JP2002310894A - 発光観測装置、発光体選別装置、及び発光体の選別方法 - Google Patents

発光観測装置、発光体選別装置、及び発光体の選別方法

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JP2002310894A
JP2002310894A JP2001113216A JP2001113216A JP2002310894A JP 2002310894 A JP2002310894 A JP 2002310894A JP 2001113216 A JP2001113216 A JP 2001113216A JP 2001113216 A JP2001113216 A JP 2001113216A JP 2002310894 A JP2002310894 A JP 2002310894A
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shielding
cells
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cell
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Takao Kondo
孝男 近藤
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光体の発光をより良好な観測精度で観測可
能な発光観測装置を提供する。発光体を選別する方法、
及び装置を提供する。 【解決手段】 発光体73が配される複数の凹部12が
形成された円盤体11と、発光体73の発光を検出する
CCDカメラ31とを備え、CCDカメラ31には、凹
部12の開口12aから出射された光をCCDカメラ3
1に伝播する遮光性部材21の光出射端21b側が固定
される。円盤体11はスピンドルモータ44により回転
され、CCDカメラ31と複数の開口12aとを、遮光
性部材21を介して、順次、当接状態に連結させる。遮
光性部材21の光入射端21aには、外部光の漏れ込み
を防止する環状のフェルト部材51が固定され、該フェ
ルト部材51は、開口12aを光入射端21aに連結さ
せた際、円盤体11の円盤面と光入射端21aとの間
に、開口12aの外枠を取り囲むように位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光観測装置、発
光体選別装置、及び発光体の選別方法に関する。特に、
発光量が比較的微小な発光体を対象とした、連続的かつ
高精度な観測が可能な発光観測装置や、発光体の連続的
な選別が可能な発光体選別装置、並びに発光体の選別方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、生物工学の分野では、レポータ
遺伝子としてルシフェラーゼ遺伝子を採用し、標的遺伝
子の発現をモニタリングする手法がしばしば用いられ
る。この手法では、ルシフェラーゼ遺伝子と標的遺伝子
とを一システムで発現させて、標的遺伝子の発現をルシ
フェラーゼ遺伝子の発現量に応じた発光量としてモニタ
リングする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ルシフェラ
ーゼ遺伝子の発現により生じる発光のレベルは比較的小
さく、外部からの光の漏れ込みが観測精度に与える影響
を無視できない。特に、複数の遮光性セル内に配された
観測対象(ルシフェラーゼ遺伝子発現体;発光体)につ
いてルシフェラーゼ遺伝子の発現を連続的に観察するた
めには、上記複数の遮光性セルを順次、CCDカメラな
どの光検出部の下にスライドさせる必要があり、遮光性
セルとCCDカメラとの間に必然的に隙間が生じる。そ
して、この隙間から外部の光が遮光性セル内に漏れ込
み、ノイズとなって観測精度を低下させることになる。
【0004】また、そもそも、生物体または細胞のゲノ
ムにルシフェラーゼ遺伝子を発現可能に組み込んだ際、
その組み込みに成功した発光体を連続式で選別する発光
体選別装置についても、大量スクリーニングに特に好適
なものはこれまで提供されていない。
【0005】本発明は、上記従来の問題に鑑みなされた
ものであり、その目的の一つは、遮光性セル内に配され
た発光体を、従来装置と比較してより良好な観測精度で
観測可能な発光観測装置を提供することにある。本発明
の他の目的は、さらに、大量のサンプルから発光体を連
続式で選別可能な発光体選別装置、及びその方法を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる発光観測
装置は、上記の課題を解決するために、発光体が内部に
配される複数の遮光性セルと、該発光体の発光により生
じた光を検出する光検出部とを備え、上記遮光性セルに
は、上記光を外部に出射可能な光透過窓が設けられると
ともに、上記光検出部には、上記光透過窓を介して出射
された光が入射され、該光を光検出部に伝播する光伝播
経路の一端側が固定されてなり、さらに、上記光伝播経
路が固定された光検出部と、上記複数の遮光性セルとを
相対移動させて、複数の遮光性セルの光透過窓を、順
次、上記光伝播経路の他端側に当接状態で連結させる相
対移動機構と、上記遮光性セルの光透過窓を光伝播経路
の他端側に連結させた際、該遮光性セルと光伝播経路の
他端との間に、この光透過窓の外枠を取り囲むように配
される、環状のフェルト部材とを備えてなることを特徴
としている。
【0007】内部に発光体が配される複数の遮光性セル
を、順次、光伝播経路に連結し、これら発光体の発光状
態の観測を連続的に行う場合には、遮光性セルと光伝播
経路との間に必然的に隙間が生じるが、上記の構成で
は、遮光性セルの光透過窓と光伝播経路の他端側とが当
接状態で連結された際に、遮光性セルと光伝播経路の他
端との間に生じる隙間を、光透過窓の外枠を取り囲む環
状のフェルト部材で封鎖するようになっている。これに
より、遮光性セルの内部への外部光の漏れ込みが確実に
防止されるので、例えば発光体の発光強度が比較的微弱
な場合でも観測精度が著しく向上されてなる発光観測装
置を提供可能となる。また、フェルト部材の材料である
フェルトは、遮光性に優れるだけでなく、比較的磨耗し
がたく長期使用に耐える特性も有し、特に好適に使用さ
れる。
【0008】本発明にかかる発光観測装置はまた、上記
の課題を解決するために、波長の異なる二種以上の光を
発する発光体が内部に配される複数の遮光性セルと、該
発光体の発光により生じる上記光を独立に検出する一つ
または複数の光検出部とを備え、上記遮光性セルには、
上記光を外部に出射可能な光透過窓が設けられるととも
に、上記光検出部には、上記光透過窓を介して出射され
た光が入射され、該光を光検出部に伝播する光伝播経路
の一端側が固定されてなり、さらに、上記光伝播経路が
固定された光検出部と、上記複数の遮光性セルとを相対
移動させて、複数の遮光性セルの光透過窓を、順次、上
記光伝播経路の他端側に当接状態で連結させる相対移動
機構を備えてなることを特徴としている。
【0009】上記の構成によれば、発光体が発する波長
の異なる二種以上の光を、独立して同時にかつ連続的に
観測可能な発光体観測装置を提供することができる。こ
のような発光観測装置は、例えば、上記二種以上の光の
いずれかを発する発光体の連続式選別装置として使用可
能である。また、上記二種以上の光を一つの発光体(特
に、発光する生物体または細胞)が発する場合には、生
物体または細胞自身による光の遮蔽や吸収を共有すると
