JP2002313543A - 電熱糸及び該電熱糸を用いたヒーター - Google Patents

電熱糸及び該電熱糸を用いたヒーター

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JP2002313543A JP2001120004A JP2001120004A JP2002313543A JP 2002313543 A JP2002313543 A JP 2002313543A JP 2001120004 A JP2001120004 A JP 2001120004A JP 2001120004 A JP2001120004 A JP 2001120004A JP 2002313543 A JP2002313543 A JP 2002313543A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁性と信頼性に優れた電熱糸、及びそれを
用いたヒーターを提供する。 【解決手段】 発熱用の芯材、及びこの芯材に沿って耐
熱性繊維の束を偏平状に拡幅させながら螺旋状に巻回す
ることにより形成される第一絶縁層と該第一絶縁層とは
逆巻きされる第二絶縁層との2以上の複層体からなる絶
縁用絶縁層からなり、かつ全体太さを0.8mm以下の
糸状にしたことを特徴とする電熱糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可撓性と絶縁性を
有し、かつ信頼性に優れた電熱糸、及びそれを用いたヒ
ーターに関する。
【0002】
【従来の技術】電気発熱線(電熱線)は、例えば、所定
の電気抵抗となるように設定されたニクロム線等の発熱
用芯材の表面を絶縁することで汎用性を高めることが行
われており、この絶縁方法として、例えば耐熱性のゴ
ム、樹脂材料を熔融押出して被覆成形し、又は絶縁性繊
維材料をブレード状の編組体にしてなる外皮で被包する
などのことが一般になされている。
【0003】これら電熱線は、用いる目的、用途、使い
方などに合わせて種々仕様に設定され、例えば電気コン
ロ、炊飯器などのような高温加熱を行うものではその発
熱量を大とするために発熱線自体を比較的太くするとと
もに機器への取り付けに際しての強度、使用中の変形を
防ぐ必要から、例えばシーズヒーターのように剛性を有
する外皮によって絶縁することが多用される。
【0004】これに対して、近年では例えばホットカー
ペット、電気毛布などのような折り曲げ自在な採暖製品
に使用するために、古くは例えば特開昭60−2353
86号公報、さらには実開平61−206226号公報
などにより提案された電熱線を用いることが行われてい
る。
【0005】また、このような電熱線の新たな用途とし
て半導体製造に使用されるプロセスガス供給用の配管に
付設しガス液化を防ぐための配管加温用ヒーターがあ
る。この加温用ヒーターは、比較的密に設置されている
ガス配管の必要部位に容易に取り付けうるよう、テープ
状、半割状、又は割面付きの弾性チューブ体の基体に電
熱線を設けるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のこ
れら用途に用いられてきた前記電熱線は、その発熱用の
芯材、表面への絶縁を、耐熱性プラスチックなどの押出
し成形被覆によって設けたものであり、絶縁層が比較的
厚く形成されることから、電熱線が太いものとなり、従
って電熱線の剛性が大となりがちである。
【0007】そのため、このような電熱線を用いたヒー
ター自体の形態は相対的に大きく、乃至厚くなり、しか
もその表面には電熱線による凹凸が形成されゴワゴワし
た違和感を与える因ともなっている。
【0008】さらに、このような電熱線では、繰返し曲
げなどによる折損、乃至疲労破壊が生じやすく、寿命を
減じ、かつこれを基材に付設配線する場合においても、
その間隔を狭くすることができず、温度ムラを大きくす
るなど、ヒーターの精度、品質を低下しがちとなる。
【0009】又このような押出し被覆による絶縁層に換
えて、前述のごとく発熱線の表面に絶縁繊維材料をブレ
