JP2002314340A - 高周波回路及びそれを用いた通信装置 - Google Patents

高周波回路及びそれを用いた通信装置

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JP2002314340A JP2001109691A JP2001109691A JP2002314340A JP 2002314340 A JP2002314340 A JP 2002314340A JP 2001109691 A JP2001109691 A JP 2001109691A JP 2001109691 A JP2001109691 A JP 2001109691A JP 2002314340 A JP2002314340 A JP 2002314340A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要波である3倍波の出力を抑圧する周波数
逓倍器を提供する。 【解決手段】 整合回路1が出力する信号と同一周波数
の基本波およびその基本波の3倍波をコレクタから出力
するHBT4と、HBT4が出力する基本波を抑圧する
先端開放スタブ6bとを備えた周波数逓倍器において、
3倍波をHBT4に反射する先端開放スタブ6aを伝送
線路7aを介してHBT4のベースに接続する。伝送線
路7aの線路長を基本波の波長の1/48倍〜1/12
倍または3/12倍〜1/4倍の範囲内にすることで、
先端開放スタブ6aが反射する3倍波によってHBT4
のコレクタから出力される3倍波を抑圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波・ミリ
波帯の高周波信号を処理する高周波回路に関するもので
ある。特に、マイクロ波・ミリ波帯の通信装置に用いら
れる周波数逓倍器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波帯、ミリ波帯の局部発振器を
構成するにあたり、PLL(Phase Locked Loop)発振
器が生成する低周波信号の周波数を順次逓倍することに
より、所望の周波数の信号を得る方法がある。この方法
を用いた局部発振器では、2逓倍する周波数逓倍器を直
列に接続することが一般的に行われている。
【0003】一般的な2逓倍の周波数逓倍器が「Edmar
Camargo,“Design of FET Frequency Multipliers and
Harmonic Oscillators”,pp.146-147,Artech House,Bos
tonand London,1998」に示されている。この周波数逓倍
器の構成を図6に示す。
【0004】入力端子1に入力された周波数f0の信号
は、整合回路3および伝送線路7aを経て非線形素子で
あるFET(Field Effect Transistor)11のゲート
に入力される。整合回路3および整合回路5はバイアス
回路を兼ねており、整合回路3および整合回路5はFE
T11をピンチオフ付近にバイアスする。そうすると、
FET11のドレイン電流波形は歪み、半波整流波形に
近いものとなる。このため、ドレイン電流は周波数f0
の基本波およびその基本波の高調波からなり、特に偶数
次の高調波成分を多く含むことになる。
【0005】このFET11のドレインに伝送線路7b
を介して基本波に対して電気長が90°の先端開放スタ
ブ6bの一端が接続される。先端開放スタブ6bの接続
点では基本波に対して短絡となるので、基本波はFET
11のドレイン端に反射され、FET11の内部での非
線形性が強まり、高調波成分が増強されることになる。
一方、先端開放スタブ6bの接続点では2倍波に対して
開放となるので、2倍波は通過し整合回路5を介して出
力端子2に出力される。
【0006】FET11のドレイン側に現れた2倍波の
大部分はこのように整合回路5を介して出力端子2に出
力されるが、FET11のドレイン側に現れた2倍波の
一部はFET11のゲート側に帰還する。この帰還した
2倍波は、FET11のゲート側に一端が接続された2
倍波に対して電気長90°の先端開放スタブ6cによっ
て反射されてFET11に再入射し、FET11からの
2倍波の発生に寄与する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の周波数
逓倍器は2倍波出力を大きくできるが、不要波である3
倍波を抑圧するための考慮はされていない。マイクロ波
・ミリ波帯の通信装置において、その通信装置が備える
周波数逓倍器から不要波である3倍波が出力されると、
周波数逓倍器の次段に接続される回路、例えば他の周波
数逓倍器やミキサ等で更なる不要波が生成され、その不
要波が所望波信号と混合されるために所望波信号の特性
が劣化してしまう。また、周波数逓倍器の次段に接続さ
