JP2001254872A - 樹脂パイプ及び感光ドラム - Google Patents

樹脂パイプ及び感光ドラム

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JP2001254872A
JP2001254872A JP2000395704A JP2000395704A JP2001254872A JP 2001254872 A JP2001254872 A JP 2001254872A JP 2000395704 A JP2000395704 A JP 2000395704A JP 2000395704 A JP2000395704 A JP 2000395704A JP 2001254872 A JP2001254872 A JP 2001254872A
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photosensitive drum
resin pipe
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pipe
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Munenori Iizuka
宗紀 飯塚
Kunio Machida
邦郎 町田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子
写真装置に用いられる感光ドラムの円筒状基体として好
適用いられる樹脂パイプに関し、更に詳述すると、射出
成形法により成形した際の硬化時に生じる収縮を抑制し
て、優れた寸法制度を達成することができる樹脂パイプ
及び該樹脂パイプを円筒状基体として具備してなる感光
ドラムを得ることを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
する樹脂組成物を射出成形して得られた樹脂パイプにお
いて、上記熱可塑性樹脂又は上記樹脂組成物を構成する
基材樹脂として、線膨張係数が1.0×10-4/K以下
の樹脂を用いたことを特徴とする樹脂パイプ及び該樹脂
パイプを円筒状基体として具備してなる感光ドラムを提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真装置に用いられる感光ド
ラムの円筒状基体として好適な樹脂パイプ及び該樹脂パ
イプを具備してなる感光ドラムに関し、更に詳述する
と、射出成形法により成形した際の硬化時に生じる成形
物の収縮が抑制され、優れた寸法精度を有する樹脂パイ
プ及び該樹脂パイプを具備してなる感光ドラムに関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写
機、ファクシミリ、プリンター等における静電記録プロ
セスでは、まず、感光ドラムの表面を一様に帯電させ、
この感光ドラム表面に光学系から映像を投射して光の当
たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形
成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナー
の静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙,OH
P,印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリ
ントする方法が採られている。
【0003】このような静電記録プロセスに用いられる
感光ドラムとしては、図1に示した構造のものが一般に
用いられている。
【0004】即ち、良導電性を有する円筒状基体1の両
端にフランジ2a,2bを嵌合固定すると共に、該円筒
状基体1の外周面に感光層3を形成したものが一般に用
いられており、通常、この感光ドラムは、図1に示され
ているように、電子写真装置の本体aに設けられた支持
軸4,4が両フランジ2a,2bに設けられた軸孔5,
5に挿入されて回転自在に支持され、一方のフランジ2
bに形成された駆動用ギア6にモータ等の駆動源と連結
されたギア7を歯合させ、回転駆動されるようになって
いる。
【0005】この場合、上記円筒状基体1を形成する材
料としては、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良
好な導電性を有することから、アルミニウム合金が従来
から用いられている。
【0006】しかしながら、アルミニウム合金からなる
円筒状基体は、厳しい寸法精度に対する要求や所定の表
面粗さを満足するために、個々に高精度の機械加工を施
す必要があり、また両端に上記フランジ2a,2bを嵌
合固定させるための加工を施す必要もあり、更に場合に
よっては表面の酸化などを防止するための加工を要する
場合もある。このため、製造工数が多くなって製造コス
トが高くなるという問題を有しており、アルミニウム合
金は、感光ドラムを構成する円筒状基体用の材料として
必ずしも満足し得るものではない。
【0007】一方、熱可塑性樹脂にカーボンブラック等
の導電剤を混合分散した導電性樹脂組成物を射出成形し
て導電性樹脂からなる円筒状基体を得、かかる導電性樹
脂製の基体外周面に感光層を塗工して感光ドラムを得る
ことも行われている。
【0008】この樹脂製の基体を用いた感光ドラムによ
れば、上述したアルミニウム合金製の基体を用いる場合
