JP2002311616A - 感光ドラム用基体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラム - Google Patents
感光ドラム用基体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラムInfo
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- JP2002311616A JP2002311616A JP2001113770A JP2001113770A JP2002311616A JP 2002311616 A JP2002311616 A JP 2002311616A JP 2001113770 A JP2001113770 A JP 2001113770A JP 2001113770 A JP2001113770 A JP 2001113770A JP 2002311616 A JP2002311616 A JP 2002311616A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 機械的強度、加工性、寸法精度などの低下を
招くことなく、軽量化を容易に達成することができ、低
コストで低消費電力化に寄与することができる感光ドラ
ム用基体を得る。 【解決手段】 電子写真プロセスに用いられる感光ドラ
ムの基体を構成する円筒状の感光ドラム用基体におい
て、前記感光ドラム用基体が、樹脂基材に導電剤と充填
材を混合分散した導電性樹脂組成物で形成されると共
に、該導電性樹脂組成物の比重が1.1以上1.7以下
であることを特徴とする感光ドラム用基体及び該感光ド
ラム用基体を用いた感光ドラム。
招くことなく、軽量化を容易に達成することができ、低
コストで低消費電力化に寄与することができる感光ドラ
ム用基体を得る。 【解決手段】 電子写真プロセスに用いられる感光ドラ
ムの基体を構成する円筒状の感光ドラム用基体におい
て、前記感光ドラム用基体が、樹脂基材に導電剤と充填
材を混合分散した導電性樹脂組成物で形成されると共
に、該導電性樹脂組成物の比重が1.1以上1.7以下
であることを特徴とする感光ドラム用基体及び該感光ド
ラム用基体を用いた感光ドラム。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置や静
電記録装置に用いられる感光ドラムの円筒状基体、及び
該基体を用いた感光ドラムに関する。
電記録装置に用いられる感光ドラムの円筒状基体、及び
該基体を用いた感光ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンター等に
おける静電記録プロセスでは、まず、感光ドラムの表面
を一様に帯電させ、この感光ドラム表面に光学系から映
像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することに
よって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナ
ーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成
し、これを紙,OHP,印画紙等の記録媒体へと転写す
ることにより、プリントする方法が採られている。
おける静電記録プロセスでは、まず、感光ドラムの表面
を一様に帯電させ、この感光ドラム表面に光学系から映
像を投射して光の当たった部分の帯電を消去することに
よって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナ
ーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成
し、これを紙,OHP,印画紙等の記録媒体へと転写す
ることにより、プリントする方法が採られている。
【0003】このような静電記録プロセスに用いられる
感光ドラムとしては、従来、図1に示した構造のものが
一般に用いられている。
感光ドラムとしては、従来、図1に示した構造のものが
一般に用いられている。
【0004】即ち、良導電性を有する円筒状基体1の両
端にフランジ2a,2bを嵌合固定すると共に、該円筒
状基体1の外周面に感光層3を形成したものが一般に用
いられており、通常、この感光ドラムは、図1に示され
ているように、電子写真装置の本体aに設けられた支持
軸4,4が両フランジ2a,2bに設けられた軸孔5,
5に挿入されて回転自在に支持され、一方のフランジ2
bに形成された駆動用ギア6にモータ等の駆動源と連結
されたギア7を歯合させ、回転駆動されるようになって
いる。
端にフランジ2a,2bを嵌合固定すると共に、該円筒
