JP2002314753A - 原稿送り装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

原稿送り装置及びこれを備えた画像形成装置

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JP2002314753A
JP2002314753A JP2001113207A JP2001113207A JP2002314753A JP 2002314753 A JP2002314753 A JP 2002314753A JP 2001113207 A JP2001113207 A JP 2001113207A JP 2001113207 A JP2001113207 A JP 2001113207A JP 2002314753 A JP2002314753 A JP 2002314753A
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JP2001113207A
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English (en)
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Yuichi Konno
祐一 今野
Kentaro Hanatake
健太郎 花岳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラテンガラス上の読取位置に付着した汚れ
に起因する読み取り時の不具合の発生を防ぐことのでき
る原稿送り装置及びこれを備えた画像形成装置を提供す
る。 【解決手段】 プラテンガラス上の読取位置8よりも上
流に読取位置8よりも高い段差を有する段部を設け、原
稿Pが段部を通過する際に原稿Pの先端部を下降させて
プラテンガラス21の読取位置8に対応する部分を摺擦
しながら通過させる。また、プラテンガラス上の読取位
置8よりも下流に読取位置8を通過した原稿Pをプラテ
ンガラス21の上方に設けられた排紙部に向わせるよう
上昇させる上昇部材23を設け、原稿Pが読取位置8を
通過した後、この上昇部材23により原稿Pを上昇さ
せ、この後、上昇部材23と段部との間をプラテンガラ
ス21から離間した状態で搬送するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原稿送り装置及び
これを備えた画像形成装置に関し、特に原稿を流し読み
する画像読取部に原稿を搬送するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、複写機等の画像形成装置において
は、原稿送り装置と、原稿送り装置によって送られる原
稿の画像を読み取る画像読取部と、画像読取部によって
読み取った画像に応じて画像を形成する画像形成部とを
有するものがある。
【0003】そして、このような画像形成装置の原稿送
り装置としては、原稿をプラテンガラス上の読取位置に
搬送し、読取位置を通過する際に画像が読み取られた後
はプラテンガラスの上方に設けられた排紙部に排出する
ようにしたものが知られている。
【0004】図11は、原稿を流し読みする画像読取部
に原稿を搬送するようにした従来の原稿送り装置の構成
を示す図であり、この原稿送り装置は、不図示の原稿載
置部にセットされた原稿を導入搬送ローラ対6(6a,
6b)により導入パス7に導入した後、画像読取部の上
面に設けられたプラテンガラス21の上面を通過させる
ようにしている。なお、このようにプラテンガラス21
の上面を通過した原稿は排出搬送ローラ対10(10
a,10b)により排紙部12に排出されるようになっ
ている。
【0005】一方、画像読取部は、プラテンガラス上の
読取位置8を搬送される原稿に対してランプ等の照明系
13からの光を照射し、その反射光をミラー14で反射
させて不図示のCCDなどの読取手段により光電変換し
た原稿画像を読み取るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の原稿送り装置においては、導入搬送ローラ対6に
よる搬送速度が排出搬送ローラ対10による搬送速度よ
りも速い場合には、導入パス7や排出パス9の内部で原
稿の弛みが生じる可能性があり、この場合、弛みの開放
によるショックを抑えることは不可能なため、通常、排
出搬送ローラ対10の搬送速度を導入搬送ローラ対6の
