JP2000156612A - 周波数逓倍器 - Google Patents
周波数逓倍器Info
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Abstract
成で3倍波を効率よく取り出すことができ、小型化と動
作の安定化ができる周波数逓倍器を提供する。 【解決手段】 入力側の整合回路1の出力端子にベース
が接続され、エミッタが接地されたHBT2のコレクタ
に伝送線路3の一端を接続し、伝送線路3の他端に2倍
波通過阻止用先端開放スタブ4の一端を接続する。上記
伝送線路の3の他端に出力側の整合回路5の入力端子を
接続し、整合回路5の出力端子を3倍波通過用フィルタ
6の入力端子に接続する。上記2倍波通過阻止用先端開
放スタブ4の接続点で2倍波をHBT2側に反射して、
反射された2倍波と基本波とがHBT2で混合されて、
基本波に対して3次の高調波が生成される。そして、上
記伝送線路3の電気長を最適化することによって、生成
された3次の高調波が重畳された3倍波を整合回路5,
3倍波通過用フィルタ6を介して出力する。
Description
リ波通信システムにおける高安定低雑音信号源に用いら
れる周波数逓倍器に関する。
る高安定低雑音信号源の構成として、低周波信号を生成
するPLL(phase-locked loop:位相同期回路)発振器の
出力側に複数の周波数逓倍器を直列に接続して、PLL
発信器の出力周波数を順次逓倍することにより、所望の
周波数の信号を得る手法がある。従来、このようなPL
L発信器では、2逓倍する周波数逓倍器を直列に接続す
ることが一般的に行われている。
「モノリシックマイクロ波集積回路(電子情報通信学会
編)P125〜P127」に示すものがある。この周波数逓倍器
は、図7に示すように、入力側の整合回路101と、F
ET(Field Effect Transistor:電界効果トランジスタ)
102と、伝送線路103と、先端開放スタブ104
と、出力側の整合回路105とを備えている。
102のゲートをピンチオフ付近にバイアスし、周波数
f0の大きな振幅の入力信号を整合回路101を介して
FET102のゲートに入力する。そうすると、上記F
ET102のドレイン波形は、半波整流波形に近いもの
となり、入力信号の周波数f0の整数倍の周波数成分、
特に偶数次の周波数成分を多く含む。上記FET102
のドレイン側には、基本波を抑えるために先端開放スタ
ブ104を用いた基本波トラップ回路が用いられてい
る。上記先端開放スタブ104の長さは、入力信号の基
本波に対して電気長90°になるように選ばれているの
で、先端開放スタブ104の接続点では、入力信号の基
本波に対して短絡し、2倍波に対して開放に見えるの
で、基本波成分は抑圧されて、2倍波が出力されること
になる。この周波数逓倍器では、FET102による増
幅作用が加わるため、高効率な周波数逓倍を行える。
「“A Ka-Band Planar Tripler Based on Stacked Symm
etric InP Heterostructure-Barrier Varactor”,IEEE
MTT-S digest 1995 p.549-552」に示されたものがあ
る。この3逓倍する周波数逓倍器は、図8に示すよう
に、ローパスフィルタ201と、入力側の整合回路20
2と、HBV(ヘテロジャンクションバリア−バラク
タ)203と、出力側の整合回路204と、バンドパス
フィルタ205とを備えている。上記HBV203は、
バラクタが対称に直列接続された構造をしている。
ルタ201に入力された基本波信号をローパスフィルタ
201,入力側の整合回路202を介してHBV203
に入力する。そして、上記HBV203で歪み高調波を
発生するが、HBV203は対称構造となっているた
め、偶数次の高調波成分をキャンセルし、奇数次の高調
波成分のみを出力する。そして、上記奇数次の高調波成
分のうちの3次の高調波のみが、出力側の整合回路20
4およびバンドパスフィルタ205を通過して出力され
る。
する周波数逓倍器では、所望の周波数を得るために直列