ード状に編組した網状体を被せることによって可撓性を
付与することも考えうるが、電熱線が例えば0.8mm
以下のような細径のものにあっては強固な被包ができ
ず、発熱線が絶縁層から抜け落ちやすいものとなる。
【0010】仮に発熱線に密着した編組加工ができたと
しても、これをリード線等に接続する為に編組した外皮
の一部を取り除こうとする場合、それを構成する編組網
目が肉眼では目視困難な細さであることから、各外皮繊
維を個々に解きほぐすことは到底困難であり、またカッ
ターなどで編組外皮のみを切除する場合にあっても内部
発熱線にまで損傷を与えやすく、断線などの危険性が大
となり、そのため、専用工具を用いる熟練作業が必要と
なる。
【0011】このように、従来の電熱線では発熱線はあ
る程度細くできるとしても、その表面を覆う絶縁層のた
めに全体的な太さを小とするには限界があり、所定の強
度を備えながらも、十分な可能性を持たせた糸状の電熱
線としては不完全なものであった。
【0012】本発明は、かかる課題を解決し、強度、絶
縁性、可撓性に優れ、かつ品質、信頼性を向上しうる細
径の電熱糸、及びそれを用いたヒーターの提供を目的と
している。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のうち請求項1記
載の発明は、発熱用の芯材、及びこの芯材に沿って耐熱
性繊維の束を偏平状に拡幅させながら螺旋状に巻回する
ことにより形成される第一絶縁層と該第一絶縁層とは逆
巻きされる第二絶縁層との2以上の複層体からなる絶縁
層からなり、かつ全体太さを0.8mm以下の糸状にし
たことを特徴とする電熱糸である。
【0014】又請求項2記載の発明は、前記芯材が、冷
間加工によって硬質仕上げされた硬質ステンレス鋼細線
の単線、又はその複数線の集束成形、撚り成形、又は編
み成形によって得られた複合細線であることを特徴と
し、さらに請求項3記載の発明は、前記芯材が、硬質ス
テンレス鋼細線又は前記複合細線と、非導電性耐熱繊維
材料による補強芯材との組み合わせにより形成したもの
であることを特徴としている。
【0015】さらに請求項4記載の発明は、請求項1〜
3のいづれかに記載の電熱糸を耐熱性基材に沿って配線
し、前記電熱糸に通電することによって所定温度に発熱
可能としたヒーターであり、かつ請求項5の発明は、前
記基材が可撓性を有することにより、被加温体を周回し
うる可撓性を有し、かつ両端部を結合しうる係合手段を
具えた面状体であることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の一形態を図面
に基づき説明する。図1は、本発明に係る電熱糸1の一
形態を例示する拡大図であって、電熱糸1は、発熱用の
芯材2と、この芯材2の周囲を被包する絶縁用の絶縁層
3とからなる連続した糸状体であり、その全体の太さを
0.8mm以下としている。
【0017】前記芯材2は、所定電圧の印加通電によっ
て所定温度に発熱する抵抗値、乃至導電性を有し、この
芯材2は、例えばニクロム線、銅合金線、ステンレス鋼
線など種々の金属による細径の単線2A或いはこの単線
を集束し、あるいは撚り合わせ又は編成した複合細線2
Bとして用いうるものであり、特にステンレス鋼は細線
状態にあっても強度、耐熱性にすぐれ、本発明に好適に
使用しうる。
【0018】またステンレス鋼線の場合は、例えばSU
S302,SUS304,SU310,SUS205な
どオーステナイト系ステンレス鋼を冷間加工によって硬
質仕上げした硬質ステンレス鋼の細線では、強度、弾性
が良好で、復元性に優れ、かつ可撓性をも具えるため電
熱糸1の芯材2として好適に採用しうる。この場合、単
線2Aは例えば0.1mm以下、より好ましくは5〜6
0μmの繊細な断面寸法になるように冷間伸線加工(例
えば加工率60%以上)によって細径化したものの他、
例えば特開昭47−22356号公報が提案した集束伸
線法による金属繊維トウ、撚糸、紡績糸など種々のもの
が用いられる。
【0019】図2は、このようなステンレス鋼細線にお
ける加工状態が電気抵抗に及ぼす影響を示す結果の一例
