JP2002320480A - 遺伝子治療用組換b型肝炎ウイルスプラスミドベクター - Google Patents
遺伝子治療用組換b型肝炎ウイルスプラスミドベクターInfo
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Abstract
スベクターに関するものであり、より詳しくは、肝細胞
にのみ特異的に感染して異種遺伝子を伝達及び発現する
ことができる遺伝子組換B型肝炎ウイルスベクターに関
するものである。B型肝炎ウイルスは肝細胞にのみ選択
的に感染するため、本発明で提供する組換ウイルスは肝
細胞にのみ選択的に感染し治療用遺伝子を伝達する特性
があるため、in vivo治療が可能な利点がある。 【解決手段】 HBVゲノム複製に必須の新規2種類の
シス−エレメントである、配列番号1のアルファ−エレ
メント(nt.2818-3052)、及び配列番号2ベータ(β)−
エレメント(nt.1607-1804)配列を含むプロトタイプの
B型肝炎ウイルスプラスミドベクター、これを用いる組
換HBV粒子を作ることができる方法。
Description
B型肝炎ウイルスベクターに関し、より詳しくは、肝細
胞にのみを特異的に標的としin vivo又はex vivo遺伝子
治療に用いることができる組換B型肝炎ウイルスベクタ
ーに関するものである。
に遺伝子治療は、細胞内の遺伝子発現の異状による幾多
の疾患を根本的に治すことができるので、次世代治療法
として認識されている(Anderson,1992)。遺伝子治療法
は未だ商業化されていないが、ゲノムプロジェクトの完
成でその重要性がさらに浮き彫りにされ幾多のバイオテ
ク会社と大学病院で関心を持って研究開発が進められて
いる(Mulligan,1993)。現在遺伝子治療は大きくレトロ
ウイルス、又はアデノウイルス等のウイルスを利用した
ウイルスベクターや、リポソーム又はnaked DNA等を
利用した非ウイルス性ベクターに分類することができる
(Friedmann,1999)。異種遺伝子を治療用目的に利用す
る場合に、重要な目標は、目的とする細胞に特異的に標
的とすることと治療効果の持続性である。しかし、細胞
特異性の欠乏と非効率的な遺伝子伝達は遺伝子治療の主
要な改善点として持ち上がってきた。それだけでなく、
症状が緩和するか完治するまで治療用の遺伝子産物の効
果が持続し得るようにすることも重要な問題であり、大
部分のベクターが細胞で消滅及び分解され持続性の不足
も問題となり、その効果をさらに低下させる問題点があ
った(Crystal,1995)。
テムは遺伝子の効率的な伝達のため、ウイルスから由来
したベクター等を主に用いる。特に、レトロウイルス、
アデノウイルス、又はアデノ随伴ウイルス(adeno-assoc
iated viruses;AAV)等が主に用いられる(Friedman
n,1999)。これらは病原性がなく、ウイルス増殖による
危険を防ぐため複製能(replication defective)がない
ように考案されたウイルスベクターである。しかし、こ
れらウイルス由来のベクターは対象細胞に効率的に遺伝
子を伝達し発現するには理想的でない欠点がある。先
ず、レトロウイルスは対象細胞のゲノムに統合(integra
tion)され持続的に発現する利点があるが、低いタイタ
ー(titer)と、ただ分裂する細胞(dividing cells)のゲ
ノムにのみ統合する制限性によりin vivo治療には使用
が困難である。その反面、アデノウイルスは非常に高い
タイター(titer)と効率的な遺伝子伝達能力、そして、
分裂しない細胞(nondividing cells)にも遺伝子を伝達
する利点がある。しかし、発現が持続的でなく、宿主に
免疫反応を誘発する問題点がある。さらに、治療効果を
誘導するために必ず伴う反復的な投与は甚だしい免疫反
応を誘発する副作用がある(Yang et al.,1995)。
とアデノウイルスベクターは臨床的に用いられるには幾
多の改善が必要である。さらに、現在臨床研究で最も多
く用いられるレトロウイルスとアデノウイルスベクター
は細胞特異性がないので治療対象組織だけでなく、その
他の組織にも感染するためin vivoの治療には副作用が
伴う問題がある。
細胞特異性等がないため、肝疾患にはin vivoプロトコ
ールは副作用等に制限され主にex vivoプロトコールが
用いられる。ex vivoプロトコールによる肝標的治療は
外科的な摘出手術が必須なので、組換ウイルスベクター
を処理して作った修飾肝細胞(治療能力を有する肝細胞)
を患者の肝、脾臓に形質導入することがが不可避にな
る。しかし、このような摘出された肝細胞を実験室内で
培養するには幾多の困難と複雑さ、そして莫大の費用を
必要とすることになる。
肝細胞にのみ特異的に伝達されなければならない。HB
Vのように肝向性(hepatotropic)ウイルスから由来した
遺伝子治療ベクターは、血管内注射又は野生型ウイルス
が利用する肝細胞の受容体を利用して患者内に注入する
ことができる。HBVから由来した肝標的治療用ベクタ
ーの開発にはHBVゲノム複製に必須のシス−エレメン
トに対する情報が先行しなければならず、シス−エレメ
ントに対する完全な解明がなければベクターへの利用は
非常に制限される。
dae)に属し、宿主特異性と組織特異性を有する小さいD
NAウイルスである(Ganem,D.,1996)。ヘパドナウイ
ルスは人間(HBV)、北米産マーモット(woodchuch;W
HV)、北米産斑りす(GSHV)のような哺乳動物と、
北京鴨(DHBV)、灰色のサギ(HHBV)のような鳥類
からも発見されている(Ganem,1996)。
ーの開発において困難であった問題点は、ウイルスのゲ
ノム複製に必須のシス−エレメントに対する正確な情報
を知ることができなかった点である。よって、HBVゲ
ノム全体に亘るシス−エレメントに関する情報が、遺伝
子治療用の組換B型肝炎ウイルスベクターの開発におい
て必ず先行しなければならない部分である。
を解決し前記の必要性により考案されたものであり、本
発明の目的は遺伝子治療用の組換B型肝炎ウイルスベク
ターを提供することである。
発明はHBVゲノム複製に必須の新しい2種類のシス−
エレメントである配列番号1に記載されたアルファ−エ
レメント(nt.2818-3052)、及び配列番号2に記載され
たベータ(β)−エレメント(nt.1607-1804)配列を含む
プロトタイプ(prototype)のB型肝炎ウイルスプラスミ
ドベクターを提供する。
の方向にサイトメガロウイルスの初期プロモーター(imm
ediate early promoter)、DR1エレメント、エプシロ
ンエレメント(epsilon,nt.1849-1909)、アルファ−エ
レメント(nt.2818-3052)、DR2エレメント、ベータ
−エレメント(nt.1607-1804)、DR1エレメントを含
む配列番号3に記載されたプロトタイプのB型肝炎ウイ
ルスプラスミドベクターであるのが好ましい。
期プロモーター(immediate early promoter)は塩基配列
7408から7999であり、DR1エレメントは7から17、
エプシロンエレメント(epsilon,nt.1849-1909)は30
から90、アルファ−エレメント(nt.2818-3052)は998
から1233であり、DR2エレメントは2955から2965であ
り、ベータエレメント(nt.1607-1804)は2970から3167
であり、DR1エレメントは3189から3199であり、91
から997までと1233から2954までにそれぞれ約0.9kbと約
1.7kbの外来遺伝子が挿入され得る部位が存在する。
ドベクターは、前記エプシロン(nt.1849-1909)と前記
アルファ−エレメント(nt.2818-3052)の間と、前記ア
ルファ−エレメント(nt.2818-3052)と前記DR2(nt.
1592-1602)の間に外来遺伝子の挿入部位が存在する(図
8参照)。
ベクターにおいて、前記ベクターはHBV遺伝子中内部
ウイルスプロモーターを用い、内部ウイルスプロモータ
ーの中でコアプロモーターとプリS2/Sプロモーター
をそれぞれ選択して用いるのが好ましい。
ミドベクターは野生型3.2K bp HBVゲノムの大きさ
を増加させず、エプシロンエレメントとアルファエレメ
ントの間に0.90K bpまでの塩基配列を挿入することが
でき、アルファエレメントとDR2エレメントの間に1.