状基体1の外周面に感光層3を形成したものが一般に用
いられており、通常、この感光ドラムは、図1に示され
ているように、電子写真装置の本体aに設けられた支持
軸4,4が両フランジ2a,2bに設けられた軸孔5,
5に挿入されて回転自在に支持され、一方のフランジ2
bに形成された駆動用ギア6にモータ等の駆動源と連結
されたギア7を歯合させ、回転駆動されるようになって
いる。
【0005】この場合、上記円筒状基体1を形成する材
料としては、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良
好な導電性を有することから、アルミニウム合金が従来
から用いられており、また近年このアルミニウム合金製
の基体に代わるものとして、熱可塑性樹脂にカーボン等
の導電剤を混合分散した導電性樹脂組成物を射出成形し
た樹脂パイプを上記円筒状基体1として用いることも行
われている。
料としては、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良
好な導電性を有することから、アルミニウム合金が従来
から用いられており、また近年このアルミニウム合金製
の基体に代わるものとして、熱可塑性樹脂にカーボン等
の導電剤を混合分散した導電性樹脂組成物を射出成形し
た樹脂パイプを上記円筒状基体1として用いることも行
われている。
【0006】ここで、上記感光ドラムには、低コスト,
低消費電力化などの観点から軽量化が望まれており、こ
の場合上記樹脂製の感光ドラム用基体は、アルミニウム
合金製の基体に比べて軽量化を達成することができる
が、感光ドラムに限らず電子写真装置の部材には、低コ
スト及び低消費電力化に対する厳しい要求が課せられて
おり、感光ドラム用基体に対しても更なる軽量化による
駆動電力の低減化が望まれている。
低消費電力化などの観点から軽量化が望まれており、こ
の場合上記樹脂製の感光ドラム用基体は、アルミニウム
合金製の基体に比べて軽量化を達成することができる
が、感光ドラムに限らず電子写真装置の部材には、低コ
スト及び低消費電力化に対する厳しい要求が課せられて
おり、感光ドラム用基体に対しても更なる軽量化による
駆動電力の低減化が望まれている。
【0007】この場合、上記樹脂製基体を軽量化するに
は該基体の肉厚を薄くすれば容易に達成することができ
るが、このように薄肉化を行うと機械的強度、加工性、
寸法精度などの低下を招くこととなり、容易に薄肉化を
行うことができないのが現状である。
は該基体の肉厚を薄くすれば容易に達成することができ
るが、このように薄肉化を行うと機械的強度、加工性、
寸法精度などの低下を招くこととなり、容易に薄肉化を
行うことができないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、機械的強
度、加工性、寸法精度などの低下を招くことなく、軽量
化を容易に達成することができ、低コストで低消費電力
化に寄与することができる感光ドラム用基体、及び該基
体を用いた感光ドラムを提供することを目的とする。
状況下、従来における諸問題を解決し、以下の目的を達
成することを課題とする。即ち、本発明は、機械的強
度、加工性、寸法精度などの低下を招くことなく、軽量
化を容易に達成することができ、低コストで低消費電力
化に寄与することができる感光ドラム用基体、及び該基
体を用いた感光ドラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、薄肉化により円筒
状の感光ドラム用基体の軽量化を図る場合に、感光ドラ
ム用基体を比重が1.1以上1.7以下である導電性樹
脂組成物にて成形することにより、機械的強度、加工
性、寸法制度を大幅に低下させることなくこれらの性能
を十分な実用レベルに維持した上で、効果的な軽量化を
図ることができ、低コスト及び低消費電力を達成できる
ことを見出し、本発明を完成したものである。
達成するため鋭意検討を重ねた結果、薄肉化により円筒
状の感光ドラム用基体の軽量化を図る場合に、感光ドラ
ム用基体を比重が1.1以上1.7以下である導電性樹
脂組成物にて成形することにより、機械的強度、加工
性、寸法制度を大幅に低下させることなくこれらの性能
を十分な実用レベルに維持した上で、効果的な軽量化を
図ることができ、低コスト及び低消費電力を達成できる
ことを見出し、本発明を完成したものである。
【0010】即ち、本発明は、下記の感光ドラム用基
体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラムを提供
する。
体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラムを提供
する。
