JP2001249578A - 感光ドラム用基体 - Google Patents

感光ドラム用基体

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JP2001249578A JP2000395839A JP2000395839A JP2001249578A JP 2001249578 A JP2001249578 A JP 2001249578A JP 2000395839 A JP2000395839 A JP 2000395839A JP 2000395839 A JP2000395839 A JP 2000395839A JP 2001249578 A JP2001249578 A JP 2001249578A
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flange
resin
gear
peripheral surface
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Munenori Iizuka
宗紀 飯塚
Kunio Machida
邦郎 町田
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Bridgestone Corp
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  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子
写真装置に用いられ、更に詳述すると、脱型が容易で成
形性に優れ、ギアを基体の中心軸に安定して保持し得、
優れた印字性能を付与することができる感光ドラム用基
体を得ることを目的とする。 【解決手段】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
する樹脂組成物を射出成形して得られる感光ドラム用基
体であって、少なくとも片側の開口部に、該開口部を閉
塞すると共に上記感光ドラム用基体を駆動するためのギ
アを連結するフランジが嵌着される感光ドラム用基体に
おいて、内周面に成形後の脱型を容易ならしめるための
テーパが設けられていると共に、上記フランジが嵌着さ
れる開口部の内周面に、上記ギアを連結するフランジの
嵌入範囲よりも長い均一径の平行部が部分的に設けられ
ていることを特徴とする感光ドラム用基体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の電子写真装置に用いられ、更に詳
述すると、脱型が容易で成形性に優れ、ギアを基体の中
心軸に安定して保持し得、優れた印字性能を付与するこ
とができる感光ドラム用基体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】複写
機、ファクシミリ、プリンター等における静電記録プロ
セスでは、まず、感光ドラムの表面を一様に帯電させ、
この感光ドラム表面に光学系から映像を投射して光の当
たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形
成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナー
の静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙,OH
P,印画紙等の記録媒体へと転写することにより、プリ
ントする方法が採られている。
【0003】このような静電記録プロセスに用いられる
感光ドラムとしては、図8に示した構造のものが一般に
用いられている。
【0004】即ち、良導電性を有する円筒状基体21の
両端にフランジ22a,22bを嵌合固定すると共に、
該円筒状基体21の外周面に感光層23を形成したもの
が一般に用いられており、通常、この感光ドラムは、図
8に示されているように、静電記録装置の本体aに設け
られた支持軸24,24が両フランジ22a,22bに
設けられた軸孔25,25に挿入されて回転自在に支持
され、一方のフランジ22bに形成された駆動用ギア2
6にモータ等の駆動源と連結されたギア27を歯合さ
せ、回転駆動されるようになっている。
【0005】上記円筒状基体としては、例えば、プラス
チック等の射出成形材料が用いられており、射出成形時
の脱型性を良くするために内周面にテーパを設けたもの
が提案されている。
【0006】しかしながら、このテーパを有する基体
は、開口部にフランジを嵌合固定する際、フランジを取
り付けにくい上、取り付けられたフランジが抜けてしま
うという問題がある。
【0007】一方、内周面にテーパと無勾配部分とを設
けた円筒状基体についての提案もある。
【0008】しかしながら、このような提案でも、取り
付けたフランジに更に駆動用ギアを取り付ける場合、ギ
アの固定が上手くいかず、基体中心からずれて固定され
