JP2002318145A - 流量計 - Google Patents
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Abstract
変換器23、24間を超音波が往復する時間を計測する
ようにしている。これによって一対の超音波変換器間に
発生するオフセット値を随時補正して、流体の流速を正
確に計測でき、高精度な流量計を実現することができ
る。
Description
する超音波流量計に関するものである。
すような流量計1がある。図5は、断面図を示し、流体
の流れる流路2の上流側と下流側とに一対の超音波変換
器3、4を流体を介し、対向して設置し、一対の超音波
変換器3、4間を伝搬する超音波の伝搬時間の時間差か
ら流体の流速を計測し、流量を演算し、流量計としてい
た。なお、図中の片矢印5(実線)は流体の流れる方向
を示し、両矢印6(破線)は超音波の伝搬する方向を示
している。なお、流体の流れる方向と、超音波の伝搬す
る方向とは角θで交叉している。
波変換器3(もしくは4)を駆動した時の矩形状の駆動
波形7と、下流側(もしくは上流側)の超音波変換器4
(もしくは3)で受信した時の受信波形8とを示す。横
軸に時間を、縦軸に電圧を示す。なお、図中の横線9
(破線)は、コンパレータの設定電圧(Vref)を示
す。なお、コンパレータの設定電圧9(Vref)は、
雑音信号でコンパレータが誤動作しないように、受信波
形8の第3番目の受信電圧の山(V3)と第4番目の受
信電圧の山(V4)との間となるよう設定してある。超
音波変換器3、4間を伝搬する超音波の伝搬時間Tp
は、駆動波形の立ち上がり点10から、受信波形8が、
コンパレータの設定電圧9を越えた次のゼロクロス点1
1(黒丸)までとしていた(図中のTp参照)。この場
合、真の伝搬時間Tsは、上記の伝搬時間Tpから、受
信波形の3.5波分(図中のTi参照)を差し引いた時
間となる。即ち、超音波の真の伝搬時間Tsは、Ts=
TpーTiとして、流量演算に用いていた。
流量計1の計測される超音波伝搬時間Tp(=Ts+T
i)には、超音波が受信側の超音波変換器の表面に到達
した後、検知されるまでの時間(Ti)が含まれている
ため、一対の超音波変換器3、4の特性差により誤差が
発生することがあった。即ち、超音波変換器の温度特性
や経時変化などにより、例えば、受信周波数が変化した
り、あるいは、受信感度が変化したし、検知される間で
の時間(Ti)が一対の超音波変換器間で異なることが
あった。この差異が、超音波流量計の誤差となり、流量
値が不正確となるという課題を有していた。
超音波変換器への計測される超音波の伝搬時間をTp
(ud)、下流側の超音波変換器から上流側の超音波変
換器への計測される超音波の伝搬時間をTp(du)、
流体中を伝搬する超音波の伝搬速度をVs、流体の流速
をVf、上流側と下流側の超音波変換器間の距離をLd
とすると、以下のようになる。
(d)、=Ld/[Vs+Vf×cos(θ)]+Ti
(d)、Tp(du)=Ts(du)+Ti(u)=L
d/[Vs−Vf×cos(θ)]+Ti(u)となる。
て下流側の超音波変換器の表面に到着後検知されるまで
の時間を、Ti(u)は超音波が伝搬してきて上流側の
超音波変換器の表面に到着後検知されるまでの時間を、
それぞれ示す。なお、Ts(ud)およびTs(du)
は、それぞれ上流側の超音波変換器から計測した超音波
が一対の超音波変換器間を往復するの真の伝搬時間、お
よび下流側の超音波変換器から計測した超音波が一対の
超音波変換器間を往復するの真の伝搬時間を示す。
Ld/[Vs+Vf×cos(θ)]であるから、Vs+
Vf×cos(θ)=Ld/[Tp(ud)−Ti
(d)]、また、Tp(du)−Ti(u)=Ld/
[Vs−Vf×cos(θ)]であるから、Vs−Vf×c
os(θ)=Ld/[Tp(du)−Ti(u)]とな
り、両辺を引き算すると、流体中の超音波伝搬速度Vs
はキャンセルされ、2×Vf×cos(θ)={Ld/
[Tp(ud)−Ti(d)]}−{Ld/[Tp(d