【0011】請求項1の発明は、電子写真プロセスに用
いられる感光ドラムの基体を構成する円筒状の感光ドラ
ム用基体において、前記感光ドラム用基体が、樹脂基材
に導電剤と充填材を混合分散した導電性樹脂組成物で形
成されると共に、該導電性樹脂組成物の比重が1.1以
上1.7以下であることを特徴とする感光ドラム用基体
である。
いられる感光ドラムの基体を構成する円筒状の感光ドラ
ム用基体において、前記感光ドラム用基体が、樹脂基材
に導電剤と充填材を混合分散した導電性樹脂組成物で形
成されると共に、該導電性樹脂組成物の比重が1.1以
上1.7以下であることを特徴とする感光ドラム用基体
である。
【0012】請求項2の発明は、導電性樹脂組成物の比
重が1.3以上1.7以下である請求項1記載の感光ド
ラム用基体である。
重が1.3以上1.7以下である請求項1記載の感光ド
ラム用基体である。
【0013】請求項3の発明は、導電性樹脂組成物の曲
げ剛性が4.0×106kg・mm 2以上である請求項
1又は2記載の感光ドラム用基体である。
げ剛性が4.0×106kg・mm 2以上である請求項
1又は2記載の感光ドラム用基体である。
【0014】請求項4の発明は、樹脂基材の主成分とし
て、ポリアミド系樹脂を用いる請求項1乃至3のいずれ
か1項記載の感光ドラム用基体である。
て、ポリアミド系樹脂を用いる請求項1乃至3のいずれ
か1項記載の感光ドラム用基体である。
【0015】請求項5の発明は、充填材として無機充填
材を用い、該無機充填材を導電性樹脂組成物に対し1〜
30質量%配合した請求項1乃至4のいずれか1項記載
の感光ドラム用基体である。
材を用い、該無機充填材を導電性樹脂組成物に対し1〜
30質量%配合した請求項1乃至4のいずれか1項記載
の感光ドラム用基体である。
【0016】請求項6の発明は、円筒状基体の外周面に
感光層を塗工形成してなる感光ドラムにおいて、前記円
筒状基体として、請求項1乃至5のいずれか1項記載の
感光ドラム用基体を用いたことを特徴とする感光ドラム
である。
感光層を塗工形成してなる感光ドラムにおいて、前記円
筒状基体として、請求項1乃至5のいずれか1項記載の
感光ドラム用基体を用いたことを特徴とする感光ドラム
である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。本発明の感光ドラム用基体は、上述のように、
樹脂基材に導電剤と充填材を混合分散した導電性樹脂組
成物で形成されると共に、該導電性樹脂組成物の比重を
1.1以上1.7以下となるように調整して十分な機械
的強度、加工性、寸法精度などを維持しつつ軽量化を達
成し得、低コスト及び消費電力の増加を図ることができ
たものである。なお、比重は、JIS K7112の水
中置換法に従って測定した値である。
明する。本発明の感光ドラム用基体は、上述のように、
樹脂基材に導電剤と充填材を混合分散した導電性樹脂組
成物で形成されると共に、該導電性樹脂組成物の比重を
1.1以上1.7以下となるように調整して十分な機械
的強度、加工性、寸法精度などを維持しつつ軽量化を達
成し得、低コスト及び消費電力の増加を図ることができ
たものである。なお、比重は、JIS K7112の水
中置換法に従って測定した値である。
【0018】この場合、前記導電性樹脂組成物の比重が
小さすぎると、高度な軽量化を達成することは可能にな
るが機械的強度、加工性、寸法精度などが大幅に低下し
て実用に供することが困難となり、一方比重が大きすぎ
ると、良好な機械的強度、加工性及び寸法精度を達成す
ることは容易になるが、ドラムの質量増加によって感光
ドラムを駆動する場合のトルク増大による駆動部や軸受
け部の負荷によりドラムのスムーズな回転に支障をきた
したり、また、コスト及び消費電力の増加を招くことと
なり、本発明の目的を達成することができない。なお、
前記導電性樹脂組成物の比重のより好ましい範囲は、
1.3以上、1.7以下である。
小さすぎると、高度な軽量化を達成することは可能にな
るが機械的強度、加工性、寸法精度などが大幅に低下し
て実用に供することが困難となり、一方比重が大きすぎ
ると、良好な機械的強度、加工性及び寸法精度を達成す
ることは容易になるが、ドラムの質量増加によって感光
ドラムを駆動する場合のトルク増大による駆動部や軸受
け部の負荷によりドラムのスムーズな回転に支障をきた
したり、また、コスト及び消費電力の増加を招くことと
なり、本発明の目的を達成することができない。なお、
前記導電性樹脂組成物の比重のより好ましい範囲は、
1.3以上、1.7以下である。
【0019】また、前記導電性樹脂組成物の曲げ剛性は
4.0×106kg・mm2以上、特に5.0×106
kg・mm2以上であることが十分な機械的強度を維持
