JP2001277310A - 樹脂パイプ、該樹脂パイプの製造方法及び感光ドラム - Google Patents

樹脂パイプ、該樹脂パイプの製造方法及び感光ドラム

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JP2001277310A
JP2001277310A JP2000395963A JP2000395963A JP2001277310A JP 2001277310 A JP2001277310 A JP 2001277310A JP 2000395963 A JP2000395963 A JP 2000395963A JP 2000395963 A JP2000395963 A JP 2000395963A JP 2001277310 A JP2001277310 A JP 2001277310A
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resin pipe
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mold
photosensitive drum
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Munenori Iizuka
宗紀 飯塚
Kunio Machida
邦郎 町田
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Bridgestone Corp
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    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型からの脱型をスムーズに行うことがで
き、効率よく生産し得、感光ドラム用の円筒状基体など
として好適に使用される樹脂パイプを提供することを目
的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
する樹脂組成物をパイプ状に射出成形してなる樹脂パイ
プにおいて、一端外周縁部に外方へと突出する突部11
を一体に成形したことを特徴とする樹脂パイプを提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置や静
電記録装置に用いられる感光ドラムの円筒状基体として
好適に用いられる樹脂パイプ、該樹脂パイプの製造方法
及び感光ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写
機、ファクシミリ、プリンター等における静電記録プロ
セスでは、まず、感光ドラムの表面を一様に帯電させ、
この感光ドラム表面に光学系から映像を投射して光の当
たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形
成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナー
の静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙,OH
P,印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリ
ントする方法が採られている。
【0003】このような静電記録プロセスに用いられる
感光ドラムとしては、図5に示した構造のものが一般に
用いられている。
【0004】即ち、良導電性を有する円筒状基体1の両
端にフランジ2a,2bを嵌合固定すると共に、該円筒
状基体1の外周面に感光層3を形成したものが一般に用
いられており、通常、この感光ドラムは、図5に示され
ているように、電子写真装置の本体aに設けられた支持
軸4,4が両フランジ2a,2bに設けられた軸孔5,
5に挿入されて回転自在に支持され、一方のフランジ2
bに形成された駆動用ギア6にモータ等の駆動源と連結
されたギア7を歯合させ、回転駆動されるようになって
いる。
【0005】この場合、上記円筒状基体1を形成する材
料としては、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良
好な導電性を有することから、アルミニウム合金が従来
から用いられている。
【0006】しかしながら、アルミニウム合金からなる
円筒状基体は、厳しい寸法精度に対する要求や所定の表
