JP2001249577A - 感光ドラム - Google Patents
感光ドラムInfo
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- JP2001249577A JP2001249577A JP2000395739A JP2000395739A JP2001249577A JP 2001249577 A JP2001249577 A JP 2001249577A JP 2000395739 A JP2000395739 A JP 2000395739A JP 2000395739 A JP2000395739 A JP 2000395739A JP 2001249577 A JP2001249577 A JP 2001249577A
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- JP
- Japan
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- photosensitive drum
- resin
- conductive
- conductive resin
- resin composition
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- Pending
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子
写真装置に用いられる感光ドラムに関し、更に詳述する
と、円筒状基体として特定の曲げ弾性率を有する樹脂パ
イプを用いたことにより、外径差が少なくかつ真直度に
優れた高い寸法精度を有する感光ドラムを得ることを目
的とする。 【解決手段】 円筒状基体の外周面に感光剤を含有する
塗液を塗工し乾燥させて感光層を形成してなる感光ドラ
ムにおいて、上記円筒状基体として、導電性樹脂組成物
からなる曲げ弾性率が7×103MPa以上の導電性樹
脂パイプを用いたことを特徴とする感光ドラムを提供す
る。
写真装置に用いられる感光ドラムに関し、更に詳述する
と、円筒状基体として特定の曲げ弾性率を有する樹脂パ
イプを用いたことにより、外径差が少なくかつ真直度に
優れた高い寸法精度を有する感光ドラムを得ることを目
的とする。 【解決手段】 円筒状基体の外周面に感光剤を含有する
塗液を塗工し乾燥させて感光層を形成してなる感光ドラ
ムにおいて、上記円筒状基体として、導電性樹脂組成物
からなる曲げ弾性率が7×103MPa以上の導電性樹
脂パイプを用いたことを特徴とする感光ドラムを提供す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真装置に用いられる感光ド
ラムに関し、更に詳述すると、円筒状基体として特定の
曲げ弾性率を有する樹脂パイプを用いたことにより、外
径差が少なくかつ真直度に優れた高い寸法精度を有する
感光ドラムに関する。
ミリ、プリンター等の電子写真装置に用いられる感光ド
ラムに関し、更に詳述すると、円筒状基体として特定の
曲げ弾性率を有する樹脂パイプを用いたことにより、外
径差が少なくかつ真直度に優れた高い寸法精度を有する
感光ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写
機、ファクシミリ、プリンター等における静電記録プロ
セスでは、まず、感光ドラムの表面を一様に帯電させ、
この感光ドラム表面に光学系から映像を投射して光の当
たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形
成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナー
の静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙,OH
P,印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリ
ントする方法が採られている。
機、ファクシミリ、プリンター等における静電記録プロ
セスでは、まず、感光ドラムの表面を一様に帯電させ、
この感光ドラム表面に光学系から映像を投射して光の当
たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形
成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナー
の静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙,OH
P,印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリ
ントする方法が採られている。
【0003】このような静電記録プロセスに用いられる
感光ドラムとしては、従来、図1に示した構造のものが
一般に用いられている。
感光ドラムとしては、従来、図1に示した構造のものが
一般に用いられている。
【0004】即ち、良導電性を有する円筒状基体1の両
端にフランジ2a,2bを嵌合固定すると共に、該円筒
状基体1の外周面に感光層3を形成したものが一般に用
いられており、通常、この感光ドラムは、図1に示され
ているように、電子写真装置の本体aに設けられた支持
軸4,4が両フランジ2a,2bに設けられた軸孔5,
5に挿入されて回転自在に支持され、一方のフランジ2
bに形成された駆動用ギア6にモータ等の駆動源と連結
されたギア7を歯合させ、回転駆動されるようになって
いる。
端にフランジ2a,2bを嵌合固定すると共に、該円筒
状基体1の外周面に感光層3を形成したものが一般に用