に多段接続する場合、逓倍次数が高くなるほど高周波ト
ランジスタ(FET)の数が多くなるため、回路が複雑に
なると共に、消費電力が大きくなるという問題がある。
にHBVをはじめとするバラクタやダイオード等の受動
素子を用いた場合、周波数変換損が大きく、非常に大き
な入力電力が必要となるため、効率が悪いという問題が
ある。
トランジスタを用いた簡単な構成で3倍波を効率よく取
り出すことができると共に、小型化と動作の安定化がで
きる周波数逓倍器を提供することにある。
め、請求項1の周波数逓倍器は、入力側整合回路と、上
記入力側整合回路の出力端子にベースまたはゲートが接
続され、エミッタまたはソースが接地された高周波トラ
ンジスタと、上記高周波トランジスタのコレクタまたは
ドレインに一端が接続された伝送線路と、上記伝送線路
の他端に一端が接続された2倍波通過阻止用先端開放ス
タブと、上記伝送線路の他端に入力端子が接続された出
力側整合回路と、上記出力側整合回路の出力端子に入力
端子が接続された3倍波通過用フィルタとを備えたこと
を特徴としている。
記高周波トランジスタ(例えばバイポーラトランジスタ)
のベースに上記入力側整合回路を介して入力信号を入力
すると、高周波トランジスタのコレクタ電流は、ベース
電圧に対して指数関数的に増加するため、多くの高調波
を出力する。そして、上記2倍波通過阻止用先端開放ス
タブの接続点で2倍波に対して短絡となるので、2倍波
が高周波トランジスタ側に反射し、3倍波が出力側整合
回路,3倍波通過用フィルタを介して出力する。このと
き、上記2倍波通過阻止用先端開放スタブで反射された
2倍波と基本波とが高周波トランジスタで混合されて基
本波に対して3次の高調波が生成され、上記伝送線路の
電気長を最適化することによって、生成された3次の高
調波が3倍波に重畳されて、3倍波の出力効率がさらに
高くなる。したがって、1つの高周波トランジスタを用
いた簡単な構成で3倍波を効率よく取り出すことができ
る。
整合回路と、上記入力側整合回路の出力端子にベースま
たはゲートが接続され、エミッタまたはソースが接地さ
れた高周波トランジスタと、上記高周波トランジスタの
コレクタまたはドレインに一端が接続されたインダクタ
と、上記インダクタの他端に一端が接続されたときの2
倍波通過阻止用先端開放スタブに略等価な回路であっ
て、インダクタおよびキャパシタにより上記2倍波通過
阻止用先端開放スタブを集中定数化した2倍波通過阻止
用等価回路と、上記伝送線路の他端に入力端子が接続さ
れた出力側整合回路と、上記出力側整合回路の出力端子
に入力端子が接続された3倍波通過用フィルタとを備え
たことを特徴としている。
記高周波トランジスタ(例えばバイポーラトランジスタ)
のベースに上記入力側整合回路を介して入力信号を入力
すると、高周波トランジスタのコレクタ電流は、ベース
電圧に対して指数関数的に増加するため、多くの高調波
を出力する。そして、上記2倍波通過阻止用等価回路の
接続点で2倍波に対して短絡となるので、2倍波が高周
波トランジスタ側に反射し、3倍波を出力側整合回路,
3倍波通過用フィルタを介して出力する。このとき、上
記2倍波通過阻止用等価回路で反射された2倍波と入力
信号とが高周波トランジスタで混合されて基本波に対し
て3次の高調波が生成され、上記伝送線路の電気長を最
適化することによって、生成された3次の高調波が3倍
波に重畳されて、3倍波の出力効率がさらに高くなる。
したがって、1つの高周波トランジスタを用いた簡単な
構成で3倍波を効率よく取り出すことができる。また、
インダクタはチップインダクタやスパイラルインダク
タ、キャパシタはチップキャパシタやMIM(Metal Ins
ulator Metal:メタル・インシュレータ・メタル)キャパ
シタを用いて構成し、先端開放スタブの分布定数回路を
インダクタとキャパシタを用いて集中定数化することに
よって、回路の占有面積を縮小することができる。この
場合、特にスパイラルインダクタとMIMキャパシタを
用いてMMIC(Monolithic Microwave Integrated Cir