面粗さを満足するために、個々に高精度の機械加工を施
す必要があり、また両端に上記フランジ2a,2bを嵌
合固定させるための加工を施す必要もあり、更に場合に
よっては表面の酸化などを防止するための加工を要する
場合もある。このため、製造工数が多くなって製造コス
トが高くなるという問題を有しており、アルミニウム合
金は、感光ドラムを構成する円筒状基体用の材料として
必ずしも満足し得るものではない。
【0007】一方、熱可塑性樹脂にカーボン等の導電剤
を混合分散した導電性樹脂組成物を射出成形した樹脂パ
イプを円筒状基体とし、かかる導電性樹脂パイプの基体
外周面に感光層を塗工して感光ドラムを得ることも行わ
れている。
【0008】この樹脂製の基体を用いた感光ドラムによ
れば、上述したアルミニウム合金製の基体を用いる場合
に必要であった多くの加工工程を省略することができ、
また感光ドラムの軽量化を図ることもできる。
【0009】この樹脂製基体を構成する樹脂パイプは、
通常図4に示した方法により射出成形されて製造され
る。即ち、図4(A)に示されているように、両端が開
放した円柱状キャビティa1を有する第1可動型aの一
端面に、溶融した樹脂を射出注入するゲートb1が設け
られた固定型bを配置接合すると共に、円柱状のコアc
1を有する第2可動型cを、該コアc1を上記円柱状キ
ャビティa1内に挿入した状態で上記第1可動型aの他
端面に配置接合して型組し、上記コアc1の外周面と上
記円柱状キャビティa1の内周面との間に形成された円
筒状のキャビティ内に上記ゲートb1を通して溶融樹脂
を射出注入し樹脂パイプdを成形した後、まず図4
(B)に示されているように、上記第2可動型cを上記
第1可動型aから分離して樹脂パイプdから上記コアc
1を抜去し、次いで図4(C)に示されているように、
上記第1可動型aを上記固定型bから分離して、樹脂パ
イプdを固定型bに保持した状態で脱型する。そして、
図4(D)に示されているように、得られた樹脂パイプ
dをゲート部d1と共に固定型bから取り外し、上記ゲ
ート部d1を切断除去することにより、樹脂パイプdが
得られるものである。
【0010】しかしながら、感光ドラムの円筒状基体と
なる従来の樹脂パイプを上記方法により製造する場合、
上記図4の各工程が必ずしもスムーズに行われない場合
があり、製造効率を大きく低下させる場合がある。
【0011】即ち、周知のように、射出成形による樹脂
成形物は、成形時に樹脂が冷却硬化する際に樹脂に収縮
が生じるが、上記方法により樹脂パイプを製造する場
合、樹脂の収縮によって樹脂パイプdが縮径しようとす
ることにより、上記第2可動型cのコアc1に樹脂パイ
プdが強固に密着し、図4(B)に示された、上記第2
可動型cを第1可動型aから分離する際に、樹脂パイプ
dが上記コアa1と共に第1可動型aから抜去されてし
まうという不都合が生じやすい。この場合、通常このよ
うな樹脂パイプdの成形は自動成形機により連続的に行
われるため、上記不都合が生じると、その都度成形機を
停止して対処しなければならず、製造効率を大きく低下
させることとなる。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、金型からの脱型をスムーズに行うことができ、効率
よく生産し得、感光ドラム用の円筒状基体などとして好
適に使用される樹脂パイプ、該樹脂パイプの製造方法及
び該樹脂パイプを具備してなる感光ドラムを提供するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、下記樹脂パイプ、樹脂パイプの製造方法及
び該樹脂パイプを具備してなる感光ドラムを提供する。 :熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材とする樹脂組
成物をパイプ状に射出成形してなる樹脂パイプにおい
て、一端外周縁部に外方へと突出する突部を一体に成形
したことを特徴とする樹脂パイプ。 :両端が開放した円柱状キャビティを有する第1可動
型の一端面に、溶融した樹脂を射出注入するゲートが設
けられた固定型を配置接合すると共に、円柱状のコアを
有する第2可動型を、該コアを上記円柱状キャビティ内
に挿入した状態で上記第1可動型の他端面に配置接合し
て型組し、上記コアの外周面と上記円柱状キャビティの
内周面との間に形成された円筒状のキャビティ内に上記
ゲートを通して溶融樹脂を射出注入し樹脂パイプを成形
した後、まず上記第2可動型を上記第1可動型から分離
して樹脂パイプから上記コアを抜去し、次いで上記第1