れる回路で3倍波を除去しようとすると3倍波除去フィ
ルタ回路が必要となり、通信装置の大型化とコストの上
昇を招いてしまう。尚、入力される信号と同一周波数の
基本波および該基本波の高調波を出力する非線形素子を
備えた高周波回路であるミキサや増幅器においても不要
波である3倍波を抑圧できなければ同様の問題が起こっ
てしまう。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑み、不要波で
ある3倍波の出力を抑圧する高周波回路及びこれを用い
た通信装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る高周波回路においては、入力される信
号と同一周波数の基本波および該基本波の高調波を出力
する非線形素子を備え、前記基本波の3倍波を前記非線
形素子に反射する第一の先端開放スタブを前記非線形素
子の入力側に備え、前記第一の先端開放スタブが反射す
る前記基本波の3倍波によって前記非線形素子から出力
される前記基本波の3倍波が抑圧されるようにする。入
力される信号と同一周波数の基本波および該基本波の高
調波を出力する非線形素子を備える高周波回路として
は、後述する周波数逓倍器以外にミキサや増幅器などが
ある。尚、前記先端開放スタブと前記非線形素子とを伝
送線路によって接続し、先端開放スタブが反射する3倍
波によって非線形素子から出力される3倍波が抑圧され
るように前記伝送線路の線路長を調整するようにすると
よい。
【0010】また、回路規模を縮小する観点から、上記
構成の高周波回路において、前記第一の先端開放スタブ
をインダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回
路に代えるようにしてもよい。
【0011】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る周波数逓倍器においては、入力される信号と同一
周波数の基本波および該基本波の高調波を出力する非線
形素子と、前記非線形素子が出力する基本波を抑圧する
第二の先端開放スタブと、を備え、前記基本波の3倍波
を前記非線形素子に反射する第一の先端開放スタブを前
記非線形素子の入力側に備え、前記第一の先端開放スタ
ブが反射する前記基本波の3倍波によって前記非線形素
子から出力される前記基本波の3倍波が抑圧されるよう
にする。さらに、前記非線形素子に前記基本波と同一周
波数の信号を出力する第一の整合回路と、前記非線形素
子の出力信号から前記第一の先端開放スタブによって基
本波が除かれた信号を入力する第二の整合回路と、を備
えるようにしてもよい。
【0012】また、前記第一の先端開放スタブが反射す
る前記基本波の3倍波の位相を調整するために、前記第
一の先端開放スタブと前記非線形素子の入力側とが伝送
線路を介して接続されるようにしてもよい。この場合、
前記伝送線路の線路長を前記基本波の波長の1/48倍
〜1/12倍または3/16倍〜1/4倍の範囲内にす
ることが望ましい。
【0013】また、回路規模を縮小する観点から、上記
構成の周波数逓倍器において、前記第一および第二の先
端開放スタブの少なくとも一つをインダクタおよびキャ
パシタで集中定数化した等価回路に代える並びに/又は
前記伝送線路をインダクタに代えるようにしてもよい。
【0014】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る通信装置においては、上記構成のいずれかの高周
波回路及び/又は上記構成のいずれかの周波数逓倍器を
備えるようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図面
を参照して説明する。本発明に係る周波数逓倍器の構成
を図1に示す。尚、図1において、図6と同一の部分に
は同一の符号を付す。入力端子1は整合回路3の入力側
に接続され、整合回路3の出力側は3倍波に対して電気
長が略90°(詳細には90°±30°)である先端開
放スタブ6aと、伝送線路7aの一端とに接続される。
伝送線路7aの他端はHBT(Heterojunction Bipolar
Transistor)4のベースに接続される。HBT4のエ
ミッタは接地されており、HBT4のコレクタは伝送線
路7bの一端に接続される。
【0016】伝送線路7bの他端は、基本波に対して電
気長が略90°(詳細には90°±30°)である先端
開放スタブ6bと整合回路5の入力側とに接続される。
整合回路5の出力側は出力端子2に接続される。
【0017】整合回路3は周波数f0でHBT4の入力
整合をとり、整合回路5は周波数2f0でHBT4の出
力整合をとる。さらに、整合回路3および整合回路5は
バイアス回路を兼ねている。尚、本実施形態では先端開
放スタブ6aおよび6b並びに伝送線路7aおよび7b