いう理由で観測精度の向上につながり、発光体の発光状
態の観測を連続的かつより高精度に行うことが可能とな
る。
【0010】なお、本発明において、「波長の異なる二
種以上の光を独立に検出する一つまたは複数の光検出
部」とは、これら光を波長の違いに応じて別々に検出可
能なものであればよく、例えば、1)光の種類数と同数
のフィルタ手段(各フィルタ手段は異なる一種類の光の
み透過させる)と、該フィルタ手段を切り換える切り換
え手段とを備えた一つの光検出部、または、2)これら
複数のフィルタ手段のいずれか一つを装着した複数個の
光検出部が例示される。
【0011】本発明にかかる発光観測装置は、上記の構
成において、上記光検出部を複数備えてなり、これら複
数の光検出部が上記光伝播経路を共有している構成であ
ることがより好ましい。
【0012】上記の構成によれば、光伝播経路の数を低
減可能となる。また、複数の光検出部が、同時に、同一
の遮光性セル内からの光の検出を行うことが可能とな
り、光検出部の動作制御や相対移動手段の動作制御がよ
り容易となる。
【0013】本発明にかかる発光観測装置は、上記の構
成において、上記発光体は、発光関連遺伝子が発現可能
に導入された遺伝子組み換え体であることがより好まし
い。
【0014】上記の構成によれば、上記遺伝子組み換え
体の発光状態を連続的に観測可能な発光観測装置を提供
可能となる。なお、「発光関連遺伝子が発現可能に導入
されている」とは、あるプロモータの制御下に発光関連
遺伝子があることを指すので、遺伝子組み換え体の発光
状態を観測すれば、例えば、該プロモータの活性を間接
的にモニタ可能となる。
【0015】本発明にかかる発光体の選別方法は、上記
の課題を解決するために、生物体または細胞の集団か
ら、発光体を選別する方法であって、上記生物体または
細胞の集団を、撮像用の光の存在下と非存在下とで撮像
してそれぞれ画像データを得る工程と、次いで、上記撮
像用の光の存在下で得られた画像データと、該撮像用の
光の非存在下で得られた画像データとを比較して、両方
の画像データ中に共通に含まれる生物体または細胞を確
認し、これを発光体として選別する工程とを含んでなる
ことを特徴としている。
【0016】上記の方法によれば、上記生物体または細
胞の集団が発光体と非発光体との混合集団である場合で
あっても、発光体のみを確実に選別可能な方法を提供可
能となる。
【0017】本発明にかかる発光体選別装置は、上記の
課題を解決するために、生物体または細胞の集団から、
発光体を選別する発光体選別装置であって、上記生物体
または細胞の集団が内部に配される複数の遮光性セル
と、上記遮光性セルに設けられ、光が透過可能な光透過
窓と、上記生物体または細胞の集団に発光体が含まれる
場合に、該発光体からの光を画像データとして取得する
光検出部と、上記光検出部にその一端側が固定され、上
記遮光性セルの内部より光透過窓を介して出射された光
を上記光検出部に伝播する光伝搬経路と、上記光伝播経
路が固定された光検出部と、上記複数の遮光性セルとを
相対移動させて、複数の遮光性セルの光透過窓を、順
次、上記光伝播経路の他端側に当接状態で連結させる相
対移動機構と、上記生物体または細胞の集団に、上記光
透過窓を介して撮像用の光を付与する光源と、上記生物
体または細胞の集団を、上記撮像用の光の存在下で撮像
して画像データを取得する画像形成部とを含んでなるこ
とを特徴としている。
【0018】上記の構成によれば、CCDカメラなどの
光検出部(撮像手段)が取得した画像データと、画像形
成部が取得した画像データとを比較することで、上記生
物体または細胞の集団が発光体と非発光体との混合集団
である場合であっても、発光体のみを確実に選別可能な
発光体選別装置を提供可能となる。また、複数の遮光性
セル内に配された上記混合集団を対象に選別を行うの
で、大量のサンプル(混合集団)から発光体を連続的に
選別可能となる。
【0019】本発明にかかる発光体選別装置はまた、上
記の構成において、同一の遮光性セルの内部に配された
上記生物体または細胞の集団について、上記光検出部が
取得した画像データと、上記画像形成部が取得した画像
データとを比較して、両方の画像データ中に共通に含ま
れる生物体または細胞を確認し、これを発光体として選
別する発光体選別部を含んでなることがより好ましい。
【0020】上記の構成によれば、光検出部が取得した
画像データと、画像形成部が取得した画像データとを発
光体選別部において比較することで、上記生物体または
細胞の集団が発光体と非発光体との混合集団である場合
であっても、発光体のみを確実に選別可能な発光体選別
装置を提供可能となる。
【0021】本発明にかかる発光体選別装置は、上記の
構成において、上記遮光性セルの光透過窓を光伝播経路
の他端側に連結させた際に、該遮光性セルの内部に配さ
れる上記生物体または細胞の集団と光検出部との間に位
置し、かつ、所定条件の光のみを通過させるフィルタ手
段をさらに備えていてもよい。
【0022】上記の構成によれば、上記所定条件の光を
発する発光体のみを選別可能な発光体選別装置を提供可
能となる。なお、上記フィルタ手段としては、特定波長
の光のみを通過させるフィルタ手段などが例示される。
【0023】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図面に基づいて説明すれば、以下の通り
である。なお、言うまでもないが、本発明は、特に本実
施の形態の記載内容のみに限定されるものではない。
【0024】本実施の形態にかかる発光観測装置は、図
1(a)〜(c)に示すように、スピンドルモータ(相
対移動機構;スライド機構)44、スピンドルモータ4
4により一方向(図中矢印で示す)に回転される円盤体
11、およびCCD(ChargeCoupled Device) カメラ3
1を備えてなる。
【0025】円盤体11は所定の厚みを有する部材であ
り、その一方側の表面(円盤面)には、円筒状の凹部1
2が12個設けられている。また、円盤体11には、そ
の円盤面の中心を貫くように軸受け孔が設けられてお
り、該軸受け孔にはスピンドルモータ44の回転軸45
が挿入されて、円盤体11は水平に支持される。
【0026】上記の凹部12はいずれも、円盤面の軸受
け孔から当距離(つまり、回転軸45から当距離)に設
けられている。よって、スピンドルモータ44から円盤
体11に回転駆動力が伝達された場合、全ての凹部12
は同一の回転半径をもって回転する。なお、図1では、
スピンドルモータ44用の電源や、CCDカメラ(撮像
手段)31用の電源などの図示を省略している。
【0027】図1(c)に示すように、凹部12の壁面
には遮光性の部材(例えば、黒色の遮光性プラスチック
など)が配されており、該壁面を介しては内部に光が入
射されないようになっている。その一方で、凹部12は
上方に開口(光透過窓)12aを有し、凹部12の内外
へ開口12aを介した光の伝播が可能に構成されてい
る。なお、本実施の形態では、円盤体11自体が遮光性
の部材(例えば、非透光性の金属材料)で構成されてい
るので、凹部12内に黒色の遮光性プラスチックを配す
る必要は必ずしもない。しかし、遮光効率のより一層の
向上と、発光体73が発光した際のコントラスト性の向
上との観点から黒色の遮光性プラスチックを配すること
がより好ましい。
【0028】本実施の形態において、「遮光性セル」と
は、各凹部12を取り囲む円盤体11の領域とこの凹部
12とからなる構成単位を指し、「遮光性セルの内部」
とは、凹部12内を指す。したがって、円盤体11にお