可動型を上記固定型から分離して、樹脂パイプを固定型
に保持した状態で脱型する樹脂パイプの製造方法におい
て、上記第1可動型に設けられた円柱状キャビティの固
定型接合面側端部の内周面に、固定型接合面に開放した
突部成形用凹部を設け、この突部成形用凹部により樹脂
パイプの一端外周縁部に外方へと突出する突部を成形
し、この突部によって、上記第2可動型を第1可動型か
ら分離する際に、樹脂パイプが上記コアと共に第1可動
型から抜去されてしまうことを防止するようにした樹脂
パイプの製造方法。 :円筒状基体の外周面に感光層を塗工形成してなる感
光ドラムにおいて、上記円筒状基体としての樹脂パイ
プを具備してなることを特徴とする感光ドラム。
【0014】本発明の樹脂パイプは、その一端外周縁部
に外方へと突出する突部が一体に形成されたものであ
り、従って、この樹脂パイプを固定型と2つの可動型を
用いて射出成形により得る場合、上記本発明の製造方法
のように、第1可動型に設けられた円柱状キャビティの
固定型接合面側端部の内周面に、固定型接合面に開放し
た突部成形用凹部が設けられ、この突部成形用凹部によ
り上記突部が成形されることになる。そして、この突部
によって、上記第2可動型を第1可動型から分離する際
に、樹脂パイプが上記第2可動型のコアと共に第1可動
型から抜去されてしまうことが確実に防止され、成形材
料の射出注入から脱型までの工程を確実かつスムーズに
行うことができ、生産性よく樹脂パイプを製造すること
ができるものである。
【0015】
【発明の実施の形態及び実施例】以下、本発明につき、
より具体的に説明する。本発明の樹脂パイプは、図1に
示したように、パイプ1の一端外周縁部に外方へと突出
する突部11を一体に形成したものである。
【0016】この場合、上記突部11は、パイプ1の一
端外周縁部に突設された1又は2以上の突起としてもよ
いが、通常は、パイプの一端外周縁部に全周に渡って形
成されたフランジ状の突部とすることが好ましい。ま
た、この突部11の断面形状は、図1(A)〜(E)に
示されているように、三角形状(A)、台形状(B)、
上端が円弧状に膨出した台形状(C)などのテーパ面1
1aを有する突部や、単なる四角形状(D)や半円状
(E)などのテーパ面を有さない突部とすることができ
る。
【0017】本発明の樹脂パイプは、熱可塑性樹脂又は
熱可塑性樹脂を基材とした樹脂組成物を射出成形したも
のである。ここで、本発明に用いられる熱可塑性樹脂と
しては、樹脂パイプの用途や求められる特性などに応じ
て適宜選択され、射出成形法によりパイプ状に成形し得
るものであればいずれのものでもよい。例えば、感光ド
ラム用の円筒状基体として用いられる樹脂パイプである
場合には、特に制限されるものではないが、感光層を形
成するに良好な表面平滑性を有し、かつ耐薬品性及び機
械的強度に優れることから、各種ナイロン等のポリアミ
ド樹脂が好ましく用いられる。中でも、メタキシリレン
ジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、
ε−カプロラクタムから得られるポリアミド樹脂及びポ
リアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレン
ドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を好適
に用いることができる。
【0018】なお、上記メタキシリレンジアミンとアジ
ピン酸との重縮合反応によって製造されるポリアミド樹
脂は一般にナイロンMXD6と呼ばれるものであり、ま
た、ε−カプロラクタムを開環重合反応することによっ
て得られるポリアミド樹脂は一般にナイロン6と称され
るものである。
【0019】また、本発明のポリアミド樹脂と吸水率が
0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、
以下の理由から好適に使用することができる。
【0020】即ち、これまでにポリアミド樹脂をベース
とした導電性樹脂で円筒状基体を形成することが提案さ
れているが、これらポリアミド樹脂(PA)は、PA6
6やPA6などのように吸水性が高く、吸水率(AST
M−D570に準拠)としては、PA66が約0.6〜
3%、PA6が約0.7〜1.8%と他の樹脂に比べて
比較的高くなっている。このため製品の寸法精度保持の
面で問題が生じる場合があり、30℃〜、90%RH〜
などの高温高湿条件下においては、2〜3時間程度さら
