JP2002315551A - 食品用防腐剤およびその製造方法 - Google Patents

食品用防腐剤およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性を有し、食品の味覚を変えることがな
く、人体に安全な食品用防腐剤を提供する。 【解決手段】 (a) 水,キトサン,脱脂粉乳,澱粉,ク
エンサン,エタノール,α−アミラーゼを混合してアミ
ノ糖,マンヌロン酸,グルロン酸の共重合体である第1
の複合多糖類を生成し、(b) これにプルラナーゼを添加
してエピメラーゼを生成させ、この作用により、マンヌ
ロン酸の一部をグルロン酸に変換した第2の複合多糖類
を生成し、(c) この第2の複合多糖類にシクロデキスト
リンを添加してアルギン酸リアーゼを生成させ、この作
用により第2の複合多糖類を分解してオリゴ糖を生成し
た。生成したオリゴ糖は、マンヌロン酸,グルロン酸等
のウロン酸,キトサン由来成分などからなり、抗菌性を
有し、人体に安全なものである。また、食品に添加して
もその味覚を変えることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品用防腐剤に関
し、特にキトサンなどから生成され、抗菌性を示し、食
品の味覚を損なうことのない食品用防腐剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、食品用防腐剤としては、安息香
酸、サリチル酸、ソルビン酸等を使用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の食
品用防腐剤は、食品の日持ちを向上させるものの、食品
の味覚を変化させたり、また人体に悪影響を与える恐れ
があるという問題点があった。
【0004】そこで、本発明では、キトサンの特性を利
用して、抗菌性を有し人体に悪影響を及ぼすことがな
く、食品の味覚を損なうことのない食品用防腐剤および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】これを達成するために、
本発明では次の構成からなる食品用防腐剤を用いてい
る。 (1)抗菌性を示し、味覚を損なうことのない食品用防
腐剤であって、(a) 少なくともキトサンを用いて、アミ
ノ糖、マンヌロン酸、グルロン酸の各構造単位からなる
第1の複合多糖類を生成し、(b) 前記マンヌロン酸の一
部を異性化酵素を用いてグルロン酸に変換して第2の複
合多糖類を生成し、(c) 当該第2の複合多糖類を触媒を
用いて分解する、ことにより生成する糖を含むことを特
徴とする食品用防腐剤を用いる。 (2)上記(1)において、前記第1の複合多糖類は、
前記キトサンに加えて、水、脱脂粉乳、澱粉、酸、アル
コールから生成する。 (3)上記(1)または(2)において、前記異性化酵
素にはエピメラーゼを用いる。 (4)上記(1)乃至(3)において、前記触媒を加水
分解酵素、脱離酵素、希酸から選択する。 (5)抗菌性を示し、味覚を損なうことのない食品用防
腐剤の製造方法であって、(a) 少なくともキトサンを用
いて、アミノ糖、マンヌロン酸、グルロン酸の各構造単
位からなる第1の複合多糖類を生成し、(b) 前記マンヌ
ロン酸の一部を異性化酵素を用いてグルロン酸に変換し
て第2の複合多糖類を生成し、(c) 当該第2の複合多糖
類を触媒を用いて分解する、ことによって生成する糖を
含む食品用防腐剤を製造する。 (6)上記(5)において、前記第1の複合多糖類は、
前記キトサンに加えて、水、脱脂粉乳、澱粉、酸、アル
コールから生成する。 (7)上記(5)または(6)において、前記異性化酵
素にはエピメラーゼを用いる。 (8)上記(5)乃至(7)において、前記触媒を加水
分解酵素、脱離酵素、希酸から選択する。
【0006】本発明の食品用防腐剤は、キトサンなどか
ら生成した糖を含むものである。キトサンは、キチン
(Nアセチル−D−グルコサミン)の脱アセチル化物が
直鎖状に結合した多糖類の一種である。なお、キチンは
通常カニ、エビ等の甲殻から得られる。
【0007】内田(佐賀大学農学部教授)らは、キトサ