いられており、通常、この感光ドラムは、図1に示され
ているように、電子写真装置の本体aに設けられた支持
軸4,4が両フランジ2a,2bに設けられた軸孔5,
5に挿入されて回転自在に支持され、一方のフランジ2
bに形成された駆動用ギア6にモータ等の駆動源と連結
されたギア7を歯合させ、回転駆動されるようになって
いる。
【0005】この場合、上記円筒状基体1を形成する材
料としては、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良
好な導電性を有することから、アルミニウム合金が従来
から用いられている。
料としては、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良
好な導電性を有することから、アルミニウム合金が従来
から用いられている。
【0006】しかしながら、アルミニウム合金からなる
円筒状基体は、厳しい寸法精度に対する要求や所定の表
面粗さを満足するために、個々に高精度の機械加工を施
す必要があり、また両端に上記フランジ2a,2bを嵌
合固定させるための加工を施す必要もあり、更に場合に
よっては表面の酸化などを防止するための加工を要する
場合もある。このため、製造工数が多くなって製造コス
トが高くなるという問題を有しており、アルミニウム合
金は、感光ドラムを構成する円筒状基体用の材料として
必ずしも満足し得るものではない。
円筒状基体は、厳しい寸法精度に対する要求や所定の表
面粗さを満足するために、個々に高精度の機械加工を施
す必要があり、また両端に上記フランジ2a,2bを嵌
合固定させるための加工を施す必要もあり、更に場合に
よっては表面の酸化などを防止するための加工を要する
場合もある。このため、製造工数が多くなって製造コス
トが高くなるという問題を有しており、アルミニウム合
金は、感光ドラムを構成する円筒状基体用の材料として
必ずしも満足し得るものではない。
【0007】一方、熱可塑性樹脂にカーボンブラック等
の導電剤を混合分散した導電性樹脂組成物を射出成形し
て導電性樹脂からなる円筒状基体を得、かかる導電性樹
脂製の基体外周面に感光層を塗工して感光ドラムを得る
ことも行われている。
の導電剤を混合分散した導電性樹脂組成物を射出成形し
て導電性樹脂からなる円筒状基体を得、かかる導電性樹
脂製の基体外周面に感光層を塗工して感光ドラムを得る
ことも行われている。
【0008】この樹脂製の基体を用いた感光ドラムによ
れば、上述したアルミニウム合金製の基体を用いる場合
に必要であった多くの加工工程を省略することができ、
また感光ドラムの軽量化を図ることもできる。
れば、上述したアルミニウム合金製の基体を用いる場合
に必要であった多くの加工工程を省略することができ、
また感光ドラムの軽量化を図ることもできる。
【0009】しかしながら、樹脂製の基体は、感光層の
塗工形成時に行われる加熱乾燥によって寸法精度が低下
するという欠点がある。即ち、感光層はフタロシアニン
やジフェニルヒドラゾン等の感光剤及びバインダーをア
ルコールやクロロホルム、トルエンなど溶剤に溶解した
塗液を円筒状基体の外周面に塗工した後、100〜12
0℃で30〜120分程度加熱乾燥して溶剤を除去する
ことにより形成されるが、この場合円筒状基体も熱に晒
されることとなり、このため外径や真直度などが微妙に
変化して寸法精度が低下してしまう。このような寸法精
度の低下は、得られる感光ドラムの性能にも大きく影響
し、印字性能を低下させる原因になり得る。
塗工形成時に行われる加熱乾燥によって寸法精度が低下
するという欠点がある。即ち、感光層はフタロシアニン
やジフェニルヒドラゾン等の感光剤及びバインダーをア
ルコールやクロロホルム、トルエンなど溶剤に溶解した
塗液を円筒状基体の外周面に塗工した後、100〜12
0℃で30〜120分程度加熱乾燥して溶剤を除去する
ことにより形成されるが、この場合円筒状基体も熱に晒
されることとなり、このため外径や真直度などが微妙に
変化して寸法精度が低下してしまう。このような寸法精
度の低下は、得られる感光ドラムの性能にも大きく影響
し、印字性能を低下させる原因になり得る。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、樹脂製円筒状基体に感光層を塗工形成する際の加熱
乾燥時に生じる外径や真直度などの変化を可及的に防止
して、寸法精度の向上を図ることができる感光ドラムを
提供することを目的とする。
で、樹脂製円筒状基体に感光層を塗工形成する際の加熱
乾燥時に生じる外径や真直度などの変化を可及的に防止
して、寸法精度の向上を図ることができる感光ドラムを
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、感光ドラムの円筒状基体を導電性樹脂組成物により
形成する場合に、該円筒状基体の曲げ弾性率を適正化す
ることにより、熱による外径や真直度の変化を可及的に
防止し得ることを見出し、更に検討を進めた結果、かか
る円筒状基体の曲げ弾性率が7×10 3MPa以上にな
るように導電性樹脂組成物にて形成することにより、多
少の熱に晒されても外径や真直度に変化を生じることが
なく、寸法精度を低下させることなく感光層を形成する
ことができる上、円筒状基体の射出成形時の収縮による
寸法精度の低下も効果的に抑制し得、寸法精度に優れた
感光ドラムを確実に得られることを見出し、本発明を完
成したものである。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、感光ドラムの円筒状基体を導電性樹脂組成物により
形成する場合に、該円筒状基体の曲げ弾性率を適正化す
ることにより、熱による外径や真直度の変化を可及的に