をマイクロストリップ線路とする。
【0018】上述したように先端開放スタブ6aは3倍
波に対して電気長が略90°(詳細には90°±30
°)であり先端開放スタブ6bは基本波に対して電気長
が略90°(詳細には90°±30°)であるので、例
えば入力信号と同一周波数である基本波の周波数f0
7.25GHzであってマイクロストリップ線路である
先端開放スタブ6aおよび6bを比誘電率12.9の誘
電体基板上に配置する場合、先端開放スタブ6aの線路
長は0.8mm〜1.6mmの範囲で設定し、先端開放
スタブ6bの線路長は2.4〜4.8mmの範囲で設定
する。
【0019】このような構成の周波数逓倍器は次のよう
に動作する。入力端子1に入力された周波数f0(=
7.25GHz)の信号が整合回路3および伝送線路7
aを介してHBT4のベースに入力される。また、HB
T4は、整合回路3および整合回路5によってピンチオ
フ付近にバイアスされる。これにより、HBT4のコレ
クタ電流波形はベース電圧に対して指数関数的に増加す
るため、多くの高調波を出力する。
【0020】そして、そのコレクタ電流は伝送線路7b
によって位相を変えられたのち、先端開放スタブ6bの
接続点に到達する。基本波に対して電気長が略90°で
ある先端開放スタブ6aの接続点では、基本波に対して
短絡となるので、基本波がHBT4側に反射する。一
方、2倍波に対しては開放となるので、2倍波は通過し
整合回路5に入力される。整合回路5は周波数2f0
整合をとるので、整合回路5の出力側に接続される出力
端子2から出力される信号の周波数は2f0(=14.
5GHz)となる。すなわち、図1に示した周波数逓倍
器は2逓倍の周波数逓倍器である。
【0021】また、HBT4のコレクタ側に現れた3倍
波の一部はHBT4のベース側に帰還する。この帰還し
た3倍波は、HBT4のベース側に一端が接続された3
倍波に対して電気長略90°の先端開放スタブ6aによ
って反射され、伝送線路7aによって位相が調整された
のちHBT4に入力される。
【0022】この伝送線路7aの位相条件について図3
を参照して説明する。図3は、伝送線路7aの線路長と
出力端子2から出力される基本波、2倍波、および3倍
波の電力との関係を示した図である。伝送線路7aの線
路長Lは基本波の波長λ0で表しており、特性曲線T
1、T2、T3はそれぞれ出力端子2から出力される基
本波の電力、出力端子2から出力される2倍波の電力、
出力端子2から出力される3倍波の電力を示している。
尚、入力端子1に入力される信号の周波数f0=7.2
5[GHz]、入力端子1に入力される信号の電力Pin=−
5[dBm]、HBT4のベースバイアス電圧1.4[V]、H
BT4のコレクタバイアス電圧3.0[V]である。
【0023】図3から明らかなように、出力端子2から
出力される基本波の電力および出力端子2から出力され
る2倍波の電力は、伝送線路7aの線路長Lに関わらず
ほぼ一定となる。一方、伝送線路7aの線路長Lを図3
中の動作領域RI(λ0/48〜λ0/12)または動作
領域RII(3λ0/16〜λ0/4)の範囲に設定するこ
とによって、出力端子2から出力される3倍波の電力を
著しく小さくすることができる。例えば、基本波の周波
数が7.25GHzであってマイクロストリップ線路で
ある先端開放スタブ6aを比誘電率12.9の誘電体基
板上に配置する場合、基本波の波長λ0は14.4mm
となるので、先端開放スタブ6aの線路長Lを0.3〜
1.2mm又は2.7〜3.6mmの範囲で設定すると
よい。
【0024】ここで、図6に示した従来の周波数逓倍器
の入出力特性と図1に示した本発明に係る周波数逓倍器
の入出力特性とを比較した結果を図4に示す。尚、比較
のため、従来の周波数逓倍器の非線形素子には図6に示
したEFT11の代わりにHBTを用いている。特性曲
線T4、T5は図1に示した本発明に係る周波数逓倍器
の入出力特性曲線であり、それぞれ出力端子2から出力
される2倍波の電力、出力端子2から出力される3倍波
の電力を示している。また、特性曲線T6、T7は図6
に示した従来の周波数逓倍器の入出力特性曲線であり、
それぞれ出力端子2から出力される2倍波の電力、出力
端子2から出力される3倍波の電力を示している。
【0025】尚、従来の周波数逓倍器において、伝送線
路7aの線路長L=λ0/32(ただし、λ0は基本波の
波長である)、入力端子1に入力される信号の周波数f
0=7.25[GHz]、FET11の代わりに用いたHBT
のベースバイアス電圧1.4[V]、FET11の代わり
に用いたHBTのコレクタバイアス電圧3.0[V]であ
る。また、本発明に係る周波数逓倍器において、伝送線
路7aの線路長L=λ 0/16(ただし、λ0は基本波の
波長である)、入力端子1に入力される信号の周波数f
0=7.25[GHz]、HBT4のベースバイアス電圧1.