いて、凹部12が形成される円盤面は、遮光性セルの上
面に相当する。
【0029】凹部12内には、観測対象である発光体7
3が配される。発光体73は、凹部12内に直接配され
てもよく、場合によっては凹部12内に入れ込み可能な
容器61内に配されてもよい。発光体73の詳細につい
ては後述するが、該発光体73が遺伝子組み替えにより
発光可能となった生物体または細胞である場合、容器6
1として例えば蓋付のシャーレを使用する。
【0030】光検出部として機能するCCDカメラ31
は、支持手段(図示せず)により、円盤体11の上方に
レンズを下向きにして支持・固定されている。また、C
CDカメラ31のレンズ側の一端は、中空の遮光性部材
(光伝播経路)21の光出射端(一端)21b内に挿入
・固定されている。遮光性部材21は中空円筒形状であ
り、その中空部が光伝播部として機能する。また、該中
空部を取り囲む壁体は遮光性材料から構成されて、壁体
を介した中空部への光の入射を防止する。よって、CC
Dカメラ31には、遮光性部材21の光入射端(他端)
21aを介して該遮光性部材21内に入射された光のみ
が伝播されるようになっている。なお、熱ノイズが低減
されて観測精度がより良好となる理由から、CCDカメ
ラ31は冷却CCDカメラであることが特に好ましく、
より具体的には冷却手段により約−50℃程度にまで冷
却されていることが好ましい。
【0031】遮光性部材21の光入射端21a は円形状
の開口を有し、この開口は凹部12の円形状の開口12
a よりやや大きく形成されている。また、遮光性部材2
1は、その光入射端21a が円盤体11の円盤面(凹部
12形成面)にほぼ当接する高さに固定され、かつ、円
盤面の中心から凹部12の回転半径と同等の距離離れた
位置に配されている。
【0032】スピンドルモータ44の回転駆動力が、回
転軸45を介して円盤体11に伝達されると、12個の
凹部12はスライドして、順次、遮光性部材21の下方
に送りこまれる。上記したように、遮光性部材21の光
入射端21a は円盤体11の円盤面(遮光性セルの上
面)にほぼ当接するように配され、かつ、光入射端(他
端)21a の開口は、凹部12の開口12a よりやや大
きく形成されているので、遮光性部材21の下方に一つ
の凹部12が送りこまれると、該遮光性部材21の内部
空間(光伝播部)と一つの凹部12の内部とが連続し
て、外部光の漏れこみがほぼ無い密閉状態となる。この
結果、遮光性部材21を介して、CCDカメラ31のレ
ンズと凹部12の開口12a とが対向し、凹部12内に
配された発光体73の発光による光をCCDカメラ31
により撮影(検出)可能となる。
【0033】なお、本発明において、「遮光性セルの光
透過窓(開口12a)を光伝播経路(遮光性部材21)
の他端(光入射端21a)側に当接状態で連結させる」
とは、光伝播経路の光伝播部と一つの凹部12の内部と
が連続して、外部光の漏れ込みがほぼ無い一つの連続し
た光伝播路を構成する状態を指す。
【0034】CCDカメラ31による発光体73の撮影
動作、およびスピンドルモータ44による円盤体11の
回転動作はコンピュータ(制御部)42により連関して
制御される。コンピュータ42には、CCDカメラ31
が撮影した画像データ(撮像データ)やその動作情報
が、カメラコントローラ41を介して入力されるように
なっており、コンピュータ42にはまた、スピンドルモ
ータ44の回転動作情報が、モータコントローラ43を
介して入力されるようになっている。ここで、CCDカ
メラ31の動作情報とは、撮像開始タイミング、撮像終
了タイミング、撮像時間など、CCDカメラ31の撮像
動作に関するあらゆる情報を指し、一方、スピンドルモ
ータ44の回転動作情報とは、スピンドルモータ44の
回転速度、回転の一時停止タイミングなど、スピンドル
モータ44の回転動作に関するあらゆる情報を指すもの
とする。
【0035】発光体73の発光状態を観測する際には、
コンピュータ42は、例えば、凹部12のいずれかが遮
光性部材21の光入射端21a と当接状態で連結される
位置(すなわち、光入射端21a の真下)に送りこまれ
るように円盤体11を回転させ、この状態で、円盤体1
1の回転を一時停止するようにスピンドルモータ44の
回転を制御する(図1(a )参照)。この状態では、凹
部12の内部とCCDカメラ31のレンズとが対向し、
発光体73の発光に由来する光が開口12aを介して上
記レンズに伝播される。そこで、コンピュータ42は、
カメラコントローラ41を介してCCDカメラ31に撮
像開始の指令を与えて、該CCDカメラ31に発光体7
3の分布および発光の強度を示す画像データを撮像させ
る。
【0036】次いで、コンピュータ42が、カメラコン
トローラ41を介してCCDカメラ31に撮像終了の指
令を与えると、円盤体11の回転が再開され、次の凹部
12( 未撮影の凹部) を光入射端21a の真下に送り込
む。このように、コンピュータ42を介したCCDカメ
ラ31および円盤体11の動作制御を繰り返すことで、
12個の凹部12内に配された発光体73全ての発光状
態を連続的に観測・撮像する(これを、1発光観測サイ
クルと称する)。CCDカメラ31が取得した発光体7
3の画像データは、凹部12毎の発光観測データとして
コンピュータ42内に保存される。
【0037】また、発光体73の発光状態(発光の強度
など)が経時的に変化する場合には、発光観測サイクル
を2度以上繰り返し行い、凹部12毎の発光観測データ
としてコンピュータ42内に保存される。そして、同一
の凹部12内に配された発光体73について、異なる発
光観測サイクルで取得した画像データ同士を比較すれ
ば、各発光体73の経時的な発光状態の変化を観測でき
る。なお、1発光観測サイクルの長さは適宜設定するこ
とができ、また、CCDカメラ31による発光体73の
撮像時間は、発光体73の発光の強度や、1発光観測サ
イクルの長さなどの条件により適宜決定すればよい。
【0038】本実施の形態にかかる発光観測装置は、上
記したように、一つのCCDカメラ31を用いて、複数
の凹部12内に配された発光体73を連続的に観測する
ものである。そのため、複数の凹部12をスライドさせ
て、これら凹部12を順次、遮光性部材21の光入射端
21a に連結する必要があるが、連結された凹部12と
光入射端21a との当接面間には隙間が生じ、ここから
外部光が凹部12内に漏れこむ虞がある。そして、この
ような外部光の漏れこみは、特に発光体73の発光強度
が比較的小さい場合に、観測精度を大きく低下させるノ
イズとなる。
【0039】そこで、本実施の形態にかかる発光観測装
置では、より好ましくは、フェルト部材51を遮光性部
材21の光入射端21a 側に設ける(図1(b)・
(c)参照)。フェルト部材51は、フェルトからなる
円環状の部材であり、光入射端21a の壁部(壁体の端
面部)に沿って、該壁部を完全に被覆するように設けら
れている。この結果、一つの凹部12と遮光性部材21
とが連結される際に、円環状のフェルト部材51が上記
光入射端21a と凹部12との間に配される(介挿され
る)。また、フェルト部材51は、凹部12の開口12
a の外周(外枠)より大きく形成されており、上記一つ
の凹部12と遮光性部材21とが連結される際に、開口
12a の外枠を取り囲む。つまり、フェルト部材51
は、遮光性セルの開口12aが形成される平面(円盤
面)と遮光性部材21の光入射端21aとの間に生じる
隙間を封鎖し、遮光性セルの内部(凹部12の内部)へ
の外部光の漏れ込みを防止するように配される。なお、