防止し得ることを見出し、更に検討を進めた結果、かか
る円筒状基体の曲げ弾性率が7×10 3MPa以上にな
るように導電性樹脂組成物にて形成することにより、多
少の熱に晒されても外径や真直度に変化を生じることが
なく、寸法精度を低下させることなく感光層を形成する
ことができる上、円筒状基体の射出成形時の収縮による
寸法精度の低下も効果的に抑制し得、寸法精度に優れた
感光ドラムを確実に得られることを見出し、本発明を完
成したものである。
【0012】従って、本発明は、円筒状基体の外周面に
感光剤を含有する塗液を塗工し乾燥させて感光層を形成
してなる感光ドラムにおいて、上記円筒状基体として、
導電性樹脂組成物からなる曲げ弾性率が7×103MP
a以上の導電性樹脂パイプを用いたことを特徴とする感
光ドラムを提供するものである。
感光剤を含有する塗液を塗工し乾燥させて感光層を形成
してなる感光ドラムにおいて、上記円筒状基体として、
導電性樹脂組成物からなる曲げ弾性率が7×103MP
a以上の導電性樹脂パイプを用いたことを特徴とする感
光ドラムを提供するものである。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の感光ドラムは、円筒状基体として導電性樹脂組
成物からなる7×10 3MPa以上の曲げ弾性率を有す
る樹脂パイプを用いたものである。
本発明の感光ドラムは、円筒状基体として導電性樹脂組
成物からなる7×10 3MPa以上の曲げ弾性率を有す
る樹脂パイプを用いたものである。
【0014】上記導電性樹脂組成物に用いられる樹脂成
分としては、上記曲げ弾性率を達成し得るものであれば
いずれのものでもよく、特に制限されるものではない
が、良好な耐薬品性、機械的強度、表面平滑性が得られ
ることから、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、
特にメタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られ
るポリアミド樹脂、ε−カプロラクタムから得られるポ
リアミド樹脂及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以
下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少
なくとも1種を好適に用いることができる。
分としては、上記曲げ弾性率を達成し得るものであれば
いずれのものでもよく、特に制限されるものではない
が、良好な耐薬品性、機械的強度、表面平滑性が得られ
ることから、ポリアミド樹脂を用いることが好ましく、
特にメタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られ
るポリアミド樹脂、ε−カプロラクタムから得られるポ
リアミド樹脂及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以
下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少
なくとも1種を好適に用いることができる。
【0015】なお、上記メタキシリレンジアミンとアジ
ピン酸との重縮合反応によって製造されるポリアミド樹
脂は一般にナイロンMXD6と呼ばれるものであり、ま
た、ε−カプロラクタムを開環重合反応することによっ
て得られるポリアミド樹脂は一般にナイロン6と称され
るものである。
ピン酸との重縮合反応によって製造されるポリアミド樹
脂は一般にナイロンMXD6と呼ばれるものであり、ま
た、ε−カプロラクタムを開環重合反応することによっ
て得られるポリアミド樹脂は一般にナイロン6と称され
るものである。
【0016】また、本発明のポリアミド樹脂と吸水率が
0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、
以下の理由から好適に使用することができる。
0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、
以下の理由から好適に使用することができる。
【0017】即ち、これまでにポリアミド樹脂をベース
とした導電性樹脂で円筒状基体を形成することが提案さ
れているが、これらポリアミド樹脂(PA)は、PA6
6やPA6などのように吸水性が高く、吸水率(AST
M−D570に準拠)としては、PA66が約0.6〜
3%、PA6が約0.7〜1.8%と他の樹脂に比べて
比較的高くなっている。このため製品の寸法精度保持の
面で問題が生じる場合があり、30℃〜、90%RH〜
などの高温高湿条件下においては、2〜3時間程度さら
された状態でも、吸水により寸法の膨張が起こる場合が
ある。このため、感光体の機能に影響を与え、結果とし
て画像品質に重大な影響を与える場合がある。
とした導電性樹脂で円筒状基体を形成することが提案さ
れているが、これらポリアミド樹脂(PA)は、PA6
6やPA6などのように吸水性が高く、吸水率(AST
M−D570に準拠)としては、PA66が約0.6〜
3%、PA6が約0.7〜1.8%と他の樹脂に比べて
比較的高くなっている。このため製品の寸法精度保持の
面で問題が生じる場合があり、30℃〜、90%RH〜
などの高温高湿条件下においては、2〜3時間程度さら
された状態でも、吸水により寸法の膨張が起こる場合が
ある。このため、感光体の機能に影響を与え、結果とし
て画像品質に重大な影響を与える場合がある。
【0018】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、ポリア
ミド樹脂のように吸水性の高い樹脂に対して、吸水率が
0.3%以下の樹脂をブレンドし、アロイ化したものを