u)−*Ti(u)]}。
(du)−Ti(u)]−[Tp(ud)−Ti
(d)]}=Ld×{[Tp(du)−Tp(ud)]
+[Ti(d)−Ti(u)]}(右辺の分母)=[T
p(ud)−Ti(d)]×[Tp(du)−Ti
(u)]となる。
>>Ti(d)、Ti(u)、Tp(ud)≒Tp(d
u)であるので、(右辺の分母)=[Tp(ud)−T
i(d)]×[Tp(du)−Ti(u)]=Tp(u
d)×Tp(du)−Tp(ud)×[Ti(d)+T
i(d)]+Ti(d)×Ti(u)≒Tp(ud)×
Tp(du)とすることができ、Vf=Ldx{[Tp
(du)−Tp(ud)]+[Ti(d)−Ti
(u)]}/[2xcos(θ)xTp(ud)xTp
(du)]となる。
u)−Tp(ud)]/[2xcos(θ)xTp(u
d)xTp(du)]、Verr=Ldx[Ti(d)
−Ti(u)]/[2xcos(θ)xTp(ud)xT
p(du)]とすると、Vf=Vmeas+Verrと
なり、Vmeasが真の流速値、Verrが流速計測の
誤差項となる。
面積Srを乗じ、以下のようになる。
rが得られることになる。
流量の誤差項Qerrは、流速が小さい時ほど、その真
の流速値Vmeasに対する影響度は大きくなる。即
ち、流体の流速が遅い時は、[Tp(du)−Tp(u
d)]の値が、非常に小さくなるためである。
Tp(ud)、あるいはTp(du)は、それぞれ真の
超音波伝搬時間Tsと検知されるまでの時間Tiとを含
んでいるので、上流側の超音波変換器および下流側の超
音波変換器での検知されるまでの時間Ti(u)、Ti
(d)に差異が発生すると、流速の計測に誤差を含むこ
とになり、流量計測精度が悪くなることになる。即ち、
流速計測における誤差分、Ti(d)−Ti(u)、が
含まれる。なお、この流速の誤差項、Verr(=Ti
(d)−Ti(u))、あるいは、流量の誤差項Qer
r(=Verr×Sr)は通常オフセット値と言われる
ことが多い。
で、温度変化あるいは経時変化などにより、一対の超音
波変換器間で、検知される時間(Ti)に差異が発生し
ても、即ち、オフセット値が発生しても、あるいは変化
しても、それを補正し、正確な流量値を計測する超音波
流量計を提供することを目的としている。
るために、本発明の超音波流量計は、一対の超音波変換
器を流体の流れる流路の上流側と下流側とに、流体を介
し、対向して配置し、一対の超音波変換器間を伝搬する
超音波の伝搬時間から流体の流量を計測するとともに、
一対の超音波変換器間を往復する超音波の伝搬時間から
オフセット値を検定する自己診断機能を有する構成とし
た。
は、温度変化や経時変化などにより一対の超音波変換器
間で、受信周波数が変化したり、あるいは、受信感度が
変化したして、検知される間での時間(Ti)が異なっ
ても、即ち、オフセット値が発生したり、変動しても、
それを補正し、正確な流量値を計測することができる。
量計を構成する一対の超音波変換器間を往復する超音波
の伝搬時間を計測することにより、一対の超音波変換器
間のオフセット値を計測し、補正することができるの
で、誤差のない正確な流量値を計測することができる。
の伝搬時間をシングアラウンド計測するので、より高精
度に補正することができる。
のオフセット値を流量の少ない時に実施するので、誤差
が入る余地がすくなく安定した結果だ得られる。
のオフセット値を定期的に実施するので、長期間にわっ
て安定した流量計となる。また、定期的に実施するの
で、省電力ともなる。また、点検時などにも随時実施す
ることもできるので、オフセット値を即座に確認するこ
ともできる。
のオフセット値の検定結果を記憶することができるの
で、将来検定結果に問題が発生した時などに、簡単に点
検することができる。
のオフセット値の検定前後に、流量量値が大きく変化し
た場合に、オフセット異常を報知することができるの
で、即座に点検などの対応を実施することができる。
の流体中を伝搬する超音波の伝搬速度を、一対の超音波