に必要であった多くの加工工程を省略することができ、
また感光ドラムの軽量化を図ることができる。
【0009】しかしながら、射出成形により得られた樹
脂成形物は、成形時に樹脂が冷却硬化する際に樹脂が収
縮することが知られており、これが得られる樹脂製円筒
状基体の寸法精度を低下させる原因の1つとなってい
る。
【0010】この場合、射出成形により得られた樹脂パ
イプは、樹脂の収縮が大きいものほど、長さ方向の僅か
な冷却速度の差によっても収縮差が顕著に生じ、これが
パイプの外径差や真直度の低下を招き寸法精度を低下さ
せる原因になっている。寸法精度の低下は、当該樹脂パ
イプを感光ドラム用基体として使用した場合、帯電ロー
ラなどの他の部材とのギャップが長さ方向で不均一とな
り、感光ドラムの画像特性に悪影響を及ぼしている。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、射出成形を行った際の冷却固化時に生じる収縮を可
及的に減少させることができ、外径差や真直度に優れた
寸法精度の高い樹脂パイプ及び上記寸法精度の高い樹脂
パイプを具備した感光ドラムを提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材とする樹脂組
成物を射出成形して得られた樹脂パイプを得る場合に、
上記熱可塑性樹脂又は上記樹脂組成物を構成する基材樹
脂として、線膨張係数が1.0×10-4/K以下の樹脂
を用いることによって、射出成形の際の冷却固化による
樹脂の収縮を効果的に抑制して、かかる収縮による樹脂
パイプの外径差や真直度の低下を可及的に防止し得、感
光ドラム用基体等の高度な寸法精度が要求される用途に
も十分適用し得る優れた寸法精度を有する樹脂パイプが
得られることを知見した。
【0013】また、本発明者は、円筒状基体の外周面に
感光層を塗工形成してなる感光ドラムにおいて、上記円
筒状基体として、上記線膨張係数が1.0×10-4/K
以下の樹脂パイプを具備した感光ドラムが、寸法精度が
非常に高く、他の構成部材との取付けに精度良く対応し
得、高品質の感光ドラムになることを知見し、本発明を
なすに至ったものである。
【0014】従って、本発明は、熱可塑性樹脂又は熱可
塑性樹脂を基材とする樹脂組成物を射出成形して得られ
た樹脂パイプにおいて、上記熱可塑性樹脂又は上記樹脂
組成物を構成する基材樹脂として、線膨張係数が1.0
×10-4/K以下の樹脂を用いたことを特徴とする樹脂
パイプを提供する。
【0015】また、本発明は、円筒状基体の外周面に感
光層を形成してなる感光ドラムにおいて、上記樹脂パイ
プを円筒状基体として具備してなることを特徴とする感
光ドラムを提供する。
【0016】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の樹脂パイプは、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂
を基材とする樹脂組成物を射出成形したものであり、い
ずれの場合も、上記熱可塑性樹脂として線膨張係数が
1.0×10-4/K以下の樹脂を基材樹脂として用いた
ものであることが必要である。
【0017】この場合、上記熱可塑性樹脂は、1.0×
10-4/K以下の線膨張係数を達成し得、かつ射出成形
法によりパイプ状に成形し得るものであればいずれのも
のでもよく、製造する樹脂パイプの用途等に応じて適宜
選択し得るが、特に感光ドラム用基体として用いられる
樹脂パイプを得る場合には、感光層を形成するのに良好
な表面平滑性を有し、かつ機械的強度に優れた樹脂パイ
プが得られることから、各種ナイロン等のポリアミド樹
脂が好ましく用いられる。本発明の線膨張係数を達成す
るために、ポリアミド樹脂としてメタキシリレンジアミ
ンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、ε−カ
プロラクタムから得られるポリアミド樹脂、ポリアミド
樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドしたア
ロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を使用すること
が推奨される。
【0018】ここで、上記メタキシリレンジアミンとア
ジピン酸との重縮合反応によって製造されるポリアミド
樹脂は一般にナイロンMXD6と呼ばれるものであり、
また、ε−カプロラクタムを開環重合反応することによ
って得られるポリアミド樹脂は一般にナイロン6と称さ
れるものである。
【0019】また、本発明のポリアミド樹脂と吸水率が
0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、
以下の理由から好適に使用することができる。
【0020】即ち、これまでにポリアミド樹脂をベース
とした導電性樹脂で円筒状基体を形成することが提案さ
れているが、これらポリアミド樹脂(PA)は、PA6
6やPA6などのように吸水性が高く、吸水率(AST
M−D570に準拠)としては、PA66が約0.6〜
3%、PA6が約0.7〜1.8%と他の樹脂に比べて
比較的高くなっている。このため製品の寸法精度保持の
面で問題が生じる場合があり、30℃〜、90%RH〜
などの高温高湿条件下においては、2〜3時間程度さら
された状態でも、吸水により寸法の膨張が起こる場合が