4[V]、HBT4のコレクタバイアス電圧3.0[V]であ
る。
【0026】図4から明らかなように、本発明に係る周
波数逓倍器は、従来の周波数逓倍器と同等の2倍波出力
が得られる。これは、先端開放スタブ6aが2倍波に対
しても反射源となるため、HBT4のベース側に帰還し
た2倍波は先端開放スタブ6aにより一部反射されHB
T4に再入射して2倍波出力の発生に寄与するためであ
ると考えられる。さらに、本発明に係る周波数逓倍器
は、従来の周波数逓倍器に比べ3倍波出力を抑圧するこ
とができる。これは、HBT4と先端開放スタブ6aと
を接続する伝送線路7aの線路長を図3中の動作領域R
I、RIIの範囲に設定することにより、先端開放スタブ
6aで反射された3倍波とHBT4内部で発生する3倍
波とがHBT4の内部で逆相合成され、HBT4のコレ
クタから出力される3倍波が抑圧されるためであると考
えられる。
【0027】次に、本発明に係る周波数逓倍器の他の形
態について説明する。図1に示した本発明に係る周波数
逓倍器では分布定数線路(先端開放スタブ6aおよび6
b並びに伝送線路7aおよび7b)を用いているが、分
布定数線路の代わりに集中定数回路を用いてもよい。そ
こで、図1の周波数逓倍器が備える全ての分布定数線路
を集中定数回路に置き換える。その集中定数回路に置き
換えた周波数逓倍器の構成を図2に示す。尚、図2にお
いて図1と同一の部分には同一の符号を付し説明を省略
する。
【0028】図1の伝送線路7aおよび7bは信号の位
相の変化を目的として設けられているため、図2のよう
に伝送線路7aおよび7bをそれぞれインダクタ10a
および10bに置き換えても同様な効果を得ることがで
きる。
【0029】さらに、図1の周波数fの信号を抑圧する
先端開放スタブを、図2のようにキャパシタとインダク
タを直列接続し、インダクタのキャパシタと接続してい
ない側を接続点とし、キャパシタのインダクタと接続し
ていない側を接地した集中定数回路に置き換えることが
できる。この場合、キャパシタの容量Cと、インダクタ
のインダクタンスLと、抑圧する信号の周波数fとが
(1)式の関係を満たすように、キャパシタの容量Cの
値およびインダクタのインダクタンスLの値を設定す
る。このような設定にすることによって、キャパシタと
インダクタからなる集中定数回路は先端開放スタブと同
様に周波数fの信号を抑圧することができる。
【数1】
【0030】従って、キャパシタ8aの容量C1とイン
ダクタ9aのインダクタンスL1は(2)式の関係を、
キャパシタ8bの容量C2とインダクタ9bのインダク
タンスL2は(3)式の関係を、それぞれ満たすように
キャパシタ8aおよび8bの容量並びにインダクタ9a
および9bのインダクタンスを設定する。
【数2】
【0031】図2の周波数逓倍器のように集中定数回路
を用いることによって分布定数線路を用いた場合に比べ
て周波数逓倍器の回路規模を縮小することができる。ま
た、図2の周波数逓倍器では、全ての分布定数線路(伝
送線路7aおよび7b並びに先端開放スタブ6aおよび
6b)を集中定数回路に置き換えたが、必ずしも全ての
分布定数線路を置き換える必要はなく、置き換えは部分
的であってもよい。さらに、先端開放スタブと置き換え
る集中定数回路は本実施形態に限定されることはなく、
先端開放スタブと等価となる集中定数回路であれば他の
構成でも構わない。尚、インダクタにはチップインダク
タやスパイラルインダクタなどを用い、キャパシタには
チップキャパシタやMIM(Metal Insulator Metal)
キャパシタなどを用いるとよい。特に、周波数逓倍器を
MMIC(Monolithic MicrowaveIntegrated Circuit)
化する場合には、スパイラルインダクタとMIMキャパ
シタを用いることが望ましい。
【0032】また、図1および図2に示した周波数逓倍
器において、高周波でも動作可能な非線形素子としてH
BTを用いたが、高周波でも動作可能な他の非線形素
子、例えばMESFET(Metal Semiconductor Field
Effect Transistor)やHEMT(High Electron Mobil