変換器間を往復する伝搬時間から求めるので、流体が流
れていても正確に計測することができるので、その流体
の温度を正確に検知することができる。従って、流体が
流れていても超音波伝搬時間を計測するマスク時間を設
定することができる。
の流体中を伝搬する超音波の伝搬速度を、一対の超音波
変換器間を往復する伝搬時間から求めるので、流体が流
れていても正確に計測することができるので、その流体
の温度を正確に検知することができる。従って、流体の
温度表示や、あるいは、流量値の温度換算なども実現す
ることができる。
の流体中を伝搬する超音波を受信するので、即ち、同一
の超音波変換器で送信、受信するので、超音波変換器の
特性、特に受信感度を検定することができる。
説明する。なお、図中の同一番号を付けているものは、
同一なものを示しているので、説明を省略する。
おける流量計21の断面図を示し、流体の流れる流路2
2の上流側と下流側とに一対の超音波変換器23、24
を流体を介し対向して設置し、超音波変換器間の距離L
dは、約100[mm]、流路22の断面積Srは約30
[mm^2]とした。なお、図中の片矢印25(実線)は
流体の流れる方向を示し、両矢印26(破線)は超音波
の伝搬する方向を示している。なお、流体の流れる方向
は、超音波の伝搬する方向とは角θ(45度)で交叉す
るようにした。
から下流側の超音波変換器の表面で反射し、上流側の超
音波変換器で検知される超音波の伝搬時間Tw(ud)
は、 Tw(ud)=Ld/[Vs+Vfxcos(θ)]+L
d/[Vs−Vfxcos(θ)]+Ti(u)=(Ld
x2xVs)/[Vs^2−(Vfxcos(θ))^
2]+Ti(u) ここで、通常の場合、Vs^2>>(Vfxcos
(θ))^2である。
伝搬速度Vsは約340[m/sec]、流路を流れる流体
の流速は、概ね、約1[mm/sec]〜10[m/sec]であ
る。
w(ud)=(Ld×2×Vs)/Vs^2+Ti
(u)=(2×Ld)/Vs+Ti(u)=2×Ts+
Ti(u)となる。
流側の超音波変換器の表面で反射し、下流側の超音波変
換器で検知される超音波の伝搬時間Tw(du)は、T
w(du)=2×Ts+Ti(d)となる。
復時間および下流側から計測した超音波の往復時間に
は、流体の流速に依存しない値となることがわかる。即
ち、流体の流速が大きくても、小さくても、流体中を伝
搬する超音波の伝搬速度で決まる一定値となる。
(ud)−Tw(du)=Ti(u)−Ti(d)とな
り、流速計測における誤差項(オフセット値)が、超音
波が超音波変換器間を往復する時間を計測することによ
り、得られたことになる。
め計測することにより、流速計測において発生する誤差
項(オフセット値)を補正することができ、誤差項(オ
フセット値)のない流速計測ができる。このため、高精
度な流量計を実現することができる。
方の超音波変換器で送信し、かつ、同一の超音波変換器
で受信する回路ブロック図を示す。27は超音波変換器
を駆動する駆動部で、バースト信号を発生する。28、
29はダイオードブロックを、30は超音波変換器を示
す。31は負荷抵抗を、32は信号抵抗を示し、それぞ
れ2および1[kohm]とした。33は受信信号を増幅す
る増幅器を示す。この構成において、駆動部27からの
数V〜数十Vのバースト駆動信号が、ダイオードブロッ
ク28を介して、超音波変換器30と負荷抵抗31とに
印加される。超音波変換器の共振周波数近傍では、超音
波変換器のインピーダンスは負荷抵抗31に比べ充分低
いので、駆動信号はすべて超音波変換器に印加されると
考えることができ、超音波変換器からバースト状の超音
波が放出される。
32を介して、ダイオードブロック29と増幅器33に
も印加される。この場合、大電圧の駆動信号は、ダイオ
ードブロック29を介して接地ラインに接続されている
ので、増幅器にはダイオードで決まる閾値、約0.9V
程度の信号しか入力されないので、増幅器33が破壊さ
れることはない。超音波変換器30から流体中に放出さ
れた超音波は、流体を介して対向設置されている超音波