搬送速度よりも若干大きく設定している。
【0007】ところが、このように搬送速度を設定した
場合、速度差により原稿に滑りが生じ、このように原稿
に滑りが生じると、導入搬送ローラ対6を構成する搬送
ゴムローラの表面が原稿により削られ、このゴムの削れ
かすが原稿と共にプラテンガラス21上の読取位置付近
まで運ばれてくることがある。
【0008】なおそのほかにも、原稿を原稿載置部にセ
ットする以前から原稿自身に付着している汚れ(紙粉、
トナー、修正液)等が、搬送される原稿と共に、プラテ
ンガラス21上の読取位置付近に運ばれてくることもあ
る。
【0009】さらに、書類の整理・分別のためにポスト
イット等を付けた際、表面にポストイット等の糊が付着
した原稿がプラテンガラス上に運ばれることがある。な
お、この糊は、実際に原稿表面を見てもその存在を確認
することは難しく、まして原稿表面から取り除くことは
困難である。
【0010】ここで、このような表面に糊が付着した原
稿の読み取りを行う際、図11の要部拡大図である図1
2に示すように原稿Pが矢印C方向にプラテンガラス上
を摺動すると、糊がプラテンガラス上の読取位置8及び
その近傍にへらで伸ばしたように付着してしまうことが
ある。そして、このように読取位置8に糊が付着したま
ま原稿画像を読み取ると、この部分が線(黒スジ)とな
って画像形成されてしまう。
【0011】また、このように読取位置8に糊が付着し
てしまうと、この部分を原稿が搬送されていくうちに、
ローラ削れかすや、原稿に付着した汚れ等が糊に付着
し、読取位置8に滞留してしまう。そして、この状態で
原稿画像を読み取ると、この部分が線(黒スジ)となっ
て画像形成されてしまう。
【0012】さらに、塵埃の多い環境下ではより原稿に
付着してしまう塵埃の数が多くなり、また塵埃は軽く原
稿との摩擦係数も小さいことから、原稿が搬送されてい
くとプラテンガラス上の読取位置部分の糊に付着してし
まう率が大きくなってしまう。したがって、塵埃の多い
環境下では、塵埃の少ない環境下に比べ黒スジの発生率
が増加してしまう。
【0013】そこで本発明は、このような現状に鑑みて
なされたものであり、プラテンガラス上の読取位置に付
着した汚れに起因する読み取り時の不具合の発生を防ぐ
ことのできる原稿送り装置及びこれを備えた画像形成装
置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、原稿をプラテ
ンガラス上の読取位置に搬送し、前記読取位置を通過し
た後は前記プラテンガラスの上方に設けられた排紙部に
排出するようにした原稿送り装置において、前記プラテ
ンガラスの前記読取位置よりも上流に設けられ、該読取
位置よりも高い段差を有する段部と、前記プラテンガラ
スの前記読取位置よりも下流に設けられ、該読取位置を
通過した原稿を前記排紙部に向わせるよう上昇させる上
昇部材と、を備え、前記原稿を、前記段部を通過する際
に先端部を下降させて前記プラテンガラスの読取位置に
対応する部分を摺擦しながら通過させた後、前記上昇部
材により上昇させ、この後、該上昇部材と前記段部との
間を前記プラテンガラスから離間した状態で搬送するよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0015】また本発明は、前記段部は、前記プラテン
ガラスに一体的に形成されたものであることを特徴とす
るものである。
【0016】また本発明は、前記段部は、前記原稿の搬
送方向に対して直交する方向に延びたリブ、又は前記原
稿の搬送方向に対して直交する方向に並設された複数の
リブにより構成されるものであることを特徴とするもの
である。
【0017】また本発明は、前記段部は、前記プラテン
ガラス上の読取位置よりも上流に配置され、前記原稿の
搬送方向に対して直交する方向に延びたシートにより構
成されるものであることを特徴とするものである。
【0018】また本発明は、前記段部は、前記原稿をプ
ラテンガラスに受け渡すよう前記原稿を前記読取位置に
導く導入パスの端部に設けられ、前記原稿の搬送方向に
対して直交する方向に延びた誘導部材により構成される
ものであることを特徴とするものである。
【0019】また本発明は、前記段部は、前記プラテン
ガラス上に突出すると共に、前記搬送される原稿に当接
して回転するよう該プラテンガラスに回転可能に設けら
れた回転体により構成されるものであることを特徴とす
るものである。
【0020】また本発明は、原稿送り装置と、前記原稿