であり、これによれば、熱処理しない加工材あるいは温
度600℃程度までの比較的低い温度で処理した場合は
電気抵抗が比較的大きく、しかも変化が少ないことが分
かる。しかし、焼きなまし処理のように600゜Cを越
える高温で熱処理した場合は、電気抵抗は急激に低下
し、しかも特性的にも軟質となり強度自体も下がること
から、細い電熱糸とするものとしてはやや特性に劣り、
好ましいものとは言い難い。
【0020】このように冷間伸線加工した硬質ステンレ
ス鋼細線は、高温での焼きなまし状態のものに比して電
気抵抗が大きくなる利点がある。しかもこのような硬質
細線は、その複数本(例えば3〜10本程度)を適宜撚
合わせることにより強度、可撓性をさらに向上した芯材
2とすることができる。
【0021】また本発明ではこのような芯材2の強度を
さらに高める為に、図1に示すように非導電性の耐熱繊
維材料からなる補強芯材2Cを配置し併用することもで
きる。この補強芯材2Cとしては、例えばケブラー(商
品名)などのアラミド繊維、ガラス繊維などのロービン
グの他、種々の高強度かつ高耐熱性の繊維材料が採用さ
れるが、その太さや本数、集合状態などは用いる用途、
仕様によって種々設定される。
【0022】他方、前記絶縁層3は、本発明では従来用
いられていた押出し被覆法、網体の被包法による絶縁層
に代えて、図1に例示するごとく、芯材2の表面に、耐
熱性の繊維材料を巻回した第一絶縁層3Aと第二絶縁層
3Bなど、2層以上の絶縁層を積層形成することによっ
て形成されている。又そのとき、各絶縁層は巾方向に偏
平状に拡幅させながら巻回できるように、例えばロービ
ングなどの繊維束を用いるとともに、その巻回方向を、
第一絶縁層3Aと第二絶縁層3Bとが異なる方向として
おり、これにより芯材2の露出を防いで絶縁性を高める
とともに可撓性も向上しうる。
【0023】この絶縁層用の繊維材料としては、例えば
前記アラミド繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などが
用いられるが、特にアラミド繊維は強度と耐熱性、絶縁
性を有し、柔軟であることから好ましい。しかもアラミ
ド繊維は加熱時にも有害ガスなどの内部発生がないこと
から例えば半導体製造環境のように超クリーン状態で使
用されるヒーターとして好ましいものである。
【0024】またこの巻回のために、繊維材料は、例え
ば繊維径0.1〜30μm程度の微細繊維を数十〜数千
本程度の束として形成し、かつこれを図1に破線で示す
ごとく、幅方向に例えば0.05mm〜2mm程度にまで広
げながら順次巻き付け、即ち、繊維材料は前記芯材2の
長さ方向に長軸を有するように拡巾されつつ所定ピッチ
で密巻きないし一部重ね巻きすることにより長手方向に
おける平滑性が維持される。また必要により、第三、第
四の絶縁層を重ねて積層することも可能であるが、その
場合は絶縁性、費用、可撓性などを考慮し設定される。
【0025】また、芯材2として図1に示したように、
細線2A又は複合細線2Bを前記補強芯材2Cで包むよ
うに配置したときには、該補強繊維2Cの束が有する弾
性によってより強く巻き付けることができ、被包処理後
に芯材のみが抜け落ちたりするなどの問題は軽減され
る。このような強固な巻き状態を得る為には、例えば巻
回ピッチ(P)300〜2000回/m程度で行うこと
が好ましい。
【0026】本発明の電熱糸1は、芯材2を、少なくと
も第一絶縁層3Aと逆方向巻きの第二絶縁層3Bで巻回
被包したものであり、このような構成にすることによっ
て、第一絶縁層3Aで仮に芯材2の露出があったとして
も、その表面に施す第二絶縁層3Bによって解消でき、
絶縁性を向上できる。また、両絶縁層の巻回方向は共に
交差しながらも電熱糸1となった場合に受ける曲がり方
向に近いものであり、しかも、本発明ではその太さを
0.8mm以下としていることから、可撓性を大としう
る。
【0027】また本発明でその太さを0.8mm以下とす
る理由は、それよりも太い電熱線については従来から行
われている編組方法で足り、本発明の電熱糸1は、太径
の場合の編組法では対応できない細径領域において可撓