cuit:モノリシック・マイクロ波集積回路)化するときに
効果がある。なお、上記高周波トランジスタにMESF
ETやHEMT等を用いても同様の効果が得られる。
1または2の周波数逓倍器において、上記高周波トラン
ジスタのエミッタまたはソースを伝送線路を介して接地
したことを特徴としている。
記高周波トランジスタのエミッタ(またはソース)と接地
との間に伝送線路を挿入することによって、高周波トラ
ンジスタの入力側における反射係数を小さくすることが
でき、逓倍利得を大きく損なうことなく、入力側の整合
を容易にとることが可能となる。これにより、周波数逓
倍器の入力端の反射特性を改善し、回路の動作を安定化
できる。
1または2の周波数逓倍器において、上記高周波トラン
ジスタのエミッタまたはソースをインダクタを介して接
地したことを特徴としている。
記高周波トランジスタのエミッタ(またはソース)と接地
との間にインダクタを挿入することによって、高周波ト
ランジスタの入力側における反射係数を小さくすること
ができ、逓倍利得を大きく損なうことなく、入力側の整
合を容易にとることが可能となる。これにより、周波数
逓倍器の入力端の反射特性を改善し、回路の動作を安定
化できる。
1乃至4のいずれか1つの周波数逓倍器において、上記
高周波トランジスタはへテロ接合バイポーラトランジス
タ(以下、HBTという)であることを特徴としている。
ンチオフ付近で動作するHBTの高調波出力特性と他の
高周波トランジスタ例えばHEMTの高調波出力特性と
を比較した場合、基本波と2倍波の差は、同じ程度であ
るのに対して、HBTがHEMTよりも3次以上の高調
波の出力の割合が高い。したがって、上記高周波トラン
ジスタにHBTを用いることにより、3倍波の出力をよ
り大きくできる。
図示の実施の形態により詳細に説明する。
施形態の周波数逓倍器の回路図であり、1は周波数f0
の入力信号が入力される入力側の整合回路、2は上記入
力側の整合回路1の出力端子にベースが接続され、エミ
ッタが接地GNDに接続されたHBT(Heterojunction
Bipolar Transistor:ヘテロ接合バイポーラトランジス
タ)、3は上記HBT2のコレクタに一端が接続された
伝送線路、4は上記伝送線路3の他端に一端が接続され
た2倍波に対して電気長が90°の先端開放スタブ、5
は上記伝送線路3の他端に入力端子が接続された出力側
の整合回路、6は上記出力側の整合回路5の出力端子に
入力端子が接続され、3倍波のみを通す3倍波通過用フ
ィルタである。上記入力側の整合回路1により、基本波
の周波数f0でHBT2の入力側の整合をとり、出力側
の整合回路5により、3倍波の周波数3f0でHBT2
の出力側の整合をとる。また、上記整合回路1,5はバ
イアス回路を兼ねており、HBT2がピンチオフ付近で
動作するようにバイアスを設定している。
f0の入力信号を入力側の整合回路1を介してHBT2
のベースに入力すると、HBT2のコレクタ電流は、ベ
ース電圧に対して指数関数的に増加するため、多くの高
調波を出力する。そうすると、2倍波(周波数2f0)に
対して電気長が90°の2倍波通過阻止用先端開放スタ
ブ4の接続点では、2倍波(周波数2f0)に対して短絡
となるので、2倍波がHBT2側に反射する。そして、
上記出力側の整合回路5および3倍波通過用フィルタ6
を介して3倍波を出力し、基本波や他の高調波を3倍波
通過用フィルタ6で除去する。
特性インピーダンスZcが小さい場合、周波数帯域が広
くなるが、2倍波(周波数2f0)の抑圧比が小さくな
る。一方、特性インピーダンスZcが大きい場合、2倍
波(周波数2f0)の抑圧比が大きくなるが、周波数帯域
が狭くなる。すなわち、2倍波(周波数2f0)の抑圧と
周波数帯域とはトレードオフの関係にあり、通常、特性
インピーダンスZcを20〜70Ωの範囲内で選択す
る。
長が90°の2倍波通過阻止用先端開放スタブ4で反射
された2倍波(周波数2f0)と基本波(周波数f0)とがH
BT2で混合され、周波数3f0(=f0+2f0)の高調
波が生成されるため、伝送線路3の電気長を最適化する
