JP2002313231A - 蛍光面の形成方法 - Google Patents

蛍光面の形成方法

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JP2002313231A
JP2002313231A JP2001111293A JP2001111293A JP2002313231A JP 2002313231 A JP2002313231 A JP 2002313231A JP 2001111293 A JP2001111293 A JP 2001111293A JP 2001111293 A JP2001111293 A JP 2001111293A JP 2002313231 A JP2002313231 A JP 2002313231A
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phosphor
layer
transfer
transfer film
conductive layer
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Koichi Furui
浩一 古井
Takeshi Sasaki
健 佐々木
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Sony Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写法により、生産性に優れた蛍光面の形成
を可能にし、特に、単一の蛍光体部しか有しない従来の
蛍光面の形成工程と、一部共通化を図ることができるよ
うにする。 【解決手段】 第1の蛍光体部と第2の蛍光体部とを、
2つの転写用フィルム1,2を用いた転写法により、別
工程で形成する。これにより、アイコン表示領域を有し
ない通常の偏平型陰極線管の製造に使用していた従来の
転写用フィルムを、そのまま第1の転写用フィルム1と
して使用することが可能となる。また、蛍光面の形成工
程に関し、アイコン表示領域を有しない従来の偏平型陰
極線管の製造ラインと一部共通化を図ることができる。
また、1つの転写用フィルムのみで一括して蛍光面を形
成する場合と異なり、第1の蛍光体部および第2の蛍光
体部のいずれか一方の形成工程に不良が生じたとして
も、いずれか一方の工程のみをやり直すだけで良く、歩
留まりの向上を図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の蛍光体部を
有する蛍光面の形成方法に関し、特に、転写法を用いた
蛍光面の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、テレビジョン受像機や各種の
モニタ装置などには、陰極線管(CRT;Cathode Ray
Tube)が広く使用されている。陰極線管は、管内(陰極
線管内部)に備えられた電子銃から蛍光面に向けて電子
ビームを放射し、管面にその電子ビームの走査に応じた
走査画面を形成するものである。陰極線管の種類として
は、大別してストレートタイプのものと偏平型のものと
がある。ストレートタイプの陰極線管は、電子ビームの
発射口が蛍光面に対して対向するように電子銃が配置さ
れ、蛍光面の中心に対して電子ビームをほぼ垂直に照射
するような構造となっている。一方、偏平型陰極線管
は、電子銃と蛍光面とを略同一平面上に設け、蛍光面に
対して電子ビームを斜めから照射するような構造となっ
ている。偏平型陰極線管は、ストレートタイプの陰極線
管に比べて薄型化を図れるので、比較的小型の装置、例
えば、ドアホン装置における親機のモニタ部分および携
帯型のTV(テレビジョン)モニタなどに多く利用され
ている。
【0003】陰極線管は、画面全体でカラー表示を行う
ものもあるが、単にモノクロ(単色)のみで映像表示を
行うものについても需要があり開発がなされている。特
に、ドアホン装置には、モノクロ表示方式の偏平型陰極
線管が多く利用されている。モノクロ表示方式の陰極線
管は、蛍光面全体を例えば白色発光蛍光体により形成
し、1つの電子ビームで蛍光面を走査することにより、
モノクロ映像を表示する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、モノクロ表
示方式の陰極線管を利用した装置においても、部分的に
カラーで映像表示を行いたいという要求がある。例えば
ドアホン装置は、火災検知器およびガス漏れ検知器など
の各種センサ装置と組み合わされ、全体でセキュリティ
システムとして機能させることが可能となっている。こ
のようなシステム構成にした場合、使用者に注意を促す
という意味では、親機側において、異常事態の発生を通
常のモノクロ表示とは異なる色(例えば赤色)で表現し
て警告表示を行うことが望ましい。
【0005】そこで、本願出願人は、特願2000-045114
および特願2000-117594などにおいて、モノクロ表示方
式の陰極線管でも、部分的にカラー表示を行うことを可
能にする技術を提案している。
【0006】以下、図14(A),(B)を参照して、
本願出願人による先の発明について簡単に説明する。図
14(A),(B)では、偏平型陰極線管における映像
表示部分を簡略化して示す。従来のモノクロ表示方式の
偏平型陰極線管110は、図14(A)に示したよう
に、映像表示領域111の全体が単色の蛍光体層(例え
ば白色発光蛍光体層)112によって形成されている。
【0007】一方、本願出願人の発明による偏平型陰極
線管120は、図14(B)に示したように、単色の蛍
光体層122が設けられ、通常のモノクロ映像表示がな
される第1の蛍光体部121の他に、カラー表示用の第
2の蛍光体部123を備えている。第2の蛍光体部12
3には、第1の蛍光体部121に設けられている蛍光体
層122とは異なる色で発光する他の蛍光体層124が
設けられている。蛍光体層124は、あらかじめ、表示
させようとする映像を模した形状にパターン形成されて
いる。第2の蛍光体部123の蛍光体層124は、表示
させようとする映像に応じて単色(例えば赤色)または
複数色で形成する。これにより、第2の蛍光体部123
を電子ビームで走査すると、その蛍光体パターン部分が
発光し、アイコン状のカラー映像表示がなされる。この