変換器の表面で反射して戻ってくる。戻って来た超音波
は、同一の超音波変換器30で受信される。受信された
超音波は、超音波変換器30に電荷を発生させる。この
発生した電荷は、負荷抵抗31の両端に受信電圧を発生
させる。この受信電圧は充分小さく、通常は100[m
V]程度以下である場合が多い。ダイオードブロック2
8を介して駆動部と、信号抵抗31を介して増幅器33
とに伝達される。充分小さい受信電圧は、ダイオードブ
ロック29で接地されても、その受信電圧は、ダイオー
ドで決まる閾値以下であるため減衰することなく増幅器
33に伝達される。
された駆動信号は、超音波が超音波変換器間約100
[mm]を往復する間に、充分減衰するので、受信信号に
対する雑音とはならない。例えば、流体が空気である場
合、超音波が往復する時間は約590[μsec]程度と
なり、駆動信号が減衰するのに充分な時間となる。
音波の伝搬時間を計測することにより、流量計測におけ
る誤差項(オフセット値)を計測することができる。従
って、この誤差項(オフセット値)を補正することがで
きるので、誤差分のない精確な流量計を実現することが
できる。
よる往復時間の高精度な計測方法を説明する。
超音波変換器から超音波を送信し、送信された超音波が
受信側の超音波変換器で受信され、その信号を送信側の
超音波変換器に伝達し、予め決められた回数だけ送信、
受信を繰り返し、時間分解能を上げて、高精度に超音波
の伝搬時間を計測しようとすることである。
シングアラウンド法を説明する。
間をTdelayとすると、上流側の超音波変換器から
下流側の超音波変換器へ計測する場合の往復時間Tw
(N,ud)は、Tw(N,ud)=N×[Tw(u
d)+Ti(u)]+N×Tdelay、また、下流側
の超音波変換器から上流側の超音波変換器へ計測する場
合の往復時間Tw(N,du)は、Tw(N,du)=
N×[Tw(du)+Ti(d)]+N×Tdelay
となる。なお、遅延時間は、受信信号が多数回往復す
る、例えば、2往復あるいは3往復する超音波と重なら
ないように、往復時間の0.7〜0.9の範囲内で設定
した。この設定により、雑音が非常に小さく、かつ、高
S/Nの受信信号が得られた。
るから、上式の両辺を引き算すると、Tw(N,ud)
−Tw(N,du)=N×Ti(u)−N×Ti
(d)、これより、N×[Ti(u)−Ti(d)]=
Tw(N,ud)−Tw(N,du)となり、誤差項
[Ti(u)−Ti(d)]を、N倍した値が得られた
ことになる。
法を採用することにより、N倍の分解能で誤差項を計測
できる、例えば、100回のシングアラウンド(N=1
00)の場合、10[MHz]のクロックで、1000[M
Hz]相当、即ち、1[nsec]相当の分解能で誤差項を
計測できることを意味している。このようにして、誤差
項(オフセット値)を高分解能、高精度に計測すること
ができ、高精度な流量計が実現できる。
るための実施例3を以下に説明する。実施例1におい
て、一対の超音波変換器間Ldを超音波が往復する時間
Tw(ud)として、Tw(ud)=Ld/[Vs+V
fxcos(θ)]+Ld/[Vs−Vfxcos(θ)]+
Ti(u)=(Ldx2xVs)/[Vs^2−(Vf
xcos(θ))^2]+Ti(u)として与え、通常の
場合、Vs^2>>(Vfxcos(θ))^2であるか
ら、上記のように省略したが、より正確には以下のよう
になる。
{[Vs^2]×[1−(Vfxcos(θ)/Vs])
^2}+Ti(u)=(Ldx2)/{Vsx[1−
(Vfxcos(θ)/Vs])^2}+Ti(u)≒
(Ldx2/Vs)x[1+2xVfxcos(θ)/V
s]+Ti(u) 同様にして、Tw(du)≒(Ldx2/Vs)x[1
+2xVfxcos(θ)/Vs]+Ti(d)となる。
えば、空気の場合、超音波の伝搬速度Vsは、約340
[m/sec]、θ=45[deg]、流体の流速Vfを10
[m/sec]とすると、誤差は約4[%]となる。また、
流体の流速Vfが1[m/sec]であれば、誤差は約0.