基材として用いたことにより、吸水率を低くし、高温高
湿環境下においても寸法変化の少ない性質を付与でき
る。
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、ポリア
ミド樹脂のように吸水性の高い樹脂に対して、吸水率が
0.3%以下の樹脂をブレンドし、アロイ化したものを
基材として用いたことにより、吸水率を低くし、高温高
湿環境下においても寸法変化の少ない性質を付与でき
る。
【0019】上記ブレンドするポリアミド樹脂として
は、公知のものを使用でき、具体的には、ナイロンMX
D6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12、ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの
他のポリアミド樹脂を挙げることができ、特に制限され
るものではない。
は、公知のものを使用でき、具体的には、ナイロンMX
D6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12、ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの
他のポリアミド樹脂を挙げることができ、特に制限され
るものではない。
【0020】また、上記ポリアミドに対してブレンドす
る吸水率が0.3%以下の樹脂(以下、ブレンド用樹脂
という)としては、PP(ポリプロピレン)、PPE
(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレン
スルフィド)等を挙げることができ、好ましくはPP
S、PPEが、更に好ましくはPPEを挙げることがで
きる。
る吸水率が0.3%以下の樹脂(以下、ブレンド用樹脂
という)としては、PP(ポリプロピレン)、PPE
(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレン
スルフィド)等を挙げることができ、好ましくはPP
S、PPEが、更に好ましくはPPEを挙げることがで
きる。
【0021】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂を得るに
は、上記ブレンド用樹脂をそのブレンド比がPA66な
どのポリアミド樹脂に対して、通常1〜70質量%、好
ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質
量%になるように配合することにより得ることができ
る。
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂を得るに
は、上記ブレンド用樹脂をそのブレンド比がPA66な
どのポリアミド樹脂に対して、通常1〜70質量%、好
ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質
量%になるように配合することにより得ることができ
る。
【0022】上記ブレンドに際しては、更にポリアミド
樹脂とブレンド樹脂との相溶性を向上させて分散性を高
め、強度などの機械特性や、吸水性、耐薬品性を向上さ
せるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い相溶
化剤を適宜用いることができる。相溶化剤としては、例
えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性ポリプ
ロピレン(マレイン酸変性PP)、PA−PPS系やP
A−PPE系に対しては、エポキシ変性ポリスチレン
(エポキシ変性PS)−ポリメチルメタクリレート(P
MMA)共重合体などを挙げることができる。
樹脂とブレンド樹脂との相溶性を向上させて分散性を高
め、強度などの機械特性や、吸水性、耐薬品性を向上さ
せるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い相溶
化剤を適宜用いることができる。相溶化剤としては、例
えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性ポリプ
ロピレン(マレイン酸変性PP)、PA−PPS系やP
A−PPE系に対しては、エポキシ変性ポリスチレン
(エポキシ変性PS)−ポリメチルメタクリレート(P
MMA)共重合体などを挙げることができる。
【0023】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とのブレンドしたアロイ系樹脂は、上述し
たように、樹脂成分として他のポリアミド樹脂を単独で
使用した成形品に比べて優れた寸法安定性を有する。こ
の点について比較した参考例を下記表に示す。下記表1
に示された吸水率と寸法変化は、50℃−95%RH環
境下の高温高湿槽に24時間放置前後の差を測定したも
ので、ポリアミド樹脂に吸水率の低い樹脂をブレンドす
ることで、成形品の高温高湿環境下での吸水率、寸法変
化が飛躍的に改善されることが認められる。
%以下の樹脂とのブレンドしたアロイ系樹脂は、上述し
たように、樹脂成分として他のポリアミド樹脂を単独で
使用した成形品に比べて優れた寸法安定性を有する。こ
の点について比較した参考例を下記表に示す。下記表1
に示された吸水率と寸法変化は、50℃−95%RH環
境下の高温高湿槽に24時間放置前後の差を測定したも
ので、ポリアミド樹脂に吸水率の低い樹脂をブレンドす
ることで、成形品の高温高湿環境下での吸水率、寸法変
化が飛躍的に改善されることが認められる。
【0024】
【表1】
【0025】また、本発明では、上記曲げ弾性率を達成
するため複数の樹脂を混合してもよく、上記ナイロンM