とき、第2の蛍光体部123に、複数の蛍光体パターン
(アイコンパターン)124A,124B,124Cを
形成することにより、複数のアイコン映像を同時または
個別に表示することができる。
【0008】このように、本願出願人の発明による陰極
線管は、通常表示でのモノクロ映像の他に、アイコン状
の映像をカラー表示するものである。以下では、このア
イコン表示機能付きの陰極線管を単に「アイコンCR
T」と称する。
【0009】ところで、図14(A)に示した従来の偏
平型陰極線管110において、その蛍光面を形成する方
法としては、例えば特願平11-247353号などに開示され
ている転写法によるものが知られている。この転写法を
用いた方法は、蛍光面の構成要素(蛍光体層および導電
層など)が積層された転写用フィルムを用いて、陰極線
管の被転写面に蛍光体層などを転写するものである。こ
の方法によれば、1つの転写用フィルムで、蛍光面の構
成要素をすべて一括して転写することができる。
【0010】しかしながら、このような1つの転写用フ
ィルムを用いた従来の転写法によって、図14(B)に
示したアイコンCRT120の蛍光面を形成しようとす
ると、以下のような問題が生じる。まず、1つの転写用
フィルムのみでアイコンCRT120の蛍光面を形成す
るためには、通常の映像表示部の蛍光面(第1の蛍光体
部121)に加えて、アイコン表示部の蛍光面(第2の
蛍光体部123)の構成要素をすべて積層したものを使
用しなければならない。すなわち、アイコンCRT用の
転写用フィルムは、従来の偏平型陰極線管110で使用
していた転写用フィルムとは異なる構造となる。このた
め、蛍光面の形成工程について、アイコン部を有しない
通常の偏平型陰極線管110との製造ラインの共通化が
できないという問題がある。また、従来使用していた転
写用フィルムが無駄になるという問題もある。また、一
括して蛍光面を形成するので、一部分のみ(例えばアイ
コン表示用の蛍光体部123のみ)に形成不良が生じる
と、蛍光面全体が不良となって生産性が損なわれるとい
う問題がある。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、転写法により、生産性に優れた蛍光
面の形成を可能にし、特に、単一の蛍光体部しか有しな
い従来の蛍光面の形成工程と、一部共通化を図ることが
できる蛍光面の形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による蛍光面の形
成方法は、少なくとも第1の蛍光体層が積層された第1
の転写用フィルムを用いて、転写法により第1の蛍光体
部を形成する第1の工程と、少なくとも第2の蛍光体層
が積層された第2の転写用フィルムを用いて、第1の蛍
光体層が設けられた領域とは異なる領域に、転写法によ
り第2の蛍光体部を形成する第2の工程とを含むもので
ある。
【0013】なお、本発明において、第1の蛍光体層
は、例えば白色に発光する白色発光蛍光体で構成され
る。白色発光蛍光体とは、単独で白色に発光する蛍光体
の他、例えば青色発光蛍光体と黄色発光蛍光体とを適切
な比率で混合し、見掛け上白色に発光するようにした蛍
光体のようなものをも含む。
【0014】本発明による蛍光面の形成方法では、第1
の蛍光体部が、少なくとも第1の蛍光体層が積層された
第1の転写用フィルムを用いた転写法により形成され
る。また、第2の蛍光体部が、少なくとも第2の蛍光体
層が積層された第2の転写用フィルムを用いた転写法に
より形成される。このように、各蛍光体部を別々の転写
用フィルムを用いて別工程で形成することで、例えば、
従来使用していた転写用フィルムを、そのまま第1の転
写用フィルムとして再利用することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0016】[第1の実施の形態]まず、主に図1およ
び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る蛍
光面の形成方法を用いて製造される偏平型陰極線管の構
成について説明する。なお、図では、偏平型陰極線管の
一例として、反射型のものを示している。また、図1
は、図2におけるI−I線部分の断面に相当する。
【0017】図1に示したように、偏平型陰極線管30
は、スクリーンパネル31、フロントパネル32および
ファンネル部33を備えている。スクリーンパネル3
1、フロントパネル32およびファンネル部33は、例
えば透明なガラス部材によって構成されており、これら
のパネルによる三体構造によって偏平型のガラス管体
(偏平管)を構成している。
【0018】ファンネル部33の後端部には、電子ビー
ムEBを放射する電子銃35が配設されている。ファン
ネル部33の内壁面には、例えばカーボン膜からなる内
部導電膜53が塗布されている。内部導電膜53は、フ
ァンネル部33に設けられた図示しないアノード端子に
電気的に接続され、高電圧(アノード電圧)HVが印加
されるようになっている。また、図示しないが、ファン
ネル部33の外周部分には、電子銃35から放射された
電子ビームEBを偏向制御するための偏向ヨークなどが
配置されている。
【0019】フロントパネル32は、平板形状となって
いる。一方、スクリーンパネル31は、垂直方向(上下
方向)に湾曲した形状となっている。スクリーンパネル
31の内壁面側、すなわちフロントパネル32に対向し
た面側には、蛍光面50が形成されている。蛍光面50
は、第1の蛍光体部51と、第2の蛍光体部52とを有
している。
【0020】第1の蛍光体部51は、通常のモノクロ映
像表示を行うためのものであり、スクリーンパネル31
の内壁面側から順に、導電層15、反射層14および第
1の蛍光体層13が積層されて構成されている。一方、
第2の蛍光体部51は、アイコン状の映像表示を行うた
めのものであり、スクリーンパネル31の内壁面側から
順に、導電層15、反射層24および第2の蛍光体層2
3が積層されて構成されている。
【0021】導電層15は、第1の蛍光体部51および
第2の蛍光体部51で共通の一続きの層となっている。
導電層15は、例えばカーボン膜からなる導通用導電膜
54によってファンネル部33の内部導電膜53に電気