ity Transistor)などを用いてもよい。
【0033】次に、上述した周波数逓倍器を有する局部
発振器を備える通信装置について説明する。送信装置お
よび受信装置の構成としては例えば図5に示すようなも
のがある。
【0034】まず、送信装置20から説明する。低周波
数の信号であるデータ信号が入力端子21に入力され、
入力端子21からミキサ22に送出される。ミキサ22
には、局部発振器29が発生する局部発振信号も入力さ
れる。
【0035】局部発振器29は、PLL発振器26と、
上述した本発明に係る周波数逓倍器27と、増幅器28
とを備えている。PLL発振器26が発振する信号は、
周波数逓倍器27によって周波数が逓倍され且つ増幅器
28によって増幅されたのち、局部発振信号としてミキ
サ22に出力される。
【0036】ミキサ22は局部発振信号とデータ信号と
を混合することによりRF信号を作成し次段のバンドパ
スフィルタ23に出力する。RF信号は、バンドパスフ
ィルタ23によって不要成分が除去され且つ増幅器24
により電力増幅されたのちアンテナ25を介して送信さ
れる。
【0037】次に、受信装置40について説明する。ア
ンテナ41から入力された受信信号は、増幅器42によ
って増幅されたのち、バンドパスフィルタ43によって
不要成分が除去され所望波信号のみが選別される。この
所望波信号がミキサ44に入力される。また、ミキサ4
4には局部発振器49が発生する局部発振信号も入力さ
れる。
【0038】局部発振器49は、PLL発振器46と、
上述した本発明に係る周波数逓倍器47と、増幅器48
とを備えている。PLL発振器46が発振する信号は、
周波数逓倍器47によって周波数が逓倍され且つ増幅器
48によって増幅されたのち、局部発振信号としてミキ
サ44に出力される。
【0039】ミキサ44では局部発振信号と所望波信号
とを混合することによりIF信号を作成し出力端子45
に出力する。IF信号の周波数は局部発振信号の周波数
と所望波信号の周波数との差により決定されるので、ミ
キサ44が出力するIF信号は常に一定の周波数とな
る。
【0040】送信装置20および受信装置40におい
て、PLL発振器の次段に周波数逓倍器を設けることに
より、PLL発振器の発振周波数を低くすることができ
る。これにより、安価で且つ安定した信号を出力するP
LL発振器を用いることができる。さらに、周波数逓倍
器は上述したように3倍波を抑圧する構成であるので、
純度の高い所望送信信号または所望受信信号を得る必要
がある場合でも、周波数逓倍器の次段に3倍波除去フィ
ルタ回路を設けずにすむ。これにより、送信装置または
受信装置の低コスト化を図ることができるとともに、送
信装置または受信装置の大型化を防ぐことができる。
【0041】さらに、ミキサや増幅器が備える非線形素
子の入力側に3倍波を反射する先端開放スタブを設け
て、その先端開放スタブと非線形素子とを伝送線路によ
って接続し、先端開放スタブが反射する3倍波によって
非線形素子から出力される3倍波が抑圧されるように伝
送線路の線路長を調整するようにしてもよい。また、こ
れら先端開放スタブおよび伝送線路の一部又は全部を等
価な集中定数回路に置き換えてもよい。
【0042】尚、本発明に係る通信装置は、上述した実
施形態に限定されることはなく、他の構成の送信装置ま
たは受信装置にも適用され、送信と受信の両方が行える
送受信装置についても適用することができる。送受信装
置の一実施態様としては、図5に示した送信装置20と
受信装置40とを合わせ持った構成とする態様が考えら
れる。この場合、送信に用いる局部発振器が出力する信
号の周波数と受信に用いる局部発振器が出力する信号の
周波数を同一とすることで、局部発振器を共用化するこ
とができ、部品点数を低減することができる。
【0043】また、上述した実施形態では周波数逓倍器
が備える先端開放スタブ6aおよび6b並びに伝送線路
7aおよび7bをマイクロストリップ線路としたが、本
発明はこれに限定されることなく、他の種類の線路、例
えばコプレーナ線路等を用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明の高周波回路によれば、基本波の