ことによって、生成された周波数3f0(=f0+2f0)
の高調波が3倍波に重畳されて、3倍波(周波数3f0)
の出力がさらに大きくなる。
は、使用するHBTによって変わるが、基本波に対して
電気長20〜40°の範囲で3倍波の出力が最大とな
る。また、上記2倍波通過阻止用先端開放スタブ4およ
び伝送線路3はマイクロストリップ線路あるいはコプレ
ーナ線路等で構成する。
のHBTを用いた簡単な構成で3倍波を効率よく取り出
すことができる。
ドレイン電流は、ゲート電圧に対して2乗特性となるの
に対して、この第1実施形態に用いたHBTのコレクタ
電流は、ベース電圧に対して指数関数的に増加する。し
たがって、HBTをピンチオフ付近で動作させた場合、
3次以上の高調波出力がFETに比べると大きくなる。
る高調波出力特性を示しており、図6はHEMTのピン
チオフ時における高調波出力特性を示している。上記H
BTおよびHEMTのどちらも、最大周波数fmaxは6
0〜70GHz、定格電流40mA程度の素子である。
図5,図6に示すように、ピンチオフ付近で動作させた
場合のHBTおよびHEMTの出力の高調波を比較する
と、基本波と2倍波の差は、HBTおよびHEMTのど
ちらも約10dB程度であるのに対して、基本波と3倍
波の差はHEMTで33dB、HBTで18dBとなり、
基本波と4倍波の差はHEMTで32dB、HBTで2
2dBとなり、HBTはHEMTに対して3次以上の高
調波の出力の割合が10dB以上高いことがわかる。し
たがって、高周波トランジスタにHBTを用いることに
より、3倍波の出力をより大きくすることができる。
施形態の周波数逓倍器の回路図であり、11は周波数f
0の入力信号が入力される入力側の整合回路、12は上
記入力側の整合回路11の出力端子がベースに接続さ
れ、エミッタが接地GNDに接続されたHBT、13は
上記HBT12のコレクタに一端が接続されたインダク
タ、14は上記インダクタ13の他端に一端が接続され
たインダクタ、15は上記インダクタ14の一端と接地
GNDとの間に接続されたキャパシタ、16は上記イン
ダクタ14の他端と接地GNDとの間に接続されたキャ
パシタ、17は上記インダクタ13の他端に入力端子が
接続された出力側の整合回路、18は上記出力側の整合
回路の出力端子に入力端子が接続された3倍波通過用フ
ィルタである。上記入力側の整合回路11により、基本
波の周波数f0でHBT12の入力側の整合をとり、出
力側の整合回路17により、3倍波の周波数3f0でH
BT12の出力側の整合をとる。また、上記整合回路1
1,17はバイアス回路を兼ねており、HBT12がピ
ンチオフ付近で動作するようにバイアスを設定してい
る。
に示す2倍波通過阻止用先端開放スタブ4の代わりに、
その2倍波通過阻止用先端開放スタブ4を集中定数化し
た2倍波通過阻止用等回路をインダクタ14,キャパシ
タ15およびキャパシタ16で構成している。
タブ4の特性インピーダンスをZcとし、図2における
インダクタ14のインダクタンスをL2とし、キャパシ
タ15,16の容量をC2として、 L2=Zc/(4πf0) C2=1/(4πf0・Zc) と設定することにより、図1における2倍波通過阻止用
先端開放スタブ4をインダクタ,キャパシタを用いて置
き換えることが可能となる。
線路3の代わりにインダクタ13を用いている。このイ
ンダクタ13の最適なリアクタンスは周波数や使用する
HBTによって変わるが、リアクタンス(2πf0・
L)が30〜60Ωで3倍波の出力が最大となる。
倍器は、第1実施形態の周波数逓倍器と同様の効果を有
する。
プインダクタやスパイラルインダクタ、キャパシタ1
5,16はチップキャパシタやMIM(metal insulator
metal:メタル・インシュレータ・メタル)キャパシタを
用いて構成する。このように、インダクタとキャパシタ
を用いて先端開放スタブの分布定数回路を集中定数化す
ることにより回路の占有面積を縮小することができる。
特に、スパイラルインダクタとMIMキャパシタを用い
てMMIC(monolithic microwave integrated circui