フェルト部材51の厚みは特に限定されるものではない
が、遮光性を特に良好とするために5mm程度であるこ
とがより好ましい。
【0040】フェルト部材51を設けることで、上記光
入射端21a の壁部と凹部12(円盤体11の円盤面)
との間に生じる隙間がより確実に塞がれて、発光体73
の観測精度が著しく向上する。また、フェルトは、遮光
性に優れるだけではなく、比較的磨耗しがたく長期使用
に耐える材料でもあり、加えて、遮光性部材21と円盤
体11との間に配されても、該円盤体11のスライド性
を実質的に低下させることのない優れた材料である。な
お、本発明でいうフェルトとは、一般に定義されるよう
に、熱、水蒸気、圧力を用いて両面編みした均質な織物
であり、1)圧縮フェルト、すなわち、羊毛または羊毛
と他の繊維との混紡を、温度・湿度ともに高い状態で、
羊毛の縮充性を利用して加圧下で編目構造にした不織
布、2)刺針フェルト(ニードルフェルト)、すなわち
刺針を通し、圧縮した合成繊維を機械両面編みした布、
3)織フェルト、が例示される。
【0041】また、図2(a)・(b)に示す発光観測
装置では、凹部12’の光透過窓の形状にあわせて、こ
の光透過窓と相似形状で、かつ一回り大きな開口を有す
る遮光性部材21’を使用する(図2(b)参照)。ま
た、遮光性部材21’の光入射端(光透過窓と当接する
端部)には、その外枠形状に沿って連続し、該外枠(円
盤体11との当接面部)を完全に被覆する環状のフェル
ト部材51’が設けられている。また、図1に示す場合
と同様、遮光性部材21’の光入射端と、円盤体11の
円盤面とは、間にフェルト部材51’が介挿された(挟
み込まれた)状態で互いに当接状態にある。
【0042】凹部12’内に配された発光体73を観察
する際には、上記凹部12’の光透過窓が遮光性部材2
1’の真下に入るように円盤体11を回転させる(図2
(b)参照)。これにより、フェルト部材51’は、凹
部12’の光透過窓の外枠を取り囲むように、遮光性部
材21’の光入射端(他端)と凹部12’との間に介挿
されて、上記光入射端と凹部12’との間に生じる隙間
からの外部光の漏れ込みがフェルト部材51’により好
適に抑制される。
【0043】図2(b)に示す凹部12’内には、凹部
12’とは異なる形状の容器61’が設置され、この容
器61’内に発光体73が配されている。また、凹部1
2’内の対向する二側壁の一方には、スプリング72と
容器受け71とからなる付勢手段が設けられており、凹
部12’内に配された容器61’を他方の側壁に押し付
けて固定する。このような付勢手段を設ければ、凹部1
2’から一旦取り出した容器61’を、該凹部12’内
の同一位置へ比較的簡単に再設置できる。例えば、同一
の容器61’内に配された発光体73の観測を、複数回
の発光観測サイクルにわたって行う場合などには、必要
に応じて容器61’を凹部12’から取外し、再び同一
位置に設置可能となるので好適である。なお、上記付勢
手段としては、各種エラストマーなどの弾性体も使用可
能である。
【0044】凹部12・12’内に配される発光体73
は、光を発するものであれば特に限定されるものではな
い。また、発光体73には、自己発光するものはもちろ
ん、励起により発光するものも含まれる。なお、励起に
より発光するもの(例えば、GFP(Green Fluorescen
t Protein)など励起により蛍光を発するもの)の発光を
観測する場合には、図1に示す構成に加えて、発光体7
3に励起エネルギー(励起光など)を付与する励起エネ
ルギー付与手段を新たに設ける必要がある。
【0045】また、CCDカメラ31による撮像を通し
て、発光体73の発光状態を経時的に観測する場合に
は、凹部12中での発光体73の位置が実質的に固定さ
れている必要がある。例えば、発光体73として生物を
使用する場合には、移動性が比較的低い生物体(例え
ば、固体培地上に配された植物体、微生物類(細菌類な
どを含む)、シアノバクテリア)や、固体培地上に配さ
れた細胞(単細胞生物の場合、生物体にも相当)などが
特に好適である。なお、本実施の形態にかかる発光観測
装置では、発光観測下にある凹部12以外には開口12
aを介して内部に光を付与可能なので、植物体、植物細
胞、シアノバクテリアなど光合成に依存する観測対象物
を観測対象とすることも容易である。
【0046】また、光検出部として、CCDカメラ31
に代えて光電子増倍管を使用することもできるが、この
場合には、一つの凹部12内に配された発光体73の発
光量の総和を検出するので、発光体73が移動するもの
であっても問題とならない。
【0047】また、発光体73として生物を使用する場
合、該生物は、発光細菌など自然状態で発光する生物体
やその細胞であってもよく、また、ゲノムに発光関連遺
伝子が発現可能に組み込まれた遺伝子組み換え体(生物
体やその細胞を含む)であってもよい。なお、このよう
な遺伝子組み換え体(細胞を除く遺伝子組み換え生物
体)は、非ヒト生物のものに限定される。
【0048】上記の発光関連遺伝子とは、1)各種GF
Pをコードする遺伝子のように、励起による発光に関与
する遺伝子であってもよく、2)各種ルシフェラーゼ遺
伝子のように、自己発光に関与する遺伝子であってもよ
い。特に、発光体73の発光強度の変化を経時的に観測
する場合には、生体内または細胞内で比較的速やかに分
解される各種ルシフェラーゼをコードする遺伝子(ルシ
フェラーゼ遺伝子)がより好適に使用される。また、各
種ルシフェラーゼ遺伝子を使用する場合には、その種類
に応じて適切な基質(酵素反応基質)、高エネルギー物
質(ATPやFMNH2 )、酸素などを供給する必要が
ある。なお、発光観測時間などの条件にもよるが、発光
体73が自身が高エネルギー物質や酸素を有している場
合、これらを外部から供給する必要がない。
【0049】発光関連遺伝子が発現可能に組み込まれた
遺伝子組み換え体は、アラビドプシス、ゼブラフィッシ
ュ、ショウジョウバエ、シアノバクテリアなど様々な生
物で既に作成されており、その作成方法の詳細について
は省略する(科学,vol.68,138-143, 1998 (岩波書店
発行)など参照)。
【0050】本実施の形態にかかる発光観測装置は、発
光現象の観測に関する種々の用途に使用可能である。例
えば、任意のプロモータ配列と、その下流側に発現可能
に連結された発光関連遺伝子とを有する遺伝子組み換え
体を発光体73として観測すれば、該プロモータ配列の
活性・非活性を発光体73からの発光の有無として確認
可能となる。なお、上記任意のプロモータ配列は、上記
遺伝子組み換え体が遺伝子の組み換え操作前から持って
いたものであってもよく、また、発光関連遺伝子と同様
に組み換え操作により導入されるものであってもよい。
【0051】また、上記プロモータ配列により発現が支
配される特定遺伝子と、上記発光関連遺伝子との双方
を、該プロモータ配列の支配下で並行して発現可能な遺
伝子組み換え体を作成すれば、発光体73の発光状態を
モニタすることで、特定遺伝子の発現の有無、発現の強
さなど(すなわち発現量)を可視的に観測可能となる。
【0052】より具体的な例として、シアノバクテリア
の一遺伝子psbAIのプロモータ下流に二種のルシフェラ
ーゼ遺伝子(luxA,luxB)を連結した遺伝子断片を、シア
ノバクテリア(Synechococcus sp.PCC 7942)のゲノムに
組み込んで遺伝子組み換え体を作成し(科学,vol.68,
138-143, 1998 参照)、この遺伝子組み換え体における
遺伝子psbAIのプロモータ活性を経時的に観測するもの