7K bpまで挿入できるベクターである。
ベクターは複製に必須のコアタンパク質、またはポリメ
ラーゼ遺伝子が欠けた複製不能(replication-defectiv
e)のベクターである。
種遺伝子(heterologous gene)を発現することができる
異種塩基配列を含むベクターである。
ド化に必須の“エプシロン”エレメントが欠け複製する
ことができないが、B型肝炎ウイルスのタンパク質を現
わして組換HBVベクターにウイルス遺伝子複製に必要
なタンパク質(trans-actingfactors)を発現するヘルパ
ープラスミド(helper plasmid)を提供する。
ーと前記のヘルパープラスミドを肝細胞株に共にトラン
スフェクションし、組換HBV粒子を作ることができる
方法を提供する。
子複製に必須のシス−エレメントを含み、少なくとも一
つの遺伝子治療用異種遺伝子を発現することができ、さ
らに、ウイルス遺伝子複製に必要なウイルス遺伝子中少
なくとも一種類を発現することができず、前記のヘルパ
ープラスミド(またはパッケージングプラスミド)は、ウ
イルス遺伝子複製に必要なタンパク質(trans-acting fa
ctors)中少なくとも一種類を発現することのできない組
換HBVベクターにこの欠乏したタンパク質を提供し、
組換HBVベクターを補って(complementation)感染性
のあるウイルスを生産できなければならず、前記肝細胞
株は複製に必要なタンパク質(trans-acting factors)が
提供されると組換HBVベクターが複製できる肝細胞株
である。
細胞、げっ歯類の肝細胞の集団から選択された肝細胞で
あるのが好ましい。
血管内又は肝組織内投与方法で標的細胞に感染させる方
法を提供する。
した挿入できる外部遺伝子は多様な遺伝子に対するアン
チセンス遺伝子とリボザイムを含み、特にB型肝炎ウイ
ルスとC型肝炎ウイルスのアンチセンス遺伝子とリボザ
イムを作る遺伝子を含む。さらに、多様な癌抑制遺伝
子、成長因子、ホルモン、サイトカイン、細胞膜受容
体、血液凝固因子をコードする異種遺伝子を含む。
る方法で次を含む。HBVに慢性感染した患者の肝組織
内に、直接組換HBVベクターDNAの投与方法を含
み、前記で言及した挿入できる外部遺伝子は、多様な遺
伝子に対するアンチセンス遺伝子とリボザイムを含み、
特に、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスのアンチセ
ンス遺伝子及びリボザイムを作る遺伝子を含む。さら
に、多様な癌抑制遺伝子、成長因子、ホルモン、サイト
カイン、細胞膜受容体、血液凝固因子をコードする異種
遺伝子を含む。
記のように定義する。“エレメント”はDNA、または
RNAの塩基配列で特定の機能を有する塩基配列を言
う。“シス−エレメント(cis-acting element)”は同一
DNA、またはRNA分子内で調節機能を有して作用す
る塩基配列を言う。“キャプシド化(encapsidation)”
は“パッケージング(packaging)”と同じ意味で用いら
れており、コア粒子内にウイルス遺伝子(DNAまたは
RNA)が入る過程を言う。“異種遺伝子(heterologous
sequence or gene)”はHBV遺伝子でない遺伝子を言
い、“外部遺伝子(foreign gene)”と同じ意味で用いら
れた。“ベクター”はDNA切片を含んで他の細胞に運
搬する機能のある核酸塩基配列を言い、プロトタイプの
ベクターは異種遺伝子を挿入でき一般に用いることがで
きるベクターを言う。
れている。先ず、明細書の本文では特に指摘しない場合
は全てGalibertの方法に従いHBV塩基配列を示した(G
alibert et al.,1979)。この場合nt.----で示した。
一方、添付の塩基配列表はプリゲノミックRNAの開始
部位であるnt.1820を1にし、それぞれプラスミドの塩
基配列を示した。
ドナウイルスに属し、急性肝炎だけでなく慢性肝炎を起
す臨床的に非常に重要なウイルスである。マーモット肝
炎ウイルス(WHV)、斑りす肝炎ウイルス(GSHV)、
北京鴨肝炎ウイルス(DHBV)等がヘパドナウイルス科
に属する(Genem,1996)。HBVはDNAウイルスであ
るがプリゲノミックRNAを鋳型にし、HBV DNA
重合酵素が有する逆転写活性(reverse transcriptase a
ctivity)を介してDNA遺伝子に複製する非常に特異な
ゲノム複製を有するウイルスである。HBVは約3.2 k
bpのプラス−DNA鎖に間隙が存在する円形のDNA遺
伝子を有しており、コア(C)、ポリメラーゼ(P)、表面
抗原(S)、そしてXタンパク質の四つのウイルスタンパ
ク質を有する。
染周期 ヘパドナウイルスの感染周期は図2に示されている(Gen
em,1996)。ヘパドナウイルスは受容体(receptor-media
ted endocytosis)を介して肝細胞に侵入することが知ら
れている。肝細胞に入った後、隙間(gap)が存在するH
BVゲノムは、転写の鋳型になる共有結合性閉環状DN
A(covalently closed circular DNA:CCC DN
A)に切り替えられる。四つのウイルスの転写体が合成
されたあと細胞質に移動する。3.5Kbpのプリゲノミック
RNAはコアとポリメラーゼのmRNAとして作用する
だけでなく、ウイルス遺伝子複製の鋳型としても作用す
る。
assal et al.,1996)。HBVはウイルス複製のため、
コアタンパク質とプリゲノミックRNAを認識するポリ
メラーゼが同時にコア粒子にキャプシド化した後、この
コア粒子内でポリメラーゼによる遺伝子複製が発生す
る。ポリメラーゼタンパク質とプリゲノミックRNAの
結合が遺伝子複製に必須のコア粒子形成に重要である。
プリゲノミックRNAの5'位置の末端部位に存在する
“エプシロン”と言われる約85塩基対の特異な2次構
造の塩基配列が、キャプシド化段階でシス−エレメント
に作用する(Junker-Niepmann et al.,1990;Hirsch et
al.,1991)。このエプシロンはステム−ループ構造(st
em-loop structure)を成し、ヘパドナウイルスに属する
全てのウイルスに非常に高く保存されている。
の独特なゲノム構造ほど非常に複雑である(図3;Nassa
l et al.,1996)。野生型の完全な二重−鎖DNAゲノ
ムを形成するためには下記のような鋳型スイッチング過
程(template switching)が必要である(図3)。第一、コ
ア粒子内にキャプシド化したプリゲノミックRNAを鋳
型にし、HBVのDNAポリメラーゼが逆転写過程でマ
イナス−鎖DNAを合成する。このマイナス−鎖DNA
合成のプライマーと、ポリメラーゼに同時にHBVのD
NAポリメラーゼが利用される(Wang et al.,1992)。
即ち、タンパク質−プライミング(protein-priming)に
よりマイナス−鎖DNA合成が開始される。
プシロン(ε)がHBVマイナス−鎖DNA合成の開始部
位に作用する(Wang et al.,1996;Pollack et al.,19
94)。次いで、このマイナス−鎖DNAはエプシロンと
DR1(direct repeat)の間の4塩基対の相同性を利用
して5'から3'DR1に移動する(Nassal et al.,199
6)。この過程をマイナス−鎖移動(minus-strand transl
ocation)と言う。マイナス−鎖DNAが合成されると、
HBVポリメラーゼが有するRnase H活性によりプリゲ
ノミックRNAは5'−末端側の18ヌクレオチドRN
Aのみを除いて分解される(Loeb et al.,1991)。
2に伝達された後、RNAプライマーに作用してプラス
−鎖DNAを合成する。次いで、DR2部位に鋳型スイ
ッチングを行なってプラス−鎖DNA合成を始め、プラ
ス−鎖DNAはDR2に転位(translocation)される円
形化段階を経て円形のゲノムを合成する(Loeb et al.,
1997)。このプラス−鎖DNAの合成が完了する前に、
HBV DNAはウイルス表面抗原粒子に取り囲まれ細
胞の外に出る。結局、HBVは円形の隙間が存在する二
重鎖ゲノムを有することになる。
メント 前記で記述されているように、HBVは3回の鋳型スイ
ッチングを介して線形のプリゲノミックRNAを円形の
二重鎖DNAに複製する。過去20年間、分子生物学的