ある。このため、感光体の機能に影響を与え、結果とし
て画像品質に重大な影響を与える場合がある。
【0021】そこで、本発明においては、ポリアミド樹
脂のように吸水性の高い樹脂に対して、吸水率が0.3
%以下の樹脂をブレンドし、アロイ化したものを基材と
して用いることにより、吸水率を低くし、高温高湿環境
下においても寸法変化の少ない性質を付与することがで
きる。
【0022】上記ブレンドするポリアミド樹脂として
は、公知のものを使用でき、具体的には、ナイロンMX
D6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12、ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの
他のポリアミド樹脂を挙げることができ、特に制限され
るものではない。
【0023】また、上記ポリアミドに対してブレンドす
る吸水率が0.3%以下の樹脂(以下、ブレンド用樹脂
という)としては、PP(ポリプロピレン)、PPE
(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレン
スルフィド)等を挙げることができ、好ましくはPP
S、PPEが、更に好ましくはPPEを挙げることがで
きる。
【0024】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂を得るに
は、上記ブレンド用樹脂をそのブレンド比がPA66な
どのポリアミド樹脂に対して、通常1〜70質量%、好
ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質
量%になるように配合することにより得ることができ
る。
【0025】上記ブレンドに際しては、更にポリアミド
樹脂とブレンド樹脂との相溶性を向上させて分散性を高
め、強度などの機械特性や、吸水性、耐薬品性を向上さ
せるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い相溶
化剤を適宜用いることができる。相溶化剤としては、例
えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性ポリプ
ロピレン(マレイン酸変性PP)、PA−PPS系やP
A−PPE系に対しては、エポキシ変性ポリスチレン
(エポキシ変性PS)−ポリメチルメタクリレート(P
MMA)共重合体などを挙げることができる。
【0026】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とのブレンドしたアロイ系樹脂は、上述し
たように、樹脂成分として他のポリアミド樹脂を単独で
使用した成形品に比べて優れた寸法安定性を有する。こ
の点について比較した参考例を下記表に示す。下記表1
に示された吸水率と寸法変化は、50℃−95%RH環
境下の高温高湿槽に24時間放置前後の差を測定したも
ので、ポリアミド樹脂に吸水率の低い樹脂をブレンドす
ることで、成形品の高温高湿環境下での吸水率、寸法変
化が飛躍的に改善されることが認められる。
【0027】
【表1】
【0028】また、本発明では、複数の樹脂を混合し成
形材料としてもよく、上記ナイロンMXD6、ナイロン
6、ポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とを
ブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種
と他の樹脂とを混合して用いてもよい。この場合、他の
樹脂としては、特に制限されるものではないが、ナイロ
ン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1212、
及びこれらの共重合物などの他のポリアミド樹脂を用い
ることが好ましい。これら他の樹脂を混合する場合、そ
の混合割合は、特に制限されるものではないが、組成物
を構成する樹脂成分中の少なくとも30〜100質量
%、特に40〜100質量%が上記ナイロンMXD6、
ナイロン6、ポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の
樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なく
とも1種又はこれらの混合物となるようにすることが好
ましい。
【0029】また、樹脂パイプを感光ドラム等の導電性
が要求される用途に用いる場合には、上記熱可塑性樹脂
に導電剤を添加して導電性を付与できる。
【0030】この場合、導電剤としては、上記樹脂中に
均一に分散させることが可能なものであればいずれのも
のでもよく、例えばカーボンブラック、グラファイト、
アルミニウム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス
粉などが挙げられるが、特にカーボンブラックを用いる
ことが好ましい。導電剤の添加量は、特に制限されるも
のではないが、感光ドラム用基体とする場合には、組成
物の5〜30質量%、特に5〜20質量%とすることが
好ましく、樹脂パイプの表面抵抗値が106Ω/□(オ
ーム/スクエア)以下、特に105Ω/□以下、好まし
くは104Ω/□以下であることが推奨される。
【0031】更に、上記熱可塑性樹脂組成物には、補強
や増量の目的で、各種繊維等の無機充填材を配合するこ