3倍波を非線形素子に反射する第一の先端開放スタブを
非線形素子の入力側に備え、第一の先端開放スタブが反
射する基本波の3倍波によって非線形素子から出力され
る基本波の3倍波が抑圧されるので、高周波回路から出
力される3倍波が減少する。これにより、不要波である
3倍波の出力を抑圧する高周波回路を実現することがで
きる。
【0045】また、本発明の高周波回路によれば、上記
構成の高周波回路において、第一の先端開放スタブをイ
ンダクタおよびキャパシタで集中定数化した等価回路に
代えるので、高周波回路の回路面積の縮小を図ることが
できる。特にスパイラルインダクタとMIMキャパシタ
を用いると、MMIC化する場合に効果がある。
【0046】また、本発明の周波数逓倍器によれば、基
本波の3倍波を非線形素子に反射する第一の先端開放ス
タブを非線形素子の入力側に備え、第一の先端開放スタ
ブが反射する基本波の3倍波によって非線形素子から出
力される基本波の3倍波が抑圧されるので、周波数逓倍
器から出力される3倍波が減少する。また、第一の先端
開放スタブが2倍波に対しても反射源となるため、非線
形素子の入力側に帰還した2倍波は第一の先端開放スタ
ブにより一部反射され非線形素子に再入射して2倍波出
力の発生に寄与する。さらに、非線形素子が出力する基
本波を抑圧する第二の先端開放スタブを備えるので、基
本波は出力されず2倍波が出力される。これにより、従
来の周波数逓倍器と同程度の2倍波を出力するととも
に、3倍波の出力を抑圧する周波数逓倍器を実現するこ
とができる。
【0047】また、本発明の周波数逓倍器によれば、非
線形素子に基本波と同一周波数の信号を出力する第一の
整合回路と、非線形素子の出力信号から第一の先端開放
スタブによって基本波が除かれた信号を入力する第二の
整合回路と、を備えるので、入力信号の入力時および出
力信号の出力時においてインピーダンス不整合による効
率の低下がない。これにより、周波数逓倍器の出力効率
を高くすることができる。
【0048】また、本発明の周波数逓倍器によれば、第
一の先端開放スタブと非線形素子の入力側とが伝送線路
を介して接続されるので、第一の先端開放スタブが反射
する基本波の3倍波の位相を調整することができる。こ
れにより、第一の先端開放スタブで反射された3倍波と
非線形素子内部で発生する3倍波とを非線形素子の内部
で逆相合成することができ、非線形素子から出力される
3倍波を著しく抑圧することができる。
【0049】また、本発明の周波数逓倍器によれば、前
記伝送線路の長さが前記基本波の波長の1/48倍〜1
/12倍または3/16倍〜1/4倍の範囲内であるの
で、第一の先端開放スタブで反射された3倍波と非線形
素子内部で発生する3倍波とが非線形素子の内部で逆相
合成され、非線形素子から出力される3倍波が著しく抑
圧される。
【0050】また、本発明の周波数逓倍器によれば、上
記構成の周波数逓倍器において、第一および第二の先端
開放スタブの少なくとも一つをインダクタおよびキャパ
シタで集中定数化した等価回路に代える並びに/又は伝
送線路をインダクタに代えるので、周波数逓倍器の回路
面積の縮小を図ることができる。特にスパイラルインダ
クタとMIMキャパシタを用いると、MMIC化する場
合に効果がある。
【0051】また、本発明によれば、通信装置が上記構
成の高周波回路及び/又は上記構成の周波数逓倍器を備
えるので、高周波回路及び/又は上記構成の周波数逓倍
器の次段に3倍波除去フィルタ回路を設けずにすむ。こ
れにより、通信装置の低コスト化を図ることができると
ともに、通信装置の大型化を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る周波数逓倍器の構成を示す
図である。
【図2】 図1の周波数逓倍器の分布定数回路を集
中等価回路に置き換えた形態の周波数逓倍器の構成を示
す図である。
【図3】 図1の周波数逓倍器における各成分の出
力電力と伝送線路長との関係を示す図である。
【図4】 図1および図6の周波数逓倍器の入出力
電力の関係を示す図である。
【図5】 本発明に係る送信装置および受信装置の