送り装置によって送られる原稿の画像を読み取る画像読
取部と、前記画像読取部によって読み取った画像に応じ
て画像を形成する画像形成部とを有する画像形成装置に
おいて、前記原稿送り装置は上記のいずれかに記載のも
のであることを特徴とするものである。
【0021】また本発明のように、プラテンガラス上の
読取位置よりも上流に読取位置よりも高い段差を有する
段部を設け、原稿が段部を通過する際に原稿の先端部を
下降させてプラテンガラスの読取位置に対応する部分を
摺擦しながら通過させる。また、プラテンガラス上の読
取位置よりも下流に読取位置を通過した原稿をプラテン
ガラスの上方に設けられた排紙部に向わせるよう上昇さ
せる上昇部材を設け、原稿が読取位置を通過した後、こ
の上昇部材により原稿を上昇させ、この後、上昇部材と
段部との間をプラテンガラスから離間した状態で搬送す
るようにする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の第1の実施の形態に係る原
稿送り装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す図で
ある。
【0024】同図において、1は画像形成装置であり、
この画像形成装置1は画像形成装置本体(以下、装置本
体という)1Aと、装置本体1Aの上面に取り付けられ
た原稿送り装置2と、装置本体1Aの上部に設けられた
画像読取部1Bと、画像読取部1Bの下方に設けられた
画像形成部1Cとを備えている。
【0025】ここで、原稿送り装置2は原稿載置部3に
載置された原稿Pを装置本体1Aの上面に設けられたプ
ラテンガラス21の上面を通過するように搬送するため
のものであり、原稿画像を読み取る際には、まず原稿載
置部3に載置された原稿Pをピックアップローラ4b及
び給紙ローラ4aを備えた給送部4により1枚づつ順次
分離して停止状態のレジストローラ対5に搬送するよう
にしている。そして、この停止状態のレジストローラ対
5に原稿Pを当接させることにより、ループを形成し、
これにより原稿Pの斜行を補正するようにしている。
【0026】次に、このように斜行を補正した後、レジ
ストローラ対5を回転させることにより原稿Pを導入パ
ス7を経て読取位置8を通過させるようにしている。そ
して、原稿Pがこの読取位置8を通過するとき、原稿表
面に形成された画像が読み取られるようになっている。
【0027】なお、読取位置8を通過した原稿Pは排出
パス9を通り、排出搬送駆動ローラ対10、反転従動ロ
ーラ11b及び反転駆動ローラ11aとにより構成され
る反転ローラ対11により排出トレイ12上に排出され
る。
【0028】また、原稿Pの表裏両面を読み取る場合に
は、読取位置8を通過した原稿Pは、この後、所定のタ
イミングで反転する反転ローラ対11の反転駆動ローラ
11aにより、再度レジストローラ対5へ送られ、表面
読み取りと同様に、レジストローラ対5で斜行を補正さ
れた後、導入パス7を経て読取位置8で表面(このとき
は裏面)に形成された画像が読み取られるようになって
いる。
【0029】一方、画像読取部1Bは、読取位置8を通
過する原稿Pに光を照射して原稿画像を読み取るもので
あり、読取位置8を通過する原稿Pに光を照射する照明
系13を有している。そして、この照明系13により読
取位置8を通過する原稿Pに光を照射することで得られ
る反射光をミラー14によって光学素子15(CCDあ
るいは他の素子)に結像させることにより、原稿画像を
読み取るようにしている。
【0030】また、画像形成部1Cは、読み取られた原
稿画像に対応したトナー像を形成するものであり、不図
示の露光手段による原稿画像に対応した露光により表面
に潜像が形成される感光体ドラム16を備えている。そ
して、この潜像を不図示のトナー供給装置から供給され
たトナーによって現像することにより、感光体ドラム上
にトナー像が形成されるようになっている。
【0031】なお、17は紙あるいは、プラスチックフ
ィルム等の記録媒体を収容するカセットであり、このカ
セット17に収納された不図示の記録媒体はピックアッ
プローラ17a等により送り出された後、所定のタイミ
ングで感光体ドラム16と対向する位置まで供給され、
転写装置18によって感光体ドラム16に形成されたト
ナー像が転写されるようになっている。
【0032】そして、このようにトナー像が転写された
記録媒体は定着装置19に送られてトナー像が定着さ