性などを付与しうる。さらに表面に巻回する繊維束につ
いても巻回径が小さい程、巻戻りが小さく、強固な巻付
け状態が可能となることから、0.8mm以下としてお
り、より好ましく0.5mm以下とする。なおこのような
巻回処理は装飾糸などの製糸業界で広く行われている例
えばカバリングマシンによるカバリング糸と同様に行う
ことができる。
【0028】このように本発明の電熱糸1は、微細な芯
材2を用い、また絶縁層として耐熱性繊維束を幅方向に
拡幅しながら複数の巻回層を形成していることから、繰
り返し曲げなどの変形に対して優れた柔軟性を発揮し、
通常の繊維糸などと同様の感覚で用いることができる。
また、これをリード線などに接続する場合においても、
該絶縁層として巻回された繊維束を巻きほどくことで簡
単に解放することができ、特別な工具や技術を必要とし
ないものである。
【0029】図3〜図6は、かかる電熱糸1を用いたヒ
ーターの一例として、図5に示すごとく、半導体製造ガ
スの供給用或いは排気用配管31に装着し、配管31の
外部から間接加熱することによりガス流体の液化を防
ぎ、かつ着脱容易なワンタッチ方式としたヒーターを示
している。なお図3は電熱糸1の取り付け配線状態を示
す為にその一部を切除した平面図であり、図4は図3の
A−A線矢示方向の断面図、また図5、6はヒーターの
連結使用状態を示す斜視図、線図である。
【0030】図3に示すように、ヒーター30は、前記
電熱糸1を基材20の一面側に蛇行あるいはジグザグ状
に配線して取り付け、その表面を袋状とする外装材22
で覆うとともに、前記電熱糸1の両端末は各リード線4
0、40からコネクタ端子44、45を介して外部電源
50に接続できるように取り出され、このコネクタ端子
44、45に所定電流を付加することで内部の電熱糸1
を加熱し、発熱するものである。
【0031】前記基材20としては、例えば芳香族ポリ
アミドなど耐熱性の繊維材料からなる厚さ0.5〜3mm
程度の非導電性フェルト、乃至織物などの布状体を用
い、この表面上に前記電熱糸1を配線しており、本例で
は、その配線取り付けにあたって、図3に示すように配
置電熱糸1の上を交互に跨ぎながら折り返す縫糸24に
よって押さえる方法を採用している。このような方法に
よって、確実な配線の固定ができるとともに、コンピュ
ーター制御による刺繍縫製装置によって自動化作業が可
能となる。
【0032】こうして得られた基材20は、その表面を
テフロンシートなど耐熱絶縁性を有する前記外装材22
で覆い、その合わせ部23を縫い合わすことにより、外
装材22中に内装している。これにより全体的な柔軟性
と保温性を高めることとし、これを配管31に装着する
場合にも、容易に取付けできるとともに配管の周囲を有
効に包み込むことができる。
【0033】なお、ヒーターの設計にあたって、用いる
電熱糸1やこれを取り付ける基材20の仕様について
は、付加電流、到達温度、及び使用環境などを考慮し、
発熱糸の構成太さや長さ、あるいは基材への付設方向な
どについて最適な条件を選定すべきであり、例えば基材
20と外装材22との間に断熱材21を介在させたり、
あるいは、熱伝達性を高め部品点数の削減を図る為に、
電熱糸1を前記外装材22に直接取り付けることも可能
である。
【0034】また、本発明のヒーター30では、図5に
示すように配管31に沿って複数のヒーター30を連結
するコンパクトな発熱体エレメントとして取扱性、汎用
性を高め、必要ケ所に必要数だけを用いるものとするこ
ともできる。こうした使い方の場合の大きさについて
は、例えば一辺30〜200mm程度の矩形の面状ヒータ
ーとして構成される。
【0035】また、このような連結使用の場合、各ヒー
ター30を等しく発熱させることが望ましく、このため
図6に示すように並列回路にして各ヒーターに加わる電
流に差が生じないようにし、加熱温度の安定化を図るこ
とが好ましい。
【0036】なお、図中の符号46A、46Bは、該ヒ
ーター30を配管31に装着する際に合わせ止めする為
の係合手段の一例としての雄雌のホックであり、このホ