された状態でも、吸水により寸法の膨張が起こる場合が
ある。このため、感光体の機能に影響を与え、結果とし
て画像品質に重大な影響を与える場合がある。
【0021】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、ポリア
ミド樹脂のように吸水性の高い樹脂に対して、吸水率が
0.3%以下の樹脂をブレンドし、アロイ化したものを
基材とするので、吸水率を低くし、高温高湿環境下にお
いても寸法変化の少ない性質が付与できる。
【0022】上記ブレンドするポリアミド樹脂として
は、公知のものを使用でき、具体的には、ナイロンMX
D6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12、ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの
他のポリアミド樹脂を挙げることができ、特に制限され
るものではない。
【0023】また、上記ポリアミドに対してブレンドす
る吸水率が0.3%以下の樹脂(以下、ブレンド用樹脂
という)としては、PP(ポリプロピレン)、PPE
(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレン
スルフィド)等を挙げることができ、好ましくはPP
S、PPEが、更に好ましくはPPEを挙げることがで
きる。
【0024】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂を得るに
は、上記ブレンド用樹脂をそのブレンド比がPA66な
どのポリアミド樹脂に対して、通常1〜70質量%、好
ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質
量%になるように配合することにより得ることができ
る。
【0025】上記ブレンドに際しては、更にポリアミド
樹脂とブレンド樹脂との相溶性を向上させて分散性を高
め、強度などの機械特性や、吸水性、耐薬品性を向上さ
せるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い相溶
化剤を適宜用いることができる。相溶化剤としては、例
えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性ポリプ
ロピレン(マレイン酸変性PP)、PA−PPS系やP
A−PPE系に対しては、エポキシ変性ポリスチレン
(エポキシ変性PS)−ポリメチルメタクリレート(P
MMA)共重合体などを挙げることができる。
【0026】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とのブレンドしたアロイ系樹脂は、上述し
たように、樹脂成分として他のポリアミド樹脂を単独で
使用した成形品に比べて優れた寸法安定性を有する。こ
の点について比較した参考例を下記表に示す。下記表1
に示された吸水率と寸法変化は、50℃−95%RH環
境下の高温高湿槽に24時間放置前後の差を測定したも
ので、ポリアミド樹脂に吸水率の低い樹脂をブレンドす
ることで、成形品の高温高湿環境下での吸水率、寸法変
化が飛躍的に改善されることが認められる。
【0027】
【表1】
【0028】また、本発明では、複数の樹脂を混合し成
形材料としてもよく、上記ナイロンMXD6、ナイロン
6及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂と
をブレンドしたアロイ系樹脂と他の樹脂とを混合して用
いてもよい。この場合、他の樹脂としては、特に制限さ
れるものではないが、ナイロン11、ナイロン12、ナ
イロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン
612、ナイロン1212、及びこれらの共重合物など
の他のポリアミド樹脂を用いることが好ましい。これら
他の樹脂を混合する場合、その混合割合は、特に制限さ
れるものではないが、組成物を構成する樹脂成分中の少
なくとも30〜100質量%、特に40〜100質量%
が上記ナイロンMXD6、ナイロン6、ポリアミド樹脂
と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ
系樹脂又はこれらの混合物となるようにすることが好ま
しい。
【0029】また、樹脂パイプを感光ドラム等の導電性
が要求される用途に用いる場合には、上記熱可塑性樹脂