4[%]となる。このように、流体の流速Vfが、小さ
いほど、その誤差は小さくなる。従って、流速が有る程
度、例えば、1[m/sec]以下、即ち、流量値換算ほぼ
1000[L/hr]程度以下で、オフセット値を計測す
るようにすると、誤差項をより正確に計測することがで
き、より高精度な流量計を実現することができる。
ための実施例4を以下に説明する。温度変化や経時変化
などにより、流量計の誤差項(オフセット値)が変動す
る場合がある。このため、例えば、一日毎に、あるいは
一週間毎に、あるいは一ヶ月毎に、のように定期的にオ
フセット値を計測し、更新することにより、より安定し
た流量計を実現することができる。また、外部SWなど
を設け流量計を移動させた時や、あるいは設置した場
合、あるいは周囲の環境大きく変化した時などにオフセ
ット値を計測し、更新するようにすれば、より安定し
た、環境変化に強い流量計を実現することができる。ま
た、外部から遠隔操作などにより、オフセット値を計測
し、更新するようにすれば、より安定した流量計を実現
することができる。これらの場合、計測される流量値を
監視し、計測される最低流量値の変動と連動して、オフ
セット値を計測・更新するようにしてもよい。即ち、最
低流量値が負と表示される場合などオフセット値を計測
・更新するようにするとよい。この構成により、数年〜
数十年の長期間にわたって安定した、信頼性の高い流量
計が実現できる。
る。実施例5は、オフセット値の異常を検出可能にする
とともに、流量値の異常をも補正可能とする流量計を実
現可能とすることができる。
ット記憶部を設け、オフセット値の更新時刻と更新前後
のオフセット値を記憶するようにした。この構成によ
り、例えば、出荷時のオフセット値からある一定の幅を
越えてオフセット値が更新された場合に、流量計異常で
あると判定することも可能となる。また、その場合に
は、例えば、通信回線などを用いて、流量計設置者に報
知することも可能となる。また、流量計の外部表面に異
常を報知する表示部を設け、そこに異常表示させること
も可能となる。また、例えば、積算流量値に異常が発生
した場合にも、流量計記憶部に記憶されているオフセッ
ト値から、過去の積算流量値を検算し、大まかな補正を
実施することも可能となる。このように、オフセット値
の更新時刻および更新値を記憶する構成により、オフセ
ット値の異常を検出可能にするとともに、積算流量値の
異常をも補正可能とする流量計を実現することができ
る。
る。実施例6による流量計においては、オフセット値の
一回当たりの更新値の増減にある一定の閾値を設けるよ
うにした。この増減値の閾値を予め、例えば、流量換算
値として、例えば約1[L/hr]に設定しておくと、こ
の値を越えた場合、流量計が異常であると判定すること
も可能となり、異常と判定すれば、通信回線などを用
い、通報することも可能となる。また、流量計表面に異
常を報知する表示部を設けるようにしてもよい。なお、
この増減値の閾値は、更新時間と連動するようにしても
よい。例えば、更新時間が一ヶ月であれば、その閾値は
約3[L/hr]程度に設定するようにしてもよい。この
構成により、オフセット値の更新毎に、流量計の異常判
定を実施することができる。常に、安定した信頼性の高
い流量計が実現できる。
量計の計測回路ブロック図を示す。この構成において、
トリガー回路34は予め設定された間隔でスタート命令
を、駆動回路27および時間回路35に出力する。スタ
ート命令を受けた駆動回路27では、送信側切換SW3
6で選択されている送信側超音波変換器(例えば、上流
側の超音波変換器3)にバースト信号からなる駆動信号
を出力する。送信側超音波変換器が、流路の流体中に送
信した超音波は、受信側切換SW37で選択されている
超音波変換器(例えば、下流側の超音波変換器4)で受
信され、その信号は増幅器33で増幅される。一方、ス
タート命令を受けた時間回路35では、一定間隔の時間