な技法でウイルスDNA複製に重要な役割を果たすエレ
メントが明らかにされた(Nassal et al.,1996)。文献
に報告されたシス−エレメントを並べてみれば、キャプ
シド化信号に利用される5'位置エプシロンエレメント
が知られており(Junker-Niepmann et al.,1990;Hirsc
h et al.,1991)、ウイルス複製段階中にプライマー移
動(translocation)過程で利用されるDR1とDR2(Na
ssal et al.,1996;Condreay et al.,1992)、円形化
(circularization)段階で利用されるr(repeat)が作用
する(Loeb et al.,1997)。そして、転写後RNAプロセッ
シングエレメント(posttranscriptional RNA processin
g element:PRE)等がある(Huang et al.,1995;Yen
et al.,1998)。このようなシス−エレメントは大部分
HBVプリゲノムの両側に存在する(図1と図8)。
k hepatitis B virus)の場合、3E、M、5Eと名付け
られた三つのエレメントが遺伝子複製に必要であること
が報告されており、プラス−鎖DNAの合成時に鋳型ス
イッチングに必要である(Havert et al.,1997)。DH
BVとは別に、HBVは未だ複製に必要なシス−エレメ
ントが解明されていない。このような理由で、HBVゲ
ノムは遺伝子治療用ベクターに利用されていない。遺伝
子治療ベクターは、複製に必要なシス−エレメントを必
ず含んでいなければならない。本発明ではHBV遺伝子
複製に必要なシス−エレメントを解明した後、この情報
に基づく組換HBVベクターを設計した。
明し複製に必須のウイルスタンパク質(trans-acting fa
ctors)が提供されれば、複製能(replication competen
t)の存在する異種遺伝子を有する遺伝子治療用ベクター
に開発することができる。簡単に言えば、HBVベクタ
ーはウイルスタンパク質を発現しないにも拘らず、ウイ
ルスゲノム複製に必要な全てのシス−エレメントをコー
ドしている。それにも拘らず、ヘルパープラスミドやパ
ッケージング細胞株を介してウイルスタンパク質(例え
ば、コアタンパク質、ポリメラーゼタンパク質、表面タ
ンパク質)が提供されれば、組換HBVベクターは複製
され得る(図4)。異種遺伝子の挿入部位の選定、挿入さ
れた異種遺伝子の大きさ、異種遺伝子の発現のために利
用されるプロモーター等が遺伝子治療用ベクター開発の
成功のポイントになり得る。
を解明した。1つはアルファエレメントで、他の1つは
ベータエレメントである(図8)。本発明の方法を具体化
するため、本発明では2つの挿入可能部位を選定した
(図8)。一つは5'エプシロンとアルファエレメントの
間で、もう一つはアルファエレメントとDR2エレメン
トの間である。この二つの挿入部位はウイルス複製にお
いて欠損可能部位(dispensable region)である。しか
し、挿入部位の選定を現在のものに限定はせず、プロト
タイプHBVベクターの5'エプシロンとアルファ−エ
レメントの間に異種遺伝子の挿入も可能である(図8)。
挿入できる異種遺伝子の大きさは野生型のゲノム大きさ
を固定させるようにしたとき、それぞれ0.90K bpと1.7K
bpまで可能である(図8)。
きさのプリゲノミックRNAまで、マイナス−鎖DNA
合成が可能であることが報告された(Ho et al.,200
0)。従って、本発明では前記の2個所の挿入位置に、そ
れぞれ1.1K bp、1.9K bpまでの大きさの切片を挿入して
も複製する可能性はなくならない。幸いに、挿入部位よ
り上側に存在する2つの内在するウイルスプロモーター
(即ち、コアプロモーターとプリ−S2/Sプロモータ
ー)を利用して異種遺伝子が転写されるよう設計した。
さらに進んで、本発明の組換HBVベクターはバイシス
トロニック(bicistronic)発現ベクターに考案されてい
るため、2つの挿入部位に挿入された異種遺伝子が同時
に発現可能である。
m)は、肝疾患の遺伝子治療においてHBVを利用しよう
とする最も重要な特性である。本発明で提供する肝標的
HBVベクターは肝炎、肝硬変、肝癌等の肝疾患だけで
なく、家族性高コレステロール血症、血液凝固因子VII
I、IVが欠けて発生する血友病等の肝細胞に遺伝子発現
が欠けて発生する代謝性遺伝病治療にも活用することが
できる。さらに、肝標的HBVベクターは慢性肝炎患者
の治療にも非常に有用である。B型肝炎ウイルスに既に
感染した慢性感染者はウイルスの複製に必要なコアタン
パク質とポリメラーゼが肝細胞内に常に現われている。
従って、本発明で提供するHBVベクターに治療用遺伝
子が挿入された組換DNAを、慢性感染者の肝細胞に直
接又は血液循環を介して注入すれば、組換ウイルスがH
BV慢性感染者の肝細胞では複製が持続的に可能であ
る。これは慢性感染治療に非常に効率的である。
炎ウイルスゲノムのシス−エレメント(α−element、β
−element)に対する情報を提供しており、アルファエレ
メント、ベータエレメントのヌクレオチド配列を提供し
ている。
るが、本発明がHBVに限定されるのではない。ヘパド
ナウイルスに属するマーモット肝炎ウイルス(WHV)、
斑リス肝炎ウイルス(GSHV)、北京鴨肝炎ウイルス
(DHBV)等も互いのゲノムも類似するので、本発明が
他のヘパドナウイルスの遺伝子治療用ベクター開発にも
利用することができる。
複製に必須のシス−エレメントを完全に解明した後、こ
れらシス−エレメントを保存したプロトタイプのHBV
ベクターを設計した。しかし、本発明で提示する2つの
新しいシス−エレメント(アルファエレメント、ベータ
エレメント)の位置を限定する必要はない。最大のパッ
ケージングサイズ(maximal packaging size)以内では、
野生型プリゲノミックRNAの大きさである3.5kbより
大きいサイズのプリゲノミックRNA挿入も可能であ
り、新しいシス−エレメントはベクターの機能に影響を
及ぼさない範囲内で、ベクター内のシス−エレメントの
相対的な位置変更も可能である。
プシド化(encapsidation)のため、次のような過程が先
行しなければならない。第一、組換HBVベクターは少
なくとも一つ以上の異種遺伝子を発現する。第二、ヘル
パープラスミドはウイルスのキャプシド化とゲノム複製
に必須のコアタンパク質、ポリメラーゼ、及び表面抗原
をトランス(in trans)で提供する。即ち、ヘルパープラ
スミドと組換HBVベクターは肝細胞内で互いに相互補
完現象(complementation)でキャプシド化され、ウイル
ス粒子を形成することができる。本発明が利用できる肝
細胞群株は次のようなHepG2細胞、Huh7細胞、Chang肝
細胞等の人間肝細胞株とげっ歯類肝細胞株を含む一連の
肝細胞株がある。
置換し、組換HBVの可能性を探索した研究が幾つかの
文献に報告されている(Chiang et al.,1992;Chaisomc
hitet al.,1997;Protzer et al.,1999)。本発明は米
国特許第5,981,274号とは幾つかの点で区別される(Tyrr
ell et al.,US Patent 5,981,274,1999;Chaisomchit
et al.,1997)。前記特許は異種遺伝子をHBVポリメ
ラーゼのスペーサ(spacer or tether)ドメインに挿入さ
せた。
た外部遺伝子挿入部位は本発明で解明したアルファ−エ
レメント部位に該当する。即ち、このアルファ部位はH
BV遺伝子複製に必須なので、この部位に外部遺伝子の
挿入は複製を阻害する。遺伝子を発現するためには小さ
なサイズ(270または374bp)の切片を挿入しており、挿入
後ベクターの複製が約50倍減少したのでベクターとい
うのは困難である。このような理由で、前記の米国特許
第5,981,274号は遺伝子治療用ベクターでに分類され得
ない。
の発光遺伝子(luciferase)をHBV遺伝子の2箇所に置
換し、組換HBV粒子を生産することが報告されている
(Chiang et al.,1992)。さらに、最近DHBVとHB
Vを組換ベクターに用いた最初の成功事例が報告された
(Protzer et al.,1999)。この報告ではウイルス遺伝子
複製に必須のシス−エレメントに対する情報なしに緑色