する観点から好ましい。ここで、曲げ剛性は、導電性樹
脂組成物を用いてテストピースを成形し、ASTM D
−790に従って曲げ弾性率を測定し、下記式により曲
げ剛性(kg・mm2)を算出することができる。 El=E×π/64×(d2 4−d1 4) (ここで、Elは曲げ剛性、Eは曲げ弾性率、d1は基
体の外径、d2は基体の内径である。)
4.0×106kg・mm2以上、特に5.0×106
kg・mm2以上であることが十分な機械的強度を維持
する観点から好ましい。ここで、曲げ剛性は、導電性樹
脂組成物を用いてテストピースを成形し、ASTM D
−790に従って曲げ弾性率を測定し、下記式により曲
げ剛性(kg・mm2)を算出することができる。 El=E×π/64×(d2 4−d1 4) (ここで、Elは曲げ剛性、Eは曲げ弾性率、d1は基
体の外径、d2は基体の内径である。)
【0020】本発明の感光ドラム用基体は、前記導電性
樹脂組成物の比重の条件を満足すればよく、その材質に
特に制限はなく、基材樹脂に導電剤と充填材を配合した
導電性樹脂組成物を用いることができる。
樹脂組成物の比重の条件を満足すればよく、その材質に
特に制限はなく、基材樹脂に導電剤と充填材を配合した
導電性樹脂組成物を用いることができる。
【0021】この場合、導電性樹脂組成物を構成する基
材樹脂としては、特に制限されるものではないが熱可塑
性樹脂が好適に用いられる。この熱可塑性樹脂として
は、従来から感光ドラム用の基体に用いられている公知
の樹脂材料を用いることができるが、特に感光層を形成
するに良好な表面平滑性を有し、かつ耐薬品性及び機械
的強度に優れることから、各種ナイロン等のポリアミド
系樹脂を主材として好適に用いられる。具体的には、ナ
イロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロンMXD6、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン1212、及びこれらの
共重合物などの他のポリアミド系樹脂が例示され、これ
らの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
材樹脂としては、特に制限されるものではないが熱可塑
性樹脂が好適に用いられる。この熱可塑性樹脂として
は、従来から感光ドラム用の基体に用いられている公知
の樹脂材料を用いることができるが、特に感光層を形成
するに良好な表面平滑性を有し、かつ耐薬品性及び機械
的強度に優れることから、各種ナイロン等のポリアミド
系樹脂を主材として好適に用いられる。具体的には、ナ
イロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロンMXD6、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン1212、及びこれらの
共重合物などの他のポリアミド系樹脂が例示され、これ
らの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0022】また、吸湿による寸法変化を抑制するた
め、非吸湿性の樹脂を上記ポリアミド樹脂に添加混合す
ることもできる。この非吸湿性の樹脂としては、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PP
E)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などが例
示され、上記ポリアミド系樹脂との相溶性などを考慮し
て適宜選択すればよい。前記非吸水性樹脂をポリアミド
系樹脂に対して、通常1〜70質量%、好ましくは5〜
50質量%配合する。
め、非吸湿性の樹脂を上記ポリアミド樹脂に添加混合す
ることもできる。この非吸湿性の樹脂としては、ポリプ
ロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PP
E)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)などが例
示され、上記ポリアミド系樹脂との相溶性などを考慮し
て適宜選択すればよい。前記非吸水性樹脂をポリアミド
系樹脂に対して、通常1〜70質量%、好ましくは5〜
50質量%配合する。
【0023】上記ブレンドに際しては、更にポリアミド
系樹脂と非吸水性樹脂との相溶性を向上させて分散性を
高め、強度などの機械的特性や、吸水性、耐薬品性を向
上させるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い
相溶化剤を適宜用いることができる。相溶化剤として
は、例えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性