ンが大腸菌、緑膿菌、枯草菌、黄色ブドウ球菌などの増
殖を阻害し、広範囲な抗菌スペクトルを示すと報告して
いる。また、カビについてもフザリウム属のフザリウム
・ソラニーの増殖を抑制し、抗カビ活性を示すことも報
告している。
【0008】また、キトサンは前述のように天然物由来
物質であり、体内では腸内細菌や脾臓などに含まれるリ
ゾチームによって分解されるので人体に対する安全性が
高い。
【0009】しかしながら、キトサン自体には特有の斂
味があり、これをそのまま食品に添加すると食品そのも
のの味を変化させる可能性がある。
【0010】本発明では、工程(a) でまず、キトサンを
用いて、アミノ糖、マンヌロン酸、グルロン酸の各構造
単位からなる第1の複合多糖類を生成している。なお、
マンヌロン酸とグルロン酸とは光学異性体の関係であ
る。
【0011】好ましくは、水、キトサン、脱脂粉乳、澱
粉、酸、アルコールを用いて、アミノ糖、マンヌロン
酸、グルロン酸の各構造単位からなる第1の複合多糖類
を生成する。
【0012】なお、上記の各出発物質は食品、または食
品添加物として認可を受けたものである。
【0013】次に、工程(b) では、異性化酵素が、異性
体の関係にある有機化合物の一方の構造を他方の構造に
反転する特徴を利用して、第1の複合多糖類のマンヌロ
ン酸の一部をグルロン酸に変換した第2の複合多糖類を
生成している。
【0014】これは、次工程(c) において、アミノ糖、
マンヌロン酸、グルロン酸、の結合を選択的に分解し
て、キトサン由来の抗菌性がより発揮される糖を生成す
るためである。
【0015】そして、工程(c) では、第2の複合多糖類
を例えばアルギン酸リアーゼ等の脱離酵素、α−アミラ
ーゼなどの加水分解酵素や希酸などの酸の作用により分
解し、グルロン酸,マンヌロン酸等のウロン酸や、キト
サン由来成分などからなる抗菌性を有する糖(例えばオ
リゴ糖)を生成している。
【0016】生成された糖は、出発物質であるキトサン
由来の抗菌性、生分解性を兼ね備えたものである。ま
た、上述のように、例えばキトサン由来成分の他、グル
ロン酸やマンヌロン酸などから構成されており、キトサ
ンそのものに特有の斂味がない。
【0017】したがって、このような糖を含む本発明の
食品用防腐剤は、抗菌性を有し、人体に安全で添加する
食品の味覚を損なうことのないものである。
【0018】また、本発明の食品用防腐剤は耐熱性、耐
酸性に優れ、例えば食品に添加後、それを凍結解凍した
場合にも抗菌性が衰ったり食品を変質させることがな
い。
【0019】なお、本発明の食品用防腐剤は、豆腐をは
じめ、うどん、そば、乳製品、魚類蒲鉾、菓子、アイス
クリームなど種々の食品に添加することができる。
【0020】また、香料や食用色素等の他の食品用添加
剤と併用することもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の食品用防腐剤は以下の方
法で製造する。 (a) 水,キトサン,脱脂粉乳,澱粉,酸,アルコール,
第1の触媒を混合、加熱、攪拌して、アミノ糖, マンヌ
ロン酸, グルロン酸の共重合体である第1の複合多糖類
を生成する。 (b) これを一旦冷却して第2の触媒を作用させて、マン
ヌロン酸の一部をグルロン酸に変換した第2の複合多糖
類を生成する。 (c) この第2の複合多糖類に第3の触媒を作用させ、再
度、加熱、攪拌して低分子化し、マンヌロン酸,グルロ
ン酸等のウロン酸, キトサン由来成分などからなる抗菌
性を有するオリゴ糖を生成する。
【0022】まず、工程(a) では上記各物質を例えばス
テンレス製やガラス製の通常の容器に入れて混合して第
1の触媒を5mg〜20mg添加し、通常使用される電熱器
や投げ込みヒーターを用いて30℃〜60℃に加熱し、
スターラーの回転速度を600rpm〜900rpmに設定して30
分〜70分間攪拌する。
【0023】上記各物質は攪拌、加熱処理、第1の触媒
の作用により液状となり、アミノ糖,マンヌロン酸,グ
ルロン酸などから構成される共重合体が生成する。
【0024】各物質の混合割合は、水1000mlに対して、
キトサン5g〜20g、脱脂粉乳30g〜70g、澱粉20g〜