的に接続されている。これにより、導電層15には、内
部導電膜53および導通用導電膜54を介してアノード
電圧HVが印加されるようになっている。各反射層1
4,24は、電子ビームEBが各蛍光体層13,23に
入射することによって発生した各発光光線R1,R2
を、フロントパネル32側に反射する機能を有してい
る。
【0022】第1の蛍光体層13および第2の蛍光体層
23は、共に、電子ビームEBの入射に応じて発光する
ものであるが、それぞれ異なる種類の蛍光体で構成され
ている。より詳しくは、第1の蛍光体層13は、例えば
白色発光蛍光体によって構成されている。この第1の蛍
光体層13は、図7に示したように、少なくとも、通常
の映像を表示するための主映像表示領域32A(通常の
有効画面領域に相当する)(図2)を含む領域全体に対
応して一様に設けられている。
【0023】一方、第2の蛍光体層23は、第1の蛍光
体層13とは異なる色で発光する他の蛍光体によって構
成されている。この第2の蛍光体層23は、主映像表示
領域32Aに表示される主映像41とは異なるアイコン
状のカラー映像(アイコン映像)42(42A,42
B,42C)を、アイコン表示領域32B(図2)に表
示させるために設けられている。この第2の蛍光体層2
3は、図7に示したように、あらかじめ、表示させよう
とする映像と同等の形状(アイコン映像42を模した形
状)にパターン形成されている。従って、第2の蛍光体
層23は、アイコン表示領域32Bに対応する領域すべ
てに設けられている必要はなく、基本的には、アイコン
映像42を表示させたい領域にのみ部分的に設けられる
ものである。この場合、アイコン映像42を表示させな
い部分(第2の蛍光体層23が設けられていない部分)
は、例えば、黒色物質(黒鉛等)を積層したいわゆるブ
ラックマトリクスの構造にすることが好ましい。
【0024】第2の蛍光体層23の各蛍光体層23A,
23B,23C(図7)は、表示させようとするアイコ
ン映像42に応じて単色(例えば赤色)または複数色で
形成されている。これにより、電子ビームEBで走査す
ると、走査された蛍光体パターン部分が発光し、その発
光光線R2によってアイコン表示領域32Bにその蛍光
体パターンに応じたアイコン映像42が表示される。ア
イコン表示領域32Bに対応する領域に、図7に示した
ように複数の蛍光体層23A,23B,23Cからなる
蛍光パターンを形成することにより、複数のアイコン映
像42A,42B,42Cを同時または個別に表示する
ことができる。
【0025】なお、図2では、図7に示したように、第
2の蛍光体層23を星形、四角形および丸形の蛍光体層
23A,23B,23Cで形成することにより、星形、
四角形および丸形のアイコン映像42A,42B,42
Cを表示している例を示している。しかしながら、第2
の蛍光体層23の形状は、記号、文字および各種の図柄
など、任意のものを形成可能であり、アイコン映像42
として、任意の形状のものを表示できる。
【0026】以上のような構成の偏平型陰極線管30
を、例えばセキュリティ機能付きのドアホン装置に適用
した場合には、以下のような表示動作が行われる。な
お、ドアホン装置とは、一般に子機と親機とを通信ケー
ブルで接続した装置の総称である。セキュリティ機能付
きのドアホン装置には、火災検知器などの周辺機器が親
機に接続されている。本偏平型陰極線管30は、このよ
うなドアホン装置において、親機のモニタ部に適用され
る。
【0027】まず、主映像表示領域32Aには、子機の
ビデオカメラによって撮像された映像が、モノクロ(白
黒)表示される。この場合、第1の蛍光体部51におけ
る第1の蛍光体層13が、電子ビームEBで走査され
る。このとき蛍光体層13で発生した発光光線R1が、
反射層14の機能によって、フロントパネル32側に反
射される。この反射層14によって反射された光線R1
によって形成される光学的な映像が、フロントパネル3
2側から主映像41として観察される。
【0028】一方、アイコン表示領域32Bには、例え
ばセキュリティシステムと連動したアイコン映像表示が
なされる。すなわち、例えば火災検知機能を備えた周辺
機器からの検知信号に応じたアイコン映像表示がなされ
る。この場合、第2の蛍光体部52における第2の蛍光
体層23が、電子ビームEBで走査されるが、このとき
走査されるのは、表示させようとするアイコン映像42
に対応する蛍光体パターンが設けられた領域のみであ
る。すなわち、例えば火災検知用の蛍光体パターン(例
えば炎の形状の蛍光体パターン)が形成された領域のみ
である。このとき、電子ビームEBで走査されることに
よって発生した発光光線R2が、反射層24の機能によ
って、フロントパネル32側に反射される。この反射層
24によって反射された光線R2によって形成されるカ
ラーのアイコン映像42が、フロントパネル32側から
観察される。
【0029】次に、偏平型陰極線管30の製造方法、特
に、その蛍光面50の形成方法について説明する。
【0030】本実施の形態では、転写用フィルムを用い
た転写法により蛍光面を形成する。そこで、まず、図3
(A),(B)および図4(A),(B)に示した2つ
の転写用フィルム1,2を用意する。第1の転写用フィ
ルム1は、第1の蛍光体部51を形成するためのもので
あり、第2の転写用フィルム2は、第2の蛍光体部52
を形成するためのものである。なお、図4(A),
(B)では、それぞれ、図3(A),(B)に示した転
写用フィルム1,2におけるIVA−IVA線、IVB−IVB線部
分の断面を示す。
【0031】第1の転写用フィルム1は、図3(A)お
よび図4(A)に示したように、転写基板11の一面
に、転写層10を積層したものである。転写層10は、
転写基板11側から順に、剥離層12、蛍光体層13、
反射層14、導電層15および接着層16が積層されて
形成されている。この第1の転写用フィルム1として
は、アイコン表示領域32Bを有しない通常の偏平型陰
極線管110(図14(A))における蛍光面の製造に
使用されている、従来の転写用フィルムを、そのまま使
用することが可能である。
【0032】この第1の転写用フィルム1は、以下のよ
うに作製される。まず、転写基板11として、例えば厚
さが25μm〜100μm程度、好ましくは75μm程