パルスを生成する。また、予め決められたゲート開放時
間(Tgk)経過後、検知回路38へ、ゲート開放信号
を送出する。ゲート開放信号を受けた検知回路38で
は、コンパレーたなどを動作させ、超音波の受信波から
ゼロクロス点を検出し、超音波受信時間を検知する。こ
の検知時間には、超音波の真の伝搬時間Tsと、超音波
変換器の表面に到着後検知されるまでの時間Tiがふく
まれている。この検知時間を用い、制御・演算回路39
では真の超音波伝搬時間を演算し、流体の流速Vmea
sを演算する。この流速、Vmeas から流量値Qm
easを算出し、流量値を得る。この時、ゲート開放時
間(Tgk)を決めるために、上記実施例に示した一対
の超音波変換器間を往復する時間を用いる。
超音波が往復する時間はTw(ud)=2×Ts+Ti
(u)、下流側の超音波変換器から計測した超音波が往
復する時間はTw(du)=2×Ts+Ti(d)とな
る。
例えば、3.5波分などのように決められているので、
超音波変換器の使用する周波数から簡単に決められるの
で、超音波が真に往復する時間Tsを簡単に算出するこ
とができる。なお、Ti(d)およびTi(d)は、上
流側および下流側、あるいは、送信側および受信側の超
音波変換器の特性およびゼロクロス設定で決まる値であ
るため、おおまかには予め決めることができる値であ
る。これより、超音波が真に伝搬する時間Tsを決定す
ることができ、本実施例では、この時間Tsからゲート
開放時間Tgkを以下のようにして決めた。
た。
は、バースト信号からなる駆動波形40と、超音波の受
信波形41とを示す。時間計測の起点は、駆動信号のバ
ースト波形の立ち上がり点42とし、Tsは真の超音波
伝搬時間、約295[μsec]を示し、Tiは超音波が
超音波変換器の表面に到着後検知されるまでの時間、数
〜十数[μsec]を示す。TiはTsに比べると十分小
さい値である。Tgkは上記で示したゲート開放時間を
示し、Tpは検知回路38で得られるゼロクロス点43
で検知された超音波の検知時間を示す。この時、コパレ
ータはゲート開放時間、Tgk、後の負勾配のゼロクロ
ス点を検知するように設定した。従って、ゲート開放時
間、Tgk直後の正勾配のゼロクロス点は検知しない。
以上説明したように、超音波が往復する時間から、ゲー
ト開放時間(Tgk)を設定し、上流側から下流側への
超音波の伝搬時間、Tp(ud)、および下流側から上
流側への超音波の伝搬時間、Tp(du)を検知するこ
とにより、流体の流速を計測する。この場合、オフセッ
ト値も超音波の往復時間から上記実施例で説明したよう
に計測できるので、補正することができ、高精度な流量
計を実現することができる。またこの場合、図Nで示し
たコンパレータの電圧設定9(Vref)が不要とな
る。従って、受信波形が温度特性や、環境変化あるいは
経時変化などにより不安定となっても、超音波の伝搬時
間を安定して正確に計測することができ、高精度、高安
定な流量計が実現できる。
復する時間は、上流側の超音波変換器および下流側の超
音波変換器で計測すると、上記実施例1で示したよう
に、それぞれTw(ud)=2xTs+Ti(u)、T
w(du)=2xTs+Ti(d)となる。
間Tsは、Ts=(Tw−Ti)/2、よって、超音波
の伝搬速度Vsは、Vs=Ld/[(Tw−Ti)/
2]となる。
度の大きいさなのでTwと記し、Ti(u)、Ti
(d)も同程度の大きいさなのでTiと記した。また、
Twは約590[μsec]程度であり、Tiは約数〜十
数[μsec]程度である。従って、Tw>>Tiと見な
すことができ、超音波の音速Vsは、以下のようにな
る。
計測することができる。理科年表などによれば、流体の
種類が決まればその流体中を伝搬する超音波の伝搬速度
と流体の温度とは、幅広い温度範囲において一次関数で
示される。従って、超音波の音速(伝搬速度)がわかれ
ば、流体の温度が計測できたことになる。
sは、空気の温度をt[℃]とすると、Vs=341.