60g、クエン酸2g〜7g、エタノール2ml〜7ml、α
−アミラーゼ5mg〜25mgが好ましい。
【0025】本発明に用いる水は、例えば水道水、蒸留
水、イオン交換水などを用いることができる。処理の手
間、コスト等を考慮して好ましくは、水道水を用いる。
【0026】本発明に用いるキトサンは、例えばセイシ
ン株式会社製商品名キトサン粉末を用いる。
【0027】本発明に用いる脱脂粉乳は、例えば雪印乳
業株式会社製スキムミルクを用いる。
【0028】また、本発明に用いる澱粉は、ジャガイモ
澱粉、トウモロコシ澱粉などであり、例えば王子コーン
スターチ株式会社製商品名スウェリージェル 705を用い
る。
【0029】また、本発明に用いる酸は、例えばクエン
酸,酢酸,乳酸,リンゴ酸などを用いる。例えば、和光
純薬工業株式会社製クエン酸を用いる。
【0030】また、本発明に用いるアルコールは、例え
ば健栄製薬株式会社製無水エタノールを用いる。
【0031】また、本発明に用いる第1の触媒は、α−
アミラーゼを用いる。例えばアミラーゼAD(天野エン
ザイム株式会社)を用いる。
【0032】また、上記各物質に加えて、例えば和光純
薬工業株式会社製アルギン酸0.5g〜2gを添加するよ
うにしてもよい。
【0033】次に工程(b) では、第1の複合多糖類を例
えば水浴により20℃〜40℃に冷却して第2の触媒を
0.5g〜2g添加し、スターラーの回転速度を600rpm〜9
00rpmに設定して10分〜30分間攪拌する。
【0034】第2の触媒の作用により、異性体の関係に
ある有機化合物の一方の構造を他方の構造に反転する特
徴を持つエピメラーゼが生成される。そして、エピメラ
ーゼの作用によってマンヌロン酸の一部がグルロン酸に
変換される。
【0035】本発明に用いる第2の触媒は、例えば、プ
ルラナーゼ(テブランチングエンザイム 天野エンザイ
ム株式会社),ラクターゼ(ラクターゼF 天野エンザ
イム株式会社),α−アミラーゼ(アミラーゼAD 天
野エンザイム株式会社)などを用いる。
【0036】そして工程(c) では、第2の複合多糖類を
例えば電熱器で40℃〜80℃に加熱し、第3の触媒を
5mg〜15mg添加し、スターラーの回転速度を500rpm〜90
0rpmに設定して20分〜40分攪拌する。
【0037】第3の触媒の作用により第2の複合多糖類
は低分子化し、マンヌロン酸やグルロン酸等のウロン
酸、キトサン由来成分などからなる抗菌性を有するオリ
ゴ糖が生成する。
【0038】本発明に用いる第3の触媒は、例えば、シ
クロデキストリン,脱離酵素,加水分解酵素,酸などを
用いる。
【0039】例えば、シクロデキストリンを用いた場合
には、これの作用により、アルギン酸リアーゼが生成
し、第2の複合多糖類は非加水分解的に分解されて低分
子化し、抗菌性を有するオリゴ糖となる。
【0040】また、シクロデキストリンは、紫外線や
光、空気中の酸素などによって分解されやすい不安定な
物質を安定化する作用があるので、糖類の酸化防止に寄
与する。
【0041】本発明に用いるシクロデキストリンは、例
えば、α−シクロデキストリン,β−シクロデキストリ
ン,γ−シクロデキストリンなど用いる。
【0042】また、脱離酵素を用いた場合には第2の複
合多糖類は非加水分解的に分解されて低分子化し、抗菌
性を有するオリゴ糖となる。
【0043】脱離酵素としては例えば、プルラナーゼ
(テブランチングエンザイム 天野エンザイム株式会
社),ラクターゼ(ラクターゼF 天野エンザイム株式
会社)を用いる。
【0044】加水分解酵素や酸を用いた場合には、第2
の複合多糖類は加水分解されて低分子化し、抗菌性を有
するオリゴ糖となる。加水分解酵素として例えば、ラク
ターゼ(ラクターゼF 天野エンザイム株式会社),α
−アミラーゼ(アミラーゼAD 天野エンザイム株式会
社),β−アミラーゼ(ビオザイム(R)M 天野エン
ザイム株式会社)を用いる。酸としては、例えば希塩酸
を用いる。
【0045】
【実施例】図1は、本発明の食品用防腐剤の生成工程を
示す説明図である。図1に示すように、当該食品用防腐