ポリプロピレン、PA−PPS系やPA−PPE系に対
しては、エポキシ変性ポリスチレン−ポリメチルメタク
リレート共重合体などを挙げることができる。
系樹脂と非吸水性樹脂との相溶性を向上させて分散性を
高め、強度などの機械的特性や、吸水性、耐薬品性を向
上させるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い
相溶化剤を適宜用いることができる。相溶化剤として
は、例えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性
ポリプロピレン、PA−PPS系やPA−PPE系に対
しては、エポキシ変性ポリスチレン−ポリメチルメタク
リレート共重合体などを挙げることができる。
【0024】上記導電性樹脂組成物は、通常上記樹脂基
材に導電剤を添加して導電性を付与したものであるが、
この場合、導電剤としては、上記樹脂中に均一に分散さ
せることが可能なものであればいずれのものでもよく、
例えばカーボンブラック、グラファイト、アルミニウ
ム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス粉などが挙
げられるが、特にカーボンブラックを用いることが好ま
しい。導電剤の添加量は、特に制限されるものではない
が、導電性樹脂組成物の5〜30質量%、特に5〜20
質量%とすることが好ましく、これにより成形物の表面
抵抗値を104Ω/□(オーム/スクエア)以下、特に
102Ω/□以下とすることが好ましい。
材に導電剤を添加して導電性を付与したものであるが、
この場合、導電剤としては、上記樹脂中に均一に分散さ
せることが可能なものであればいずれのものでもよく、
例えばカーボンブラック、グラファイト、アルミニウ
ム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス粉などが挙
げられるが、特にカーボンブラックを用いることが好ま
しい。導電剤の添加量は、特に制限されるものではない
が、導電性樹脂組成物の5〜30質量%、特に5〜20
質量%とすることが好ましく、これにより成形物の表面
抵抗値を104Ω/□(オーム/スクエア)以下、特に
102Ω/□以下とすることが好ましい。
【0025】この導電性樹脂組成物には、補強や増量の
目的で、各種繊維等の無機充填材を配合することができ
る。この無機充填材としては、カーボン繊維,導電性ウ
ィスカ,導電性ガラス繊維等の導電性繊維やウィスカ,
ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いることができ
る。この場合、上記導電性繊維は、導電剤としても作用
することができ、導電性繊維を用いることにより、上記
カーボンブラックの使用量を減らすことができる。
目的で、各種繊維等の無機充填材を配合することができ
る。この無機充填材としては、カーボン繊維,導電性ウ
ィスカ,導電性ガラス繊維等の導電性繊維やウィスカ,
ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いることができ
る。この場合、上記導電性繊維は、導電剤としても作用
することができ、導電性繊維を用いることにより、上記
カーボンブラックの使用量を減らすことができる。
【0026】これら充填材の配合量は、用いる充填材の
種類や繊維の長さ,径などに応じて適宜選定され、特に
制限されるものではないが、通常は導電性樹脂組成物の
1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、更に
好ましくは10〜25質量%程度とすることが好まし
い。また、この充填材の配合の有無,種類,配合割合な
どを調整することにより、上記質量比を調整することも
可能である。
種類や繊維の長さ,径などに応じて適宜選定され、特に
制限されるものではないが、通常は導電性樹脂組成物の
1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、更に
好ましくは10〜25質量%程度とすることが好まし
い。また、この充填材の配合の有無,種類,配合割合な
どを調整することにより、上記質量比を調整することも
可能である。
【0027】なお、この導電性樹脂組成物には、必要に
応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、シリコーン、二硫化モリブデ
ン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知の添加剤を適量
添加することができる。また、通常用いられるシランカ
ップリング剤やチタネートカップリング剤などを用い