t:モノリシック・マイクロ波集積回路)化する場合に効
果がある。なお、上記2倍波通過阻止用先端開放スタブ
4の分布定数回路の集中定数化は、10GHz程度まで
の回路に有効である。
施形態の周波数逓倍器の回路図であり、21は周波数f
0の入力信号が入力される入力側の整合回路、22は上
記入力側の整合回路21の出力端子にベースが接続され
たHBT、23は上記HBT22のエミッタと接地GN
Dとを接続する伝送線路、24は上記HBT22のコレ
クタに一端が接続された伝送線路、25は上記伝送線路
24の他端に一端が接続された2倍波に対して電気長が
90°の先端開放スタブ、26は上記伝送線路24の他
端に入力端子が接続された出力側の整合回路、27は上
記出力側の整合回路26の出力端子に入力端子が接続さ
れ、3倍波のみを通す3倍波通過用フィルタである。上
記入力側の整合回路21により、基本波の周波数f0で
HBT22の入力側の整合をとり、出力側の整合回路2
6により、3倍波の周波数3f0でHBT22の出力側
の整合をとる。また、上記整合回路21,26はバイア
ス回路を兼ねており、HBT22がピンチオフ付近で動
作するようにバイアスを設定している。
エミッタと接地GNDとの間に挿入された伝送線路23
を除いて第1実施形態と同一の構成をしている。したが
って、この第3実施形態の周波数逓倍器は、第1実施形
態の周波数逓倍器と同様の効果を有する。
線路3の長さを最適化して、逓倍利得を最大にした場
合、HBTの入力側における反射係数が非常に大きくな
り、入力側の整合をとることがしばしば困難となると共
に、反射係数が1以上となり、発振を起こすという問題
がある。そこで、この第3実施形態では、HBT22の
エミッタと接地GNDとの間に伝送線路23を挿入する
ことによって、HBT22の入力側における反射係数を
小さくすることができ、逓倍利得を大きく損なうことな
く、入力側を容易に整合をとることが可能となる。した
がって、この周波数逓倍器の入力端の反射特性を改善
し、回路の動作を安定化することができる。なお、上記
伝送線路23は基本波に対して電気長10°程度に設定
する。
施形態の周波数逓倍器の回路図であり、31は周波数f
0の入力信号が入力される入力側の整合回路、32は上
記入力側の整合回路31の出力端子がベースに接続され
たHBT、33は上記HBT32のエミッタと接地GN
Dとの間に接続されたインダクタ、34は上記HBT3
2のコレクタに一端が接続されたインダクタ、35は上
記インダクタ34の他端に一端が接続されたインダク
タ、36は上記インダクタ35の一端と接地GNDとの
間に接続されたキャパシタ、37は上記インダクタ35
の他端と接地GNDとの間に接続されたキャパシタ、3
8は上記インダクタ34の他端に入力端子が接続された
出力側の整合回路、39は上記出力側の整合回路38の
出力端子に入力端子が接続された3倍波通過用フィルタ
である。上記入力側の整合回路31により、基本波の周
波数f0でHBT32の入力側の整合をとり、出力側の
整合回路38により、3倍波の周波数3f0でHBT3
2の出力側の整合をとる。また、上記整合回路31,3
8はバイアス回路を兼ねており、HBT32がピンチオ
フ付近で動作するようにバイアスを設定している。
に示す2倍波通過阻止用先端開放スタブ4の代わりに、
その2倍波通過阻止用先端開放スタブ4を集中定数化し
た2倍波通過阻止用等価回路をインダクタ35,キャパ
シタ36およびキャパシタ37で構成している。
エミッタと接地GNDとの間に挿入されたインダクタ3
3を除いて第2実施形態と同一の構成をしている。した
がって、この第4実施形態の周波数逓倍器は、第2実施
形態の周波数逓倍器と同様の効果を有する。
NDとの間にインダクタ33を挿入することによって、
HBT32の入力側における反射係数を小さくすること
ができ、逓倍利得を大きく損なうことなく、入力側を容
易に整合をとることが可能となる。したがって、この周
波数逓倍器の入力端の反射特性を改善し、回路の動作を
安定化することができる。なお、上記インダクタ33
は、基本波の周波数に対して数Ω程度に設定する。