るという問題を生じる場合がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、複写機、ファクシミリ、プリンター等に用いること
ができ、ギアと連結するフランジの取り付けが容易で、
特にギアを軸中心に取り付けるのに適した感光ドラム用
基体を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
する樹脂組成物を射出成形して得られる感光ドラム用基
体であって、少なくとも片側の開口部に、該開口部を閉
塞すると共に上記感光ドラム用基体を駆動するためのギ
アを連結するフランジが嵌着される感光ドラム用基体に
おいて、内周面に成形後の脱型を容易ならしめるための
テーパが設けられていると共に、上記フランジが嵌着さ
れる開口部の内周面に、上記ギアを連結するフランジの
嵌入範囲よりも長い均一径の平行部が部分的に設けられ
ていることを特徴とする感光ドラム用基体を提供する。
【0011】本発明の感光ドラム用基体は、内周面に成
形後の脱型を容易ならしめるためのテーパが設けられて
いるので、脱型が容易で成形性に優れる上、上記フラン
ジが嵌着される開口部の内周面に、上記ギアを連結する
フランジの嵌入範囲よりも長い均一径の平行部が部分的
に設けられているので、フランジの嵌入固定を容易に行
えると共に、該フランジにギアを取り付ける場合、ギア
を上記基体の軸中心に安定に保持でき、ギアがフランジ
と別体又は一体化している場合にも安定に取り付けられ
て、作業性の良好な感光ドラム用基体として使用できる
ことを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき、図面を参照
して更に詳しく説明する。本発明の感光ドラム用基体1
は、図1〜7に示すように、内周面2に成形後の脱型を
容易ならしめるためのテーパ3が設けられていると共
に、該テーパ3の傾斜部分と連結する平行部4(小径)
及び/又は5(大径)が設けられているものである。
【0013】本発明の感光ドラム用基体1は、熱可塑性
樹脂又は熱可塑性樹脂を基材とする樹脂組成物を射出成
形したものである。ここで、本発明で用いられる熱可塑
性樹脂としては、成形条件、用途等に応じて適宜選択し
得るが、感光層を形成するに好適な平面平滑状を有し、
かつ機械的強度に優れた感光ドラム用基体が得られるこ
とから、各種ナイロン樹脂等のポリアミド樹脂が好まし
く用いられる。中でも、メタキシリレンジアミンとアジ
ピン酸とから得られるポリアミド樹脂、ε−カプロラク
タムから得られるポリアミド樹脂及びポリアミド樹脂と
吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系
樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられ
る。上記メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮
合反応によって製造されるポリアミド樹脂は一般にナイ
ロンMXD6と呼ばれるものであり、また、ε−カプロ
ラクタムを開環重合反応することによって得られるポリ
アミド樹脂は一般にナイロン6と称されるものである。
【0014】また、本発明のポリアミド樹脂と吸水率が
0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、
以下の理由から好適に使用することができる。
【0015】即ち、これまでにポリアミド樹脂をベース
とした導電性樹脂で円筒状基体を形成することが提案さ
れているが、これらポリアミド樹脂(PA)は、PA6
6やPA6などのように吸水性が高く、吸水率(AST
M−D570に準拠)としては、PA66が約0.6〜
3%、PA6が約0.7〜1.8%と他の樹脂に比べて
比較的高くなっている。このため製品の寸法精度保持の
面で問題が生じる場合があり、30℃〜、90%RH〜
などの高温高湿条件下においては、2〜3時間程度さら
された状態でも、吸水により寸法の膨張が起こる場合が
ある。このため、感光体の機能に影響を与え、結果とし
て画像品質に重大な影響を与える場合がある。
【0016】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂は、ポリア
ミド樹脂のように吸水性の高い樹脂に対して、吸水率が
0.3%以下の樹脂をブレンドし、アロイ化したものを
基材とするものであり、吸水率を低くし、高温高湿環境
下においても寸法変化の少ない性質を付与できる。
【0017】上記ブレンドするポリアミド樹脂として
は、公知のものを使用でき、具体的には、ナイロンMX
D6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイ
ロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6
12、ナイロン1212、及びこれらの共重合物などの