て、上記導電剤や充填材に表面処理を施してもよい。
応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポリテトラフルオ
ロエチレン(PTFE)、シリコーン、二硫化モリブデ
ン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知の添加剤を適量
添加することができる。また、通常用いられるシランカ
ップリング剤やチタネートカップリング剤などを用い
て、上記導電剤や充填材に表面処理を施してもよい。
【0028】本発明の感光ドラム用基体は、円筒状に成
形したものであるが、この場合その成形方法は、特に制
限されるものではなく、本発明の感光ドラムを形成する
材料に応じて適宜な成形法を採用することができる。例
えば、上記導電性樹脂組成物を用いて本発明の感光ドラ
ム用基体を得る場合には、射出成形法、押出成形法など
を用いる樹脂材料に応じて適宜選択することができる
が、この場合には特に射出成形法を採用することが好ま
しい。なお、成形温度や射出圧力などの成形条件は、導
電性樹脂組成物を構成する樹脂成分の種類等に応じた通
常の条件とすることができる。
形したものであるが、この場合その成形方法は、特に制
限されるものではなく、本発明の感光ドラムを形成する
材料に応じて適宜な成形法を採用することができる。例
えば、上記導電性樹脂組成物を用いて本発明の感光ドラ
ム用基体を得る場合には、射出成形法、押出成形法など
を用いる樹脂材料に応じて適宜選択することができる
が、この場合には特に射出成形法を採用することが好ま
しい。なお、成形温度や射出圧力などの成形条件は、導
電性樹脂組成物を構成する樹脂成分の種類等に応じた通
常の条件とすることができる。
【0029】次に、本発明の感光ドラムは、例えば図1
に示された感光ドラムのように、円筒状基体1の外周面
に感光層3を形成したものであり、本発明ではその円筒
状基体1として、上記本発明の感光ドラム用基体を用い
たものである。
に示された感光ドラムのように、円筒状基体1の外周面
に感光層3を形成したものであり、本発明ではその円筒
状基体1として、上記本発明の感光ドラム用基体を用い
たものである。
【0030】この場合、図1の感光ドラムでは、円筒状
基体1の両端面に別体に形成したフランジ2a,2bを
嵌着固定しているが、本発明では、フランジ2a,2b
の少なくとも一方を上記導電性樹脂組成物を用いて円筒
状基体1と一体に成形することもできる。フランジと共
に、駆動用ギア6を導電性樹脂組成物で一体に成形する
こともできる。
基体1の両端面に別体に形成したフランジ2a,2bを
嵌着固定しているが、本発明では、フランジ2a,2b
の少なくとも一方を上記導電性樹脂組成物を用いて円筒
状基体1と一体に成形することもできる。フランジと共
に、駆動用ギア6を導電性樹脂組成物で一体に成形する
こともできる。
【0031】ここで、上記円筒状基体1の外周面、即ち
本発明感光ドラム用基体の外周面は、特に制限されるも
のではないが、その表面粗さを中心線平均粗さRaで
0.8μm以下、特に0.2μ以下、最大高さRmax
で1.6μm以下、特に0.8μm以下、10点平均粗
さRzで1.6μm以下、特に0.8μm以下とするこ
とが好ましく、これらRa,Rmax,Rzが大きすぎ
ると、円筒状基体1表面の凹凸が感光層3上に現れて、
これが画像不良の原因となる場合がある。
本発明感光ドラム用基体の外周面は、特に制限されるも
のではないが、その表面粗さを中心線平均粗さRaで
0.8μm以下、特に0.2μ以下、最大高さRmax
で1.6μm以下、特に0.8μm以下、10点平均粗
さRzで1.6μm以下、特に0.8μm以下とするこ
とが好ましく、これらRa,Rmax,Rzが大きすぎ
ると、円筒状基体1表面の凹凸が感光層3上に現れて、
これが画像不良の原因となる場合がある。
【0032】上記円筒状基体1の外周面に感光層3を形
成することにより、本発明の感光ドラムが構成される
が、この場合、感光層3は、感光剤、バインダー成分を
アルコールやクロロホルム、トルエンなどの有機溶媒に
溶解した塗液を円筒状基体の外周面に塗工し、加熱乾燥
することにより形成される。なお、感光層を形成するた
めの上記塗液は、公知の組成により形成することがで
き、またその層構成も公知の構成とすることができる。
成することにより、本発明の感光ドラムが構成される
が、この場合、感光層3は、感光剤、バインダー成分を
アルコールやクロロホルム、トルエンなどの有機溶媒に
溶解した塗液を円筒状基体の外周面に塗工し、加熱乾燥
することにより形成される。なお、感光層を形成するた
めの上記塗液は、公知の組成により形成することがで
き、またその層構成も公知の構成とすることができる。