45+0.607xt[m/sec]となる。
度を検出することができる。
流量値を基準温度での流量値換算するという温度補正す
ることも可能となる。また、計測した流体の温度を、例
えば、流量計に表示することも可能となる。
音波が超音波変換器間を往復する時間から簡単に流体の
温度を計測することができ、温度補正や温度表示が可能
な流量計を実現できる。
明する。図2に示した超音波の往復時間計測回路ブロッ
クにおいて、駆動部27から一定電圧の駆動信号を超音
波変換器に印加し、超音波が一定距離間、即ち、一対の
超音波変換器間を往復し、同一の超音波変換器で受信さ
れる。この受信信号の大きさを検出することにより、超
音波変換器の送信・受信特性を評価・検定できる。即
ち、初期値を記憶部に記憶しておき、その値の、例え
ば、0.5まで劣化して時点を、超音波変換器の劣化と
判定することが可能となる。この場合、上流側、下流側
を独立して評価・検定することができる。従って、劣化
判定基準を、上流側と下流側の超音波変換器間の受信電
圧の差と規定すること可能となる。従来の流量計では、
上流側から下流側へ、あるいは、下流側から上流側への
超音波の送信・受信感度を評価・検定していた。この場
合には、上流側と下流側の超音波変換器の特性が、複雑
にからみあった評価・検定となっていたので、どちらか
一方が劣化しても、それを検出することが出来なかっ
た。たとえ劣化が検出できても、どちらの超音波変換器
が劣化したと判別することはできなかった。
によれば、超音波変換器間のオフセット値を検出し、補
正することができ、高精度な超音波流量計を実現でき
る。
図
受信回路ブロック図
ック図
説明する図
る図
Claims (9)
- 【請求項1】 流体の流れる流路の上流側と下流側とに
一対の超音波変換器をそれぞれ対向して配置し、前記超
音波変換器の間を伝搬する超音波の伝搬時間から流体の
流量を計測するとともに、オフセット値を検定する自己
診断機能を備えた超音波流量計。 - 【請求項2】 超音波の伝搬する時間及び往復する時間
をシングアラウンド計測する請求項1記載の超音波流量
計。 - 【請求項3】 オフセット値を、流量の少ない時に検定
する請求項1記載の超音波流量計。 - 【請求項4】 オフセット値を、定期的もしくは随時検
定する請求項1記載の超音波流量計。 - 【請求項5】 オフセット値の検定結果を記憶する請求
項3又は4記載の超音波流量計。 - 【請求項6】 オフセット値の検定前後で、流量値が所
定の値を越えた時、異常を報知する請求項3、4又は5
記載の超音波流量計。 - 【請求項7】 流体中を伝搬する超音波の音速から、超
音波伝搬時間を計測するマスク時間を設定する請求項1
記載の超音波流量計。 - 【請求項8】 流体中を伝搬する超音波の音速から、流
体の温度を演算し、温度表示あるいは流量値を温度補正
する請求項1記載の超音波流量計。 - 【請求項9】 一対の超音波変換器間を往復する超音波
の受信信号から超音波変換器の感度を検定する請求項1
記載の超音波流量計。
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