他のポリアミド樹脂を挙げることができ、特に制限され
るものではない。
【0018】また、上記ポリアミドに対してブレンドす
る吸水率が0.3%以下の樹脂(以下、ブレンド用樹脂
という)としては、PP(ポリプロピレン)、PPE
(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレン
スルフィド)等を挙げることができ、好ましくはPP
S、PPEが、更に好ましくはPPEを挙げることがで
きる。
【0019】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂を得るに
は、上記ブレンド用樹脂をそのブレンド比がPA66な
どのポリアミド樹脂に対して、通常1〜70質量%、好
ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質
量%になるように配合することにより得ることができ
る。
【0020】上記ブレンドに際しては、更にポリアミド
樹脂とブレンド樹脂との相溶性を向上させて分散性を高
め、強度などの機械特性や、吸水性、耐薬品性を向上さ
せるために、両方の樹脂成分に対して親和性の高い相溶
化剤を適宜用いることができる。相溶化剤としては、例
えば、PA−PP系に対しては、マレイン酸変性ポリプ
ロピレン(マレイン酸変性PP)、PA−PPS系やP
A−PPE系に対しては、エポキシ変性ポリスチレン
(エポキシ変性PS)−ポリメチルメタクリレート(P
MMA)共重合体などを挙げることができる。
【0021】本発明のポリアミド樹脂と吸水率が0.3
%以下の樹脂とのブレンドしたアロイ系樹脂は、上述し
たように、樹脂成分として他のポリアミド樹脂を単独で
使用した成形品に比べて優れた寸法安定性を有する。こ
の点について比較した参考例を下記表に示す。下記表1
に示された吸水率と寸法変化は、50℃−95%RH環
境下の高温高湿槽に24時間放置前後の差を測定したも
ので、ポリアミド樹脂に吸水率の低い樹脂をブレンドす
ることで、成形品の高温高湿環境下での吸水率、寸法変
化が飛躍的に改善されることが認められる。
【0022】
【表1】
【0023】また、本発明においては、複数の樹脂を混
合した成形材料としてもよく、上記ナイロンMXD6、
ナイロン6及びポリアミド樹脂と吸水率が0.3%以下
の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から選ばれる少な
くとも1種と他の樹脂とを混合して用いてもよい。この
場合、他の樹脂としては、特に制限されるものではない
が、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイ
ロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン
1212、及びこれらの共重合物などの他のポリアミド
樹脂を挙げることができる。これら他の樹脂を混合する
場合、その混合割合は、特に制限されるものではない
が、組成物を構成する樹脂成分中の他のポリアミド樹脂
に対して上記ナイロンMXD6、ナイロン6及びポリア
ミド樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドし
たアロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種及びこれら
の混合物が、少なくとも30〜100質量%、特に40
〜100質量%になるように調製することが好ましい。
【0024】本発明の感光ドラム用基体に対して、導電
性を付与するには、上記熱可塑性樹脂に導電剤を添加し
た導電性樹脂組成物を使用して形成することが好適であ
る。
【0025】ここで、導電剤としては、上記樹脂中に均
一に分散させることが可能なものであればいずれのもの
でもよく、例えばカーボンブラック、グラファイト、ア
ルミニウム,銅,ニッケル等の金属粉、導電性ガラス粉
などが挙げられるが、特にカーボンブラックを用いるこ
とが好ましい。導電剤の添加量は、特に制限されるもの
ではないが、特に組成物の5〜30質量%、特に5〜2
0質量%とすることが有効で、感光ドラム用基体の表面
抵抗値(ASTM−D257に準じて測定)は106Ω
/□(オーム/スクエア)以下、特に105Ω/□以
下、好ましくは10 4Ω/□以下であることが推奨され
る。
【0026】更に、上記熱可塑性樹脂には、補強や増量
の目的で、各種繊維等の無機充填材を配合することがで
きる。この無機充填材としては、カーボン繊維,導電性
ウィスカー,導電性ガラス繊維等の導電性繊維やウィス
カー,ガラス繊維等の非導電性繊維などを用いることが
できる。この場合、上記導電性繊維は、導電剤としても
作用することができ、導電性繊維を用いることにより、
上記導電剤の使用量を減らすことができる。
【0027】これら充填材の配合量は、感光ドラム用基
体に求められる強度、用いる充填材の種類や繊維の長
さ,径などに応じて適宜選定され、特に制限されるもの