ック46A、46Bを図5のように嵌合することによっ
て配管31に着脱容易に取付けうる。又T型やL型など
種々形状の配管に対しても広く対応させることができ
る。なお、他の係合手段としては、例えばマジックテー
プ、フックなどの他、紐体を設け結び合わすことも可能
である。
【0037】又本発明の電熱糸1は、可撓性に優れた糸
状の細いものであり、またその表面には絶縁層を有する
ものでもあることから、これを通常の織糸や編糸と同様
に用い、例えば図7に示すごとく、例えばアラミド繊維
などの耐熱糸51を織成、編成などした織物状の基材2
0内に、前記電熱糸1を例えば横糸などとして交えなが
ら織製し、又は前記織物状の基材20に電熱糸を直接縫
い込むことによってテープ状のヒーター30として形成
することもできる。なおこのとき、電熱糸1は、その側
辺において折り返しながら全長に亘って断線することな
く連続させることもできる。
【0038】特にこのように、テープ体50の横糸とし
て用いたものでは、これを使用する場合の折り曲げや巻
き付け時の張力を直接受けることがなく、優れた寿命を
有し、またその配線もテープ体50の全幅に亘るもので
あることから、全体として加熱効率を高めたものとな
る。
【0039】
【実施例1】発熱用の芯線として、表1に示すステンレ
ス鋼繊維及び極細単線を選択し撚り加工を施し、複合細
線とした。その電気抵抗を測定した結果を合わせて示
す。
【0040】
【表1】 試料 芯線の構成 電気抵抗(Ω/m) 1 SUS304ステンレス鋼繊維 178 (8μm×100本) 2 SUS316 25μm×7本撚線 244 3 々 25μm×3本撚線 532 4 SUS304 19μm×3本撚線 1045 5 々 16μm×3本撚線 1422 6 々 35μm×3本撚線 322
【0041】この芯線は、加工率80〜90%で冷間加
工した硬質ステンレス鋼細線によるものであり、これを
撚り合わせた後、500℃でテンパー処理したものであ
って、細径でありながらも強度、弾性、しなやかさに優
れている。
【0042】この発熱線の合計太さはいづれも100μ
mより細いものであり、さらに強度アップの為に、補助
芯材として、200デニールのアラミド繊維ロービング
材を前記発熱芯材に沿って配置した。
【0043】こうして組合わした複合芯材は巻線機にセ
ットされ、一方、絶縁層としての巻糸として、前記同様
の200デニールのアラミド繊維ロービング材を用い、
これを拡幅させながらカバーリング処理を行った。その
処理条件と、得られた電熱糸の強度特性は表2の通りで
あった。
【0044】
【表2】 資料 絶縁層巻回ピッチ(回/m) 破断荷重 伸び No. 第一層 第二層 (N) (%) 1 1400S 1400Z 43 3.3 2 1000S 1000Z 49 3.8 3 800S 800Z 55 3.7 4 800S 800Z 57 3.7 5 800S 800Z 57 3.9 6 800S 800Z 57 3.4
【0045】得られた電熱糸は、太さ0.3〜0.5m
m程度の非常に細いもので巻きゆるみがなく、可撓性に
も優れるものであった。またこの糸についての特性試験
として、曲げr=1mmでの繰り返し曲げを行ったが、
通常のニクロム線を用いたものでは数十〜百回程度の短
時間で破断したのに対し、本例ではいづれも数千回以上
の寿命特性を有していることが確認された。
【0046】
【実施例2】実施例1において得られた資料6の電熱糸
(長さ51cm)を60×40mm厚さ2mmの耐熱フ
ェルトの一面に、配線間隔5mmで設け、その上を刺繍
糸で止めることで固定し、しかもその配線回路が図6の
ように並列配線となるようにリード線とコネクタを接続
するとともに、テフロン外皮で被包したヒーターを完成
した。
【0047】そのヒーター数個を配管上に連接し、予め
リード線とコネクタとの間に1500Vを1分間印加
し、絶縁性を調査したが、リーク電流は0.5mA以下
で、十分な絶縁性を有していることが確認された。
【0048】次に、このヒーターについての長期連続使
用に関する耐久性を評価することとした。その結果を表