れ、この後、排紙トレイ19aに排出されるようになっ
ている。なお、記録媒体の両面に画像を形成する場合に
は、定着装置19によってトナー像が定着された後、記
録媒体は、定着装置19の下流側に設けた両面パス20
を通って再び感光体ドラム16、転写装置18の間に送
られて裏面に対しトナー像が形成されるようになってい
る。
【0033】ところで、原稿送り装置2は給紙ローラ4
a等を駆動する給紙モータと、反転駆動ローラ11等を
駆動する搬送モータを備えている。次に、このような原
稿送り装置2のローラ駆動機構について図2及び図3を
用いて説明する。
【0034】ここで、図2は正逆転自在な給紙モータM
1の駆動伝達系を示すものであり、同図で示すように給
紙モータM1の正転駆動はプーリP1からプーリP2に
タイミングベルトT1を介して伝達され、プーリP2の
駆動はギアZ1、ギアZ2及び給紙ローラ4aの駆動軸
4a1に取り付けられたギアZ3の順に伝達され、これ
により給紙ローラ4aが原稿を給紙する方向に回転す
る。
【0035】さらに、給紙ローラ4aの駆動軸4a1に
は、プーリP3が設けられており、ピックアップローラ
4bの軸4b1に設けられたプーリP4との間に張架し
たタイミングベルトT2を介してピックアップローラ4
bにも駆動が伝達される。
【0036】なお、給紙ローラ4aの駆動軸4a1に
は、ピックアップローラ4bを支持する昇降アーム4c
の一端側が取り付けられており、この駆動軸4a1の給
紙方向の回転(給紙モータM1の正転駆動)により昇降
アーム4cが下方回動してピックアップローラ4bが下
降するようになっている。
【0037】そして、この後、ピックアップローラ4b
が原稿に接触すると、バネクラッチX、バネクラッチY
の作用により昇降アーム4cに対して給紙ローラ4aの
駆動軸4a1は空転するように構成している。
【0038】またこのとき、レジストローラ対5を構成
するレジスト駆動ローラ5aは、その駆動軸5a1に設
けられたプーリP5と、プーリP2と同軸に設けられた
プーリP6に張架したタイミングベルトT3により連結
されているが、プーリP5内に設けられたワンウェイク
ラッチOW1の作用で回転しないようになっている。
【0039】一方、給紙モータM1が逆転駆動される
と、この逆転駆動はプーリP1からプーリP2、プーリ
P6、プーリP5に順次伝達され、これによりレジスト
駆動ローラ5aは給紙方向に回転する。
【0040】またこのとき、給紙ローラ4aの駆動軸4
a1にも給紙モータM1の逆転駆動が伝達され、これに
より昇降アーム4cが上方回動し、ピックアップローラ
4bが上昇する。ここで、給紙ローラ4aはその内部に
設けられたワンウェイクラッチOW2の作用で回転しな
い。また、上方回動した昇降アーム4cは不図示の規制
部材に当接し、さらにバネクラッチZの作用により昇降
アーム4cに対して給紙ローラ4aの駆動軸4a1は空
転するようになっている。
【0041】一方、図3は搬送モータM2の駆動伝達系
を示すものであり、同図に示すように搬送モータM2の
駆動は、その駆動軸に設けられたプーリP7からタイミ
ングベルトT4を介してプーリP8に伝達され、さらに
プーリP8の同軸に設けられたプーリP9からタイミン
グベルトT6を介して排出搬送駆動ローラ対10を構成
する排出搬送駆動ローラ10aの軸10a1に取り付け
られたプーリP10に伝達され、これにより排出搬送駆
動ローラ10aが正回転または逆回転するようになって
いる。
【0042】さらに、プーリP10に伝達された駆動
は、タイミングベルトT7を介して導入搬送駆動ローラ
6aの軸6a1に取り付けられたプーリP11に伝達さ
れ、これにより導入搬送駆動ローラ6aが正回転または
逆回転するようになっている。
【0043】また、タイミングベルトT4を介してプー
リP8に伝達された搬送モータM2の駆動は、プーリP
8の同軸に設けられたプーリP12からタイミングベル
トT5を介して反転駆動ローラ11aの軸11a1に取
り付けられたプーリP13に伝達され、これにより反転
駆動ローラ11aが正回転または逆回転するようになっ
ている。
【0044】なお、この反転駆動ローラ11aには反転
従動ローラ11b(図1参照)が不図示の圧接ソレノイ
ドにより接離可能となっている。ここで、この圧接ソレ
ノイドは、励磁(ON)されると反転従動ローラ11b
を反転駆動ローラ11aに圧接する位置に移動させ、励
磁を解除(OFF)されると、反転従動ローラ11bを
反転駆動ローラ11aから離れる方向に付勢する付勢バ