ではないが、通常は組成物の1〜30質量%、より好ま
しくは5〜25質量%、更に好ましくは10〜25質量
%とすることが推奨される。この場合、このような充填
材の添加により、表面平滑性を低下させることなく成形
物の強度や剛性を効果的に向上させることができる。
【0028】なお、成形材料の熱可塑性樹脂には、必要
に応じて上記導電剤及び充填材の他に、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)、シリコーン、二硫化モリブ
デン(MoS2)、各種金属石鹸等の公知の添加剤を適
量添加することができる。また、通常用いられるシラン
カップリング剤やチタネートカップリング剤などを用い
て、充填材に表面処理を施してもよい。
【0029】次に、本発明の感光ドラム用基体の製造方
法について、図1を参照して説明する。図1は本発明の
感光ドラム用基体1を製造する射出成形金型10を示
し、この射出成形金型10は、内部に円柱状中空部を有
する金型本体11と、この金型本体11の一端面に当接
し、上記中空部の一端開口部を閉塞する金型補助部材1
2と、上記中空部にその他端開口部より軸方向に移動可
能に挿入される先端部を有するコア13とを具備してな
るものである。本発明の感光ドラム用基体1は、上記金
型本体11の内周面14と、コア外周面15との間に円
筒状基体形成用の円筒状キャビティ16が形成され、こ
の円筒状キャビティ16内に材料を導入することにより
成形される。
【0030】本発明の感光ドラム用基体1は、内周面に
成形後の脱型を容易ならしめるためのテーパ3が設けら
れていると共に、上記フランジが嵌着される開口部の内
周面に、ギアを連結するフランジの嵌入範囲よりも長い
均一径の平行部4,5が部分的に設けられているもので
あるが、このテーパ3及び平行部4,5は、上記コア1
3の外周面15によって成形されるものである。
【0031】ここで、本発明の平行部4,5の長さは、
上述したように少なくとも一方がフランジの嵌入範囲に
あることを要し、射出成形によって得られた感光ドラム
用基体にフランジを嵌着固定すると共に、該フランジに
連結するギアを安定に取り付けることができる長さに調
整される。具体的には、フランジの嵌入範囲の1.1〜
1.5倍、特に1.2〜1.5倍であることが推奨さ
れ、平行部の長さが短いと、ギアを取り付ける際にフラ
ンジが歪み、ギアを感光ドラム用基体の軸中心に取りつ
けることができなくなる。長すぎると、ギアを最適な位
置に取り付けることができなくなる上、材料の無駄とな
り、コスト高で、作業性が悪くなる場合がある。なお、
基体の一方に本発明の平行部を設ける場合には、フラン
ジとギアの取り付けは当該平行部を設けた位置に行なわ
れる。
【0032】本発明の感光ドラム用基体は、上記平行部
分以外の内周面に脱型を容易ならしめるべくテーパが設
けられているものである。ここで、テーパの傾斜角度
は、特に制限されるものではないが、傾斜角度をθとし
た場合、0.5×10-3<tanθ<3.5×10-3
特に1.0×10-3<tanθ<2.5×10-3の範囲
内にあることが好ましい。tanθが大きすぎると、テ
ーパが急すぎて、成形品物性の長さ方向の均一性(導電
性、強度、収縮率)が低下し、使用時に電気特性、寸法
精度に悪影響を与える場合がある。tanθが少なすぎ
ると、テーパが少なすぎて、脱型の改良効果が達成され
ず、成形物の脱型が困難となり、成形性に悪影響を与え
る場合がある。
【0033】本発明の平行部とテーパは、射出成形に使
用するコア13の外周面15の形状に合わせて形成され
る。コア13の外周面15には、成形後の脱型を容易な
らしめるためのテーパ17が設けられていると共に、両
方の端部に均一径の平行部18(小径),19(大径)
が部分的に設けられた構造に形成されているものであ
る。これら平行部18(小径)、19(大径)によっ
て、本発明の基体の内周面の平行部4(小径)、5(大
径)とがそれぞれ形成される。なお、図1の例では、平
行部を基体の両端部に設けたが、ギアを連結するフラン
ジを嵌合させる平行部は部分的に設けられていればよ
く、一方のみに平行部を設けることもできる。
【0034】なお、上記金型10には、公知の金型と同
様にして、射出成形材料をキャビティ内に供給するため
のスプルー,ゲートや、脱型の際に成形物を取り出すた
めの突出ピン等がそれぞれ設けられているが、図示は省
略する。
【0035】上記金型10を用いて感光ドラム用基体1
を成形する場合、まず、金型本体11の中空部にコア1
3を挿入し、上記金型補助部材12で中空部の一端開口
部を閉塞すると共に、上記コア13の先端部を該中空部
の他端部に当接させ、テーパと平行部とを有するキャビ
ティ16を形成し、この形成されたキャビティ16中に
上述した熱可塑性樹脂等の射出成形材料をスプルー、ゲ
ートを通じて導入する。なお、成形温度、射出圧力など
の成形条件としては、用いる成形材料などに応じた通常