蛍光タンパク質(GFP)またはインターフェロン遺伝子
を、HBVまたはDHBV遺伝子の何箇所に挿入した結
果、そのうち表面抗原ORF(i.e.,S ORF)に異種
遺伝子を置換したときウイルスが生産されることを観察
した。
告と幾つかの面で区別される利点を有する。先ず、本発
明はシス−エレメントを完全に解明して設計したプロト
タイプのHBVベクターを提供する。即ち、表面抗原O
RFを含む2箇所の挿入部位を提供するだけでなく、挿
入する遺伝子の最大の大きさの限界をそれぞれ0.79kbま
たは1.7kbであることを具体的に提供する。即ち、一般
に異種遺伝子を挿入して用いることができる本格的な意
味の組換遺伝子ベクターである。
るために用いられたトランスフェクション技術は、文献
とこの分野の専門家等が多く用いる実験材料と実験方法
を利用した。
めに用いる接合(ligation)技術と制限(restriction)技
術は、文献(Sambrook et al.,in Molecular Cloning:
A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laborator
y,3rd Ed.,N.Y.2001)に記述されている方法を用い
た。
1(direct repeat 1)、DR2(direct repeat 2)、ε(e
psilon)、GFP(green flourescence protein)、M(mo
lar)、mM(millomolar)、ml(milliliters)、μg(mi
crograms)、mg(milligrams)、K bp(kilo base pair
s)、PCR(polymerase chain reaction)、PEG(poly
ethylene glycol)。
明する。但し、次の実施例はただ本発明を例示するため
のものだけであり、次の実施例が本発明を限定するもの
ではない。
30)の製造 HBV遺伝子治療ベクターを設計するためには、HBV
の遺伝子複製に必須の塩基配列部位(シス−エレメント)
の完全な解明が先行しなければならない。このような複
製に必要な塩基配列部位を解明するため細胞にトランス
フェクションしたとき、HBV遺伝子複製能(replicati
on competent)を有するベクターを製造した。即ち、野
生型HBVを生成するHBVプリゲノミックRNA発現
ベクターを製造した。異種プロモーターによりHBVプ
リゲノミック(pregenomic)RNAと同じ構造及び塩基配
列のmRNAが転写されると、HBVのゲノム複製と同
じ過程を介してウイルス粒子を作ることができるという
ことは公知の事実である(Nassal,et al.,1990)。よっ
て、HBVを発現するプラスミドを製造するため優先的
に考慮しなければならない事柄は、直ちに転写されるm
RNAがHBVプリゲノミックRNAと同じように作る
ことである。以後、転写されたmRNAから複製に必要
なウイルスのタンパク質が作られ、ウイルス遺伝子の複
製及びウイルス粒子が生産される。
(encapsidation)信号は、ウイルスの複製の第一段階で
キャプシド化に必須の重要な因子である(Junker-Niepma
nn et al.,1990;Hirsch et al.,1991)。このエプシ
ロン信号はプリゲノミックRNAの5'−末端から約3
0ヌクレオチド(nucleotide)離れている(Jeong et a
l.,2000)。
等(Galibert,et al.,1979)の方法に従いHBV aywサ
ブタイプ(subtype)の塩基配列を、HBV内の制限酵素E
coRI位置を1番にして3182番まで表記したものである。
表示された塩基配列番号はHBVのものであり、若し他
のものの塩基配列番号を用いるときは別に示しておい
た。プリゲノミックRNAの5'位置末端部位は1820配
列番号に示しており、転写開始位置を意味する。R015
プラスミドの塩基配列は配列番号3に示されている。
V/164)の製造 HBV遺伝子は、HBV ayw subtypeの遺伝子を有する
pSV2A−Neo(HBV)2プラスミドを利用した(Shih
et al.,1989)。先ず、HBVのプリゲノミックRNA
の5'−末端と3'−末端が同じ塩基配列及び構造(termi
nal redundancy)を有するので、線状(linear)のプラス
ミド転写でこれを保つためプロモーターの下流(downstr
eam)にゲノム大きさより大きいゲノムを挿入した(Gane
m,1996)。よって、CMVプロモーターから宿主細胞の
RNAポリメラーゼ(polymerase)IIにより転写が発生す
るpcDNA1/Amp(Invitrogen,USA)のクローニング
サイトにあるEcoR VとXba Iの制限酵素認識部位の間
に、HBV全体遺伝子より172ヌクレオチドがさらに重
なる長さのHBV aywサブタイプ(subtype)遺伝子(Gali
bert et al.,1979)をFsp IとXba Iに切断して挿入した
(図5a参照)。
MV−HBV/164)は、野生型HBVとは別に5'−末
端からエプシロン信号が164ヌクレオチド離れているm
RNAに転写される。これは野生型に比べエプシロンの
位置が5'−末端から134ヌクレオチドさらに遠く離れて
いるものである(Jeong et al.,2000)。
写が始まる地点が挿入部位より上流(upstream)に位置す
るためである。
Aを発現するR015プラスミド(pCMV−HBV/3
0)製造 野生型HBVプリゲノミックRNAのような塩基配列及
び構造を有するmRNAを転写するように作るため、実
施例1−1で作ったプラスミドの5'−末端塩基を除去
した。図5aでのように、R402プラスミド(pCMV−
HBV/164)をSac IとBspE Iに切断し、同じ制限酵素
認識部位を両端に保有したHBV遺伝子切片をPCRに
よって増幅した(Jeong et al.,2000)。このとき、人為
的な制限酵素認識部位を挿入し、R402プラスミドの転
写開始部位にHBVプリゲノミックRNA開始部位が正
しく一致するようプライマー(HBV1820)を製造した。
用いたプライマー塩基配列は次の通りである。
型にして作られたPCR産物を、再びSac I(nt 2894 of
pcDNA1/amp)とBspE I(nt.2331)に切断してプラ
スミドR402に挿入した。
V−CPS)プラスミドの製造 pcDNA3(Invitrogen,U.S.A)のEcoR I、Xho I認
識部位にR015プラスミドを鋳型にして作ったPCR生
成物(nt.1903-to-2454)を挿入した。詳しく説明すれ
ば、正方向プライマー(forward primer)の5'位置末端
部位にEcoR I認識部位を作り、逆方向プライマー(rever
se primer)の5'位置末端部位にXho I認識部位を作った
PCR生成物の0.5K bpのEcoR I、Xho I切片を、pcDN
A3プラスミドのEcoR I、Xho I認識部位に挿入してR0
62プラスミドを作った。その次に、R015プラスミドのB
spE I(nt.2331)、Apa Iの間の約2.6K bpの切片をR062
プラスミドのBspE I、Apa I切片と置換してR063プラス
ミドを作った。R063プラスミドはコア、ポリメラー
ゼ、表面抗原を発現するヘルパープラスミドに用いられ
た。
TCATGGACATCGACCCT−3'(下線:EcoR
I部位) Reverse primer:5'−CCGCTCGAGCTAAC
ATTGAGATTCCCGAGA−3'(下線:Xho I
部位)
るプリゲノミックRNAの複製能 2−1.肝癌細胞株の細胞増殖とトランスフェクション 肝癌細胞株のHuh7細胞を10%FBS(fetal bovine s
erum)と、10mg/mlgentamicinを投入したDMEM(Gi
bco-BRL)培地に3日ごとに分株して細胞を育てた。
トランスフェクションする一日前にHuh7細胞を75%
で60mmプレートに培養させて細胞を用意する。先ず、
燐酸緩衝溶液(phosphate buffered saline)で細胞を2
回洗浄し新しい培養液に取り替えた後、前記プラスミド
10μgを0.25M CaCl2が含まれた250mlの水に混合し
てから、同量の2X HEPES緩衝溶液[280mM NaC
l、50mM HEPES acid、1.5mM Na2HPO4(pH 7.