ネの作用により反転駆動ローラ11aから離間する位置
に移動させるように構成されている。
【0045】一方、図1に示すように原稿を案内する搬
送経路中には、原稿載置部3上に原稿が載置されたこと
を検知するエンプティセンサS1、給送部4とレジスト
ローラ対5の間を搬送される原稿の端部を検知するレジ
ストセンサS2、読取位置8の手前に設けられ原稿Pの
端部を検知するリードセンサS3、読取位置8から排出
される原稿Pの端部を検知する排出センサS4がそれぞ
れ設けられている。
【0046】そして、これらのセンサS1〜S4は、装
置全体の駆動を制御する不図示のCPUに接続されてお
り、このCPUは、各センサS1〜S4からの検知信号
に基づいて、前述した各モータM1,M2の駆動を制御
すると共に圧接ソレノイドの励磁及び励磁の解除を行う
ようにしている。
【0047】次に、原稿送り装置2の構成について説明
する。
【0048】図4は原稿送り装置2の構成を示す図であ
る。なお、同図において、図11と同一符号は、同一又
は相当部分を示している。
【0049】同図において、23は読取位置8の下流に
設けられた排出パス9の入り口部に配置された上昇部材
であるジャンプ台であり、このジャンプ台23により読
取位置8を通過した原稿は上昇し、上方に所定の曲率を
もって屈曲した排出パス9に誘導されるようになってい
る。
【0050】また、22は読取ローラであり、この読取
ローラ22により既述したように給送部4より供給され
た後、導入搬送ローラ対6(6a、6b)により導入パ
ス7内を導かれて読取位置8に送られた原稿を拘束して
原稿のバタつきを抑えるようにしている。
【0051】ところで、この読取ローラ22は図4の要
部拡大図である図5の(b)に示すように、原稿Pが搬
送されるのに負荷になることなく搬送できるように隙間
Bを有して設置されている。つまり、本原稿送り装置2
では原稿Pを図5の矢印C方向に搬送して原稿画像を読
み取る際、搬送中の原稿Pの安定性を考慮し、読取位置
8では原稿Pが進入する上で負荷として作用することの
ない読取ローラ22により、搬送された原稿Pを拘束し
て原稿Pのバタつきを抑えるようにしている。
【0052】なお、本件発明者が実験した結果、この隙
間Bは厚手の紙(坪量100〜150g/m2 )を考慮
した場合、0.4mm程度であることが望ましいが、こ
の隙間Bの数値は、特に限定するものではなく、原稿の
搬送速度やサイズ、原稿の厚さ等の条件に応じて適宜設
定することが可能であることは勿論である。
【0053】ところで、通常、既述したように排出搬送
ローラ対10の搬送速度を導入搬送ローラ対6の搬送速
度よりも若干速く大きく設定しているが、このように搬
送速度を設定してしまうと、原稿の滑りによりゴムロー
ラ表面の削れが発生し、そのときのゴム削れかすが、搬
送される原稿と共にプラテンガラス21上の読取位置付
近まで運ばれてくることがある。
【0054】また、原稿を原稿送り装置の原稿載置部3
にセットする以前から原稿自身に付着している汚れ(紙
粉、トナー、修正液)等が、搬送される原稿と共にプラ
テンガラス上の読取位置付近に運ばれてくることもあ
る。
【0055】さらに、ポストイットの糊が付着している
原稿を、読み取りのためにプラテンガラス上を搬送させ
ると、読取位置8の部分に糊が付着してしまうことがあ
り、この糊に原稿と共に読取位置8まで運ばれてきたゴ
ム削れかすや、原稿に付着していた汚れが付着し、この
汚れが読取位置8に滞留すると、黒スジが発生するよう
になる。
【0056】そこで、本実施の形態の原稿送り装置2で
は、図5に示すように読取位置8の上流側においてプラ
テンガラス上に、かつ原稿Pの搬送方向に対し直交する
方向に沿ってマイラー等のシートである原稿誘導シート
24を配置し、プラテンガラスの読取位置8よりも高い
段差を有する段部を形成するようにしている。
【0057】ここで、このような原稿誘導シート24を
設けることにより、読取位置8に導入されてくる原稿P
の先端部が原稿誘導シート24に当接し、さらにこの
後、原稿誘導シート24に沿って原稿が読取位置8に向
かうと、同図の(a)に示すように原稿誘導シート24
により構成される段部を通過する際、原稿Pの先端部が
原稿自身の自重、又は曲率のある導入パス7に沿って搬
送されることにより原稿自体に働くスプリング力(紙の
コシによるスプリングバック)により、垂れ下がるよう
になる。
【0058】そして、このように先端部が垂れ下がる