が挙げられる。上記遺伝子psbAIは光合成系IIに関わる
遺伝子であり、概日リズム(生物時計のリズム)に従っ
て発現する。概日リズムは約24時間サイクルであり、
測定間隔(1発光観測サイクルに要する時間)は30分
〜1時間程度に設定すれば充分である。一般には、例え
ば、図1に示す各凹部12内の発光体73(ここでは遺
伝子組み換えシアノバクテリアの各コロニー)を3分ず
つCCDカメラ31で露光し、暗バックグラウンドの測
定を含めて測定間隔を45分に設定する。また、発光観
測サイクルは複数回繰り返される。ルシフェラーゼの基
質としてはデカナールを用い、酸素、及び高エネルギー
物質としてのFMNH2 を供給する。
【0053】1回目の発光観測サイクルで撮像した発光
体(コロニー)73の画像データは、コンピュータ42
により解析され、境界線追跡法(「コンピュータ画像処
理」;産報出版(1982) 参照)で該コロニーを認識す
る。また、コンピュータ42は各発光体(コロニー)7
3の位置を記憶し、2回目以降の発光観測サイクルでは
発光体(コロニー)73毎に発光強度が測定され、記憶
される。また、取得された発光観測データは、コンピュ
ータ42内の解析ルーチンにより処理され、リズムの周
期、位相が算出される。
【0054】また、遺伝子組み換え体として、組み換え
操作前の生物体または細胞のゲノムに、該ゲノムのラン
ダムな小断片とルシフェラーゼ遺伝子とを融合させた遺
伝子断片を導入したものを採用してもよい。この場合、
上記ランダムな小断片がプロモータ配列を含んでいれ
ば、該遺伝子組み換え体やそのクローンは、該プロモー
タ配列が活性化されると発光する(発光体73とな
る)。発光体73となっている遺伝子組み換え体やその
クローンを撮影し、得られた画像データをもとに発光体
73を選別すれば、プロモータ配列を含む上記小断片を
クローニング、同定可能となる。また、上記プロモータ
配列を含む遺伝子組み換え体やクローンのみを選別して
ライブラリを作成し、該ライブラリを特定の条件下に置
いてその発光状態を観測してもよい。例えば、環境スト
レス下(ヒートショック下など)の特定の条件下でのみ
発光が観測される遺伝子組み換え体やクローンがあれ
ば、特定の条件下でのみ活性化されるプロモータ配列を
クローニング可能となる。
【0055】なお、発光体73からの発光が比較的弱い
場合や、異なる発光体73間での発光強度が大きく異な
る場合、一つの発光強度を閾値として画像データを解析
すると、発光体73の一部(発光強度の低いもの)が認
識されない虞もある。そこで、発光体73の画像データ
をコンピュータ42で解析する際には、発光強度を複数
の帯域に分けて各帯域を一つの閾値とし、発光強度の低
い側からより高い側の帯域へと閾値を順次変更した解析
を行うことがより好ましい。また、帯域同士は重複しな
いように設定されて、一の閾値での解析時に拾われた発
光体73が、異なる閾値での解析時に拾われないように
なっている。このような画像データの解析法を採用すれ
ば、発光強度の低い発光体73も確実に検出することが
可能となる。
【0056】本実施の形態にかかる発光観測装置では、
円盤体11に凹部12・12’が形成される構成につい
て説明したが、例えば、一方向に延びた遮光性のベルト
体の表面(遮光性セルの上面)に複数の凹部を設け、該
凹部内に発光体を配するようにしてもよい。この構成で
は、複数の凹部がベルト体の伸長方向に沿って隣接して
設けられるとともに、スピンドルモータ44に代えて、
該ベルト体をその伸長方向に送る送り機構(相対移動機
構;スライド機構)が設けられる。
【0057】また、図1に示す発光観測装置では、CC
Dカメラ31や遮光性部材21は固定したままで、凹部
12・12’のみをスライドさせるものであったが、こ
れとは逆に、CCDカメラ31のみをスライドさせても
よい。つまり、スピンドルモータ44を省略して円盤体
11の位置を固定する一方で、該円盤体11の中心を回
転中心としてCCDカメラ31を回転させる送り機構
(相対移動機構)を設けてもよい。
【0058】つまり、本発明において「相対移動機構」
とは、複数の遮光性セルの光透過窓(開口12a)を、
順次、光伝搬経路(遮光性部材21)の光入射端21a
に当接状態で連結させるべく、光伝播経路が固定された
光検出部(CCDカメラ31)と、複数の遮光性セルの
内部(凹部12の内部)とを相対移動させる機構であれ
ばよい。なお、観測データの管理や、凹部12の送り動
作の制御がより容易であるという理由で、円盤体11を
回転させる構成の方がより好ましい。
【0059】また、本実施の形態にかかる発光観測装置
は、発光体が内部に配される複数の遮光性凹部(凹部1
2に相当)が平板面(円盤面に相当)に形成された平板
体(円盤体11を含む)と、該発光体の発光により生じ
た光を検出する光検出部とを備え、上記遮光性凹部に
は、上記光を外部に出射可能な光透過窓が設けられると
ともに、上記光検出部には、上記光透過窓を介して出射
された光が入射され、該光を光検出部に伝播する光伝播
経路の一端側が固定されてなり、さらに、上記平板体を
スライドさせて、複数の遮光性凹部の光透過窓を、順
次、上記光伝播経路の他端側に当接状態で連結させるス
ライド機構と、上記遮光性凹部の光透過窓を光伝播経路
の他端側に連結させた際、平板体の上記平板面と光伝播
経路の他端との間に、この光透過窓の外枠を取り囲むよ
うに配される、環状のフェルト部材とを備えてなる構成
であってもよい。
【0060】また、上記環状のフェルト部材は、光伝播
経路の光入射端(光透過窓と当接する端部)の外枠形状
(端面形状)に沿って連続し、該外枠(端面)を完全に
被覆するように設けられることが好ましい。
【0061】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について、図3などに基づいて説明すれば以下の通りで
ある。なお、上記実施の形態1で説明した部材と同一の
機能・構成を有する部材に関しては同一の符号を付し、
その詳細な説明は省略する。
【0062】本実施の形態にかかる発光観測装置は、発
光体の選別を容易とするために、実施の形態1に係る発
光観測装置において、さらに、撮像用の光を発光体73
に付与する光源74を含んで構成される(図3(a)に
要部のみ示す)。なお、光源74用の電源などは図示を
省略する。実施の形態1に係る発光観測装置では、CC
Dカメラ31が撮影した画像データを参照して発光体の
位置をおおよそ把握することは出来るが、非発光体と発
光体とが密に混在する場合に両者を正確に選別すること
は困難である。
【0063】一方、本実施の形態にかかる発光観測装置
は、非発光体73’と発光体73とが、一つの凹部12
内に混在する場合でも両者の選別を可能とするものであ
る。具体的には、一つの凹部12とCCDカメラ31と
が遮光性部材21を介して対向した状態で、光源74よ
り撮像用の光を付与して非発光体73’と発光体73と
を全てCCDカメラ31で撮像する。また、光源74よ
り撮像用の光を付与せず、かつ外部光の漏れ込みのない
条件で、非発光体73’と発光体73とを全てCCDカ
メラ31で撮像する(撮像工程)。
【0064】光源74より撮像用の光を付与して得られ
た画像データには、図3(b)に示すように、非発光体
73’と発光体73とが全て写し取られている。一方、
撮像用の光の非存在下で得られた画像データには、図3
(c)に示すように、自身が発光するまたは励起により
発光する発光体73のみが写し取られている。そのた
め、撮像用の光の存在下で得られた画像データと、撮像