【0033】なお、本発明の感光ドラムは、図1に示さ
れたものに限定されるものではなく、例えば両フランジ
2a,2bに、軸孔5ではなく、外方へと突出する軸体
(支持軸)を突設し、この軸体を用いて電子写真装置の
本体に回転可能に取り付けることもできる。更に、各フ
ランジ2a,2bの形状や感光ドラムの回転駆動方法な
ど、その他の構成についても本発明の要旨を逸脱しない
限り適宜変更することができる。
れたものに限定されるものではなく、例えば両フランジ
2a,2bに、軸孔5ではなく、外方へと突出する軸体
(支持軸)を突設し、この軸体を用いて電子写真装置の
本体に回転可能に取り付けることもできる。更に、各フ
ランジ2a,2bの形状や感光ドラムの回転駆動方法な
ど、その他の構成についても本発明の要旨を逸脱しない
限り適宜変更することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限され
るものではない。
り具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限され
るものではない。
【0035】〔実施例1〜3及び比較例1,2〕表1の
配合組成の実施例1〜3及び比較例1,2の導電性樹脂
組成物をそれぞれ調製し、下記方法により比重、曲げ剛
性を測定した。結果を表1に示す。また、得られら導電
性樹脂組成物をドラム基体に成形し、下記方法により消
費電力を評価した。結果を表1に示す。
配合組成の実施例1〜3及び比較例1,2の導電性樹脂
組成物をそれぞれ調製し、下記方法により比重、曲げ剛
性を測定した。結果を表1に示す。また、得られら導電
性樹脂組成物をドラム基体に成形し、下記方法により消
費電力を評価した。結果を表1に示す。
【0036】<比重>ペレット状の樹脂組成物を熱プレス
によりシート状のテストピースを成形し、このテストピ
ースを用いてJIS K7112の水中置換法に従って
測定した。
によりシート状のテストピースを成形し、このテストピ
ースを用いてJIS K7112の水中置換法に従って
測定した。
【0037】<曲げ剛性>上記導電性樹脂組成物を用いて
テストピースを成形し、ASTM D−790に従って
曲げ弾性率を測定し、次式により曲げ剛性(kg・mm
2)を算出した。 El=E×π/64×(d2 4−d1 4) (ここで、Elは曲げ剛性、Eは曲げ弾性率、d1は基
体の外径、d2は基体の内径である。)
テストピースを成形し、ASTM D−790に従って
曲げ弾性率を測定し、次式により曲げ剛性(kg・mm
2)を算出した。 El=E×π/64×(d2 4−d1 4) (ここで、Elは曲げ剛性、Eは曲げ弾性率、d1は基
体の外径、d2は基体の内径である。)
【0038】<消費電力>レーザービームプリンターに各
感光ドラム用基体を装着して運転し、このときレーザー
ビームプリンター本体の電源供給回路に電流電圧測定装
置を付加して消費電量を測定した。
感光ドラム用基体を装着して運転し、このときレーザー
ビームプリンター本体の電源供給回路に電流電圧測定装
置を付加して消費電量を測定した。
【0039】
【表1】 *PA66(ナイロン66):宇部興産製「UBEナイ
ロン」 *PA6(ナイロン6):宇部興産製「宇部ナイロン」 *PPS(ポリフェニレンサルファイド):ポリプラス
チック製「フォートロン」 *PP(ポリプロピレン):出光石油化学製「IDEM
ITSU PP」 *カーボンブラック:ライオン製「ケッチェンブラッ
ク」 *チタン酸カリウムウィスカ:大塚化学製「ティスモ」
ロン」 *PA6(ナイロン6):宇部興産製「宇部ナイロン」 *PPS(ポリフェニレンサルファイド):ポリプラス
チック製「フォートロン」 *PP(ポリプロピレン):出光石油化学製「IDEM
ITSU PP」 *カーボンブラック:ライオン製「ケッチェンブラッ
ク」 *チタン酸カリウムウィスカ:大塚化学製「ティスモ」
【0040】表1の結果から、比重が1.1以上1.7
以下の導電性樹脂組成物から成形された実施例1〜3の
感光ドラム用基体は、十分な機械的強度(曲げ剛性)、
寸法精度(回転振れ)を維持しつつ、効果的な軽量化に
より低消費電力が図られた。
以下の導電性樹脂組成物から成形された実施例1〜3の
感光ドラム用基体は、十分な機械的強度(曲げ剛性)、
寸法精度(回転振れ)を維持しつつ、効果的な軽量化に
より低消費電力が図られた。
【0041】これに対して、比重が1.7を超える導電
性樹脂組成物から成形された比較例1の感光ドラム用基
体は良好な機械的強度(曲げ剛性)を有しているもの
の、その質量が大きいため消費電力が非常に大きくなっ
ている。また、比重が1.1に満たない比較例2の導電
性樹脂組成物から成形された感光ドラム用基体は軽量化