に導電剤を添加して導電性を付与した導電性樹脂組成物
とすることができる。
【0030】この場合、導電剤としては、上記樹脂中に
均一に分散させることが可能なものであればいずれのも
のでもよく、例えばカーボンブラック、グラファイト、
アルミニウム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス
粉などが挙げられるが、特にカーボンブラックを用いる
ことが好ましい。導電剤の添加量は、特に制限されるも
のではないが、感光ドラム用基体とする場合には、組成
物の5〜30質量%、特に5〜20質量%とすることが
好ましく、樹脂パイプの表面抵抗値は106Ω/□(オ
ーム/スクエア)以下、特に105Ω/□以下、好まし
くは104Ω/□以下であることが推奨される。
【0031】更に、上記熱可塑性樹脂には、補強や増量
の目的で、各種繊維等の無機充填材を配合することがで
きる。この無機充填材としては、カーボン繊維,導電性
ウィスカー,導電性ガラス繊維等の導電性繊維やウィス
カー、ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いることが
できる。この場合、上記導電性繊維は、導電剤としても
作用することができ、導電性繊維を用いることにより、
上記導電剤の使用量を減らすことができる。
【0032】これら充填材の配合量は、樹脂パイプに求
められる強度、用いる充填材の種類や繊維の長さ,径な
どに応じて適宜選定され、特に制限されるものではない
が、通常は組成物の1〜30質量%、より好ましくは5
〜25質量%、更に好ましくは10〜25質量%とする
ことが推奨される。この場合、このような充填材の添加
により、表面平滑性を低下させることなく成形物の強度
や剛性を効果的に向上させることができる。
【0033】なお、成形材料の熱可塑性樹脂には、必要
に応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、シリコーン、二硫化モリブ
デン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知の添加剤を適
量添加することができる。また、通常用いられるシラン
カップリング剤やチタネートカップリング剤などを用い
て、導電剤や充填材に表面処理を施してもよい。
【0034】本発明の樹脂パイプは、上記熱可塑性樹脂
又は樹脂組成物を射出成形したものであり、感光ドラム
用基体などとして好適に使用されるものである。射出成
形により本発明の樹脂パイプを得る際の具体的方法とし
ては、図4に示された上述の方法により行うことができ
る。
【0035】この場合、本発明の樹脂パイプでは、図3
に示したように、第1可動型aに設けられた円柱状キャ
ビティa1の固定型bとの接合面側端部の内周面に、固
定型b接合面に開放した突部成形用凹部a2が設けら
れ、この突部成形用凹部a2により上記突部11が成形
されることになる。そして、上記第2可動型cを第1可
動型aから分離する際に、この突部11が第1可動型a
の上記突部成形用凹部a2内に引っ掛って、樹脂パイプ
1が上記第2可動型cのコアc1と共に第1可動型aか
ら抜去されてしまうことが確実に防止される。従って、
成形材料として、比較的収縮の大きいナイロン系樹脂を
用いた場合でも、第2可動型cのコアc1から成形され
た樹脂パイプdを確実に剥離することができ、成形材料
の射出注入から脱型までの工程を確実かつスムーズに行
うことができ、生産性よく樹脂パイプを製造することが
できるものである。なお、成形温度や射出圧力などの成
形条件は、用いる成形材料などに応じた通常の条件とす
ることができる。
【0036】本発明の樹脂パイプは、例えば図5に示さ
れた円筒状基体1と同様の感光ドラム用の円筒状基体な
どとして好適に用いられるものである。
【0037】この場合、図5の感光ドラムでは、円筒状
基体1の両端面に別体に形成したフランジ2a,2bを
嵌着固定しているが、フランジ2a,2bの少なくとも
一方を上記本発明の樹脂パイプからなる円筒状基体1と
一体に成形することもできる。また、上記補強用の無機
充填材を添加することにより、強度,剛性に優れた成形
物を得ることができるので、フランジと共に、駆動用ギ
ア6を一体に成形することもできる。
【0038】また、本発明の樹脂パイプを感光ドラム用
の円筒状基体とする場合、その外周面は、その表面粗さ
を中心線平均粗さRaで0.8μm以下、特に0.2μ
m以下、最大高さRmaxで1.6μm以下、特に0.