度の樹脂フィルムを用意する。樹脂フィルムとしては、
例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム
を使用することができる。次に、この転写基板11上
に、剥離層12、第1の蛍光体層13、反射層14、導
電層15および接着層16を順次、印刷法(例えばスク
リーン印刷やグラビア印刷など)によって形成する。
【0033】より具体的には、まず、転写基板11上
に、所定の温度(例えば200℃程度)において剥離す
ると共に、この剥離する温度よりも高い温度(例えば3
00℃程度)において気化する機能を有する剥離層12
を、印刷法によって形成する。この剥離層12は、例え
ばアクリル系樹脂を使用することができ、その厚さは6
μm〜10μm程度に形成する。
【0034】次に、この剥離層12上に、有効画面(主
映像表示領域32A(図2))に対応する面積を有する
第1の蛍光体層13を、印刷法によって形成する。この
第1の蛍光体層13は、例えばY22S(酸化サルファ
イドイットリウム)、またはY22S:Tb(酸化サル
ファイドイットリウム:テルビウム付活)などの微粒子
(例えば平均粒径4.5μm以下)を、20μm〜30
μm程度の厚みで形成する。
【0035】次に、この第1の蛍光体層13上に、例え
ば酸化チタン(TiO2)、酸化錫(SnO2)、または
酸化アルミニウム(Al23)などからなる反射層13
を、印刷法によって形成する。反射層14の厚みは、例
えば10μm〜15μm程度にして形成する。反射層1
4を、酸化チタン層とする場合には、酸化チタン粒子と
バインダからなる塗料(いわゆるペースト状体)を用い
て第1の蛍光体層13上に印刷形成する。
【0036】次に、この反射層14および第1の蛍光体
層13を覆うように、第1の蛍光体部51および第2の
蛍光体部52の形成領域に対応する面積、すなわち、蛍
光面全体に対応する面積を有する導電層15を、印刷法
によって形成する。この導電層15の厚みは、例えば3
μm〜20μm程度にして形成する。この導電層15の
材料としては、例えば、平均粒径1μm以下の微粒子
で、透明、かつ、抵抗値が焼成後100MΩ以下となる
ものを用いる。具体的には、例えばITO(Indium-Tin
Oxide)などの透明導電膜を用いる。なお、陰極線管の
用途によっては、カーボンや酸化クロムなどの、焼成後
に黒灰色となる材料で、抵抗値が焼成後100MΩ以下
のものを導電層15として用いることもできる。
【0037】最後に、この導電層15上に、剥離層12
が気化する温度よりも高い温度で気化する機能を有す
る、例えばブチラール系樹脂またはポリアミド樹脂から
なる接着層16を、印刷法によって形成する。接着層1
6の厚みは、例えば6μm〜10μm程度にして形成す
る。なお、ブチラール系樹脂およびポリアミド樹脂は、
約400℃〜485℃の温度において気化する。
【0038】以上のように、第1の転写用フィルム1に
おける各層の形成は、例えばスクリーン印刷によって行
われる。このとき、スクリーン印刷を行って各層を形成
した後は、自然乾燥もしくは乾燥機などによって乾燥さ
せ、各層の膜厚を安定化させる。この乾燥処理は、各層
ごとに行うことが望ましい。すなわち、ある層について
スクリーン印刷を行って乾燥した後、次の層のスクリー
ン印刷を行う、という工程を繰り返して行うことが望ま
しい。このようにして第1の転写用フィルム1が作製さ
れる。
【0039】一方、第2の転写用フィルム2は、図3
(B)および図4(B)に示したように、転写基板21
の一面に、第2の蛍光体部52の形成領域に対応する面
積を有する転写層20を積層したものである。転写層2
0は、転写基板21側から順に、剥離層22、第2の蛍
光体層23、反射層24および接着層26が積層されて
形成されている。
【0040】この第2の転写用フィルム2の作製も、基
本的には、第1の転写用フィルム1と同様に行うことが
できる。すなわち、第2の転写用フィルム2は、例えば
PETからなる転写基板21上に、例えばスクリーン印
刷によって、剥離層22、第2の蛍光体層23、反射層
24および接着層26を順次形成することにより、作製
される。このとき、第1の転写用フィルム1と同一の機
能を有する層は、基本的に、同一の材料、厚みで形成さ
れる。
【0041】より具体的には、以下のように作製され
る。まず、転写基板21上に、第1の転写用フィルム1
における剥離層12と同様の材料、厚みの剥離層22
を、印刷法によって形成する。
【0042】次に、この剥離層22上に、表示させよう
とするアイコン映像42(図2)の形状に応じた形状、
面積を有する第2の蛍光体層23(23A,23B,2
3C)を、印刷法によって形成する。この第2の蛍光体
層23は、表示させようとするアイコン映像42の種類
(色)に応じた蛍光体を用いて形成する。例えば、各ア
イコン映像42A,42B,42Cを、青色、赤色、緑
色で表示する場合、各蛍光体層23A,23B,23C
を、それぞれ青色、赤色、緑色の蛍光体で形成する。な
お、青色の蛍光体としては、例えばZnS:Agなどを
用いることができる。また、緑色の蛍光体としては、例
えばZnS:Cu,Alなどを用いることができる。赤
色の蛍光体としては、例えばY22S:Euなどを用い
ることができる。
【0043】次に、この第2の蛍光体層13上に、アイ
コン表示領域32B(図2)に対応する面積を有する反
射層24を、第1の転写用フィルム1における反射層1
4と同様の材料、厚みで、印刷法によって形成する。
【0044】最後に、この反射層24を覆うように、第
2の蛍光体部52の形成領域に対応する面積を有する接
着層26を、第1の転写用フィルム1における接着層1
6と同様の材料、厚みで、印刷法によって形成する。
【0045】以上で説明した第2の転写用フィルム2に
ついての形成工程においても、各層を形成した後は、第
1の転写用フィルム1と同様に、自然乾燥もしくは乾燥
機などによって乾燥させ、各層の膜厚を安定化させる。
このようにして第2の転写用フィルム2が作製される。
【0046】次に、以上のようにして作製された転写用
フィルム1,2を用いて蛍光面50を形成し、偏平型陰
極線管30が製造される。この製造工程の全体的な流れ
は、図8に示したとおりである。
【0047】すなわち、図8に示したように、まず、第