の条件とすることができる。
【0036】上記射出成形された感光ドラム用基体1
は、射出成形終了後、金型から脱型されるが、この脱型
は、上記金型補助部材12を外側方向に引き出すと同時
に該部材12と連結しているコア13を金型本体11か
ら取り出すことによって行なう。この場合、図示の本発
明の感光ドラム用基体1には、その内周面の中央部に脱
型を容易ならしめるテーパが設けられているので、基体
の内周面2とコア13の外周面15とが密着しているよ
うな場合でも、コア13をスムーズに抜去することがで
きる。
【0037】更に、上記感光ドラム用基体は、所定の位
置に取りつけた脱型ピン(図示せず)で感光ドラム用基
体1の外周面を押圧することにより、金型本体11から
取り出し、金型10から完全に取り出すことができる。
【0038】なお、本発明の感光ドラム用基体に対して
は、脱型後、更にアニール処理を施して、得られた感光
ドラム用基体の寸法安定性を更に向上させることができ
る。
【0039】本発明の感光ドラム用基体は、その外周面
が平面平滑状であることが推奨され、その表面粗さは、
中心線平均粗さ(Ra)で0.8μm以下、特に0.2
μm以下、最大高さ(Rmax)で1.6μm以下、特
に0.8μm以下、10点平均粗さ(Rz)で1.6μ
m以下、特に0.8μm以下とすることが好ましく、
(Ra)、(Rmax)、(Rz)が大きすぎると、基
体表面の凹凸が感光層上に現れて、これが画像不良の原
因となる場合がある。なお、導電性樹脂組成物の樹脂成
分として上記メタキシリレンジアミンとアジピン酸とか
ら得られるポリアミド樹脂、ε−カプロラクタムから得
られるポリアミド樹脂及びポリアミド樹脂と吸水率が
0.3%以下の樹脂とをブレンドしたアロイ系樹脂から
選ばれる少なくとも1種を用いることにより、補強用の
無機充填材を添加した場合でも、このような表面粗さを
容易に達成することができる。
【0040】本発明の感光ドラム用基体は、感光ドラム
を構成する基体として好適に使用することができ、上記
内周面2の平行部にギアと連結するフランジを嵌着して
使用することができる。フランジの嵌着は公知の方法で
行うことができ、平行部に取付けることができる。この
場合、本発明の基体の平行部は、フランジの実際の嵌入
範囲よりも長く設けられているので、フランジの嵌着は
簡単に行うことができる上、嵌着後も安定に保持され
る。また、上記平行部に嵌着した少なくとも一方のフラ
ンジには更にギアの取り付けが行われるが、本発明の基
体にギアを取り付ける場合、既に取り付けたフランジが
安定に保持されているので、取付けの際にフランジが押
圧されても、フランジが外れたり、位置ズレを起こすこ
とが回避され、基体中心の正確な位置にギアを安定に取
り付けることができる。
【0041】この場合、本発明において、感光ドラム用
基体の開口部に取り付けるフランジは、ギアと一体成形
されたものであってもよく、公知の方法を採用して製造
できる。一体成形されるフランジは、射出成形時のコア
の脱型性から、平行部の有無に拘わらず基体の小径開口
部を閉塞するように取付けられることが好ましく、上記
補強用の無機充填材を添加した強度,剛性に優れた成形
物であることの優位性を利用できる。
【0042】本発明の感光ドラム用基体は、円筒状基体
として感光ドラムに好適に具備されるもので、図8に示
す従来例と同様に、円筒状基体の外周面に感光層を形成
して使用することができ、この場合、感光層は、感光
剤、バインダー成分をアルコールやクロロホルム、トル
エンなどの有機溶媒に溶解した塗液を本発明の基体の外
周面に塗工し、加熱乾燥することにより形成できる。こ
のとき、本発明の感光ドラムでは、他の物品との取付性
に優れるため高性能な感光ドラムになり得る。なお、感
光層を形成するための上記塗液は、公知の組成の塗液と
することができ、また形成する感光層の層の構成も公知
の構成とすることができる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記実施例に制限されるものではな
い。
【0044】〔実施例〕下記に示す組成の導電性樹脂組
成物を常法に従って調製し、金型にて外径30mm,長
さ230mm、図2〜7の略図に示され、下記形状を有
する感光ドラム用基体を射出成形法により成形した。な
お、いずれもコアの内径形状を変えた以外は同一の成形
条件で成形を行った。また、平行部の長さはフランジの
嵌入範囲の1.2倍とした。導電性組成物組成 ナイロン66(三菱エンプラ製「ノバミッド」)50質
量% C/B(ライオン製「ケッチェンブラック」)15質量
% チタン酸カリウムウィスカ繊維(大塚化学製「デントー
ル」)15質量% ナイロンMXD6(三菱エンプラ製「レニー」)20質
量% 得られた円筒状基体を120℃の条件下に60分間放置
し、アニール処理を行なった。
【0045】次いで、得られた円筒状基体の平行部に対
し、図2〜6に示す基体には、同一形状のフランジを取
り付け、このフランジに更にギアを取り付けた。また、