とができる。この無機充填材としては、カーボン繊維,
導電性ウィスカー,導電性ガラス繊維等の導電性繊維や
ウィスカー,ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いる
ことができる。この場合、上記導電性繊維は、導電剤と
しても作用することができ、導電性繊維を用いることに
より、上記導電剤の使用量を減らすことができる。
【0032】これら充填材の配合量は、樹脂パイプに求
められる強度、用いる充填材の種類や繊維の長さ,径な
どに応じて適宜選定され、特に制限されるものではない
が、通常は組成物の1〜30質量%、より好ましくは5
〜25質量%、更に好ましくは10〜25質量%とする
ことが好ましい。この場合、このような充填材の添加に
より、表面平滑性を低下させることなく成形物の強度や
剛性を効果的に向上させることができる。
【0033】なお、成形材料の熱可塑性樹脂には、必要
に応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、シリコーン、二硫化モリブ
デン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知の添加剤を適
量添加することができる。また、通常用いられるシラン
カップリング剤やチタネートカップリング剤などを用い
て、導電剤や充填材に表面処理を施してもよい。
【0034】本発明の樹脂パイプは、上記熱可塑性樹脂
又は熱可塑性樹脂組成物を射出成形したものであり、感
光ドラム用基体として好適に使用できるものである。こ
の場合、成形温度や射出圧力などの成形条件は、用いる
成形材料などに応じた通常の条件とすることができる。
【0035】この場合、本発明の樹脂パイプは、成形材
料として用いられる熱可塑性樹脂又は樹脂組成物の基材
樹脂として線膨張係数が1.0×10-4/K以下、好ま
しくは8.0×10-5/K以下としたものであり、これ
により射出成形の際の冷却固化時に生じる収縮を可及的
に抑制して、外径差の少ない真直度に優れた高寸法精度
の樹脂パイプである。この場合、上記線膨張係数は小さ
ければ小さいほど寸法精度の点では好ましいが、樹脂の
性質や得られる樹脂パイプの強度などの点から、通常は
5.0×10-5〜15×10-5/K、特に5.0×10
-5〜9×10-5/Kとされる。なお、線膨張係数は、A
STM D−696の規定に従って測定することができ
る。
【0036】ここで、上記線膨張係数の調整は、用いる
熱可塑性樹脂の種類を選択することにより行われるが、
2種以上の樹脂を混合して用いる場合には、その組み合
わせや配合割合を調節する。
【0037】本発明の樹脂パイプは、感光ドラム用基体
等の高寸法精度が要求される用途に好適に用いられるも
のである。
【0038】この場合、図1の感光ドラムでは、円筒状
基体1の両端面に別体に形成したフランジ2a,2bを
嵌着固定しているが、フランジ2a,2bの少なくとも
一方を上記本発明の樹脂パイプからなる円筒状基体1と
一体に成形することもできる。また、上記補強用の無機
充填材を添加することにより、強度,剛性に優れた成形
物を得ることができるので、フランジと共に、駆動用ギ
ア6を一体に成形することもできる。
【0039】また、本発明の樹脂パイプを感光ドラム用
基体とする場合、その外周面は、その表面粗さを中心線
平均粗さRaで0.8μm以下、特に0.2μm以下、
最大高さRmaxで1.6μm以下、特に0.8μm以
下、10点平均粗さRzで1.6μm以下、特に0.8
μm以下とすることが好ましく、これらRa,Rma
x,Rzが大きすぎると、円筒状基体1表面の凹凸が感
光層3上に現れて、これが画像不良の原因となる場合が
ある。なお、成形材料として上記メタキシリレンジアミ
ンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、ε−カ
プロラクタムから得られるポリアミド樹脂、ポリアミド
樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドしたア
ロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を用いることに
より、補強用の無機充填材を添加した場合でも、このよ
うな表面粗さを容易に達成することができるものであ
る。
【0040】この樹脂パイプからなる基体1の外周面に
感光層3を形成することにより、感光ドラムが構成され
るが、この場合、感光層3は、公知の材料,組成により
形成することができ、またその層の構成も公知の構成と
することができる。
【0041】本発明の樹脂パイプは、高い寸法精度が要
求される感光ドラムの基体として好適に用いることがで
きるものであるが、用途はこれに限定されるものではな
い。
【0042】本発明の感光ドラムは、上記本発明の樹脂
パイプを円筒状基体として具備してなるもので、図1に
示すように、円筒状基体1の外周面に感光層を形成して
使用することができる。ここで、感光層は、感光剤、バ
インダー成分をアルコールやクロロホルム、トルエンな
どの有機溶媒に溶解した塗液を円筒状基体の外周面に塗
工し、加熱乾燥することにより形成される。このとき、
本発明の感光ドラムでは、円筒状基体の寸法精度が極め
て高いため、画像特性に優れた高性能な感光ドラムにな
るものである。なお、感光層を形成するための上記塗液
は、公知の組成の塗液とすることができ、また形成する