3に示す。
【0049】
【表3】 連続使用期間 外観変化 抵抗値 絶縁特性 運転温度 0.5月 なし 164 良好 150℃ 1.0月 なし 164 良好 150 1.5月 なし 164 良好 150 2.0月 なし 164 良好 150 3.0月 なし 164 良好 150
【0050】この試験終了後、電熱糸を取り出し繰り返
し曲げ試験を行ったが、いづれも数千回以上の寿命を有
していることが確認され、使用前のものと比較して劣化
はほとんど認められなかった。
【0051】
【発明の効果】本発明の電熱糸は、芯材に沿って絶縁繊
維束を巻き付けることでなるものであり、絶縁性に優
れ、高い可撓性を有するものである。また、絶縁繊維は
単に巻き付けによって形成している為、これを部分的に
解放する場合にあっても容易に解きほどく事ができ、配
線作業効率を高めることができる。
【0052】またヒーターにあっても、電熱糸自体が細
い糸状のものであることから狭い配線間隔で設けること
ができるとともに、コワゴワした違和感などを与えるこ
ともなく、厚さを減じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電熱糸を拡大して示す側面図である。
【図2】ステンレス鋼単線の熱処理温度に伴う電気抵抗
変化を例示する線図である。
【図3】ヒーターの一例を示す部分断面正面図である。
【図4】ヒーターの縦断面図である。
【図5】ヒーターの使用状態を例示する斜視図である。
【図6】並列接続を例示する線図である。
【図7】ヒーターの他の形態を例示する平面図である。
【符号の説明】
1 電熱糸 2 芯材 2A 細線 2B 複合細線 2C 補強芯材 3 絶縁層 3A 第一絶縁層 3B 第二絶縁層 20 基材 30 ヒーター 31 ガス供給配管 40 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA12 BA10 BA13 BA20 BB10 BB16 BC07 BC12 HA04 HA07 JA01 JA09 3K092 PP05 PP11 QA03 QB02 QB26 QB49 RE02 RE05 RE10 RF04 RF19 RF22 VV03 VV06 VV40

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱用の芯材、及びこの芯材に沿って耐熱
    性繊維の束を偏平状に拡幅させながら螺旋状に巻回する
    ことにより形成される第一絶縁層と、該第一絶縁層とは
    逆巻きされる第二絶縁層との2以上の複層体からなる絶
    縁層からなり、かつ全体太さを0.8mm以下の糸状に
    したことを特徴とする電熱糸。
  2. 【請求項2】前記芯材は、冷間加工によって硬質仕上げ
    された硬質ステンレス鋼細線の単線、又はその複数線の
    集束成形、撚り成形、又は編み成形によって得られた複
    合細線であることを特徴とする請求項1記載の電熱糸。
  3. 【請求項3】前記芯材は、硬質ステンレス鋼細線又は前
    記複合細線と、非導電性耐熱繊維材料による補強芯材と
    の組み合わせにより形成したものであることを特徴とす
    る請求項2に記載の電熱糸。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいづれかに記載の電熱糸を
    耐熱性の基材に沿って配線し、前記電熱糸に通電するこ
    とによって所定温度に発熱可能としたヒーター。
  5. 【請求項5】前記基材は、可撓性を有することにより、
    被加温体を周回しうる可撓性を有し、かつ両端部を結合
    しうる係合手段を具えた面状体であることを特徴とする
    請求項4記載のヒーター。
JP2001120004A 2001-04-18 2001-04-18 電熱糸及び該電熱糸を用いたヒーター Expired - Fee Related JP4634636B2 (ja)

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