1)]に揺り動かしながら一滴ずつ滴下して混合物を作
る。以後、この混合物を常温で30分間反応させて白色
の沈澱物が生じるようにした後、プレートに均等に散布
する。トランスフェクション16時間後新しい培養液
[DMEM、10% FBS、10mg/ml gentamycin]
に取り替え、3日後ウイルスコア粒子を抽出した。
及びサーザンブロットを介したHBVreplication-inte
rmediate DNAの調査 トランスフェクション3日後、PEG沈澱法で細胞内の
コア粒子を抽出してHBVのDNAを用意した(Stapran
s et al.,1991)。詳しく説明すれば、先ず燐酸緩衝溶
液(phosphate buffered saline)で細胞を2回洗浄し、
細胞溶液緩衝溶液[10mM Tris(pH7.5)、1mM EDT
A、50mM NaCl、8% sucrose、0.25%Nonidet P−
40]で細胞をプレートから外す。残留するトランスフ
ェクションしたプラスミドを除去するため、6mM MgCl
2とDnase I(50μg/ml)処理を37℃ 30分間行な
った後、4X PNE[26% PEG、1.4M NaCl、4
0mMEDTA]でコア粒子を沈澱させ、遠心分離を行な
ってコア粒子のみ分離した。得られたコア粒子タンパク
質を分解するため、プロナーゼ(pronase、Sigma、US
A)で37℃で2時間反応させた。以後、フェノールと
クロロホルム(1:1)でタンパク質を除去しエタノール
でコア粒子を沈澱させた後、TE「10mM Tris(pH 8.
0)、1mM EDTA」でDNAを抽出した。
スゲルを介して電気泳動し、文献(Current Protocols i
n Molecular Biology,Ausubel,F.et al.,eds.,Wil
ey and Sons,New York,1995)に記載のサーザンブロッ
ト方法で分析した。
体の製造 一般的な遺伝子組換技術を利用して次のような欠損変異
体を製造した。3−1.R060(pCMV−ayw Δ1910-1
992)プラスミドの製造HBV遺伝子(Galibert,et a
l.,1979)のSac I、EcoR Iの間の切片をpBluescript S
K(+)プラスミド(Stratagene、USA)のSac I、EcoR
Iの位置に移した後、PCRでnt.1910-1992を削除した
R059プラスミド(pBS+Δ1910-1992)を製造した。R
059プラスミドのSac I、EcoR Iの間の切片をR015プラ
スミドのSac I、EcoR Iの位置に移してR060プラスミド
を製造した。
9)プラスミドの製造 HBV遺伝子(Galibert,et al.,1979)のSac I、EcoR
I(nt.3182)の間の切片をpCH110(Pharmacia)のSac
I、EcoR Iの位置に移してR046プラスミドを作った後、
151bpのXba I切片(1992-2143)を削除したR047プラスミ
ドを製造した。R047プラスミドのSac I、EcoR Iの間の
切片をR015プラスミドのSac I、EcoR Iの位置に移して
R048プラスミドを製造した。
9)プラスミドの製造 R015プラスミドのSac I、EcoR Iの間の切片をpBluescr
ipt II SK(+)(Stratagene、USA)のSac I、EcoR I
の位置に移してR049プラスミドを作った。R049プラス
ミドのSty I(nt.1884)−Sty I(nt.2459)切片を逆方向
プライマー(reverse primer)の5'位置末端部位にSty I
認識部位を作ったPCR生成物であるSty I(nt.1884)
−Xba I(nt.2143)切片に置換させてR051プラスミドを
製造した。R051プラスミドのSac I、EcoR Iの間の切片
をR015プラスミドのSac I、EcoRIの位置に移してR056
プラスミドを製造した。
CTCTGGCTAACTAACTTTTTCACCT
CTGCC−3'(下線:Sac I部位) Reverse primer:5'−CCCCCCAAGGCGCT
GGATCTTCCAAATT−3'(下線:Sty I部位)
7)プラスミドの製造 R015プラスミドのSac I、Xho I(nt.129)の間の切片を
pBlueBacHis2プラスミド(Invitrogen、USA)のSac
I、Xho Iの位置に移してR407プラスミドを製造した。
R407プラスミドのSty I(nt.2459)、BstE II(nt.281
7)の間を切断してクレノー切片で満たし(filling-in)、
ライゲーションしてnt.2459-2817を削除したR018プラ
スミドを製造した。R018プラスミドからBspE I、EcoR
Iの間の切片をR015のBspE I、EcoR Iの位置に移してR
021プラスミドを製造した。
2/0)プラスミドの製造 R015プラスミドをBstE II(nt.2662)とEcoR I(nt.318
2)に切断してクレノー切片で満たした後、ライゲーショ
ンしてnt.2662-3182を削除したR022プラスミドを製造
した。
2/0)プラスミドの製造 先ず、R015プラスミドをBstE II(nt.2817)とSph I(n
t.1239)に切断した後、pGEM−4Z(Promega、US
A)に移してR701プラスミドを製造した。R701プラス
ミドのBgl II(nt.2839)とEcoR I(nt.3182)切片を削除
しクレノー切片で満たした後、ライゲーションしてnt.
2839-3182を削除したR043プラスミドを製造してから、
R043プラスミドをBstX Iで切断した切片をR015プラス
ミドのBstXI(nt.2817-620)の間の切片に置換してR045
プラスミドを製造した。
2/0)プラスミドの製造 R701プラスミドのBsu36 I(nt.3052)とEcoR I(nt.318
2)の間の切片を消去しクレノー切片で満たした後、ライ
ゲーションしてnt.3052-3182を削除したR042プラスミ
ドを製造してから、R042プラスミドをBstX Iで切断し
た切片をR015プラスミドのBstX I(nt.2817-620)の間
の切片に置換してR044プラスミドを製造した。
129)プラスミドの製造 R015プラスミドをEcoR I(nt.3182)とXho I(nt.129)
に切断しクレノー切片で満たした後、ライゲーションし
てnt.3182/0-129を削除したR023プラスミドを製造し
た。
プラスミドの製造 R018プラスミドのEcoR I(nt.3182)、Sph I(nt.1239)
の間の切片をpGEM−4Z(Promega、USA)プラスミ
ドに挿入してR037プラスミドを製造した。R037プラス
ミドをXho I(nt.129)、BamH I(nt.490)に切断した後
クレノー切片で満たし、ライゲーションしてnt.129-49
0を削除したR038プラスミドを製造した。R038プラス
ミドのEcoR I、Sph Iの間の877bp大きさの切片を、R01
5プラスミドのEcoR I、Sph Iの位置に移してR040プラ
スミドを作った。
7)プラスミドの製造 R037プラスミドをBamH I(nt.490)とAcc I(nt.827)に
切断した後クレノー切片で満たし、ライゲーションして
nt.490-827を削除したR039プラスミドを製造した。R
039プラスミドのEcoR I、Sph Iの間の897bp大きさの切
片を、R015プラスミドのEcoR I、Sph Iの位置に移して
R041プラスミドを製造した。
38)プラスミドの製造 R015プラスミドのEcoR I(nt.3182)とApa Iの間の切片
をpBluescript II SK(+)(Stratagene、USA)に移
してR050プラスミドを製造した。R050プラスミドのAc
c I(nt.827)とSph I(nt.1238)の間の切片を除去して
T4 DNAポリメラーゼで満たし、ライゲーションし
てnt.827-1238を削除したR008プラスミドを製造し
た。R008プラスミドのEcoR I、Apa I切片をR015プラ
スミドのEcoRI、Apa Iの位置に移してR025プラスミド
を製造した。
374)プラスミドの製造 R050プラスミドをSph I(nt.1238)、Nco I(nt.1374)
に切断した後T4 DNAポリメラーゼで満たし、ライ
ゲーションしてnt.1238-1374を削除したR009プラスミ
ドを製造した。次いで、R009プラスミドのEcoR IとApa
Iの間の1866bp大きさの切片をR015プラスミドのEcoR
I、Apa Iの位置に置換してR026プラスミドを製造し
た。
419)プラスミドの製造 R050プラスミドをNco I(nt.1374)、Aat II(nt.1419)
に切断した後T4 DNAポリメラーゼで満たし、ライ
ゲーションしてnt.1374-1419を削除したR012プラスミ
ドを製造した。次いで、R012プラスミドのEcoR I(nt.