ンジスタとしてHBTを用いたが、MESFET(metal
semiconductor field effect transistor:メタル・セ
ミコンダクタ電界効果トランジスタ)またはHEMTを
用いてこの発明の周波数逓倍器を構成しても有効であ
る。
明の周波数逓倍器は、入力側整合回路の出力端子に高周
波トランジスタのベースまたはゲートを接続し、その高
周波トランジスタのエミッタまたはソースを接地し、上
記高周波トランジスタのコレクタまたはドレインに伝送
線路の一端を接続し、上記伝送線路の他端に2倍波通過
阻止用先端開放スタブの一端を接続し、上記伝送線路の
他端に出力側整合回路の入力端子を接続して、上記出力
側整合回路の出力端子に3倍波通過用フィルタの入力端
子を接続したことを特徴としている。
器によれば、上記高周波トランジスタが多くの高調波を
出力して、上記2倍波通過阻止用先端開放スタブの接続
点で2倍波に対して短絡となるので、2倍波が高周波ト
ランジスタ側に反射し、反射された2倍波と基本波とが
高周波トランジスタで混合されて基本波に対して3次の
高調波が生成され、生成された3次の高調波が上記伝送
線路の電気長を最適化することにより3倍波に重畳され
て、3倍波の出力がさらに大きくなる。したがって、1
つの高周波トランジスタを用いた簡単な構成で3倍波を
効率よく取り出すことができる。
入力側整合回路の出力端子に高周波トランジスタのベー
スまたはゲートを接続し、その高周波トランジスタのエ
ミッタまたはソースを接地し、上記高周波トランジスタ
のコレクタまたはドレインにインダクタの一端を接続
し、上記インダクタの他端に一端が接続されたときの2
倍波通過阻止用先端開放スタブに略等価な回路であっ
て、インダクタおよびキャパシタにより上記2倍波通過
阻止用先端開放スタブを集中定数化した2倍波通過阻止
用等価回路を伝送線路の他端側に接続し、上記伝送線路
の他端に出力側整合回路の入力端子を接続して、上記出
力側整合回路の出力端子に3倍波通過用フィルタの入力
端子を接続したものである。
器によれば、上記高周波トランジスタが多くの高調波を
出力して、上記2倍波通過阻止用等価回路の接続点で2
倍波に対して短絡となるので、2倍波が高周波トランジ
スタ側に反射し、反射された2倍波と基本波とが高周波
トランジスタで混合されて基本波に対して3次の高調波
が生成され、生成された3次の高調波が上記伝送線路の
電気長を最適化することにより3倍波に重畳されて、3
倍波の出力がさらに大きくなる。したがって、1つの高
周波トランジスタを用いた簡単な構成で3倍波を効率よ
く取り出すことができる。また、上記インダクタにチッ
プインダクタやスパイラルインダクタ、キャパシタにチ
ップキャパシタやMIMキャパシタを用い、インダクタ
とキャパシタを用いて分布定数回路を集中定数化するこ
とによって、回路の占有面積を縮小することができる。
請求項1または2の周波数逓倍器において、上記高周波
トランジスタのエミッタまたはソースを伝送線路を介し
て接地したので、高周波トランジスタの入力側における
反射係数を小さくすることができ、逓倍利得を大きく損
なうことなく、入力側の整合を容易にとることが可能と
なり、周波数逓倍器の入力端の反射特性を改善して、回
路の動作を安定化できる。
請求項1または2の周波数逓倍器において、上記高周波
トランジスタのエミッタまたはソースをインダクタを介
して接地したので、高周波トランジスタの入力側におけ
る反射係数を小さくすることができ、逓倍利得を大きく
損なうことなく、入力側の整合を容易にとることが可能
となり、周波数逓倍器の入力端の反射特性を改善して、
回路の動作を安定化できる。
請求項1乃至4のいずれか1つの周波数逓倍器におい
て、上記高周波トランジスタHBTであるので、ピンチ
オフ付近で動作するHBTが他の高周波トランジスタ例
えばHEMTよりも3次以上の高調波の出力の割合が高
く、3倍波の出力をより大きくすることができる。
器の回路図である。
器の回路図である。
器の回路図である。
器の回路図である。
出力特性を示す図である。
波出力特性を示す図である。
回路図である。