用の光の非存在下で得られた画像データとを比較して、
両方の画像データ中に共通に含まれる撮像データを確認
すれば、これを発光体73として選別可能となる(選抜
工程)。
【0065】なお、撮像用の光の存在下で得られた画像
データと、非存在下で得られた画像データとの比較は、
1)コンピュータ42(図1(a)参照)内でこれら画
像データ同士を合成して行ってもよく、2)画像データ
を可視化して、観察者自身に行わせてもよい。
【0066】また、同一の凹部12内に配された発光体
73と非発光体73’との混合集団について、撮像用の
光の存在下/非存在下で得られた画像データ同士を合成
し、両方の画像データ中に共通に含まれる撮像データの
みを抽出・選別するようにコンピュータ42を構成すれ
ば、該コンピュータ42は発光体選別部としても機能す
る。
【0067】凹部12内に配される発光体73と非発光
体73’との混合集団としては、生物体または細胞の集
団が対象とされる。実施の形態1で説明したように、特
定遺伝子の発現量の観測用、プロモータ活性の観測用、
並びに選択マーカーなどとして、生物体または細胞に発
光関連遺伝子を導入する手法は頻繁に採用される。しか
しながら、従来、生物体または細胞に、発光関連遺伝子
が発現可能に導入されたか否かを効率的に判別する装置
・手法は提供されていなかった。
【0068】本実施の形態にかかる発光観測装置では、
遺伝子組み換え操作(発光関連遺伝子を導入する操作)
後の生物体または細胞の集団を対象とし、発光関連遺伝
子が導入されたものは発光体73となり、導入されなか
ったものは非発光体73’となる点を利用する。また、
本発光観測装置では、複数の凹部12内に配された生物
体または細胞の集団を対象とした連続スクリーニングが
可能なので、従来の方法と比較してより効率的な選別作
業が可能となる。つまり、複数の遮光性セル内に配され
た混合集団を対象に選別を行うので、大量のサンプルか
ら発光体73を連続的に選別可能となる。
【0069】なお、上記発光観測装置を、発光する生物
体のスクリーニング用に使用する場合には、撮像用の光
の付与下と非付与下との2回の撮影で、撮影対象の位置
が固定されている必要がある。そこで、2回の撮影間隔
を比較的小さくするとともに、上記生物体として移動性
が比較的低いもの(例えば、固体培地上に配された植物
体、微生物類(細菌類などを含む)、シアノバクテリ
ア)を使用することがより好ましい。また、本発光観測
装置の適用に際しては、遺伝子組み換え操作前の生物体
または細胞が発光関連遺伝子と類似した波長の発光を行
わないことが前提条件となる。なお、フェルト部材(図
1参照)は必ずしも設ける必要はない。
【0070】また、図3(a)に示すように、開口12
aを遮光性部材21の光入射端21aに当接状態で連結
させた際に、凹部12内に配される発光体73や非発光
体73’の混合集団(特に、生物体または細胞の集団)
とCCDカメラ31との間に位置し、所定条件の光のみ
を通過させるフィルタ手段(フィルタ手段A・B)31
aを設けることもできる。この構成では、上記フィルタ
手段を透過可能な所定条件の光を発する発光体のみを発
光体73として選別可能となる。
【0071】フィルタ手段31aとしては、例えば、特
定波長の光のみを通過させるものが挙げられ、該フィル
タ手段31aを用いれば、撮像対象内に異なる波長の光
を発する発光体が有る場合、その一方のみを発光体73
として選別可能となる。
【0072】以上のように、本実施の形態にかかる発光
観測装置は、光源74を新たに設けることで、非発光体
73’と発光体73とが混在し、かつ比較的高密度に分
布する場合でも、両者をより効率的に選別可能な発光体
選別装置となる。なお、図3(a)に示す構成では、一
つのCCDカメラ31が、撮像用の光の存在下で画像デ
ータを取得する画像形成部と、撮像用の光の非存在下で
画像データを取得する光検出部との双方を兼ねるように
なっているが、もちろん画像形成部を別個設けてもよ
い。例えば、本実施の形態にかかる発光観測装置を、室
内灯の点灯下や自然光下で運転する場合には、室内光や
自然光を撮像用の光とするCCDカメラA(図示せず)
を別個設け、非発光体73’と発光体73とをまとめて
撮像させてもよい。
【0073】また、CCDカメラ31を上下方向に移動
可能させる移動手段(図示せず)を設けて、上記室内光
や自然光を撮像用の光として凹部12の内部に導入する
ことも可能である。この構成では、画像形成部と光検出
部とを同一の手段(CCDカメラ31)とすることがで
きる。
【0074】〔実施の形態3〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図4などに基づいて説明すれば以下の
通りである。なお、上記実施の形態1で説明した部材と
同一の機能・構成を有する部材に関しては同一の符号を
付し、その詳細な説明は省略する。
【0075】本実施の形態にかかる発光観測装置は、波
長の異なる二種以上の光を発する発光体を対象として、
その発光状態を観察する装置である。詳細には、実施の
形態1に係る発光観測装置において、さらにCCDカメ
ラ31と、該CCDカメラ31に固定される遮光性部材
21とを設けた構成となっている(図4(a)参照)。
なお、2つのCCDカメラを区別するため、場合によっ
ては一方をCCDカメラ31A(光検出部)、他方をC
CDカメラ31B(光検出部)と称し、また、2つの遮
光性部材21を区別するため、場合によっては一方を遮
光性部材21A、他方を遮光性部材21Bと称する。
【0076】CCDカメラ31B、及びそれに連結され
た遮光性部材21Bは、実施の形態1で示すCCDカメ
ラ31(31A)や遮光性部材21(21A)と同様に
構成されており、詳細な説明は省略する。また、遮光性
部材21Aの光入射端21aが一つの開口12aに当接
状態で連結される際に、遮光性部材21Bの光入射端2
1aが他の一つの開口12aに当接状態で連結される。
つまり、CCDカメラ31A・31Bは、互いに異なる
凹部12内に配された発光体を同時に撮影する。
【0077】図4(b)に示す凹部12内には、1)特
定波長A(nm)の光(例えば青色光)を発する発光体
(図示せず)と、特定波長B(nm)の光(例えば赤色
光)を発する発光体(図示せず;発光体A/Bと称す
る)とが配される。または、2)特定波長Aの光と特定
波長Bの光との双方を発光可能な発光体(図示せず;発
光体ABと称する)が配される。なお、特定波長Aと特
定波長Bとは互いに異なる波長である。
【0078】特に限定されるものではないが、上記発光
体A/Bの一例としては、特定波長Aの発光に関与する
発光関連遺伝子Aが発現可能に導入された遺伝子組み換
え体(生物体または細胞)と、特定波長Bの発光に関与
する発光関連遺伝子Bが発現可能に導入された遺伝子組
み換え体との混合集団が挙げられる。また、上記発光体
ABとしては、発光関連遺伝子A・Bの双方が発現可能
に導入された遺伝子組み換え体の集団が挙げられる。
【0079】上記CCDカメラ31A・31Bは、波長
の異なる光を互いに独立に検出する。すなわち、CCD
カメラ31Aは、特定波長Aの光を検出可能で、かつ特
定波長Bの光を検出できず、一方、CCDカメラ31B
は、特定波長Aの光を検出できず、かつ特定波長Bの光
を検出可能となっている。また、実施の形態1で説明し
た発光観測装置と同様に、CCDカメラ31A・31B
が撮像した画像データは、カメラコントローラ41を介
してコンピュータ42に入力され、凹部12毎の画像デ
ータとして整理・保存される。なお、二つのCCDカメ