3182)、Apa Iの間の1957bp大きさの切片をR015プラス
ミドのEcoR I、Apa Iの位置に移してR027プラスミドを
製造した。
804)プラスミドの製造 R050プラスミドをAat II(nt.1419)、Fsp I(nt.1804)
に切断した後T4 DNAポリメラーゼで満たし、ライ
ゲーションしてnt.1419-1804を削除したR013プラスミ
ドを作った。R013プラスミドのEcoR I(nt.3182)、Apa
Iの間の1617bp大きさの切片をR015プラスミドのEcoR
I、Apa Iの位置に移してR028プラスミドを製造した。
804)プラスミドの製造 R050プラスミドのAat II(nt.1419)とApa Iの間の切片
を、正方向プライマー(forward primer)の5'位置末端
部位にAat II認識部位を製造したPCR生成物であるAa
t II(nt.1592)-Apa I切片に置換してR052プラスミド
を製造した。次いで、R052プラスミドのEcoR I、Apa I
の間の切片をR015プラスミドのEcoR I、Apa Iの位置に
移してR053プラスミドを製造した。
804)プラスミドの製造 R050プラスミドをEcoR I(nt.3182)-Bsa I(nt.1607)
の間のブラント(blunt)切片を製造した後、R015プラス
ミドをEcoR I(nt.3182)-Fsp I(nt.1804)の間の切片と
置換してR035プラスミドを製造した。
884)プラスミドの製造 R050プラスミドのFsp I(nt.1804)-Sty I(nt.1884)の
間の切片を消去しクレノー切片で満たした後、ライゲー
ションしてnt.1804-1884を削除したR010プラスミドを
製造した。次いで、R010プラスミドのEcoR I(nt.318
2)、Apa Iの間の1922bp大きさの切片をR015プラスミド
のEcoR I、Apa Iの位置に移してR029プラスミドを製造
した。
ブロット トランスフェクション、DNA抽出とサーザンブロット
を実施例2−2と同じように行なった。HBV遺伝子複
製に必要なウイルスのタンパク質を提供するため、コア
タンパク質とポリメラーゼを提供することができるヘル
パープラスミド(R063、pCMV−CPS)を同時にト
ランスフェクションした。図7で17種の欠損変異体等
のサーザンブロットの結果を示している。HBV遺伝子
ゲノム複製で説明したように、コア粒子に存在するHB
V遺伝子複製の中間体はSS(一本鎖DNA)、DL(二
本鎖DNA)、RC(relaxed circular DNA、リラッ
クスド環形)の形で存在する。この中でRC(リラックス
ド環形)形のDNAがウイルス粒子(virion particle)に
存在するHBVゲノム複製の最終産物であるため、RC
形DNAの存在有無で各欠損変異体に欠けた塩基配列が
複製に必要なシス−エレメントであるか否かを判断する
ことができる。
限酵素の位置を利用して幾つかの欠損変異体を製造し
た。これら欠損変異体はそれぞれ約0.1-0.4K bpの切片
を欠いており、全部合わせるとHBV全体ゲノムを含
む。
エレメントを解明するため製作した、欠損変異体の欠損
位置に伴う複製可否を要約した表である。
と、R022プラスミド(pCMV−aywΔ2662-3182/0)を
トランスフェクションした場合、RC DNAは検出さ
れずSS DNAのみ検出された(図7、表1)。この部
位をさらに詳しく解明するためR022プラスミドをR045
プラスミド(pCMV−ayw Δ2839-3182/0)と、R044
プラスミド(pCMV−ayw Δ3052-3182/0)に区分した
後サーザンブロットを行なった。その結果、R044プラ
スミドはSS DNA、DL DNAだけでなくRC D
NAが検出されたため、R044の欠損部位は複製に不要
であることが分かった(図7、表1)。その反面、R045
プラスミドは少量のSS DNAのみ検出されたため、
R045プラスミドの欠損部位(nt.2839-3182/0)が複製
に必要な部位を含んでいることが分かった(図7、表
1)。
2459-2817)はSS DNA、DL DNAだけでなくRC
DNAが検出されたため、R021の欠損部位は複製に不
要である(図7、表1)。前記四種類の欠損変異体の結果
から(nt.2818-3052)が新しいシス−エレメントである
ことが分かった。本発明でこの部位をアルファ−エレメ
ント(α)と名付けた。
804)はDR2(nt.1592-1602)が欠けている変異体であ
る。R028プラスミドのサーザンブロットの結果をみれ
ば、RC(relaxed circular)DNAが現われず、一本鎖
DNAのみ感知された(図7、表1)。この結果でDHB
Vでマイナス−鎖DNA合成にDR2が重要な役割を果
たすとの報告と一致する(Loeb et al.,1996;Condreay
et al.,1992)。これを確認するためDR2部分前まで
のみ削除したR053プラスミド(pCMV−ayw Δ1419-1
592)を製造してサーザンブロットを行なった結果、RC
DNAを確認した(図7、表1)。よって、R028プラス
ミドは新しいシス−エレメントを含むものではなく、D
R2エレメント(nt.1592-1602)が欠けているためRC
(relaxed circular)DNAが現れないことが分かった。
1607-1804)はDR1とDR2の間が欠けた変異体であ
り、DNA合成が全く生じなかった(図7、表1)。マイ
ナス−鎖DNA合成の開始部位(initiation位置)である
DR1が存在するが、複製が生じないためDR1とDR
2の間の塩基配列は複製に必要であることが分かった。
即ち、この部分はマイナス−鎖DNA合成に必要であ
る。この部分は新しいシス−エレメントであるため、ベ
ータ−エレメント(β)と名付けた。
884)はDR1(nt.1826-1836)が欠けた変異体であり、
マイナス−鎖DNA合成が全く感知されなかった(図
7、表1)。これは文献の報告と一致した結果を見せて
いる(Condreay et al.,1992)。
必要な二つの新しいシス−エレメント等を解明した。こ
のようなサーザンブロットの結果により、HBVゲノム
複製で重要なシス−エレメントに対する総合的な理解で
プロトタイプのHBVベクターを設計することができ
た。
複製に不要な欠損可能部位(despensable region)である
ことが明らかになった。欠損してもRC(relaxed circu
lar)DNAを形成することができるものに現われた欠損
変異体らはR060(pCMV−ayw Δ1910-1992)、R048
(pCMV−ayw Δ1992-2143)、R056(pCMV−aywΔ
2143-2459)、R021(pCMV−ayw Δ2459-2817)、R04
4(pCMV−ayw Δ3052-3182/0)、R023(pCMV−a
yw Δ3182/0-129)、R040(pCMV−ayw Δ129-49
0)、R041(pCMV−ayw Δ490-827)、R025(pCMV
−ayw Δ827-1238)、R026(pCMV−ayw Δ1238-137
4)、R027(pCMV−ayw Δ1374-1419)、R053(pCM
V−ayw Δ1419-1592)を含む。
メント等を全て解明した。文献上ではHBVゲノム複製
段階に重要なエレメントが幾種類既に明らかになってい
る。このエレメント等はキャプシド化の信号に用いられ
る5'位置のエプシロン(Junker-Niepmann et al.,199
0;Hirsch et al.,1991)、DR1とDR2エレメント
(Condreay et al.,1992;Seeger et al.,1991;Nassa
l et al.,1996)、円形化(circularization)に作用する
r(repeat)エレメント(Loeb et al.,1997)、post-tran
scriptional RNA processingに必要なPRE エレメン
ト(Huang et al.,1995;Yen et al.,1998)等がある。
この他に、本発明では全体HBVゲノムのマッピング(m
apping)を介して二種類の新しいシス−エレメントを解