剤を以下に記載の配合により生成した。 (a)水道水 (ほぼ中性のもの) 1000ml (b)脱脂粉乳 (雪印乳業(株)製スキムミルク) 50g (c)澱粉 (王子コーンスターチ(株)製商品名スウェリーシ゛ェル 705)40g (d)キトサン (セイシン(株)製商品名キトサン粉末) 10g (e)クエン酸 (和光純薬工業(株)製) 5g (f)エタノール(健栄製薬工業(株)製) 5ml (1) (a)、(b) 、(c) 、 (d)、 (e)、 (f)を1500mlステ
ンレス製容器に入れ、スターラーを800rpmに設定し
て30分間攪拌して混合物とする。 (2) この混合物にα−アミラーゼ(アミラーゼAD 天
野エンザイム株式会社)を10mg添加し、45℃になる
ように電熱器で加熱し、800rpmで50分間攪拌す
る。 (3) ステンレス製容器を一旦電熱器から外し、混合物が
25℃になるように水浴で冷却し、プルラナーゼ(デブ
ランチングエンザイム 天野エンザイム株式会社)を1
g添加し、800rpmで20分間攪拌する。 (4) さらに、β−シクロデキストリン(日本食品加工株
式会社)を10mg添加し、65℃になるように再び電熱
器で加熱し、700rpmで30分間攪拌する。 (5) ステンレス製容器を電熱器から外して放置し、内容
物が室温になるまで自然冷却する。 (6) 室温になった混合物を他の1500mlステンレス製容器
に移し替え、ピペットで植物製油脂(東邦化学工業株式
会社製 商品名オバノール(R))6mlを入れ、室温
(15℃〜20℃)に保持した状態で1000rpmで5時間
攪拌する。 (7) これを再び他の1500mlステンレス製容器に移し替
え、氷をいれた水浴で0℃まで冷却し、2000rpmで3時
間攪拌する。 (8) さらにこれを他の1500mlステンレス製容器に移し替
え、0.2 ℃に保持する。
【0046】工程(1) 、工程(2) では、攪拌、加熱処理
やα−アミラーゼの作用によって、水、キトサン、脱脂
粉乳、澱粉、エタノール、クエン酸の混合物が液状にな
り、マンヌロン酸、グルロン酸、キトサンの構成成分で
あるアミノ糖などが共重合した第1の複合多糖類が生成
した。
【0047】工程(3) では、プルラナーゼの作用によ
り、エピメラーゼが生成し、上記マンヌロン酸の一部が
グルロン酸に変換したゼリー状の第2の複合多糖類が生
成した。
【0048】工程(4) では、β−シクロデキストリンの
作用により、アルギン酸リアーゼが生成する。第2の複
合多糖類はアルギン酸リアーゼにより非加水分解的に分
解され、マンヌロン酸やグルロン酸等のウロン酸やキト
サン由来成分などからなり、末端に二重結合を有する非
還元オリゴ糖が生成した。
【0049】したがって、アルデヒド基のような還元性
を示す構造を持たないので、この非還元オリゴ糖が酸化
されることがなく、また食品に添加した際にも食品を変
質させることがない。
【0050】また、工程(6) では植物製油脂を用いてキ
トサン等に起因する生臭さなどの臭いを消している。ま
た、工程(7) 〜(8) は分子間力がより働くように冷却
し、最終生成物であるオリゴ糖を安定化させた。
【0051】このようにして生成した最終生成物の非還
元オリゴ糖は、牛乳状の白濁度、粘度を有する水溶性の
ものであった。また、前述のようにマンヌロン酸やグル
ロン酸等のウロン酸などからなるので培養基として利用
することもできる。
【0052】表1は、上記の方法で生成した本発明の食
品用防腐剤の黄色ブドウ球菌( Staphylococcus aureus
) とクレブシエラ菌( Klebsiella pneumoniae ) に対
する抗菌性試験をJIS L 1902 (8)定量試験を準用して行
った結果である。
【0053】なお、試料調製は、上記の方法で生成した
本発明の食品用防腐剤の1000倍希釈液0.2mlを定量濾紙
(No.5C) 0.2gに含浸させ、試料とした。
【表1】
【0054】表1に示すように、本発明の食品用防腐剤
は黄色ブドウ球菌( Staphylococcusaureus ) とクレブ
シエラ菌( Klebsiella pneumoniae ) の増殖を抑制し、
これらの菌に対して抗菌性を示した。
【0055】表2は、上述の方法で生成した本発明の食