XD6、ナイロン6、ポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれ
る少なくとも1種と他の樹脂とを混合して用いてもよ
い。この場合、他の樹脂としては、特に制限されるもの
ではないが、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの他のポ
リアミド樹脂を用いることが好ましい。これら他の樹脂
を混合する場合、その混合割合は、特に制限されるもの
ではないが、組成物を構成する樹脂成分中の他のポリア
ミド樹脂に対して少なくとも30〜100質量%、特に
40〜100質量%が上記ナイロンMXD6、ナイロン
6及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂と
をブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1
種又はこれらの混合物となるようにすることが好まし
い。
するため複数の樹脂を混合してもよく、上記ナイロンM
XD6、ナイロン6、ポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれ
る少なくとも1種と他の樹脂とを混合して用いてもよ
い。この場合、他の樹脂としては、特に制限されるもの
ではないが、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン4
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、
ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの他のポ
リアミド樹脂を用いることが好ましい。これら他の樹脂
を混合する場合、その混合割合は、特に制限されるもの
ではないが、組成物を構成する樹脂成分中の他のポリア
ミド樹脂に対して少なくとも30〜100質量%、特に
40〜100質量%が上記ナイロンMXD6、ナイロン
6及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂と
をブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1
種又はこれらの混合物となるようにすることが好まし
い。
【0026】また、上記導電性樹脂組成物中に配合され
る導電剤としては、上記樹脂中に均一に分散させること
が可能なものであればいずれのものでもよく、例えばカ
ーボンブラック、グラファイト、アルミニウム,銅,ニ
ッケル等の金属粉、導電性ガラス粉などが挙げられる
が、特にカーボンブラックを用いることが好ましい。導
電剤の添加量は、特に制限されるものではないが、組成
物の5〜30質量%、特に5〜20質量%とすることが
好ましく、円筒状基体の表面抵抗値は106Ω/□(オ
ーム/スクエア)以下、特に105Ω/□以下、好まし
くは104Ω/□以下であることが推奨される。
る導電剤としては、上記樹脂中に均一に分散させること
が可能なものであればいずれのものでもよく、例えばカ
ーボンブラック、グラファイト、アルミニウム,銅,ニ
ッケル等の金属粉、導電性ガラス粉などが挙げられる
が、特にカーボンブラックを用いることが好ましい。導
電剤の添加量は、特に制限されるものではないが、組成
物の5〜30質量%、特に5〜20質量%とすることが
好ましく、円筒状基体の表面抵抗値は106Ω/□(オ
ーム/スクエア)以下、特に105Ω/□以下、好まし
くは104Ω/□以下であることが推奨される。
【0027】更に、上記導電性樹脂組成物中には、補強
や増量の目的で、各種繊維等の無機充填材を配合するこ
とができる。この無機充填材としては、カーボン繊維,
導電性ウィスカー,導電性ガラス繊維等の導電性繊維や
ウィスカー,ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いる
ことができる。この場合、上記導電性繊維は、導電剤と
しても作用することができ、導電性繊維を用いることに
より、上記導電剤の使用量を減らすことができる。
や増量の目的で、各種繊維等の無機充填材を配合するこ
とができる。この無機充填材としては、カーボン繊維,
導電性ウィスカー,導電性ガラス繊維等の導電性繊維や
ウィスカー,ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いる
ことができる。この場合、上記導電性繊維は、導電剤と
しても作用することができ、導電性繊維を用いることに
より、上記導電剤の使用量を減らすことができる。
【0028】これら充填材の配合量は、用いる充填材の
種類や繊維の長さ,径などに応じて適宜選定され、特に
制限されるものではないが、通常は組成物の1〜30質
量%、より好ましくは5〜25質量%、更に好ましくは
10〜25質量%とすることが好ましい。この場合、こ
のような充填材の添加により、表面平滑性を低下させる
ことなく成形物の強度や剛性を効果的に向上させること
ができる。
種類や繊維の長さ,径などに応じて適宜選定され、特に
制限されるものではないが、通常は組成物の1〜30質
量%、より好ましくは5〜25質量%、更に好ましくは
10〜25質量%とすることが好ましい。この場合、こ
のような充填材の添加により、表面平滑性を低下させる
ことなく成形物の強度や剛性を効果的に向上させること
ができる。
【0029】なお、本発明に用いられる導電性樹脂組成
物には、必要に応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、
二硫化モリブデン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知