図7に示す基体には、ギアと一体型のフランジを取り付
けた。感光ドラム用基体の説明 実施例1(図2) 両端に平行部を有する。小径の平行部の長さ15mm、
大径の平行部の長さ15mm、テーパの傾斜角度θのt
anθ=2.0×10-3 実施例2(図3) 一方の開口部(大径側)に平行部を有する。大径の平行
部の長さ15mm、テーパの傾斜角度θのtanθ=
2.0×10-3 実施例3(図4) 一方の開口部(小径側)に平行部を有する。小径の平行
部の長さ15mm、テーパの傾斜角度θのtanθ=
2.0×10-3 実施例4(図5) 一方の開口部(小径側)に平行部を有する。小径の平行
部の長さ15mm、テーパの傾斜角度θのtanθ=
2.0×10-3 小径の平行部とテーパとの連結部に2mmの段差を有し
ている。 実施例5(図6) 一方の開口部(大径側)に平行部を有する。大径の平行
部の長さ15mm、テーパの傾斜角度θのtanθ=
2.0×10-3 大径の平行部とテーパとの連結部に2mmの段差を有し
ている。 実施例6(図7) 小径の平行部にギアが一体成形されたフランジを取り付
けた。小径の平行部の長さ15mm、大径の平行部の長
さ15mm、テーパの傾斜角度θのtanθ=2.0×
10-3
【0046】
【発明の効果】本発明の感光ドラム用基体は、脱型が容
易で、成形性に優れ、感光ドラム用基体の中心軸にフラ
ンジ、ギア等を安定に保持でき、作業性良く取付けを行
うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感光ドラム用基体の一成形例を示す概
略断面図である。
【図2】本発明の実施例の感光ドラム用基体(実施例
1)の一例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施例の感光ドラム用基体(実施例
2)の他の例を示す概略断面図である。
【図4】本発明の実施例の感光ドラム用基体(実施例
3)の他の例を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施例の感光ドラム用基体(実施例
4)の他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施例の感光ドラム用基体(実施例
5)の他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施例の感光ドラム用基体(実施例
6)の他の例を示す概略断面図である。
【図8】従来の感光ドラムを示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム用基体 2 内周面 3 テーパ 4 平行部(小径) 5 平行部(大径)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂又は熱可塑性樹脂を基材と
    する樹脂組成物を射出成形して得られる感光ドラム用基
    体であって、少なくとも片側の開口部に、該開口部を閉
    塞すると共に上記感光ドラム用基体を駆動するためのギ
    アを連結するフランジが嵌着される感光ドラム用基体に
    おいて、内周面に成形後の脱型を容易ならしめるための
    テーパが設けられていると共に、上記フランジが嵌着さ
    れる開口部の内周面に、上記ギアを連結するフランジの
    嵌入範囲よりも長い均一径の平行部が部分的に設けられ
    ていることを特徴とする感光ドラム用基体。
  2. 【請求項2】 一方の開口部に一体に形成されたフラン
    ジを有する請求項1記載の感光ドラム用基体。
  3. 【請求項3】 一方の開口部に一体に形成された上記フ
    ランジが、駆動用のギアが設けられたものである請求項
    1又は2記載の感光ドラム用基体。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂に導電剤を混合分散した導
    電性樹脂組成物を射出成形した導電性の感光ドラム用基
    体である請求項1〜3のいずれか1項記載の感光ドラム
    用基体。
  5. 【請求項5】 樹脂成分としてメタキシリレンジアミン
    とアジピン酸とから得られるポリアミド樹脂、ε−カプ
    ロラクタムから得られるポリアミド樹脂及びポリアミド
    樹脂と吸水率が0.3%以下の樹脂とをブレンドしたア
    ロイ系樹脂から選ばれる少なくとも1種を含有してなる
    ものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光ド
    ラム用基体。
  6. 【請求項6】 補強用無機充填材を混合分散したもので
    ある請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光ドラム用
    基体。
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