感光層の層の構成も公知の構成とすることができる。
【0043】
【発明の効果】本発明の樹脂パイプは、射出成形の際の
冷却固化時に生じる収縮を可及的に抑制して外径差や真
直度などの低下を招くことなく、高い寸法精度を達成す
ることができ、本発明の感光ドラムによれば、上記樹脂
パイプを円筒状基体として具備し、取付け等における優
れた寸法精度を有するものである。
【0044】
【実施例】以下、実施例,比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるもの
ではない。
【0045】〔実施例1,2,比較例1〜3〕表2に示
す組成の導電性樹脂組成物を常法に従って調製し、外径
30mm,長さ230mm,周壁の厚さ2mmの樹脂パ
イプを射出成形法により成形した。なお、いずれも同一
の金型を用い、同一の成形条件で成形を行った。また、
上記導電性樹脂組成物の調製に用いた材料は下記の通り
である。一方、各樹脂組成物中からウィスカ及びC/B
を除いた基材樹脂のみを射出成形してテストピースを作
成し、ASTM D−696の規定に従って、線膨張係
数を測定した。結果を表2に示す。
【0046】導電性樹脂組成物組成 PA66:三菱エンプラ製「ノバミッド」 PA6:宇部興産製「UBEナイロン」 PAMXD6:三菱エンプラ製「レニー」 C/B:ライオン製「ケッチェンブラック」 ウィスカ:チタン酸カリウムウィスカ繊維(大塚化学製
「デントール」) 得られた樹脂パイプにつき、両端部(一方をA側、他方
をB側とする)の外径、及び基体の全長に亘る真直度を
測定した。結果を表2に示す。なお、真直度とは、JI
S B0021に定義されているように、幾何学的な公
差を表す尺度であり、その測定は下記の通り行った。
【0047】真直度の測定 高い直線精度をもった基準エッジに対して、円筒状基体
をほぼ平行に配置し、該基準エッジと円筒状基体表面と
の間隔をレーザー検出機と発信器を用いて長さ方向に測
定し、得られたデータをプロットしてグラフを作成しそ
の両端に接する基準線を引いて該基準線からの最大差を
真直度とした。
【0048】
【表2】
【0049】表2の結果より、本発明の線膨張係数を有
する樹脂を基材とした樹脂組成物にて製造された樹脂パ
イプは、射出成形の際の冷却固化時に生じる収縮が効果
的に抑制され、外径差や真直度などの低下が非常に少な
く、寸法精度に優れるものであることが確認された。従
って、この樹脂パイプを円筒状基体として用いた感光ド
ラムは、寸法精度に優れた高性能な感光ドラム用基体と
なり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光ドラムの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 円筒状基体(樹脂パイプ) 2a,2b フランジ 3 感光層 4 支持軸 5 軸孔 6 駆動用ギア
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 A E G03G 5/10 G03G 5/10 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
    する樹脂組成物を射出成形して得られた樹脂パイプにお
    いて、上記熱可塑性樹脂又は上記樹脂組成物を構成する
    基材樹脂として、線膨張係数が1.0×10-4/K以下
    の樹脂を用いたことを特徴とする樹脂パイプ。
  2. 【請求項2】 上記基材樹脂が、メタキシリレンジアミ
    ンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、ε−カ
    プロラクタムから得られるポリアミド樹脂及びポリアミ
    ド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドした
    アロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含む請求項
    1記載の樹脂パイプ。
  3. 【請求項3】 樹脂組成物が導電剤を混合分散してなる
    ものである請求項1又は2記載の樹脂パイプ。
  4. 【請求項4】 導電剤がカーボンブラックである請求項
    3記載の樹脂パイプ。
  5. 【請求項5】 カーボンブラックの含有量が5〜30質
    量%である請求項4記載の樹脂パイプ。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物が補強用無機充填材を混合分
    散してなるものである請求項1〜5のいずれか1項に記
    載の樹脂パイプ。
  7. 【請求項7】 円筒状基体の外周面に感光層を形成して
    なる感光ドラムにおいて、上記円筒状基体が請求項1〜
    6のいずれか1項に記載された樹脂パイプであることを
    特徴とする感光ドラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012127479A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Yamauchi Corp フランジ組立体およびフランジ組立体の製造方法

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