の添加剤を適量添加することができる。また、通常用い
られるシランカップリング剤やチタネートカップリング
剤などを用いて、上記導電剤や充填材に表面処理を施し
てもよい。
物には、必要に応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリコーン、
二硫化モリブデン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知
の添加剤を適量添加することができる。また、通常用い
られるシランカップリング剤やチタネートカップリング
剤などを用いて、上記導電剤や充填材に表面処理を施し
てもよい。
【0030】本発明の感光ドラムは、上記導電性樹脂組
成物により円筒状基体を形成したものであり、この場合
かかる導電性樹脂組成物により円筒状基体を成形する成
形法は、特に制限されず、射出成形法や押出成形法など
の公知の方法とすることができるが、通常は射出成形法
が好ましく採用される。この場合、成形温度や射出圧力
などの成形条件は、用いる材料などに応じた通常の条件
とすることができる。
成物により円筒状基体を形成したものであり、この場合
かかる導電性樹脂組成物により円筒状基体を成形する成
形法は、特に制限されず、射出成形法や押出成形法など
の公知の方法とすることができるが、通常は射出成形法
が好ましく採用される。この場合、成形温度や射出圧力
などの成形条件は、用いる材料などに応じた通常の条件
とすることができる。
【0031】本発明の感光ドラムは、その円筒状基体の
曲げ弾性率を7×103MPa以上、好ましくは8×1
03MPa以上としたものであり、これにより円筒状基
体外周面に感光層を塗工形成する際の加熱乾燥時に外径
や真直度が変化してしまうことを可及的に防止して、得
られる感光ドラムの寸法精度を向上させることができる
ものである。この場合、上記曲げ弾性率が低すぎると、
感光層の塗工形成時に行われる加熱乾燥操作により外径
や真直度が大きく変化し、得られる感光ドラムの寸法精
度が低下して良好な印字性能を有する感光ドラムが得ら
れず、本発明の目的を達成し得ない。なお、曲げ弾性率
は高ければ高いほど加熱による寸法精度の低下を抑制す
ることができるが、樹脂の性質等を考慮した場合、通常
7×10 3〜20×103MPa、特に8×103〜14
×103MPaであることが好ましい。
曲げ弾性率を7×103MPa以上、好ましくは8×1
03MPa以上としたものであり、これにより円筒状基
体外周面に感光層を塗工形成する際の加熱乾燥時に外径
や真直度が変化してしまうことを可及的に防止して、得
られる感光ドラムの寸法精度を向上させることができる
ものである。この場合、上記曲げ弾性率が低すぎると、
感光層の塗工形成時に行われる加熱乾燥操作により外径
や真直度が大きく変化し、得られる感光ドラムの寸法精
度が低下して良好な印字性能を有する感光ドラムが得ら
れず、本発明の目的を達成し得ない。なお、曲げ弾性率
は高ければ高いほど加熱による寸法精度の低下を抑制す
ることができるが、樹脂の性質等を考慮した場合、通常
7×10 3〜20×103MPa、特に8×103〜14
×103MPaであることが好ましい。
【0032】ここで、上記曲げ弾性率は、上記導電性樹
脂組成物の組成を調整することにより行うことができ、
具体的には用いる樹脂成分の種類や補強用充填材及び導
電剤を選択することや、これらの混合割合を調整するこ
とにより行うことができる。
脂組成物の組成を調整することにより行うことができ、
具体的には用いる樹脂成分の種類や補強用充填材及び導
電剤を選択することや、これらの混合割合を調整するこ
とにより行うことができる。
【0033】この導電性樹脂組成物からなる円筒状基体
の外周面は、特に制限されるものではないが、その表面
粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.8μm以下、特に
0.2μm以下、最大高さ(Rmax)で0.8μm以
下、10点平均粗さ(Rz)で1.6μm以下、特に
0.8μm以下とすることが好ましく、(Ra)、(R
max)、(Rz)が大きすぎると、円筒状基体表面の
凹凸が感光層上に現れて、これが画像不良の原因となる
場合がある。なお、導電性樹脂組成物の樹脂成分として
上記メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られ
るポリアミド樹脂、ε−カプロラクタムから得られるポ
リアミド樹脂及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以
下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少
なくとも1種を用いることにより、補強用の無機充填材
を添加した場合でも、このような表面粗さを容易に達成
することができる。
の外周面は、特に制限されるものではないが、その表面
粗さを中心線平均粗さ(Ra)で0.8μm以下、特に
0.2μm以下、最大高さ(Rmax)で0.8μm以
下、10点平均粗さ(Rz)で1.6μm以下、特に
0.8μm以下とすることが好ましく、(Ra)、(R
max)、(Rz)が大きすぎると、円筒状基体表面の
凹凸が感光層上に現れて、これが画像不良の原因となる
場合がある。なお、導電性樹脂組成物の樹脂成分として
上記メタキシリレンジアミンとアジピン酸とから得られ
るポリアミド樹脂、ε−カプロラクタムから得られるポ
リアミド樹脂及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以
下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少