により低消費電力化は図られるものの、機械的強度(曲
げ剛性)が著しく低下し、実用に供することは困難であ
る。
性樹脂組成物から成形された比較例1の感光ドラム用基
体は良好な機械的強度(曲げ剛性)を有しているもの
の、その質量が大きいため消費電力が非常に大きくなっ
ている。また、比重が1.1に満たない比較例2の導電
性樹脂組成物から成形された感光ドラム用基体は軽量化
により低消費電力化は図られるものの、機械的強度(曲
げ剛性)が著しく低下し、実用に供することは困難であ
る。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
機械的強度(曲げ剛性)、加工性、寸法精度などの低下
を招くことなく、軽量化を容易に達成することができ、
低コストで低消費電力化に寄与することができる感光ド
ラム用基体及び感光ドラムを確実に得ることができる。
機械的強度(曲げ剛性)、加工性、寸法精度などの低下
を招くことなく、軽量化を容易に達成することができ、
低コストで低消費電力化に寄与することができる感光ド
ラム用基体及び感光ドラムを確実に得ることができる。
【図1】感光ドラムの一般的な構成を説明する断面図で
ある。
ある。
1 円筒状基体(感光ドラム用基体) 2,2a,2b フランジ 3 感光層 4 支持軸 5 軸孔 6 駆動用ギア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H068 AA52 AA54 AA58 BB28
Claims (6)
- 【請求項1】 電子写真プロセスに用いられる感光ドラ
ムの基体を構成する円筒状の感光ドラム用基体におい
て、 前記感光ドラム用基体が、樹脂基材に導電剤と充填材を
混合分散した導電性樹脂組成物で形成されると共に、該
導電性樹脂組成物の比重が1.1以上1.7以下である
ことを特徴とする感光ドラム用基体。 - 【請求項2】 導電性樹脂組成物の比重が1.3以上
1.7以下である請求項1記載の感光ドラム用基体。 - 【請求項3】 導電性樹脂組成物の曲げ剛性が4.0×
106kg・mm2以上である請求項1又は2記載の感
光ドラム用基体。 - 【請求項4】 樹脂基材の主成分として、ポリアミド系
樹脂を用いる請求項1乃至3のいずれか1項記載の感光
ドラム用基体。 - 【請求項5】 充填材として無機充填材を用い、該無機
充填材を導電性樹脂組成物に対し1〜30質量%配合し
た請求項1乃至4のいずれか1項記載の感光ドラム用基
体。 - 【請求項6】 円筒状基体の外周面に感光層を塗工形成
してなる感光ドラムにおいて、前記円筒状基体として、
請求項1乃至5のいずれか1項記載の感光ドラム用基体
を用いたことを特徴とする感光ドラム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001113770A JP2002311616A (ja) | 2001-04-12 | 2001-04-12 | 感光ドラム用基体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラム |
US10/120,370 US6699550B2 (en) | 2001-04-12 | 2002-04-12 | Base-body for photosensitive drum and photosensitive drum with the use of the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001113770A JP2002311616A (ja) | 2001-04-12 | 2001-04-12 | 感光ドラム用基体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002311616A true JP2002311616A (ja) | 2002-10-23 |
Family
ID=18964950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001113770A Pending JP2002311616A (ja) | 2001-04-12 | 2001-04-12 | 感光ドラム用基体、及び該感光ドラム用基体を用いた感光ドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002311616A (ja) |
-
2001
- 2001-04-12 JP JP2001113770A patent/JP2002311616A/ja active Pending
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