1の蛍光体部51を、第1の転写用フィルム1を用いた
転写法により形成する(ステップS1)。次に、第2の
蛍光体部52を、第2の転写用フィルム2を用いた転写
法により形成する。これは、第1の転写用フィルム1に
よって転写形成された導電層15上に、第2の転写用フ
ィルム2の転写層20が全体的に重なるようにして転写
することにより行う(ステップS2)。
【0048】次に、フリットシール工程(F/S工程)
により、スクリーンパネル31、フロントパネル32お
よびファンネル部33を接合する(ステップS3)。
【0049】次に、スクリーンパネル31の導電層15
と、ファンネル部33の内部導電膜53とを、導通用導
電膜54によって電気的に接続する(ステップS4)。
導通用導電膜54の形成は、図7に示したように、例え
ば、導電層15のファンネル部33側の中央端部から、
内部導電膜53のスクリーンパネル31側の中央端部ま
での領域に、例えばカーボン膜を塗布することにより行
う。この導通用導電膜54は、例えば440±20℃程
度の温度で焼成される。導通用導電膜54を形成するこ
とにより、導電層15に、内部導電膜53および導通用
導電膜54を介してアノード電圧HVを印加することが
できる。以上のようにして、偏平型陰極線管30が製造
される。
【0050】第1の蛍光体部51の形成工程(図8のス
テップS1)は、より詳しくは、図5(A)〜(D)に
示したように行われる。
【0051】すなわち、まず、図5(A)に示したよう
に、第1の転写用フィルム1を、接着層16によって、
スクリーンパネル31の内面の所定位置に接着する。こ
の接着は、第1の蛍光体層13が第1の蛍光体部51の
形成領域に対応する位置に転写されるよう、かつ、導電
層15が第1の蛍光体部51および第2の蛍光体部52
の形成領域に対応する位置に転写されるような位置に行
う。次に、スクリーンパネル31を、転写基板11が剥
離する温度(例えば約200℃)まで加熱する。これに
より、図5(B)に示したように、第1の転写用フィル
ム1から転写基板11が剥離し、転写層10がスクリー
ンパネル31の内面に転写される。なお、転写基板11
を剥離するのに際し、スクリーンパネル31を加熱する
ことなく、所定温度(例えば200℃〜250℃)に加
熱された熱転写ローラを、転写基板11側から押圧する
ようにしても良い。
【0052】次に、転写基板11が剥離されたスクリー
ンパネル31を、転写基板11の剥離温度よりもさらに
高い温度(例えば約300℃)にまで加熱する。これに
より、図5(C)に示したように、剥離層12が気化し
てスクリーンパネル31から排気除去される。剥離層1
2を除去した後、次に、スクリーンパネル31を剥離層
12が気化した温度よりもさらに高い温度(例えば約4
00℃〜485℃)にまで加熱する。これにより、図5
(D)に示したように、接着層16が気化して、導電層
15、反射層14および第1の蛍光体層13を通じてス
クリーンパネル31から排気除去される。このようにし
て、スクリーンパネル32の内面に、導電層15、反射
層14および第1の蛍光体層13からなる第1の蛍光体
部51が形成される。このとき、導電層15は、第1の
蛍光体部51のみならず、第2の蛍光体部52の形成領
域にまで形成される。
【0053】一方、第2の蛍光体部52の形成工程(図
8のステップS2)は、より詳しくは、図6に示したよ
うに行われる。
【0054】すなわち、まず、図6(A)に示したよう
に、第2の転写用フィルム2を、接着層26によって、
第1の転写用フィルム1によって転写形成された導電層
15上に接着する。この接着は、導電層15上で、第2
の蛍光体層23および反射層24が第2の蛍光体部52
の形成領域に対応する位置に転写されるような位置に行
う。次に、スクリーンパネル31を、転写基板21が剥
離する温度(例えば約200℃)にまで加熱する。これ
により、図6(B)に示したように、第2の転写用フィ
ルム2から転写基板21が剥離し、転写層20が導電層
15を介してスクリーンパネル31の内面に転写され
る。なお、転写基板21を剥離するのに際し、スクリー
ンパネル31を加熱することなく、所定温度(例えば2
00℃〜250℃)に加熱された熱転写ローラを、転写
基板21側から押圧するようにしても良い。
【0055】次に、転写基板21が剥離されたスクリー
ンパネル31を、転写基板21の剥離温度よりもさらに
高い温度(例えば約300℃)にまで加熱する。これに
より、図6(C)に示したように、剥離層22が気化し
てスクリーンパネル31から排気除去される。剥離層2
2を除去した後、次に、スクリーンパネル31を剥離層
22が気化した温度よりもさらに高い温度(例えば約4
00℃〜485℃)にまで加熱する。これにより、図6
(D)に示したように、接着層26が気化して、反射層
24および第2の蛍光体層23を通じてスクリーンパネ
ル31から排気除去される。このようにして、スクリー
ンパネル32の内面に、導電層15、反射層24および
第2の蛍光体層23からなる第2の蛍光体部52が形成
される。
【0056】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、第1の蛍光体部51と第2の蛍光体部52とを、2
つの転写用フィルム1,2を用いた転写法により、別工
程で形成するようにしたので、アイコン表示領域32B
を有しない通常の偏平型陰極線管110(図14
(A))の製造に使用していた従来の転写用フィルム
を、そのまま第1の転写用フィルム1として使用するこ
とが可能となる。これにより、蛍光面50の形成工程に
関し、アイコン表示領域32Bを有しない従来の偏平型
陰極線管の製造ラインと一部共通化を図ることができ
る。また、1つの転写用フィルムのみで一括して蛍光面
を形成する場合と異なり、第1の蛍光体部51および第
2の蛍光体部52のいずれか一方の形成工程に不良が生
じたとしても、いずれか一方の工程のみをやり直すだけ
で良く、歩留まりの向上を図ることができる。
【0057】このように、本実施の形態によれば、従来
使用していた転写用フィルムを無駄にすることなく、転
写法により、生産性に優れた蛍光面50の形成が可能と
なる。
【0058】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1の実施の形態における構成要素と同一の部