ラ31A・31Bが異なるフィルタ手段(図示せず)を
装着したものであれば、CCDカメラ31A・31Bに
異なる波長検出特性を容易に持たせうる。
【0080】本実施の形態にかかる発光観測装置は、発
光体が発する波長の異なる二種以上の光を、それぞれ独
立して同時にかつ連続的に観測可能であり、その用途は
特に限定されない。例えば、発光体A/Bを観測対象と
し、CCDカメラ31A・31Bが撮像した画像データ
の一方のみに含まれる発光体を選別すれば、特定波長A
またはBのいずれかの光を発する発光体の連続式選別装
置となる。また、発光体ABを観測対象とすれば、発光
体AB(特に、発光する生物体または細胞)自身による
光の遮蔽や吸収を共有するという理由で観測精度の向上
につながり、発光体の発光状態の観測を連続的かつより
高精度に行うことが可能となる。
【0081】また、図4(b)に示すように、CCDカ
メラ31A・31Bを同一の遮光性部材21cの光出射
端側に挿入して、該遮光性部材21cを共有させること
もできる。この場合、遮光性部材(光伝播経路)の数を
低減可能となり、また、CCDカメラ31A・31B
が、同時に同一の凹部12内の撮像を行うことが可能と
なる。よって、CCDカメラ31A・31Bの撮像動作
や円盤体11の回転動作の制御がより容易となり、加え
て得られた画像データの管理がより容易となる。なお、
図4(b)に示すように、遮光性部材21cの光入射端
と複数の開口12aとを、同時に当接状態で連結しても
よい。
【0082】なお、本実施の形態では、「波長の異なる
二種以上の光を独立に検出する光検出部」として、「異
なる波長検出特性を有する複数個の光検出部」を例示し
たが、特にこの構成に限定されるものではない。例え
ば、光の種類数と同数のフィルタ手段(各フィルタ手段
は異なる一種類の光のみ透過させる)と、該フィルタ手
段を切り換える切り換え手段とを備えた一つの光検出部
を採用してもよい。
【0083】本実施の形態にかかる発光観測装置は、波
長の異なる二種以上の光を発する発光体が内部に配され
る複数の遮光性凹部が平板面に形成された平板体と、該
発光体の発光により生じる上記光を独立に検出する一つ
または複数の光検出部とを備え、上記遮光性凹部には、
上記光を外部に出射可能な光透過窓が設けられるととも
に、上記光検出部には、上記光透過窓を介して出射され
た光が入射され、該光を光検出部に伝播する光伝播経路
の一端側が固定されてなり、さらに、上記平板体をスラ
イドさせて、複数の遮光性凹部の光透過窓を、順次、上
記光伝播経路の他端側に当接状態で連結させるスライド
機構を備えてなる構成であってもよい。
【0084】
【発明の効果】本発明にかかる発光観測装置は、以上の
ように、発光体が内部に配される複数の遮光性セルと、
発光体の発光を検出する光検出部とを備え、遮光性セル
には光透過窓が設けられるとともに、光検出部には、光
透過窓を介して出射された光を伝播する光伝播経路の一
端側が固定されてなり、さらに、光検出部と複数の遮光
性セルとを相対移動させて、その光透過窓を、順次、光
伝播経路の他端側に連結させる相対移動機構と、光透過
窓を光伝播経路の他端側に連結させた際、遮光性セルと
光伝播経路の他端との間に、この光透過窓の外枠を取り
囲むように配される、環状のフェルト部材とを備えてな
る構成である。
【0085】上記の構成によれば、環状のフェルト部材
により、遮光性セルの内部への外部光の漏れ込みが確実
に防止されるので、観測精度が著しく向上されてなる発
光観測装置を提供可能となるという効果を奏する。
【0086】本発明にかかる発光観測装置はまた、以上
のように、波長の異なる光を発する発光体が内部に配さ
れる複数の遮光性セルと、発光体の発光を独立に検出す
る光検出部とを備え、遮光性セルには光透過窓が設けら
れるとともに、光検出部には、光透過窓を介して出射さ
れた光を光検出部に伝播する光伝播経路の一端側が固定
されてなり、さらに、光検出部と複数の遮光性セルとを
相対移動させて、その光透過窓を、順次、光伝播経路の
他端側に連結させる相対移動機構を備えてなる構成であ
る。
【0087】上記の構成によれば、発光体が発する波長
の異なる二種以上の光を、独立して同時にかつ連続的に
観測可能な発光体観測装置を提供することができるとい
う効果を奏する。
【0088】本発明にかかる発光観測装置は、上記の構
成において、光検出部を複数備え、これら光検出部は光
伝播経路を共有する構成であることがより好ましい。
【0089】上記の構成によれば、光伝播経路の数を低
減可能となる。また、複数の光検出部が、同時に、同一
の遮光性セル内からの光の検出を行うことが可能とな
り、光検出部の動作制御や相対移動手段の動作制御がよ
り容易となるという効果を加えて奏する。
【0090】本発明にかかる発光観測装置は、上記の構
成において、上記発光体は、発光関連遺伝子が発現可能
に導入された遺伝子組み換え体であることがより好まし
い。
【0091】上記の構成によれば、上記遺伝子組み換え
体の発光状態を連続的に観測可能な発光観測装置を提供
可能となるという効果を加えて奏する。
【0092】本発明にかかる発光体の選別方法は、以上
のように、生物体/細胞の集団を、撮像用の光の存在下
と非存在下とで撮像してそれぞれ画像データを得る工程
と、次いで、撮像用の光の存在下で得られた画像データ
と、撮像用の光の非存在下で得られた画像データとを比
較して、両画像データに共通に含まれる生物体/細胞を
確認し、これを発光体として選別する工程とを含んでな
る方法である。
【0093】上記の方法によれば、上記生物体または細
胞の集団が発光体と非発光体との混合集団である場合で
あっても、発光体のみを確実に選別可能な方法を提供可
能となるという効果を奏する。
【0094】本発明にかかる発光体選別装置は、以上の
ように、生物体/細胞の集団が内部に配される複数の遮
光性セルと、遮光性セルに設けられる光透過窓と、生物
体/細胞の集団に含まれる発光体からの光を画像データ
として取得する光検出部と、光検出部に一端側が固定さ
れ、遮光性セルの内部から出射された光を光検出部に伝
播する光伝搬経路と、光検出部と複数の遮光性セルとを
相対移動させて、その光透過窓を、順次、光伝播経路の
他端側に連結させる相対移動機構と、生物体/細胞の集
団に、光透過窓を介して撮像用の光を付与する光源と、
生物体/細胞の集団を、撮像用の光の存在下で撮像して
画像データを取得する画像形成部とを含んでなる構成で
ある。
【0095】上記の構成によれば、光検出部が取得した
画像データと、画像形成部が取得した画像データとを比
較することで、上記生物体または細胞の集団が発光体と
非発光体との混合集団である場合であっても、発光体の
みを確実に選別可能な発光体選別装置を提供可能となる
という効果を奏する。
【0096】本発明にかかる発光体選別装置はまた、上
記の構成において、同一の遮光性セルの内部に配された
生物体/細胞の集団について、光検出部が取得した画像
データと、画像形成部が取得した画像データとを比較し
て、両画像データに共通に含まれる生物体/細胞を確認
し、これを発光体として選別する発光体選別部を含んで
なることがより好ましい。
【0097】上記の構成によれば、光検出部が取得した
画像データと、画像形成部が取得した画像データとを発
光体選別部において比較することで、生物体/細胞の集
団が発光体と非発光体との混合集団である場合であって
も、発光体のみを確実に選別可能な発光体選別装置を提
供可能となるという効果を加えて奏する。
【0098】本発明にかかる発光体選別装置は、上記の
