部未満では十分な防滑効果が得られず、一方、30
重量部を超えるとゴム生地を加熱加圧し加硫成形後の底
部材の機械的性質が低下して該粉粒体を保持する機能が
低下し、成形後での氷雪面等に対する食い込み量が小さ
くなる虞れがあると推定される。より好ましくは、5〜
20重量部の範囲が混入量として適当である。
【0013】本発明に使用される靴底部材用の未加硫ゴ
ム生地組成物は、通常靴底に使用されるゴムであって、
例えば天然ゴムや、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、
スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチル
ゴム等の1種又は2種以上より選ばれたものを主成分と
する未加硫ゴムである。
【0014】本発明において、前記コルク粉粒体をゴム
生地組成物に練り混んだ構成ではコルク粉粒体は該ゴム
生地組成物に分散状態であるが、加熱加圧成形後の表面
は一般に平滑であるため防滑性を発揮させるためには加
熱加圧成形後に、表面層の少なくとも一部をバフ研磨等
の機械加工により粗面処理を施すことが必であり、その
加工面を靴底接地面とした構成とする。このように、成
形後に接地底の表面をバフして接地面に該コルク粉粒体
を露出させ、本発明に係る防滑性靴底部材において防滑
性を発揮することができる。
【0015】上記のごとく本発明では、靴底用ゴム生地
組成物に対しコルクを粉粒体を混入し、加圧成型後に表
面にバフ加工を施した構成とするが、(1)該コルク粉
粒体が温度による物性変化が少なく、長期間にわたり防
滑性を発揮かつ維持でき定常的に防滑効果が期待できる
最適なものとして、コルク材に想到し採択した。(2)
コルク材は多孔質で、吸湿性があるが吸水性は殆どない
が、この点について、吸水性材料が一般に飽和状態に達
すると、吸水効果により得られる水膜との密着性がもう
得られず、ひいては防滑機能が失われる。また吸水部が
凍結すると靴底材の物性を低下させるが、コルク材では
吸水性が低く、本来のすぐれた吸湿性を遺憾なく発揮で
きる。つまり吸水性が低く飽和状態で防滑機能が喪失す
る現象を回避し、氷雪面等での水膜を除去の妨げとなら
ない。(3)接地面積を増やし、優れた防滑性を発揮
し、また適度なクッション性を備え、フロア等を傷つけ
る虞れもない。(4)また、該コルク粉粒体は副生的な
余剰、廃棄材等を再利用として活用でき、ゴムとのなじ
みもよく前処理も不要で、製造上も工業的有利に容易に
成形できる構成である。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る代表的な靴底部材の構成
について説明する為、本発明の実施例および比較例を示
すことで、本発明の防滑性靴底部材の奏する防滑性効果
を明瞭にする。
【0017】まず、実施例で用いた未加硫ゴム生地組成
物であるベ−スゴムの基本的配合を以下に示す。 天然ゴム 42重量部 合成ゴム 27重量部 促進剤 3重量部 軟化剤 5重量部 充填剤 20重量部 老化防止剤他 3重量部 上記配合の未加硫ゴム生地組成物を、ロ−ルを用いて混
練りしたものをベ−スゴムとして用いる。練り上がりの
ム−ニ−粘度は40であった。なお、混練り時のロ−ル
剪断力によるコルク粉粒体の粉砕を防止するため、ベ−
スゴムのム−ニ−粘度は低い方が好ましい。次に、本発
明において用いる靴底部材用ゴムの配合は、上記ベ−ス
ゴム100重量部に対し、平均粒径1.0〜2.0mm
のコルク(或いはクルミ種子殻)粉粒体を12重量部、
さらに硫黄を1重量部配合して、各々靴底部材用ゴム組
成物を得た。
【0018】試験体の作成:上記靴底部材用ゴム組成物
を加硫して、底面寸法が60mm×60mmの試験体を
作成した。実施例1はコルク粉粒体入り配合、比較例1
はクルミ種子殻粉粒体、比較例2はベ−スゴムのみ配合
である。その際の底意匠は、例えば図1の本発明に係る
靴底部材の底意匠の模式形態を示す一部拡大斜視説明図
のとおりであり、図2は同じく底意匠の模式形態を示す
正面図である。図1〜2では、防滑性靴底部材の接地底
の領域には、少なくとも複数の突起成形凸部並びに凹溝
が互いに並行し上下左右均等に配設されたモデルイメ−
ジの構成である。また、図3は本発明に係る靴底部材の
底意匠の応用例の形態図を示す一部拡大斜視説明図であ
り、図4は同じく底意匠の応用例の形態を示す正面図で
ある。図3〜4では、防滑性靴底部材の接地底の領域に
は、少なくとも複数の突起成形凸部並びに凹溝が互いに
略直角状に交差配設された応用例の構成である。図1〜
2及び図3〜4において、本発明に係る靴底部材1で、
2はコルク粉粒体、3は接地面側、4は突起成形凸部、
5は凹溝部、6は底面側パタ−ン、7は接地面側パタ−
ンである。図1〜4での底意匠の模式形態において、設
置面側パタ−ン寸法:3mm×6mm、底面側パタ−ン
寸法:6mm×9mmである。
【0019】(1)摩擦試験:上記のように作成した試