なくとも1種を用いることにより、補強用の無機充填材
を添加した場合でも、このような表面粗さを容易に達成
することができる。
【0034】本発明の感光ドラムを構成する円筒状基体
は、上記導電性樹脂組成物からなる曲げ弾性率を有する
樹脂パイプであり、通常は図1に示されているように両
端面に別体に形成したフランジ2a,2bを嵌合固定す
るものであるが、フランジ2a,2bの少なくとも一方
を上記本発明の導電性樹脂組成物により、円筒状基体1
と一体に成形することもできる。また、上記補強用の無
機充填材を添加することにより、強度,剛性に優れた基
体となるので、駆動用ギア6がフランジに一体に成形さ
れたフランジを嵌合固定することもできる。
は、上記導電性樹脂組成物からなる曲げ弾性率を有する
樹脂パイプであり、通常は図1に示されているように両
端面に別体に形成したフランジ2a,2bを嵌合固定す
るものであるが、フランジ2a,2bの少なくとも一方
を上記本発明の導電性樹脂組成物により、円筒状基体1
と一体に成形することもできる。また、上記補強用の無
機充填材を添加することにより、強度,剛性に優れた基
体となるので、駆動用ギア6がフランジに一体に成形さ
れたフランジを嵌合固定することもできる。
【0035】本発明の感光ドラムは、図1に示すよう
に、上記曲げ弾性率を有する円筒状基体1の外周面に感
光層3を形成したものとすることができる。ここで、感
光層は、感光剤、バインダー成分をアルコールやクロロ
ホルム、トルエンなどの有機溶媒に溶解した塗液を円筒
状基体の外周面に塗工し、加熱乾燥することにより形成
できる。本発明の感光ドラムは、円筒状基体の曲げ弾性
率が適正化されているので、上記加熱乾燥時に高温に晒
されても外径や真直度の変化による寸法精度の低下が抑
制され、良好な寸法精度を保ったまま感光層を形成でき
るので、寸法精度に非常に優れたものである。本発明に
用いられる上記円筒状基体は、射出成形時における冷却
硬化時の収縮が抑制されたもので、この点からも良好な
寸法精度が確保される。感光層を形成するための上記塗
液は、公知の組成の塗液とすることができ、また形成す
る感光層の層構成も公知の構成とすることができる。
に、上記曲げ弾性率を有する円筒状基体1の外周面に感
光層3を形成したものとすることができる。ここで、感
光層は、感光剤、バインダー成分をアルコールやクロロ
ホルム、トルエンなどの有機溶媒に溶解した塗液を円筒
状基体の外周面に塗工し、加熱乾燥することにより形成
できる。本発明の感光ドラムは、円筒状基体の曲げ弾性
率が適正化されているので、上記加熱乾燥時に高温に晒
されても外径や真直度の変化による寸法精度の低下が抑
制され、良好な寸法精度を保ったまま感光層を形成でき
るので、寸法精度に非常に優れたものである。本発明に
用いられる上記円筒状基体は、射出成形時における冷却
硬化時の収縮が抑制されたもので、この点からも良好な
寸法精度が確保される。感光層を形成するための上記塗
液は、公知の組成の塗液とすることができ、また形成す
る感光層の層構成も公知の構成とすることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明の感光ドラムは、円筒状基体を形
成する導電性樹脂組成物の曲げ弾性率が適正化されてい
ることにより、感光層を塗工形成する際の加熱乾燥等の
高熱環境下における寸法安定性に優れ、外径や真直度に
変化を生じることなく良好な寸法精度を維持することが
できるものである。
成する導電性樹脂組成物の曲げ弾性率が適正化されてい
ることにより、感光層を塗工形成する際の加熱乾燥等の
高熱環境下における寸法安定性に優れ、外径や真直度に
変化を生じることなく良好な寸法精度を維持することが
できるものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0038】〔実施例1,2、比較例1〜3〕表2に示
す組成の導電性樹脂組成物を常法に従って調製し、外径
30mm,長さ275mm,周壁の厚さ2mmの感光ド
ラム用円筒状基体を射出成形法により成形した。なお、
いずれも同一の金型を用い、同一の成形条件で成形を行
った。また、上記導電性樹脂組成物の調製に用いた材料
は下記の通りである。一方、同様の樹脂材料を用いてテ
ストピースを成形し、ASTM D−790に従って曲
げ弾性率を測定した。結果を表2に示す。
す組成の導電性樹脂組成物を常法に従って調製し、外径
30mm,長さ275mm,周壁の厚さ2mmの感光ド
ラム用円筒状基体を射出成形法により成形した。なお、
いずれも同一の金型を用い、同一の成形条件で成形を行
った。また、上記導電性樹脂組成物の調製に用いた材料
は下記の通りである。一方、同様の樹脂材料を用いてテ
ストピースを成形し、ASTM D−790に従って曲
げ弾性率を測定した。結果を表2に示す。
【0039】導電性樹脂組成物組成 PA66:三菱エンプラ製「ノバミッド」 PA6:宇部興産製「UBEナイロン」 PAMXD6:三菱エンプラ製「レニー」 C/B:ライオン製「ケッチェンブラック」 ウィスカ:チタン酸カリウムウィスカ繊維(大塚化学製
「デントール」) 得られた円筒状基体を120℃の加熱下に60分間放置
し、放冷後両端部(一方をA側、他方をB側とする)の
外径、及び基体の全長に亘る真直度を測定した。結果を
表2に示す。なお、真直度とは、JIS B0021に
定義されているように、幾何学的な公差を表す尺度であ
り、その測定は下記の通り行った。
「デントール」) 得られた円筒状基体を120℃の加熱下に60分間放置
し、放冷後両端部(一方をA側、他方をB側とする)の
外径、及び基体の全長に亘る真直度を測定した。結果を
表2に示す。なお、真直度とは、JIS B0021に