分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。また、
上記第1の実施の形態と実質的に同一の製造工程につい
ては、その説明を適宜省略する。
【0059】上記第1の実施の形態では、蛍光面50に
おける導電層15を、図1に示したように、第1の蛍光
体部51および第2の蛍光体部52で共通の一続きの層
として形成した。このため、第1の転写用フィルム1
(図3(A)、図4(A))にのみ導電層15を積層
し、第2の転写用フィルム2(図3(B)、図4
(B))には、導電層15が積層されていない構造のも
のを使用した。
【0060】一方、本実施の形態では、蛍光面50の形
成に際し、図9(B)および図10(B)に示したよう
に、第1の転写用フィルム1と同様に、導電層25が積
層された構造の第2の転写用フィルム2Aを使用する。
すなわち、第2の転写用フィルム2Aとして、転写基板
21の一面に、剥離層22、第2の蛍光体層23、反射
層24、導電層25および接着層26が順次積層されて
いるものを使用する。第1の転写用フィルム1として
は、図9(A)および図10(A)に示したように、上
記第1の実施の形態と同様のものを使用する。このよう
な構造の転写用フィルム1,2Aを用いることにより、
第2の蛍光体部52には、第1の蛍光体部51と共通の
導電層15の上に、さらに導電層25が全体的に積層さ
れた、2層構造の導電層が形成される。なお、なお、図
10(A),(B)では、それぞれ、図9(A),
(B)に示した転写用フィルム1,2AにおけるXA−XA
線、XB−XB線部分の断面を示す。
【0061】なお、本実施の形態において、導電層15
が、本発明における「第1の導電層」の一具体例に対応
し、導電層25が、本発明における「第2の導電層」の
一具体例に対応する。
【0062】第2の転写用フィルム2Aは、基本的に、
上記第1の実施の形態で使用した第2の転写用フィルム
2と同様にして作製することができる。すなわち、この
第2の転写用フィルム2Aは、例えばPETからなる転
写基板21上に、例えばスクリーン印刷によって、剥離
層22、第2の蛍光体層23、反射層24、導電層25
および接着層26を順次形成することにより、作製され
る。このとき、上記第1の実施の形態と同一の機能を有
する層は、基本的に、同一の材料、厚みで形成される。
【0063】より具体的には、まず、転写基板21上
に、上記第1の実施の形態と同様にして、剥離層22、
第2の蛍光体層23および反射層24を、印刷法によっ
て形成する。
【0064】次に、反射層24を覆うように、導電層2
5を、印刷法によって形成する。導電層25の材料、厚
みは、第1の転写用フィルム1の導電層15と同様で良
い。そして、この導電層25を覆うように、接着層26
を、印刷法によって形成する。
【0065】以上で説明した第2の転写用フィルム2A
についての形成工程においても、各層を形成した後は、
第1の転写用フィルム1と同様に、自然乾燥もしくは乾
燥機などによって乾燥させ、各層の膜厚を安定化させ
る。このようにして第2の転写用フィルム2Aが作製さ
れる。
【0066】本実施の形態における偏平型陰極線管30
の製造工程の全体的な流れは、上記第1の実施の形態と
同様であり、図8に示したとおりである。ただし、本実
施の形態では、ステップS2における第2の蛍光体部5
2の形成工程において、図9(B)および図10(B)
に示した構造の第2の転写用フィルム2Aを用いた処理
を行う。
【0067】すなわち、本実施の形態では、第2の蛍光
体部52の形成工程は、図11に示したように行われ
る。
【0068】まず、図11(A)に示したように、第2
の転写用フィルム2Aを、接着層26によって、第1の
転写用フィルム1によって転写形成された導電層15上
に接着する。この接着は、導電層15上で、第2の蛍光
体層23、反射層24および導電層25が第2の蛍光体
部52の形成領域に対応する位置に転写されるような位
置に行う。次に、上記第1の実施の形態と同様の加熱処
理を行って、図11(B)に示したように、第2の転写
用フィルム2Aから転写基板21を剥離し、転写層20
Aを導電層15を介してスクリーンパネル31の内面に
転写する。
【0069】次に、上記第1の実施の形態と同様の加熱
処理を行って、図11(C)に示したように、剥離層2
2を気化させ、スクリーンパネル31から排気除去す
る。剥離層22を除去した後、さらに、上記第1の実施
の形態と同様に、剥離層22が気化した温度よりもさら
に高い温度(例えば約400℃〜485℃)にまで加熱
する処理を行う。これにより、図11(D)に示したよ
うに、接着層26が気化して、導電層25、反射層24
および第2の蛍光体層23を通じてスクリーンパネル3
1から排気除去される。このようにして、スクリーンパ
ネル32の内面において、導電層15の上に、導電層2
5が全体的に重なるようにして第2の蛍光体部51が形
成される。すなわち、図11(D)に示したように、ス
クリーンパネル32側から順に、導電層15、導電層2
5、反射層24および第2の蛍光体層23からなる第2
の蛍光体部52が形成される。
【0070】以上説明したように、本実施の形態におい
ても、第1の蛍光体部51と第2の蛍光体部52とを、
2つの転写用フィルム1,2Aを用いた転写法により、
別工程で形成するようにしたので、上記第1の実施の形
態と同様の効果が得られ、生産性に優れた蛍光面50の
形成が可能となる。
【0071】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。なお、以下の説明で
は、上記第1および第2の実施の形態における構成要素
と同一の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略す
る。また、上記第1および第2の実施の形態と実質的に
同一の製造工程については、その説明を適宜省略する。
【0072】上記第2の実施の形態では、第1の蛍光体
部51と共通の導電層15の上に、さらに導電層25が
全体的に重なるようにして、第2の蛍光体部52を形成
した。一方、本実施の形態では、第1の蛍光体部51と
第2の蛍光体部52とを、それぞれの導電層が部分的に