構成を示す図である。
【図6】 従来の周波数逓倍器の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
3、5 整合回路 4 HBT 6a、6b 先端開放スタブ 7a、7b 伝送線路 8a、8b キャパシタ 9a、9b、10a、10b リアクタ 20 送信装置 22、44 ミキサ 24、42 増幅器 27、47 周波数逓倍器 29、49 増幅器 40 受信装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J067 AA01 AA04 CA27 FA16 HA06 HA09 HA29 HA33 KA00 KA29 KA32 KA44 KA68 KS11 LS01 SA13 TA01 TA02 5J090 AA01 AA04 CA27 FA16 GN02 HA06 HA09 HA29 HA33 KA00 KA29 KA32 KA44 KA68 SA13 TA01 TA02 5K020 DD11 DD12 EE01 EE14 GG01 MM12 MM13

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力される信号と同一周波数の基本波およ
    び該基本波の高調波を出力する非線形素子を備えた高周
    波回路において、 前記基本波の3倍波を前記非線形素子に反射する第一の
    先端開放スタブを前記非線形素子の入力側に備え、前記
    第一の先端開放スタブが反射する前記基本波の3倍波に
    よって前記非線形素子から出力される前記基本波の3倍
    波が抑圧されることを特徴とする高周波回路。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の高周波回路において、前
    記第一の先端開放スタブをインダクタおよびキャパシタ
    で集中定数化した等価回路に代えることを特徴とする高
    周波回路。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の高周波回路であって、前
    記非線形素子が出力する基本波を抑圧する第二の先端開
    放スタブを備える周波数逓倍器。
  4. 【請求項4】前記非線形素子に前記基本波と同一周波数
    の信号を出力する第一の整合回路と、前記非線形素子の
    出力信号から前記第二の先端開放スタブによって基本波
    が除かれた信号を入力する第二の整合回路と、を備える
    請求項3に記載の周波数逓倍器
  5. 【請求項5】前記第一の先端開放スタブと前記非線形素
    子の入力側とが伝送線路を介して接続される請求項3又
    は請求項4に記載の周波数逓倍器。
  6. 【請求項6】前記伝送線路の線路長が前記基本波の波長
    の1/48倍〜1/12倍または3/16倍〜1/4倍
    の範囲内である請求項5に記載の周波数逓倍器。
  7. 【請求項7】請求項3〜6のいずれかに記載の周波数逓
    倍器において、前記第一および第二の先端開放スタブの
    少なくとも一つをインダクタおよびキャパシタで集中定
    数化した等価回路に代える並びに/又は前記伝送線路を
    インダクタに代えることを特徴とする周波数逓倍器。
  8. 【請求項8】請求項1若しくは請求項2に記載の高周波
    回路及び/又は請求項3〜7のいずれかに記載の周波数
    逓倍器を備えることを特徴とする通信装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007036476A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Toshiba Corp リミッター回路
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JP2008003029A (ja) * 2006-06-26 2008-01-10 Jeol Ltd Esr装置
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