8μm以下、10点平均粗さRzで1.6μm以下、特
に0.8μm以下とすることが好ましく、これらRa,
Rmax,Rzが大きすぎると、円筒状基体1表面の凹
凸が感光層3上に現れて、これが画像不良の原因となる
場合がある。なお、成形材料として上記メタキシリレン
ジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、
ε−カプロラクタムから得られるポリアミド樹脂及びポ
リアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレン
ドしたアロイ系樹脂の少なくとも1種を用いることによ
り、補強用の無機充填材を添加した場合でも、このよう
な表面粗さを容易に達成できるものである。
【0039】本発明の感光ドラムは、上記本発明の樹脂
パイプからなる基体1の外周面に感光層3を形成し、公
知の方法により構成されるものである。この場合、図2
に示したように、感光層3は樹脂パイプ1の上記突部1
1より内側に形成される。即ち、本発明の樹脂パイプを
感光ドラムの円筒状基体とする場合には、画像形成面よ
りも若干長く形成し、その長く形成された部分に上記突
部11を形成する。また場合によっては、成形脱型後に
上記突部11が形成されたパイプ端部を切断除去しても
よい。
【0040】なお、本発明の樹脂パイプは、感光ドラム
の円筒状基体として好適に用いられるものであるが、用
途はこれに限定されるものではない。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂パイ
プは、金型からの脱型をスムーズに行うことができ、効
率よく生産し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂パイプを示す部分拡大断面図であ
る。
【図2】同樹脂パイプに感光層を形成して感光ドラムを
構成した場合を示す部分拡大断面図である。
【図3】同樹脂パイプを射出成形した際の脱型時の動作
を説明する概略断面図である。
【図4】樹脂パイプを射出形成法により製造する際の一
般的な手順を順次説明する概略断面図である。
【図5】感光ドラムの一般的な構成を説明する断面図で
ある。
【符号の説明】
1,d 円筒状基体(樹脂パイプ) 11 突部 11a テーパ面 2a,2b フランジ 3 感光層 4 支持軸 5 軸孔 6 駆動用ギア a 第1可動型 a1 円柱状キャビティ a2 突部成形用凹部 b 固定型 b1 ゲート c 第2可動型 c1 コア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 77:00 B29K 77:00 B29L 23:00 B29L 23:00 31:00 31:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
    する樹脂組成物をパイプ状に射出成形してなる樹脂パイ
    プにおいて、 一端外周縁部に外方へと突出する突部を一体に成形した
    ことを特徴とする樹脂パイプ。
  2. 【請求項2】 上記突部が、一端外周縁部の全周に亘っ
    て形成されたフランジ状の突部である請求項1記載の樹
    脂パイプ。
  3. 【請求項3】 電子写真装置や静電記録装置に用いられ
    る感光ドラムの円筒状基体である請求項1又は2記載の
    樹脂パイプ。
  4. 【請求項4】 上記熱可塑性樹脂として、メタキシリレ
    ンジアミンとアジピン酸とから得られるポリアミド樹
    脂、ε−カプロラクタムから得られるポリアミド樹脂及
    びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブ
    レンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を
    含有する樹脂材料を用いて成形された請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の樹脂パイプ。
  5. 【請求項5】 両端が開放した円柱状キャビティを有す
    る第1可動型の一端面に、溶融した樹脂を射出注入する
    ゲートが設けられた固定型を配置接合すると共に、円柱
    状のコアを有する第2可動型を、該コアを上記円柱状キ
    ャビティ内に挿入した状態で上記第1可動型の他端面に
    配置接合して型組し、上記コアの外周面と上記円柱状キ
    ャビティの内周面との間に形成された円筒状のキャビテ
    ィ内に上記ゲートを通して溶融樹脂を射出注入し樹脂パ
    イプを成形した後、まず上記第2可動型を上記第1可動
    型から分離して樹脂パイプから上記コアを抜去し、次い
    で上記第1可動型を上記固定型から分離して、樹脂パイ
    プを固定型に保持した状態で脱型する樹脂パイプの製造
    方法において、上記第1可動型に設けられた円柱状キャ
    ビティの固定型接合面側端部の内周面に、固定型接合面
    に開放した突部成形用凹部を設け、この突部成形用凹部
    により樹脂パイプの一端外周縁部に外方へと突出する突
    部を成形し、この突部によって、上記第2可動型を第1
    可動型から分離する際に、樹脂パイプが上記コアと共に
    第1可動型から抜去されてしまうことを防止するように
    した樹脂パイプの製造方法。
  6. 【請求項6】 円筒状基体の外周面に感光層を塗工形成
    してなる感光ドラムにおいて、上記円筒状基体として上
    記請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂パイプを具
    備してなることを特徴とする感光ドラム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006109559A1 (ja) * 2005-04-07 2006-10-19 Calsonic Kansei Corporation 樹脂射出成形装置及び筒状樹脂部品
CN100403085C (zh) * 2005-07-08 2008-07-16 奥林巴斯映像株式会社 筒状部件

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