重なるようにして形成する。
【0073】本実施の形態では、蛍光面50の形成に際
し、図12(A),(B)に示した2つの転写用フィル
ム1A,2Bを使用する。これらの転写用フィルム1
A,2Bの構成要素、および、その主要部分の断面構造
は、図10(A),(B)に示した転写用フィルム1,
2Aと同様である。また、その作製方法も、基本的に転
写用フィルム1,2Aと同様である。すなわち、本実施
の形態では、第1の転写用フィルム1Aとして、転写基
板11の一面に、剥離層12A、第1の蛍光体層13、
反射層14、導電層15Aおよび接着層16Aを順次、
印刷法により積層形成したものを使用する。また、第2
の転写用フィルム2Bとして、転写基板21の一面に、
剥離層22A、第2の蛍光体層23、反射層24、導電
層25Aおよび接着層26Aを順次、印刷法により積層
形成したものを使用する。
【0074】ただし、本実施の形態の転写用フィルム1
A,2Bでは、特に、それぞれの導電層15A,25A
の形成面積が、図10(A),(B)に示した転写用フ
ィルム1,2Aとは異なっている。
【0075】すなわち、図9(A)と図12(A)とを
比較して分かるように、第1の転写用フィルム1Aの導
電層15Aは、第2の蛍光体部52の形成側(図では下
側)の面積が、図9(A)の第1の転写用フィルム1に
比べて縮小されて形成されている。また、この導電層1
5Aの面積に合わせる形で、剥離層12Aおよび接着層
16Aについても、その形成面積が、縮小されている。
一方、第2の転写用フィルム2Bにおける導電層25A
の形成面積は、図9(B)と図12(B)とを比較して
分かるように、転写時において、第1の転写用フィルム
1Aの導電層15Aと部分的に重なる程度に、図9
(B)の第2の転写用フィルム2Aに比べて、第1の蛍
光体部51の形成側(図では上側)に拡大されている。
図12(A),(B)において、符号dで示した部分
が、転写時において、互いに重ね合わされる部分であ
る。
【0076】なお、本実施の形態において、導電層15
Aが、本発明における「第1の導電層」の一具体例に対
応し、導電層25Aが、本発明における「第2の導電
層」の一具体例に対応する。
【0077】以下、図13を参照して、本実施の形態に
おける偏平型陰極線管30の製造工程の全体的な流れを
説明する。
【0078】まず、第1の蛍光体部51を、第1の転写
用フィルム1Aを用いた転写法により形成する(ステッ
プS11)。この形成工程は、導電層15Aの形成面積
が異なるのみで、基本的に、上記第1、第2の実施の形
態と同様である。
【0079】次に、第2の蛍光体部52を、第2の転写
用フィルム2Bを用いた転写法により形成する(ステッ
プS12)。このとき、第1の転写用フィルム1Aによ
って転写形成された導電層15Aに、第2の転写用フィ
ルム2Bの転写層、特に、導電層25Aが部分的に重な
るようにして、転写を行う。これにより、第1の蛍光体
部51の導電層15Aと、第2の蛍光体部52の導電層
25Aとが電気的に接続される。
【0080】次に、フリットシール工程(F/S工程)
により、スクリーンパネル31、フロントパネル32お
よびファンネル部33を接合する(ステップS13)。
【0081】次に、スクリーンパネル31の第2の蛍光
体部52における導電層25Aと、ファンネル部33の
内部導電膜53とを、導通用導電膜54によって電気的
に接続する(ステップS14)。導通用導電膜54の形
成は、図7に示した場合と同様に、例えば、導電層25
Aのファンネル部33側の中央端部から、内部導電膜5
3のスクリーンパネル31側の中央端部までの領域に、
例えばカーボン膜を塗布することにより行う。この導通
用導電膜54は、例えば440±20℃程度の温度で焼
成される。導通用導電膜54を形成することにより、第
2の蛍光体部52における導電層25Aに、内部導電膜
53および導通用導電膜54を介してアノード電圧HV
を印加することができる。また、第1の蛍光体部51の
導電層15Aと、第2の蛍光体部52の導電層25Aと
が電気的に接続されているので、導電層15Aにもアノ
ード電圧HVを印加することができる。以上のようにし
て、偏平型陰極線管30が製造される。
【0082】以上説明したように、本実施の形態におい
ても、第1の蛍光体部51と第2の蛍光体部52とを、
2つの転写用フィルム1A,2Bを用いた転写法によ
り、別工程で形成するようにしたので、例えば、1つの
転写用フィルムのみで一括して蛍光面を形成する場合と
異なり、第1の蛍光体部51および第2の蛍光体部52
のいずれか一方の形成工程に不良が生じたとしても、い
ずれか一方の工程のみをやり直すだけで良く、歩留まり
の向上を図ることができ、生産性に優れた蛍光面50の
形成が可能となる。
【0083】なお、本発明は、上記各実施の形態に限定
されず種々の変形実施が可能である。例えば本発明は、
偏平型の陰極線管のみならず、蛍光面の中心に対して電
子銃からの電子ビームを垂直に照射するようないわゆる
ストレートタイプの陰極線管にも適用することが可能で
ある。
【0084】また、上記各実施の形態では、アイコン表
示領域32B(第2の蛍光体部52)を、主映像表示領
域32A(第1の蛍光体部51)に対して下側に設けた
例について説明したが、アイコン表示領域32Bを、他
の領域に設けるようにしても良い。すなわち、アイコン
表示領域32Bを、主映像表示領域32Aに対して上
側、左側または右側の領域に設けるようにしても良い。
また、アイコン表示領域32Bを、2つ以上の領域に設
けるようにしても良い。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし4
のいずれか1項に記載の蛍光面の形成方法によれば、第
1の蛍光体部を、少なくとも第1の蛍光体層が積層され
た第1の転写用フィルムを用いた転写法により形成し、
第2の蛍光体部を、別途、少なくとも第2の蛍光体層が
積層された第2の転写用フィルムを用いた転写法により
形成するようにしたので、例えば、従来使用していた転
写用フィルムを、そのまま第1の転写用フィルムとして
利用することが可能となる。これにより、従来使用して
いた転写用フィルムを無駄にすることなく、転写法によ
り、生産性に優れた蛍光面の形成が可能となる。すなわ