験体、実施例1および比較例1〜2について、以下の方
法で摩擦係数等を測定した。各試験体を用いて、JIS
K−7125に規定する摩擦係数試験方法に準拠し
て、動摩擦係数の測定を行った。荷重は200g、摩擦
対象は氷。上記での測定結果は、実施例1,0.43、
比較例1,0.18、比較例2,0.26であった。
【0020】(2)実地履用試験:上記の試験と同じ配
合の靴底ゴム部材を使用して、商品名「セカイチョ−T
OPAZ」の靴を作成し、北海道札幌市郊外にて、実施
履用試験を行った。各例につき、試験者10名を選び、
雪上アイスバ−ン状態で、1良く滑る、2滑る、3滑り
にくい、4滑らないの段階点で評価した。上記の試験結
果は、実施例1,4.0、比較例1,2.5、比較例
2,2.0であった。
【0021】以上のように本発明の一実施例を示した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない変更等は、本発明の範囲にに含
まれる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、靴底用ゴム生地に対し
コルク粉粒体を混入し加圧成型後に表面にバフ加工を施
した構成により、該コルク粉粒体が温度による物性変化
が少なく断熱性で、かつ多孔質で吸湿性があるが吸水性
は殆どない吸放湿の特性の為吸水性材料の如く飽和状態
で防滑機能が喪失せず、氷雪面の水膜を除去でき、適度
なクッション性では接地面積を増やし、優れた防滑性を
発揮する。また、フロア等を傷つける虞れもなく、該コ
ルク粉粒体は副生的な余剰、廃棄材等を再利用として活
用でき、ゴムとのなじみもよく前処理も不要で、製造上
も工業的有利に容易に成形できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の靴底部材の底意匠の模式形態図を示す
一部拡大斜視図である。
【図2】本発明の靴底部材の底意匠の模式形態図を示す
正面説明図である。
【図3】本発明の靴底部材の底意匠の応用例を示す一部
拡大斜視図である。
【図4】本発明の靴底部材の底意匠の応用例を示す正面
説明図である。
【符号の説明】
1 靴底部材 2 コルク粉粒体 3 接地面側 4 突起成形凸部 5 凹溝部 6 底面側パタ−ン 7 接地面側パタ−ン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇山 寛 大阪市北区中津1丁目6番24号 世界長株 式会社内 Fターム(参考) 4F050 AA01 AA06 BA08 BA09 HA14 HA53 4J002 AC011 AC032 AC062 AC072 AC082 AC092 BB182

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも天然ゴムと合成ゴムを配合し
    た主成分からなる未加硫ゴム生地を加熱加圧し加硫して
    なる防滑性靴底部材において、該未加硫ゴム生地にコル
    ク粉粒体を混入させてなる防滑性靴底部材。
  2. 【請求項2】 少なくとも天然ゴムと合成ゴムを配合し
    た主成分からなる厚層の上底成形用の未加硫ゴム生地と
    薄層の接地底成形用の未加硫ゴム生地を加熱加圧して加
    硫一体化してなる防滑性靴底部材において、前記接地底
    成形用の未加硫ゴム生地にコルク粉粒体を混入させてな
    る防滑性靴底部材。
  3. 【請求項3】 前記未加硫ゴム生地100重量部に対し
    て、平均粒径が0.5〜3.0mmのコルク粉粒体を3
    〜30重量部を混入させてなる請求項1〜2記載の防滑
    性靴底部材。
  4. 【請求項4】 前記天然ゴムと合成ゴムの配合割合が5
    0〜70:50〜30重量部であるゴム生地からなる請
    求項1ないし3記載の防滑性靴底部材。
  5. 【請求項5】 前記ゴム生地が、天然ゴム、イソプレン
    ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イ
    ソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ク
    ロロプレンゴム、ブチルゴム等の1種又は2種以上より
    選ばれたものである請求項1〜4記載の防滑性靴底部
    材。
  6. 【請求項6】 前記防滑性靴底部材の接地底の領域に
    は、少なくとも複数の突起成形凸部並びに凹溝が互いに
    並行或いは略直角状に交差配設されてなる請求項1〜5
    記載の防滑性靴底部材。
  7. 【請求項7】 前記防滑性靴底部材の成形後の接地外底
    部の少なくとも1部にバフ処理加工を施してなる請求項
    1ないし6のいずれか記載の防滑性靴底部材。
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