品用防腐剤を豆腐に添加した場合の生菌数の経時変化の
測定結果である。
【0056】市販の充填絹ごし豆腐(80g)を8丁用意
し、それぞれ水道水200mlに浸漬し、試料群と対照群そ
れぞれ4丁ずつに分けた。試料群には本発明の食品用防
腐剤を0.04ml添加し(浸漬した水に対して5000倍希
釈)、対照群には何も添加しなかった。試料群、対照群
それぞれ2丁を3日間または6日間冷蔵庫内で5℃で保
存した。そして、それぞれのサンプルの3日または6日
経過後の一般生菌数を測定した。
【表2】
【0057】表2から明らかなように、本発明の食品用
防腐剤を添加した豆腐は、添加しない豆腐に比べて菌の
増殖が抑制され、本発明の食品用防腐剤は5000倍希釈と
いう低濃度で用いた場合にも優れた抗菌性を示すことが
わかった。なお、大腸菌群数は、対照、試料ともに陰性
であった。
【0058】また、本発明の食品用防腐剤を豆腐のパッ
クに添加したものを試食した結果、味覚の変化はなかっ
た。
【0059】
【発明の効果】本発明の食品用防腐剤は、このように、
キトサンなどから第1の複合多糖類を生成し、これを第
2の複合多糖類に変換後、分解することによって生成す
る糖を含んでいる。したがって、キトサン由来の抗菌性
を有し、人体に安全で食品自体の味覚を損なうことのな
い食品用防腐剤およびその製造方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、食品用防腐剤の生成工程を示す説明
図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性を示し、味覚を損なうことのない
    食品用防腐剤であって、(a) 少なくともキトサンを用い
    て、アミノ糖、マンヌロン酸、グルロン酸の各構造単位
    からなる第1の複合多糖類を生成し、(b) 前記マンヌロ
    ン酸の一部を異性化酵素を用いてグルロン酸に変換して
    第2の複合多糖類を生成し、(c) 当該第2の複合多糖類
    を触媒を用いて分解する、ことにより生成する糖を含む
    ことを特徴とする食品用防腐剤。
  2. 【請求項2】 前記第1の複合多糖類は、前記キトサン
    に加えて、水、脱脂粉乳、澱粉、酸、アルコールから生
    成されることを特徴とする請求項1記載の食品用防腐
    剤。
  3. 【請求項3】 前記異性化酵素はエピメラーゼであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の食品用防腐剤。
  4. 【請求項4】 前記触媒は加水分解酵素、脱離酵素、希
    酸から選択されることを特徴とする請求項1乃至3記載
    の食品用防腐剤。
  5. 【請求項5】 抗菌性を示し、味覚を損なうことのない
    食品用防腐剤の製造方法であって、(a) 少なくともキト
    サンを用いて、アミノ糖、マンヌロン酸、グルロン酸の
    各構造単位からなる第1の複合多糖類を生成し、(b) 前
    記マンヌロン酸の一部を異性化酵素を用いてグルロン酸
    に変換して第2の複合多糖類を生成し、(c) 当該第2の
    複合多糖類を触媒を用いて分解する、ことによって生成
    する糖を含む食品用防腐剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の複合多糖類は、前記キトサン
    に加えて、水、脱脂粉乳、澱粉、酸、アルコールから生
    成されることを特徴とする請求項5記載の食品用防腐剤
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記異性化酵素はエピメラーゼであるこ
    とを特徴とする請求項5または6記載の食品用防腐剤の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 前記触媒は加水分解酵素、脱離酵素、希
    酸から選択されることを特徴とする請求項5乃至7記載
    の食品用防腐剤の製造方法。
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