構成において、遮光性セルの光透過窓を光伝播経路の他
端側に連結させた際に、遮光性セルの内部に配される生
物体/細胞の集団と光検出部との間に位置し、かつ、所
定条件の光のみを通過させるフィルタ手段をさらに備え
ていてもよい。
【0099】上記の構成によれば、上記所定条件の光を
発する発光体のみを選別可能な発光体選別装置を提供可
能となるという効果を加えて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる発光観測装置の
構成を示し、(a)はその概略斜視図、(b)はCCD
カメラ、遮光性部材、フェルト部材の位置関係を説明す
る概略上面図、(c)は装置要部の概略断面図である。
【図2】(a)〜(b)は、図1に示す発光観測装置の
一変形例を説明する図である。
【図3】(a)は、本発明の他の実施の形態にかかる発
光観測装置の要部構成を説明する図であり、(b)〜
(c)は、この発光観測装置が撮像した画像データの一
例を示す図である。
【図4】(a)は、本発明のさらに他の実施の形態にか
かる発光観測装置の構成を説明する図であり、(b)は
(a)に示す装置の一変形例を説明する図である。
【符号の説明】
12・12’ 凹部(遮光性セル(の内部)) 12a 開口(光透過窓) 21 遮光性部材(光伝播経路) 21a 光入射端(光伝播経路の他端) 21b 光出射端(光伝播経路の一端) 21c 遮光性部材(光伝播経路) 31 CCDカメラ(光検出部:画像形成部) 31a フィルタ手段 42 コンピュータ(発光体選別部) 44 スピンドルモータ(相対移動機構) 51 フェルト部材 73 発光体 74 光源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/483 G01N 33/483 C 4B063 // G01J 1/02 G01J 1/02 D Q Fターム(参考) 2G043 AA04 BA16 CA05 DA01 EA01 EA06 FA03 GA06 GA07 GB21 HA15 JA02 LA02 LA03 MA01 2G045 CB01 CB21 FA11 GC15 2G057 AA04 AA14 AC05 BA01 BB06 DA04 DB02 DB05 HA04 2G065 AA04 AA11 AB04 AB11 BA04 BA18 BB26 CA05 DA10 4B029 AA07 AA23 BB01 BB11 FA04 4B063 QA01 QQ06 QQ08 QQ09 QQ13 QR58 QR75 QR77 QR78 QS36 QS39 QX02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発光体が内部に配される複数の遮光性セル
    と、該発光体の発光により生じた光を検出する光検出部
    とを備え、 上記遮光性セルには、上記光を外部に出射可能な光透過
    窓が設けられるとともに、上記光検出部には、上記光透
    過窓を介して出射された光が入射され、該光を光検出部
    に伝播する光伝播経路の一端側が固定されてなり、さら
    に、 上記光伝播経路が固定された光検出部と、上記複数の遮
    光性セルとを相対移動させて、複数の遮光性セルの光透
    過窓を、順次、上記光伝播経路の他端側に当接状態で連
    結させる相対移動機構と、 上記遮光性セルの光透過窓を光伝播経路の他端側に連結
    させた際、該遮光性セルと光伝播経路の他端との間に、
    この光透過窓の外枠を取り囲むように配される、環状の
    フェルト部材とを備えてなることを特徴とする発光観測
    装置。
  2. 【請求項2】波長の異なる二種以上の光を発する発光体
    が内部に配される複数の遮光性セルと、該発光体の発光
    により生じる上記光を独立に検出する一つまたは複数の
    光検出部とを備え、 上記遮光性セルには、上記光を外部に出射可能な光透過
    窓が設けられるとともに、上記光検出部には、上記光透
    過窓を介して出射された光が入射され、該光を光検出部
    に伝播する光伝播経路の一端側が固定されてなり、さら
    に、 上記光伝播経路が固定された光検出部と、上記複数の遮
    光性セルとを相対移動させて、複数の遮光性セルの光透
    過窓を、順次、上記光伝播経路の他端側に当接状態で連
    結させる相対移動機構を備えてなることを特徴とする発
    光観測装置。
  3. 【請求項3】上記光検出部を複数備えてなり、これら複
    数の光検出部が上記光伝播経路を共有していることを特
    徴とする請求項2に記載の発光観測装置。
  4. 【請求項4】上記発光体は、発光関連遺伝子が発現可能
    に導入された遺伝子組み換え体であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか一項に記載の発光観測装
    置。
  5. 【請求項5】生物体または細胞の集団から、発光体を選
    別する方法であって、 上記生物体または細胞の集団を、撮像用の光の存在下と
    非存在下とで撮像してそれぞれ画像データを得る工程
    と、次いで、 上記撮像用の光の存在下で得られた画像データと、該撮
    像用の光の非存在下で得られた画像データとを比較し
    て、両方の画像データ中に共通に含まれる生物体または
    細胞を確認し、これを発光体として選別する工程とを含
    んでなることを特徴とする発光体の選別方法。
  6. 【請求項6】生物体または細胞の集団から、発光体を選
    別する発光体選別装置であって、 上記生物体または細胞の集団が内部に配される複数の遮
    光性セルと、 上記遮光性セルに設けられ、光が透過可能な光透過窓
    と、 上記生物体または細胞の集団に発光体が含まれる場合
    に、該発光体からの光を画像データとして取得する光検
    出部と、 上記光検出部にその一端側が固定され、上記遮光性セル
    の内部より光透過窓を介して出射された光を上記光検出
    部に伝播する光伝搬経路と、 上記光伝播経路が固定された光検出部と、上記複数の遮
    光性セルとを相対移動させて、複数の遮光性セルの光透
    過窓を、順次、上記光伝播経路の他端側に当接状態で連
    結させる相対移動機構と、 上記生物体または細胞の集団に、上記光透過窓を介して
    撮像用の光を付与する光源と、 上記生物体または細胞の集団を、上記撮像用の光の存在
    下で撮像して画像データを取得する画像形成部とを含ん
    でなることを特徴とする発光体選別装置。
  7. 【請求項7】同一の遮光性セルの内部に配された上記生
    物体または細胞の集団について、上記光検出部が取得し
    た画像データと、上記画像形成部が取得した画像データ
    とを比較して、両方の画像データ中に共通に含まれる生
    物体または細胞を確認し、これを発光体として選別する
    発光体選別部を含んでなることを特徴とする請求項6に
    記載の発光体選別装置。
  8. 【請求項8】上記遮光性セルの光透過窓を光伝播経路の
    他端側に連結させた際に、該遮光性セルの内部に配され
    る上記生物体または細胞の集団と光検出部との間に位置
    し、かつ、所定条件の光のみを通過させるフィルタ手段
    をさらに備えてなることを特徴とする請求項6または7
    に記載の発光体選別装置。
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