回路図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 入力側整合回路と、 上記入力側整合回路の出力端子にベースまたはゲートが
接続され、エミッタまたはソースが接地された高周波ト
ランジスタと、 上記高周波トランジスタのコレクタまたはドレインに一
端が接続された伝送線路と、 上記伝送線路の他端に一端が接続された2倍波通過阻止
用先端開放スタブと、 上記伝送線路の他端に入力端子が接続された出力側整合
回路と、 上記出力側整合回路の出力端子に入力端子が接続された
3倍波通過用フィルタとを備えたことを特徴とする周波
数逓倍器。 - 【請求項2】 入力側整合回路と、 上記入力側整合回路の出力端子にベースまたはゲートが
接続され、エミッタまたはソースが接地された高周波ト
ランジスタと、 上記高周波トランジスタのコレクタまたはドレインに一
端が接続されたインダクタと、 上記インダクタの他端に一端が接続されたときの2倍波
通過阻止用先端開放スタブに略等価な回路であって、イ
ンダクタおよびキャパシタにより上記2倍波通過阻止用
先端開放スタブを集中定数化した2倍波通過阻止用等価
回路と、 上記伝送線路の他端に入力端子が接続された出力側整合
回路と、 上記出力側整合回路の出力端子に入力端子が接続された
3倍波通過用フィルタとを備えたことを特徴とする周波
数逓倍器。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の周波数逓倍器
において、 上記高周波トランジスタのエミッタまたはソースを伝送
線路を介して接地したことを特徴とする周波数逓倍器。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の周波数逓倍器
において、 上記高周波トランジスタのエミッタまたはソースをイン
ダクタを介して接地したことを特徴とする周波数逓倍
器。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
周波数逓倍器において、 上記高周波トランジスタはへテロ接合バイポーラトラン
ジスタであることを特徴とする周波数逓倍器。
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JP10328198A JP2000156612A (ja) | 1998-11-18 | 1998-11-18 | 周波数逓倍器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005091056A1 (ja) * | 2004-03-18 | 2005-09-29 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | 光変調器および光変調方法 |
JP2007215247A (ja) * | 2007-05-25 | 2007-08-23 | Sharp Corp | 周波数逓倍器 |
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-
1998
- 1998-11-18 JP JP10328198A patent/JP2000156612A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7345803B2 (en) | 2004-03-18 | 2008-03-18 | Nippon Telegraph And Telephone Corporation | Optical modulator and optical modulating method |
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CN101931367A (zh) * | 2010-10-12 | 2010-12-29 | 西安天伟电子系统工程有限公司 | 基于NPN三极管的100MHz三倍频器 |
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