定義されているように、幾何学的な公差を表す尺度であ
り、その測定は下記の通り行った。
【0040】真直度の測定 高い直線精度をもった基準エッジに対して、円筒状基体
をほぼ平行に配置し、該基準エッジと円筒状基体表面と
の間隔をレーザー検出機と発信器を用いて長さ方向に測
定し、得られたデータをプロットしてグラフを作成しそ
の両端に接する基準線を引いて該基準線からの最大差を
真直度とした。
をほぼ平行に配置し、該基準エッジと円筒状基体表面と
の間隔をレーザー検出機と発信器を用いて長さ方向に測
定し、得られたデータをプロットしてグラフを作成しそ
の両端に接する基準線を引いて該基準線からの最大差を
真直度とした。
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果より、導電性樹脂組成物からな
る曲げ弾性率が適正化された円筒状基体は、120℃,
60分の条件で加熱しても外径や真直度の変化が非常に
少なく、良好な寸法精度を維持し得、この円筒状基体の
外周面に感光層を形成して感光ドラムを得る場合にも、
感光層の塗工形成時に行われる加熱乾燥操作によって寸
法精度が大きく低下することなく、良好な寸法精度を有
する感光ドラムになることが確認された。
る曲げ弾性率が適正化された円筒状基体は、120℃,
60分の条件で加熱しても外径や真直度の変化が非常に
少なく、良好な寸法精度を維持し得、この円筒状基体の
外周面に感光層を形成して感光ドラムを得る場合にも、
感光層の塗工形成時に行われる加熱乾燥操作によって寸
法精度が大きく低下することなく、良好な寸法精度を有
する感光ドラムになることが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光ドラムの一例を示す概略断面図である。
1 円筒状基体 2a,2b フランジ 3 感光層 4 支持軸 5 軸孔 6 駆動用ギア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/12 C08L 101/12 G03G 5/10 G03G 5/10 A
Claims (6)
- 【請求項1】 円筒状基体の外周面に感光剤を含有する
塗液を塗工し乾燥させて感光層を形成してなる感光ドラ
ムにおいて、上記円筒状基体として、導電性樹脂組成物
からなる曲げ弾性率が7×103MPa以上の導電性樹
脂パイプを用いたことを特徴とする感光ドラム。 - 【請求項2】 上記導電性樹脂組成物が、メタキシリレ
ンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹
脂、ε−カプロラクタムから得られるポリアミド樹脂及
びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブ
レンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を
樹脂成分として含有するものである請求項1記載の感光
ドラム。 - 【請求項3】 上記導電性樹脂組成物が、導電剤として
カーボンブラックを含有するものである請求項1又は2
記載の感光ドラム。 - 【請求項4】 カーボンブラックの含有量が5〜30質
量%である請求項3記載の感光ドラム。 - 【請求項5】 上記導電性樹脂組成物が、補強用無機充
填材を混合分散したものである請求項1〜4のいずれか
1項に記載の感光ドラム。 - 【請求項6】 上記補強用無機充填材の含有量が1〜3
0質量%である請求項5記載の感光ドラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000395739A JP2001249577A (ja) | 1999-12-27 | 2000-12-26 | 感光ドラム |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36978299 | 1999-12-27 | ||
JP11-369782 | 1999-12-27 | ||
JP2000395739A JP2001249577A (ja) | 1999-12-27 | 2000-12-26 | 感光ドラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001249577A true JP2001249577A (ja) | 2001-09-14 |
Family
ID=26582150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000395739A Pending JP2001249577A (ja) | 1999-12-27 | 2000-12-26 | 感光ドラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001249577A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100403603B1 (ko) * | 2002-02-26 | 2003-10-30 | 삼성전자주식회사 | 화상형성장치용 감광드럼 구조체 |
-
2000
- 2000-12-26 JP JP2000395739A patent/JP2001249577A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100403603B1 (ko) * | 2002-02-26 | 2003-10-30 | 삼성전자주식회사 | 화상형성장치용 감광드럼 구조체 |
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