と、この後、原稿Pの先端部がプラテンガラス21の読
取位置部分を摺擦しながら搬送されて行くようになる。
ここで、このように先端部がプラテンガラス21の読取
位置部分を摺擦しながら搬送されて行くと、これまでに
読取位置8まで運ばれ、この読取位置8に滞留している
ゴム削れかすや、原稿に付着していた汚れが原稿先端部
のエッジで掻き取られるようになる。
【0059】一方、このようにプラテンガラス21を摺
擦しながら先端部が読取位置8を通過した後、同図の
(b)に示すように原稿先端部がジャンプ台23によっ
て持ち上げられて上昇する。そして、このように先端部
が上昇すると、プラテンガラス上の読取位置部分と、読
み取りが行われながら搬送されている原稿Pとの間に隙
間Aが形成されるようになる。
【0060】ここで、この隙間Aは、原稿Pと読取ロー
ラ22とが接触することがないようにするため、隙間B
−隙間Aの値が原稿Pの厚さよりも多少大きめとなるよ
うに、0.2mm程度であることが望ましい。なお、こ
の隙間Aの数値は、特に限定するものではなく、原稿P
の搬送速度やサイズ、原稿Pの厚さ等の条件に応じて適
宜設定することが可能であることは勿論である。
【0061】そして、このように原稿先端部のエッジに
より読取位置8に滞留している汚れを掻き取ると共に、
この後の原稿Pを、読取位置8の間に隙間Aを作りつ
つ、即ちプラテンガラスから離間した状態で搬送するこ
とにより、読取位置8におけるプラテンガラス21と搬
送される原稿Pとが摺擦することが無いようにすること
ができる。これにより、原稿Pに付着した汚れが読取位
置8に滞留または付着するのを抑えることができるよう
になり、記録媒体上に形成された画像上に黒スジが発生
するのを抑えることができる。
【0062】なお、原稿誘導シート24を設けてプラテ
ンガラス21に段部を形成することにより、上記効果の
他に、図5に示すように原稿Pが垂れ下がる際、この原
稿Pの先端部が原稿誘導シート24の先端角部Dに摺擦
するようになる。これにより、読取位置8に原稿Pを導
入する前に、ある程度の原稿Pに付着した汚れを擦り取
ることができる。この結果、黒スジの発生を抑えること
を促進することができる。
【0063】なお、本件発明者が実験した結果、原稿誘
導シート24の先端角部Dの位置は、読取位置8より4
mm程度上流側に設定することが望ましい。そして、こ
のような位置に先端角部Dを設定することにより、先端
角部Dにおいて擦り取られた汚れが、多少散乱した場合
でも読取位置8まで達するのを防止することができる。
【0064】ところで、このように構成した場合でも、
原稿Pの読み取り動作の際、原稿Pの先端部及び後端部
は、プラテンガラス上の読取位置8に摺擦してしまう
が、これらの部分は原稿全長に対し微小である。
【0065】また、先端部及び後端部が読取位置8と摺
擦してしまう間、原稿は導入搬送ローラ6、もしくは排
出搬送ローラ10のどちらかのみにより搬送されている
だけなので、先端部及び後端部は微小な軽圧のみでプラ
テンガラス21上の読取位置8と摺擦することになる。
これにより、原稿の先端部及び後端部が読取位置8を摺
動しても読取位置を汚すことはほとんどない。
【0066】このように、プラテンガラス21の読取位
置8よりも上流に原稿誘導シート24を設け、原稿Pが
原稿誘導シート24を通過する際に原稿先端部を下降さ
せてプラテンガラス21の読取位置8に対応する部分を
摺擦しながら通過させることにより、読取位置8に付
着、或いは滞留した汚れを原稿先端部のエッジで掻き取
ることができる。
【0067】また、読取位置8よりも下流に読取位置8
を通過した原稿をプラテンガラスの上方に設けられた排
紙部12に向わせるよう上昇させるジャンプ台23を設
け、原稿Pが読取位置8を通過した後、このジャンプ台
23により原稿Pを上昇させ、この後、ジャンプ台23
と原稿誘導シート24とにより原稿Pをプラテンガラス
21から離間した状態で搬送することにより、プラテン
ガラス21に原稿Pが摺擦するのを防ぐことができる。
【0068】これにより、糊や塵埃等が付着した状態で
原稿Pが搬送されてきた場合でもプラテンガラス上の読
取位置8に糊や塵埃等が付着、或いは滞留しないように
することができる。この結果、記録媒体に形成される画
像に線(黒スジ)が表れることはなく、良好な画像を形
成することができる。
【0069】ところで、これまでの説明ではプラテンガ
ラス21に原稿誘導シート24を設けて段部を形成する