明した。
ト等を解明することにより、プロトタイプのHBV遺伝
子治療ベクターを設計することができる礎石を設けた
(図8参考)。HBV遺伝子治療ベクター開発において最
も考慮すべき点は異種遺伝子の挿入位置と異種遺伝子の
大きさである。本発明ではプロトタイプのHBV遺伝子
治療ベクターを開発するため、二つの異種遺伝子の挿入
可能部位を選定した。先ず、5'位置エプシロン(ε)と
アルファ(α)−エレメント(nt.1909-2817)の間にHB
V遺伝子を異種遺伝子の置換が可能である。この挿入部
位に少なくとも0.9K bp大きさの異種遺伝子DNA切片
の挿入が可能である。さらに、この挿入部位の上流(ups
tream)に位置し、コアプロモーター(core promoter)を
挿入された異種遺伝子発現に活用することになる。第二
に、アルファ(α)−エレメントとDR2エレメントの間
を異種遺伝子に置換することができる。ここでは、1.7K
bp大きさのDNA切片を異種遺伝子に置換することが
できる。最初の挿入部位と類似するよう、第二の挿入部
位の上流にプリ(pre)−S2/Sプロモーター(promote
r)が位置している。よって、この部位に挿入した異種遺
伝子はプリ(pre)−S2/Sプロモーターを利用して発
現することができる。
外部遺伝子を挿入してその複製を調査するため、異種遺
伝子の緑色蛍光タンパク質(green fluorescentprotei
n:GFP)遺伝子を挿入させたR711プラスミドを(pC
MV−HBV/GFP)製造した(図9参考)。
BVゲノム複製に必須の全てのシス−エレメントは存在
しなければならない。第二、最大のパッケージングされ
得る大きさ(packaging limit)を超過しない範囲で発現
能力を有する内在ウイルスプロモーターが必要である。
子のHBVベクターへの挿入 外部遺伝子が挿入された組換HBVベクターを製造する
ため、約0.7K bpの緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子
をHBVベクターに挿入した。先に、緑色蛍光タンパク
質(GFP)遺伝子をPCR生成物に作った後、このとき
GFP PCR産物の両端にはプライマーを介して作ら
れた制限酵素認識部位が生成されるように製作した。先
ず、R709プラスミド(pCMV−HBV/ΔPS2GF
P)は、R015プラスミドのBsu36 I(nt.3052)−EcoR
I(nt.3182)の間の切片を、両端にBsu36 I−EcoR I制
限酵素認識部位を有する0.7K bp大きさのGFP遺伝子
を発現するPCR生成物に置換して作った。具体的に、
プライマーGFP BsuF IIの5'末端からクローニング
のためのBsu36 Iの制限酵素認識部位を、そして、プ
ライマーGFP EcoR IIの5'末端にEcoR Iの制限酵素
認識部位を挿入してPCRに利用した。
−S2/Sプロモーターの一部が欠ける。欠けたpre−
S2/Sプロモーター部位を復旧させるため、Bsu36
I(nt.3052)−Bsu36 I(nt.3166)の間の切片をR709
プラスミドに挿入し、R710プラスミド(pCMV−pre
HBV/GFP)を製造した。ついで、R711プラスミド
(pCMV−HBV/GFP)(配列番号4)を製造するた
め、R710プラスミドのEcoR I(nt.3182)−Sph I(nt.1
238)の間の切片を削除した。結局、1.3K bp大きさのH
BV遺伝子の一部が0.7K bpのGFP遺伝子に置換され
る。よって、ベクターは全体ゲノム大きさが1.3K bp程
度が削除され、GFP遺伝子の0.7K bpが添加されてH
BVゲノム大きさより0.6K bpが小さくなるよう製造し
た。
遺伝子治療ベクターとしての有用性を確認した。R711
プラスミドとpCMV−CPS(ヘルパー)をHuh7細胞
にトランスフェクションした。実施例2−2のようにコ
アDNAを抽出し、HBVプローブ(probe)を利用した
サーザンブロットを行なった(図11a)。対照群でHB
Vを生産する肝癌細胞株のHepG2.2.15細胞へのコア粒子
から抽出したDNAを比較分析した(Sells et al.,19
88)。図11aに示されるように、陽性対照群のHepG2.
2.15細胞とR015プラスミドがトランスフェクションさ
れた細胞でRC(relaxed circular)DNA、DL(doubl
e-stranded linear)DNA、SS(single-stranded)D
NA等が検出された。その上に、R711プラスミドをト
ランスフェクションさせたときの場合にも、RC DN
Aが検出されることを確認することができた。さらに、
RC DNAの量が野生型HBVクローンのR015プラス
ミドをトランスフェクションした場合と類似するとのこ
とも確認することができた。
したサーザンブロットの結果からR711プラスミドベク
ターの複製能力を再確認することができた。結論的に、
本発明が提供するプロトタイプのHBVベクターは異種
遺伝子を挿入しても複製能(replication competent)に
損傷がないため、有用な遺伝子治療ベクターとしての可
能性が立証された。
P)は、HBVゲノムの大きさが野生型に比べ0.6K bp小
さい。HBVゲノムの大きさがマイナス−鎖の移動(tra
nslocation)に影響を及ぼす可能性があるため(HO et
al.,2000)、これを補うため野生型のゲノム大きさと同
じR712(pCMV−HBV/GFP3.2)プラスミド(配
列番号5)を製造した。R712プラスミドはR710プラス
ミドのEcoR I(nt.3182)−Apa I切片を削除し、PCR
を利用して正方向プライマー(forward primer)の5'位
置末端部位にEcoR I認識部位を作ったPCR生成物のEc
oR I(nt.732)−Apa I切片に置換してR712プラスミド
を製造した。プライマーの具体的な塩基配列は次の通り
である。
イズ程度の異種遺伝子が入っているため全体のサイズが
野生型と同じである。R712プラスミドをトランスフェ
クションさせたときの場合、R711と同様にサーザンブ
ロットの結果からRC DNAを確認することができ
た。
提供する組換ウイルスは肝細胞にのみ選択的に感染し、
治療用遺伝子を伝達する特性があるためin vivo治療とe
x vivo治療が可能な利点があり、このような新しい遺伝
子治療用組換B型肝炎ウイルスベクターは肝組織にDN
Aを直接挿入、循環等の方法で注入(administration)さ
せると、肝に異種遺伝子を伝達して発現させるのに直接
利用が可能である。
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NAを図式化した図であり、次のcis-elementが示され
ている:DR1(direct repeat 1)、DR2(direct re
peat 2)、epsilon(encapsidation signal)、r(repea
t)element、PRE(posttranscriptional RNA processi
ng element)。さらに、四つのORFを矢印状ボックス
図で示している:C(core)ORF、P(polymerase)OR
F、S(surface antigen)、and X ORF。
ックRNAを鋳型にし、逆転写過程を介してB型肝炎ウ
イルスの遺伝子複製過程が図式化されている。
V組換ベクターの細胞内での作用を要約した図で、HB
V組換ウイルスの複製に必要なウイルスタンパク質が提
供されるpackaging cell lineにトランスフェクション
させ、細胞内核でCCC(covalently closed circular)
形態のDNAに復旧され、野生形と同じく異種遺伝子を
有するHBV組換ベクターでの異種遺伝子発現過程を図
式化した図である。packaging cell lineはヘルパープ
ラスミドに代置することができる。
のプリゲノミックRNAを発現するプラスミド)を製造
するための図式である。
のプリゲノミックRNAを発現するプラスミド)を表
す。
レメントを解明するため製作した欠損変異体の欠損位置
を要約した図であり、欠損部位を太い線で表示。左下の