ち、単一の蛍光体部しか有しない従来の蛍光面の形成工
程と、一部共通化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る蛍光面の形成
方法を用いて製造される偏平型陰極線管の要部構成を示
す断面図である。
【図2】図2に示した偏平型陰極線管を正面(フロント
パネル側)から見た状態を示す正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る蛍光面の形成
方法において使用される第1および第2の転写用フィル
ムの構成を示す正面図である。
【図4】図3に示した第1および第2の転写用フィルム
の断面構造を示す断面図である。
【図5】図3および図4に示した第1の転写用フィルム
を用いた転写工程を説明するための断面図である。
【図6】図3および図4に示した第2の転写用フィルム
を用いた転写工程を説明するための断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る蛍光面の形成
方法を用いて製造される偏平型陰極線管の蛍光面の構造
を示す正面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る蛍光面の形成
方法を含む、偏平型陰極線管の製造工程を説明するため
の流れ図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る蛍光面の形成
方法において使用される第1および第2の転写用フィル
ムの構成を示す正面図である。
【図10】図9に示した第1および第2の転写用フィル
ムの断面構造を示す断面図である。
【図11】図9および図10に示した第2の転写用フィ
ルムを用いた転写工程を説明するための断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る蛍光面の形
成方法において使用される第1および第2の転写用フィ
ルムの構成を示す正面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る蛍光面の形
成方法を含む、偏平型陰極線管の製造工程を説明するた
めの流れ図である。
【図14】陰極線管の表示方式について示す説明図であ
り、(A)は、モノクロ表示のみ可能な従来の偏平型陰
極線管を示し、(B)は、モノクロ表示方式であっても
部分的にアイコン状のカラー表示を可能にした偏平型陰
極線管を示している。
【符号の説明】
1,1A…第1の転写用フィルム、2,2A,2B…第
2の転写用フィルム、10,20…転写層、11,21
…転写基板、12,22…剥離層、13…第1の蛍光体
層、14,24…反射層、15,25…導電層、16,
26…接着層、23…第2の蛍光体層、30…偏平型陰
極線管、31…スクリーンパネル、32…フロントパネ
ル、32A…主映像表示領域、32B…アイコン表示領
域、33…ファンネル部、35…電子銃、41…主映
像、42…アイコン映像、50…蛍光面、51…第1の
蛍光体部、52…第2の蛍光体部、53…内部導電膜、
54…導通用導電膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C028 FF06 FF09 FF16 5C036 EF02 EF07 EG04 EG50

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1の蛍光体層が積層された
    第1の転写用フィルムを用いて、転写法により第1の蛍
    光体部を形成する第1の工程と、 少なくとも第2の蛍光体層が積層された第2の転写用フ
    ィルムを用いて、前記第1の蛍光体層が設けられた領域
    とは異なる領域に、転写法により第2の蛍光体部を形成
    する第2の工程とを含むことを特徴とする蛍光面の形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の転写用フィルムには、さら
    に、導電層が積層され、 前記第1の工程において、前記導電層を、前記第1の蛍
    光体部および前記第2の蛍光体部の形成領域に転写する
    と共に、前記第1の蛍光体層を、前記第1の蛍光体部の
    形成領域に転写し、 前記第2の工程において、前記第2の蛍光体層を、前記
    第1の工程によって転写された導電層の上に全体的に重
    なるようにして、前記第2の蛍光体部の形成領域に転写
    することを特徴とする請求項1記載の蛍光面の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1の転写用フィルムには、さら
    に、第1の導電層が積層されると共に、前記第2の転写
    用フィルムにも、さらに、第2の導電層が積層され、 前記第1の工程において、前記第1の導電層を、前記第
    1の蛍光体部および前記第2の蛍光体部の形成領域に転
    写すると共に、前記第1の蛍光体層を、前記第1の蛍光
    体部の形成領域に転写し、 前記第2の工程において、前記第2の蛍光体層および前
    記第2の導電層を、前記第1の工程によって転写された
    第1の導電層の上に全体的に重なるようにして、前記第
    2の蛍光体部の形成領域に転写することを特徴とする請
    求項1記載の蛍光面の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の転写用フィルムには、さら
    に、第1の導電層が積層され、前記第2の転写用フィル
    ムにも、さらに、第2の導電層が積層され、 前記第1の工程において、前記第1の導電層を、少なく
    とも前記第1の蛍光体部の形成領域に転写すると共に、
    前記第1の蛍光体層を、前記第1の蛍光体部の形成領域
    に転写し、 前記第2の工程において、前記第2の導電層が、前記第
    1の工程によって転写された第1の導電層の上に部分的
    に重なるように、前記第2の導電層および前記第2の蛍
    光体層を、前記第2の蛍光体部の形成領域に転写するこ
    とを特徴とする請求項1記載の蛍光面の形成方法。
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