ようにした場合について述べてきたが、本発明はこれに
限らず、例えば本実施の形態の変形例である図6に示す
ようにプラテンガラス自体に、原稿誘導シート24を設
けているのと同様な形状となるように段部21aを設け
るようにしても、同様の効果を得ることができ、黒スジ
の発生を抑えることが可能となる。
【0070】さらに、本実施の形態の他の変形例とし
て、原稿誘導シート24の代わりに図7に示すように、
原稿Pをプラテンガラス21に受け渡すよう原稿Pを読
取位置8に導く導入パス7の端部に設けられ、かつ原稿
Pの搬送方向に対して直交する方向に延びた誘導部材で
あるシート部材26を用いるようにしても良い。
【0071】ここで、このシート部材26は、通常図8
に示すように先端部がプラテンガラス上に接する位置及
びその近傍程度に配置されるように長さが設定されてい
るが、本変形例においては、図7に示すようにシート部
材26の先端の長さを、読取位置近傍にまで延長し、プ
ラテンガラス21に対してシート部材26が平行に沿う
部分を大きく設けるようにしている。そして、このよう
に構成することによっても、原稿誘導シート24を設け
るようにした場合と同様の効果を得ることができ、黒ス
ジの発生を抑えることが可能となる。
【0072】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0073】図9は、本実施の形態に係る原稿送り装置
の構成を示す図である。なお、同図において、図4と同
一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0074】同図において、27は原稿誘導シート24
の代わりに原稿搬送方向に対して交差する方向に連なっ
た状態で突設された複数のリブであり、このようなリブ
27を配置することにより、読取位置8へ導入される原
稿Pの表面を受け止めた後、原稿先端部を読取位置8と
摺擦させながら搬送することができる。
【0075】また、この後は同図に示すように原稿Pと
読取位置8との間に隙間Aを作りつつ搬送させることが
できる。これにより、既述した第1の実施の形態と同様
の効果を得ることができ、黒スジの発生を抑えることが
可能となる。なお、本実施の形態においては、複数のリ
ブ27を用いた場合について述べたが、複数のリブ27
の代わりに原稿搬送方向に対して交差する方向に延びた
1つのリブを用いても良い。
【0076】さらに、既述した図6に示す第1の実施の
形態の変形例と同様に、リブ27をプラテンガラス21
自体に一体的に形成するようにしても、同様の効果を得
ることができる。
【0077】次に、本発明の第3の実施の形態について
説明する。
【0078】図10は、本実施の形態に係る原稿送り装
置の構成を示す図である。なお、同図において、図4と
同一符号は、同一又は相当部分を示している。
【0079】同図において、25は読取位置8よりも上
流に設けられ、読取位置8よりも高い段差を有する段部
を構成する回転体である原稿誘導コロであり、この原稿
誘導コロ25は搬送された原稿Pと接触したとき、原稿
Pの搬送に伴って従動回転するようプラテンガラス21
に回転可能に設けられている。
【0080】そして、このような原稿誘導コロ25を設
け、読取位置8よりも高い段差を有する段部を形成する
ことにより、読取位置8へ導入される原稿の表面を受け
止めると共に原稿先端部を読取位置8と摺擦させながら
搬送させることができる。これにより、既述した効果を
得ることができ、黒スジの発生を抑えることが可能とな
る。また、このように回転可能な原稿誘導コロ27を設
けることにより、搬送されている原稿Pの搬送負荷を軽
減させることができる。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように本発明のように、プ
ラテンガラスの読取位置に対応する部分を摺擦しながら
原稿を通過させ、また原稿が読取位置を通過した後は、
原稿をプラテンガラスから離間した状態で搬送するよう
にすることにより、読取位置に汚れを付着、或いは停滞
させないようにすることができ、これによりプラテンガ
ラス上の読取位置に付着した汚れに起因する読み取り時
の不具合の発生を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る原稿送り装置
を備えた画像形成装置の概略構成を示す図。
【図2】上記原稿送り装置に設けられた正逆転自在な給
紙モータの駆動伝達系を示す図。