挿入された図はDR2、DR1部位の拡大図である。
可否をHBVプローブ(probe)にサーザンブロットした
結果であり、ここでRC(relaxed circularDNA)、D
L(double-stranded linear DNA)、SS(single-str
anded DNA)は、それぞれHBV遺伝子複製の中間
体。
地図で、B型肝炎ウイルスの複製に必要な新しいシス−
エレメント(アルファとベータ)と、異種遺伝子の挿入可
能部位と挿入可能遺伝子の大きさを図式化したものであ
る。
cence protein)が挿入されたHBV組換ベクター(R711
プラスミド)を製造するための過程を示す図式図であ
る。
子で緑色蛍光タンパク質(GFP;green flourescence
protein)が挿入されたHBV組換ベクター(R711プラス
ミドとR712プラスミド)の図式図。R711プラスミド
は、野生型より約0.6K bp小さい遺伝子を有する組換H
BVを生産することになり、R712プラスミドは、野生
型と同じ大きさの遺伝子を有する組換HBVを生産する
ことになる。
質(GFP)が挿入されたHBV組換ベクターR711(pC
MV−HBV/GFP)の複製の可否をHBVプローブ
で確認したサーザンブロットの結果であり、ここでRC
(relaxed circular DNA)、DL(double-stranded li
near DNA)、SS(single-strandedDNA)は、それ
ぞれHBV遺伝子複製の中間体である。
挿入されたHBV組換ベクターR711(pCMV−HBV
/GFP)の複製の可否をGFPプローブで確認したサ
ーザンブロットの結果であり、ここでRC(relaxed cir
cular DNA)、DL(double-stranded linear DN
A)、SS(single-stranded DNA)は、それぞれHB
V遺伝子複製の中間体である。
Claims (19)
- 【請求項1】 HBVゲノム複製に必須の新規2種類の
シス−エレメントである、配列番号1のアルファ−エレ
メント(nt.2818-3052)、及び配列番号2のベータ(β)
−エレメント(nt.1607-1804)配列を含む、プロトタイ
プのB型肝炎ウイルスプラスミドベクター。 - 【請求項2】 前記のベクターが、5'位置から3'位置
方向に、サイトメガロウイルスの初期プロモーター(imm
ediate early promoter)、DR1エレメント、エプシロ
ンエレメント(epsilon,nt.1849-1909)、請求項1に記
載のアルファ−エレメント(nt.2818-3052)、DR2エ
レメント、請求項1に記載のベータ−エレメント(nt.1
607-1804)、DR1エレメントを含む、配列番号3の請
求項1記載のプロトタイプのB型肝炎ウイルスプラスミ
ドベクター。 - 【請求項3】 前記エプシロン(nt.1849-1909)と前記
アルファ−エレメント(nt.2818-3052)の間に外来遺伝
子の挿入部位を有する、請求項2記載のプロトタイプの
B型肝炎ウイルスプラスミドベクター。 - 【請求項4】 前記アルファ−エレメント(nt.2818-30
52)と前記DR2(nt.1592-1602)の間に外来遺伝子の挿
入部位を有する、請求項2記載のプロトタイプのB型肝
炎ウイルスプラスミドベクター。 - 【請求項5】 前記ベクターが、さらにHBV遺伝子中
内在性ウイルスプロモーターを用いる、請求項2記載の
プロトタイプのB型肝炎ウイルスプラスミドベクター。 - 【請求項6】 前記ベクターが、HBV遺伝子中内在性
ウイルスプロモーターの中のコアプロモーターとプリS
2/Sプロモーターをそれぞれ選択して用いる、請求項
2記載のプロトタイプのB型肝炎ウイルスプラスミドベ
クター。 - 【請求項7】 前記ベクターが、野生型3.2K bp HB
Vゲノムの大きさを超えることなく、エプシロンエレメ
ントとアルファエレメントの間に0.90K bpまでの塩基
配列を挿入できる、請求項2記載のプロトタイプのB型
肝炎ウイルスプラスミドベクター。 - 【請求項8】 前記ベクターが、野生型3.2K bp HB
Vゲノムの大きさを超えることなく、アルファエレメン
トとDR2エレメントの間に1.7K bpまでの塩基配列を
挿入できる、請求項2記載のプロトタイプのB型肝炎ウ
イルスプラスミドベクター。 - 【請求項9】 前記ベクターが、複製に必須のコアタン
パク質、またはポリメラーゼ遺伝子が欠け複製不能(rep
lication-defective)である、請求項2記載のプロトタ
イプのB型肝炎ウイルスプラスミドベクター。 - 【請求項10】 前記ベクターが、少なくとも一つの異
種遺伝子(heterologous gene)を発現することができる
異種塩基配列を含む、請求項2記載のプロトタイプのB
型肝炎ウイルスプラスミドベクター。 - 【請求項11】 B型肝炎ウイルスのキャプシド化に必
須の“エプシロン”エレメントが欠け複製することがで
きないが、B型肝炎ウイルスのタンパク質を発現し、組
換HBVベクターにウイルス遺伝子複製に必要なタンパ
ク質(trans-acting factors)を発現するヘルパープラス
ミド(helper plasmid)。 - 【請求項12】 請求項10に記載の組換HBVベクタ
ーと、請求項11に記載のヘルパープラスミドを肝細胞
株に共にトランスフェクションして組換HBV粒子を作
ることができる方法であって:前記で請求項10に記載
の組換HBVベクターが、ウイルス遺伝子複製に必須の
シス−エレメントを含み、少なくとも一つの遺伝子治療
用異種遺伝子を発現することができ、さらに、ウイルス
遺伝子複製に必要なウイルス遺伝子中少なくとも一種を
発現することができず、請求項11に記載のヘルパープ
ラスミド(helper plasmid or packaging plasmid)が、
ウイルス遺伝子複製に必要なタンパク質(trans-acting
factors)中少なくとも一種を発現することができない組
換HBVベクターにこの欠乏したタンパク質を提供し、
組換HBVベクターを補って(complementation)感染性
のあるウイルスを生産できなければならず、前記肝細胞
株は、複製に必要なタンパク質(trans-acting factors)
が提供されると組換HBVベクターが複製できる肝細胞
株であることを特徴とする方法。 - 【請求項13】 前記肝細胞が人間の肝細胞、鳥類の肝
細胞、げっ歯類の肝細胞からなる群から選択される、請
求項12記載の方法。 - 【請求項14】 前記組換HBV粒子を血管内、又は肝
組織内投与方法で標的細胞に感染させる、請求項12記
載の方法。 - 【請求項15】 前記標的細胞の集団が人間の肝細胞を
含む、請求項14記載の方法。 - 【請求項16】 前記で言及した挿入できる外部遺伝子
が、多様な遺伝子に対するアンチセンス遺伝子とリボザ
イムを含み、特にB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルス
のアンチセンス遺伝子とリボザイムを作る遺伝子を含
み、さらに、多様な癌抑制遺伝子、成長因子、ホルモ
ン、サイトカイン、細胞膜受容体(cellular receptor
s)、血液凝固因子をコードする異種遺伝子を含む、請求
項14記載の方法。 - 【請求項17】 HBVに慢性感染した患者の肝組織内
に、直接前記組換HBVベクターDNAを投与すること
を含む、組換HBV粒子を標的細胞に感染させる方法。 - 【請求項18】 標的細胞の集団が、人間の肝細胞を含
む、請求項17の方法。 - 【請求項19】 前記で言及した挿入できる外部遺伝子
が、多様な遺伝子に対するアンチセンス遺伝子とリボザ
イムを含み、特にB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルス
のアンチセンス遺伝子とリボザイムを作る遺伝子を含
み、さらに、多様な癌抑制遺伝子、成長因子、ホルモ
ン、サイトカイン、細胞膜受容体(cellular receptor
s)、血液凝固因子をコードする異種遺伝子を含む、請求
項17記載の方法。
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