【図3】上記原稿送り装置に設けられた搬送モータの駆
動伝達系を示す図。
【図4】上記原稿送り装置の構成を示す図。
【図5】図4の要部拡大図。
【図6】上記実施の形態の変形例を示す図。
【図7】上記実施の形態のシート部材を用いた他の変形
例を示す図。
【図8】上記シート部材の従来の形状を示す図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る原稿送り装置
の構成を示す図。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る原稿送り装
置の構成を示す図。
【図11】従来の原稿送り装置の構成を示す図。
【図12】図11の要部拡大図。
【符号の説明】
1 画像形成装置 2 原稿送り装置 6 導入搬送ローラ対 7 導入パス 8 読取位置 10 排出搬送ローラ対 12 排出トレイ 21 プラテンガラス 22 読取ローラ 23 ジャンプ台 24 原稿誘導シート 25 原稿誘導コロ 26 シート部材 27 リブ P 原稿
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H076 BA24 BA45 3F101 AB19 FB17 FC05 FD00 FE17 LA02 LA05 LB02 5C062 AA05 AB02 AB17 AB32 AB35 AC11 AC66 AD06 BA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿をプラテンガラス上の読取位置に搬
    送し、前記読取位置を通過した後は前記プラテンガラス
    の上方に設けられた排紙部に排出するようにした原稿送
    り装置において、 前記プラテンガラスの前記読取位置よりも上流に設けら
    れ、該読取位置よりも高い段差を有する段部と、 前記プラテンガラスの前記読取位置よりも下流に設けら
    れ、該読取位置を通過した原稿を前記排紙部に向わせる
    よう上昇させる上昇部材と、 を備え、 前記原稿を、前記段部を通過する際に先端部を下降させ
    て前記プラテンガラスの読取位置に対応する部分を摺擦
    しながら通過させた後、前記上昇部材により上昇させ、
    この後、該上昇部材と前記段部との間を前記プラテンガ
    ラスから離間した状態で搬送するようにしたことを特徴
    とする原稿送り装置。
  2. 【請求項2】 前記段部は、前記プラテンガラスに一体
    的に形成されたものであることを特徴とする請求項1記
    載の原稿送り装置。
  3. 【請求項3】 前記段部は、前記原稿の搬送方向に対し
    て直交する方向に延びたリブ、又は前記原稿の搬送方向
    に対して直交する方向に並設された複数のリブにより構
    成されるものであることを特徴とする請求項1記載の原
    稿送り装置。
  4. 【請求項4】 前記段部は、前記プラテンガラス上の読
    取位置よりも上流に配置され、前記原稿の搬送方向に対
    して直交する方向に延びたシートにより構成されるもの
    であることを特徴とする請求項1記載の原稿送り装置。
  5. 【請求項5】 前記段部は、前記原稿をプラテンガラス
    に受け渡すよう前記原稿を前記読取位置に導く導入パス
    の端部に設けられ、前記原稿の搬送方向に対して直交す
    る方向に延びた誘導部材により構成されるものであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の原稿送り装置。
  6. 【請求項6】 前記段部は、前記プラテンガラス上に突
    出すると共に、前記搬送される原稿に当接して回転する
    よう該プラテンガラスに回転可能に設けられた回転体に
    より構成されるものであることを特徴とする請求項1記
    載の原稿送り装置。
  7. 【請求項7】 原稿送り装置と、前記原稿送り装置によ
    って送られる原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記
    画像読取部によって読み取った画像に応じて画像を形成
    する画像形成部とを有する画像形成装置において、 前記原稿送り装置は、前記請求項1乃至6のいずれか1
    項に記載のものであることを特徴とする画像形成装置。
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